JPH09122863A - 薄鋳片の連続鋳造機における鋳造初期湯面レベル制御方法 - Google Patents

薄鋳片の連続鋳造機における鋳造初期湯面レベル制御方法

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JPH09122863A
JPH09122863A JP30225995A JP30225995A JPH09122863A JP H09122863 A JPH09122863 A JP H09122863A JP 30225995 A JP30225995 A JP 30225995A JP 30225995 A JP30225995 A JP 30225995A JP H09122863 A JPH09122863 A JP H09122863A
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JP
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level
molten metal
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molten steel
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JP30225995A
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Inventor
Akira Sunakawa
晃 砂川
Atsuhiro Tokuda
篤洋 徳田
Kagetsugu Mori
景続 森
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄鋼片の連続鋳造機における鋳造開始時に、
スタート状況に応じて湯面レベルの制御パターンを適正
なパターンにすることにより、オーバーシュートによる
ブレークアウト発生を抑制し、安定した鋳造を行う。 【解決手段】 予め、薄鋳片の湯面上昇パターンを3区
分し、その各パターンに応じた鋳造制御方法を決めてお
き、今回の薄鋳片の鋳造スタート時の湯面上昇パターン
を検知し、予め区分しているパターンのいずれに該当す
るかを判断し、その該当するパターンに応じた鋳造制御
を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】薄鋳片連続鋳造機での鋳造初
期において、鋳型内の湯面レベルの急上昇および注入ノ
ズル(以下単にノズルと称す)詰まり等のトラブルを防
止し、安定した鋳造スタートを行うための制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より薄鋳片の連続鋳造方法は省エネ
ルギーおよび省コストの面から注目され、開発が活発に
進められている。これは従来の熱間圧延の簡省略を可能
として、連続鋳造工程が圧延工程と直結され、これまで
にない最も理想的な鋼板製造プロセスが実現されること
になるためである。
【0003】通常、この薄鋳片の連続鋳造法において
は、溶鋼を転炉より取鍋に収容して連続鋳造機まで搬送
して、中間容器であるタンディッシュに一時貯留し、こ
こから連続鋳造鋳型に注湯している。この鋳型は長辺側
を一対の対向する無端ベルトによって形成し、短辺側を
ダムブロックからなるサイドダム装置が周回運動をなし
鋳型空間として偏平鋳型(以下鋳型と称す)を形成して
いる。
【0004】この連続鋳造機では鋳造を開始するにあた
り、鋳型内にダミーバーヘッドを装入し、タンディッシ
ュから開度調整機構を備えたノズルを介してこの鋳型内
に溶鋼の注入が開始される。そして鋳型に注入された溶
鋼は、鋳型壁に接することにより冷却され凝固殻(以下
シェルと称す)が順次生成され、前記シェルが所定厚み
になると共に、湯面レベルが予め設定したレベルに達す
ると、ダミーバーの引き抜きを開始する。
【0005】この溶鋼注入開始からダミーバー引き抜き
開始までの間の時間(以下保持時間と称す)が少なすぎ
るとシェルの生成が不十分となりシェルが破断するブレ
ークアウトが発生し鋳造不可能となる。このことから保
持時間を適正に確保することを目的に鋳型内における湯
面レベルの所定上昇パターンを作り、このパターンに従
って上昇するように前記ノズルに設けた開度調整機構を
PID制御することが一般的である。
【0006】すなわち、注入した溶鋼の湯面レベルが所
定の上昇パターンになるように注湯し、所定の一定レベ
ルに到達したら、前記ノズルに設けた開度調整機構を経
験から求められた一定開度に絞り、そこから目標レベル
に追従するようにPID制御を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが薄鋳片連続鋳
造機は、 鋳型の断面積が非常に狭い。 ノズル断面積が小さい(従来のスラブ連鋳機の1/3
〜1/10)ため、初期からノズルの溶鋼吐出量を少な
くすると、ノズル内の溶鋼が冷却されてノズル詰まりが
発生し易く、また、ノズル内の溶鋼流速が遅くとも同様
ノズル詰まりを引き起こし易い。このようなことから、
鋳造開始時のノズル内の一定の溶鋼流速を確保するため
には、引き抜き速度は従来のスラブ連鋳機の5〜10倍
の高速度で行わざる得ない。
【0008】こののような原因から鋳型内の溶鋼レ
ベルの変動は非常に敏感であり、特に鋳造初期の湯面レ
ベル制御ではオーバーシュートし易く、これが発生する
と前記ノズルの非浸漬部分に溶鋼(以下地金という)が
付着して冷え固まり、湯面の波立ちにより溶鋼がまた付
着固化した地金に付着することにより地金が成長してい
き、ついには鋳型を形成する無端ベルトに接触して無端
ベルトが破断し鋳造不可能となる。また注湯初期スター
ト時はノズルに詰まりが発生し易くその詰まりによって
湯面上昇パターンは変わってくるため、毎回同じ制御方
法で行うのは困難であり、湯面の上昇パターンを検知し
て、それぞれのパターンに応じた制御方法が必要とな
り、その制御は非常に複雑なものである。
【0009】本発明は薄鋼片の連続鋳造機における鋳造
開始時に、スタート状況に応じて湯面レベルの制御パタ
ーンを適正なパターンにすることにより、オーバーシュ
ートによるブレークアウト発生を抑制し、安定した鋳造
を行うことを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、その手段1は、薄鋳片を鋳造するベ
ルト式連続鋳造機の鋳型内に開度調整機構を備えた注入
ノズルを介してタンディッシュ内の溶鋼を注入し、その
鋳型内の溶鋼の湯面レベルをレベル検出器で測定し、こ
の測定湯面レベルを基に前記開度調整機構を制御するこ
とにより前記注入ノズルから注入する溶鋼量を調整して
目標レベルに該湯面を制御する方法において、前記鋳型
への溶鋼注入開始から前記湯面レベルが前記目標レベル
に達するまでの鋳造初期で該湯面レベルを制御するに際
し、前記レベル検出器で検出可能な前記鋳型内の湯面レ
ベル範囲内で、制御可能な最低レベルを制御開始レベル
として設定すると共に該制御開始レベルより高く、定常
操業状態の前記目標レベルより低い位置にスタート時の
目標レベルを初期目標レベルとして設定し、さらに、鋳
造鋳片の引抜速度が順次増加して目標引抜速度に到達す
る時間を制御開始時間とし、前記ノズルから注入する溶
鋼が所定吐出流量とならず、設備保護上の限界時間を強
制制御開始時間として設定し、(1)前記測定湯面レベ
ルが鋳造を開始して前記制御開始時間到達以前に前記初
期目標レベルに達した場合は、この到達した時点以後は
制御目標レベルを順次上昇して前記鋳型内の湯面レベル
を前記定常操業状態の目標レベルまで上昇させ、(2)
注入時間が前記制御開始時間に到達した時点に前記測定
湯面レベルが前記制御開始レベルから初期目標レベルの
範囲内の場合には該注入時間が制御開始時間に到達した
時、また、制御開始時間から強制制御時間到達以前の期
間で測定湯面レベルが前記制御開始レベルに到達した場
合にはその到達した時点に、前記初期目標レベルを低下
して測定湯面レベルと一致させた後、再び、制御目標レ
ベルをランプ状に上昇して湯面レベルを元の初期目標レ
ベルまで上昇させ、さらに、その後は上記(1)と同様
に湯面レベルを前記定常操業状態の目標レベルまで上昇
させ、(3)注入時間が強制制御開始時間になった時点
に測定湯面レベルが上記制御開始レベルに達していない
場合には、該強制制御開始時間になった時点で、前記開
度調整機構を調整して前記ノズルから鋳型への溶鋼供給
を停止させることを特徴とする薄鋳片の連続鋳造機にお
ける鋳造初期湯面レベル制御方法。また手段2は、請求
項1記載中の(2)において、湯面レベルをランプ状に
上昇させる際の上昇湯面レベルの勾配を前記初期ノズル
開度に見合う薄鋳片の引抜速度と前記制御開始時の薄鋳
片引抜速度に相当する湯面降下速度の差とすることを特
徴とする請求項1記載の薄鋳片の連続鋳造機における鋳
造初期湯面レベル制御方法にある。
【0011】
【作用】本発明の作用について以下に説明する。薄鋳片
の鋳造初期においては、ノズル10内に付着物が付き易
く、この付着物の付具合によっては薄鋳片の鋳造スター
ト時の湯面上昇パターンが変わってくるため、毎回同じ
制御方法で行うのは困難である。このため、湯面の上昇
パターンを検知してそれぞれのパターンに応じた制御方
法が必要である。
【0012】そこで図3のように(1)湯面レベル検出
器5A,5Bで検出可能なレベル範囲内で制御可能な最
低レベルを制御開始レベルL1とし、(2)湯面レベル
が定常操業時における目標レベルLrからオーバーシュ
ートしないようなスタート時の目標レベルを初期目標レ
ベルLhとし、(3)薄鋳片引抜開始後、引抜速度(図
4〜図7に示すように漸次増加する)が目標引抜速度に
到達する時間を制御開始時間Twとし、(4)注入系の
異常により一定吐出流量が得られず設備保護(ノズルか
ら流出する溶鋼が偏流して無端ベルトに直接当たって該
無端ベルトの溶断、ノズル内の溶鋼圧が異常に上昇して
ノズルが破裂する設備トラブルを防止するための保護)
のための限界時間を強制制御開始時間Tfとする。
【0013】そして、鋳造開始して上記制御開始時間
Tw到達以前に測定湯面レベルLが初期目標レベルLh
に達した場合:ノズル10内に付着物が殆ど付着してい
ないため、溶鋼2は勢い良く該ノズル10より吐出して
定常操業時の目標レベルLrをオーバーシュートしてハ
ンチングの原因となる。これを避けるため、この時点で
の薄鋳片の引抜速度に対応する湯面レベルの降下速度と
略同一の湯面レベル上昇速度を得ることのできる注入量
とした後、徐々に制御目標レベルを上げることにより鋳
型内の湯面レベルを定常操業時の目標レベルLrに徐々
に一致させ、その一致した時点後に定常操業時の制御、
すなわち、該目標レベルLrを維持するようにノズル1
0からの溶鋼の注入量を制御するレベル維持制御に移行
する。これにより湯面レベルが初期目標レベルLhから
目標レベルLrに徐々に達することから前記オーバーシ
ュートの発生を防止することができる(図4)。
【0014】鋳造開始してから上記制御開始時間Tw
到達した時に、鋳型4内溶鋼の湯面レベルが制御開始レ
ベルL1から初期目標レベルLhの範囲内にある場合、
または、制御開始時間Twから強制制御時間Tfの範囲
で制御開始レベルL1に湯面レベルが到達した場合:ノ
ズル10内に付着物が多量に付いて該ノズル10が詰ま
りかかっているため、この時点で初期目標レベルLhを
そのままの状態で湯面レベル制御を行えば、制御目標レ
ベルと鋳型内の湯面レベルの差が大きくなることからノ
ズル10の開度調整機構3が大きく開くことになる。こ
の状態で該ノズル10の付着物が剥離して、ノズル詰ま
りが解消したときに、多量の溶鋼がノズル10より鋳型
4内に供給されることになり前記のようにオーバーシュ
ートを発生することがある。
【0015】そこで、その時点(制御開始時間Tw到達
した時点または湯面レベルが制御開始レベルL1に到達
した時点)で初期目標レベルを低下して、その時点の湯
面レベルと一致させた後、再び、予め設定したランプ状
制御目標値でもよいが、好ましくは、初期ノズル開度
(全開時の50〜60%)に見合う薄鋳片の引抜速度
と、制御開始時間Twの時の薄鋳片の引抜速度の差に相
当する鋳型内湯面レベル差をレベル勾配とするランプ状
の制御目標値に従って、鋳型4内の湯面レベルを定常操
業時の目標レベルLrまで上昇させる。これにより制御
目標レベルと鋳型4内溶鋼の湯面レベルの差をなるべく
小さくして、ノズル10の開度が大きくなることを防止
しながら定常操業時の目標レベルLrまでに上昇させる
ことによって、ノズル10内付着物剥離時のオーバーシ
ュートを防止する(図5、図6)。
【0016】強制制御開始時間Tfになっても測定湯
面レベルLが制御開始レベルL1に到達していない場
合:ノズル10が詰まっているため目標レベルLrに湯
面レベルが追従することが困難であり、このままである
と前記設備トラブルにいたることから、強制制御開始時
間Tfになった時点でノズル10を全閉してノズル10
からの鋳型4内への溶鋼の注入を中止する(図7)。こ
のように初期湯面上昇パターンを分類して、それぞれに
応じて開度調節機構3を制御してノズル10からの注入
量を調整することによって、薄鋳片の連続鋳造を安定し
て行うものである。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図7を参照して説
明する。図1において、タンディッシュ1内の溶鋼2
は、対向する1対の無端ベルト4aとダムブロック(図
示せず)からなる1対のサイドタム装置によって長辺お
よび短辺を形成した鋳型4内にノズル10を介して注入
される。そして、このタンディッシュ1の下部に取り付
けられたノズル10の開度調節機構3を調整することで
ノズル10で注入する溶鋼2の流量が制御される。
【0018】鋳型4内の湯面レベルは送信コイル5A、
受信コイル5B、湯面レベル判定部6よりなる透過磁束
式の溶鋼レベル計で測定している。これは鋳型4を左右
もしくは前後から挟む形で送信コイル5Aと受信コイル
5Bの1対を対向させ、かつ高さ方向に複数対並べて設
置している。送信コイル5Aに交番電圧L0 を印加する
と共に、送信コイル5Aより発生して溶鋼2および鋳型
4を順次透過した交番磁束によって受信コイル5Bに誘
起した電圧を湯面レベル判定部6で検出して、その電圧
値を湯面レベルとするものである。
【0019】演算部8は、湯面レベル判定部6からの湯
面レベル検出値Lと制御目標レベルL0 を比較し、その
偏差値ΔLを演算するものである。この演算部8には鋳
型4内の管理目標レベル、すなわち、設定器Sより定常
操業時の目標レベル、制御開始レベルL1(湯面レベル
検出器6で検出可能なレベル範囲内で、制御可能な最低
レベル)、初期目標レベルLh(湯面レベルが定常操業
目標レベルLrよりオーバーシュートしないようなスタ
ート時の目標レベル)を入力し、さらには、鋳造管理時
間、すなわち、制御開始時間Tw(鋳片引抜速度が目標
引抜速度に到達する時間)、強制制御開始時間Tf(注
入系の異常により一定吐出流量が得られず設備保護のた
めの限界時間)を各々入力している。
【0020】ノズル開度調節演算部9は前記演算部8で
演算した偏差値ΔLを入力し、この偏差値ΔLがなくな
るように、ノズル10に設けた開度調節機構3の開度調
節量Kを求めるものである。駆動制御装置7はノズル開
度調節演算部9からの開度調節量Kに基づき、開度調節
機構3を調整してノズル10からの溶鋼吐出流量を制御
することで、鋳型4内の湯面レベル制御を行うものであ
る。また、前記鋳造スタート時の鋳片引抜速度は溶鋼吐
出量不足によるノズル10内詰まりを防止するため、図
2に示す整流下限流量Yに相当する鋳造速度が得られる
ように設定する。
【0021】次に、この制御動作について説明する。ま
ず、鋳造開始信号Tsが入力すると演算部8は、湯面レ
ベル判定部6から湯面レベルLを取込むと共に時間のカ
ウントを開始する。そして、この湯面レベルLと設定部
Sから予め入力している前記制御開始レベルL1、初期
目標レベルLh、制御開始時間Tw、強制制御開始時間
Tfと比較し、下記(1)〜(4)のいずれに該当する
かを判断する。
【0022】(1)注入開始信号Tsが入力(ノズル1
0から鋳型4内に溶鋼を注入開始)した後、湯面レベル
Lが制御開始時間Tw内に初期目標レベルLhに達した
ケース(図3中、ケース)。 (2)ノズル10から鋳型4内に溶鋼を注入開始した
後、湯面レベルLが制御開始時間Tw内に制御開始レベ
ルL1を越えたが初期目標レベルLhに達していないケ
ース(図3中、ケース)。 (3)ノズル10から鋳型4内に溶鋼を注入開始した
後、湯面レベルLが制御開始時間Twを越え、強制制御
開始時間Tf以前に制御開始レベルL1に達したケース
(図3中、ケース)。 (4)ノズル10から鋳型4内に溶鋼を注入開始した
後、湯面レベルLが強制制御開始時間Tfになっても制
御開始レベルL1に達しない(図3中、ケース)。こ
の(1)〜(4)の判断結果に従って、下記(イ)〜
(ハ)の制御を行う。
【0023】(イ)上記(1)と判断した場合:前記演
算部8で前記湯面レベルLが初期目標レベルLhに達し
た時点で、薄鋳片引抜速度検出部11で測定した薄鋳片
引抜速度Vを読取り、この引抜速度Vに対応する鋳型4
内の湯面レベル降下速度を求め、さらに、この速度と略
同等の湯面上昇速度になる溶鋼供給量を求め、この溶鋼
供給量となる開度調節機構3の開度調節量Kaを求めて
駆動制御装置7に入力する。
【0024】これにより、駆動制御装置7は動作しノズ
ル10から鋳型4内に注入される溶鋼量は一旦低減す
る。その後、制御目標レベルを定常操業時の目標レベル
Lrとして、その目標レベルLrと湯面レベル判定部6
からの湯面レベルLを比較し、偏差値ΔLを求めてノズ
ル開度調節演算部9に出力する。そして、前記同様にノ
ズル開度調節演算部9、駆動制御装置7を介して開度調
節機構3を調整してノズル10からの溶鋼吐出流量を制
御する。これにより、ノズル10から鋳型4内に注入さ
れる溶鋼2の量は徐々に上昇して、定常操業目標レベル
Lrに達する。その後は定常操業時のレベル維持制御に
移行する。このように制御することにより初期の必要溶
鋼吐出流量を確保したままオーバーシュートを防止しつ
つ定常操業時のレベル維持制御に移行することができ
る。
【0025】(ロ)上記(2)(3)と判断した場合:
上記(2)において制御開始時間Twに達した時点、ま
たは、上記(3)において制御開始レベルL1に達した
時点に、演算部8において、レベル設定器Sからの初期
目標レベルLhを湯面レベル判定部6からの湯面レベル
検出値Lと一致させ、前記初期ノズル開度に見合う引抜
速度(初期ノズル開度状態でノズル10から鋳型4内に
注入される溶鋼量と薄鋳片引抜により鋳型4内から減少
する溶鋼量が略一致する薄鋳片引抜速度)と、制御開始
時間Twにおける薄鋳片引抜速度V(前記薄鋳片引抜速
度検出部11で測定した薄鋳片引抜速度)の差を求め、
これをレベル勾配とし、この間をランプ状に初期目標レ
ベルLhまで上昇する制御目標レベルを作成して、この
作成したランプ状制御目標レベルに従って駆動制御装置
7を制御して前記同様に開度調節機構3を調整する。
【0026】そして、湯面レベル判定部6からの湯面レ
ベル検出値Lが、初期目標レベルLhに達すると制御目
標レベルを徐々に上昇し、前記(イ)と同様にノズル1
0からの溶鋼量を調整して、定常操業目標レベルLrに
なるまで鋳型4内の湯面レベルを上昇させた後、前記
(イ)と同様に定常操業時のレベル維持制御に移行す
る。これによりノズル10内に付着した付着物が注入中
に剥離したときでも、溶鋼が鋳型4よりオーバーシュー
トすることを防止することができる。
【0027】(ハ)上記(4)と判断した場合:ノズル
10が付着物により詰まっているため、制御目標レベル
に鋳型4内の湯面レベルが追従することが困難であるこ
とから、鋳造時間が強制制御開始時間Tfになった時点
で、演算部8はノズル10の全閉信号を開度調節機構3
に出力して鋳造を中止する。なお、前記(ロ)における
制御目標レベルを初期ノズル開度に見合う引抜速度と、
制御開始時間Twにおける薄鋳片引抜速度Vの差をレベ
ル勾配としたのは、制御目標レベルを急激に上昇させて
オーバーシュートすることを防止するためである。
【0028】図4は前記(イ)で鋳造した例であり、鋳
造時間が制御開始時間Twに達するまでに湯面が初期目
標レベルLhを越えたため、その時点で薄鋳片の引抜速
度Vに対応するノズル開度(SN開度)に一旦絞り、そ
の後、制御目標レベルを徐々に上昇する自動制御に移行
している。このように湯面レベルLが初期目標レベルL
hに達する前に、薄鋳片の引抜速度に見合うノズル10
からの溶鋼供給量にすることにより、湯面の急激な上昇
を避け、オーバーシュートを大幅に減少させることがで
きた。
【0029】図5は前記(ロ)で鋳造した例で、鋳造時
間が制御開始時間Twに湯面レベルLが初期目標レベル
Lh以下で、しかも、制御開始レベルL1以上であった
ので、初期目標レベルLhを制御開始時間Twにおける
湯面レベルにあわせて、制御目標レベル値をランプ状に
当初の初期目標レベルLhまで上昇させている。このと
き制御目標レベルの勾配は初期ノズル開度に見合う引抜
速度と、制御開始時間Twにおける薄鋳片の引抜速度V
の差を制御目標レベルの勾配とし、さらに、その勾配に
従って開度調節機構3によりノズル10の開度をステッ
プ状に制御し、鋳型4内の湯面レベルを調整する。この
とき、制御目標レベルを一度制御開始時間での湯面レベ
ルに下げ、それから徐々に湯面レベルLを初期目標レベ
ルLhまで上昇することにより、ノズル10の開度が急
激に開放することを防ぐことが可能となり湯面レベルの
急上昇を回避し、オーバーシュートを抑えることができ
る。
【0030】図6は前記(ロ)で鋳造した例で、鋳造時
間が制御開始時間Twから強制制御時間Tf内で制御開
始レベルL1に湯面レベルLが到達したので、該湯面レ
ベルLが制御開始レベルL1に達した時点で、制御目標
レベルを上記図5で記載したランプ状にして初期目標レ
ベルLhまで上昇させ、さらに、レベル勾配も上記同様
に初期ノズル開度に見合う薄鋳片引抜速度Vと制御開始
レベルL1における実績引抜速度の差にする。
【0031】図7は前記(ハ)で鋳造を開始した例で、
殆どがノズル10内に付着物で詰まっており、溶鋼吐出
流量が正規の値に回復する可能性は少ないため、強制制
御開始時間Tfになった時点で、開度調整機構3を全閉
にしてノズル10からの溶鋼供給を停止して鋳造を停止
する。このように鋳造初期の湯面上昇パターンを検知
し、制御方法を変えることにより湯面のオーバーシュー
トを低減し、安定操業を可能とすることができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明を用いることによ
り、薄鋼片の連続鋳造機における鋳造開始時に、スター
ト状況に応じて湯面レベルの制御パターンを変えること
により安定した鋳造初期湯面レベル制御方法を提供する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための制御装置の一例を
示すブロック図
【図2】本発明方法でのノズルの初期開度を求めるため
のノズル開度−溶鋼流量特性グラフ
【図3】本発明方法の制御パターンのグラフ
【図4】本発明方法による鋳造初期の湯面レベル制御例
を示すグラフ
【図5】本発明方法による鋳造初期の湯面レベル制御例
を示すグラフ
【図6】本発明方法による鋳造初期の湯面レベル制御例
を示すグラフ
【図7】本発明方法による鋳造初期の湯面レベル制御例
を示すグラフ
【符号の説明】
1 タンディッシュ 2 溶鋼 3 ノズルの開度調節機構 4 鋳型 5A 送信センサー 5B 受信センサー 6 溶鋼レベル計 7 駆動制御装置 8 演算制御装置 9 ノズル開度調節演算部 10 ノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄鋳片を鋳造するベルト式連続鋳造機の
    鋳型内に開度調整機構を備えた注入ノズルを介してタン
    ディッシュ内の溶鋼を注入し、その鋳型内の溶鋼の湯面
    レベルをレベル検出器で測定し、この測定湯面レベルを
    基に前記開度調整機構を制御することにより前記注入ノ
    ズルから注入する溶鋼量を調整して目標レベルに該湯面
    を制御する方法において、前記鋳型への溶鋼注入開始か
    ら前記湯面レベルが前記目標レベルに達するまでの鋳造
    初期で該湯面レベルを制御するに際し、前記レベル検出
    器で検出可能な前記鋳型内の湯面レベル範囲内で、制御
    可能な最低レベルを制御開始レベルとして設定すると共
    に該制御開始レベルより高く、定常操業状態の前記目標
    レベルより低い位置にスタート時の目標レベルを初期目
    標レベルとして設定し、さらに、鋳造鋳片の引抜速度が
    順次増加して目標引抜速度に到達する時間を制御開始時
    間とし、前記ノズルから注入する溶鋼が所定吐出流量と
    ならず、設備保護上の限界時間を強制制御開始時間とし
    て設定し、(1)前記測定湯面レベルが鋳造を開始して
    前記制御開始時間到達以前に前記初期目標レベルに達し
    た場合は、この到達した時点以後は制御目標レベルを順
    次上昇して前記鋳型内の湯面レベルを前記定常操業状態
    の目標レベルまで上昇させ、(2)注入時間が前記制御
    開始時間に到達した時点に前記測定湯面レベルが前記制
    御開始レベルから初期目標レベルの範囲内の場合には該
    注入時間が制御開始時間に到達した時、また、制御開始
    時間から強制制御時間到達以前の期間で測定湯面レベル
    が前記制御開始レベルに到達した場合にはその到達した
    時点に、前記初期目標レベルを低下して測定湯面レベル
    と一致させた後、再び、制御目標レベルをランプ状に上
    昇して湯面レベルを元の初期目標レベルまで上昇させ、
    さらに、その後は上記(1)と同様に湯面レベルを前記
    定常操業状態の目標レベルまで上昇させ、(3)注入時
    間が強制制御開始時間になった時点に測定湯面レベルが
    上記制御開始レベルに達していない場合には、該強制制
    御開始時間になった時点で、前記開度調整機構を調整し
    て前記ノズルから鋳型への溶鋼供給を停止させることを
    特徴とする薄鋳片の連続鋳造機における鋳造初期湯面レ
    ベル制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載中の(2)において、湯面
    レベルをランプ状に上昇させる際の上昇湯面レベルの勾
    配を前記初期ノズル開度に見合う薄鋳片の引抜速度と前
    記制御開始時の薄鋳片引抜速度に相当する湯面降下速度
    の差とすることを特徴とする請求項1記載の薄鋳片の連
    続鋳造機における鋳造初期湯面レベル制御方法。
JP30225995A 1995-10-27 1995-10-27 薄鋳片の連続鋳造機における鋳造初期湯面レベル制御方法 Withdrawn JPH09122863A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000135550A (ja) * 1998-10-29 2000-05-16 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造の湯面レベル制御方法

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