JP3610036B2 - 取鍋注入口最小開度判定方法及び判定装置 - Google Patents

取鍋注入口最小開度判定方法及び判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋(タンディッシュ)に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋注入口の最小開度であって正常に鋳造を行うことのできる最小開度を判定する方法及び判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造においては、取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介してタンディッシュと呼ばれる中間鍋(以下「タンディッシュ」という。)に注入し、さらにタンディッシュから鋳型内に溶鋼を鋳造する。取鍋注入口には通常はスライディングノズルが用いられる。スライディングノズルは、黒鉛製の固定プレートを1枚乃至2枚、可動プレートを1枚有し、それぞれのプレートに溶鋼が通過する穴が開けられている。可動プレートを摺動させることにより、固定プレートと可動プレートとで構成する穴の開口面積を調整し、溶鋼注入量の調整を行う。
【0003】
スライディングノズルにおいては、注入中にノズル開度を変更してノズルを閉にすると、スライディングノズル付近に存在する溶鋼が凝固してしまい、再度ノズルを開にした際に溶鋼が流出せず、スライディングノズルが閉鎖してしまうというトラブルが発生しやすい。従って、ひとたびスライディングノズルを開として注入を開始した後は、スライディングノズルの開度を調整して溶鋼注入量を調整するに際しては、最も開度を絞った場合においても溶鋼が凝固しないように最低流量の溶鋼が流れる開度を保持しなければならない。そのため、開度を最小に絞った際にも溶鋼閉塞が起こらないように注入口の最小開度を定めておく。このように定めたスライディングノズル等の取鍋注入口の最少開度を、ここでは「取鍋注入口最小開度」という。注入口の開度とは、注入口絞り部における実際の開口面積で表示する場合もあるが、通常は取鍋注入口の開度を調整する可動部材(スライディングノズルであれば可動プレート)の位置をもって取鍋注入口開度を表示する。
【0004】
鋳造中において、鋳型から連続して鋳片が引き抜かれ、引き抜かれた鋳造量にみあった溶鋼をタンディッシュから鋳型内に注入する。通常は、鋳型内の液面レベルを鋳型液面レベル計によって計測し、鋳型内液面制御装置からの指令でストッパーを動作させてタンディッシュ注入口の開度調整を行って鋳型への注入量を調整し、鋳型内の液面レベルを一定に保つ自動制御を行っている。一方、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入については、上記のようにタンディッシュから鋳型に注入された溶鋼量にみあった量の溶鋼を取鍋から注入することにより、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保持する。通常は、タンディッシュ重量を計測し、スライディングノズルの開度を自動調整して取鍋からの溶鋼注入量を調整し、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保つ自動制御を行っている。
【0005】
タンディッシュ溶鋼量制御において、タンディッシュの実績重量が目標重量より過小になったときには取鍋注入口の開度を大きくして注入量の増大を図り、逆にタンディッシュの実績重量が目標重量より過大になったときには取鍋注入口の開度を小さくして注入量の減少を図る自動制御を行う。ここにおいて、上述したように取鍋注入口の溶鋼閉塞が起こらないよう、自動制御において注入量を減少させるに際しても、取鍋注入口の開度は最小でも上記取鍋注入口最小開度が確保されるように開度調整を行う。
【0006】
スライディングノズルのプレート類は黒鉛製品であり、使用中の溶損でその寸法は変化する。プレート類を収納して作動させるスライディングノズル作動装置は、常に高温に晒されており変形が起きやすい。取鍋注入口最小開度を最初から一定の位置として定めておき、実際の注入状況によって微調整しない場合においては、これら寸法変化や変形を考慮に入れた上で余裕のある位置を最小開度として設定することが必要になる。その結果、最小開度といっても溶鋼閉塞が発生しないぎりぎりの最小開度ではなく、それよりも大きな開度に最小開度が設定されることになる。この場合、取鍋溶鋼注入量の自動制御において注入量を減少させようとしても、設定された最小開度よりも小さな開度とすることができないので、例えばタンディッシュから鋳型への注入を一時中断するようなトラブルが発生した場合、取鍋からの注入量の最小値が大きすぎ、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保てずに溶鋼がタンディッシュからオーバーフローするような事故が発生しかねない。
【0007】
各取鍋毎の注入開始時に、オペレータが注入溶鋼流を目視で確認しながら取鍋注入口開度を徐々に絞り込むことにより、注入を継続できる最小開度に近い開度を確認することができる。こうして確認した最小開度を取鍋注入口最小開度として制御装置に記憶させることにより、以後の取鍋溶鋼注入自動制御において、このように記憶させた取鍋注入口最小開度を最小開度として開度の自動調整を行い、注入量制御を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
取鍋注入口には通常ロングノズルが設置されるので、取鍋からタンディッシュへの注入流が直接大気に接触せずに注入を行うことができる。ところが、オペレータが注入流を目視で確認しながら最小開度を設定する方法においては、注入流がオペレータに見える必要があるため、最小開度設定時には取鍋にロングノズルを設置することができない。最小開度設定後にはじめてロングノズルを取鍋注入口に装着することになる。これでは、注入初期において注入流の空気酸化を免れることができない。また、最小開度設定時にオペレータが注入流の間近において監視を行う必要がある。さらに、オペレータ毎の個人差によって設定した最小開度にバラツキが生じていた。このばらつきのため、閉め込み過ぎの場合はノズル閉塞事故を、閉め込み不足の場合はタンディッシュ重量制御系の制御範囲が過大に制約され、タンディッシュのオーバーフローなどの事故につながるおそれがあった。
【0009】
本発明は、注入流を大気にさらすことなく、オペレータの監視を必要とせず、安定して取鍋注入口最小開度を判定することのできる取鍋注入口最小開度判定方法及び判定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1、図2に基づいて説明を行う。
取鍋1からタンディッシュ2aに溶鋼6を注入するに際し、タンディッシュはタンディッシュカーの上に載置されるので、タンディッシュカーにタンディッシュ秤量機31を配置することにより、タンディッシュ重量18、すなわちタンディッシュおよびその内容物合計の重量を秤量することができる。取鍋から注入中かつ鋳型へ鋳造中のタンディッシュ重量18の時間変化量は、取鍋1〜タンディッシュ2aの注入速度(時間当たりの重量)からタンディッシュ2a〜鋳型12間の鋳造速度(時間当たりの重量)を差し引いた値を表している。
【0011】
各連続鋳造機毎に、定常の引抜き速度で鋳造を行っている際の鋳型への注入速度(時間当たりの重量)はほぼ定まっている。このような鋳造中において、取鍋注入口3の開度を漸減して取鍋からの注入速度を徐々に低下していくと、溶鋼閉塞が発生する直前の最小開度付近において、タンディッシュ重量18は上昇から下降に転じ、タンディッシュ重量18が一定の再現性のある状況で下降する。このような下降条件を満たした時点で取鍋注入口3の開度の漸減を中止し、その時点の取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度20と判定すれば、溶鋼閉塞が発生する直前の適正な開度を取鍋注入口最小開度20とすることができる。
【0012】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)取鍋内の溶鋼を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋注入口3の最小開度20を判定する方法であって、取鍋1から中間鍋2への溶鋼注入及び中間鍋2から鋳型12への溶鋼鋳造を実施しつつ、取鍋注入口3の開度を漸減し、中間鍋重量18の時間変化が予め定めた中間鍋重量下降条件を満たした際における取鍋注入口開度を、取鍋注入口最小開度20とすることを特徴とする取鍋注入口最小開度判定方法。
(2)上記(1)に記載の中間鍋重量下降条件とは別に1又は2以上の中間鍋重量下降条件を定め、定めた各条件のうちのいずれかの条件を満たしたとき、若しくは定めたすべての条件を満たしたときの取鍋注入口開度を、取鍋注入口最小開度20とすることを特徴とする上記(1)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(3)上記(1)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間31)で時間を区分し、各大区間における中間鍋重量18の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(4)上記(1)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(小区間32)で時間を区分し、各小区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値33以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(5)前記小区間32よりも長い時間区間(大区間31)を定め、該大区間内で前記算出した重量の変動量が予め定めた判定値33以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする上記(4)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(6)上記(1)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間31)とそれよりも短い時間区間(小区間32)とで時間を区分し、前記大区間開始時の中間鍋重量を開始重量とし、大区間内の各小区間における中間鍋重量から該開始重量を引いた値を前記大区間内で積分し、該積分値Sが予め定めた判定値β以下となる条件であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(7)前記取鍋注入口の開度の漸減は、前記大区間内では注入口の開度を一定に保持し、大区間の境界で開度を減らすことを特徴とする上記(3)、(5)又は(6)に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(8)前記大区間の長さは、取鍋注入口の開度が小さいほど長さを長くすることを特徴とする上記(3)、(5)乃至(7)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(9)中間鍋重量に異常変動が発生したときまたは連続鋳造条件に異常が発生したときには、当該異常が発生した大区間を判定から除外することを特徴とする上記(3)、(5)乃至(8)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(10)前記中間鍋重量として、実測した中間鍋重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることを特徴とする上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
(11)取鍋注入口最小開度判定は、各取鍋注入開始時及び取鍋注入中であって中間鍋重量制御中に中間鍋重量が目標中間鍋重量より所定量以上大きい期間が一定期間継続したときに行うことを特徴とする上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
【0013】
(12)取鍋内の溶鋼を取鍋注入口3を介して中間鍋2に注入しさらに中間鍋2から鋳型12内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋注入口3の最小開度を判定する判定装置であって、取鍋注入口3の開度を漸減する開度調整手段と、中間鍋重量の時間変化と予め定めた中間鍋重量下降条件を比較する手段と、比較の結果が前記条件を満たした際における取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度と判定する判定手段とを有することを特徴とする取鍋注入口最小開度判定装置。
(13)前記比較する手段は上記(12)に記載の中間鍋重量下降条件とは別に1又は2以上の中間鍋重量下降条件を有し、前記判定手段は各条件のうちのいずれかの条件を満たしたとき、若しくは定めたすべての条件を満たしたときの取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度20と判定することを特徴とする上記(12)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(14)上記(12)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間31)で時間を区分し、各大区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(15)上記(12)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(小区間32)で時間を区分し、各小区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(16)前記小区間32よりも長い時間区間(大区間31)を定め、該大区間内で前記算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする上記(15)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(17)上記(12)に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間31)とそれよりも短い時間区間(小区間32)とで時間を区分し、前記大区間開始時の中間鍋重量を開始重量とし、大区間内の各小区間における中間鍋重量から該開始重量を引いた値を前記大区間内で積分し、該積分値が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(18)前記取鍋注入口3の開度の漸減する開度調整手段は、前記大区間内では注入口の開度を一定に保持し、大区間の境界で開度を減らすことを特徴とする上記(14)、(16)又は(17)に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(19)前記大区間31の長さは、取鍋注入口3の開度が小さいほど長さを長くすることを特徴とする上記(14)、(16)乃至(18)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(20)前記判定手段において、中間鍋重量に異常変動が発生したときには、当該異常が発生した大区間を判定から除外することを特徴とする上記(14)、(16)乃至(19)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(21)前記比較手段はローパスフィルターを有し、実測した中間鍋重量測定値から当該ローパスフィルターを用いて高周波成分を除去した重量を前記中間鍋重量として用いることを特徴とする上記(12)乃至(20)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
(22)さらに判定開始指示手段を有し、該判定開始指示手段は、各取鍋注入開始時及び取鍋注入中であって中間鍋重量制御中に中間鍋重量が目標中間鍋重量より所定量以上大きい期間が一定期間継続したときに判定開始指示を行うことを特徴とする上記(12)乃至(21)のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1において、取鍋1中の溶鋼6が取鍋注入口3からロングノズル8を経由してタンディッシュ2aに注入される。タンディッシュ2aからは、タンディッシュ注入口9から浸漬ノズル14を経由して鋳型12内に溶鋼が注入される。鋳型12に注入された溶鋼は周囲から凝固しつつロール13によって引き抜かれ、鋳片15となる。
【0015】
取鍋注入口3には通常はスライディングノズル3aが用いられる。スライディングノズル3aは、黒鉛製の固定プレート3bを1枚乃至2枚、可動プレート3cを1枚有し、それぞれのプレートに溶鋼が通過する穴が開けられている。図1は固定プレート3bと可動プレート3cがそれぞれ1枚存在するスライディングノズル3aの例である。可動プレート3cを摺動させることにより、固定プレート3bと可動プレート3cとで構成する穴の開口面積を調整し、溶鋼注入量の調整を行う。一方、タンディッシュ注入口9の溶鋼注入量調整には、ストッパー9aあるいはスライディングノズルが使用される。
【0016】
取鍋1からタンディッシュ2aに溶鋼6を注入するに際し、タンディッシュはタンディッシュカーの上に載置されるので、タンディッシュカーにタンディッシュ秤量機21を配置することにより、タンディッシュ重量18、すなわちタンディッシュおよびその内容物合計の重量を秤量することができる。
【0017】
重量計については、一般的に温度ドリフトや軽重機構のもつ非線形誤差などの計測誤差を生じるので、重量の絶対値に着目する判定は通常困難である。しかし、秤量値の絶対値を用いるのではなく、短時間内の秤量値の時間変化に着目するのであれば、温度ドリフトや非線形誤差の影響を受けることなく取鍋注入口最小開度判定に用いることが可能になる。
【0018】
取鍋から注入中かつ鋳型へ鋳造中のタンディッシュ重量18の時間変化量は、取鍋1〜タンディッシュ2aの注入速度(時間当たりの重量)からタンディッシュ2a〜鋳型12間の鋳造速度(時間当たりの重量)を差し引いた値を表している。また、各連続鋳造機毎に、定常の引抜き速度で鋳造を行っている際の鋳型への注入速度(時間当たりの重量)はほぼ定まっている。
【0019】
各取鍋毎の注入開始時においては、それが鋳造開始時であってタンディッシュ2a内に溶鋼が存在しない場合であってもあるいは多連続鋳造中であってタンディッシュ内に溶鋼が存在する場合であっても、取鍋注入口3の開度を大きく開いて溶鋼の注入を行う。この場合、タンディッシュ2aから鋳型12への注入速度に比較して取鍋1からタンディッシュ2aへの注入速度の方が大きいので、タンディッシュ重量18は増加する方向にある。
【0020】
次いで本発明の取鍋注入口最小開度の判定を開始する。判定においては、取鍋注入口3の開度を漸減する。開度漸減の方法としては、連続的に開度を漸減する方法を採用することもできるが、予め定めた所定の時間区分毎に開度を狭め、前記所定の時間区分内は開度一定に保持する方法を採用すると好ましい。
【0021】
判定開始直後においては、タンディッシュ重量18は増加する方向にある。判定期間中において、取鍋注入口開度を漸減するに従い、取鍋1からタンディッシュ2aへの溶鋼注入速度が漸減し、従ってタンディッシュ重量18の増加速度も漸減し、ある一定の時点において鋳型への注入速度よりも取鍋からの注入速度が小さくなり、タンディッシュ重量18は増加から減少に転じる。本発明の上記(1)においては、このタンディッシュ重量下降条件について予め取鍋注入口最小開度と判定するタンディッシュ重量下降条件を定めておき、実際のタンディッシュ重量の下降の状況が上記条件を満たした時点において、そのときの取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度20であると判定する。
【0022】
判定のためのタンディッシュ重量下降条件については、単一の条件を定めて当該条件と実際の重量変化と対応させて判定しても良いが、上記(2)にあるように上記(1)の条件とは別に1又は2以上の中間鍋重量下降条件を定めておいてもよい。定めた複数の条件のうち、実際の重量変化がいずれかの条件を満たしたとき、若しくは定めたすべての条件を満たしたときの取鍋注入口開度を、取鍋注入口最小開度とする。このように複数の条件を参照することにより、最小開度の判定精度を高めることができる。
【0023】
本発明の上記(3)においては、まず所定の時間区間(大区間31)を予め定めておく。大区間31の長さは、一定の時間間隔でも良いし、あるいは判定の推移とともに変動する時間間隔でも良い。時間軸をこの大区間31の間隔で区分し、各大区間毎に当該大区間におけるタンディッシュ重量18の変動量を算出する。一方、タンディッシュ重量18の変動量について予め判定値を定めておく。このとき、通常はタンディッシュ重量の変動量は重量増加時にプラスとなるごとく算出し、判定値はマイナスの値として定める。そして、時間の推移に従って取鍋注入口開度が漸減し、取鍋注入量の低下によってタンディッシュ重量18が増加から減少に転じ、上記算出したタンディッシュ重量の変動量が判定値以下となったところで、そのときの取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度20であると判定する。
【0024】
本発明の上記(4)においては、上記(3)と同様に所定の時間区間を定め、当該区間を小区間32と呼ぶ。小区間32は、一定の時間間隔でも良いし、あるいは判定の推移とともに変動する時間間隔でも良い。時間軸をこの小区間32の間隔で区分し、各小区間毎に当該小区間におけるタンディッシュ重量の変動量を算出する。一方、タンディッシュ重量の変動量について予め判定値を定めておく。このとき、通常はタンディッシュ重量の変動量は重量増加時にプラスとなるごとく算出し、判定値はマイナスの値として定める。そして、時間の推移に従って取鍋注入口開度が漸減し、取鍋注入量の低下によってタンディッシュ重量が増加から減少に転じ、上記算出したタンディッシュ重量の変動量が判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続した時点で、そのときの取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度であると判定する。重量変動量が判定値以下となった状態が規定回数以上継続しているので、判定に誤差要因が入り込む可能性を少なくすることができる。
【0025】
本発明の上記(3)(4)においては、タンディッシュ重量の変動量をタンディッシュ重量増加時にマイナスとなるごとく算出してもよい。このときには、該変動量が判定値以上となったところで取鍋注入口最小開度であると判定することとなる。
【0026】
本発明の上記(5)においては、上記(4)の発明に加え、小区間32よりも長い時間区間(大区間31)を定める。大区間31は、一定の時間間隔でも良いし、あるいは判定の推移とともに変動する時間間隔でも良い。大区間31の長さは、小区間32の長さの10倍程度とすると好ましい。上記(4)で算出した小区間内での重量の変動量が予め定めた判定値33以下となった回数が各大区間内において何回あったかを算出し、この回数が予め定めた規定回数以上継続した時点で、その大区間における取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度であると判定する。
【0027】
図2の(a)〜(c)は上記(5)の発明について説明したものである。この図において、大区間31−1から大区間31−5までの時間推移を示している。(a)は取鍋注入口開度の時間推移を示しており、各大区間内では開度一定であり、大区間の区切り毎に一定の値で注入口開度を減少していることが分かる。図2(b)がタンディッシュ重量18の時間変化であり、大区間31−1から31−3までは増加傾向、大区間31−4で減少に転じ、大区間31−5では減少傾向であることが分かる。図2(c)は各小区間内でのタンディッシュ重量18の変動量の時間変化を表示したものである。同図には判定値33も記載されている。同図の●で示した部分は、重量の変動量が判定値33以下となった部分である。大区間31−4では●が2個連続、大区間31−5では●が8個連続しており、ここでは規定回数を5回と定めているので、大区間31−5において取鍋注入口最小開度であると判定することとなる。
【0028】
本発明の上記(6)においては、まず所定の時間区間(大区間31)とそれよりも短い時間区間(小区間32)とを定める。大区間31、小区間32とも、一定の時間間隔でも良いし、あるいは判定の推移とともに変動する時間間隔でも良い。大区間31の長さは、小区間32の長さの10倍程度とすると好ましい。大区間開始時のタンディッシュ重量18を開始重量とする。そして、各小区間におけるタンディッシュ重量から開始重量を引いた値を前記大区間内で積分して積分値Sを求める。積分を行う際の算出式としては、大区間内で単純平均を求めても良く、あるいは台形公式やシンプソンの公式を用いた積分を行っても良い。大区間内においてタンディッシュ重量が増加傾向にあるときは積分値Sはプラスとなり、減少傾向にあるときは積分値Sはマイナスとなる。そして、大区間内で重量が増加から減少に転じた場合には、積分値Sはプラスまたはマイナスとなる。そして、積分値Sが予め定めた判定値β以下となった時点で、そのときの取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度20であると判定する。
【0029】
図2の(a)(d)は上記(6)の発明について説明したものである。この図において、大区間31−1から大区間31−5までの時間推移を示している。(a)は取鍋注入口開度の時間推移を示しており、各大区間内では開度一定であり、大区間の区切り毎に一定の値で注入口開度を減少していることが分かる。図2(d)がタンディッシュ重量18の時間変化であり、大区間31−1から31−3までは増加傾向、大区間31−4で減少に転じ、大区間31−5では減少傾向であることが分かる。図2(d)には大区間毎の積分値Sが面積で示されている。大区間31−1から31−4までは積分値Sはプラスであり、大区間31−5で積分値S−5がマイナスに転じるとともに判定値β以下となり、この大区間31−5での取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度20と判定する。
【0030】
上記(3)(5)(6)において大区間31を定めて判定を行うと好適である理由は以下のとおりである。
スライディングノズルの開度を一定量閉め込んだ後、スライディングノズルを通過する溶鋼流動は直ちに閉め込み後の定常状態に到達するわけではない。取鍋やロングノズルを介しての熱放散状態が閉め込み後の溶鋼からの熱供給との間で定常状態に到達するまでには若干の時間を要する。特に、ステンレス鋼ビレットを鋳造する連続鋳造においては、ビレット断面は150mm角あるいは150mmφ程度と小断面が多く、取鍋からロングノズルへの熱量持ち込みが少ないため、スライディングノズル閉め込み時、特に全閉近くでは溶鋼の凝固が生じやすい。また、特にステンレス鋼の小断面連続鋳造においては、取鍋注入口最小開度付近になると溶鋼がシャーベット状になり、注入口流路抵抗が不揃い、不安定になり、溶鋼流動が整定するまでに時間がかかる。そのため、取鍋注入口付近の熱平衡状態が得られるまでの時間を待ってから判定することを目的として、大区間31を定めて判定を行うと好ましい。
【0031】
以上と同様の理由により、本発明の上記(7)にあるように、前記大区間内では注入口の開度を一定に保持し、大区間の境界で開度を減らすようにして取鍋注入口開度を漸減させることとするとより好ましい。大区間の境界での開度減少量は予め定めておく。大区間は判定を行うための区間であり、この区間内で注入口の開度を一定に保持することにより、当該一定開度における取鍋注入口付近の熱平衡が実現してから判定を行うことができるので、より安定した判定を行うことが可能になる。上記(5)においては、注入口開度を一定に保持した大区間内において重量の変動量が判定値以下になった回数をカウントし判定を行うので、判定時の注入口開度をもって正確かつ安定して判定を行うことができる。上記(6)においても、注入口開度を一定に保持した大区間内において重量の積分を行うので、判定時の注入口開度をもって正確かつ安定して判定を行うことができる。そして、判定の結果当該大区間での注入口開度がまだ最小開度に到達していないと判定されたとき、当該大区間の終了時(次の大区間の開始時)に注入口開度をさらに予め定めた減少量だけ減少する。
【0032】
上記(3)(5)〜(7)において定める大区間31の長さは、通常の連続鋳造においては5〜15秒程度が好ましい。大区間の長さを長くするほど判定精度は向上するが、一方で判定所要時間が長くなる。連続鋳造初回の判定においては、タンディッシュ内溶鋼量が少ないので、大区間として10〜15秒の長さを確保して精度の良い判定を行うことができる。連続鋳造中に取鍋を交換した後の判定においては、タンディッシュ内溶鋼量が多いので判定所要時間が長くなるとタンディッシュオーバーフローの可能性が発生するので、大区間の長さを5秒程度として判定所要時間を短くすると好ましい。
【0033】
さらに本発明の上記(8)にあるように、取鍋注入口の開度が小さいほど大区間の長さを長くすることとするとより好ましい。大区間の長さが短いほど判定に要する時間を短くすることができるので、注入口開度が大きいうちは大区間の長さを極力短くする。一方、取鍋注入口の開度が小さいほど、注入口開度を過剰に絞り込むことによる注入口の溶鋼閉塞が発生しやすくなる。大区間の長さが長いほど判定精度が向上して溶鋼閉塞が発生する危険が少なくなるので、取鍋注入口の開度が小さくなるに従って大区間の長さを長くし、溶鋼閉塞の発生を防止するのである。大区間の長さを変動させる場合及び大区間の長さ変動に合わせて小区間の長さを変動させる場合においては、上記(3)(4)(5)(6)で規定する判定値の値についても、大区間・小区間の長さ変動に連動して変動させることが好ましい。
【0034】
判定を行っている期間中にタンディッシュ重量に異常が発生することがある。例えば、この期間中にタンディッシュにオペレータが乗り移ると、それによってタンディッシュ重量に異常変動が発生する。また、判定期間中に連続鋳造条件に異常が発生することがある。例えば、この期間中に鋳片の引抜き速度が変動すると、それに従ってタンディッシュから鋳型への注入速度が変動し、タンディッシュ重量変動量に異常が発生する。本発明の上記(3)(5)〜(8)においては大区間毎に判定を行っているが、タンディッシュ重量異常や連続鋳造条件異常が発生した当該大区間においては、これら異常が原因となって正しい判定ができない可能性が高い。本発明の上記(9)においては、タンディッシュ重量に異常変動が発生したときまたは連続鋳造条件に異常が発生したときには、当該異常が発生した大区間を判定から除外することにより、誤った判定を行う可能性の低減を図っている。この場合、判定から除外した大区間が完了して次の大区間に進むに際し、取鍋注入口の開度は変更せず、再度同一の取鍋注入口開度での判定を繰り返すこととすると好ましい。判定から除外する異常の種類としては、前述のオペレータ乗り移りによるタンディッシュ重量変動や鋳片引抜き速度変動が挙げられる。
【0035】
また、引抜き速度実績が判定に適する引抜き速度範囲の上下限を超えた場合には、たとえ引抜き速度変動が収まって一定引抜き速度となったとしても、正常な判定ができないので判定から除外する。もちろん、引抜き速度の変動に伴って判定値を変更するような判定ロジックを採用すれば、判定中に引抜き速度が変動しても判定を継続することが可能になる。
【0036】
タンディッシュ重量の測定値はさまざまな雑音成分を有している。雑音は、建家内を移動するクレーンによる振動、その他諸々の電動機や移動機械による振動が原因として発生する。これら機械振動に起因する雑音よりも低周波の雑音成分としては、取鍋からタンディッシュへの注入溶鋼流の渦によって生じるスラグの混入現象による重量変動がある。これら雑音成分はいずれも判定の誤検出の要因となる。一方、これら雑音成分はそのほとんどが高周波成分であるのに対し、本発明の判定においては、大区間の時間間隔を5〜15秒程度とすると最適であることからもわかるとおり、判定のポイントとなるタンディッシュ重量の変動はきわめて低周波成分である。
【0037】
本発明の上記(10)においては、タンディッシュ重量として、実測したタンディッシュ重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることにより、雑音成分に基づく検出不良を大幅に減少することを可能にした。高周波成分の除去方法としては、タンディッシュ重量の測定値からアナログ的なローパスフィルターによって行う方法を採用することも可能であるが、近年のデジタル演算器の発達により、安価かつ簡易なソフトで実施できるタンディッシュ重量のデジタル演算処理を加えることによって高周波成分を除去する方法を採用すると良い。雑音成分のうちで最も低周波領域の雑音の原因となる、溶鋼の渦に混入するスラグによる雑音は、1Hz以上の周波数を有する。従って、高周波成分として、0.8Hz以上の高周波成分を除去するように設定すると、有害な雑音成分を有効に除去し、一方で判定に必要な重量変化を見逃すことがなく、好ましい。ローパスフィルターは言葉を換えれば一次遅れフィルターである。周波数0.8Hzのローパスフィルターは、一次遅れフィルターの時定数に換算すると約0.2秒となる。
【0038】
取鍋注入口最小開度判定は、通常は連続鋳造開始時及び連続鋳造中を含め、各取鍋の注入開始時に行う。各取鍋毎に注入開始時に取鍋注入量最小開度を判定により決定すると、通常は当該取鍋での注入全長にわたって決定した最小開度を用いて注入を行う。
【0039】
一方、注入中において取鍋注入口の構成部品が溶損し、開度位置が同一であっても実際の注入口開口面積が大きくなることがある。注入口としてスライディングノズルを使用する場合においては、可動プレート3bや固定プレート3cの開口部が溶損により大きくなり、可動プレート3bの位置が同じ最小開度位置にあったとしても実際の開口部の断面積が判定時に比較して大きくなる。このように開口面積が大きくなると、注入口最小開度における溶鋼注入量が増大し、注入量を十分に絞り込むことができず、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保持することができなくなる。このような場合には、取鍋注入の途中であっても、再度取鍋注入口最小開度判定をやり直す必要がある。
【0040】
取鍋注入口最小開度判定をやり直さなければならない場合とは、連続鋳造中であってタンディッシュ重量を一定に保持するための制御を行っているにも関わらずタンディッシュ重量が一定にならずに増加し続けることによって認知することができる。従って、本発明の上記(11)にあるように、各取鍋注入開始時及び取鍋注入中であって中間鍋重量制御中に中間鍋重量が目標中間鍋重量より所定量以上大きい期間が一定期間継続したときに取鍋注入口最小開度判定を行うことにより、必要に応じて判定をやり直して常に好ましい最小開度を維持し、正常な鋳造を継続することが可能になる。
【0041】
【実施例】
図1に示すような連続鋳造設備において本発明の取鍋注入口最小開度判定を行った。この連続鋳造装置は、150mm角ビレット用連続鋳造装置であり、2ストランドのビレットを同時に鋳造する。取鍋1は溶鋼量60トンの容量を持ち、中間鍋2としてタンディッシュ2aを用い、タンディッシュ2aは溶鋼量6トンの容量を持つ。
【0042】
取鍋底部に設けられたスライディングノズル3aを取鍋注入口3としている。スライディングノズル3aは1枚の固定プレート3bと可動プレート3cとからなり、取鍋注入口開閉装置5の動作によって可動プレート3cを動かして取鍋注入口3の開度を調整する。スライディングノズル3aの下部にはロングノズル8が配置され、取鍋1から注入された溶鋼が外気に触れずにタンディッシュ2aに注入される。タンディッシュ秤量機31によってタンディッシュ重量を秤量する。通常の注入中においては、タンディッシュ秤量値に基づいてタンディッシュ重量制御装置4が演算を行い、取鍋注入口開閉装置5に指令してスライディングノズル3aの開度を調整し、タンディッシュ内の溶鋼量を一定に保持している。このとき、スライディングノズルの開度調整範囲における最小開度は、本発明の取鍋注入口最小開度判定装置17によって定めた取鍋注入口最小開度20を用いる。
【0043】
タンディッシュ2a内の溶鋼は中間鍋注入口9から浸漬ノズル14を経由して鋳型12内に注入され、表面から凝固をしつつロール13によって鋳片15として下方に引き抜かれる。中間鍋注入口9の開度はストッパー9aによって調整される。鋳型内の液面レベルを鋳型液面レベル計32によって測定し、このデータに基づいて鋳型内液面制御装置11が演算を行い、中間鍋注入口開閉装置10に指令してストッパー9aの位置を調整する。鋳型内の液面レベルが一定になるように中間鍋注入口9の開度調整を行うことにより、ロール13によって引き抜かれる鋳造速度と中間鍋注入口9からの溶鋼注入速度とを一致させる。
【0044】
取鍋注入口最小開度判定について説明する。
タンディッシュ秤量機によって秤量されたタンディッシュ重量測定値は、カットオフ周波数0.8Hzのローパスフィルターによって高周波成分を除去した上でタンディッシュ重量18として判定に用いる。
【0045】
判定に用いるタンディッシュ重量下降条件としては、本発明の上記(5)の条件及び上記(6)の条件を採用した。そして、両方の条件においてタンディッシュ重量変動が条件を満たした場合において、取鍋注入口最小開度20であると判定することとした。上記(5)の条件、上記(6)の条件ともに、大区間31の長さを10秒、小区間32の長さを1秒とした。また、取鍋注入口3の開度の漸減方法としては、本発明の上記(7)にあるように、大区間の区切り時にスライディングノズルの開度を1mmずつ減少することとし、大区間の間は開度を一定に保持した。
【0046】
本発明の上記(5)の条件においては、重量変動の判定値33を−5kgとし、規定回数を5回とした。大区間31の中で、小区間32である1秒間のタンディッシュ重量変動がこの判定値31以下となった回数が規定回数以上となった場合において、この大区間における上記(5)の条件が成立したものとした。
【0047】
判定結果の一例を図2(a)〜(c)に示す。同図において、大区間31−5においてタンディッシュ重量変動が判定値31以下となった回数が8回であって規定回数を超えたので、大区間31−5における取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度20と判定した。
【0048】
本発明の上記(6)の条件においては、積分方法として、i番目の小区間における重量(X)から当該大区間の開始重量(X)を引いた値を求め、各小区間毎の該値を台形公式によって当該大区間全体について積分した。具体的には、以下の数式に基づいて積分値(S)を求めた。小区間の長さをΔtとしている。
S=Σi=1 10{[(X + Xi−1)/2 − X]・Δt}
また、判定値(β)を−25kgと定める。各大区間毎に、積分値Sと判定値βとを比較し、Sがβ以下となった大区間において上記(6)の条件が成立したものとした。
【0049】
判定結果の一例を図2(a)(d)に示す。同図において、大区間31−5において積分値Sが判定値β以下となったので、大区間31−5における取鍋注入口開度をもって取鍋注入口最小開度20と判定した。
【0050】
判定を行っている期間中は、鋳造速度を1.5m/min一定に保持する。これにより、タンディッシュから鋳型への時間当たり注入量も一定に保持される。判定期間中に鋳造速度に変動が生じた場合には、変動が生じた大区間は判定から除外し、当該大区間終了時に取鍋注入口開度を減少せず、同一開度でもう1回判定を行う。また、全ストランド合計の鋳造速度が1.5±0.3m/minの範囲を外れた場合にも判定から除外する。
【0051】
判定期間中にタンディッシュ重量が急変した場合、例えば重量がステップ的に60kg前後変化した場合には、タンディッシュにオペレータが乗り移ったために発生した変動であると認識し、当該急変が発生した大区間は上記と同様にして判定から除外する。
【0052】
判定の実施タイミングとしては、各取鍋注入開始時には毎回実施し、さらに通常鋳造中のタンディッシュ重量自動制御時において、目標重量に対して実績重量が一定量の偏差で大きな値を示し、この偏差が一定時間継続した場合において自動的に判定を開始することとした。
【0053】
従来例として、オペレータによる注入流目視と手動でのスライディングノズル閉め込み操作を行ったところ、オペレータ毎に異なる誤差により不正確な最小開度判定を生じた。その結果、閉め込み過ぎの場合はノズル閉塞事故を、閉め込み不足の場合はタンディッシュ重量制御系の制御範囲が過大に制約され、タンディッシュのオーバーフローなどの事故につながるおそれがあった。これに対し、本発明法を採用した結果、人による最小開度判定誤差はなくなり、常に一定の判定基準に基づいて設定が自動的に行われるようになった。建屋振動や秤量架台(タンディッシュカー)への人の飛び乗り降りなどの重量測定外乱によって最小開度判定に異常をきたすこともなくなった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、取鍋注入口の開度を漸減しつつタンディッシュ重量の時間変化を用いて取鍋注入口最小開度を自動的に判定することとしているので、注入流を大気にさらすことなく、オペレータの監視を必要とせず、安定して取鍋注入口最小開度を判定するが可能である。本発明に基づいて定めた取鍋注入口最小開度は、溶鋼閉塞が発生しないぎりぎりの最小開度として定めることができるので、取鍋注入口における溶鋼閉塞の発生を防止するとともに、タンディッシュから鋳型への注入速度が低下した場合においても溶鋼がタンディッシュからオーバーフローするような事態を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取鍋注入口最小開度判定を適用する連続鋳造設備の概要を示す図である。
【図2】本発明の取鍋注入口最小開度判定実施時における各種パラメータの時間推移を示す図であり、(a)は取鍋注入口開度を、(b)はタンディッシュ重量の時間変化を、(c)は各小区間におけるタンディッシュ重量変動量を、(d)は各大区間におけるタンディッシュ重量変動量の積分値Sを示す図である。
【符号の説明】
1 取鍋
2 中間鍋
2a タンディッシュ
3 取鍋注入口
3a スライディングノズル
3b 固定プレート
3c 可動プレート
4 タンディッシュ重量制御装置
5 取鍋注入口開閉装置
6 溶鋼
8 ロングノズル
9 中間鍋注入口(タンディッシュ注入口)
9a ストッパー
10 中間鍋注入口開閉装置
11 鋳型内液面制御装置
12 鋳型
13 ロール
14 浸漬ノズル
15 鋳片
17 取鍋注入口最小開度判定装置
18 タンディッシュ重量(中間鍋重量)
19 開度漸減指令
20 取鍋注入口最小開度
21 タンディッシュ秤量機
22 鋳型液面レベル計
31 大区間
32 小区間
33 判定値
S 積分値

Claims (22)

  1. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋注入口の最小開度を判定する方法であって、取鍋から中間鍋への溶鋼注入及び中間鍋から鋳型への溶鋼鋳造を実施しつつ、取鍋注入口の開度を漸減し、中間鍋重量の時間変化が予め定めた中間鍋重量下降条件を満たした際における取鍋注入口開度を、取鍋注入口最小開度とすることを特徴とする取鍋注入口最小開度判定方法。
  2. 請求項1に記載の中間鍋重量下降条件とは別に1又は2以上の中間鍋重量下降条件を定め、定めた各条件のうちのいずれかの条件を満たしたとき、若しくは定めたすべての条件を満たしたときの取鍋注入口開度を、取鍋注入口最小開度とすることを特徴とする請求項1に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  3. 請求項1に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間)で時間を区分し、各大区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  4. 請求項1に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(小区間)で時間を区分し、各小区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  5. 前記小区間よりも長い時間区間(大区間)を定め、該大区間内で前記算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする請求項4に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  6. 請求項1に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間)とそれよりも短い時間区間(小区間)とで時間を区分し、各大区間開始時の中間鍋重量を開始重量とし、大区間内の各小区間における中間鍋重量から該開始重量を引いた値を前記大区間内で積分し、該積分値が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  7. 前記取鍋注入口の開度の漸減は、前記大区間内では注入口の開度を一定に保持し、大区間の境界で開度を減らすことを特徴とする請求項3、5又は6に記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  8. 前記大区間の長さは、取鍋注入口の開度が小さいほど長さを長くすることを特徴とする請求項3、5乃至7のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  9. 中間鍋重量に異常変動が発生したときまたは連続鋳造条件に異常が発生したときには、当該異常が発生した大区間を判定から除外することを特徴とする請求項3、5乃至8のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  10. 前記中間鍋重量として、実測した中間鍋重量測定値の高周波成分を除去した重量を用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  11. 取鍋注入口最小開度判定は、各取鍋注入開始時及び取鍋注入中であって中間鍋重量制御中に中間鍋重量が目標中間鍋重量より所定量以上大きい期間が一定期間継続したときに行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定方法。
  12. 取鍋内の溶鋼を取鍋注入口を介して中間鍋に注入しさらに中間鍋から鋳型内に溶鋼を鋳造する連続鋳造において、取鍋注入口の最小開度を判定する判定装置であって、取鍋注入口の開度を漸減する開度調整手段と、中間鍋重量の時間変化と予め定めた中間鍋重量下降条件を比較する手段と、比較の結果が前記条件を満たした際における取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度と判定する判定手段とを有することを特徴とする取鍋注入口最小開度判定装置。
  13. 前記比較する手段は請求項12に記載の中間鍋重量下降条件とは別に1又は2以上の中間鍋重量下降条件を有し、前記判定手段は各条件のうちのいずれかの条件を満たしたとき、若しくは定めたすべての条件を満たしたときの取鍋注入口開度を取鍋注入口最小開度と判定することを特徴とする請求項12に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  14. 請求項12に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間)で時間を区分し、各大区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする請求項12又は13に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  15. 請求項12に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(小区間)で時間を区分し、各小区間における中間鍋重量の変動量を算出し、該算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする請求項12又は13に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  16. 前記小区間よりも長い時間区間(大区間)を定め、該大区間内で前記算出した重量の変動量が予め定めた判定値以下となった状態が予め定めた規定回数以上継続する条件であることを特徴とする請求項15に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  17. 請求項12に記載の中間鍋重量下降条件は、所定の時間区間(大区間)とそれよりも短い時間区間(小区間)とで時間を区分し、前記大区間開始時の中間鍋重量を開始重量とし、大区間内の各小区間における中間鍋重量から該開始重量を引いた値を前記大区間内で積分し、該積分値が予め定めた判定値以下となる条件であることを特徴とする請求項12又は13に記載の取鍋注入口最小開度判定装置
  18. 前記取鍋注入口の開度の漸減する開度調整手段は、前記大区間内では注入口の開度を一定に保持し、大区間の境界で開度を減らすことを特徴とする請求項14、16又は17に記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  19. 前記大区間の長さは、取鍋注入口の開度が小さいほど長さを長くすることを特徴とする請求項14、16乃至18のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  20. 前記判定手段において、中間鍋重量に異常変動が発生したときには、当該異常が発生した大区間を判定から除外することを特徴とする請求項14、16乃至19のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  21. 前記比較手段はローパスフィルターを有し、実測した中間鍋重量測定値から当該ローパスフィルターを用いて高周波成分を除去した重量を前記中間鍋重量として用いることを特徴とする請求項12乃至20のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
  22. さらに判定開始指示手段を有し、該判定開始指示手段は、各取鍋注入開始時及び取鍋注入中であって中間鍋重量制御中に中間鍋重量が目標中間鍋重量より所定量以上大きい期間が一定期間継続したときに判定開始指示を行うことを特徴とする請求項12乃至21のいずれかに記載の取鍋注入口最小開度判定装置。
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