JP2014028399A - 連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法及び装置、連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法及び装置、連続鋳造方法及び装置 Download PDF

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浩之 大野
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則親 荒牧
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圭吾 外石
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Abstract

【課題】連続鋳造鋳片の凝固完了位置を、簡単な方法で正確に検出する方法及び装置、この方法及び装置を用いて凝固完了位置を所定の位置に制御する方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ロールセグメント17で鋳片2を支持しながら連続的に引き抜く連続鋳造方法における連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法であって、測定対象とするロールセグメント17の少なくとも出側支柱19bに皿バネ21を設置し、ロールセグメント17における圧下勾配を、スラブサイズに応じて、圧下反力>静鉄圧となるように設定し、皿バネ21が撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)を、鋳片の凝固完了位置が入側支柱19aより上流側にある時のセグメント荷重>皿バネが撓み始める荷重>鋳片の凝固完了位置が出側支柱19bよりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定して皿バネ21の撓み量を測定し、凝固完了位置を特定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法及び装置、連続鋳造方法及び装置に関する。
鋼の連続鋳造機においては、水冷鋳型内に注入した溶鋼を水冷鋳型内で1次冷却して鋳型内壁に凝固殻を形成させ、この凝固殻を鋳型下方に設置した多数の鋳片支持ロールにて支持しつつ下方に連続的に引き抜きながら、スプレー冷却水などにより凝固殻表面を2次冷却し、鋳片中心部まで完全に凝固させた後に、鋳片を所定の長さに切断している。
このような連続鋳造の最大鋳造能力は、鋳片の凝固完了位置が連続鋳造機出側の最下流の鋳片支持ロールの位置になるような引き抜き速度で鋳片を鋳造した場合に達成される。
また、熱エネルギー削減を目的として鋳造直後の連続鋳造鋳片を圧延工程に搬送して高温の状態で圧延するため、鋳片温度を可能な限り高くするには、鋳片の凝固完了位置を連続鋳造機出側の最下流の鋳片支持ロールの位置とすることが好ましい。
しかし、鋳片の凝固完了位置は、鋳片引き抜き速度を一定にしても、2次冷却用冷却水の水温や吹き付け圧力、及び、鋳型注入時の溶鋼温度などの変化により常に変動している。
そのため、凝固完了位置を連続鋳造機の最下流側になるように操業したとしても、上記の種々の要因により凝固完了位置が変動し、凝固完了位置が鋳片支持ロールの範囲を超える場合が発生する。この場合には、鋳片が溶鋼静圧によりバルジングして鋳片品質が劣化するばかりか、鋳片切断時に内部の未凝固層が流出するという設備トラブルの危険性さえある。この危険を回避するため、実際には、凝固完了位置を連続鋳造機出側の最下流の鋳片支持ロールの位置よりも十分に上流側とした条件で鋳造することが一般的である。
このため、連続鋳造の最大鋳造能力が発揮されず、また熱エネルギー削減が十分になされないという問題がある。
このような問題を解決して連続鋳造機の最大鋳造能力を安定して確保するべく、鋳片の凝固完了位置を検出する種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鋳片支持ロールの軸受部基端に歪ゲージを貼り付けてロール負荷を検出し、凝固完了前と凝固完了後との溶鋼静圧の有無に起因するロール負荷を検出して凝固完了位置を判定する方法が開示されている。
また、特許文献2には、鋳造中の鋳片に送信子から横波超音波を透過させ、透過した横波超音波を受信子にて受信し、横波超音波の透過強度から鋳片の凝固状態を検出する方法が開示されている。
特開平9−225611号公報 特開平11−83814号公報
しかしながら、上記の従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1では、軸受部機端に貼り付けした歪ゲージを用いてロールの負荷を検出するようにしているが、連続鋳造設備は本来堅固で丈夫な設備であり、溶鋼静圧の有無に起因して起こる軸受部基端の歪は極めて少なく、また、歪ゲージが貼り付けされる位置は高温雰囲気であり、温度によるロールの歪も発生するので、歪ゲージではロール負荷の変化を正確には測定できない。
特許文献2では、横波超音波の発信子及び受信子を用いる必要があるが、前述のように、鋳片引き抜き速度を一定にしても凝固完了位置は常に変動するため、このような常に変動する凝固完了位置を測定するには、横波超音波の発信子及び受信子を各ロール間に設置する必要がある。更に、鋳片引き抜き速度を変化させた場合にも凝固完了位置を測定しようとすると、多数の受信子を配置する必要があり、設備費が増大になる。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連続鋳造鋳片の凝固完了位置を、設備費を抑えて簡単な方法で正確に検出する方法及び装置、およびこの方法及び装置を用いて凝固完了位置を所定の位置に制御する方法及び装置を提供することである。
鋳片は上下のフレームに複数本の鋳片支持ロールがそれぞれ配置されたロールセグメントによって支持されて下流側に移動する。
一般的に、ロールセグメントに掛かる荷重(以下、「セグメント荷重」という場合あり)は、溶鋼静圧と圧下反力の合計で示される。
鋳片の圧下がされていない場合には、セグメント荷重は溶鋼静圧が支配的である。そのため、凝固が完了すると溶鋼静圧が掛からなくなり、セグメント荷重は低減する。このように、凝固の完了によって溶鋼静圧の変化があることから、凝固完了の有無を溶鋼静圧の変化によって捉えることが考えられ、溶鋼静圧の変化をセグメント荷重の変化として捉えることが考えられる。この考えに基づくものが、特許文献1である。
しかしながら、溶鋼静圧はそれ自体があまり大きくなく、溶鋼静圧によって凝固完了の有無を検知しようとすると、正確な検知が難しいという問題がある。
他方、鋳片の圧下がある程度されている場合には、凝固が完了すると鋳片の変形抵抗が大幅に増加し、これに比例して圧下反力が大幅に増加し、セグメントに掛かる荷重も大幅に増加することになる。このように、凝固が進行することによる圧下反力の増加幅は溶鋼静圧の増加幅よりも大きいため、圧下反力による凝固完了の有無の検知が容易である。
そこで、発明者はロールセグメントに作用する圧下反力の変化に基づいて凝固完了の有無を検知することを考え、圧下反力の捉え方についてさらに検討した。
そして、圧下反力を捉える方法として、鋳片の凝固完了位置を挟んで鋳造方向の上流側及び下流側に配置されるいわゆる軽圧下帯のロールセグメントの支柱に設置される皿バネに着目した。皿バネは、ロールセグメントに過大な荷重が作用した際に変形してロールセグメントに掛る荷重を軽減するものであり、各ロールセグメントにはセグメントの入り側と出側の支柱上部又は下部に設置されている。
皿バネはロールセグメントに作用する荷重が大きくなることで撓み始めるため、ロールセグメントに作用する荷重の増加は、皿バネの撓み量によって捉えることができる。
ロールセグメントに作用する荷重は、前述したように圧下反力+静鉄圧によって決まる。そして、圧下反力はスラブサイズ(厚み×幅)、圧下勾配(mm/seg、mm/m)、セグメント内の液相の割合(凝固完了位置)によって決定され、他方、静鉄圧はスラブサイズと連鋳機の高さで決定される。
鋳片の凝固完了位置を、皿バネの撓み量によって検出するためには、凝固完了位置が変化するときにセグメント荷重が変化する必要がある。しかしながら、凝固完了位置がロールセグメント内における上流側に移動すると、当該ロールセグメントの静鉄圧は減少し、一方で圧下反力は増加するため、凝固完了位置が変化に伴ってセグメント荷重が変化するようにするには、圧下反力の増加量が静鉄圧の減少量よりも大きくなるようにする必要があり、そのためには、圧下反力>静鉄圧となるようにロールセグメントの圧下勾配を設定する必要がある。
圧下勾配を上記のように設定することを前提として、軽圧下帯にあるロールセグメントの出側支柱に設けた皿バネが撓み始める荷重(以下、「皿バネ変位荷重」という)を、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱よりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定することで、凝固が完了した鋳片が通過しているロールセグメントでは、ロールセグメントに作用する荷重が皿バネの撓み始める荷重より大きくなるので、皿バネは撓んでいることになる。そのため、この撓み量を検出することで、凝固が完了している鋳片の存在しているセグメントを特定することができる。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
(1)本発明に係る連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法は、入側支柱と出側支柱によって支持された上フレームと下フレームの間に複数対の鋳片支持ロールが組み込まれたロールセグメントを有し、該ロールセグメントのうちの圧下可能なロールセグメントの支柱に荷重を逃すための皿バネを設け、これらロールセグメントで鋳片を支持しながら鋳片を連続的に引き抜く連続鋳造方法における連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法であって、
測定対象とするロールセグメントの少なくとも出側支柱に前記皿バネを設置すると共に、前記ロールセグメントにおける圧下勾配を、スラブサイズ(厚み×幅)に応じて、圧下反力>静鉄圧となるように設定し、かつ、前記皿バネが撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)を、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱よりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定し、前記皿バネの撓み量を測定することで、前記凝固が完了している鋳片が位置しているセグメントを特定するものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えているときに当該皿バネが設置されているセグメントでは凝固が完了していると判定することを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、鋳造方向に連続して配置された複数のロールセグメントにそれぞれ設けられた皿バネの変位を測定し、下流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えており、かつその上流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えていないときに前記下流側のロールセグメントの位置に凝固完了位置があると判定することを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記圧下可能なロールセグメントを予め伝熱計算等で予測した凝固完了位置又はその近傍に設置することを特徴とするものである。
(5)本発明に係る連続鋳造鋳片の鋳造方法は、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の凝固完了位置検出方法によって鋳片の凝固完了位置を検出し、この検出結果に基づいて鋳片引き抜き速度を変更して、凝固完了位置を所定範囲内制御することを特徴とするものである。
(6)本発明に係る連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置は、入側支柱と出側支柱によって支持された上フレームと下フレームの間に複数対の鋳片支持ロールが組み込まれたロールセグメントを有し、該ロールセグメントのうちの圧下可能なロールセグメントの支柱に荷重を逃すための皿バネを設け、これらロールセグメントで鋳片を支持しながら鋳片を連続的に引き抜く連続鋳造装置における連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置であって、
測定対象とするロールセグメントにおける圧下勾配が、スラブサイズ(厚み×幅)に応じて、圧下反力>静鉄圧となるように設定されてなり、
前記皿バネは、測定対象とするロールセグメントの少なくとも前記出側支柱に前記皿バネを設置されると共に、前記皿バネが撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)が、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱よりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定されてなり、
前記皿バネの撓み量を測定する変位測定装置と、該変位測定装置の測定値を入力し、該入力値によって前記皿バネの撓み量が予め設定された閾値を超えているときに当該セグメントにおいて凝固が完了していると判定する凝固完了位置判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
(7)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記変位測定装置は、鋳造方向に連続して配置された複数のロールセグメントにそれぞれ設けられた皿バネの撓み量を測定し、前記凝固完了位置判定手段は下流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えており、かつその上流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えていないときに前記下流側のロールセグメントの位置に凝固完了位置があると判定することを特徴とするものである。
(8)本発明に係る連続鋳造装置は、上記(6)又は(7)に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置を備えた連続鋳造装置であって、前記凝固完了位置判定手段の判定結果に基づいて鋳造速度を変更する鋳造速度制御手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、連続鋳造中の鋳片の凝固完了位置を、ロールセグメントの出側支柱に設置した皿バネの撓み量を測定するという簡単な方法で正確に検出することが可能となる。
また、この方法では、鋳片支持ロール毎に撓み量を測定する必要が無く、少ない変位量測定器で検出することができ、設備コストを抑えることができる。
さらに、この方法を用いて凝固完了位置を制御しつつ連続鋳造することにより、連続鋳造機の鋳造能力を最大まで増加させることが実現される。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造装置を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態に係る連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置の説明図である。 本発明の一実施の形態の凝固完了位置検出装置における皿バネの撓み始める荷重の設定方法の説明図である。 本発明の一実施の形態の凝固完了位置検出装置における皿バネの撓み始める荷重の設定方法の説明図である。 本発明の一実施の形態の凝固完了位置検出装置における皿バネ変位荷重の設定値と皿バネ変位との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態の凝固完了位置検出方法の説明図である。 実施例の実施例1,2における皿バネ撓み量と鋳片引き抜き速度との関係を示すグラフである。 実施例の比較例1,2における皿バネ撓み量と鋳片引き抜き速度との関係を示すグラフである。 実施例の比較例3,4における皿バネ撓み量と鋳片引き抜き速度との関係を示すグラフである。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造装置について、図面を参照して説明する。
連続鋳造装置1は、溶鋼を注入して凝固させ、鋳片2の外殻形状を形成するための鋳型3と、この鋳型3の上方に設置されて取鍋から供給される溶鋼を鋳型3に中継供給するためのタンディッシュ5を備えている。
タンディッシュ5の底部には、溶鋼の流量を調整するためのスライディングノズル7が設置され、このスライディングノズル7の下面には、浸漬ノズル9が設置されている。
また、鋳型3の下方には、複数対の鋳片支持ロール11が配置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール11の間には、水スプレーノズル、或いはエアーミストノズルなどのスプレーノズルが配置された2次冷却帯13が構成され、2次冷却帯13のスプレーノズルから噴霧される冷却水(『2次冷却水』ともいう)によって冷却されながら、鋳片2は引き抜かれるようになっている。
鋳片2の凝固完了位置を挟んで鋳造方向の上流側及び下流側には、鋳片2を挟んで対向する鋳片支持ロール11間の間隔(この間隔を「ロール間隔」という)を鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定された、複数対の鋳片支持ロール群から構成される軽圧下帯15が設置されている。軽圧下帯15では、その全域または選択した一部領域で、鋳片2に軽圧下を行うことが可能である。
軽圧下帯15は、上フレームと下フレームの間に複数対の鋳片支持ロール11が組み込まれたロールセグメント17(単に「セグメント」という場合あり)を鋳造方向に複数直列に配置することで構成されている。
図2は図1の一部を拡大すると共により詳細に示した図である。
図2に示すように、ロールセグメント17には、ロールセグメント17の入り側に設置された入側支柱19aと出側に設置された出側支柱19bの上部にロールセグメント17の過荷重防止のための皿バネ21が設置されている。設定した値以上の荷重が入側支柱19a、出側支柱19bに負荷されると、皿バネ21に荷重が逃げて皿バネ21が撓むようになっている。皿バネ21が撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)は、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重(=圧下反力+静鉄圧)>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱19bよりも下流側にある時のセグメント荷重(=圧下反力+静鉄圧)、となるように設定している。
皿バネ変位荷重を上記のように設定した理由について鋳型サイズが2100mm幅×250mm厚で圧下勾配を0.64mm/mとして鋳造する場合を例に挙げて説明する。
図3に示すように、凝固完了位置がA(ロールセグメント17における入側支柱19aの上流側)、B(ロールセグメント17の中央)、C(ロールセグメント17における出側支柱19bの下流側)のそれぞれにあるときのセグメント出側に配置された出側支柱19bに掛かる荷重を数値シミュレーションモデルで算出した。
その結果、図4に示すように凝固完了位置がAの場合で292tonf、凝固完了位置がBの場合で286tonf、凝固完了位置がCの場合で283tonfであった。凝固完了位置がAより上流側の場合は292tonfよりさらに大きくなり、また、Cより下流側の場合は283tonfよりさらに小さくなる。
前述したように、皿バネ21は設定した値以上の荷重が出側支柱19bに負荷されると撓み始める。
したがって、図3に示したセグメントに鋳片の凝固完了位置がある場合に皿バネ21が撓むためには、凝固完了位置がAの時の出側支柱19bの荷重(LA)よりも皿バネ変位荷重が小さくなるように、すなわち、皿バネ変位荷重<LAとなるようにする必要がある。なぜなら、LA<皿バネ変位荷重、と設定すると、凝固完了位置が対象セグメント出側より上流側の場合でも出側支柱19bの皿バネ21は撓まなくなり、凝固完了位置を検出することはできなくなるからである。
もっとも、凝固完了位置がさらに上流側の場合は、対象セグメントでの荷重が増加するため、皿バネ21が撓む場合もあるが、軽圧下セグメントと凝固完了位置が相当離れているため、皿バネ21が撓んでいるセグメントと凝固完了セグメントがズレており、予めこのズレを予測しておけば、凝固完了位置の特定は不可能ではないが、そもそも、軽圧下セグメントと凝固完了位置が相当離れている場合は、実際の操業では異常と判定される。
皿バネ変位荷重を、皿バネ変位荷重<LAに設定すれば、対象セグメントに凝固完了位置がある場合に皿バネ21が撓むが、皿バネ変位荷重<LC(LC:凝固完了位置がCの時の出側支柱19bの荷重)<LAに設定すると、凝固完了位置がAの場合でもCの場合でも、出側支柱19bに設けた皿バネ21は撓むため、単純に皿バネ21の変位の有無だけでは凝固完了位置が対象セグメントにあるのかないのかを判断できない。この場合、予め出側支柱19bの皿バネ撓み量の絶対値と凝固完了位置との関係を予測しておけば、この絶対値を求めることで凝固完了位置の検出は不可能ではない。しかし、凝固完了位置がCにある場合に出側支柱19bの皿バネ21が撓んでいるということは、凝固末期においてほとんど軽圧下が付与できていないことを意味しているため、内部品質の面からは望ましくない。
よって、皿バネ変位荷重>LCに設定する必要がある。
以上から、LC<皿バネ変位荷重<LAに設定することで、対象セグメントにおける鋳片の凝固位置の有無を皿バネ21の撓みの有無で判定することができる。
また、皿バネ変位荷重を、LC<皿バネ変位荷重<LAに設定した場合、凝固完了位置が対象セグメントのAにあった場合は、対象セグメントの1つ前のセグメントで軽圧下を付与すれば、凝固末期の鋳片の大部分が適正に軽圧下されるため内部品質には問題ない。また、凝固完了位置が対象セグメントのCにあった場合は、出側支柱19bの皿バネ21が撓まないため、対象セグメントで凝固末期の鋳片を圧下することができる。このように、皿バネ変位荷重を、LC<皿バネ変位荷重<LAに設定することで、軽圧下不足に起因する鋳片内部品質の悪化を生ずることもない。
なお、操業中の皿バネ変位を測定すると、実際は撓んでいないが、撓んでいるように測定される所謂“ガタ”と呼ばれる遊びの範囲が必ず存在する。このガタはセグメント特有の値であるので、皿バネ変位荷重を設定する際には、セグメント毎に皿バネ撓み量を測定してガタ範囲を特定することが望ましい。
図5は、皿バネ変位荷重の設定値と皿バネ撓み量との関係を模式的に示した図であり、横軸が皿バネ21に負荷される荷重を示し、荷重縦軸が皿バネ撓み量を示している。そして、横軸には皿バネ変位荷重の設定範囲が示されている。図5に示すように、図中のCとAの範囲に皿バネ変位荷重が設定されることで、対象となるロールセグメントに凝固完了位置があれば皿バネ21に撓みが発生することが分かる。
なお、図2に示す例では、1つのロールセグメント17に8対の鋳片支持ロール11が配置されたものを示しているが、鋳片支持ロール11は2対以上であれば、何対配置されてもよい。
前述したように、セグメント荷重は、溶鋼静圧と圧下反力で示され、鋳片の凝固完了位置を、皿バネ21の撓み量によって検出するためには、凝固完了位置が変化するときにロールセグメントに作用する荷重が変化するようにする必要がある。このため、本実施の形態のロールセグメントでは、圧下反力>静鉄圧となるようにロールセグメントの圧下勾配を設定している。この点、本実施の形態では、圧下勾配を0.3mm/m程度以上に設定している。
ロールセグメント17には、図2に示すように、皿バネ21の撓み量を測定する変位測定装置23が設けられている。変位測定装置23の具体例としては、レーザー式距離計、渦電流式距離計、接触式距離計等が挙げられ、これらを取り付け冶具によって取り付けることが好ましい。
変位測定装置23の測定値は、凝固完了位置を判定する凝固完了位置判定手段25に入力され、凝固完了位置判定手段25は、入力値が予め設定された閾値を超えているときに当該ロールセグメント17において凝固が完了していると判定する。
凝固完了位置判定手段25の判定結果は、鋳造速度制御手段27に入力され、鋳造速度制御手段27は判定結果に基づいてピンチロール29を回転させるモータ31の回転数を制御することで鋳造速度を制御する。
具体的には、凝固完了位置が目標とするロールセグメント17よりも下流側にある場合には、鋳造速度を遅くし、逆に凝固完了位置が目標とするロールセグメント17よりも上流側にある場合には鋳造速度を速くする。
次に、上記連続鋳造装置1による凝固完了位置検出方法について、鋳型サイズが2100mm幅×250mm厚、鋳片引き抜き速度が1.4m/minの鋳造条件で、低炭素アルミキルド鋼を鋳造する場合を例に挙げて説明する。
連続鋳造装置1において、鋳片2を鋳造する際の凝固完了位置を予め伝熱計算等で予測し、予測される凝固完了位置近傍に圧下可能なロールセグメント17を設置する。伝熱計算では、凝固が完了するロールセグメント17はNo.10セグメントであると算出しており、このNo.10セグメント及びその上流側のNo.9セグメントと下流側のNo.11セグメントを圧下可能なロールセグメント17とし、その圧下勾配を0.90mm/mに設定した。
また、数値シミュレーションより、凝固完了位置がロールセグメントの出側支柱19bの下流側である場合のセグメント荷重が303tonfであり、凝固完了位置が入側支柱の上流側である場合の荷重は307tonfであったため、No.9〜No.11セグメントの皿バネ21が撓み始める荷重を、303tonfと307tonfの間の値である305tonfに設定した。
図6に、変位測定装置23によって検出された凝固完了位置近傍の各ロールセグメント17出側での皿バネ21の撓み量を示す。
No.9セグメントの出側支柱19bの皿バネ21の撓み量が約0.2mm、No.10セグメントの出側支柱19bの皿バネ21の撓み量が約1.0mm、No.11セグメントの出側支柱19bの皿バネ21の撓み量が約1.5mmであった。No.9セグメントがわずかに撓んでいるが、これはガタ分であると考えられる。したがって、出側支柱19bの皿バネ21の撓みとしては、No.9セグメントでは撓みが発生しておらず、No.10セグメントで撓みが発生し、No.11セグメントでさらに大きく撓んでいる。
このとき、凝固完了位置判定手段25は、皿バネ21の撓み量の閾値として、例えば0.3mmとしておき、皿バネ21の撓み量が0.3mmを超えたときに当該ロールセグメント17では凝固が完了していると判定する。
そして、本実施の形態のように、複数のロールセグメント17にそれぞれ設置されている皿バネ21の撓み量を測定する場合には、凝固完了していると判定されたロールセグメント17のうちの最も上流側のロールセグメント17において凝固完了位置(クレータエンド)があると判定するようにすればよい。
以上の結果から、凝固完了位置はNo.9セグメント出側よりも下流側で、且つ、No.10セグメント出側よりも上流側であると判断でき、No.10セグメント内に凝固完了位置が存在していると判定できる。
上記鋳造の際に、No.10セグメントに設置された超音波の送受信子によって横波超音波を鋳片2に透過させ、凝固完了位置の有無を確認したところ、横波超音波の伝播強度から凝固完了位置がNo.10セグメントであったことを検知しており、皿バネ21による判定と一致していた。
なお、皿バネ21の撓み量の閾値をどのように設定するかについては、皿バネ21の弾性率等によって異なるので、これらを考慮して適宜設定すればよい。
また、ガタ分については予め測定して、これを皿バネ21の撓み量から除外するようにすればよい。
鋳造速度制御手段27は、凝固完了位置判定手段25による判定結果を入力して、予め設定されている目標とする凝固完了位置との関係で鋳造速度を制御する。
例えば、上記のように判定結果がNo.10セグメントであった場合において、目標とする凝固完了位置がNo.11セグメントであった場合、鋳造速度を増加させるように制御する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、鋳片2の凝固完了位置を、ロールセグメント17の出側支柱19bの皿バネ21の撓み量測定という簡単な方法で正確に特定することが可能となり、また、この方法よれば、少ない計測機器で済むため、設備コストを抑えることが出来る。
また、この方法を用いて凝固が完了するロールセグメント17を制御しつつ連続鋳造することにより、連続鋳造機の鋳造能力を最大まで増加させることが実現される。
なお、上記の実施の形態では、複数のロールセグメント17の皿バネ21の撓み量を計測する例を示したが、一つのロールセグメント17に設置された皿バネ21の撓み量を計測するようにしてもよい。
この場合、当該ロールセグメント17において凝固が完了しているかどうかを判定できるので、例えば最も下流側のロールセグメント17の出側支柱19bに設置した皿バネ21の撓み量を計測し、当該皿バネ21の撓み量が所定値以下の場合には鋳造速度を低下させるような制御をすればよい。
低炭素アルミキルド鋼を、鋳片厚みが250mm、鋳片幅が2100幅のスラブ鋳片に鋳造する際に、メニスカスから21〜23mのNo.8セグメント、メニスカスから23〜25mのNo.9セグメント、メニスカスから25〜27mのNo.10セグメント、夫々の出側支柱19bに設置した皿バネ21のカバーに渦電流式距離計を設置し、皿バネ21の撓み量と凝固が完了したロールセグメント17の関係を調査した。
設定条件と結果を表1に示す。
表1に示すように、鋳片引き抜き速度(鋳造速度)は1.3m/minと1.4m/minの2通りであり、2次冷却水の比水量は鋳片引き抜き速度が1.3m/minの場合は1.52L/kg・steelとし、1.4m/minの場合は1.58L/kg・steelとした。
予め、伝熱計算により、凝固が完了するロールセグメントを求めており、鋳片引き抜き速度が1.4m/minではNo.10セグメントであり、1.3m/minではNo.9セグメントである。そこで、No.8〜No.10セグメントの圧下勾配を、実施例1、2と比較例1〜4では圧下反力>静鉄圧になるように0.90mm/mに設定した。また、比較例5、6では圧下勾配を、圧下反力<静鉄圧になるように0.25mm/mに設定した。表1中には、上記のように圧下勾配を設定したときの伝熱計算により求めた凝固完了位置(凝固完了位置を図3のB点とした)のセグメントの圧下反力、静鉄圧、圧下反力+静鉄圧を記載している。
また、数値シミュレーションより、凝固完了位置がロールセグメント17のNo.9セグメント、No.10セグメントのそれぞれにおける出側支柱19bの下流側である場合のセグメント荷重(LC)と、凝固完了位置がロールセグメント17の入側支柱の上流側である場合のセグメント荷重(LA)を求めた。その結果、凝固完了位置がNo.9にある場合の実施例1及び比較例1、3ではLCが292tonfでLAが296tonfであった。凝固完了位置がNo.10にある場合の実施例2及び比較例2、4では、LCが303tonfでLAが307tonfであった。そこで、実施例1、2では、No.9、No.10セグメントの皿バネ21が撓み始める荷重をLCとLAの中間の値である294tonf、305tonfにそれぞれ設定した。また、比較例1、2では、皿バネ21が撓み始める荷重をLAよりも大きい310tonfに設定した。さらに、比較例3、4ではそれぞれ皿バネ21が撓み始める荷重をLCよりも小さい290tonfに設定した。
また、比較例5ではLCが179tonfでLAが183tonf、比較例6では、LCが181tonfでLAが185tonfであったが、軽圧下を可能にするために皿バネ21が撓み始める荷重を300tonfに設定した。
なお、上記セグメント荷重の求め方としては、以下のように行った。
(a)溶鋼静圧を算出(溶鋼密度×連続鋳造機高さ×重力加速度)
(b)凝固完了位置(クレータエンド位置)を伝熱計算で算出(その際に、ΔT(タンディッシュでの溶鋼過熱度)や2次冷却パターンや水温で凝固完了位置が当該セグメントの出側に位置するように調整する)
(c)シェルの温度分布を算出
(d)シェルの温度から鋳片の変形抵抗を算出(鋼種や温度で変形抵抗が決定する。これは実験によって実測済み)
(e)変形抵抗から圧下したときの圧下反力を算出
(f)溶鋼静圧+圧下反力からセグメントの各ロールに掛る荷重を算出して、算出した荷重を各セグメントで合計する。
表1に示す条件で鋳片2を鋳造した際の、実施例1、2におけるNo.8〜No.10セグメントの出側での皿バネ21の撓み量を調査した結果を図7に示す。
図7に示すように、鋳片2の引き抜き速度が1.3m/minの場合では、No.9セグメント以降の出側の皿バネ21が撓んでいるが、No.8セグメントの出側支柱19bの皿バネ21は撓んでいないため、凝固完了位置がNo.9セグメント内であることが測定された。また、鋳片の引き抜き速度が1.4m/minの場合では、No.10セグメントの出側支柱19bの皿バネ21のみが撓んでおり、No.8セグメント及びNo.9セグメントの出側の皿バネ21は撓んでいないため、凝固完了位置がNo.10セグメント内であることが測定された。
上記鋳造の際に、No.11セグメントに設置された超音波の送受信子によって縦波超音波を鋳片2に透過させたところ、伝播時間と伝熱計算から鋳片引き抜き速度が1.4m/minの場合では凝固完了位置がNo.10セグメントであり、1.3m/minの場合では凝固完了位置がNo.9セグメントであったことを検知しており、本発明の凝固完了セグメント位置特性方法と一致した。
次に、No.8〜No.10セグメントの皿バネ変位荷重を310tonfに設定した比較例1,2におけるNo.8〜No.10セグメントの皿バネ21の撓み量を調査した結果を図8に示す。
鋳片引き抜き速度が1.3m/minと1.4m/minのいずれの場合においても皿バネ21の撓み量は全く変化しておらず、常にガタのレベルを下回っている。
この鋳造の際に、実施例1,2と同様に、No.11セグメントに設置された超音波の送受信子によって縦波超音波を鋳片に透過させたところ、伝播時間と伝熱計算から鋳片引き抜き速度が1.4m/minの場合では凝固完了位置がNo.10セグメントであり、1.3m/minの場合では凝固完了位置がNo.9セグメントであったことを検知している。このことから、比較例1,2では凝固完了位置の移動を検知することは出来なかったことが判明した。
次に、No.8〜No.10セグメントの皿バネ変位荷重を290tonfに設定した比較例3,4にけるNo.8〜No.10セグメントの皿バネ21の撓み量を調査した結果を図9に示す。
図9に示すように、鋳片引き抜き速度が1.3m/minの場合、No.9セグメントとNo.10セグメントの出側支柱19bの皿バネ21が大きく撓んでおり、No.8セグメントではガタのレベル以上の撓みは発生していなかった。従って、凝固完了位置は実施例1,2と同様にNo.9セグメント内であると判定できる。この際に、No.11セグメントに設置された超音波の送受信子によって縦波超音波を鋳片に透過させたところ、伝播時間と伝熱計算から凝固完了位置がNo.9セグメントであったことを検知しており、上記の判定と一致していた。
一方で、鋳片引き抜き速度が1.4m/minの場合、No.9セグメントとNo.10セグメントの皿バネ21の撓み量は、1.3m/minの場合と比較すると低減しているももの、依然として大きな撓みが発生していた。他方、No.8セグメントの出側支柱19bの皿バネ21には撓みは発生していなかった。比較例3,4では皿バネ変位荷重を、凝固完了位置が対象セグメントの出側支柱19bの下流側にある場合の荷重よりも小さく設定しているため、凝固完了位置がNo.10セグメントに移動しても、No.9セグメントの出側支柱19bの皿バネ21に撓みが発生したのである。そのため、この場合は皿バネ21の撓みが発生したことで凝固完了位置が存在すると単純に判定することができない。このような場合において凝固が完了したセグメントを特定するには、予めNo.10セグメント出側の皿バネ21撓み量と凝固完了位置の関係を伝熱計算や前述した荷重計算によって明らかにしておく必要がある。また、この時の鋳片の内部品質を調査した結果、発明例のときよりもポロシティや偏析悪化が確認された。
比較例5、6では、No.8〜No.10セグメントの皿バネ変位荷重がセグメント荷重を大きく上回っているため、皿バネ21の撓みは発生せず、皿バネ21の撓み量によって凝固完了位置を特定することはできない。
以上のように、本発明によれば、鋳片2の凝固完了位置を、ロールセグメント17の出側支柱19bの皿バネ21の撓み量を測定するという簡単な方法で正確に特定することが可能となることが実証された。
1 連続鋳造装置
2 鋳片
3 鋳型
5 タンディッシュ
7 スライディングノズル
9 浸漬ノズル
11 鋳片支持ロール
13 2次冷却帯
15 軽圧下帯
17 ロールセグメント
19 支柱
21 皿バネ
23 変位測定装置
25 凝固完了位置判定手段
27 鋳造速度制御手段
29 ピンチロール
31 モータ

Claims (8)

  1. 入側支柱と出側支柱によって支持された上フレームと下フレームの間に複数対の鋳片支持ロールが組み込まれたロールセグメントを有し、該ロールセグメントのうちの圧下可能なロールセグメントの支柱に荷重を逃すための皿バネを設け、これらロールセグメントで鋳片を支持しながら鋳片を連続的に引き抜く連続鋳造方法における連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法であって、
    測定対象とするロールセグメントの少なくとも出側支柱に前記皿バネを設置すると共に、前記ロールセグメントにおける圧下勾配を、スラブサイズ(厚み×幅)に応じて、圧下反力>静鉄圧となるように設定し、かつ、前記皿バネが撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)を、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱よりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定し、前記皿バネの撓み量を測定することで、前記凝固が完了している鋳片が位置しているセグメントを特定することを特徴とする連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法。
  2. 前記皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えているときに当該皿バネが設置されているセグメントでは凝固が完了していると判定することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法。
  3. 鋳造方向に連続して配置された複数のロールセグメントにそれぞれ設けられた皿バネの変位を測定し、下流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えており、かつその上流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えていないときに前記下流側のロールセグメントの位置に凝固完了位置があると判定することを特徴とする請求項1又は2記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法。
  4. 前記圧下可能なロールセグメントを予め伝熱計算等で予測した凝固完了位置又はその近傍に設置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の凝固完了位置検出方法によって鋳片の凝固完了位置を検出し、この検出結果に基づいて鋳片引き抜き速度を変更して、凝固完了位置を所定範囲内制御することを特徴とする連続鋳造鋳片の鋳造方法。
  6. 入側支柱と出側支柱によって支持された上フレームと下フレームの間に複数対の鋳片支持ロールが組み込まれたロールセグメントを有し、該ロールセグメントのうちの圧下可能なロールセグメントの支柱に荷重を逃すための皿バネを設け、これらロールセグメントで鋳片を支持しながら鋳片を連続的に引き抜く連続鋳造装置における連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置であって、
    測定対象とするロールセグメントにおける圧下勾配が、スラブサイズ(厚み×幅)に応じて、圧下反力≧静鉄圧となるように設定されてなり、
    前記皿バネは、測定対象とするロールセグメントの少なくとも前記出側支柱に前記皿バネを設置されると共に、前記皿バネが撓み始める荷重(皿バネ変位荷重)が、鋳片の凝固完了位置が前記入側支柱より上流側にある時のセグメント荷重>皿バネ変位荷重>鋳片の凝固完了位置が前記出側支柱よりも下流側にある時のセグメント荷重、となるように設定されてなり、
    前記皿バネの撓み量を測定する変位測定装置と、該変位測定装置の測定値を入力し、該入力値によって前記皿バネの撓み量が予め設定された閾値を超えているときに当該セグメントにおいて凝固が完了していると判定する凝固完了位置判定手段とを備えたことを特徴とする連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置。
  7. 前記変位測定装置は、鋳造方向に連続して配置された複数のロールセグメントにそれぞれ設けられた皿バネの撓み量を測定し、前記凝固完了位置判定手段は下流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えており、かつその上流側のロールセグメントの皿バネの撓み量が予め設定した閾値を超えていないときに前記下流側のロールセグメントの位置に凝固完了位置があると判定することを特徴とする請求項6記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置。
  8. 請求項6又は7に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了位置検出装置を備えた連続鋳造装置であって、
    前記凝固完了位置判定手段の判定結果に基づいて鋳造速度を変更する鋳造速度制御手段を備えたことを特徴とする連続鋳造装置。
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