JP2874567B2 - 複数鋳型を有する連続鋳造のスタートアップ時の湯面レベル制御方法 - Google Patents

複数鋳型を有する連続鋳造のスタートアップ時の湯面レベル制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数ストランドの各
鋳型内に共通のタンディッシュから流量調整ノズル装置
を介して溶鋼を注入し、形成された各鋳片を共通の引抜
装置により同一速度で引き抜く連続鋳造プロセスにおい
て、溶鋼の鋳型への給湯開始から鋳片引抜開始までの鋳
型内湯面レベルを制御する湯面レベル制御方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続鋳造は、取鍋内の溶鋼を中
間容器としてのタンディッシュを介して鋳型内に鋳込
み、この溶鋼を鋳型内の冷却水により一次冷却して外皮
に凝固シェルを形成し、続くガイドロール群内で二次冷
却して凝固を促進し、完全凝固した鋳片をピンチロール
で引き抜いて連続的に鋳片を製造する方法であり、この
ような連続鋳造を行う連続鋳造設備においては、生産性
の向上を図るべく、多くのマシンが複数のストランドを
備えている。特に、比較的小断面のブルーム,ビレット
等の連続鋳造設備では、多ストランドとする傾向にあ
る。
【0003】図6に示すのは、2ストランドのマシンの
例であり、各ストランドにそれぞれ鋳型50を配置し、
共通のタンディッシュ51の底部に各鋳型50に対応さ
せてスライディングノズル装置52を取り付け、図示し
ない取鍋の溶鋼を共通のタンディッシュ51で一時的に
貯留し、各スライディングノズル装置52で流量を調整
しつつ各鋳型50内に注入し、連続鋳造された鋳片53
を共通駆動の引抜装置54により同一速度で引き抜いて
いる。
【0004】鋳造開始時、またはタンディッシュ交換後
の鋳造再開時等においては、鋳型50内に挿入されたダ
ミーバー55のヘッドの上に、あるいはタンディッシュ
交換前の鋳片53の上に、溶鋼を注入開始し、鋳型内に
所定高さに到達すると、ダミーバー55あるいは鋳片5
3の引き抜きを開始している。このような引抜開始に際
しては、鋳型内湯面が所定高さレベル以上に上昇した時
に引き抜きを開始した場合には、鋳型上端から溶鋼が溢
れ出る所謂オーバーフローが発生し、逆に所定高さレベ
ルよりも低すぎる場合には、鋳型で溶鋼が十分に冷却さ
れず凝固シェル厚さが不足し、溶鋼静圧により凝固シェ
ルが破れ、溶鋼が漏出する所謂ブレークアウトが発生す
る。また、鋳型内の湯面上昇速度が速い場合にも、ブレ
ークアウトが発生する。
【0005】このため、引抜開始時の溶鋼の湯面レベル
管理は重要であり、従来においては、複数ストランドに
おけるスタートアップ方法として、特開昭62−183
952号公報の鋳型内湯面レベル制御方法が提案されて
いる。
【0006】このスタートアップ方法は、図6(a)に
示すように、各鋳型50内の上部における一定範囲内の
湯面レベルを検出する湯面レベルセンサー56と、各湯
面レベルセンサー56および各開度検出器57からの検
出信号を演算処理するノズル開度演算器58と、演算結
果に基づいてサーボアンプ59を介して作動する駆動シ
リンダ60を使用し、次のように湯面レベル制御を行っ
ている。
【0007】(1) スライディングノズル装置52のノズ
ル開度を所定開度だけ開き、各鋳型1内に溶鋼を注入開
始し、各スライディングノズル装置52のノズル開度を
そのまま維持する。
【0008】(2) 各鋳型50内に注入される溶鋼流量は
各ノズルの状態により異なり、同一の開度に設定しても
各鋳型50内における湯面上昇速度は同一ではないた
め、図6(b)に示すように、湯面レベルが高く湯面検
出範囲の下限値MLAに先に到達した先行ストランドの
湯面を、ノズル詰まりを発生させない許容湯面速度の最
低値θmin で上昇させる。
【0009】(3) 湯面レベルが低く後に下限値MLAに
到達した後行ストランドの湯面を、オーバーフローを生
じない許容湯面速度の最高値θmax で上昇させる。
【0010】(4) 両ストランドの湯面が引抜開始可能範
囲Aの下限レベルMLPより若干低い目標位置MLEで
同一レベルになると、両ストランドの湯面を湯面速度θ
opt で上昇させる。
【0011】(5) 両ストランドの実湯面レベルが引抜開
始可能範囲A内となり、かつ両ストランド共に所定保持
時間tP 以上に実保持時間が経過すると、スタートアッ
プを行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のスタートアップ方法では、次のような問題点が
ある。
【0013】(1) タンディッシュ内の溶鋼レベルが変動
すると、ヘッド圧が変化し、流量を調整すべくスライデ
ィングノズル装置のノズル開度も変化し、タンディッシ
ュ内溶鋼レベルが大となった場合には、所定の湯上がり
パターンに近づけようとしてスライディングノズル装置
のノズル開度が小さくなり、ノズル開度の絞りによりノ
ズル詰まりを引き起こす可能性が十分にある。また、湯
面上昇速度をノズル詰まりが発生しない速度の最低値と
しているが、明確な規定がなく不明である。
【0014】(2) 下限値MLA以前の制御で各ストラン
ドにおける湯面レベルの立ち上がり速度差が大きくな
り、MLA後において先行ストランドの上昇レベルに後
行ストランドの上昇レベルを合わせるべく、後行ストラ
ンドを最高値θmax で上昇させるため、鋳型内での初期
凝固殻形成に際し、後行ストランドでは不備が生じ、ス
タートアップ後に鋳型直下でブレークアウトの危険性も
起こり得る。
【0015】(3) 各鋳型における湯面上昇速度を検出
し、これらの湯面上昇速度差により先行・後行ストラン
ドを決定し、各鋳型での湯面上昇速度が各設定値に一致
するようにフィードバック制御するため、演算システム
が高価なものとなる。
【0016】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、複数鋳型を有する連
続鋳造プロセスにおいて、タンディッシュ内溶鋼レベル
変化に伴うスライディッグノズル装置のノズル詰まりを
解消できると共に、各ストランドにおけるスタートアッ
プ後の鋳型直下でのブレークアウト等を防止することが
でき、しかも高価な演算システムを用いることなく比較
的安価な演算システムで確実に安定して複数の鋳片を製
造することのできる複数鋳型を有する連続鋳造のスター
トアップ時の湯面レベル制御方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、図1,図2
に示すように、複数ストランドの各鋳型1内に共通のタ
ンディッシュ2から流量調整ノズル装置(スライディン
グノズル装置)3を介して溶鋼を注入し、形成された各
鋳片11を引抜装置(ピンチロール)12により同一速
度で引き抜く連続鋳造において、溶鋼の鋳型1への給湯
開始から鋳片引抜開始までの鋳型内湯面レベルを制御す
るに際し、取鍋から注入されるタンディッシュ内の溶鋼
重量が一定値に達すると、各鋳型1に対して配置された
流量調整ノズル装置3のノズルを同時に開孔し、各鋳型
1内の溶鋼湯面レベルが湯面測定区間の最下限レベルL
Lに到達すると、実湯面上昇速度を検出し、予め設定さ
れた湯面上昇速度と前記実湯面上昇速度とが一致するよ
うにPID(比例+積分+微分)制御等の自動制御を行
うと共に、各流量調整ノズル装置3のノズル開度にリミ
ッターcを設定して前記自動制御中にノズル開度が前記
リミッターcを超えて閉じないようにし、各鋳型内の溶
鋼湯面レベルがスタートアップ時の下限レベルL0 とス
タートアップセットレベルSPの間に入ると、各ダミー
バー10または各鋳片11を引抜装置12で引き抜く。
【0018】湯面測定区間の最下限レベルLLの範囲
は、注入開始時の鋳型内底面レベル0から湯面測定区間
の最上限レベルHHまでの距離に対して0%≦LL≦3
0%とする。
【0019】各流量調整ノズル装置におけるノズル開度
のリミッターcの範囲は、ノズル開度全開に対して45
%≦c≦60%とする。
【0020】スタートアップ時の下限レベルL0 の範囲
は、鋳型内底面レベル0から湯面測定区間の最上限レベ
ルHHまでの距離に対して50%≦L0 で、かつL0
SPとする。
【0021】
【作用】以上のような構成において、タンディッシュ内
溶鋼が各鋳型1内に注入開始されると、必要に応じて、
各スライディングノズル装置3のノズル開度を規定開度
aで一定時間保持した後、規定開度aより絞られたノズ
ル開度bとし、各鋳型内溶鋼湯面レベルが湯面測定区間
の最下限レベルLLに到達すると、直ちにPID制御等
に移行することにより、オペレーターの技能度に左右さ
れる各鋳型1の溶鋼湯面レベルの立ち上げ速度差が抑制
され、スタートアップまでの溶鋼湯面上昇速度が均等化
され、各ストランドで初期凝固殻形成に必要な保持時間
が確保されることで初期凝固遅れ原因によるブレークア
ウトが防止され、また過剰溶鋼流出によるオーバーフロ
ー等が防止される。また、PID制御等に移行すること
で、急激な湯流れによる小断面鋳型特有の鋳型短辺面へ
のスプラッシュ付着が防止される。
【0022】湯面測定区間の最下限レベルLLは、各鋳
型1の溶鋼湯面レベルの立ち上げ速度差が大きく開く前
にPID制御に移行させるためには、必要最小限とする
のがよい。また、最下限レベルLLの上限値を30%よ
り大とした場合には、図2におけるスライディング装置
3のノズル開度bでの保持時間が長くなり、ノズル閉塞
および鋳型内溶鋼表面の皮張り等を引き起こす原因とな
る。
【0023】PID等の自動制御中、鋳型内湯面は、図
2の予め設定された湯上がりパターンに沿って立ち上が
るはずであるが、スライディングノズル装置におけるノ
ズル流量Qは、Q=ρA(2gH)1/2 (ρ:溶鋼比
重,A:ノズル断面積,g:重力加速度,H:タンディ
ッシュ内湯面レベル)で表され、スライディングノズル
の開度が一定としても、タンディッシュ内溶鋼レベルH
の変化に対してノズル流量Qが変化する。従って、タン
ディッシュ内溶鋼レベルHが大きくなると、予め設定さ
れた湯上がりパターンに近づけようとしてノズル開度は
小さくなり、溶鋼流出を抑えてしまう開度までノズル開
度を絞ってしまい、これによりノズル閉塞を引き起こす
ことになる。これに対して、本発明では、スライディン
グノズル閉じ端側にリミッターを設定することで、鋳型
内溶鋼湯面レベルが最下限レベルLL〜スタートアップ
レベルSPまでのPID制御中、ノズル閉塞が防止さ
れ、スタートアップまで安定した湯面の立ち上がりが行
われる。
【0024】なお、ノズル開度の下限制限値を45%よ
り小とした場合には、ノズル詰まりが発生し、60%よ
り大とした場合には、ノズル開度制御が制限される。
【0025】スタートアップ時の下限レベルL0 を50
%より小とした場合には、鋳片トップへのパウダー巻き
込みが増大され、鋳片トップ品質悪化の原因となる。
【0026】また、従来の湯面レベル制御では、各鋳型
における湯面上昇速度を検出し、これらの湯面上昇速度
差により先行・後行ストランドを決定し、各鋳型での湯
面上昇速度が各設定値に一致するようにフィードバック
制御するため、高価な演算システムとなるが、本発明で
は、連続鋳造の溶鋼レベル制御におけるオーソドックス
なPID制御等の組み合わせであるため、比較的安価な
演算システムにより、複数ストランドにおけるスタート
アップを行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づい
て詳細に説明する。これは、2ストランドの連続鋳造設
備に適用した例である。図1に本発明に係るスタートア
ップ時の湯面レベル制御を行う連続鋳造設備を示し、図
2に本発明の各ストランドにおける湯面レベルの経時変
化とスライディングノズル装置のノズル開度変化を示
す。
【0028】図1において、各ストランドにおける各鋳
型1の上方に共通のタンディッシュ2が配置され、この
タンディッシュ2の下部に各鋳型1に対応してスライデ
ィングノズル装置(以下、SN装置と記載)3および浸
漬ノズル4が設けられている。また、タンディッシュ2
の下部中央には、タンディッシュ内溶鋼重量を検出する
ロードセル5が設けられている。
【0029】各鋳型1には、湯面制御に一般に使用され
る湯面レベルセンサー6が設置されている。この湯面レ
ベルセンサー6の検出範囲は、最下限レベルLLから最
上限レベルHHまでであり、最下限レベルLLの範囲
は、鋳型内底面レベル0から湯面測定区間の最上限レベ
ルHHまでの距離に対して0%≦LL≦30%とし、湯
面検出区間を大きくとる。例えば、高さ300mmの鋳
型1に対してダミーバー10の挿入位置が中間位置の場
合には、湯面測定区間を100〜150mmとする。
【0030】また、ロードセル5および湯面レベルセン
サー6の検出信号は、演算器7に入力され、演算器7か
らの出力信号がサーボアンプ8により信号変換され、S
N開度検出器内蔵型油圧シリンダ9が作動され、SN装
置3のノズル開度が制御される。また、演算器7からの
指令信号により2ストランド共通のピンチロール12の
モータ13が駆動され、各ダミーバー10または各鋳片
11が同期して同一速度で引き抜かれる。
【0031】以上のような構成において、次のように鋳
型内湯面レベル制御が行われる(図2参照)。
【0032】(1) 溶鋼が図示しない取鍋からタンディッ
シュ2内に注入され、ロードセル5で検出されたタンデ
ィッシュ内溶鋼重量が一定値になると、SN装置3をノ
ズル開度を規定開度aまで開方向に作動させ、溶鋼を各
鋳型1内に注入開始する。
【0033】(2) 溶鋼が各鋳型1内に注入された後、各
SN装置3の規定開度aをt0 秒間保持し、その後、S
N装置3を閉じ側に作動させてノズル開度をbとし、鋳
型内溶鋼上昇速度を減少させる。
【0034】(3) 各鋳型1内における溶鋼湯面レベルが
上昇してゆき、湯面測定区間の最下限レベルLLに到達
すると、演算器7の内部で自動的にSN装置3の溶鋼流
量制御は手動から自動に切り替わり、PID制御により
湯面レベルがコントロールされる。
【0035】ここで、注入開始時の鋳型内底面レベル0
から最下限レベルLLまでの距離は、必要最小限の0%
≦LL≦30%であり、注入開始後、直ちにPID制御
に移行することにより、各鋳型1における湯面上昇速度
差を抑制することができる。
【0036】また、図3は、鋳型サイズ500〜700
mm×300mmのツイン鋳型において湯面測定区間の
下限レベルLLの設定値を変更させた時の湯面測定区間
の下限レベルLLまでの時間を示すグラフであり、タン
ディッシュ内溶鋼レベルH2 (H2 <H1 )において
は、測定区間下限レベルLLが30%より大になると、
ノズル開度bでの保持時間が長くなり、SN装置3にお
けるノズルの溶鋼流れ状況により詰まり現象が発生し
(図3の黒丸表示)、安定的にオートスタートができな
い。これらの条件より、鋳造初期のタンディッシュ内溶
鋼レベルに左右されない範囲である30%以下としたこ
とで良好な結果が得られた。
【0037】また、前記PID制御中、実湯面レベルは
予め設定された湯面立ち上がり速度で立ち上がるが、P
ID制御中、タンディッシュ内溶鋼レベル変動に伴い、
ヘッド圧が変化し、SN装置3のノズル開度も変化す
る。場合によっては、溶鋼が閉塞するノズル開度までS
N装置3が作動し、ノズル閉塞を起こすことがあるが、
SN開度がリミッターcより閉じ側に作動することがな
く、ノズル閉塞が防止される。
【0038】図4は、鋳型サイズ500〜700mm×
300mmのツイン鋳型でのオートスタート成功率を示
すグラフであり、リミッターcを設定することにより、
成功率を従来よりも大幅に向上させることができた。
【0039】(4) 各鋳型1内の溶鋼レベルがスタートア
ップ時の下限レベルL0 に到達し、両方の溶鋼レベルが
スタートアップ時の下限レベルL0 〜スタートアップセ
ットレベルSP(セットポイント)内に入ると、スター
トアップを行う。
【0040】図5は、鋳型内のスタートアップ時の下限
レベルL0 を50%より小と、50%以上とに分けて鋳
造した鋳片表面のピンホール個数を比較したグラフであ
る。
【0041】50%より小とした場合には、鋳型内浸漬
ノズル4の吐出孔とメニスカス近傍での溶鋼流による攪
拌の影響が鋳片品質に及ぼす範囲が広く、またスタート
アップセットレベルSP、即ち鋳型内定常レベルまでの
経過時間も長くなる。これらのことを考慮してスタート
アップ時の下限レベルL0 ≧50%とすることで、鋳片
トップの表面品質も良好な結果となった。
【0042】なお、以上は2ストランドの連続鋳造設備
について説明したが、3ストランド以上の連続鋳造設備
にも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成からなる
ので、次のような効果を奏する。
【0044】(1) タンディッシュ内溶鋼が各鋳型内に注
入開始され、各鋳型の溶鋼湯面が湯面測定区間の最下限
レベルLLに到達すると、PID制御等の自動制御に移
行するようにしたため、各鋳型でスタートアップまでの
湯面上昇速度差が抑制され湯面上昇速度が均等化され、
初期凝固殻形成に必要な保持時間を確保することがで
き、各ストランドにおいてスタートアップ後の鋳型直下
におけるブレークアウトを防止することができ、また過
剰溶鋼流出によるオーバーフロー等も防止することがで
き、操業トラブルの減少を図れる。
【0045】(2) スライディングノズル閉じ端側にリミ
ッターを設定することで、鋳型内溶鋼湯面レベルが最下
限レベルLL〜スタートアップレベルSPまでのPID
等の自動制御中、タンディッシュ内溶鋼レベルに左右さ
れるノズル閉塞を防止することができ、スタートアップ
まで安定した湯面の立ち上がりを行うことができる。
【0046】(3) 鋳型への注入開始後、連続鋳造の溶鋼
レベル制御のオーソドックスなPID制御へ移行させる
ため、高価な演算システムを必要とせず、比較的安価な
演算システムにより、複数ストランドにおけるオートス
タートを安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る湯面レベル制御を行うための連
続鋳造設備の一例であり、(a)は全体概略図、(b)
は部分概略図である。
【図2】この発明に係る鋳型内における湯面レベルの経
時変化と、スライディングノズル装置のノズル開度変化
を示すグラフである。
【図3】測定区間下限レベルLLを変更した場合のスラ
イディングノズル開孔からLLまでの時間を、タンディ
ッシュ内溶鋼レベルを変えて示したグラフである。
【図4】ツイン鋳造時のオートスタート成功率をリミッ
ターの有無で比較したグラフである。
【図5】鋳込みトップよりの距離に対する鋳片表面ピン
ホール個数を、スタートアップ下限レベルL0 を変えて
示したグラフである。
【図6】従来の湯面レベル制御であり、(a)はその連
続鋳造設備を示す概略図、(b)はその制御を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…鋳型 2…タンディッシュ 3…スライディングノズル装置(流量調整ノズル装置) 4…浸漬ノズル 5…ロードセル 6…湯面レベルセンサー 7…演算器 8…サーボアンプ 9…SN開度検出器内蔵型油圧シリンダ 10…ダミーバー 11…鋳片 12…ピンチロール(引抜装置) 13…モータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−180353(JP,A) 特開 昭62−183952(JP,A) 特開 昭62−183951(JP,A) 特開 昭62−101359(JP,A) 特開 昭61−273246(JP,A) 特開 平8−19844(JP,A) 特開 平7−328755(JP,A) 特開 昭63−212056(JP,A) 特開 昭63−212055(JP,A) 特開 昭63−171257(JP,A) 特開 昭56−68570(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/18 B22D 11/00 B22D 11/08 B22D 11/16 104

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数ストランドの各鋳型内に共通のタン
    ディッシュから流量調整ノズル装置を介して溶鋼を注入
    し、形成された各鋳片を引抜装置により同一速度で引き
    抜く連続鋳造において、溶鋼の鋳型への給湯開始から鋳
    片引抜開始までの鋳型内湯面レベルを制御するに際し、 取鍋から注入されるタンディッシュ内の溶鋼重量が一定
    値に達すると、各鋳型に対して配置された流量調整ノズ
    ル装置のノズルを同時に開孔し、各鋳型内の溶鋼湯面レ
    ベルが湯面測定区間の最下限レベルLLに到達すると、
    実湯面上昇速度を検出し、予め設定された湯面上昇速度
    と前記実湯面上昇速度とが一致するように自動制御を行
    うと共に、各流量調整ノズル装置のノズル開度にリミッ
    ターcを設定して前記自動制御中にノズル開度が前記リ
    ミッターcを超えて閉じないようにし、各鋳型内の溶鋼
    湯面レベルがスタートアップ時の下限レベルL0 とスタ
    ートアップセットレベルSPの間に入ると、各ダミーバ
    ーまたは各鋳片を引抜装置で引き抜くことを特徴とする
    複数鋳型を有する連続鋳造のスタートアップ時の湯面レ
    ベル制御方法。
  2. 【請求項2】 湯面測定区間の最下限レベルLLの範囲
    を、鋳型内底面レベル0から湯面測定区間の最上限レベ
    ルHHまでの距離に対して0%≦LL≦30%としたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複数鋳型を有する連続
    鋳造のスタートアップ時の湯面レベル制御方法。
  3. 【請求項3】 各流量調整ノズル装置におけるノズル開
    度のリミッターcの範囲を、ノズル開度全開に対して4
    5%≦c≦60%としたことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の複数鋳型を有する連続鋳造のスター
    トアップ時の湯面レベル制御方法。
  4. 【請求項4】 スタートアップ時の下限レベルL0 の範
    囲を、鋳型内底面レベル0から湯面測定区間の最上限レ
    ベルHHまでの距離に対して50%≦L0 で、かつL0
    ≦SPとしたことを特徴とする請求項1,請求項2また
    は請求項3に記載の複数鋳型を有する連続鋳造のスター
    トアップ時の湯面レベル制御方法。
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