JPH05245608A - 連続鋳造におけるストッパー制御方法 - Google Patents
連続鋳造におけるストッパー制御方法Info
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- JPH05245608A JPH05245608A JP4653892A JP4653892A JPH05245608A JP H05245608 A JPH05245608 A JP H05245608A JP 4653892 A JP4653892 A JP 4653892A JP 4653892 A JP4653892 A JP 4653892A JP H05245608 A JPH05245608 A JP H05245608A
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- stopper
- molten steel
- nozzle
- opening
- clogging
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 連鋳機のピンチロール始動時のストッパー制
御において、ノズル部の詰まりを解消する制御方法を提
供する。 【構成】 連鋳機のピンチロール始動と同時にノズル詰
まり発生限界開度より大きな開度と小さな開度にストッ
パーを急変させることにより、ノズル周囲の付着物を破
断し、成形した後に連続的な溶鋼注入を行う。ピンチロ
ール始動後溶鋼レベル低下をきっかけとしてストッパー
を断続開閉することにより、ノズル部の詰まりを解消
し、溶鋼の安定注入を可能とする。
御において、ノズル部の詰まりを解消する制御方法を提
供する。 【構成】 連鋳機のピンチロール始動と同時にノズル詰
まり発生限界開度より大きな開度と小さな開度にストッ
パーを急変させることにより、ノズル周囲の付着物を破
断し、成形した後に連続的な溶鋼注入を行う。ピンチロ
ール始動後溶鋼レベル低下をきっかけとしてストッパー
を断続開閉することにより、ノズル部の詰まりを解消
し、溶鋼の安定注入を可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連鋳機鋳込み初期のス
トッパーによる溶鋼注入を安定化するための、連鋳機に
おけるピンチロール始動時及び始動後のストッパー制御
方法に関するものである。
トッパーによる溶鋼注入を安定化するための、連鋳機に
おけるピンチロール始動時及び始動後のストッパー制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】連鋳機における鋳込み開始時には、タンデ
ィッシュ内に滞留した溶鋼をノズルを介して鋳型に注入
し、鋳型内溶鋼レベルの上昇を溶鋼レベル計で測定し、
鋳型内溶鋼レベルが所定のレベルに達した時点でピンチ
ロールを始動して、鋳型内溶鋼の表面が凝固してできた
鋳片を引き抜く。
ィッシュ内に滞留した溶鋼をノズルを介して鋳型に注入
し、鋳型内溶鋼レベルの上昇を溶鋼レベル計で測定し、
鋳型内溶鋼レベルが所定のレベルに達した時点でピンチ
ロールを始動して、鋳型内溶鋼の表面が凝固してできた
鋳片を引き抜く。
【0003】近年、連鋳機においては鋳込み開始の自動
化が進められ、タンディッシュの開孔からピンチロール
の始動そして、定常の連続鋳造に移行するまでの鋳型内
溶鋼レベル制御を全自動で実施すること(以下、オート
スタートと称する)が可能になっている。
化が進められ、タンディッシュの開孔からピンチロール
の始動そして、定常の連続鋳造に移行するまでの鋳型内
溶鋼レベル制御を全自動で実施すること(以下、オート
スタートと称する)が可能になっている。
【0004】鋳型への注入湯量の操作端としては、一般
的にストッパーあるいはスライディングノズルが用いら
れている。ストッパーはスライドプレートを有するスラ
イディングノズルに比べ、耐火物コストが安価であり、
溶鋼に対して外気を完全にシールできる利点がある。一
方、低開度の絞り注入を実施すると、ノズルとストッパ
ーの嵌合部周囲(以下、ノズル部と称する)で溶鋼が冷
やされ、地金やAL2O3,Si系の化合物等が付着しストッ
パー流量特性が常に変化し、極端な場合にはノズル部が
詰まってしまうといった欠点がある。従って、低開度の
絞り注入制御を必要とする小断面鋳型でのオートスター
トでは、ピンチロール始動前、及びピンチロール始動直
後の低速鋳造速度域におけるノズル部での詰まりが問題
となり、ストッパーを実際に採用している例は極僅かで
ある。
的にストッパーあるいはスライディングノズルが用いら
れている。ストッパーはスライドプレートを有するスラ
イディングノズルに比べ、耐火物コストが安価であり、
溶鋼に対して外気を完全にシールできる利点がある。一
方、低開度の絞り注入を実施すると、ノズルとストッパ
ーの嵌合部周囲(以下、ノズル部と称する)で溶鋼が冷
やされ、地金やAL2O3,Si系の化合物等が付着しストッ
パー流量特性が常に変化し、極端な場合にはノズル部が
詰まってしまうといった欠点がある。従って、低開度の
絞り注入制御を必要とする小断面鋳型でのオートスター
トでは、ピンチロール始動前、及びピンチロール始動直
後の低速鋳造速度域におけるノズル部での詰まりが問題
となり、ストッパーを実際に採用している例は極僅かで
ある。
【0005】ノズル部での詰まりを防止しストッパーに
よる溶鋼注入を安定化する従来技術としては、ピンチロ
ール始動前の制御方法が特開平2−220751号公報
(以下、従来法Iと称する)で開示されており、またピ
ンチロール始動後の定常制御中における制御方法が特開
昭59−35867号公報(以下、従来法IIと称す
る)に開示されている。
よる溶鋼注入を安定化する従来技術としては、ピンチロ
ール始動前の制御方法が特開平2−220751号公報
(以下、従来法Iと称する)で開示されており、またピ
ンチロール始動後の定常制御中における制御方法が特開
昭59−35867号公報(以下、従来法IIと称す
る)に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来法Iでは、急勾配
ストッパーの流量特性を逆に利用し、ノズル部での詰ま
りを防止しつつ低速の溶鋼レベル上昇を実現する方法と
して、ストッパーの断続開閉制御を提案している。この
方法は、オートスタートにおけるピンチロール始動前の
ノズル部での詰まり防止に対しては、非常に有効な手段
である。
ストッパーの流量特性を逆に利用し、ノズル部での詰ま
りを防止しつつ低速の溶鋼レベル上昇を実現する方法と
して、ストッパーの断続開閉制御を提案している。この
方法は、オートスタートにおけるピンチロール始動前の
ノズル部での詰まり防止に対しては、非常に有効な手段
である。
【0007】また、従来法Iではピンチロール始動後に
行われる鋳造速度フィードフォワード制御を安定に機能
させる補償手段として、始動直前にストッパーを一旦全
閉し、注入開始以降のノズル部地金付着やAl2O3 ,Si系
の化合物等の付着によるストッパーのゼロ点変動を検出
し、操縦機アームの撓み量を引き戻し除去する際に同時
にストッパーのゼロ点調整を実施しておく方法が提案さ
れている。この方法については、本発明者が実機に適用
し確認したところ、有効な手段ではあるが、ピンチロー
ル始動と同時にストッパーを全閉位置から連続的に制御
する故にピンチロール始動直後は必然的に低開度の絞り
注入制御となり、鋳造速度フィードフォワード制御だけ
では、解消出来ないノズル部での詰まりが発生するとい
った欠点があった。
行われる鋳造速度フィードフォワード制御を安定に機能
させる補償手段として、始動直前にストッパーを一旦全
閉し、注入開始以降のノズル部地金付着やAl2O3 ,Si系
の化合物等の付着によるストッパーのゼロ点変動を検出
し、操縦機アームの撓み量を引き戻し除去する際に同時
にストッパーのゼロ点調整を実施しておく方法が提案さ
れている。この方法については、本発明者が実機に適用
し確認したところ、有効な手段ではあるが、ピンチロー
ル始動と同時にストッパーを全閉位置から連続的に制御
する故にピンチロール始動直後は必然的に低開度の絞り
注入制御となり、鋳造速度フィードフォワード制御だけ
では、解消出来ないノズル部での詰まりが発生するとい
った欠点があった。
【0008】従来法IIでは、ピンチロール始動後の定
常状態において、ストッパーを定期的に開方向と閉方向
とに夫々短時間の内に適当な振幅で変動させることによ
り溶鋼の供給に衝撃的波動を生ぜしめ、そのショックに
よりノズル部での詰まりを常時小さい内に剥離させる方
法が提案されている。
常状態において、ストッパーを定期的に開方向と閉方向
とに夫々短時間の内に適当な振幅で変動させることによ
り溶鋼の供給に衝撃的波動を生ぜしめ、そのショックに
よりノズル部での詰まりを常時小さい内に剥離させる方
法が提案されている。
【0009】しかし、とりわけピンチロール始動と同時
にストッパーを全閉位置からの連続的な溶鋼レベル信号
のフィードバック制御を行う場合、更には、定常の溶鋼
レベル制御中であっても、従来法IIにおける溶鋼流の
衝撃的波動だけでは、ノズル部での詰まり防止に対する
効果が期待できないといった欠点があった。
にストッパーを全閉位置からの連続的な溶鋼レベル信号
のフィードバック制御を行う場合、更には、定常の溶鋼
レベル制御中であっても、従来法IIにおける溶鋼流の
衝撃的波動だけでは、ノズル部での詰まり防止に対する
効果が期待できないといった欠点があった。
【0010】本発明は、かかる従来法の欠点を解消する
ためになされたものである。
ためになされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピンチロール
始動直後のノズル部での詰まり防止を第1の目的とし、
また、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中における低開度
の絞り注入制御時のノズル部での詰まり防止を第2の目
的とし、ピンチロール始動時及び始動後のストッパー制
御方法を提供するものである。即ち、鋳型内の溶鋼湯面
位置を計測する溶鋼レベル計5と、タンディシュ1から
鋳型4への溶鋼注入量を制御するストッパー8と、鋳片
7を引き抜くピンチロール6が装備されているととも
に、ストッパー8を開閉動作させるシリンダー10の制
御装置11と、ピンチロール6を駆動する鋳造速度制御
装置13を有する連続鋳造機のストッパー制御方法にお
いて、第1番の発明では、鋳込開始後のピンチロール始
動と同時にストッパー8をノズル部の詰まり発生限界開
度より大きい開度まで急峻に一旦開き、引き続いてスト
ッパーを急峻に一旦全閉とすることによりノズル3への
付着物に外力を与えることを特徴とし、第2番の発明で
は、ピンチロール始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制
御中に溶鋼レベルが低下し所定値以下になると、ストッ
パー8をノズル部の詰まり発生限界開度より大きい開度
と全閉で交互に且つ断続的に変動させることによりノズ
ル3への付着物に外力を与えることを特徴とする。
始動直後のノズル部での詰まり防止を第1の目的とし、
また、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中における低開度
の絞り注入制御時のノズル部での詰まり防止を第2の目
的とし、ピンチロール始動時及び始動後のストッパー制
御方法を提供するものである。即ち、鋳型内の溶鋼湯面
位置を計測する溶鋼レベル計5と、タンディシュ1から
鋳型4への溶鋼注入量を制御するストッパー8と、鋳片
7を引き抜くピンチロール6が装備されているととも
に、ストッパー8を開閉動作させるシリンダー10の制
御装置11と、ピンチロール6を駆動する鋳造速度制御
装置13を有する連続鋳造機のストッパー制御方法にお
いて、第1番の発明では、鋳込開始後のピンチロール始
動と同時にストッパー8をノズル部の詰まり発生限界開
度より大きい開度まで急峻に一旦開き、引き続いてスト
ッパーを急峻に一旦全閉とすることによりノズル3への
付着物に外力を与えることを特徴とし、第2番の発明で
は、ピンチロール始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制
御中に溶鋼レベルが低下し所定値以下になると、ストッ
パー8をノズル部の詰まり発生限界開度より大きい開度
と全閉で交互に且つ断続的に変動させることによりノズ
ル3への付着物に外力を与えることを特徴とする。
【0012】
【作用】図2に示すストッパー流量特性において、斜線
でハッチングした範囲が詰まり発生領域であり、XN は
ノズル部の詰まり発生限界開度である。ストッパー開度
と注入量の関係は、ピンチロール始動前に鋳型4に任意
のストッパー開度で注入した時の単位時間当たりの溶鋼
レベル上昇量に鋳型断面積を乗算して求めた実測値であ
る。また、前記詰まり発生領域は、同様にしてピンチロ
ール始動前に鋳型4に任意のストッパー開度に保持して
注入した時に注入量が減少しだす点をノズル部の詰まり
発生限界開度XN として示したものである。ピンチロー
ル始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中には、引抜
き量に見合う注入量が確保されバランスしているので引
抜き量と注入量を縦軸に併記した。
でハッチングした範囲が詰まり発生領域であり、XN は
ノズル部の詰まり発生限界開度である。ストッパー開度
と注入量の関係は、ピンチロール始動前に鋳型4に任意
のストッパー開度で注入した時の単位時間当たりの溶鋼
レベル上昇量に鋳型断面積を乗算して求めた実測値であ
る。また、前記詰まり発生領域は、同様にしてピンチロ
ール始動前に鋳型4に任意のストッパー開度に保持して
注入した時に注入量が減少しだす点をノズル部の詰まり
発生限界開度XN として示したものである。ピンチロー
ル始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中には、引抜
き量に見合う注入量が確保されバランスしているので引
抜き量と注入量を縦軸に併記した。
【0013】上述の通り、詰まり発生限界開度XN はピ
ンチロール始動前に測定したものであるが、ピンチロー
ル始動後においても詰まり発生限界開度XN 以下の開度
で絞り注入すると、やはりノズル部で詰まりが発生する
ことは容易に理解できる。また、本発明者は実機試験で
検証しており、本発明は、その実機試験結果に基づいて
ノズル詰まり発生過程を推定した結果得られたものであ
り、詰まりの発生を防止する方法の原理に着想したもの
である。
ンチロール始動前に測定したものであるが、ピンチロー
ル始動後においても詰まり発生限界開度XN 以下の開度
で絞り注入すると、やはりノズル部で詰まりが発生する
ことは容易に理解できる。また、本発明者は実機試験で
検証しており、本発明は、その実機試験結果に基づいて
ノズル詰まり発生過程を推定した結果得られたものであ
り、詰まりの発生を防止する方法の原理に着想したもの
である。
【0014】以下、図3および図4を用いてノズル詰ま
り発生過程を詳細に説明する。
り発生過程を詳細に説明する。
【0015】図3に従来法Iの適用結果の一例を示す。
図中のTDS(タンディッシュ開孔開始)からPRS
(ピンチロール始動開始)の間のストッパー8の制御状
況は本発明と関係ないので省略しているが、ストッパー
8を制御して溶鋼レベルを所定値まで上昇させ、PRS
直前では全閉となっている。そして、PRSからピンチ
ロール6は始動開始し、所定の昇速パターンに従って鋳
造速度を上昇させる。ストッパー8はPRSと同時に溶
鋼レベル信号をフィードバックした連続制御を開始す
る。連続制御には、定常鋳造に於いて鋳造速度が変化し
たときに溶鋼レベル変動を抑制できる様に鋳造速度のフ
ィードフォワード補償が組み込まれている。この適用結
果では、PRS後に連続制御でストッパー8の開度を開
方向に操作しているにも関わらずに溶鋼レベルは低下し
(図中、仮想レベルの様に)レンジ下限以下に落ち込ん
でいる。その後、ストッパー開度が大きく開いたところ
で、溶鋼レベルが急上昇し、ストッパー開度を閉方向に
操作したが溶鋼レベルの急上昇を抑制できずに鋳型上面
に溶鋼流出するオーバーフローが発生した。
図中のTDS(タンディッシュ開孔開始)からPRS
(ピンチロール始動開始)の間のストッパー8の制御状
況は本発明と関係ないので省略しているが、ストッパー
8を制御して溶鋼レベルを所定値まで上昇させ、PRS
直前では全閉となっている。そして、PRSからピンチ
ロール6は始動開始し、所定の昇速パターンに従って鋳
造速度を上昇させる。ストッパー8はPRSと同時に溶
鋼レベル信号をフィードバックした連続制御を開始す
る。連続制御には、定常鋳造に於いて鋳造速度が変化し
たときに溶鋼レベル変動を抑制できる様に鋳造速度のフ
ィードフォワード補償が組み込まれている。この適用結
果では、PRS後に連続制御でストッパー8の開度を開
方向に操作しているにも関わらずに溶鋼レベルは低下し
(図中、仮想レベルの様に)レンジ下限以下に落ち込ん
でいる。その後、ストッパー開度が大きく開いたところ
で、溶鋼レベルが急上昇し、ストッパー開度を閉方向に
操作したが溶鋼レベルの急上昇を抑制できずに鋳型上面
に溶鋼流出するオーバーフローが発生した。
【0016】上記オーバーフローの原因は、ピンチロー
ル始動後、ストッパー開度がノズル部に於ける詰まり発
生限界開度XN を下回る期間があり、この間にノズル部
での詰まりが発生し、次にストッパー8が大きく開いた
ところで詰まりが剥離し溶鋼流入面積が一気に増大し、
溶鋼が大量に注入され、ストッパー8の閉方向動作で抑
制できない程の溶鋼レベル急上昇が発生したためと考え
られる。
ル始動後、ストッパー開度がノズル部に於ける詰まり発
生限界開度XN を下回る期間があり、この間にノズル部
での詰まりが発生し、次にストッパー8が大きく開いた
ところで詰まりが剥離し溶鋼流入面積が一気に増大し、
溶鋼が大量に注入され、ストッパー8の閉方向動作で抑
制できない程の溶鋼レベル急上昇が発生したためと考え
られる。
【0017】前記オーバーフローの原因となったノズル
部の詰まり発生過程を図4で詳細に説明する。
部の詰まり発生過程を図4で詳細に説明する。
【0018】図4の(a)は、PRS直前のストッパー
全閉状態を示す。ストッパー8及びノズル3の表面には
地金あるいはAl2O3 ,Si系の化合物等の付着物があり、
また、付着物表面のノズル3に近い所には半溶融の疑似
付着物がある。疑似付着物はストッパー8及びノズル3
によって冷却されて凝固し、付着物として堆積するもの
と考えられる。
全閉状態を示す。ストッパー8及びノズル3の表面には
地金あるいはAl2O3 ,Si系の化合物等の付着物があり、
また、付着物表面のノズル3に近い所には半溶融の疑似
付着物がある。疑似付着物はストッパー8及びノズル3
によって冷却されて凝固し、付着物として堆積するもの
と考えられる。
【0019】図4の(b),(c)及び(d)は、PRS
後のストッパー連続制御に於いて、ストッパー8が徐々
に開いて行く過程を示している。(b)は微小開度に於
いて疑似付着物が微量流出した時点を示すが、(a)に
於いてストッパー8とノズル3が嵌合接触していた部分
は付着物が破断し、この隙間に疑似付着物が流れ込む。
(c)は、更にストッパー8が開いた状態を示すが、
(a)に於いてストッパー8とノズル3が嵌合接触して
いた部分を主体に疑似付着物が冷却され、凝固付着し新
付着物となって堆積し始める。
後のストッパー連続制御に於いて、ストッパー8が徐々
に開いて行く過程を示している。(b)は微小開度に於
いて疑似付着物が微量流出した時点を示すが、(a)に
於いてストッパー8とノズル3が嵌合接触していた部分
は付着物が破断し、この隙間に疑似付着物が流れ込む。
(c)は、更にストッパー8が開いた状態を示すが、
(a)に於いてストッパー8とノズル3が嵌合接触して
いた部分を主体に疑似付着物が冷却され、凝固付着し新
付着物となって堆積し始める。
【0020】(b)〜(c)では、新たな溶鋼流入によ
る熱供給がないので、疑似付着物が冷却され、凝固付着
し易い状態が継続するため、ノズル部が完全に詰まった
状態となる。
る熱供給がないので、疑似付着物が冷却され、凝固付着
し易い状態が継続するため、ノズル部が完全に詰まった
状態となる。
【0021】(d)は、更にストッパー8が開いて大き
な開度になった時点を示し、溶鋼静圧によって新付着物
が剥離し、落下し、溶鋼が流入し、更に溶鋼からの熱量
で新付着物が溶解し、溶鋼流入面積が一気に増大し、新
付着物と疑似付着物と溶鋼が大量に流出した状態を示し
ている。
な開度になった時点を示し、溶鋼静圧によって新付着物
が剥離し、落下し、溶鋼が流入し、更に溶鋼からの熱量
で新付着物が溶解し、溶鋼流入面積が一気に増大し、新
付着物と疑似付着物と溶鋼が大量に流出した状態を示し
ている。
【0022】以上図4を用いて図3でオーバーフローの
原因となったノズル部の詰まり発生過程を説明したが、
ノズル部の詰まり発生に到る最大の要因は、ピンチロー
ル始動直後のストッパー開度がノズル部における詰まり
発生限界開度XN を下回る絞り注入期間において、連続
制御によりストッパー8を除々に開いていくと、ノズル
部の微小ストッパー開度に疑似付着物が流入し固着し、
新付着物として成長堆積することにある。
原因となったノズル部の詰まり発生過程を説明したが、
ノズル部の詰まり発生に到る最大の要因は、ピンチロー
ル始動直後のストッパー開度がノズル部における詰まり
発生限界開度XN を下回る絞り注入期間において、連続
制御によりストッパー8を除々に開いていくと、ノズル
部の微小ストッパー開度に疑似付着物が流入し固着し、
新付着物として成長堆積することにある。
【0023】そこで、ノズル部での詰まり防止を図るた
めには、次の手段が考えられる。
めには、次の手段が考えられる。
【0024】第1の手段:ストッパー8をノズル部にお
ける詰まり発生限界開度XN を下回る絞り注入期を短縮
し、疑似付着物がストッパー8及びノズル3によって冷
却されにくくする。
ける詰まり発生限界開度XN を下回る絞り注入期を短縮
し、疑似付着物がストッパー8及びノズル3によって冷
却されにくくする。
【0025】第2の手段:ノズル部の微小ストッパー開
度に疑似付着物が流入し固着したとしても、熱源を供給
して新付着物として成長堆積させず、且つ付着物を剥離
させるとともに残存した付着物を圧縮整形する。
度に疑似付着物が流入し固着したとしても、熱源を供給
して新付着物として成長堆積させず、且つ付着物を剥離
させるとともに残存した付着物を圧縮整形する。
【0026】本発明は、上記2つの手段を両立させる方
法であり、先ず、ストッパー8をピンチロール始動と同
時にノズル部の詰まり発生限界開度XN より大きい開度
まで急峻に一旦開き、引き続いてストッパーを急峻に一
旦全閉とし、ノズルへの付着物を剥離させ、且つ溶鋼流
出を促す形状に整形させた後、ストッパーを開いて鋳型
内湯面を定常レベル制御に移行させるものである。
法であり、先ず、ストッパー8をピンチロール始動と同
時にノズル部の詰まり発生限界開度XN より大きい開度
まで急峻に一旦開き、引き続いてストッパーを急峻に一
旦全閉とし、ノズルへの付着物を剥離させ、且つ溶鋼流
出を促す形状に整形させた後、ストッパーを開いて鋳型
内湯面を定常レベル制御に移行させるものである。
【0027】その作用について、ノズル詰まり防止過程
の概念を示す図5を参照しながら、詳細に説明する。
の概念を示す図5を参照しながら、詳細に説明する。
【0028】図5の(a)は、PRS直前のストッパー
全閉状態を示す。ストッパー8及びノズル3の表面に
は、地金あるいはAl2O3 Si系の化合物等の付着物があ
り、また、付着物表面のノズル3に近い所には半溶融の
疑似付着物がある。疑似付着物はストッパー8及びノズ
ル3によって冷却されて凝固し、付着物として堆積する
ものと考えられる。
全閉状態を示す。ストッパー8及びノズル3の表面に
は、地金あるいはAl2O3 Si系の化合物等の付着物があ
り、また、付着物表面のノズル3に近い所には半溶融の
疑似付着物がある。疑似付着物はストッパー8及びノズ
ル3によって冷却されて凝固し、付着物として堆積する
ものと考えられる。
【0029】高速で操作するストッパー開度と付着物の
変化の過程を図5の(b),(c),(d)に基づいて詳
細に説明する。
変化の過程を図5の(b),(c),(d)に基づいて詳
細に説明する。
【0030】(b)は、ストッパー8をXN より大きな
開度に開いた時点を示すが、(a)の状態に於いてスト
ッパー8とノズル3が嵌合接触していた部分は付着物が
破断し、ストッパー8は高速で短時間に開放位置に達す
るので疑似付着物と溶鋼が微量流出した状態にある。
(c)は、ストッパー8がXN より小さな開度に閉じた
時点を示すが、ストッパー8は高速で短時間に閉位置に
達し疑似付着物を整形した状態にある。(d)は、連続
制御開始前の所定開度に開いた時点を示すが、高速で短
時間に所定開度に達するので疑似付着物の上面を溶鋼が
流出する状態にある。こうして、溶鋼が流出開始する
と、疑似付着物は溶鋼により加熱され凝固成長が防止さ
れる。
開度に開いた時点を示すが、(a)の状態に於いてスト
ッパー8とノズル3が嵌合接触していた部分は付着物が
破断し、ストッパー8は高速で短時間に開放位置に達す
るので疑似付着物と溶鋼が微量流出した状態にある。
(c)は、ストッパー8がXN より小さな開度に閉じた
時点を示すが、ストッパー8は高速で短時間に閉位置に
達し疑似付着物を整形した状態にある。(d)は、連続
制御開始前の所定開度に開いた時点を示すが、高速で短
時間に所定開度に達するので疑似付着物の上面を溶鋼が
流出する状態にある。こうして、溶鋼が流出開始する
と、疑似付着物は溶鋼により加熱され凝固成長が防止さ
れる。
【0031】また、前記連続制御開始前の所定開度をX
N より大きめに設定すれば、連続制御でストッパー8を
閉方向に操作したとしても、XN を下回る絞り注入期の
時間が短くなり、ノズル部での詰まりを防止できる。
N より大きめに設定すれば、連続制御でストッパー8を
閉方向に操作したとしても、XN を下回る絞り注入期の
時間が短くなり、ノズル部での詰まりを防止できる。
【0032】以上、請求項1記載の方法について説明し
たが、この方法を実施しても、なおノズル部での詰まり
を解消できなかった場合のバックアップのために、ピン
チロール始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中に溶
鋼レベルが所定値以下になると、ストッパー8を断続的
に開閉する制御とし、その後、溶鋼レベルが上昇し所定
値を越えると、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御に復帰す
るストッパー制御方法を提案する。
たが、この方法を実施しても、なおノズル部での詰まり
を解消できなかった場合のバックアップのために、ピン
チロール始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル制御中に溶
鋼レベルが所定値以下になると、ストッパー8を断続的
に開閉する制御とし、その後、溶鋼レベルが上昇し所定
値を越えると、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御に復帰す
るストッパー制御方法を提案する。
【0033】その作用について、詳細に説明する。溶鋼
温度の低下,タンディシュ1の予熱不足等による疑似付
着物の発生量が多い場合には、請求項1記載の方法を実
施した場合でも、なおノズル部での詰まりが発生するこ
とがある。これは、ピンチロール6始動直後の連続的な
鋳型内溶鋼レベル制御中に多く見られ、溶鋼注入面積を
疑似付着物が充満するため、図4に示す(b),(c),
(d)の状況が発生し、溶接レベルが低下傾向となるの
である。この場合には、ノズル部の疑似付着物を強制的
に流出させる手段が必要となる。
温度の低下,タンディシュ1の予熱不足等による疑似付
着物の発生量が多い場合には、請求項1記載の方法を実
施した場合でも、なおノズル部での詰まりが発生するこ
とがある。これは、ピンチロール6始動直後の連続的な
鋳型内溶鋼レベル制御中に多く見られ、溶鋼注入面積を
疑似付着物が充満するため、図4に示す(b),(c),
(d)の状況が発生し、溶接レベルが低下傾向となるの
である。この場合には、ノズル部の疑似付着物を強制的
に流出させる手段が必要となる。
【0034】そこで、溶鋼レベルが所定値まで低下し、
所定時間継続したことでノズル部での詰まり発生を検出
し、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御を一旦中断し、スト
ッパー8を高速短時間で所定開度に開き図5の(b)の
状態とし、そのままでは溶鋼レベル急上昇が発生する危
険があるので、所定時間経過後に高速短時間に全閉まで
ストッパー8を絞り、溶鋼レベル変化を所定時間監視す
る。この操作を繰り返すと、ノズル部の疑似付着物が排
出及び整形され、溶鋼レベルが上昇してくるので、溶鋼
レベルが所定値まで上昇したことを検出し、連続的な鋳
型内溶鋼レベル制御を再開する。これにより、ピンチロ
ール始動後のノズル詰まりを解消でき、安定した溶鋼注
入が可能となる。
所定時間継続したことでノズル部での詰まり発生を検出
し、連続的な鋳型内溶鋼レベル制御を一旦中断し、スト
ッパー8を高速短時間で所定開度に開き図5の(b)の
状態とし、そのままでは溶鋼レベル急上昇が発生する危
険があるので、所定時間経過後に高速短時間に全閉まで
ストッパー8を絞り、溶鋼レベル変化を所定時間監視す
る。この操作を繰り返すと、ノズル部の疑似付着物が排
出及び整形され、溶鋼レベルが上昇してくるので、溶鋼
レベルが所定値まで上昇したことを検出し、連続的な鋳
型内溶鋼レベル制御を再開する。これにより、ピンチロ
ール始動後のノズル詰まりを解消でき、安定した溶鋼注
入が可能となる。
【0035】
【実施例】図1に一般的な連鋳機の制御装置の構成を示
す。
す。
【0036】連鋳機における鋳込み開始時点では、タン
ディッシュ1内に滞留した溶鋼2をノズル3を介して鋳
型4に注入し、鋳型内溶鋼レベルの上昇を溶鋼検出ヘッ
ド5a及び溶鋼レベル計5で測定し、鋳型内溶鋼レベル
が所定のレベルに達した時点でピンチロール6を始動
し、鋳型内溶鋼の表面が凝固してできた鋳片7を引き抜
く。
ディッシュ1内に滞留した溶鋼2をノズル3を介して鋳
型4に注入し、鋳型内溶鋼レベルの上昇を溶鋼検出ヘッ
ド5a及び溶鋼レベル計5で測定し、鋳型内溶鋼レベル
が所定のレベルに達した時点でピンチロール6を始動
し、鋳型内溶鋼の表面が凝固してできた鋳片7を引き抜
く。
【0037】ピンチロール6始動後は、良質の鋳片7を
製造するために適した鋳造速度および鋳型内溶鋼レベル
が得るように、溶鋼レベル制御装置12でそれぞれの設
定値を変化させながら、それらの変化に見合った溶鋼注
入量を確保するために、ストッパー8とノズル3との隙
間(以下ストッパー開度と称する)を変化させ、溶鋼流
入面積が調節される。この際、鋳造速度は、鋳造速度制
御装置13を介してピンチロール6の回転数制御により
制御される。
製造するために適した鋳造速度および鋳型内溶鋼レベル
が得るように、溶鋼レベル制御装置12でそれぞれの設
定値を変化させながら、それらの変化に見合った溶鋼注
入量を確保するために、ストッパー8とノズル3との隙
間(以下ストッパー開度と称する)を変化させ、溶鋼流
入面積が調節される。この際、鋳造速度は、鋳造速度制
御装置13を介してピンチロール6の回転数制御により
制御される。
【0038】本発明は図中の溶鋼レベル制御装置12の
内部制御に関するものである。
内部制御に関するものである。
【0039】先ず、本発明の請求項1記載の方法に関す
る実施例を図6の適用結果に従って説明する。図中のT
DSからPRSまでの間のストッパー8の制御状況は本
発明と関係ないので省略しているが、ストッパー8を制
御して溶鋼レベルを所定値まで上昇させ、PRS直前で
は全閉となっている。そして、PRSからピンチロール
6は始動開始し、所定の昇速パターンに従って鋳造速度
を上昇させる。ストッパー8はPRSと同時にノズル部
の詰まり発生限界開度XN より大きな開度と小さな開度
に急変させる操作を加えた後に、溶鋼レベル信号をフィ
ードバックした連続制御を開始する。そうすると、溶鋼
レベルは多少の低下はするが、連続制御開始以降安定に
上昇し、図3に示した様な溶鋼レベルがレンジ下限以下
に落ち込むことがなく、ストッパー8による良好な制御
が行なわれている。このことから、PRSと同時にスト
ッパー8をXN より大きな開度と小さな開度に急変させ
る操作(以下ノズル詰まり防止パターンと称する)がノズ
ル部の詰まりを防止する効果を発揮したと言える。
る実施例を図6の適用結果に従って説明する。図中のT
DSからPRSまでの間のストッパー8の制御状況は本
発明と関係ないので省略しているが、ストッパー8を制
御して溶鋼レベルを所定値まで上昇させ、PRS直前で
は全閉となっている。そして、PRSからピンチロール
6は始動開始し、所定の昇速パターンに従って鋳造速度
を上昇させる。ストッパー8はPRSと同時にノズル部
の詰まり発生限界開度XN より大きな開度と小さな開度
に急変させる操作を加えた後に、溶鋼レベル信号をフィ
ードバックした連続制御を開始する。そうすると、溶鋼
レベルは多少の低下はするが、連続制御開始以降安定に
上昇し、図3に示した様な溶鋼レベルがレンジ下限以下
に落ち込むことがなく、ストッパー8による良好な制御
が行なわれている。このことから、PRSと同時にスト
ッパー8をXN より大きな開度と小さな開度に急変させ
る操作(以下ノズル詰まり防止パターンと称する)がノズ
ル部の詰まりを防止する効果を発揮したと言える。
【0040】次に、本発明の請求項2記載の方法に関す
る実施例を図7の適用結果に従って説明する。図中のT
DSからPRSと同時に行う前記ノズル詰まり防止パタ
ーンまでは、本発明の請求項1記載の方法に関する実施
例の図6と同じである。しかし、前記ノズル詰まり防止
パターンを実施した場合に於いても、なおノズル部での
詰まりを発生することがある。これは、溶鋼温度の低
下,タンディシュ1の予熱不足等による疑似付着物の発
生量が多い場合に生じる傾向がある。この疑似付着物を
解消するため、PRS後の鋳型内溶鋼レべルの連続制御
に於いて、溶鋼レベルがPsy(溶鋼低下検出レベル)より
も低下し、その後Ts(溶鋼低下確定タイマー)時間経
過しても、溶鋼レベルがPuy(溶鋼復帰検出レベル)より
も上昇しないことを条件として、ストッパー8を断続的
に開閉する操作(以下、強制開孔パターンと称する)を行
い、ノズル部の疑似付着物を流出及び整形させ、溶鋼レ
ベルがPuyまで上昇したことを条件として連続的な鋳型
内溶鋼レベル制御に復帰させたもので、以降、安定した
溶鋼レベル制御が継続している。
る実施例を図7の適用結果に従って説明する。図中のT
DSからPRSと同時に行う前記ノズル詰まり防止パタ
ーンまでは、本発明の請求項1記載の方法に関する実施
例の図6と同じである。しかし、前記ノズル詰まり防止
パターンを実施した場合に於いても、なおノズル部での
詰まりを発生することがある。これは、溶鋼温度の低
下,タンディシュ1の予熱不足等による疑似付着物の発
生量が多い場合に生じる傾向がある。この疑似付着物を
解消するため、PRS後の鋳型内溶鋼レべルの連続制御
に於いて、溶鋼レベルがPsy(溶鋼低下検出レベル)より
も低下し、その後Ts(溶鋼低下確定タイマー)時間経
過しても、溶鋼レベルがPuy(溶鋼復帰検出レベル)より
も上昇しないことを条件として、ストッパー8を断続的
に開閉する操作(以下、強制開孔パターンと称する)を行
い、ノズル部の疑似付着物を流出及び整形させ、溶鋼レ
ベルがPuyまで上昇したことを条件として連続的な鋳型
内溶鋼レベル制御に復帰させたもので、以降、安定した
溶鋼レベル制御が継続している。
【0041】本発明によれば、図7の溶鋼レベルが示す
ように、ノズル詰まり防止パターン後に低下しレンジ下
限以下に落ち込んだ溶鋼レベルが、強制開孔パターン後
に復帰し、疑似付着物が解消され、連続制御にて溶鋼の
安定した注入が継続できる。上述のノズル詰まり防止パ
ターンと強制開孔パターンの制御は、独立したものなの
で、単独あるいは複合で使用しても差し支えなく、ピン
チロール始動直後時、及び始動以降の疑似付着物に起因
するノズル詰まりを防止するために有効な方法である。
ように、ノズル詰まり防止パターン後に低下しレンジ下
限以下に落ち込んだ溶鋼レベルが、強制開孔パターン後
に復帰し、疑似付着物が解消され、連続制御にて溶鋼の
安定した注入が継続できる。上述のノズル詰まり防止パ
ターンと強制開孔パターンの制御は、独立したものなの
で、単独あるいは複合で使用しても差し支えなく、ピン
チロール始動直後時、及び始動以降の疑似付着物に起因
するノズル詰まりを防止するために有効な方法である。
【0042】
【発明の効果】本発明の効果を図8に示した。本発明の
効果を確認するため、図3に示す従来の制御方法に従っ
た場合を(a)に示し、図7に示す本発明の制御方法に
従った場合を(b)に示し、ピンチロール始動後の溶鋼
レベル消失期間の分布を比較した。溶鋼レベル消失期間
とは、溶鋼レベルが前記Psy(溶鋼低下検出レベル)より
も低下後、前記Puy(溶鋼復帰検出レベル)に復帰するま
での経過時間を示す。また、図中のハッチング部は、溶
鋼レベル低下後ストッパー開度が大きくなったところで
溶鋼レベルが急上昇して復帰したため、ストッパー閉操
作しても抑制できずにオーバーフローが発生したものを
示している。
効果を確認するため、図3に示す従来の制御方法に従っ
た場合を(a)に示し、図7に示す本発明の制御方法に
従った場合を(b)に示し、ピンチロール始動後の溶鋼
レベル消失期間の分布を比較した。溶鋼レベル消失期間
とは、溶鋼レベルが前記Psy(溶鋼低下検出レベル)より
も低下後、前記Puy(溶鋼復帰検出レベル)に復帰するま
での経過時間を示す。また、図中のハッチング部は、溶
鋼レベル低下後ストッパー開度が大きくなったところで
溶鋼レベルが急上昇して復帰したため、ストッパー閉操
作しても抑制できずにオーバーフローが発生したものを
示している。
【0043】本発明では、溶鋼レベル消失期間を10秒
以内に制御し、オーバーフロー発生を完全に防止でき
た。従来より、ピンチロール始動と同時に溶鋼レベル信
号をフィードバックして連続制御を開始する際に、スト
ッパーを全閉位置から制御する場合に於いて、共通の課
題であったピンチロール始動直後のノズル部での詰まり
を本発明により解消することができた。また、本発明に
よれば、ピンチロール始動直後に関わらず、ピンチロー
ル始動以後に発生するノズル部の詰まりを解消できる。
以内に制御し、オーバーフロー発生を完全に防止でき
た。従来より、ピンチロール始動と同時に溶鋼レベル信
号をフィードバックして連続制御を開始する際に、スト
ッパーを全閉位置から制御する場合に於いて、共通の課
題であったピンチロール始動直後のノズル部での詰まり
を本発明により解消することができた。また、本発明に
よれば、ピンチロール始動直後に関わらず、ピンチロー
ル始動以後に発生するノズル部の詰まりを解消できる。
【図1】 本発明の方法を実施する装置の模式図であ
る。
る。
【図2】 ストッパー流量特性を示すグラフである。
【図3】 従来法Iの適用結果を示すタイムチャートで
ある。
ある。
【図4】 従来法でのノズル詰まり発生過程を示すノズ
ル部の断面図である。
ル部の断面図である。
【図5】 本発明の方法によるノズル詰まり防止過程を
示すノズル部の断面図である。
示すノズル部の断面図である。
【図6】 請求項1記載の方法の適用結果を示すタイム
チャートである。
チャートである。
【図7】 請求項2記載の方法の適用結果を示すタイム
チャートである。
チャートである。
【図8】 本発明の効果を示すグラフである。
1:タンディシュ 2:溶鋼 3:ノズル 4:鋳型 5:溶鋼レベル計 5a:溶鋼検出ヘ
ッド 6:ピンチロール 7:鋳片 8:ストッパー 9:操縦機 9a:操縦機ガイド 10:シリンダー 11:シリンダー制御装置 12:溶鋼レベル
制御装置 13:鋳造速度制御装置
ッド 6:ピンチロール 7:鋳片 8:ストッパー 9:操縦機 9a:操縦機ガイド 10:シリンダー 11:シリンダー制御装置 12:溶鋼レベル
制御装置 13:鋳造速度制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 鋳型内の溶鋼湯面位置を計測する溶鋼レ
ベル計と、タンディシュから鋳型への溶鋼注入量を制御
するストッパーと、鋳片を引き抜くピンチロールが装備
されているとともに、ストッパーを開閉動作させるシリ
ンダーの制御装置と、ピンチロールを駆動する鋳造速度
制御装置を有する連続鋳造機のストッパー制御方法にお
いて、鋳込開始後のピンチロール始動と同時にストッパ
ーをノズル部の詰まり発生限界開度より大きい開度まで
急峻に一旦開き、引き続いてストッパーを急峻に一旦全
閉とすることによりノズル部への付着物に外力を与える
ことを特徴とする連続鋳造におけるストッパー制御方
法。 - 【請求項2】 鋳型内の溶鋼湯面位置を計測する溶鋼レ
ベル計と、タンディシュから鋳型への溶鋼注入量を制御
するストッパーと、鋳片を引き抜くピンチロールが装備
されているとともに、ストッパーを開閉動作させるシリ
ンダーの制御装置と、ピンチロールを駆動する鋳造速度
制御装置を有する連続鋳造機のストッパー制御方法にお
いて、ピンチロール始動後の連続的な鋳型内溶鋼レベル
制御中に溶鋼レベルが低下し所定値以下になると、スト
ッパーをノズル部の詰まり発生限界開度より大きい開度
と全閉で交互に且つ断続的に変動させることによりノズ
ル部への付着物に外力を与えることを特徴とする連続鋳
造におけるストッパー制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4653892A JPH05245608A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 連続鋳造におけるストッパー制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4653892A JPH05245608A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 連続鋳造におけるストッパー制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05245608A true JPH05245608A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12750074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4653892A Pending JPH05245608A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 連続鋳造におけるストッパー制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05245608A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101321852B1 (ko) * | 2011-07-25 | 2013-10-23 | 주식회사 포스코 | 스토퍼 장치 및 스토퍼 장치 제어 방법 |
KR101400035B1 (ko) * | 2012-01-31 | 2014-06-27 | 현대제철 주식회사 | 고품질 주편 제조방법 |
CN104588632A (zh) * | 2015-01-22 | 2015-05-06 | 宁国市宏达电炉有限公司 | 自动化底注中频保温炉浇注装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02220751A (ja) * | 1989-02-21 | 1990-09-03 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造機の鋳込み制御装置および制御方法 |
JPH03174959A (ja) * | 1989-12-04 | 1991-07-30 | Nippon Steel Corp | モールドレベル制御方法 |
-
1992
- 1992-03-04 JP JP4653892A patent/JPH05245608A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02220751A (ja) * | 1989-02-21 | 1990-09-03 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造機の鋳込み制御装置および制御方法 |
JPH03174959A (ja) * | 1989-12-04 | 1991-07-30 | Nippon Steel Corp | モールドレベル制御方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101321852B1 (ko) * | 2011-07-25 | 2013-10-23 | 주식회사 포스코 | 스토퍼 장치 및 스토퍼 장치 제어 방법 |
KR101400035B1 (ko) * | 2012-01-31 | 2014-06-27 | 현대제철 주식회사 | 고품질 주편 제조방법 |
CN104588632A (zh) * | 2015-01-22 | 2015-05-06 | 宁国市宏达电炉有限公司 | 自动化底注中频保温炉浇注装置 |
CN104588632B (zh) * | 2015-01-22 | 2016-06-29 | 宁国市宏达电炉有限公司 | 自动化底注中频保温炉浇注装置 |
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