JP2020028906A - 鋼の鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】横割れの発生を抑制する。【解決手段】第1事前準備において(1)矯正帯開始位置で鋳片IN面のコーナー部の温度を測定し、(2)コーナー部に発生したオシレーションマークの最大深さを決定し、(3)横割れ発生の有無を調べ、(4)脆化温度域において横割れが発生しない温度範囲と最大深さの範囲を調べる。第2事前準備において(5)実操業で実施する複数の鋳造で共通する鋳造条件と同じ条件で鋳造し、(6)鋳片IN面のコーナー部に発生したオシレーションマークの最大深さを決定し、(7)最大深さと他の鋳造条件との相関関係を用いて実操業のオシレーションマーク最大深さを推定し、(8)推定した最大深さのときに横割れが発生しない温度範囲を決定する。実操業において矯正帯開始位置で鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域内で且つ(8)の温度範囲内になるように2次冷却条件を設定する。【選択図】図2
Description
本発明は、鋼の鋳造方法に関する。
鋼の鋳造において、溶鋼はタンディッシュから鋳型に注入され、鋳型内壁面と接触し、冷却されることにより、凝固殻が形成される。凝固殻が鋳型内壁面に固着することを抑制するため、鋳型を上下方向に振動させている。しかし、鋳型を振動させることにより、鋳片表面のコーナー部に、鋳片幅方向に沿ってオシレーションマークが形成される。
垂直曲げ型連続鋳造機又は曲げ型連続鋳造機を用いて鋼を鋳造した場合、曲げ部によって湾曲した鋳片は、矯正帯を通過したときに曲げ戻される。曲げ戻し時に、鋳片の上面に相当する鋳片IN面に引張応力が発生する。このとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域内である場合、コーナー部において、オシレーションマークが深い部分に、鋳片幅方向に沿った横割れが発生しやすい。
そのため、鋳片が矯正帯を通過しているとき、鋳片IN面のコーナー部が脆化温度域に入らないようにする方法が提案されている。例えば、特許文献1、2では、矯正帯で鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域より高くなるようにしている。特許文献3、4では、矯正帯で鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域より低くなるようにしている。
特許文献1では、鋳片IN面においてコーナー部の温度が脆化温度域より高くなるようにするため、誘導加熱用インダクター又はコイルを用いて鋳片を加熱している。しかし、誘導加熱用インダクター又はコイルといった部材が必要となる。
また、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域より高くなるようにした場合、以下の問題が起こるおそれがある。
スラブを鋳造する場合、鋳片IN面において、コーナー部は広面および狭面の2面から冷却されるが、幅方向中央部は広面からしか冷却されない。そのため、幅方向中央部の温度はコーナー部の温度より高い。鋳片IN面においてコーナー部の温度を脆化温度域より高くなるようにした場合、幅方向中央部の温度はさらに高温になるため、幅方向中央部の凝固殻は薄い。そのためバルジングが発生しやすい。バルジングが発生すると、内部割れが発生することがある。
スラブを鋳造する場合、鋳片IN面において、コーナー部は広面および狭面の2面から冷却されるが、幅方向中央部は広面からしか冷却されない。そのため、幅方向中央部の温度はコーナー部の温度より高い。鋳片IN面においてコーナー部の温度を脆化温度域より高くなるようにした場合、幅方向中央部の温度はさらに高温になるため、幅方向中央部の凝固殻は薄い。そのためバルジングが発生しやすい。バルジングが発生すると、内部割れが発生することがある。
一方、矯正帯で、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域より低くなるようにした場合、以下の問題が起こるおそれがある。
コーナー部の温度が脆化温度域より低い場合、コーナー部の温度低下が進んでいるため、コーナー部の凝固も進んでいる。鋳片は搬送ロールによって下流に搬送されるが、コーナー部の凝固が進んでいる場合、矯正帯に配置された搬送ロールが、コーナー部から大きな矯正反力を受ける。そのため、搬送ロールに大きな負荷がかかる。
コーナー部の温度が脆化温度域より低い場合、コーナー部の温度低下が進んでいるため、コーナー部の凝固も進んでいる。鋳片は搬送ロールによって下流に搬送されるが、コーナー部の凝固が進んでいる場合、矯正帯に配置された搬送ロールが、コーナー部から大きな矯正反力を受ける。そのため、搬送ロールに大きな負荷がかかる。
上記より、鋳片IN面においてコーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにした場合、コーナー部で横割れが発生することを抑制できるが、それ以外の問題が生じることがある。
本発明は、鋳片IN面のコーナー部で横割れが発生することを抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようにすることを目的とする。
鋳片が矯正帯を通過しているとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにした場合、上述した問題が起こる。そこで、本発明者は、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域に入る場合について検討した。その結果、脆化温度域内に、横割れの発生が抑制される温度範囲があることがわかった。また、横割れの発生が抑制される温度範囲は、オシレーションマークの深さと関係していることがわかった。これらの知見を基に、本発明者は以下の発明に至った。
本発明の鋼の鋳造方法は、垂直曲げ型連続鋳造機又は曲げ型連続鋳造機を用いて鋳片を鋳造する鋳造方法であり、実操業の前に第1事前準備および第2事前準備を行う。
前記第1事前準備は、鋳造開始後、矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度を測定する温度測定工程と、鋳造終了後、鋳片のIN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第1オシレーションマーク測定工程と、前記第1オシレーションマーク測定工程で決定された最大深さを有するオシレーションマークで、横割れが発生しているかを調べる横割れ検査工程と、前記温度測定工程で測定した鋳片表面温度、前記第1オシレーションマーク測定工程で決定した最大深さ、および、前記横割れ検査工程で調べた横割れの発生の有無から、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を調べる第1工程とを有する。
前記第2事前準備は、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で複数の鋳造を実施し、各鋳造終了後、各鋳造によって得られた各鋳片において、IN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第2オシレーションマーク測定工程と、前記第2オシレーションマーク測定工程で決定した各鋳片の最大深さと、前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件との相関関係を調べ、その相関関係を用いて、実操業の鋳造条件で鋳造を実施したときに鋳片に発生し得るオシレーションマークの最大深さを推定するオシレーションマーク最大深さ推定工程と、前記第1工程で調べた横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を用いて、前記オシレーションマーク最大深さ推定工程で推定した最大深さのときに横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲を求める第2工程とを有する。
実操業において、前記矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度が、鋼の脆化温度域内であり且つ前記第2工程で決定した前記鋳片表面温度の範囲内になるように、実操業の2次冷却条件を設定する第3工程を実施する。
前記第1事前準備は、鋳造開始後、矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度を測定する温度測定工程と、鋳造終了後、鋳片のIN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第1オシレーションマーク測定工程と、前記第1オシレーションマーク測定工程で決定された最大深さを有するオシレーションマークで、横割れが発生しているかを調べる横割れ検査工程と、前記温度測定工程で測定した鋳片表面温度、前記第1オシレーションマーク測定工程で決定した最大深さ、および、前記横割れ検査工程で調べた横割れの発生の有無から、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を調べる第1工程とを有する。
前記第2事前準備は、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で複数の鋳造を実施し、各鋳造終了後、各鋳造によって得られた各鋳片において、IN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第2オシレーションマーク測定工程と、前記第2オシレーションマーク測定工程で決定した各鋳片の最大深さと、前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件との相関関係を調べ、その相関関係を用いて、実操業の鋳造条件で鋳造を実施したときに鋳片に発生し得るオシレーションマークの最大深さを推定するオシレーションマーク最大深さ推定工程と、前記第1工程で調べた横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を用いて、前記オシレーションマーク最大深さ推定工程で推定した最大深さのときに横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲を求める第2工程とを有する。
実操業において、前記矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度が、鋼の脆化温度域内であり且つ前記第2工程で決定した前記鋳片表面温度の範囲内になるように、実操業の2次冷却条件を設定する第3工程を実施する。
上記方法によると、実操業において、鋳片が矯正帯を通過しているとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が、脆化温度域内において横割れの発生が抑制される温度域に入るようになる。そのため、鋳片IN面のコーナー部で、横割れが発生することが抑制される。また、上記方法では、鋳片が矯正帯を通過しているとき、コーナー部の温度を脆化温度域より高い温度にしなくてよいため、誘導加熱用インダクターやコイルといった別の部材が不要である。また、鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域内であるため、鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域より高くした場合および鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域より低くした場合に生じる問題が起こらないようになる。したがって、横割れの発生を抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようになる。
上記方法において、前記第1事前準備において、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で鋳造を実施し、前記第1事前準備で実施する鋳造と、前記第2事前準備で実施する鋳造が同じ鋳造であることが好ましい。
上記方法によると、第1事前準備で実施する鋳造を、第2事前準備の鋳造と兼ねて行うことができる。これにより第2事前準備で行う鋳造回数を低減できる。また、第2事前準備における第2オシレーションマーク測定工程で、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した最大深さを用いることができる。これにより、第2事前準備で行う作業を減らすことができる。また、第2事前準備にかかる時間を短縮することができる。
上記方法において、前記実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件および前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件は、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度のいずれかであることが好ましい。前記実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件は異なる。
モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度の鋳造条件は、オシレーションマーク深さに影響する条件である。そのため、これらの鋳造条件を変えた場合、オシレーションマーク深さが変わりやすい。上記方法によると、実操業においてこれらの鋳造条件のいずれかを変える場合、変えたときのオシレーションマーク深さを推定できる。推定したオシレーションマーク深さから、その条件で鋳造する場合の横割れが発生しない温度範囲を求めることができる。実操業において矯正帯でこの温度範囲となるように2次冷却条件を設定することにより、実操業で上記鋳造条件を変えても横割れの発生を抑制できる。
本発明によると、鋳片IN面のコーナー部で横割れが発生することを抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようにすることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、垂直曲げ型連続鋳造機1の構成を模式的に示している。垂直曲げ型連続鋳造機1は、タンディッシュ2と、タンディッシュ2の底部に取り付けられた浸漬ノズル3と、鋳型4と、複数のロール5とを備える。複数のロール5は、鋳造経路Qの両側に、鋳造経路Qに沿って配置されている。鋳造方向に隣り合う2つのロール5とロール5の間には、冷却ノズル6が配置されている。図1には、一例として、スラブを鋳造する連続鋳造機を示している。
図1に、垂直曲げ型連続鋳造機1の構成を模式的に示している。垂直曲げ型連続鋳造機1は、タンディッシュ2と、タンディッシュ2の底部に取り付けられた浸漬ノズル3と、鋳型4と、複数のロール5とを備える。複数のロール5は、鋳造経路Qの両側に、鋳造経路Qに沿って配置されている。鋳造方向に隣り合う2つのロール5とロール5の間には、冷却ノズル6が配置されている。図1には、一例として、スラブを鋳造する連続鋳造機を示している。
本実施形態では、鋳造経路Qに沿って鋳型4に近い側を上流側と称し、鋳型4に遠い側を下流側と称する。また、鋳片の下側に対応した側を「OUT側」と称し、鋳片の上側に対応した側を「IN側」と称する。鋳片の下側に対応した側は「基準側」と称されることがある。鋳片の上側に対応した側は「反基準側」と称されることがある。また、本実施形態では、OUT側の鋳片表面を「OUT面」又は「鋳片OUT面」と称し、IN側の鋳片表面を「IN面」又は「鋳片IN面」と称する。OUT側の鋳片表面は基準面と称されることがある。IN側の鋳片表面は反基準面と称されることがある。
鋳造経路Qは、垂直帯11と、曲げ帯12と、円弧帯13と、矯正帯14と、水平帯15とを有する。垂直帯11は、鉛直方向に延在している。曲げ帯12は、垂直帯11から緩やかに湾曲している。曲げ帯12の曲率半径は、下流に進むにつれて小さくなっている。円弧帯13は、曲率半径が一定の領域である。矯正帯14は、円弧帯13の下流に設けられている。矯正帯14の曲率半径は、下流に進むにつれて大きくなっている。水平帯15は、矯正帯14から水平方向に延在した領域である。図1では、垂直帯11、曲げ帯12および矯正帯14等の各々に数個のロールだけが配置されているが、実際は、垂直帯11、曲げ帯12および矯正帯14等の各々に複数のロールが配置されている。本実施形態では、矯正帯14の最上流位置を「矯正帯開始位置」と称する。また、矯正帯14の最下流位置を「矯正帯終了位置」と称する。
タンディッシュ2内の溶鋼10は、浸漬ノズル3を介して、鋳型4へ注入される。溶鋼は鋳型4によって冷却され、凝固殻を形成しながら、鋳造経路Qに沿って下方へ引き抜かれ、内部まで凝固することにより、鋳片が鋳造される。鋳造中、鋳型4は、図1中の上下方向に振動している。鋳型4の下流では、冷却ノズル6から鋳片に水が噴霧される。鋳型4による冷却を「1次冷却」と称し、鋳型4の下流での冷却を「2次冷却」と称することがある。本実施形態では、鋳片が矯正帯14を通過しているとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域内になるように、2次冷却条件を設定する。「鋳片が矯正帯14を通過しているとき」とは、鋳片が矯正帯開始位置を通過した時から矯正帯終了位置を通過した時までである。脆化温度とは、例えば、高温引張試験を行ったときに絞り値が30%以下の温度である。高温引張試験として、例えばグリーブル試験(鈴木洋夫ほか、鉄と鋼、1979、Vol.14、p.56-64)が挙げられる。脆化温度は、例えば、鋼に含まれる成分によって異なる。
次に、本実施形態の鋳造方法を、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。本実施形態の鋳造方法では、実操業の前に第1事前準備および第2事前準備を行う。
(第1事前準備)
第1事前準備では、脆化温度域内において横割れが発生しない温度範囲を調べる。また、脆化温度域内において横割れが発生しない温度範囲とオシレーションマーク深さの範囲の関係を調べる。
第1事前準備では、脆化温度域内において横割れが発生しない温度範囲を調べる。また、脆化温度域内において横割れが発生しない温度範囲とオシレーションマーク深さの範囲の関係を調べる。
先ず、第1事前準備の鋳造を開始する(図2のS1)。矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の温度を測定する(図2のS2、温度測定工程)。「鋳片のコーナー部」とは鋳片の角部である。「鋳片のIN面におけるコーナー部」とは、鋳片IN面における角部であり、鋳片IN面における幅方向端部でもある。幅方向とは、鋳造方向に垂直な方向であり且つ鋳片の厚さ方向に垂直な方向である(図3参照)。温度の測定には、例えば放射温度計を用いる。
図3には、例として、矯正帯開始位置およびその周辺を通過するスラブを示している。図3において、鋳片IN面における幅方向一端部を「第1コーナー部」と示し、鋳片IN面における幅方向他端部を「第2コーナー部」と示している。「第1コーナー部」と「第2コーナー部」のいずれも「鋳片IN面におけるコーナー部」である。「鋳片IN面におけるコーナー部」は、例えば、鋳片IN面において幅方向一端又は他端から幅方向に長さdの範囲の領域である。dは、例えば約50mmである。
温度の測定は、「第1コーナー部」だけで行ってもよく、「第2コーナー部」だけで行ってもよく、「第1コーナー部」と「第2コーナー部」の両方で行ってもよい。「第1コーナー部」と「第2コーナー部」の両方で温度を測定した場合、「第1コーナー部」と「第2コーナー部」の平均温度を算出し、平均温度を「鋳片のIN面におけるコーナー部」の温度としてもよい。
また、温度の測定は、各コーナー部において、一箇所だけで行ってもよく、複数箇所で行ってもよい。例えば、「第1コーナー部」において、鋳造方向に異なる複数箇所で温度を測定してもよい。複数箇所で温度を測定した場合、複数箇所の平均温度を算出し、平均温度を「鋳片IN面におけるコーナー部」の温度としてもよい。
鋳造後、「鋳片IN面におけるコーナー部」において、オシレーションマークが存在するかを確認する。オシレーションマークとは、鋳型の振動に伴って、メニスカス近傍で、凝固殻の倒れ込みによって生成するものである。オシレーションマークの確認は、例えば目視で行う。1以上のオシレーションマークが存在する場合、1以上のオシレーションマークの深さを測定する(図2のS3)。オシレーションマークの深さは、鋳片の厚さ方向に沿った長さである。オシレーションマークの深さの測定には、例えば、デプスゲージを用いる。オシレーションマークの確認およびオシレーションマーク深さの測定は、鋳片を圧延する前に行う。例えば、鋳造後、鋳片を冷却してから、オシレーションマークの確認およびオシレーションマーク深さの測定を行う。
測定した1以上のオシレーションマーク深さから、最大深さを決定する(図2のS4、第1オシレーションマーク測定工程)。以下において、オシレーションマークの最大深さを「オシレーションマーク最大深さ」と称することがある。
続いて、第1オシレーションマーク測定工程で決定した最大深さを有するオシレーションマークで、横割れが発生しているかを調べる(図2のS5、横割れ検査工程)。横割れが発生しているかの判断は、例えば、最大深さを有するオシレーションマークおよびその周辺に磁粉探傷試験を実施することにより行う。
温度測定工程で測定した鋳片表面温度(図2のS2)、第1オシレーションマーク測定工程で決定したオシレーションマーク最大深さ(図2のS4)、および、横割れ検査工程で調べた横割れ発生の有無(図2のS5)を用いて、「鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲」を調べる(図2のS6、第1工程)。
(第2事前準備)
実操業では、複数の鋳造を行う。複数の鋳造において、鋳造条件を変えることがある。この鋳造条件は、オシレーションマーク深さに影響する鋳造条件である。オシレーションマーク深さが深いほど、横割れが発生しやすい。オシレーションマーク深さは、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度といった鋳造条件に影響を受けやすい。これは以下の理由からである。
オシレーションマークは、凝固殻と鋳型内壁面との間に流入したモールドパウダーの潤滑性に影響を受ける。モールドパウダーの潤滑性は、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および溶鋼過熱度に影響を受ける。したがって、オシレーションマーク深さは、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および溶鋼過熱度に影響を受ける。また、オシレーションマークは、鋳型を上下方向に振動させたときに生じる。そのため、オシレーションマークの発生およびオシレーションマーク深さは、鋳型の振幅および鋳型の振動数に影響する。
実操業では、複数の鋳造を行う。複数の鋳造において、鋳造条件を変えることがある。この鋳造条件は、オシレーションマーク深さに影響する鋳造条件である。オシレーションマーク深さが深いほど、横割れが発生しやすい。オシレーションマーク深さは、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度といった鋳造条件に影響を受けやすい。これは以下の理由からである。
オシレーションマークは、凝固殻と鋳型内壁面との間に流入したモールドパウダーの潤滑性に影響を受ける。モールドパウダーの潤滑性は、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および溶鋼過熱度に影響を受ける。したがって、オシレーションマーク深さは、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および溶鋼過熱度に影響を受ける。また、オシレーションマークは、鋳型を上下方向に振動させたときに生じる。そのため、オシレーションマークの発生およびオシレーションマーク深さは、鋳型の振幅および鋳型の振動数に影響する。
実操業では、上記のオシレーションマーク深さに影響する鋳造条件を変えることがある。第2準備工程では、実操業の鋳造条件で鋳造を実施したときに発生し得るオシレーションマークの最大深さを推定する。また、推定した最大深さのときに、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲を求める。
先ず、オシレーションマーク深さに影響する上記鋳造条件のうち、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件を調べる。第2事前準備では、共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で、複数の鋳造を実施する(図2のS7)。オシレーションマーク深さに影響する上記鋳造条件のうち、実操業の複数の鋳造で共通しない鋳造条件は、第2事前準備で実施する各鋳造で異なることが好ましい。
例えば、実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅が同じであり、鋳型の振動数および溶鋼過熱度を変える場合、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件は、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅である。この場合、第2事前準備では、実操業のモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅と同じモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅で、複数の鋳造を実施する。実操業で実施する複数の鋳造において共通しない鋳造条件、つまり、鋳型の振動数および溶鋼過熱度については、実操業の鋳型の振動数および溶鋼過熱度と同じ鋳型の振動数および溶鋼過熱度で第2事前準備の鋳造を実施してもよく、実操業の鋳型の振動数および溶鋼過熱度と異なる鋳型の振動数および溶鋼過熱度で第2事前準備の鋳造を行ってもよい。この場合、第2事前準備で実施する複数の鋳造において、鋳型の振動数および溶鋼過熱度は、各鋳造で異なることが好ましい。
各鋳造終了後、各鋳造によって得られた各鋳片において、「鋳片IN面におけるコーナー部」で、オシレーションマークが存在するかを確認する。各鋳片において、1以上のオシレーションマークが存在する場合、1以上のオシレーションマークの深さを測定する(図2のS8)。各鋳片において、測定した1以上のオシレーションマーク深さから、最大深さを決定する(図2のS9、第2オシレーションマーク測定工程)。「鋳片IN面におけるコーナー部」は、第1事前準備で説明した「鋳片IN面におけるコーナー部」と同様の意味である。
各鋳片で最大深さは異なることが多い。これは、各鋳造において、オシレーションマークの深さに影響する鋳造条件が異なるからと考えられる。ここでのオシレーションマークの深さに影響する鋳造条件とは、実操業で実施する複数の鋳造において共通しない鋳造条件である。そのため、オシレーションマーク最大深さと上記共通しない鋳造条件との相関関係を調べる(図2のS10)。
上記の例では、第2事前準備で、実操業のモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅と同じモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅で、複数の鋳造を実施しているが、この複数の鋳造において、鋳型の振動数および溶鋼過熱度が異なる。この場合、各鋳片で最大深さは異なるのは、各鋳造で鋳型の振動数および溶鋼過熱度が異なるからと考えられる。この場合、オシレーションマーク最大深さと鋳型の振動数および溶鋼過熱度との相関関係を調べる(図2のS10)。
得られた相関関係を用いて、実操業の鋳造条件(上記の例の場合、実操業の鋳型の振動数および溶鋼過熱度)で鋳造したときに鋳片に発生し得るオシレーションマークの最大深さを推定する(図2のS11、オシレーションマーク最大深さ推定工程)。
第1事前準備で「鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲」を調べたので、これらの範囲を用いて、第2事前準備のオシレーションマーク最大深さ推定工程(図2のS11)で推定したオシレーションマーク最大深さのときに、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲を求める(図2のS12、第2工程)。実操業において、矯正帯開始位置で、鋳片IN面のコーナー部の温度が、第2工程(図2のS12)で決定した鋳片表面温度の範囲内になるようにすれば、横割れの発生を抑制できると考えられる。
第1準備工程および第2準備工程の後に、実操業において、矯正帯開始位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の鋳片表面温度が、鋼の脆化温度域内であり且つ第2事前準備の第2工程(図2のS12)で決定した鋳片表面温度の範囲内になるように、2次冷却条件を設定する(図2のS12、第3工程)。2次冷却条件とは、例えば、2次冷却の比水量である。2次冷却の比水量とは、図1に示す冷却ノズル6から鋳片に噴霧される冷却水量である。
上記方法によると、実操業において、鋳片が矯正帯を通過しているとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が、脆化温度域内において横割れの発生が抑制される温度域に入るようになる。そのため、鋳片IN面のコーナー部で、横割れの発生が抑制される。また、上記方法では、鋳片が矯正帯を通過しているとき、コーナー部の温度を脆化温度域より高い温度にしなくてよいため、誘導加熱用インダクターやコイルといった別の部材が不要である。また、鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域内であるため、鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域より高くした場合および鋳片IN面のコーナー部の温度を脆化温度域より低くした場合に生じる問題が起こらないようになる。したがって、横割れの発生を抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようになる。
また、実操業では、オシレーションマーク深さに影響する条件、具体的には、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度のいずれかを変えることがある。上記方法では、実操業で、オシレーションマーク深さに影響するこれらの鋳造条件のいずれかを変えたときに発生し得るオシレーションマークの深さを推定できる。推定したオシレーションマーク深さから、実操業において、その条件で鋳造する場合に横割れが発生しない温度範囲を求めることができる。実操業において、鋳片が矯正帯を通過するとき、鋳片IN面のコーナー部がこの温度範囲内になるように2次冷却条件を設定することにより、横割れの発生を抑制できる。したがって、実操業で上記鋳造条件を変えても、実操業の各鋳造で横割れの発生を抑制できる2次冷却条件を設定できる。よって、実操業において横割れの抑制できる。
また、上述した方法において、第1事前準備で実施する鋳造は、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で実施してもよい。ここで、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件とは、オシレーションマーク深さに影響する鋳造条件のうち共通する鋳造条件である。第1事前準備で実施する鋳造を、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で実施する場合、第1事前準備で実施する鋳造と第2事前準備で実施する鋳造が同じ鋳造であってもよい。つまり、第1事前準備で実施する鋳造を、第2事前準備の鋳造と兼ねて行ってもよい。これにより第2事前準備で行う鋳造回数を低減できる。
また、第1事前準備で実施する鋳造を、第2事前準備の鋳造と兼ねて行う場合、第2事前準備における第2オシレーションマーク測定工程(図2のS8、S9)で、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した最大深さを用いてもよい。これにより、第2事前準備で行う作業を減らすことができる。また、第2事前準備にかかる時間を短縮することができる。
例えば、上記では、実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅を同じにし、鋳型の振動数および溶鋼過熱度を変える場合の例について説明した。この場合、第1事前準備で実施する鋳造は、実操業のモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅と同じモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅で実施してもよい。また、この鋳造が、第2事前準備の鋳造を兼ねていてもよい。さらに、第2事前準備における第2オシレーションマーク測定工程(図2のS8、S9)で、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した最大深さを用いてもよい。
なお、上述した方法では、矯正帯開始位置での、鋳片IN面におけるコーナー部の鋳片表面温度を決定している。鋳片が矯正帯開始位置を通過した後、鋳片表面温度は低下するが、矯正帯開始位置から矯正帯終了位置までの距離はそれほど長くない。したがって、矯正帯開始位置から矯正帯終了位置までの鋳片表面温度の低下量は少ない。よって、矯正帯開始位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の温度が、脆化温度域内であり、且つ、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲内に存在する場合、矯正帯終了位置でも、鋳片IN面におけるコーナー部の温度は、脆化温度域内であり、且つ、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲内に存在することが多い。仮に、矯正帯終了位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の温度が、脆化温度域より低くなった場合、矯正帯で脆化温度域が回避されているので、横割れの発生が抑制される。また、矯正帯終了位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の温度が、脆化温度域より低くなったとしても、矯正帯開始位置で、コーナー部の温度が上記温度範囲内である場合、矯正帯終了位置では温度がそれほど低下していないため、凝固はそれほど進行していない。したがって、鋳片搬送ロール5への負荷が小さい。
上記より、矯正帯開始位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の温度が、脆化温度域内であり、且つ、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲内に存在する場合、横割れの発生を抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようになる。
上記より、矯正帯開始位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の温度が、脆化温度域内であり、且つ、横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲内に存在する場合、横割れの発生を抑制しつつ、コーナー部の温度が脆化温度域に入らないようにすることによって生じる問題が起こらないようになる。
本実施形態の鋳造方法は、鋳片が矯正帯を通過したとき、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域内になるようにする方法である。したがって、第1事前準備において、矯正帯開始位置で鋳片IN面のコーナー部の温度を測定したとき、その温度が脆化温度域外であるときは、その温度を採用しない。また、矯正帯開始位置で、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域外である箇所でのオシレーションマークの有無の確認およびオシレーションマーク深さの測定は行わなくてよい。
また、第1事前準備で鋳造する鋼の成分と、第2事前準備で鋳造する鋼の成分と、実操業で鋳造する鋼の成分は、同じであってもよく、異なってもよい。但し、第1事前準備、第2事前準備および実操業では、脆化温度域が同じである鋼を鋳造することが好ましい。
本実施形態の鋼の鋳造方法を実施した。下記に実施条件を説明する。
第1事前準備、第2事前準備および実操業において、曲率半径が8.8mの垂直曲げ型連続鋳造機を用いてスラブを鋳造した。スラブサイズは、厚さ225mm以上230mm以下、幅880mm以上1800mm以下である。鋳造後、スラブを、長さ5000mm以上12000mm以下に切断した。以下に鋼の成分を示す。
炭素 :0.05%≦[C]≦0.08%
ケイ素 :0%≦[Si]≦0.20%
マンガン:1.50%≦[Mn]≦2.15%
リン :0%≦[P]≦0.020%
硫黄 :0%≦[S]≦0.005%
第1事前準備、第2事前準備および実操業において、曲率半径が8.8mの垂直曲げ型連続鋳造機を用いてスラブを鋳造した。スラブサイズは、厚さ225mm以上230mm以下、幅880mm以上1800mm以下である。鋳造後、スラブを、長さ5000mm以上12000mm以下に切断した。以下に鋼の成分を示す。
炭素 :0.05%≦[C]≦0.08%
ケイ素 :0%≦[Si]≦0.20%
マンガン:1.50%≦[Mn]≦2.15%
リン :0%≦[P]≦0.020%
硫黄 :0%≦[S]≦0.005%
鋼の脆化温度域を調べるため、グリーブル試験を実施した。これまでの経験から、絞り値が30%以下の温度域を脆化温度域とした。グリーブル試験の結果、絞り値が30%以下の温度域は650℃超え800℃未満であった。このことから、本実施例の鋼の脆化温度域は650℃超え800℃未満であることがわかった。
以下、図2のフローチャートに沿って、実施例の鋳造方法を説明する。
(第1事前準備)
実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅は変えず、鋳型の振動数および溶鋼過熱度を変える。実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度は1180℃とし、モールドパウダーの粘度は0.6poiseとし、鋳型の振幅は6.0mmとする。第1事前準備のNo.1〜3の鋳造は、実操業と同じモールドパウダーの凝固温度(1180℃)、モールドパウダーの粘度(0.6poise)および鋳型の振幅(6.0mm)で実施した(図2のS1)。但し、鋳型の振動数および溶鋼過熱度は、No.1〜3の各々で異なるようにした。
実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅は変えず、鋳型の振動数および溶鋼過熱度を変える。実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度は1180℃とし、モールドパウダーの粘度は0.6poiseとし、鋳型の振幅は6.0mmとする。第1事前準備のNo.1〜3の鋳造は、実操業と同じモールドパウダーの凝固温度(1180℃)、モールドパウダーの粘度(0.6poise)および鋳型の振幅(6.0mm)で実施した(図2のS1)。但し、鋳型の振動数および溶鋼過熱度は、No.1〜3の各々で異なるようにした。
No.1〜3の各鋳造において、矯正帯開始位置で、「鋳片IN面におけるコーナー部」の温度を測定した(図2のS2、温度測定工程)。「鋳片IN面におけるコーナー部」は、鋳片IN面において鋳片幅方向一端から他端に向かって30mm離れた位置とした。温度の測定は、鋳造方向に異なる5箇所で行った。5箇所の温度の平均値を算出した。この平均値を「鋳片IN面におけるコーナー部の温度」とした。温度の測定には、放射温度計(A&D Company, Limited製、AD5616)を用いた。放射率を0.96とし、温度測定位置と放射温度計との距離を1.5±0.5mとした。表1に、鋳造条件および結果を示している。
鋳造終了後、鋳造方向に3mの長さの範囲において、「鋳片IN面におけるコーナー部」にオシレーションマークが存在するかを目視で確認した。複数のオシレーションマークが確認されたため、大きいオシレーションマークを5つ選び、5つのオシレーションマークの深さを測定した。5つのオシレーションマーク深さから最も深いものを「オシレーションマーク最大深さ」とした(図2のS4、第1オシレーションマーク測定工程)。表2に「オシレーションマーク最大深さ」を示している。
「オシレーションマーク最大深さ」を有するオシレーションマークおよびその周辺に、JIS Z 2320に規定された磁粉探傷試験を実施した。これまでの経験から、オシレーションマークおよびその周辺に磁粉が載った長さが鋳片幅方向に1mm以上である場合、横割れが発生していると判断することができる。本実施例においても、磁粉が載った長さが鋳片幅方向に1mm以上である場合、横割れが発生したと判断し、磁粉が載った長さが鋳片幅方向に1mm未満である場合、横割れが発生していないと判断した(図2のS5、横割れ検査工程)。表3にこの結果を示している。
No.1では横割れが発生しなかったが、No.2およびNo.3では横割れが発生した。図4に、「鋳片IN面のコーナー部の温度T」と「オシレーションマーク最大深さx」と「横割れ発生の有無」との関係を示している。図4の縦軸は「鋳片IN面のコーナー部の温度T」であり、図4の横軸は「オシレーションマーク最大深さx」である。「鋳片IN面のコーナー部の温度T」は、矯正帯開始位置における鋳片IN面のコーナー部の温度である。割れが発生しなかった場合を「〇」と示し、割れが発生した場合を「×」と示している。本実施例の鋼の脆化温度域は、650度超え800度未満である。
横割れが発生したNo.2とNo.3において、「鋳片IN面のコーナー部の温度T」と「オシレーションマーク最大深さx」の相関関係を示す近似直線Aが得られた。図4では、近似直線Aを「直線A」と示している。最小二乗法により、近似直線Aは下記(1)式によって示される。
T=−282.4x+905.9・・・(1)
図4において、(1)式で表される直線Aを横割れが発生しなかったNo.1まで平行移動させることにより、直線Bを得た。直線Bは、下記(2)式によって示される。
T=−282.4x+852.5・・・・(2)
T=−282.4x+905.9・・・(1)
図4において、(1)式で表される直線Aを横割れが発生しなかったNo.1まで平行移動させることにより、直線Bを得た。直線Bは、下記(2)式によって示される。
T=−282.4x+852.5・・・・(2)
図4に示すように、脆化温度域は650度超え800度未満である。矯正帯開始位置での「鋳片IN面のコーナー部の温度T」を脆化温度内にするため、「鋳片IN面のコーナー部の温度T」は下記(3)式を満たすようにする。
650<T<800・・・(3)
650<T<800・・・(3)
脆化温度域では、温度が高くなるにつれて、オーステナイト粒界(γ粒界)に沿って生成したフェライト相(α相)が薄くなる。フェライト相(α相)が薄い場合、粒界割れが発生しやすい。粒界割れに起因して横割れが発生する。したがって、脆化温度域では、温度が高くなるにつれて横割れが発生しやすい。一方、脆化温度域では、温度が低い場合、粒界割れが起こりにくいため、横割れが発生しにくい。
上記より、図4において、直線Bの温度Tを横割れ発生有無の境界と考えたとき、直線Bより温度が低い範囲では横割れが発生しないと考えられる。直線Bは上記(2)式によって示されることから、上記(2)式で示される温度より低い範囲では、横割れが発生しないと考えられる。横割れが発生しない温度Tは、下記(4)式によって示される。
T<−282.4x+852.5・・・・(4)
ここで、650<T<800・・・(3)である。
上記より、図4において、直線Bの温度Tを横割れ発生有無の境界と考えたとき、直線Bより温度が低い範囲では横割れが発生しないと考えられる。直線Bは上記(2)式によって示されることから、上記(2)式で示される温度より低い範囲では、横割れが発生しないと考えられる。横割れが発生しない温度Tは、下記(4)式によって示される。
T<−282.4x+852.5・・・・(4)
ここで、650<T<800・・・(3)である。
上記(3)式および(4)式を満たす「鋳片IN面のコーナー部の温度T」が、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない温度である。図4には、上記(3)式および(4)式を満たす範囲を「横割れが発生しない範囲」と示している。「横割れが発生しない範囲」に存在するオシレーションマーク最大深さが、横割れが発生しないオシレーションマーク最大深さである。図4、(3)式および(4)式から、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲がわかった。図4、(3)式および(4)式から、あるオシレーションマーク最大深さxのときの、横割れが発生しない温度Tの範囲がわかる(図2のS6、第1工程)。
(第2事前準備)
第1事前準備において、実操業と同じモールドパウダーの凝固温度(1180℃)、モールドパウダーの粘度(0.6poise)および鋳型の振幅(6.0mm)でNo.1〜3の鋳造を実施したので、No.1〜3の鋳造を第2事前準備の鋳造とした。(図2のS7)。また、第2オシレーションマーク測定工程において、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した「オシレーションマーク最大深さ」を用いた(図2のS8、S9)。第2オシレーションマーク測定工程の結果は、上記表2に示す結果と同じである。
第1事前準備において、実操業と同じモールドパウダーの凝固温度(1180℃)、モールドパウダーの粘度(0.6poise)および鋳型の振幅(6.0mm)でNo.1〜3の鋳造を実施したので、No.1〜3の鋳造を第2事前準備の鋳造とした。(図2のS7)。また、第2オシレーションマーク測定工程において、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した「オシレーションマーク最大深さ」を用いた(図2のS8、S9)。第2オシレーションマーク測定工程の結果は、上記表2に示す結果と同じである。
表2から、No.1〜3において「オシレーションマーク最大深さ」が異なるのは、No.1〜3において鋳型の振動数および溶鋼過熱度が異なるからと考えられる。そこで、「オシレーションマーク最大深さ」と、鋳型の振動数および溶鋼過熱度との相関関係を調べた。
最小二乗法により、オシレーションマーク最大深さx(mm)は、鋳型の振動数fおよび溶鋼過熱度ΔTを用いて下記(5)式で示されることがわかった(図2のS10)。
x =1.44−0.022×ΔT−0.0023×f・・・(5)
(5)式は、モールドパウダーの凝固温度が1180℃であり、モールドパウダーの粘度が0.6poiseであり、鋳型の振幅が6.0mmである鋳造条件で、鋳造を実施する場合に成立する式である。この条件で、溶鋼過熱度ΔTおよび鋳型の振動数fを変える場合、(5)式から、ある溶鋼過熱度ΔTおよびある鋳型の振動数fのときのオシレーションマーク最大深さxを推定することができる(図2のS11、オシレーションマーク最大深さ推定工程)。例えば、実操業において、溶鋼過熱度ΔTを35℃とし、鋳型の振動数を120cpmとする場合、(5)式から、オシレーションマーク最大深さxは0.394mmであると推定される。
x =1.44−0.022×ΔT−0.0023×f・・・(5)
(5)式は、モールドパウダーの凝固温度が1180℃であり、モールドパウダーの粘度が0.6poiseであり、鋳型の振幅が6.0mmである鋳造条件で、鋳造を実施する場合に成立する式である。この条件で、溶鋼過熱度ΔTおよび鋳型の振動数fを変える場合、(5)式から、ある溶鋼過熱度ΔTおよびある鋳型の振動数fのときのオシレーションマーク最大深さxを推定することができる(図2のS11、オシレーションマーク最大深さ推定工程)。例えば、実操業において、溶鋼過熱度ΔTを35℃とし、鋳型の振動数を120cpmとする場合、(5)式から、オシレーションマーク最大深さxは0.394mmであると推定される。
次に、推定したオシレーションマーク最大深さxとなるときに、横割れが発生しない温度範囲を求める。第1事前準備の第1工程で得られた(3)式および(4)式を用いて、(5)式から推定したオシレーションマーク最大深さxのときに、横割れが発生しない温度範囲を決定する(図2のS12、第2工程)。例えば、実操業において、溶鋼過熱度ΔTを35℃とし、鋳型の振動数を120cpmとする場合、(5)式から、オシレーションマーク最大深さxは0.394mmであると推定される。オシレーションマーク最大深さxが0.394mmのとき、(3)式および(4)式から、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない温度Tの範囲は、650<T<741.23である。実操業において、溶鋼過熱度ΔTを35℃、鋳型の振動数を120cpmとする鋳造条件で鋳造を実施する場合、矯正帯開始位置で、鋳片IN面のコーナー部の温度Tが650<T<741.23となるようにすれば、横割れの発生を抑制できると考えられる。
実操業において、矯正帯開始位置で、鋳片IN面におけるコーナー部の鋳片表面温度が、脆化温度域であり且つ第2事前準備の第2工程で決定した鋳片表面温度の範囲内になるように、実操業の2次冷却条件を設定する(図2のS12、第3工程)。例えば、実操業において、溶鋼過熱度ΔTを35℃とし、鋳型の振動数を120cpmとする場合、矯正帯開始位置で、鋳片IN面のコーナー部の温度Tが650<T<741.23を満たすように2次冷却条件を設定する。
上記方法により、実操業で、鋳片IN面のコーナー部に横割れが発生することを抑制できる。また、矯正帯開始位置で、鋳片IN面のコーナー部の温度が脆化温度域を回避するようにしなくてよいため、脆化温度域を回避することによって生じていた問題が起こらない。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述した実施例では、実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅を変えなかった。第1事前準備では、実操業と同じモールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅で、鋳造を実施した。しかし、第1事前準備では、実操業の鋳造条件と異なる鋳造条件で鋳造を実施してもよい
また、上述した実施例では、第1事前準備で実施したNo.1〜3の鋳造を、実操業と同じ鋳造条件で実施し、第1事前準備で実施したNo.1〜3の鋳造を、第2事前準備の鋳造とした。しかし、第1事前準備で実施する鋳造を、第2事前準備の鋳造としなくてもよい。また、上述した実施例では、第2事前準備の第2オシレーションマーク測定工程において、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した「オシレーションマーク最大深さ」を用いた。しかし、第2事前準備の第2オシレーションマーク測定工程において、第1事前準備で測定したオシレーションマークの深さと第1事前準備で決定した「オシレーションマーク最大深さ」を用いなくてもよい。例えば、第1事前準備で実施する鋳造を、第2事前準備の鋳造とした場合でも、第2事前準備で、各鋳片において1以上のオシレーションマークの深さを測定し(図2のS8)、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定してもよい(図2のS9)。
また、上述した実施例では、実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度および鋳型の振幅を変えず、鋳型の振動数および溶鋼過熱度を変える場合について説明した。しかし、実操業で実施する複数の鋳造において変える鋳造条件と変えない鋳造条件は上記の組合せに限られない。例えば、実操業で実施する複数の鋳造において、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型、鋳型の振動数および溶鋼過熱度の5つの鋳造条件のうち、いずれか1つの条件を変えず、他の4つの鋳造条件を変えてもよい。
また、上述した実施形態および実施例では、垂直曲げ型連続鋳造機を用いたが、曲げ型連続鋳造機を用いてもよい。曲げ型連続鋳造機の鋳造経路は、垂直帯を有さない。曲げ型連続鋳造機には、鋳型直下に曲げ部が存在する。
本発明の方法は、全ての鋼種に使用することができる。また、本発明の方法は、スラブ、ブルーム、ビレットのすべての鋳造に使用することができる。
1 連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 鋳型
5 ロール
6 冷却ノズル
10 溶鋼
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 鋳型
5 ロール
6 冷却ノズル
10 溶鋼
Claims (3)
- 垂直曲げ型連続鋳造機又は曲げ型連続鋳造機を用いて鋼を鋳造する方法であり、
実操業の前に第1事前準備および第2事前準備を行い、
前記第1事前準備は、
鋳造開始後、矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度を測定する温度測定工程と、
鋳造終了後、鋳片のIN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第1オシレーションマーク測定工程と、
前記第1オシレーションマーク測定工程で決定された最大深さを有するオシレーションマークで、横割れが発生しているかを調べる横割れ検査工程と、
前記温度測定工程で測定した鋳片表面温度、前記第1オシレーションマーク測定工程で決定した最大深さ、および、前記横割れ検査工程で調べた横割れの発生の有無を用いて、鋼の脆化温度域において横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を調べる第1工程とを有し、
前記第2事前準備は、
実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で複数の鋳造を実施し、各鋳造終了後、各鋳造によって得られた各鋳片において、IN面におけるコーナー部に発生した1以上のオシレーションマークの深さを測定し、測定した1以上のオシレーションマーク深さから最大深さを決定する第2オシレーションマーク測定工程と、
前記第2オシレーションマーク測定工程で決定した各鋳片の最大深さと、前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件との相関関係を調べ、その相関関係を用いて、実操業の鋳造条件で鋳造を実施したときに鋳片に発生し得るオシレーションマークの最大深さを推定するオシレーションマーク最大深さ推定工程と、
前記第1工程で調べた横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲とオシレーションマーク最大深さの範囲を用いて、前記オシレーションマーク最大深さ推定工程で推定した最大深さのときに横割れが発生しない鋳片表面温度の範囲を求める第2工程とを有し、
実操業において、前記矯正帯開始位置で、鋳片のIN面におけるコーナー部の鋳片表面温度が、鋼の脆化温度域内であり且つ前記第2工程で決定した前記鋳片表面温度の範囲内になるように、実操業の2次冷却条件を設定する第3工程を実施することを特徴する鋼の鋳造方法。 - 前記第1事前準備において、実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件と同じ鋳造条件で鋳造を実施し、
前記第1事前準備で実施する鋳造と、前記第2事前準備で実施する鋳造が同じ鋳造であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の鋳造方法。 - 前記実操業で実施する複数の鋳造において共通する鋳造条件および前記第2オシレーションマーク測定工程で実施した複数の鋳造において共通しない鋳造条件は、モールドパウダーの凝固温度、モールドパウダーの粘度、鋳型の振幅、鋳型の振動数および溶鋼過熱度のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼の鋳造方法。
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CN113414361A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-09-21 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种减少板坯表面角部横裂纹的方法 |
CN113828746A (zh) * | 2021-09-22 | 2021-12-24 | 日照钢铁控股集团有限公司 | 一种利用铸坯振痕分布对结晶器流场进行评估的方法 |
-
2018
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