JPH04294850A - 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法 - Google Patents

多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法

Info

Publication number
JPH04294850A
JPH04294850A JP5982191A JP5982191A JPH04294850A JP H04294850 A JPH04294850 A JP H04294850A JP 5982191 A JP5982191 A JP 5982191A JP 5982191 A JP5982191 A JP 5982191A JP H04294850 A JPH04294850 A JP H04294850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strand
stopper
breakout
molten metal
opening degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5982191A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Narita
成 田   津
Takashi Seki
関   孝 史
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP5982191A priority Critical patent/JPH04294850A/ja
Publication of JPH04294850A publication Critical patent/JPH04294850A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共通引抜装置を有する
多ストランド連続鋳造設備のブレークアウト検知方法に
関するものであり、ブレークアウトを初期に検知し、被
害拡大を防止する方法に係るものである。
【0002】
【従来技術】溶融金属、特に鋼の場合の連続鋳造設備に
おける最大の事故は、鋳片の凝固シェル破壊によるシェ
ル内溶鋼の流出(ブレークアウト)である。連続鋳造設
備では、鋳片は、引抜装置により連続的に引抜かれ、水
冷鋳型から出て直接水冷を行なう二次冷却部に入る。ブ
レークアウトは一般に鋳型直下から二次冷却部で発生し
、溶鋼は流出して飛散、落下し、引抜装置を拘束する。 このまま、鋳型への溶鋼注入を継続すれば、溶鋼の流出
は拡大し、周囲の設備に多大の被害を与え、復旧までの
間、長期生産休止を余儀なくされる。したがって、ブレ
ークアウト発生時には、緊急に鋳型への溶鋼注入を遮断
し、被害拡大を防止する必要がある。
【0003】特に、共通引抜装置を有する多ストランド
連続鋳造設備においては、1つのストランドのブレーク
アウトでも引抜装置の拘束が生じ、正常な他のストラン
ドも共通の引抜装置、故に鋳造停止となるため、ブレー
クアウト発生時には、初期のうちにそのストランドの注
入を遮断する必要がある。
【0004】近年は、ブレークアウト防止技術として、
鋳型にセンサーを配置してブレークアウトの前兆を捕え
て、予知信号を発し、鋳造速度を減速し、鋳型内シェル
厚を、ブレークアウトに対して安全な厚さに成長させた
後、鋳型速度を増速する方法が多く公表されている(特
開昭47−21331号,特開昭56−105859号
,特開昭58−148064号および特開昭59−21
8251号の各公報)。
【0005】しかし、それらの方法は、あくまでも、鋳
型内での前兆を捕えているので、鋳型以後での発生原因
がもたらすブレークアウトの検知は不可能である。例え
ば、二次冷却部での冷却不足,偏冷却に起因するブレー
クアウト,鋳片とダミーバーとの自然分割による溶鋼流
出等を検知することは不可能である。しかし、共通引抜
装置を有する多ストランド連続鋳造設備では、鋳片のど
こでブレークアウトが発生しようと、初期のうちにその
ストランドの注入を遮断する必要があるため、鋳片の全
長に亘るブレークアウト検知技術が必要である。
【0006】そこで、本発明では、既存の鋳型内溶鋼レ
ベルの制御情報の中から、ブレークアウト発生時の特徴
的変化を抽出し、初期ブレークアウトを検知することに
着目した。なぜなら、鋳型への注入量と引抜装置による
引抜量とのバランスがくずれたとき、すなわち鋳型内溶
鋼レベルが一定にもかかわらず、注入量>引抜量の関係
が成立したとき、ブレークアウトが発生しており、ブレ
ークアウトによる溶鋼流出量=注入量−引抜量として求
められるからである。この原理を用いれば、連続鋳造設
備のどこでブレークアウトが発生しても検知することが
できる。
【0007】鋳型内溶鋼レベルの制御情報の中から、ブ
レークアウトを検知しようとする従来技術として、特開
昭47−21331号(以下、従来法と称す)が知られ
ている。
【0008】従来法では、鋳型内溶鋼レベルを鋳造速度
の調節で所定の範囲に制御することを基本とし、溶鋼注
入量がタンディッシュ・ノズルの溶損によるノズル径大
化,ノズル詰りによるノズル径小化,ストッパーの溶損
等の外乱によって、鋳造速度が所定の範囲を超えたとき
に、タンディッシュ・ストッパーを開閉して、鋳型内溶
鋼レベル及び鋳造速度を回復せしめ、鋳型内溶鋼レベル
とその設定値との差が所定の範囲を超えるとブレークア
ウトと判定し、引抜装置を停止し、タンディッシュ・ス
トッパーを急速閉鎖せしめることとなっている。
【0009】しかし、この方法では、ブレークアウト発
生初期のわずかな溶鋼流出に対しては、鋳型内溶鋼レベ
ルを所定の範囲に制御してしまうため、ブレークアウト
の発生初期を検知することは不可能である。ブレークア
ウトによる溶鋼流出が拡大し、鋳型内溶鋼レベルが制御
不能となった時点ではじめて検知できることとなり、ブ
レークアウトの被害を最小限にとどめる効果が少ない、
といった欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決し、ブレークアウト発生初期を検知することを目的
とし、具体的には、連続鋳造設備に既存の技術として装
備されている鋳型内溶鋼レベル制御の制御情報の中から
ブレークアウト発生時の特徴的変化を抽出し、鋳片全長
のどこでブレークアウトが発生しても、ブレークアウト
発生を初期に検知できる共通引抜装置を有する多ストラ
ンド連続鋳造設備のブレークアウト検知方法を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳型内の溶融
金属レベルを制御する注入量操作端の開度変化率を求め
、所定の開度上昇率設定値を超過し、かつ、他ストラン
ドと実開度を比較し、自ストランドとの差が所定の設定
値を超過したことを条件として、ブレークアウト発生を
検知することを特徴とする。又、前記所定の開度上昇率
設定値を、鋳造速度,タンディッシュ溶融金属重量,及
び溶融金属高さの、1つ又は複数によって補正し、決定
することを特徴とする。又、前記注入量操作端の開度変
化率を、注入量操作端の実開度あるいは、注入量操作端
への開度指令値より求めることを特徴とする。
【0012】
【作用】ある多ストランド連続鋳造設備に於いて本発明
者が測定したブレークアウト発生時のタイムチャートを
図4に示した。図4に於いてXA ,XB ,XC は
、共通引抜装置を有する3ストランド連続鋳造設備の各
ストランドに、A,B,Cのストランド名を付け、それ
ぞれのストランドのストッパー開度をXA ,XB ,
XCと示したものである。図4では、Aストランドがブ
レークアウト発生した場合のタイムチャートを示してお
り、ブレークアウト発生以後Aストランドだけがブレー
クアウトによる流出流量QBO に相当するストッパー
による注入流量Qinを増加させて、鋳型内溶融金属レ
ベルを一定に制御しようとするため、ストッパー開度X
A が増加する傾向を示している。XA の増加傾向を
ストッパー開度上昇率として単位時間当たりのストッパ
ー開度上昇量を示したのがdXA(mm/sec)であ
る。図4の場合、ストッパー開度XA が単調に増加し
ているのでdXA は一定の正の値を示している。図4
からブレークアウト発生以後のストッパー開度の時徴的
変化をまとめると、ブレークアウト発生ストランドだけ
が、ストッパー開度上昇傾向となる。逆の考え方をすれ
ば、ストッパー開度上昇傾向のストランドが1つの場合
、そのストランドはブレークアウトが発生しているとい
える。
【0013】ストッパー開度は、鋳型内溶融金属レベル
を一定に制御するため、常に開閉動作をしており、又、
ピンチロール速度の増加,タンディッシュ重量の減少,
タンディッシュ・ノズル詰り増加時には必然的にストッ
パー開度は上昇傾向となるので、ブレークアウト発生時
のストッパー開度上昇傾向と定常制御中のストッパー開
度上昇傾向を明確に区別する必要がある。そこで、他ス
トランドのストッパー開度情報からストッパー開度の代
表値を演算し、自ストランドのストッパー開度との比較
判定を行ない、ブレークアウト検知を決定付ける。
【0014】他ストランドのストッパー開度情報を使用
する理由は、次の通りである。即ち、共通引抜装置を有
する多ストランド連続鋳造設備では、タンディッシュ及
びピンチロールをそれぞれ全ストランドで共通使用して
いるため、鋳型内溶融金属レベル制御の主要な外乱とし
て考えられるピンチロール速度変化,タンディッシュ重
量変化,タンディッシュ・ノズル詰り,ストッパー溶損
等が、各ストランドとも同一条件で付与されていると考
えることができるため、正常な鋳造を継続している限り
各ストランドとも同程度のストッパー開度になると考え
られる。したがって、他ストランドのストッパー開度と
自ストランドのストッパー開度を比較すれば、自ストラ
ンドが定常制御中であるか、どうかの区別することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0016】図1は、実施例の連続鋳造設備の基本構成
を示す。図1において、1は鋳型、2は鋳型に注入され
た溶融金属、3は溶融金属の高さを検出する溶融金属レ
ベル計、4は鋳型により冷却されて外周部より徐々に凝
固する鋳片、5は鋳片を引抜く鋳片引抜き手段としての
ピンチロール、6はピンチロールを駆動するピンチロー
ル制御装置、7は浸漬ノズル7aを通して溶融金属を鋳
型内に供給するタンディッシュ、8は溶融金属の鋳型内
への注入量を操作するストッパー、9はストッパーを駆
動するストッパー開度制御装置、10はストッパーの開
度を測定するストッパー開度計、11は溶融金属レベル
計の信号を入力しストッパー開度制御装置に対して溶融
金属レベルを一定にするためのストッパー開度を設定す
る溶融金属レベル調節計、12はタンディッシュに注入
された溶融金属の重量を計測するタンディッシュ重量計
、13はピンチロールにより引抜かれる鋳片の速度を測
定する鋳造速度検出器、14は本発明を適用したBO(
ブレ−クアウト)検知装置である。図1の実施例では、
共通のピンチロールで3ストランドを同時に引抜く多ス
トランド連鋳機の例を示している。
【0017】鋳型内溶融金属のレベル制御は各ストラン
ドで独立した制御となっており、溶融金属レベル計の計
測値が各ストランドの目標溶融金属レベルと一致するよ
うに溶融金属レベル調節計よりストッパー開度制御装置
に対し、ストッパー開度設定値を与える。ストッパー開
度制御装置では該ストッパー開度設定値に応じてストッ
パーの実開度を制御し、鋳型への溶融金属の注入量を操
作する。結果として、鋳型内溶融金属を目標溶融金属レ
ベルにコントロールすることができる。
【0018】ピンチロールの速度制御は、鋳型内溶融金
属のレベル制御とは関係しない独立した制御となってい
る。これは、共通のピンチロールで多ストランドを同時
に引抜くが故に、ピンチロールの速度制御では各ストラ
ンドの鋳型内溶融金属のレベルを制御することが不可能
だからである。
【0019】本実施例では、一つのタンディッシュから
3ストランドの鋳型に対して溶融金属を注入するが、こ
れは多ストランド連鋳機に於ける一般的なタンディッシ
ュの構造である。それは、鋳型上部の占有空間を最少限
にとどめ、タンディッシュへの溶融金属供給装置を最少
限にとどめることができるからである。
【0020】以上、本実施例は、共通のピンチロール,
共通のタンディッシュを有する多ストランド連鋳機につ
いて、各ストランド別に設けたストッパーで各鋳型内に
注入する溶融金属の流量を操作し、各鋳型内溶融金属レ
ベルを所定の値の制御できる構成となっている。
【0021】本発明のブレークアウト検知方法を適用し
たブレークアウト検知装置は、鋳造速度検出器の計測信
号とタンディッシュ重量計の計測信号を入力し、更にス
トッパー開度計の計測値を入力し、各ストランド毎にブ
レークアウト発生の判定を行ない、ブレークアウト検知
した場合には当該ストランドのストッパー開度制御装置
に対してストッパーの高速閉止信号を出力するとともに
、警報装置に対し、ブレークアウト検知ストランドを指
示し、警報装置はブレークアウト検知ストランドを表示
するとともに警報を発し、周囲オペレータに知らせるよ
うにしてある。以下、本発明によるブレークアウト検知
装置の検知原理動作を詳細に説明する。図2は、ストッ
パーによる溶融金属レベル制御のブロックダイヤグラム
であり、単ストランドについて示したものである。
【0022】鋳型内では、ストッパーによる注入量Qi
nに対し、ピンチロール速度VCに鋳型内断面積Aを乗
算したピンチロールによる引抜流量QVC と、ブレー
クアウトによる流出流量QBO との和として求められ
る流出流量Qoutの差が積分されて貯えられ、これを
鋳型断面積Aで除算したものが鋳型内溶融金属レベルL
となる。
【0023】
【数1】     Qout=QVC +QBO        
           ・・・・  (1)
【0024
【数2】     L=(1/A)∫(Qin−Qout)dt 
   ・・・・  (2)前記Lは、溶融金属レベル計
で計測され、計器の一時遅れが含まれたレベル信号PV
が出力される。
【0025】
【数3】
【0026】溶融金属レベル調節計では、レベル設定値
SVと前記PVとの差にゲインG(x)が乗算され、ス
トッパー開度制御装置に対して、ストッパー開度設定値
XO を与える。
【0027】
【数4】     XO =G(x)・(SV−PV)     
     ・・・・  (4)ストッパー開度制御装置
では、前記XO を目標としてストッパー実開度Xとの
差にゲインKを乗算し、注入量操作端であるストッパー
の実開度XがXO に一致するよう制御する。
【0028】
【数5】     X=∫K・(XO −X)dt       
    ・・・・  (5)ストッパーでは、ストッパ
ー実開度Xにより、ストッパーによる注入流量Qinの
ほとんどが決定されるが、タンディッシュ・ノズル詰り
,タンディッシュ重量,ストッパー溶損等の外乱により
ストッパーの流量係数f(x)が変化するため、注入流
量Qinはストッパーの流量係数f(x)とストッパー
実開度Xの積として求められる。
【0029】
【数6】     Qin=f(x)・X           
           ・・・・  (6)  ストッ
パーの流量係数f(x)の変化によるストッパー流量特
性の変化を表1及び図3で説明する。
【0030】
【表1】
【0031】表1では、ブレークアウト(BO)の発生
していない定常制御中の流量特性の変化をタンディッシ
ュ重量,タンディッシュ・ノズル詰り,ストッパー溶損
の外乱変化に応じてケース1からケース6で示しており
、その時の流量特性が図3に示されている。
【0032】溶融金属レベルが一定に制御されている状
態ではQout(=Qve)に見合う注入流量Qinが
確保されるようにストッパー開度が決定される。例えば
、今、表1のケース1の時即ち、タンディッシュ重量,
タンディッシュ・ノズル詰り,ストッパー溶損の外乱変
化がない場合において、流量特性は図3の曲線2であっ
たとする。これを基準特性とする。
【0033】次に、タンディッシュ重量の増減によりス
トッパー流量特性は表1ケース2,3に示すとおり基準
特性曲線2から図3の曲線1,曲線3の方向へと変化す
る。又、タンディッシュ・ノズル詰り量の増減により、
ストッパー流量特性は、表1ケース4,5に示すとおり
基準特性曲線2から図3の曲線3へ、そして図3の曲線
2へと戻る方向へと変化する。
【0034】又、ストッパー溶損が増加すると、ストッ
パー流量特性は、表1ケース6に示すとおり、基準特性
曲線2から図3の曲線1の方向へと変化する。
【0035】ブレークアウト発生時には、(1)式右辺
第2項QBO が増加傾向となるので、定常制御中に比
べ図3のQoutは増加傾向となり、それに見合うQi
nを確保するために、ストッパー開度はその時の流量特
性に従って開方向へ増加する傾向を示す。
【0036】図1の連続鋳造設備に於いて本発明者が測
定したブレークアウト発生時のタイムチャートを図4に
示した。図4に於いてXA ,XB ,XC は、共通
引抜装置を有する3ストランド連続鋳造設備の各ストラ
ンドに、A,B,Cのストランド名を付け、それぞれの
ストランドのストッパー開度をXA ,XB ,XC 
と示したものである。図4では、Aストランドがブレー
クアウト発生した場合のタイムチャートを示しており、
ブレークアウト発生以後Aストランドだけがブレークア
ウトによる流出流量QBO に相当するストッパーによ
る注入流量Qinを増加させて、鋳型内溶融金属レベル
を一定に制御しようとするため、ストッパー開度XA 
が増加する傾向を示している。XA の増加傾向をスト
ッパー開度上昇率として単位時間当たりのストッパー開
度上昇量を示したのがdXA(mm/sec)である。 図4の場合、ストッパー開度XA が単調に増加してい
るのでdXA は一定の正の値を示している。
【0037】図4からブレークアウト発生以後のストッ
パー開度の時徴的変化をまとめると、ブレークアウト発
生ストランドだけが、ストッパー開度上昇傾向となるこ
とである。逆の考え方をすれば、ストッパー開度上昇傾
向のストランドが1つの場合、そのストランドはブレー
クアウト発生しているといえることとなる。
【0038】本発明者は、この点に着目して、本発明を
完成したものである。その原理を図5のブレークアウト
検知演算フローに従って説明する。
【0039】まず、第1の処理として、自ストランドの
ストッパー開度上昇率dXを演算しその上昇率dXが任
意の値dXBO(但し、dXBO >0)以上であるか
を判定する。dX≧dXBO ならば、自ストランドが
ストッパー開度上昇傾向にあると判断できる。次に第2
の処理として、他ストランドも第1の処理と同様にスト
ッパー開度上昇率演算を行ない、自ストランドだけがd
X≧dXBO 関係式が成立するかを判定する。
【0040】これで、第1の処理,第2の処理が全てY
ESならば、自ストランドだけがストッパー開度上昇傾
向であり、ブレークアウト発生と判定することができる
が、ストッパー開度は、鋳型内溶融金属レベルを一定に
制御するため、常に開閉動作をしており、又、ピンチロ
ール速度の増加,タンディッシュ重量の減少,タンディ
ッシュ・ノズル詰り増加時には必然的にストッパー開度
は上昇傾向となるので、ブレークアウト発生時のストッ
パー開度上昇傾向と定常制御中のストッパー開度上昇傾
向を明確に区別する必要がある。そこで第3の処理を必
要となる。
【0041】第3の処理として、他ストランドのストッ
パー開度情報からストッパー開度の代表値XO を演算
し、自ストランドのストッパー開度Xとの比較判定を行
ない、ブレークアウト検知を決定付ける。
【0042】他ストランドのストッパー開度情報を使用
する理由は、共通引抜装置を有する多ストランド連続鋳
造設備では、タンディッシュ及びピンチロールをそれぞ
れ全ストランドで共通使用しているため、鋳型内溶融金
属レベル制御の主要な外乱として考えられるピンチロー
ル速度変化,タンディッシュ重量変化,タンディッシュ
・ノズル詰り,ストッパー溶損等が、各ストランドとも
同一条件で付与されていると考えることができるため、
正常な鋳造を継続している限り各ストランドとも同程度
のストッパー開度になると考えられる。
【0043】したがって、他ストランドのストッパー開
度と自ストランドのストッパー開度を比較すれば、自ス
トランドが定常制御中であるか、どうかの区別すること
ができる。
【0044】では、第3の処理について具体的に説明す
る。まず、他ストランドのストッパー開度情報からスト
ッパー開度の代表値XO を演算する。その演算方法と
しては、他ストランドのストッパー開度の最小値,最大
値,平均値,等種々の方法が考えられるが、目的とする
のは、定常制御中にあるべきストッパー開度の代表値を
求めることである。ここでは1例として、他ストランド
の最小ストッパー開度を採用した。
【0045】次に、自ストランドのストッパー開度Xが
、ストッパー開度代表値XOよりも任意の値XBO 以
上に達しているかを判定する。X≧XO +XBO が
成立したならば、自ストランドでブレークアウト発生し
ていると判定する。XBO は、前記第2の処理に於い
てdX≧dXO が成立したとしてもストッパー開度が
鋳型内溶融金属レベルを一定に制御するために常に開閉
動作をしており、一時的にdX≧dXOが成立してしま
いブレークアウト検知信号を誤まって出力してしまうこ
とを防止するために、ストッパー実開度が、ストッパー
開度代表値よりもある程度開いた開度であることを条件
として、誤検出を防止するための値である。但し、あま
り大きくしすぎると、早期にブレークアウト発生の初期
を検知することが困難となるので、適切な値を理論的あ
るいは実績から決定する必要がある。
【0046】以上で、ブレークアウト検知方法について
の基本的な説明を終了し、更に前記第1の処理で用いる
ストッパー開度上昇率の判定値dXBO の決定方法に
ついて説明する。
【0047】表1、及び図3で説明したとおり、定常制
御中でも、タンディッシュ重量,タンディッシュ・ノズ
ル詰り,ストッパー溶損の外乱によってストッパー流量
特性が変化する。又、その時の流量特性が変化しなくて
も、ピンチロール速度の変化に応じて、ストッパー開度
が変化する。それ故、ストッパー開度の上昇率判定値d
XBO を固定値としていると誤検出,過検出となるこ
とがある。その防止対策として前記dXBO を少なく
とも鋳型速度,タンディッシュ溶融金属重量,(または
、溶融金属高さ)のいずれか、又は複合で補正すること
が有効である。これを実現する方法として、ストッパー
の定常制御で必要な理論開度Xfを以下のとおり定義し
、そのXfの変化率を前記dXBO に代入する方法を
提案する。
【0048】
【数7】
【0049】
【数8】     dXBO =d/dtXf+dXu     
         ・・・・ (8)    但し、K
:補正係数          Ve:ピンチロール速
度          g:重力加速度       
  h:タンディッシュ溶融金属レベル       
dXu:上昇率補正値 この方法によると、ピンチロール速度Veあるいはタン
ディッシュ溶融金属レベルが変化した場合でもdXBO
 は、それに追従して変化するので誤検出,過検出を防
止することが可能となる。
【0050】次に、ストッパー開度の変化率を求める方
法を説明する。ストッパー開度の実測値を用いるのが最
も正しいが、ストッパー開度の実測値がなかなか計測で
きない場合があり又、最近の技術進歩により高精度にス
トッパー開度を制御できるようになってきたため、スト
ッパー開度指令値をストッパー実開度の代替として差し
つかえない場合がある。したがって、ストッパー開度指
令値の変化を、自ストランドのストッパー開度上昇率(
dX)演算に用いても、ストッパー実開度変化率を演算
するのと同等の効果が得られる場合がある。この方法を
採用すると、粉塵が多く、高熱を受けるストッパー直上
での開度測定装置を省略できる利点がある。
【0051】
【効果】以上説明してきたように、本発明によれば、連
続鋳造設備のどこでブレークアウトが発生しても、ブレ
ークアウト発生の初期を検知することができる。特に、
共通引抜装置を有する多ストランド連続鋳造設備では、
鋳片のどこでブレークアウトが発生しても、正常ストラ
ンドが引抜き不能となる以前の初期のうちに、ブレーク
アウト発生ストランドを遮断し、他の正常ストランドの
安定操業を継続させる必要があり、これを実現する上で
有効なブレークアウト検知技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  一実施例の連続鋳造設備の基本構成を示す
ブロック図である。
【図2】  ストッパーによる溶融金属レベル制御のブ
ロック図である。
【図3】  ストッパー流量特性の変化を示すグラフで
ある。
【図4】  ブレークアウト発生時のタイムチャートで
ある。
【図5】  ブレークアウト検知用の演算フローチャ−
トである。
【符号の説明】
1:鋳型                     
         2:溶融金属3:溶融金属レベル計
                  4:鋳片5:ピ
ンチロール(鋳片引抜手段)      6:ピンチロ
ール制御装置 7:タンディッシュ                
    7a:タンディッシュ・ノズル 8:ストッパー(注入量操作端)        9:
スシッパー開度制御装置 10:ストッパー開度計              
  11:溶融金属レベル調節計 12:タンディッシュ重量計            
13:鋳造速度検出器 14:ブレークアウト検知装置          1
5:警報装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  鋳型内の溶融金属レベルを制御する注
    入量操作端の開度変化率を求め、所定の開度上昇率設定
    値を超過し、かつ、他ストランドの代表実開度と比較し
    、自ストランドとの差が所定の設定値を超過したことを
    条件として、ブレークアウト発生を検知することを特徴
    とする多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法。
  2. 【請求項2】  前記、所定の開度上昇率設定値を、鋳
    造速度,タンディッシュ溶融金属重量,及び溶融金属レ
    ベルの、1つ又は複数に応じて補正し決定することを特
    徴とする、前記請求項1に記載の多ストランド連鋳機の
    ブレークアウト検知方法。
  3. 【請求項3】  前記、注入量操作端の開度変化率を、
    注入量操作端開度の実測値あるいは、注入量操作端への
    開度指令値より求めることを特徴とする、前記請求項1
    に記載の多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法
JP5982191A 1991-03-25 1991-03-25 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法 Withdrawn JPH04294850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5982191A JPH04294850A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5982191A JPH04294850A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04294850A true JPH04294850A (ja) 1992-10-19

Family

ID=13124276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5982191A Withdrawn JPH04294850A (ja) 1991-03-25 1991-03-25 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04294850A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018449A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Kobe Steel Ltd 浸漬ノズル管理方法
JP2013116481A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 連続鋳造におけるブレークアウトの検知方法
CN105127389A (zh) * 2015-09-07 2015-12-09 河北钢铁股份有限公司 多机多流连铸降低流间温差的控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018449A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Kobe Steel Ltd 浸漬ノズル管理方法
JP2013116481A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 連続鋳造におけるブレークアウトの検知方法
CN105127389A (zh) * 2015-09-07 2015-12-09 河北钢铁股份有限公司 多机多流连铸降低流间温差的控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5242010A (en) Method for controlling the taper of narrow faces of a liquid-cooled mold
CA1239523A (en) Method of casting melt into a plurality of continuous casting moulds
KR20120110584A (ko) 박슬라브용 몰드의 냉각 제어장치 및 그 방법
JPH04294850A (ja) 多ストランド連鋳機のブレークアウト検知方法
JPH02200362A (ja) 連続鋳造装置におけるノズル詰まり予測方法およびノズル詰まり抑制方法
JPS5946705B2 (ja) 連鋳モ−ルド内の溶融金属レベル制御方法
JP3103498B2 (ja) 連続鋳造におけるブレイクアウトの予知および防止方法
KR101490562B1 (ko) 래들 개공부 제어 장치 및 이를 구비하는 박판 제조 장치
JP3506195B2 (ja) 連続鋳造方法
US5482106A (en) Process for the casting of metals in a continuous casting installation with continuous strand withdrawal
JPH0790343B2 (ja) 連続鋳造におけるブレ−クアウト予知方法
JPS5978763A (ja) 連続鋳造における鋳型内溶鋼湯面レベル制御方法
KR100971966B1 (ko) 쌍롤형 박판 제조 장치의 턴디쉬 무게제어 시스템 및 이에의한 제어방법
JP2004276050A (ja) 連続鋳造のスタート方法
JPH06339762A (ja) 連続鋳造鋳片切断制御方法およびその装置
JP2914817B2 (ja) 連続鋳造における欠落鋳造方法
KR101435111B1 (ko) 연속주조시 응고쉘의 수축량 예측 방법
KR100949683B1 (ko) 매스플로우 변동에 따른 탕면레벨 제어방법
JPS63119963A (ja) 連続鋳造におけるブレ−クアウト予知方法
JP2874567B2 (ja) 複数鋳型を有する連続鋳造のスタートアップ時の湯面レベル制御方法
JP4209989B2 (ja) 連続鋳造鋳片の品質判定方法
KR20130120882A (ko) 연주공정에서의 배관 내 가스 누기 예측 장치 및 방법
KR101067480B1 (ko) 쌍롤형 박판 제조 장치에서 용강높이 제어방법
JPH09122863A (ja) 薄鋳片の連続鋳造機における鋳造初期湯面レベル制御方法
JP2720135B2 (ja) 連続鋳造における鋳片切断制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19980514