JP3604661B2 - 溶鋼注入終了判定方法及び判定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋(タンディッシュ)に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋から中間鍋への溶鋼注入が終了して取鍋からのスラグ流出が開始する時期を判定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造においては、取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介してタンディッシュと呼ばれる中間鍋(以下「タンディッシュ」という。)に注入し、さらにタンディッシュから鋳型内に溶鋼を鋳造する。取鍋内の溶鋼注入が完了すると、鋳造を継続しながら取鍋を交換し、次の取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に注入する。このようにして2以上の取鍋の溶鋼を用いて連続鋳造を継続することができる。
【0003】
取鍋内には、溶鋼の上をスラグが覆っているので、溶鋼の注入が完了した後に注入口を介してスラグがタンディッシュ内に流出することとなる。タンディッシュ内に流出したスラグは鋼中の介在物の原因となるため、鋼の品質向上のためにはタンディッシュへのスラグの流出を極力排除する必要がある。
【0004】
従来、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入終了の判定は、タンディッシュ内へのスラグ流出をオペレータが目視判定する方法によって行っていた。取鍋注入口からタンディッシュへの注入流がロングノズルで遮蔽されている場合には、取鍋スラグがロングノズルを通ってタンディッシュ内に流出し、ロングノズル周囲の溶鋼面上にスラグが浮上するのが確認された時点で溶鋼注入終了と判定している。また、ロングノズルを用いずにシールボックスを設置し内部をArシールする方法においては、シールボックスに注入流監視用窓を設け、この窓から注入流を観察し、取鍋スラグの流出が確認された時点で溶鋼注入終了と判定している。
【0005】
取鍋からのスラグ流出を自動的に検出する方法が各種提案されている。例えば光学的に注入流の色(波長)の変化からスラグ流出を検知したり、磁場の変化からスラグ流出を検知する方法が提案されている。また、取鍋注入口ノズルの周囲に電磁式スラグ流出検出装置を設けて、注入流を取り囲むように注入口に電磁コイルを埋め込み、このコイルによって注入流に渦電流を形成し、溶鋼とスラグの導電率の差による生成渦電流の差を誘導起電力の差として検出する方法が提案されている(例えば特開平9−150251号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
スラグ流出を目視判定する方法では、取鍋注入の末期にオペレータが注入流を常時監視していなければ成らず、高温環境下にさらされて作業性が悪く、またオペレータの目視判定に頼るため、スラグ流出の判定に個人差があって判定タイミングにばらつきを生じやすく、取鍋内残溶鋼量が増大して製造歩留の悪化を来したり、逆にタンディッシュ内へのスラグ流出量が多くなりすぎることがあった。また、タンディッシュ内の溶鋼表面にスラグが浮上した時点での判定では、判定が遅すぎてタンディッシュ内へのスラグ流入量が過大になるという問題もあった。
【0007】
各種提案されているスラグ流出自動判定方法については、光学的な検出方法ではロングノズルを使用する通常の連続鋳造においては採用することが困難である。採用できたとしても、1600℃の高温溶鋼による輻射熱や溶鋼スプラッシュによる測定外乱が大きいため、安定した連続観察は難しい。また、取鍋注入口に電磁コイルを埋め込む方法については、通常の取鍋注入口周辺には電磁コイルを埋め込むための十分なスペースを確保することが困難であり、また高温で過酷な条件の中で耐火物の強度や電気的信頼性を確保しつつコイルを設置することが困難であり、コスト増大の要因ともなることから、十分な成果をあげるには至っていない。
【0008】
本発明は、取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、オペレータの目視判定に頼ることなく、また光学的方法や取鍋注入口周辺に電磁コイルを埋め込む方法を採用することなく、自動的、かつ安価に確実に取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入の終了を判定する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
スラグは溶鋼に比較して比重が約半分である。そのため、取鍋注入口からの注入速度を時間当たりの重量で表示すると、溶鋼に比較してスラグは時間当たりの注入重量が少ない。この原理を応用することにより、取鍋重量またはタンディッシュ重量の時間変化量の変動からスラグ流出を検出することが可能になる。また、取鍋やタンディッシュの重量変動にはスラグ流出以外の要因による変動も含まれているが、スラグ流出時に特有の変動パターンを検出することにより、より精度の高い注入終了判定を行うことも可能である。本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところを図1〜図4に即して記載すると以下のとおりである。
【0010】
(4)取鍋1内の溶鋼6を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼6を鋳造する連続鋳造において、取鍋1から中間鍋2への溶鋼注入の終了を判定する方法であって、取鍋重量34又は中間鍋重量18(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、所定の短い時間間隔(以下「区間30」という。)における鍋重量の時間変化量20を連続して検出し、予め臨界時間変化率21を定めるとともに臨界回数23を2以上の数値として定め、直前の平均時間変化量23に対する時間変化量20の差の絶対値が臨界時間変化率21を超え、かつ取鍋注入速度が減少する方向に変化する区間が連続して臨界回数23以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定方法。
(5)取鍋1内の溶鋼6を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼6を鋳造する連続鋳造において、取鍋1から中間鍋2への溶鋼注入の終了を判定する方法であって、取鍋重量34又は中間鍋重量18(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、鍋重量として中間鍋重量18を用い、所定の短い時間間隔(以下「区間30」という。)内での鍋重量の時間変化量20を連続して検出し、予め臨界時間変化量22を負の値として定めるとともに臨界回数23を2以上の数値として定め、時間変化量20が臨界時間変化量22以下となる区間が連続して臨界回数23以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定方法。
(6)注入終了予定時刻以前において、中間鍋2の重量が時間とともにわずかに増加するように取鍋注入口3の開度を定めることを特徴とする上記(5)に記載の溶鋼注入終了判定方法。
(7)区間30の時間間隔を1秒以下の一定時間として定め、臨界回数23を2回とすることを特徴とする上記(4)乃至(6)のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
(8)前記鍋重量として、実測した鍋重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることを特徴とする上記(4)乃至(7)のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
(2)さらに注入終了予定時刻以前に取鍋注入口3の開度を一定に保持することを特徴とする上記(4)乃至(8)のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
(3)鍋重量として中間鍋重量18を用い、注入終了予定時刻以前に中間鍋2から鋳型内に溶鋼を注入する注入速度を一定に保持することを特徴とする上記(4)乃至(8)又は(2)に記載の溶鋼注入終了判定方法。
【0011】
(10)取鍋1内の溶鋼6を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼6を鋳造する連続鋳造において、取鍋1から中間鍋2への溶鋼注入の終了を判定するための判定装置であって、取鍋重量34又は中間鍋重量18(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、所定の短い時間間隔(以下「区間30」という。)における鍋重量の時間変化量20を連続して検出し、予め臨界時間変化率21を定めるとともに臨界回数23を2以上の数値として定め、直前の平均時間変化量23に対する時間変化量20の差の絶対値が臨界時間変化率21を超え、かつ取鍋注入速度が減少する方向に変化する区間が連続して臨界回数23以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定装置。
(11)取鍋1内の溶鋼6を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼6を鋳造する連続鋳造において、取鍋1から中間鍋2への溶鋼注入の終了を判定するための判定装置であって、取鍋重量34又は中間鍋重量18(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、鍋重量として中間鍋重量18を用い、所定の短い時間間隔(以下「区間30」という。)における鍋重量の時間変化量20を連続して検出し、予め臨界時間変化量22を負の値として定めるとともに臨界回数23を2以上の数値として定め、時間変化量20が臨界時間変化量22以下となる区間が連続して臨界回数23以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定装置。
(12)区間30の時間間隔を1秒以下の一定時間として定め、臨界回数23を2回とすることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の溶鋼注入終了判定装置。
(13)実測した鍋重量測定値の高周波成分を除去するローパスフィルターを有し、ローパスフィルターによって高周波成分を除去した鍋重量を用いて判定を行うことを特徴とする上記(10)乃至(12)のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1において、取鍋1中の溶鋼6が取鍋注入口3からロングノズル8を経由してタンディッシュ2aに注入される。タンディッシュ2aからは、タンディッシュ注入口9から浸漬ノズル14を経由して鋳型12内に溶鋼が注入される。鋳型12に注入された溶鋼は周囲から凝固しつつロール13によって引き抜かれ、鋳片15となる。
【0013】
取鍋注入口3には通常はスライディングノズル3aが用いられる。スライディングノズル3aは、黒鉛製の固定プレート3bを1枚乃至2枚、可動プレート3cを1枚有し、それぞれのプレートに溶鋼が通過する穴が開けられている。図1は固定プレート3bと可動プレート3cがそれぞれ1枚存在するスライディングノズル3aの例である。可動プレート3cを摺動させることにより、固定プレート3bと可動プレート3cとで構成する穴の開口面積を調整し、溶鋼注入量の調整を行う。一方、タンディッシュ注入口9の溶鋼注入量調整には、ストッパー9aあるいはスライディングノズルが使用される。
【0014】
取鍋1からタンディッシュ2aに溶鋼6を注入するに際し、取鍋1はレードルターレットあるいはレードルカー等の取鍋台車に載置される。従って、取鍋台車に取鍋秤量機33を配置することにより、取鍋重量34、すなわち取鍋及びその内容物合計の重量を秤量することができる。また、タンディッシュはタンディッシュカーの上に載置されるので、タンディッシュカーにタンディッシュ秤量機31を配置することにより、タンディッシュ重量18、すなわちタンディッシュおよびその内容物合計の重量を秤量することができる。
【0015】
鋳造中において、鋳型12内の液面レベルを鋳型液面レベル計32によって計測し、鋳型内液面制御装置11からの指令でストッパー9aを動作させてタンディッシュ注入口9の開度調整を行い、鋳型内の液面レベルを一定に保つ自動制御を行っている。また、タンディッシュ重量18をタンディッシュ秤量機31によって計測し、タンディッシュ重量制御装置4からの指令でスライディングノズル3aの開度を調整し、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保つ自動制御を行っている。
【0016】
重量計については、一般的に温度ドリフトや軽重機構のもつ非線形誤差などの計測誤差を生じるので、重量の絶対値に着目する判定は通常困難である。しかし、秤量値の絶対値を用いるのではなく、短時間内の秤量値の時間変化に着目するのであれば、温度ドリフトや非線形誤差の影響を受けることなく注入終了判定に用いることが可能になる。終了判定用に重量計を用いるようにする限りにおいては、それ以降に重量計の精度管理を従来に比較して強化すべきであることはいうまでもない。
【0017】
注入中かつ鋳造中のタンディッシュ重量18の時間変化量は、取鍋1〜タンディッシュ2aの注入速度(時間当たりの重量)からタンディッシュ2a〜鋳型12間の鋳造速度(時間当たりの重量)を差し引いた値を表している。また、注入中における取鍋重量34の時間変化量は、取鍋1からタンディッシュ2aへの注入速度の符号反転したものを表している。
【0018】
図4には、溶鋼注入終了前後における鍋重量の時間推移を示している。図4(a)はタンディッシュ重量18の時間変化、図4(b)は取鍋重量の時間変化である。さらに、図4(a)には3つの例が示されており、タンディッシュ重量18aのグラフはスラグ流出開始35前のタンディッシュ重量がほとんど変化せずに推移している例、タンディッシュ重量18bのグラフはやや減少しつつ推移している例、タンディッシュ重量18cのグラフはやや増加しつつ推移している例を示す。いずれの例においても、スラグ流出開始35の前後において鍋重量の時間変化量が変動しており、この変動を検出することによってスラグ流出開始35をキャッチし溶鋼注入終了とすることが可能であり、キャッチした時点で取鍋注入口3を自動的に閉鎖することにより、タンディッシュ内へのスラグ流出を最小限に留めることができる。
【0019】
取鍋注入口3の開度が変化すると、当然のことながら取鍋1からの注入速度も変化する。本発明においては、取鍋1からの注入速度の変化を検出して注入終了を判定する。本発明の上記(2)にあるように、判定時期の前後においては取鍋注入口3の開度を一定に保持しておくことにより、注入終了時に注入物質が溶鋼からスラグに変化した際における注入速度(重量)の変化を検出することが容易になる。本発明において鍋重量として取鍋重量34を検出する場合もタンディッシュ重量18を検出する場合も同様である。ただし、通常の溶鋼注入中のように、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保持するための自動制御を行っている場合においても、本発明の溶鋼注入終了判定を行うことは可能である。
【0020】
鍋重量としてタンディッシュ重量18を検出する場合においては、さらにタンディッシュ2aから鋳型12への注入速度を一定に保持することにより、取鍋注入終了を容易に検出することが可能になる。タンディッシュからの注入速度が変化すると、それに起因してタンディッシュ重量18の時間変化量が変動してしまうからである。このためには、タンディッシュ注入口9の開度を一定に保持することとしても良いが、鋳型内液面レベル制御は生かしてタンディッシュ注入口開度制御を行いつつ連続鋳造の引抜き速度を一定に保持することとしても良い。
【0021】
上述のように、通常の連続鋳造を行っている最中においては、タンディッシュ内の溶鋼レベルを一定に制御するために取鍋注入口3の開度を調整している。また、鋳型からの鋳造速度は種々の操業条件の変化に起因して変動させることがある。従って、これらの制御を行うために取鍋注入口3の開度もタンディッシュ注入速度も常に変動しているのであって、これらを長時間継続的に一定に保持することはできない。ただし、取鍋1からの注入終了前の短時間であれば、若干のタンディッシュ内溶鋼量の増減を許容することによって取鍋注入口開度を一定に保持することが可能である。また短時間であれば鋳造速度を一定に保持することによってタンディッシュ注入速度を一定に保持することが可能である。
【0022】
取鍋溶鋼注入終了予定時刻直前の時刻から取鍋注入口3の開度を一定に保持し、取鍋注入口3からのスラグ流出の検出に備えることができる。取鍋注入口開度を一定に保持する開始時刻をあまりにも終了予定時刻に近づけすぎると、終了時刻が予測に対して前側にずれた場合に終了判定に失敗することとなる。逆に開始時刻を早くしすぎると開度一定に保持する時間が長すぎ、タンディッシュ内溶鋼量異常を起こしたり鋳造異常を起こすこととなる。一方、取鍋内の初期溶鋼量は比較的正確に把握することができ、現時点までの取鍋からの溶鋼注入量についても注入開始からの鋳造長さとタンディッシュ内の溶鋼量増減から正確に把握できる。従って、取鍋からの溶鋼注入終了予定時刻を正確に予測することができるので、適切な時刻から取鍋注入口開度を一定に保持して注入終了判定を行うことが可能である。
【0023】
たとえ取鍋注入口の開度を一定に保持し、かつタンディッシュからの注入速度を一定に保持したとしても、鍋重量の時間変化量はスラグの溶鋼への混入状況や巻込み旋回しながら落下するなどの非定常な動きによっても、又、スラグ流出以外の様々な要因によっても変動する。これらのうち、スラグによる要因以外の別の要因に基づく鍋重量の時間変化量変動をもって注入終了を判定してしまうと、注入終了を誤って判定してしまうこととなる。スラグ流出以外の要因としては、例えば鋳型内の浸漬ノズルの局部溶損防止のために、接液位置を調整する目的でタンディッシュカーを昇降させることがあり、この昇降によって重量秤量値に外乱が生まれる。また、タンディッシュ上部からの消耗型熱電対によるタンディッシュ内溶鋼温度測定が行われるが、このときにオペレータがタンディッシュカーの上に飛び乗り、それによってオペレータの体重分だけ重量秤量値に外乱が生じる等がある。
【0024】
本発明においては、溶鋼注入終了予定時刻の直前からのごく短い時間間隔のみにて注入終了判定を行うことにより、スラグ流出以外の要因による誤検出の頻度を少なくすることができる。
【0025】
本発明者らは更に、鍋重量時間変化量の変動について詳細に比較検討すると、注入終了時における変動と、それ以外の原因による変動とでは変動のパターンが異なることを見出した。図2に基づいて説明を行う。まず、0.2〜1秒前後の所定の短い時間間隔を設定し、この時間間隔を「区間30」と称する。時間軸をこの短い時間間隔で分割し、各区間毎に区間30における鍋重量の時間変化量を算出する。図2では鍋重量としてタンディッシュ重量18を用いた場合について説明を行う。図2(a)において、●は各区間の終了時刻における鍋重量(タンディッシュ重量18)を示す。各区間の終了時刻における鍋重量から前の区間の終了時刻(すなわち当該区間の開始時刻)における鍋重量を差し引いた値がこの区間における鍋重量の時間変化量20である。図2(a)において、区間30aにおける時間変化量が20a、区間30bにおける時間変化量が20bである。図2(b)には、鍋重量の時間変化量20を縦軸にとってプロットを行っている。取鍋注入口開度を一定に保って溶鋼が注入されている間、鍋重量は一定速度で増加または減少しているので、各区間における鍋重量の時間変化量はほぼ一定に保たれる。図2(b)において、区間30aから区間30dまでは溶鋼注入中であり、鍋重量の時間変化量20はほぼ平均時間変化量24の前後に推移している。
【0026】
取鍋からの溶鋼注入終了時においては、注入される物質が溶鋼からスラグに変化し、このとき(重量)注入速度が低下する。注入速度即ち鍋重量の時間変化量20の低下は継続して維持され、注入速度が瞬時にして元に戻ることはたまにはあり得るが、終点として判定するべきではない。図2(b)において、区間30eから区間30gにかけては、鍋重量の時間変化量20が継続して低い値を維持しており、この区間でスラグが流出していることがわかる。これを利用して、後述する本発明の上記(4)(5)のように、重量の増加勾配過程で重量変化率がマイナスの一定値以下を所定の回数継続した場合をもって終点と判定することもできる。
【0027】
一方、注入終了以外の原因で鍋重量の時間変化量が変動する場合には、例えばタンディッシュの上にオペレータが乗り移って作業を行うような場合、オペレータが乗り移った瞬間に鍋重量が増大して鍋重量の時間変化量20が変動するが、その後鍋重量の時間変化量20は元に戻る。オペレータが作業を終了してタンディッシュから離れると、その瞬間に鍋重量が減少して鍋重量の時間変化量20が変動するが、やはりその後鍋重量の時間変化量20は元に戻る。図2において、区間30bで鍋重量の時間変化量が低下しているが、区間30cでは元に戻っており、この変動はスラグ流出以外の要因に基づくことが分かる。
【0028】
以上のとおりであるから、鍋重量の時間変化量の変動(注入速度が低下する方向での変動)が継続して維持されたらそのタイミングが注入終了時であり、鍋重量の時間変化量の変動が継続されなかったらそれは注入終了とは異なる原因による変動であると判断することができる。
【0029】
本発明の上記(4)においては、まず時間変化量20が変動したと認識するための臨界時間変化率21を定める。また、臨界時間変化率21を超える変動が何回継続したら注入終了と判定するかについて臨界回数23を定める。次に現時点の直前における鍋重量の時間変化量20の平均を求めて平均時間変化量24とする。平均時間変化量24は、例えば直前のn区間の移動平均のような方法で定めることができる。図2(b)において、平均時間変化量24は、区間30d以前の定められた区間内における鍋重量の時間変化量20の平均として算出されたものである。
【0030】
次に、現時点の区間における鍋重量の時間変化量20と計算した平均時間変化量24との差を求める。図2(c)は鍋重量時間変化量20と平均時間変化量24との差を縦軸に表した図である。差の絶対値が臨界時間変化率21を超え、かつ取鍋注入速度が減少する方向に変化した区間が臨界回数以上連続して発生したときを溶鋼注入終了として判定をくだす。図2(c)を例にとると、区間30bにおいて差の絶対値が臨界時間変化率21を超えているが、次の区間30cでは回復しており、この変動はスラグ流出起因ではないと判定できる。区間30eから区間30gにかけては、連続して差の絶対値が臨界時間変化率21を超えており、この区間でスラグ流出が開始していると判定することができる。臨界回数23を2回として判定を行う場合には、区間30fの終了時刻において注入終了と判定することができる。
【0031】
図2においてはタンディッシュ重量18を用いた場合について説明したが、取鍋重量34を用いた場合についても全く同様に判定を行うことができる。
【0032】
上記方法において、区間30の時間長さを長くするほど時間変化量を確実にキャッチできるが、逆にスラグ流出が開始してから判定までのタイムラグが大きくなる。区間30の時間長さを短くするとその逆の影響が発生する。従って、区間30の時間長さは、判定タイムラグが大きくならない範囲で確実に鍋重量時間変化を把握することのできる値を実績に基づいて定めることとなる。同様に、臨界回数23についても、回数を多くするほど誤検出を防止する上で有利である一方、スラグ流出が開始してから判定までのタイムラグが大きくなる。本発明においては、区間30の時間長さを0.5秒前後とし、臨界回数23を2回とすると、2回連続して臨界時間変化率21を超えた場合のみを終了と判定するので誤検出の可能性が大幅に減少し、一方判定までのタイムラグも1秒に抑えられるので、実操業において有効な溶鋼注入終了判定を行うことができる。
【0033】
臨界時間変化率21についても、その値を大きくするほど誤検出の可能性は減少する一方、真の溶鋼注入終了を判定できない可能性は増大する。誤検出の可能性を極小化しつつ判定不能の可能性も極小化するための最適な臨界時間変化率21は、実績データに基づいて定めることができる。
【0034】
注入中においては取鍋1から溶鋼がタンディッシュ2aへ一定速度で注入される一方、タンディッシュ2aから鋳型12へ溶鋼が一定速度で鋳造されており、通常は両者がバランスしてタンディッシュ重量18が一定に保持されるように調整されている。従って、判定に用いる鍋重量としてタンディッシュ重量18を用いる場合には、上記(4)における平均時間変化量をゼロとして終了判定を行うことが可能である。即ち、本発明の上記(5)においては、平均時間変化量24を定めず、また臨界時間変化率21のかわりに臨界時間変化量22を定める。上記(4)における臨界時間変化率21は現在の時間変化量20と平均時間変化量24の差についての臨界値であったが、上記(5)における臨界時間変化量22は現在の時間変化量20についての臨界値である。臨界時間変化量を負の値として定めることにより、取鍋注入速度の減少時のみをキャッチすることができる。現時点の区間におけるタンディッシュ重量の時間変化量が臨界時間変化量よりも低い値となる区間が臨界回数以上連続した発生したときを溶鋼注入終了として判定をくだす。
【0035】
上記(5)の発明を図3に基づいて説明する。図3(a)は縦軸に鍋重量すなわちタンディッシュ重量18をとったもの、図3(b)は鍋重量変化量20をとったものである。溶鋼注入終了直前である区間30aから区間30dにかけて、鍋重量時間変化量20はほぼゼロに近い付近に位置している。区間30bのみは臨界変化時間量22よりも低い値を示しているが、連続して2回発生していないので、スラグ流出以外の要因による変動と判定できる。区間30eから区間30gにかけては連続して鍋重量時間変化量20が臨界時間変化量22よりも低い値を示し、スラグ流出が開始したことを判定できる。この場合も、臨界回数を2回として判定を行うことが可能である。
【0036】
以上のように、鍋重量としてタンディッシュ重量18を用いる上記(5)においては、鍋重量の平均時間変化量24を求める必要がなく、また現時点の鍋重量時間変化量20と平均時間変化量24の差を求める必要もないので、判定ロジックを簡明化することができる。
【0037】
上記(5)の発明において、注入終了直前におけるタンディッシュ重量18については、ほぼ一定重量が保持されるように調整されているが、時間とともに重量がわずかずつ増加する傾向(図4(a)の18c)、ほとんど変動しない傾向(図4(a)の18a)、わずかずつ減少する傾向(図4(a)の18b)の中から選択するように取鍋注入口3の開度を定めることが可能である。いずれの傾向であっても注入終了判定を行うことが可能であるが、その中でも、本発明の上記(6)にあるように、タンディッシュの重量が時間とともにわずかに増加するように取鍋注入口の開度を定めた場合において、最も良好な判定を行うことができる。即ち、この場合において、注入終了の誤検出の頻度が最も少なく、検出できない失敗の発生も少なく、スラグ流出開始から判定までのタイムラグも少なくすることが可能である。
【0038】
区間30の時間間隔は、一定とせずに何らかのパラメータの変化に応じて変動するように設定しても良く、また一定の時間として設定しても良い。本発明の上記(7)においては、区間30の時間間隔を1秒以下の一定時間として定める。1秒以下程度であれば、区間内における鍋重量の時間変化量20も安定した値を得ることができ、さらにスラグ流出開始から判定までのタイムラグを少なくすることができる。区間30の時間間隔は0.5秒前後であれば最も好ましい。区間30の時間間隔を0.5秒程度とすると、鍋重量の臨界時間変化率21あるいは臨界時間変化量22は5kg程度の値となる。時間間隔が0.5秒未満となると、区間内における鍋重量の時間変化量が小さな値となり、鍋重量の不規則変動の影響を受けて誤検出の可能性が増大するので、区間の時間間隔は0.5秒以上とすると好ましい。
【0039】
臨界回数23は、2回以上の任意の回数とすることができる。臨界回数23が多くなるほど誤検出の可能性は減少するが、逆にスラグ流出から判定までのタイムラグが増大する。本発明の上記(7)にあるように、終了間近の段階に限って判定するのであれば大きな重量計外乱(スラグ要因以外)は少ないため、臨界回数23を2回とすると、誤検出の頻度も少なくタイムラグを最少にすることが可能であり好ましい。
【0040】
取鍋重量34の測定値もタンディッシュ重量18の測定値も、さまざまな雑音成分を有している。雑音は、建家内を移動するクレーンによる振動、その他諸々の電動機や移動機械による振動が原因として発生する。これら雑音成分はいずれも注入終了判定の誤検出の要因となる。一方、これら雑音成分はそのほとんどが高周波成分であるのに対し、本発明の終了判定においては、区間の時間間隔を1秒以下程度とすると最適であることからもわかるとおり、判定のポイントとなる鍋重量の変動はきわめて低周波成分である。本発明の上記(8)においては、前記鍋重量として、実測した鍋重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることにより、雑音成分に基づく検出不良を大幅に減少することを可能にした。高周波成分の除去方法としては、鍋重量の測定値からアナログ的なローパスフィルターによって行う方法を採用することも可能であるが、近年のデジタル演算器の発達により安価かつ簡易なソフトで実施できる鍋重量のデジタル演算処理を加えることによって高周波成分を除去する方法を採用すると良い。高周波成分として、5Hz以上の高周波成分を除去するように設定すると、有害な雑音成分を有効に除去し、一方で注入終了判定に必要な重量変化を見逃すことがなく、好ましい。
【0041】
例えば取鍋溶鋼重量が60トンの連続鋳造設備においては、タンディッシュ内溶鋼重量は通常6トン程度である。この場合、レードルターレット上に設置する取鍋秤量機は最大150トンの重量を測定する秤量機が設置され、タンディッシュカーに配置するタンディッシュ秤量機は最大10トンの重量を測定する秤量機が設置される。一方、秤量機の分解能は、タンディッシュカーへの組込型など機械的誤差を有するケースが多いので、低めに見積って最大秤量値の1/2000程度であるため、取鍋秤量機の分解能は75kg、タンディッシュ秤量機の分解能は5kg程度となり、タンディッシュ秤量機の方が分解能の高い秤量を行うことが可能である。上述のように、臨界時間変化率あるいは臨界時間変化量は5kg程度のきわめてわずかな値であるから、秤量機の分解能が判定精度に及ぼす影響は大きい。従って、判定に使用する鍋重量としては、取鍋重量を用いるよりもタンディッシュ重量を用いた方が好ましい結果を得ることができる。なお、取鍋の重量測定は理想的な秤量機構となるため1/6000程度の分解能を持たせることも可能であるが、最大秤量値が大きくなることが課題である。
【0042】
本発明の溶鋼注入終了判定装置17における判定のフローチャートの一例を図5に示す。このフローチャートは、判定用鍋重量としてタンディッシュ重量を用い、判定方法として本発明の上記(6)を採用した場合におけるものを表示している。
【0043】
【実施例】
図1に示すような連続鋳造設備において本発明の溶鋼注入終了判定を行った。この連続鋳造装置は、150mm角ビレット用連続鋳造装置であり、2ストランドのビレットを同時に鋳造する。取鍋1は溶鋼量60トンの容量を持ち、中間鍋2としてタンディッシュ2aを用い、タンディッシュ2aは溶鋼量6トンの容量を持つ。
【0044】
取鍋底部に設けられたスライディングノズル3aを取鍋注入口3としている。スライディングノズル3aは1枚の固定プレート3bと可動プレート3cとからなり、取鍋注入口開閉装置5の動作によって可動プレート3cを動かして取鍋注入口3の開度を調整する。スライディングノズル3aの下部にはロングノズル8が配置され、取鍋1から注入された溶鋼が外気に触れずにタンディッシュ2aに注入される。タンディッシュ秤量機31によってタンディッシュ重量を秤量する。通常の注入中においては、タンディッシュ秤量値に基づいてタンディッシュ重量制御装置4が演算を行い、取鍋注入口開閉装置5に指令してスライディングノズル3aの開度を調整し、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保持している。
【0045】
タンディッシュ2a内の溶鋼は中間鍋注入口9から浸漬ノズル14を経由して鋳型12内に注入され、表面から凝固をしつつロール13によって鋳片15として下方に引き抜かれる。中間鍋注入口9の開度はストッパー9aによって調整される。鋳型内の液面レベルを鋳型液面レベル計32によって測定し、このデータに基づいて鋳型内液面制御装置11が演算を行い、中間鍋注入口開閉装置10に指令してストッパー9aの位置を調整する。鋳型内の液面レベルが一定になるように中間鍋注入口9の開度調整を行うことにより、ロール13によって引き抜かれる鋳造速度と中間鍋注入口9からの溶鋼注入速度とを一致させる。
【0046】
次に取鍋溶鋼注入終了判定方法について説明する。
注入終了判定を行うための鍋重量として、本実施例ではタンディッシュ重量を用い、判定ロジックとしては本発明の上記(6)の方法を採用する。区間30の時間間隔は0.5秒、臨界変化時間量を−5kg、臨界回数を2回とする。また、タンディッシュ重量測定値について5Hzのローパスフィルターによって高周波成分を除去した上で判定に用いる。
【0047】
本実施例においては、注入終了予定時刻の5分前から取鍋注入口の開度を一定に保持し、注入終了判定を開始する。注入終了予定時刻は、当該取鍋注入開始以降それまでに鋳造を完了した鋳造量、及び注入開始時のタンディッシュ重量と当該時刻におけるタンディッシュ重量との差に基づき、±2分の精度で予測することができる。従って、注入終了予定時刻の5分前から注入終了判定を開始すれば、注入終了予定時刻のばらつきによって判定に失敗することはない。本実施例ではタンディッシュ重量を用いた判定を行うので、注入終了予定時刻の5分前からは鋳造速度も一定に保ち、これによってタンディッシュから鋳型への注入速度を一定に保持する。本実施例においては、タンディッシュの重量が時間とともにわずかに増加するように取鍋注入口の開度を調整して開度を一定に保持する。
【0048】
溶鋼注入終了判定装置17による判定を開始すると、0.5秒間隔の区間毎にタンディッシュ重量18をサンプリングし、区間後の重量から区間前の重量を引いた差を時間変化量とする。この時間変化量を臨界時間変化量である−5kgと対比し、時間変化量が臨界時間変化量以下となった区間が連続して2回(臨界回数)発生したら、その時点を溶鋼注入終了と判定する。判定後直ちに、溶鋼注入終了判定装置17から取鍋注入口開閉装置5に注入口を閉じる指令を発し、スライディングノズル3aを閉とすることにより注入を終了する。
【0049】
以上の方法によって取鍋注入終了の自動判定を行った結果、注入終了前に誤って終了と判定してしまう誤検出の発生はなく、またスラグ流出が開始しているにもかかわらず判定を行わない不良の発生もなく、スラグ流入が開始してから終了判定信号を発するまでのタイムラグについても常に一定のレベルに保持することができた。従来のオペレータによる目視判定においては、タイミング毎あるいはオペレータの個人差に起因し、判定が早すぎて取鍋内に溶鋼が残りすぎたり、逆に判定が遅すぎてスラグがタンディッシュ内に過剰に流出するトラブルが避けられなかった。本発明を適用した結果、取鍋内の溶鋼残存量を安定して低い値とすることができるので溶鋼歩留まりの向上を図ることができ、またタンディッシュへのスラグ流出量を安定して低い値とすることができるので鋳片の品質を向上することができた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の溶鋼注入終了判定を用いることにより、取鍋への溶鋼残存量を低減して溶鋼歩留まりを向上することができると同時に、タンディッシュへのスラグ流出量を低減して鋳片の品質を向上することができる。
【0051】
本発明は、鍋重量測定値に基づいて取鍋溶鋼注入終了を自動判定することができるので、従来のようにオペレータによる目視判定が不要となり、注入終了時の取鍋操作作業の省力化を図ることができ、高温環境下の作業負荷を低減することができる。
【0052】
鍋重量という従来から測定しているデータを活用して判定を行うので、従来の電磁式スラグ流出検出装置のように注入口の周囲に電磁コイルを設置する必要がなく、安価かつ確実に判定を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する連続鋳造設備の概略を示す断面図である。
【図2】本発明におけるパラメータの区間毎の時間推移を示す図であり、(a)は鍋重量、(b)は鍋重量時間変化量、(c)は鍋重量時間変化量と平均時間変化量の差を縦軸に取ったものである。
【図3】本発明におけるパラメータの区間毎の時間推移を示す図であり、(a)は鍋重量、(b)は鍋重量時間変化量を縦軸に取ったものである。
【図4】スラグ流出開始前後における鍋重量の時間推移を示す図であり、(a)は鍋重量としてタンディッシュ重量を、(b)は鍋重量として取鍋重量を用いた場合について示す。
【図5】本発明の注入終了判定装置の判定フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 取鍋
2 中間鍋
2a タンディッシュ
3 取鍋注入口
3a スライディングノズル
3b 固定プレート
3c 可動プレート
4 タンディッシュ重量制御装置
5 取鍋注入口開閉装置
6 溶鋼
7 スラグ
8 ロングノズル
9 中間鍋注入口(タンディッシュ注入口)
9a ストッパー
10 中間鍋注入口開閉装置
11 鋳型内液面制御装置
12 鋳型
13 ロール
14 浸漬ノズル
15 鋳片
16 流出スラグ
17 溶鋼注入終了判定装置
18 タンディッシュ重量(中間鍋重量)
19 スライディングノズル開度
20 鍋重量時間変化量
21 臨界時間変化率
22 臨界時間変化量
23 臨界回数
24 平均時間変化量
30 区間
31 タンディッシュ秤量機
32 鋳型液面レベル計
33 取鍋秤量機
34 取鍋重量
35 スラグ流出開始

Claims (11)

  1. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋から中間鍋への溶鋼注入の終了を判定する方法であって、取鍋重量又は中間鍋重量(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、所定の短い時間間隔(以下「区間」という。)における鍋重量の時間変化量を連続して検出し、予め臨界時間変化率を定めるとともに臨界回数を2以上の数値として定め、直前の平均時間変化量に対する時間変化量の差の絶対値が前記臨界時間変化率を超え、かつ取鍋注入速度が減少する方向に変化する区間が連続して臨界回数以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定方法。
  2. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋から中間鍋への溶鋼注入の終了を判定する方法であって、取鍋重量又は中間鍋重量(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、鍋重量として中間鍋重量を用い、所定の短い時間間隔(以下「区間」という。)における鍋重量の時間変化量を連続して検出し、予め臨界時間変化量を負の値として定めるとともに臨界回数を2以上の数値として定め、時間変化量が前記臨界時間変化量以下となる区間が連続して臨界回数以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定方法。
  3. 注入終了予定時刻以前において、中間鍋の重量が時間とともにわずかに増加するように取鍋注入口の開度を定めることを特徴とする請求項2に記載の溶鋼注入終了判定方法。
  4. 前記区間の時間間隔を1秒以下の一定時間として定め、臨界回数を2回とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
  5. 前記鍋重量として、実測した鍋重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
  6. さらに注入終了予定時刻以前に取鍋注入口の開度を一定に保持することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
  7. 鍋重量として中間鍋重量を用い、注入終了予定時刻以前に中間鍋から鋳型内に溶鋼を注入する注入速度を一定に保持することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定方法。
  8. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋から中間鍋への溶鋼注入の終了を判定するための判定装置であって、取鍋重量又は中間鍋重量(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、所定の短い時間間隔(以下「区間」という。)における鍋重量の時間変化量を連続して検出し、予め臨界時間変化率を定めるとともに臨界回数を2以上の数値として定め、直前の平均時間変化量に対する時間変化量の差の絶対値が前記臨界時間変化率を超え、かつ取鍋注入速度が減少する方向に変化する区間が連続して臨界回数以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定装置。
  9. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋から中間鍋への溶鋼注入の終了を判定するための判定装置であって、取鍋重量又は中間鍋重量(以下「鍋重量」という。)の時間変化量の変動を検出して溶鋼注入終了とするに際し、鍋重量として中間鍋重量を用い、所定の短い時間間隔(以下「区間」という。)における鍋重量の時間変化量を連続して検出し、予め臨界時間変化量を負の値として定めるとともに臨界回数を2以上の数値として定め、時間変化量が前記臨界時間変化量以下となる区間が連続して臨界回数以上発生したときをもって溶鋼注入終了とすることを特徴とする溶鋼注入終了判定装置。
  10. 前記区間の時間間隔を1秒以下の一定時間として定め、臨界回数を2回とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の溶鋼注入終了判定装置。
  11. 実測した鍋重量測定値の高周波成分を除去するローパスフィルターを有し、ローパスフィルターによって高周波成分を除去した鍋重量を用いて判定を行うことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の溶鋼注入終了判定装置。
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