JP2017094350A - 鋳片の処理方法 - Google Patents

鋳片の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017094350A
JP2017094350A JP2015228156A JP2015228156A JP2017094350A JP 2017094350 A JP2017094350 A JP 2017094350A JP 2015228156 A JP2015228156 A JP 2015228156A JP 2015228156 A JP2015228156 A JP 2015228156A JP 2017094350 A JP2017094350 A JP 2017094350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
surface temperature
time
sec
shrinkage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2015228156A
Other languages
English (en)
Inventor
優 石原
Masaru Ishihara
優 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2015228156A priority Critical patent/JP2017094350A/ja
Publication of JP2017094350A publication Critical patent/JP2017094350A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】鋳片を切断するまでの時間が長くならないようにする。また適切な位置で鋳片を切断する。【解決手段】矯正部完了位置より下流の温度測定位置Pで、鋳片の広面中央部Uの表面温度を連続的に測定するS1。表面温度を用いて表面温度低下速度D(℃/sec)を算出するS2。表面温度低下速度D≧5℃/sec以上が5sec以上継続した場合、その時間内で表面温度低下速度Dが5℃/sec以上となり始めた時刻をAとする。また、鋳片最終端が温度測定位置Pを通過した時刻をBとする。鋳造終了後、鋳片の最終端から下記式を満足する長さLの位置で鋳片を切断するS6。L≧α×Lo(α=1.2、Lo=(B−A)×Vc、Vcは時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度)【選択図】図4

Description

本発明は、鋳片の最終端部の処理方法に関する。
鋳片の最終端部には、溶鋼の凝固に伴う収縮により引け巣が発生する。引け巣が発生した部分はクロップとして切り落とされるが、切断位置が適切でない場合、下記の問題が生じる。
引け巣が存在する位置で鋳片を切断すると、切断面に引け巣が残り、引け巣が存在しない位置まで切断を繰り返す必要があるため、効率が悪い。一方、鋳片を最終端から遠い位置で切断すると、切り落とす長さが長くなり、引け巣が存在しない良好な部分も切り落とすため、歩留まりが低下する。
そこで、従来より適切な切断位置を決定する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、超音波探触子(超音波センサー)を用いて、鋼材を長手方向に探傷し、パイプ(引け巣)が検知されなくなった長手方向位置で、長手方向と垂直な幅方向に探傷方向を変えて探傷を行い、パイプが検知された幅方向位置で、長手方向に探傷方向を変えて探傷を行うことを繰り返し、幅方向で鋼片全幅に渡りパイプが検知されなくなった長手方向位置を切断位置としている。
また、特許文献2では、連続鋳造終了期における引抜速度等の鋳造条件に基づいて鋳片凝固収縮量を算出し、鋳片凝固収縮量と最終収縮孔長さとの関係に基づき最終収縮孔長さを求め、この最終収縮孔長さを連続鋳造鋳片の長さから減算して有効鋳片長さを求め、これに基づき有効鋳片の切断長さを決定している。
特許2006−231392号公報 特開昭60−196254号公報
特許文献1では超音波探触子(超音波センサー)を用いているが、超音波探触子による測定は鋳片を冷却してからでないと行えない。そのため特許文献1では、鋳片を切断するまでに時間がかかる。
また、特許文献2では最終収縮孔長さ(引け巣の長さ)を計算しているが、計算に用いる物性値や凝固定数等には鋼種に応じた適切な値を用いる必要がある。しかし、実際は適切な値が用いられているといえず、計算精度に課題が残される。そのため特許文献2から適切な切断長さが得られるとはいえない。
そこで、本発明の目的は、鋳片を切断するまでの時間が長くならないようにしつつ適切な切断位置で鋳片を切断することができる方法を提供することである。
本発明は、曲げ型連続鋳造機または垂直曲げ型連続鋳造機を用いてスラブ鋳片を製造するに際し、鋳造方向について矯正完了位置の下流において予め設定した表面温度測定位置で、鋳片IN側の広面において全幅長さを100%としたときの幅方向両端から8%を除く広面中央部の表面温度を連続的に測定し、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上である時間が5sec以上継続した場合に、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上となり始めた時刻をAとし、鋳片最終端が前記表面温度測定位置を通過した時刻をBとし、鋳造終了後、鋳片の最終端から下記式を満足する長さLの位置で鋳片を切断する。
L≧α×Lo
ここで、α=1.2であり、
Lo=(B−A)×Vcであり、
Vcは時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度(m/min)である
本発明では、鋳造時に測定した鋳片表面温度を用いて鋳片の切断位置を決定するため、切断前に冷却工程等の別工程を要しない。これにより鋳片を切断するまでの時間が長くならないようにすることができる。また、本発明では正確な引け巣長さを算出できるため、適切な切断位置で鋳片を切断することができる。
連続鋳造機の構成を示す模式断面図である。 垂直部における引け巣形状を説明する模式図である。 円弧部における引け巣形状を説明する模式図である。 水平部における引け巣形状を説明する模式図である。 表面温度を測定する位置を説明する模式図である。 鋳片広面における表面温度と幅方向の長さ比率との関係を示す図である。 鋳片の処理方法のフローチャートである。 表面温度低下速度Dの算出方法の例を説明する図である。 鋳片の最終端部を示す模式図である。 補正係数αの決定方法を説明する図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
連続鋳造機100は、図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機であって、タンディッシュ1と、タンディッシュ1の底部に取り付けられた浸漬ノズル2と、浸漬ノズル2の下部が配置された鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って設けられた複数のロール4とを備えている。鋳造方向に隣り合う2つのロール4,4間には冷却ノズル5が配置されている。本実施形態では、鋳造経路Qに沿って鋳型3に近い側を上流側と呼び、鋳型3に遠い側を下流側と呼ぶ。
タンディッシュ1内の溶鋼6は浸漬ノズル2を介して鋳型3内に注入され、凝固シェルを形成しつつ下方へ引き抜かれ、内部まで凝固する。これにより鋳片が得られる。
鋳造経路Qは、垂直方向に延在した垂直部11と、垂直部11から緩やかに湾曲し、径が小さくなる曲げ部12と、曲げ部12に連接し、径が一定の円弧部13と、円弧部13の下流に設けられ、径が徐々に大きくなる矯正部14と、矯正部14から水平方向に延在した水平部15とを有している。
本実施形態では、鋳造方向について矯正完了位置(矯正部14完了位置)の下流において、予め設定した温度測定位置(表面温度測定位置)Pで、鋳片広面の表面温度を連続的に測定する。この表面温度を基に、鋳片最終端部に発生した引け巣長さを求める。矯正完了位置の下流とはスラブ鋳片を水平に矯正した後の経路(矯正部完了位置を含まない)であり、図1の水平部15に相当する。
なお、矯正完了位置の上流では、引け巣形状が変化する。例えば垂直部11では、図2Aに示すように、未凝固溶鋼が凝固収縮により降下して引け巣が発生する。また、円弧部13では、図2Bに示すように、スラブ鋳片が傾くことで未凝固溶鋼の位置が変化し、引け巣形状が変化する。一方、水平部15では、図2Cに示すように、鋳片が水平となり、未凝固溶鋼の傾きがなくなるため、引け巣形状が殆ど変化しない。そこで、矯正完了位置の下流の水平部15で鋳片の表面温度を測定する。
表面温度の測定は、図3Aに示すように、IN側の広面中央部Uで行う。表面温度の測定には、例えば非接触式の放射温度計を用いる。
鋳片の広面では、幅方向中央部は広面の1面から抜熱されるのに対し、幅方向両端部は広面と狭面の2面から抜熱されるため、幅方向両端部では幅方向中央部に比べて表面温度が低下し、凝固が早く完了する。そのため、引け巣長さは、「幅方向中央部の引け巣長さ」≧「幅方向両端部付近の引け巣長さ」となる。そこで、鋳片広面の幅方向中央部の表面温度を測定し、この表面温度を基に引け巣長さを求める。
幅方向中央部の範囲は、図3Bに示す表面温度と鋳片幅方向の長さ比率との関係から決定した。鋳片広面の全幅長さを100%としたとき、幅方向両端から8%を除く領域では表面温度の変化が少ないが、幅方向両端から8%以下の領域では表面温度が急激に低下することがわかった。そこで、鋳片広面の全幅長さを100%としたとき幅方向両端から8%を除く広面中央部Uの表面温度を測定する。尚、ここでは広面中央部の任意の一点を連続して測定した。
次に、鋳片表面温度を用いて鋳片の最終端部を処理する方法について、図4〜図7を参照しつつ説明する。
温度測定位置Pで広面中央部Uの表面温度を連続的に測定し(図4のS1)、表面温度低下速度D[℃/sec]を算出する(図4のS2)。
表面温度低下速度Dは、下記(1)式から算出される。
D=(Kave−K)/t2 ・・・(1)
(1)式のKaveは10sec以上の平均表面温度であり、表面温度がKである現時刻Tよりt2を引いた時刻T2から、(T2−t1)までの平均表面温度で、t1を10sec以上とした平均表面温度である(図5参照)。Kaveは温度測定位置Pで測定した表面温度を用いて算出される。なお、t1が10sec未満の平均表面温度では、冷却ムラや鋳片表面性状による局所的な温度変化の影響を受けるため、表面温度低下速度Dに誤差を生じる。
(1)式のKは、測定時刻(現時刻)における表面温度(℃)である。また、(1)式のt2は、1sec≦t2≦4secを満たす現時刻までの時間[sec]である。t2が4secを超えると、温度低下を平均化する時間が長くなるため、表面温度低下速度Dが小さくなる。そのため引け巣が発生した位置を正確に判断できない。また、t2が1sec未満では、表面温度のハンチングによる影響を受けるため、表面温度低下速度Dを正確に求めることができない。そこでt2を1sec≦t2≦4secとする。
鋳片内に引け巣が存在する場合、図6に示すように鋳片の外表面及び内側から抜熱されるため、鋳片内に引け巣が存在しない場合に比べて抜熱量が多く、表面温度が低い。そこで上記表面温度低下速度Dを用いて引け巣が存在する位置を判断する。
例えば、図5に示す結果が得られた場合、現時刻Tの表面温度低下速度Dは下記式で表される。
D=(Kave−K)/(T−T2
=(Kave−K)/t2
ここで、時刻T1<時刻T2<現時刻Tにおいて、Kaveは時刻T1から時刻T2までのt1sec(≧10sec)の平均表面温度である。
なお、現時刻が図5に示す時刻Tより遅い時刻であるとき、平均表面温度Kaveは引け巣が存在する部分を含んだ平均表面温度になることがあるが、平均表面温度Kaveの計算に引け巣部分の表面温度が含まれていても、現時刻に引け巣が存在する部分ではそれ以上に表面温度が大きく低下しているため、引け巣の存在を判断できる。
上記方法で算出した表面温度低下速度Dを基に引け巣の位置を判断する。図6に示すように、鋳造方向に長い引け巣(引け巣領域)が存在する部分では、鋳片が外表面からだけでなく内側(引け巣領域)からも抜熱されるため、表面温度低下速度Dが急激に増加する(例えば図5の時刻T2以降参照)。しかし、冷却ムラや鋳片表面性状の影響によっても表面温度が低下し、この影響で表面温度低下速度Dが5℃/sec未満の範囲で変動する場合がある。そのためDが5℃/sec未満では、引け巣の位置を正確に判断できない。そこで、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上であるとき、引け巣領域が存在すると考える。
引け巣領域の先端付近には、図6に示すように、小さな引け巣(長径が10〜50mm程度の引け巣)が部分的に存在する。引け巣領域が存在する部分では、抜熱量が大きいため表面温度低下速度Dが大きい状態が続くが、小さな引け巣が存在する部分では、表面温度低下速度Dが変動するものの引け巣領域のように表面温度低下速度Dが大きい状態が続かない。そこで、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上である時間が5sec以上継続する場合に鋳造方向に長い引け巣(引け巣領域)が存在することとする。
上記より表面温度低下速度Dが5℃/sec以上であるかを判断し、D≧5℃/secであると(図4のS3:YES)、D≧5℃/secが5sec以上継続するかを確認する。D≧5℃/secが5sec以上継続すると(図4のS4:YES)、引け巣領域が存在すると考えられるため、引け巣領域の長さを求める準備をする。
具体的には、D≧5℃/sec以上が5sec以上継続した時間内でD≧5℃/sec以上となり始めた時刻をAとする。Aは、引け巣領域の先端付近が温度測定位置Pを通過した時刻である。また、鋳片の最終端が温度測定位置Pを通過した時刻をBとする。Bは、図1に示すロール4の径と回転数から算出した鋳片最終端の引き抜き距離(メニスカス距離)が温度測定位置Pのメニスカス距離に到達した時刻である。
例えば、図5において、時刻T2からD≧5℃/sec以上となる時間が5sec以上継続した場合、時刻T2をAとする。また、時刻T3に鋳片の最終端が温度測定位置Pを通過した場合、時刻T3をBとする。
なお、表面温度低下速度Dが5℃/sec未満である場合は(図4のS3:NO)、引け巣領域が存在しないと考えられるため、次の時刻の表面温度低下速度Dを算出し(図4のS2)、Dが5℃/sec以上であるかを確認する。
また、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上であっても(図4のS3:YES)、D≧5℃/secが5sec以上継続しないときは(図4のS4:NO)、引け巣領域が存在しないと考えられる。そこで、D≧5℃/secとなるのを待ち、D≧5℃/secとなったら(図4のS3:YES)、D≧5℃/secが5sec以上継続するかを確認する。
D≧5℃/secが5sec以上継続すると(図4のS4:YES)、最後まで鋳造を行い(図4のS5)、鋳片最終端から長さL(≧α×L0)の位置で鋳片を切断する(図4のS6)。Lは下記(2)式で表される。
L≧α×L0 ・・・(2)
ここで、α=1.2であり、
0=(B−A)×Vcであり、
Vcは時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度[m/min]である。(2)式ではB−Aの単位を[min]としてL0を算出する。
(2)式は、以下の方法で決定し
た。
D≧5℃/sec以上となり始めた時刻Aと、鋳片の最終端が温度測定位置Pを通過した時刻Bとから、鋳片の引け巣領域先端付近から最終端までの長さL0は下記式で表される(図6参照)。
0=(B−A)×Vc
ここで、Vcは、時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度[m/min]であり、時刻Aから時刻Bの区間におけるロール4の径と回転数から算出した鋳片最終端の引き抜き距離[m]を、(B−A)[min]で除した値を時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度とする。
0から引け巣領域の長さを予測できるが、引け巣領域の先端付近には小さな引け巣が存在する。小さな引け巣は表面温度のみでは判断できないため、L0に補正係数αを乗じたα×L0を、引け巣領域と小さな引け巣を含む全ての引け巣が存在する引け巣長さとする。
ここで、補正係数αが小さいと、切断長さが短いため、切断面に引け巣が現れ、追加切断が必要となる。一方、補正係数αが大きいと、良好な部分を切り落としてしまうため、歩留まりが低下する。そこで補正係数αとクロップ追加切断発生率及び歩留低下代との関係を調べたところ、図7に示す結果が得られた。図7から補正係数αが1.2では追加切断発生率及び歩留低下代が0%であった。一方、補正係数αが1.1以下では追加切断発生率が0%を超えた。また、補正係数αが1.3以上では歩留低下代が0%を超えた。そこで、補正係数αを1.2とした。
補正係数αが1.2のとき、図6に示すように、α×L0が引け巣領域と小さな引け巣を含む全ての引け巣長さとなる。鋳片の最終端からα×L0の領域には、鋳片の全幅で品質が良好である領域が含まれない。
上記より、鋳片最終端から上記(2)式を満たす長さL(≧α×L0)の位置で鋳片を切断する。なお、図6ではL=α×Loであるときの切断位置を示しているが、L>α×Loの位置で切断してもよい。
以上のように、本実施形態では、鋳造時に測定した鋳片表面温度を用いて鋳片の切断位置を決定するため、鋳造終了後、鋳片切断前に冷却工程等の別工程を行わなくてよい。そのため鋳片切断までの時間が長くならないようにすることができる。また、表面温度低下速度Dを用いて引け巣領域の長さを正確に評価できるとともに、補正係数αを用いて引け巣領域と小さな引け巣を含む全ての引け巣長さを求めることができる。これにより適切な切断位置で鋳片を切断することができるため、追加切断が不要になるとともに歩留まりを向上させることができる。
次に、上記知見を得るために行った実験を説明する。
切断位置を変えたときの引け巣の有無及び歩留まりを評価した。表1には、実験条件及び実験結果を示している。本実験では、機長が40.6[m]であり、円弧部の曲げ半径Rが10.7[m]である垂直曲げ型連続鋳造機を用いた。また、鋳型の上端内寸短辺長さを230〜280[mm]とし、鋳型の上端内寸長辺長さを1230〜2100[mm]とした。
溶鋼の含有成分を下記とした。
Mn:0.3〜1.5[mass%]
Si:0.02〜0.60[mass%]
P:0.03[mass%]以下
S:0.015[mass%]以下
Cu:0〜0.50[mass%]
Ni:0〜1.0[mass%]
Cr:0〜1.0[mass%]
Mo:0〜0.50[mass%]
V:0〜0.10[mass%]
Nb:0〜0.05[mass%]
Ti:0〜0.10[mass%]
鋳片表面温度の測定には、非接触式の放射温度計(株式会社チノー製の放射温度計IR―FASNLN)を使用した。放射温度計の固定位置を鋳片を矯正するロールスタンド以降のロールスタンド間とし、放射温度計と鋳片との距離を500mmとした。
次に、引け巣の有無及び歩留まりの評価方法を説明する。
(引け巣の有無)
クロップを切断してから鋳片の切断面を目視で観察した。切断面に引け巣が残存せず、追加切断する必要がない場合を「無」とした。切断面に引け巣が残存し、クロップの追加切断が発生した場合を「有」とした。
(歩留まり)
鋳造後、鋳片を冷却し、切断超音波探傷試験により引け巣長さを測定した。これまでの経験を基に、引け巣長さ(実測値)と計算により算出した引け巣長さL(L=α×Lo、計算値)との差が0≦(計算値−実測値)≦0.1mとなる場合を「無(歩留低下無し)」とし、(計算値−実測値)>0.1mとなる場合を「有(歩留低下有)」とした。
超音波探傷試験では、垂直探触子の周波数を2.25MHzとし、低面エコー方式(健全部の底面エコーを用いて探傷感度を調整して探傷を行う方式)で実施した。低面エコー高さを100%とし、欠陥エコー高さが50%となった位置を引け巣開始位置とし、引け巣開始位置から鋳片最終端部までを引け巣長さ(実測値)とした。
表1から、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上である時間が5sec以上継続した場合に、D≧5℃/sec以上が5sec以上の時間内でD≧5℃/secとなり始めた時刻をAとし、鋳片最終端が表面温度測定位置を通過した時刻をBとし、鋳片の最終端からL(L=α×Lo,α=1.2)の位置で切断した場合、切断面に引け巣が残存しなかった。また、歩留まりが低下しなかった。これは、図8に示すように、Lが実際の引け巣長さとなったためと考えられる。
一方、表面温度低下速度Dが4℃/secとなった時刻をAとしたときは、歩留まりが低下した(No.5,No.13,No.18)。これは、図9に示すように、引け巣が存在しないときにAを決定したため、Lが実際の引け巣長さより大幅に長くなり、クロップに良好な部分が多く含まれたからと考えられる。
また、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上となったが、D≧5℃/secが5sec以上継続しなかった場合に、Dが5℃/sec以上となり始めた時刻をAとしたとき、歩留まりが低下した(No.6,No.14,No.19)。これは、図10に示すように、小さな引け巣が発生したときをAとしたため、Lが実際の引け巣長さより長くなり、クロップに良好な部分が多く含まれたからと考えられる。
さらに、表面温度低下速度Dが5℃/sec以上である時間が5sec以上継続した場合に、その時間内で表面温度低下速度Dが5℃/sec以上となり始めた時刻をAとし、鋳片最終端部が表面温度測定位置を通過した時刻をBとしたが、引け巣長さL(=α×Lo)を求める補正係数αを1.0とした場合、切断面に引け巣が残存した(No.8,No.21,No.27)。補正係数αが1.0では、図11に示すように、クロップに小さな引け巣が含まれなかったと考えられる。
また、補正係数αを1.1とした場合も、切断面に引け巣が残存した(No.7,No.9,No.15,No.20,No.26)。補正係数αが1.1では、図12に示すように、クロップに小さな引け巣を全て含めることができなかったと考えられる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述した実施形態及び実験では垂直曲げ型連続鋳造機を用いたが、曲げ型連続鋳造機を用いてもよい。曲げ型連続鋳造機を用いる場合でも、上記と同様な効果が得られる。
1 タンディッシュ
1a,2a 貫通孔
2 浸漬ノズル
3 鋳型
4 ロール
5 冷却ノズル
6 溶鋼
100 連続鋳造機
P 温度測定位置(表面温度測定位置)
U 広面中央部

Claims (1)

  1. 曲げ型連続鋳造機または垂直曲げ型連続鋳造機を用いてスラブ鋳片を製造するに際し、
    鋳造方向について矯正完了位置の下流において予め設定した表面温度測定位置で、鋳片IN側の広面において全幅長さを100%としたときの幅方向両端から8%を除く広面中央部の表面温度を連続的に測定し、
    表面温度低下速度Dが5℃/sec以上である時間が5sec以上継続した場合に、
    表面温度低下速度Dが5℃/sec以上となり始めた時刻をAとし、
    鋳片最終端が前記表面温度測定位置を通過した時刻をBとし、
    鋳造終了後、鋳片の最終端から下記式を満足する長さLの位置で鋳片を切断することを特徴とする鋳片の処理方法。
    L≧α×Lo
    ここで、α=1.2
    Lo=(B−A)×Vc
    Vcは時刻Aから時刻Bまでの鋳片の平均引き抜き速度 (m/min)である
JP2015228156A 2015-11-20 2015-11-20 鋳片の処理方法 Ceased JP2017094350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228156A JP2017094350A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 鋳片の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228156A JP2017094350A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 鋳片の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017094350A true JP2017094350A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58804298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015228156A Ceased JP2017094350A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 鋳片の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017094350A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7469623B2 (ja) 2020-04-06 2024-04-17 日本製鉄株式会社 連続鋳造における鋳片欠陥の検出方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5297332A (en) * 1976-02-13 1977-08-16 Ishikawajima Harima Heavy Ind Method of treating tail of cast piece in continuous casting machine
JPS5329789A (en) * 1976-09-01 1978-03-20 Nippon Steel Corp Cutting control device of pr ocessed metal by electromagnetic ultrasonic wave
JPS62181817A (ja) * 1986-02-04 1987-08-10 Daido Steel Co Ltd 鋼片トツプ部の切断方法および切断装置
JP2012076094A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Jfe Steel Corp 連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び欠陥検出システム
JP2014219222A (ja) * 2013-05-01 2014-11-20 住友電気工業株式会社 鋳造材の欠陥検査方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5297332A (en) * 1976-02-13 1977-08-16 Ishikawajima Harima Heavy Ind Method of treating tail of cast piece in continuous casting machine
JPS5329789A (en) * 1976-09-01 1978-03-20 Nippon Steel Corp Cutting control device of pr ocessed metal by electromagnetic ultrasonic wave
JPS62181817A (ja) * 1986-02-04 1987-08-10 Daido Steel Co Ltd 鋼片トツプ部の切断方法および切断装置
JP2012076094A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Jfe Steel Corp 連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び欠陥検出システム
JP2014219222A (ja) * 2013-05-01 2014-11-20 住友電気工業株式会社 鋳造材の欠陥検査方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7469623B2 (ja) 2020-04-06 2024-04-17 日本製鉄株式会社 連続鋳造における鋳片欠陥の検出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5812113B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法、及び連続鋳造方法
JP2015062918A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5098394B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法、連続鋳造機
KR101889208B1 (ko) 강의 연속 주조 방법
JP2017094350A (ja) 鋳片の処理方法
JP2020028906A (ja) 鋼の鋳造方法
JP4704982B2 (ja) 大断面ブルーム連鋳におけるバネ用鋼の中心偏析改善方法
JP6098577B2 (ja) 連続鋳造機のロール間隔調整方法および鋼片の連続鋳造方法
JP6435988B2 (ja) 連続鋳造におけるブレークアウト予知方法、ブレークアウト防止方法、凝固シェル厚の測定方法、ブレークアウト予知装置およびブレークアウト防止装置
JP4205652B2 (ja) 割れの少ないブルーム鋳片の製造方法
JP5145746B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法、連続鋳造機
JP2008264830A (ja) 連鋳における高炭素鋼クロム軸受鋼の中心偏析改善方法
KR101376567B1 (ko) 주편 절단 방법
JP4723451B2 (ja) 復熱由来の内部割れに係る高炭素鋼の連続鋳造方法
JP7073932B2 (ja) 鋳片の凝固完了位置検知方法及び鋳片の凝固完了位置検知装置
JP2020171932A (ja) 連続鋳造方法
JP5939002B2 (ja) 凝固状態推定装置および凝固状態推定方法ならびに鋼の連続鋳造方法
JP5020687B2 (ja) 中心偏析の少ないスラブ鋼の連続鋳造方法
JP5071025B2 (ja) 連続鋳造鋳片の高温脆化評価方法及び鋼の連続鋳造方法
JP5742601B2 (ja) 鋳片の凝固完了位置算出方法および凝固完了位置算出装置
JP5073356B2 (ja) 最終製品厚みDf[mm]が90以上である厚板製品向けの熱間圧延用連鋳スラブ鋳片
JP2018089653A (ja) 鋳片の溶削ダレの除去方法
KR101545937B1 (ko) 주편 표면크랙 발생 판정 방법
JP2002011557A (ja) 連続鋳造方法及び鋳型振動検出装置
JP6428419B2 (ja) 連続鋳造鋳型内の溶鋼流量制御方法、装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180516

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190305

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20190827