本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するための方法およびドラムに関する。ランフラットタイヤは、フラットタイヤの場合に側壁の剛性を高めるために、タイヤの側壁に支持部材を設けられており、それによって、上記ランフラットタイヤを装備した自動車は、パンクしたまたは空気が抜けた後も走行を継続することができる。
欧州特許第1847830号明細書は、タイヤブランクを製造するための可変直径組立ドラムを開示しており、ドラムは、厚さの大きいプロファイルを受け入れるように意図された領域内に軸方向に配置された円筒状の溝を設けられており、上記溝は弾性円周体を含む。ドラムをその最小直径に移動させると、ロッドの形態の機械的手段が、周止め上で支持され、弾性体を溝の底部から離間して半径方向に移動させて、弾性体の半径方向外面をドラムの敷設面と整列させる。敷設面は、この時点において、内層を受け入れるために実質的に水平である。ドラムが第2のより大きい直径に移動すると、円周方向の弾性張力の影響下で、円筒状の溝内の弾性体が溝の底部に対して平坦になることが可能になる。
国際公開第2013/079544号パンフレットは、欧州特許第1847830号明細書の組立ドラムと同様の可変直径組立ドラムを開示している。組立ドラムは、プッシュ部材によって溝の底部から半径方向に離間された弾性円周スリーブを含む少なくとも1つの円形溝を含む敷設面を有し、プッシュ部材は、ドラムが第1の位置決め直径に設定されると、スリーブの半径方向外面を受面と整列させるように、可動セグメントに対して半径方向に可動であり、ドラムが上記第1の位置決め直径よりも大きい位置決め直径に設定されると、円周方向の弾性張力によって溝の底部と係合する。
特開2010−052181号公報は、シート状のインナーライナゴムがドラム本体の外周面に巻き付けられる、ランフラットタイヤの製造方法を開示している。続いて、インナーライナの側壁に対応する一対の領域の各々にサイド補強ゴムのストリップが巻き付けられて、円筒状製品が形成される。外周面には一対の周方向溝が形成されている。ドラム本体は、サイド補強ゴムで補強された円筒状製品の一部が周方向溝に沈み込むように拡張される。
上記従来技術のすべてにおいて、インナーライナは、第1の直径からより大きい第2の直径への組立ドラムの拡張と共に相当に伸張され、同時に、溝では、インナーライナが強制的に溝に引っ張られる。インナーライナの伸張によりインナーライナが変形し、予期せぬ挙動をする場合がある。さらに、相当の伸張から溝での引っ張りに移行する際に、不規則性が生じる場合がある。これらの不規則性は、インナーライナおよび上記インナーライナの上に配置された任意の後続のタイヤ層の均一性に悪影響を及ぼし得る。最後に、特に、溝が対称でないか、または溝の断面に鋭角または急激な角度がついている場合に、インナーライナが溝内に完全に引っ張られていることが保証できない。インナーライナが溝内に完全に引き込まれていない場合、円周の差は、欧州特許第1847830号明細書の厚いプロファイルのような、後続の層のスプライスの精度に影響を及ぼし得る。
欧州特許第1847830号明細書
国際公開第2013/079544号パンフレット
特開2010−052181号公報
本発明の目的は、上述の欠点の少なくとも1つが低減された、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するための代替方法および代替ドラムを提供することである。
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造する方法を提供し、方法は、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを有するドラムを提供するステップであって、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを備え、各収縮部には半径方向に可動である収縮面が設けられている、提供するステップを含み、方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面を中心軸に対して、収縮面が第1の直径になる水平位置へと移動させ、続いて、第1のタイヤ層をドラムの主周面の周りに配置し、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面上に延伸させるステップと、第1の収縮部および第2の収縮部における収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を形成しながら、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、収縮面においてドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置に移動させるステップと、部分真空の影響下で収縮位置の収縮面に第1のタイヤ層を収縮させるステップとをさらに含む。
欧州特許第1847830号明細書の可変直径ドラムのような従来のドラムは、弾性張力の影響下で、補強要素を支持する本体がドラムの溝に対して平らにされる間に、第1の直径から第2のより大きな直径に半径方向に外側に拡張される。直径拡張の結果として、タイヤ層全体が伸張され、シワおよび他の不規則性が生じる。公知の本体は、ドラムの周面に対して内側に移動するが、ドラムの中心軸に対して内側には移動しない。事実、欧州特許第1847830号明細書の本体は、最初、拡張の第1の部分の間に同じ半径方向位置に留まり、最終的にはより大きな第2の直径に向かって周面と共に拡張する。対照的に、本発明の方法におけるドラムは、上述の方法のステップの間には拡張されない。代わりに、収縮部分のみがドラムの中心軸に対して収縮する。
欧州特許第1847830号明細書のように、第1のタイヤ層の残りの部分を伸張させることにまさる、第1のタイヤ層を収縮部で局所的に収縮させる利点は、収縮部のそれぞれの軸方向位置でのみ局所的に第1のタイヤ層を収縮させることによって、第1のタイヤ層の残りの部分、特に主周面から収縮部分への移行部にシワまたは他の不規則性が形成される危険性を低減することができることである。最終的にカーカスの1つまたは複数のさらなるタイヤ層と直接接触する不規則性の量を低減することにより、上記カーカスのスプライス精度が向上する。第1のタイヤ層を収縮面上に吸引または引っ張るために部分的な真空を使用することにより、第1のタイヤ層の、収縮位置における収縮面の形状への一致を改善することができる。さらに、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径で典型的に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。第1のタイヤ層の収縮の少なくとも一部について、第1のタイヤ層は、元の未伸張状態に単純に戻すことができる。したがって、正味収縮量は、従来技術で必要とされるであろう余分な伸張量よりもかなり小さくすることができる。
一実施形態では、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、ドラムの主周面は第1の直径のままである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、第1のタイヤ層は、収縮する表面がスプライスの精度に影響を及ぼすことなく、水平円周面上に被着およびステッチングすることができる。
一実施形態では、本方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置するステップをさらに含む。補強ストリップは、最終的に製造されるランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めることができる。
一実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを適用することにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
代替的な実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
一実施形態では、収縮面は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置する前に、収縮位置へと移動される。したがって、第1のタイヤ層を、補強ストリップの存在によって妨げられることなく、部分真空の影響下で収縮面上に引き寄せることができる。
代替的な実施形態では、収縮面を収縮位置へと移動させる前に、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップが配置される。この実施形態は、既に収縮した収縮面に補強ストリップを配置することにより、空気が第1のタイヤ層と補強ストリップとの間のポケットに閉じ込められることが予想される場合に特に有用であり得る。第1のタイヤ層がまだ水平に保持されている間に補強ストリップを第1のタイヤ層に配置することにより、空気ポケットの量を減らすことができる。
一実施形態では、本方法は、半径方向において第1の補強ストリップと第2の補強ストリップが第1のタイヤ層と1つまたは複数のさらなるタイヤ層との間に配置されているカーカスを形成するために、第1のタイヤ層、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップの周りに1つまたは複数のさらなるタイヤ層を配置するステップをさらに含む。したがって、補強ストリップは、タイヤまたはランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めるためにカーカスの一体部分を形成することができる。
一実施形態では、方法は、第1のビードおよび第2のビードを、1つまたは複数のさらなるタイヤ層の周りに配置するステップであって、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に、第1の収縮部および第2の収縮部が位置付けられる、配置するステップをさらに含み、方法は、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に配置されているカーカスの部分を成形するステップをさらに含む。その好ましい実施形態では、成形するステップは、第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部を設けるステップと、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間でカーカスの上記部分を膨張させるために、成形部内に過圧を生成するステップとを含む。したがって、ランフラットタイヤのカーカスは、同じドラムに構築および形成することができる。したがって、ドラムは、一段または単一段のドラムと考えることができる。
一実施形態では、成形部、第1の収縮部および第2の収縮部が流体連通状態で配置され、第1の収縮部および第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するステップは、成形部内に部分真空を生成するステップと、成形部内の部分真空が第1の収縮部と第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間から空気を引き出すことを可能にするステップとを含む。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
第2の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にトラックタイヤを製造する方法を提供し、方法は、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを有する成形ドラムを提供するステップであって、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを備え、各収縮部には半径方向に可動である収縮面が設けられている、提供するステップを含み、方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面を中心軸に対して、収縮面が第1の直径になる水平位置へと移動させるステップと、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、収縮面においてドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置に移動させるステップとをさらに含む。
収縮面は、タイヤ構成要素を成形ドラムの周面に対して凹んだ位置に受け入れることができる。これは、上記タイヤ構成要素を成形ドラムの周りに被着させた後に、さらなるタイヤ構成要素を成形ドラムの周りに被着、ステッチングおよび/またはスプライスする必要がある場合に特に有用であり得る。これらのさらなるタイヤ構成要素は、その表面が平坦であるかのように、成形ドラムに被着させることができる。
一実施形態では、本方法は、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、成形ドラムの周りに第1の側壁および第2の側壁を配置するステップをさらに含む。側壁は、典型的には、上記成形ドラムにボディプライを被着する前に成形ドラムに適用される。したがって、成形ドラムの周面に対して側壁を凹ませることにより、その後のボディプライの適用の精度を向上させることができる。
一実施形態では、本方法は、第1の側壁と第2の側壁との間で成形ドラムの周りにインナーライナを配置するステップをさらに含み、収縮面は、収縮位置において、側壁がインナーライナと同一平面上または実質的に同一平面上にあるように水平位置に対して凹んでいる。したがって、ボディプライは、実質的に平坦な表面上の成形ドラムに被着することができる。
好ましくは、収縮面は、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、成形ドラムの周りに第1の側壁および第2の側壁を配置する前に収縮位置に移動される。このようにして、側壁は、成形ドラムの周りの凹んだ位置に被着、スプライスおよび/またはステッチングすることができる。
第3の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するためのドラムを提供し、ドラムは、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを備え、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを設けられ、各収縮部は、収縮面が第1の直径においてドラムの主周面と同じ高さになる水平位置と、収縮面が中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、ドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置との間で移動可能である収縮面を設けられており、ドラムは、主周面の周りで第1のタイヤ層を受け入れ、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面にわたって延伸するように配置されており、ドラムは、収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するために、収縮部に動作可能に接続されたエアポンプ装置をさらに設けられている。
これは、ここでも、第1のタイヤ層を収縮部のそれぞれの軸方向位置においてのみ局所的に収縮させるという利点を有し、シワまたは他の不規則性の形成の危険性を低減することができる。方法と同様に、部分真空の使用は、収縮位置における収縮面の形状に対する第1のタイヤ層の一致を改善することができる。最後に、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。
一実施形態では、ドラムの主周面は、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、第1の直径のままであるように構成される。
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
一実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように配置され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを受け入れることにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
代替的な実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように構成され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
好ましくは、収縮位置における収縮面の断面形状は、組み合わされた第1のタイヤ層およびそれぞれの補強ストリップの断面形状に実質的に対応する。収縮面の形状を補強ストリップの形状に合わせることにより、収縮位置における第1のタイヤ層に対する補強ストリップの均一性または平滑化がさらに増大する。
一実施形態では、収縮面は、その第1のタイヤ層に面する側において、第1のタイヤ層と収縮面との間から空気が引き出されることを可能にするために、第1のタイヤ層と収縮面との間に通気空間を形成するように配置された通気要素を設けられる。したがって、通気要素は、エアポンプ装置が第1のタイヤ層と収縮面との間から空気を引き込む能力をさらに向上させる。
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第1のシール部を設けられ、第1のシール部の各々は、軸方向においてそれぞれの収縮部の端部の1つにおいて第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第1のシール部は、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入るのを防ぐことができ、それによって部分真空の有効性が改善される。
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第2のシール部を設けられ、第2のシール部のそれぞれは、それぞれの第1のシール部に対向する、軸方向におけるそれぞれの収縮部の端部で第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第2のシール部は、第1のシール部と協働して、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入ることを防止し、それによって部分真空の有効性を改善する。
一実施形態では、エアポンプ装置は、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間に部分真空を生成するために、第1の収縮部および第2の収縮部に動作可能に接続される。
一実施形態では、第1のシール部または第2のシール部には、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間の領域にエアポンプ装置を動作可能に接続するための流体接続部が設けられる。流体接続部は、空気が上記領域からシール部の1つを通って引き込まれることを可能にする。
一実施形態では、ドラムには、軸方向において第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部が設けられ、エアポンプ装置は成形部に動作可能に接続され、成形部は、第1の収縮部および第2の収縮部と流体連通して配置される。好ましい実施形態では、流体接続部は、流体連通状態にある成形部を、それぞれの収縮部の収縮面、第1のタイヤ層、第1のシール部および第2のシール部の間の領域に接続する。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
一実施形態では、エアポンプ装置は、交互に空気を引き込み、もしくは、空気を供給するように構成された可逆エアポンプを備え、または、エアポンプ装置は、空気を供給および引き込むための複数のエアポンプを備える。したがって、エアポンプ装置は、成形と収縮の両方に使用することができる。
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面は、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに弾性張力で延伸する第1のシール部材および第2のシール部材によってそれぞれ形成される。シール部材の弾性的な張力は、シール部材がそれぞれの収縮部でドラムの周りに緊密に配置されることを保証する。その結果、第1のタイヤ層に対するそれぞれの収縮部のシールを向上させることができる。
その好ましい実施形態では、第1のシール部材および第2のシール部材は、それぞれ、第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに均一に伸張される。これにより、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間のシール部材の周方向の収縮の均一性を向上させることができる。
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部には、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板が設けられ、これらはそれぞれの収縮部の周りに周方向に均一に分布し、上記それぞれの収縮面を水平位置および収縮位置で支持するために、それぞれの収縮面に対して半径方向内側に、半径方向において移動可能に配置される。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、それぞれの収縮面を水平位置で支持する第1の状態と、収縮位置でそれぞれの収縮面を支持する第2の状態との間で、半径方向に弾性的に可撓性を有するように構成される。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、アクチュエータによって第2の状態から第1の状態に移動するように構成されている。これにより、支持板を能動的に第1の状態に移動させて第1の状態に保持することができ、収縮面を水平位置に確実に支持することができる。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、第1の状態から第2の状態に戻るように付勢され、好ましくは第2の状態は第1の支持板および第2の支持板の自然状態である。したがって、支持板は、外部アクチュエータを使用することなく、第2の状態に戻ることができる。弾性シール部材と組み合わせて、収縮面は、支持板の半径方向内向きの動きに追従する傾向がある。
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板には、ドラムの周方向において直接的に隣接する支持板に面する長辺が設けられ、長辺は、より小さい第2の直径で第2の状態において支持板が互いに接近することを可能にするように、支持板の第1の状態において凹んでいる。これにより、より小さい第2の直径における支持板間の干渉の可能性が低減する。
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板は、第1の状態から第2の状態へ戻る動きの間に支持板の挙動を変化させるために脆弱化される。好ましくは、支持板は、ドラムの軸方向においてその長さに沿って非対称な位置で脆弱化され、第2の状態において支持板の非対称形状をもたらす。したがって、同様の形状の補強ストリップを収容するために、多平面または非対称の断面形状を達成することができる。
第4の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にトラックタイヤを製造するためのドラムを提供し、ドラムは、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを備え、ドラムには、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とが設けられ、各収縮部には、収縮面が第1の直径においてドラムの主周面と同じ高さになる水平位置と、収縮面が中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、ドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置との間で移動可能である収縮面を設けられている。
ここでも、これには、収縮面が、タイヤ構成要素を成形ドラムの周面に対して凹んだ位置に受け入れることができるという利点がある。これは、上記タイヤ構成要素を成形ドラムの周りに被着させた後に、さらなるタイヤ構成要素を成形ドラムの周りに被着、ステッチングおよび/またはスプライスする必要がある場合に特に有用であり得る。これらのさらなるタイヤ構成要素は、その表面が平坦であるかのように、成形ドラムに被着させることができる。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部は各々、中心軸に平行な方向に互いに隣接して配置された複数のプロファイルセグメントを設けられ、複数のプロファイルセグメントは、すべてのプロファイルセグメントが中心軸から同じ半径方向距離まで延伸する水平位置と、プロファイルセグメントが、収縮位置で収縮面を支持するための非水平支持プロファイルを形成するように個々に半径方向内側に移動する後退位置との間で、半径方向に個別に移動可能に配置される。支持プロファイルは、プロファイルセグメントの数に応じて高度に構成可能とすることができる。支持プロファイルは、対称もしくは非対称、滑らかもしくは急、より鋭いもしくはより急激な角度、または前述の特徴の組み合わせであり得る。特に、高度に構成可能な収縮部は、補強ストリップ以外のタイヤ構成要素、たとえば側壁を支持または収容するために使用することができる。
本発明の第3の態様または第4の態様の実施形態では、各収縮部には1つまたは複数のリングが設けられ、各リングには、個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を、非水平支持プロファイル内でのそれらのそれぞれの半径方向位置に従って停止するための複数の停止面が設けられている。したがって、プロファイルセグメントは、半径方向においてすべて同じ長さを有し、かつ/または、実質的に同一であり得る一方、支持プロファイルは、リングによって規定される。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、リングは、それぞれの収縮部に取り外し可能に受け入れられる。したがって、リングは、異なる階段状の停止面を有する他のリングによって容易に置き換えることができ、それにより異なる支持プロファイルが得られる。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、リングは収縮部分と一体である。
本発明の第3の態様または第4の態様の代替的な実施形態では、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを受け入れるための平坦な周方向底部を有する収縮チャンバを備え、複数のプロファイルセグメントは、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って半径方向において異なる長さを有する少なくとも2つのプロファイルセグメントを備える。したがって、支持プロファイルは、プロファイルセグメントの半径方向の高さが等しくないように規定することができるので、リングは不要である。
本発明の第3の態様または第4の態様のさらに別の実施形態では、各収縮部には、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を停止させるための複数の個別に調整可能な停止要素が設けられている。この実施形態は、それぞれの収縮部のプロファイルセグメント、リングまたは他の構成要素を交換する必要なしに、複数のプロファイルセグメントの各々の半径方向位置を個別に設定して支持プロファイルを変更することができるので、さらにより高いレベルの構成可能性を提供する。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、複数のプロファイルセグメントの各々は、半径方向に延伸するスロットを備え、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための、半径方向において移動可能なアクチュエータセグメントを設けられ、アクチュエータセグメントは、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントのすべてのスロットを通って延伸し、これと係合して、係合したプロファイルセグメントのすべてを水平位置に移動させるレベリングシャフトを設けられる。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に直接的に移動させることができる。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、複数のプロファイルセグメントには、互いに噛合するカムおよび凹部が設けられ、各収縮部には、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための半径方向に可動なアクチュエータセグメントが設けられ、アクチュエータセグメントには、アクチュエータセグメントに直に隣接するプロファイルセグメントのカムおよび/または凹部と係合して、上記直接的に係合したプロファイルセグメントを水平位置まで移動させるように構成されたレベリングシャフトが設けられ、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントの残りの部分は、カムと凹部との噛合によって間接的に係合して、水平位置に移動するように構成される。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に間接的に移動させることができる。
本発明の第3の態様または第4の態様の一実施形態では、アクチュエータセグメントは、複数のプロファイルセグメントのうちの1つとして機能する本体を備え、それぞれの収縮部は、本体の移動範囲を、上記本体の支持プロファイル内での位置に応じて半径方向内側方向において制限するための調整可能ストッパを備える。したがって、アクチュエータセグメントの本体の半径方向の高さは、本体が上記支持プロファイルの一部を形成するように、支持プロファイルと一致するかまたはこれを補完するように設定することができる。
本発明の第3の態様の一実施形態では、ドラムは、第1のビードおよび第2のビードをそれぞれロックするための第1のビードロック部および第2のビードロック部を備え、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ軸方向において、第1のビードロック部と第2のビードロック部との間に配置される。好ましくは、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ第1のビードロック部および第2のビードロック部に直に隣接するように配置される。したがって、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップは、それぞれ第1のビードおよび第2のビードの軸方向内側において、それらのそれぞれの収縮部で受け入れることができる。
本明細書に記載および図示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に記載されている態様および特徴は、分割特許出願の主題になり得る。
本発明を、添付の図面に示す例示的な実施形態に基づいて説明する。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
図1Aの円II Aによる収縮部の1つの詳細を示す図である。
図1Bの円II Bによる収縮部の1つの詳細を示す図である。
図2Aと同じであるが、本発明の第2の実施形態による代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bと同じであるが、本発明の第2の実施形態による代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bと同じであるが、本発明の第3の実施形態によるさらなる代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Aによる収縮部の詳細の2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図2Bによる収縮部の詳細の2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図1Aの線VI A − VI Aによるドラムの部分断面図である。
図6Aの円VI Bによるドラムの詳細な断面図である。
図1Aによる収縮部のうちの1つのシール部材を分離して示す図である。
図7に示されるようなシール部材に対する代替的なシール部材を示す図である。
図1Aと同じである、方法のステップの順序が代替的なものになっているドラムを示す図である。
図1Bと同じである、方法のステップの順序が代替的なものになっているドラムを示す図である。
図2Aに示されるものと同じであるが、本発明の第4の実施形態によるさらなる高度に構成可能な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bに示されるものと同じであるが、本発明の第4の実施形態によるさらなる高度に構成可能な収縮部を有する詳細を示す図である。
図10Aおよび10Bによる収縮部の構成可能な部分の側面図である。
本発明の第5の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第5の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第6の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第6の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第7の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第7の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
側壁を有するタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第8の実施形態によるドラムを示す図である。
図1A〜図1Fは、本発明の第1の実施形態による、タイヤ、特に自己支持タイヤまたはランフラットタイヤを製造するための、ドラム1、特に単段または単一段ドラム1を示す。
図1Eおよび1Fに示すように、本発明によるランフラットタイヤは、インナーライナ91の形態の少なくとも第1のタイヤ層、および、1つまたは複数のボディプライ92の形態のさらなるタイヤ層のパッケージを有するカーカス9を備える。ビード93、94が、インナーライナ91および1つまたは複数のボディプライ92のパッケージを、ビード93、94の間の内側部分95と、ビード93、94の外側の2つの外側部分96、97とに分割する。カーカス9の成形中、内側部分95はトーラス様形状に膨らまされ、外側部分96、97はビード93、94の周りで内側部分95へと折り畳まれる。ランフラットタイヤは、内側部分95において、ビード93、94においてまたはその付近で、インナーライナ91と1つまたは複数のボディプライ92との間に置かれる、補強ストリップ98、99、特にランフラットストリップをさらに備える。カーカス9の成形後、補強ストリップ98、99は、ランフラットタイヤの内側部分95のビード93、94に隣接して配置され、ビード93、94からランフラットの半径方向に延伸して、上記半径方向においてランフラットタイヤの側壁の堅牢性を高める。
図1Aに示すように、前述のランフラットタイヤを製造するためのドラム1は、ドラム1の中心回転軸Sおよび軸方向Aを規定する中央ドラムシャフト2を含む。ドラム1は、中心軸Sの周りに同心円状に延伸する円筒状の主周面3をさらに有する。主周面3は、ドラム1の中心軸Sに対して外側に向けられた半径方向Rにおいてドラム1の主周面3の直径を膨張および縮小させるために、ドラム1の中心軸Sに対して外側に向けられた半径方向Rにおいて移動可能である、図示されておらずそれ自体公知である、複数の、たとえば、24個のドラムセグメントによって形成されている。図1Aに示すように、主周面3は、ランフラットタイヤのためのインナーライナ91を受け入れて直接支持するように構成されている。図1Aに示す状況では、主周面3は、インナーライナ91の自然な円周よりわずかに大きい第1の円周または直径D1において構成され、それによって、インナーライナ91がドラム1の主周面3の周りでわずかに伸張されるようにする。インナーライナ91の伸張は、好ましくはその自然な円周の1%未満である。
ドラム1は、中央成形部4と、成形部4と動作可能に接続されたエアポンプ装置40とをさらに備える。エアポンプ装置40には、図1Fに示すようにカーカス9を膨張または成形する過圧Wを発生させるために成形部4に空気を供給し、図1Bに示すように、成形部4内に負圧または部分真空Vを生成するために成形部4から空気を除去または引き込むための1つまたは複数のエアポンプ(図示せず)が設けられている。好ましくは、部分真空Vは、周囲大気圧よりも少なくとも0.1バール低い負圧を有する。この例示的な実施形態では、エアポンプ装置40は、ドラムシャフト2内またはドラムシャフト2に配置される。代替的に、エアポンプ装置40はまた、適切な導管を介して成形部4に動作可能に接続されている間に、ドラム1の外部に設けられてもよい。
ドラム1には、成形部4の各側に1つずつ、したがって成形部4を間にして軸方向Aに離間した2つのビードロック部51、52が設けられている。ビードロック部51、52は、ランフラットタイヤのための第1のビード93および第2のビード94をカーカス9に対して、それ自体公知の方法でロックまたはクランプ締めするように構成されている。ビード93、94がカーカス9に対してロックされると、ビード93、94間の内側部分95は、外側部分96、97からシールされ、膨張され得る。図1Fに示すように、ビードロック部51、52は、ドラム1の軸方向Aに互いおよび成形部4に向かって移動可能であり、膨張中のカーカス9の内側部分95の成形または形成を容易にする。最終的に、ビード93、94を越えて成形部4の外側の軸方向A内に位置するカーカス9の2つの外側部分96、97は、図示されておらず、それ自体公知であるブラダまたは折返しアームによって、膨張した成形内側部分95に対して折り返される(図1Fに矢印Tで概略的に示されている)。
図1Aに示すように、ドラム1は、それぞれ、軸方向Aにおいて成形部4に面しているビードロック部51、52のそれぞれの側で、第1のビードロック部51および第2のビードロック部52にそれぞれ隣接する第1の収縮部61および第2の収縮部62をさらに設けられている。したがって、第1の収縮部61および第2の収縮部62は、カーカス9の内側部分95に延伸する。好ましくは、収縮部61、62は、それらのそれぞれのビードロック部51、52と一体的であるか、または、それらのそれぞれのビードロック部51、52とともにドラムシャフト2上に共通に支持されて、カーカス9を成形する間に、ドラム1の軸方向Aにおいてそれらのそれぞれのビードロック部51、52と一致して移動する。
図1Aに示すように、ドラム1は、ビード部51、52と、それらのそれぞれの収縮部61、62との間にシールをもたらすために、それぞれ、それぞれのビードロック部51、52および収縮部61、62の周りに円周方向に延伸する、第1のスリーブまたはシール部材71および第2のスリーブまたはシール部材72を備える。シール部材71、72は、弾性または可撓性材料で形成されている。シール部材71、72の周は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周よりも小さい。シール部材71、72は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周囲に貼付されているとき、第1の直径D1まで均一に伸張している。均一な伸張の結果として、シール部材71、72は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周りに予め応力をかけられ、または、緊密に被着され、そうなることが可能にされるときに、それらのより小さな自然の直径に向かって均一に縮小または収縮する傾向にある。
図7では、第1のシール部材71がより詳細に示されている。第1シール部材71は、第2シール部材72に対して鏡面対称である。第1のシール部材71の周囲の一部は、第1のシール部材71の断面を露出させるために模式的に隠されている。実際には、第1のシール部材71は完全に環状である。第1のシール部材71は、軸方向Aにおける一方の端部においては、第1のビードロック部51に接続するために、この例では第1のプロファイルリムの形態の第1の端部74によって区切られており、軸方向Aにおける反対側の端部においては、第1の収縮部61に接続するために、この例では第2のプロファイルリムの形態の第2の端部75によって区切られている環状収縮面73を含む。図1Aに示すように、シール部材71、72の下方において、第1の収縮部61および第2の収縮部62が、図1Aに示されているような水平位置から図1Bに示されているような縮小または収縮位置に移行する間に、それぞれのシール部材71、72を成形および/または誘導するために、それぞれ複数の第1の支持板81および複数の第2の支持板82を設けられている。収縮位置では、シール部材71、72は、水平位置において、シール部材71、72の元の位置に対して径方向内側に移動する。
図2Aは、第2のビードロック部52と鏡面対称である第1のビードロック部51をより詳細に示す。第1のビードロック部51は、リング状のクランプ本体53を形成するために、ドラム1の周方向においてドラムシャフト2周りに均等に分布する複数のクランプ本体53を備える。図2Aでは、クランプ本体53のうちの1つのみが示されている。クランプ本体53は、ドラム1の半径方向Rにおいてインナーライナ91および1つまたは複数のボディプライ92をビード93に対して押して、上記ビード93をカーカス9に対してロックするためにドラム1の半径方向Rに移動可能である。各クランプ本体53には、第1のシール部材71の第1の端部73を受け入れるための、この例示的な実施形態ではプロファイル溝の形態の第1の取り付け要素54が設けられている。各クランプ本体53は、ドラム1の軸方向Aにおいて成形部4から外方に面する、第1の取り付け要素54の側で第1の取り付け要素54に隣接する第1のシール部55をさらに備える。第1のシール部55は、第1のシール部材71に隣接するインナーライナ91に直接当接または接触するように構成されている。
図2Aはさらに、第2の収縮部62と鏡面対称である第1の収縮部61をより詳細に示す。第1の収縮部61は、収縮セグメント63のリングを形成するためにドラム1の円周方向にドラムシャフト2の周りに均等に分布する数の収縮セグメント63を備える。図2Aには1つの収縮セグメント63のみが示されている。収縮セグメント63は、ドラム1の軸方向Aに移動可能であるように、ドラムシャフト2に取り付けられている。この例示的な実施形態では、第1ビードロック部51のクランプ本体53が収縮セグメント63上で支持され、それによって、第1のビードロック部51および第1の収縮部61をドラム1の軸方向Aに一体的に移動させることができる。各収縮セグメント63には、第1のシール部材71の第2の端部75を受け入れるための、この例示的な実施形態ではプロファイル溝の形態の第2の取り付け要素64が設けられている。
各収縮セグメント63は、ドラム1の軸方向Aにおいて成形部4に面する第2の取り付け要素64の側で、第2の取り付け要素64に隣接する第2のシール部65をさらに備える。第2のシール部65は、第1のシール部材71に隣接するインナーライナ91に直接当接または接触するように構成されている。図2Bおよび図6Aに示すように、第2のシール部65内でまたはそこにおいて、各収縮セグメント63には、第2のシール部65を通じたまたはこれに沿った、軸方向Aにおける第2のシール部65の両側の間の流体連通、特に空気連通を可能にするための、この例示的な実施形態においては溝の形態の、流体接続部66が設けられる。流体接続部66は、成形部4を、成形部4と軸方向に対向する第2のシール部65の側面に接続する。
図4に示すように、流体接続部66は、代替的に、第2のシール部65と一体のダクト166として設けられてもよい。この例示的な実施形態では、一体ダクト166は成形部4から発し、第1のシール部材71の収縮面73に直接隣接して出る。代替的に、一体ダクト166は、エアポンプ装置40の別の供給源位置、たとえば、ドラムシャフト20から直接に発してもよい。
各収縮セグメント63には、収縮チャンバ67が設けられ、収縮チャンバ67は、第1の収縮部61が、図2Aに示すような水平位置から図2Bに示すような収縮位置に収縮することを可能にする。収縮チャンバ67には、第1の支持板81の端部を収縮チャンバ67内で係合または保持するためのカムまたはラグ87、88が設けられている。
支持板81、82は、好ましくは、自然な応力を受けていない形状を与えられた弾性材料で作成されている。支持板81、82の応力を受けていない形状は、補強ストリップ98、99の(負の)プロファイルに実質的に対応する。収縮位置では、図2Bに示すように、支持板81、82はそれらの自然な非応力形状に戻ることができる。支持板81、82は、図2Aに示すような水平位置の撓んだ状態と、図2Bに示すような収縮位置の自然状態との間で弾性的に可撓性を有するように収縮チャンバ67内に取り付けられている。特に、軸方向Aにおける支持板81、82の端部85、86は、収縮チャンバ67のカムまたはラグ87、88によって係合されるか、またはそれらによって保持され、それによって、端部85、86は、半径方向Rにおける収縮部63に対する動きに対して固定される。一方、端部85、86の間の支持板81、82の本体は、ドラム1の半径方向Rに平行な収縮距離Zにわたって半径方向Rに弾性的に可撓性である。
半径方向Rにおける支持板81、82の撓みは、ドラム1の円周方向に均等に分布する複数のアクチュエータセグメント80によって駆動される。アクチュエータセグメント80は、半径方向Rに平行な半径方向内向きの方向Xに移動するために駆動装置によって作動される。この例では、駆動装置は、空気圧駆動されて、ドラム1の軸方向Aに平行なウェッジ方向Yにおいて空気圧チャンバまたはシリンダ69を通じて前後に動くウェッジ68によって形成される空気圧駆動装置である。ウェッジ68の空気圧シリンダ69を通る行程は、適切な制限手段によって、たとえば、空気圧シリンダ69から出てウェッジ方向Yに延伸するウェッジ68にシャフト(図示せず)を追加することであって、空気圧シリンダ69の外側で、調整可能なストッパ、たとえば、ナットが設けられているシャフトを追加することによって、調整および/または制限することができる。代替的に、上記空気圧シリンダ69の範囲を制限するために、空気圧シリンダ69の内部に間隔要素(図示せず)を設けてもよい。アクチュエータセグメント80は半径方向外向きの方向Rに能動的に押し上げられて支持板81を水平位置で撓んだ状態に能動的に撓ませ、一方で、ウェッジ68を後退させることによって、アクチュエータセグメント80が、第1の支持板81の、収縮位置におけるその自然状態または形状に向かうバイアスを受けて戻り運動Xにおいて移動することが可能になる。
図2Bに示すように、第1の支持板81は、実質的に一定の半径を有する湾曲を有する。第1支持板81は自然状態で一様に湾曲または屈曲している。第1の支持板81は、両端部85、86の間のその長さにわたって実質的に均一な剛性または可撓性を有し、図2Aに示されているような水平位置で撓んだ状態に撓んだ後、図2Bに示すように収縮位置に弾性的に撓んで戻る。本発明の代替的な実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、対向する端部85、86の間の長さに沿った特定の位置で脆弱化された代替的な第1の支持板181が設けられる。この例では、代替的な第1の支持板181は、折り目K、Lを設けることによって2つの位置で脆弱化され、それにより、図3Bに示されているように、収縮位置に撓んで戻る間の代替的な第1の支持板181の曲率または半径においてより急な移行が課される。戦略的に選択された折り目K、Lを用いて、補強ストリップ98、99の代替的な断面形状、たとえば、非対称、切頭または多平面、に対応することができる。
図10Aおよび図10Bは、本発明の第4の実施形態による代替的な高度に構成可能な収縮部261を示す。
代替的な収縮部261は、図2Aおよび図2Bに示す収縮部61に置き換わる。代替的な収縮部261は、図2Aおよび図2Bに示す収縮部61と同様に、ビードロック部51と協働する。
代替的な収縮部261は、シール部材71が図10Aに示されているような水平位置から図10Bに示されているような収縮位置に収縮するときに、シール部材71の収縮面73の形状を規定する、シール部材71の下側の支持板を含まないという点において、前述の収縮部61とは異なる。
その代わりに、図10Aに示すように、代替的な収縮部261には、収縮チャンバ267と、収縮チャンバ267内に受け入れられる複数の半径方向に調整可能なプロファイルセグメント283、284が設けられている。複数のプロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2の軸方向Aに互いに隣接して配置され、図10Bに示すように、個々に後退するように、すなわち、収縮チャンバ267内で半径方向内側方向Xに個々の後退位置に向かって内側に移動するように構成される。それらのそれぞれの後退位置において、複数のプロファイルセグメント283、284は、図10Bに示されるように、収縮位置でシール部材71の収縮面73を支持するための高度に構成可能な非水平支持プロファイルを形成する。支持板81と同様に、複数のプロファイルセグメント283、284は、図11に示すように、ドラムの周方向に分布している。
複数のプロファイルセグメント283、284のそれぞれの後退位置を設定または構成するために、収縮部261には、複数のプロファイルセグメント283、284の半径方向内側に延伸する1つまたは複数のプロファイルリング286、287が設けられる。各プロファイルリング286、287には、階段状停止面288、289が設けられ、各停止面288、289は、支持プロファイル内で上記それぞれのプロファイルセグメント283、284に特有の後退位置において上記それぞれのプロファイルセグメント283、284を停止させるために、半径方向内向きの方向Xにおいて複数のプロファイルセグメント283、284のうちの1つに直に対向して配置される。したがって、各後退半径方向位置は、プロファイルセグメント283、284のプロファイルリング286、287との当接によって規定される。プロファイルリング286、287は、異なる支持プロファイルに対応する異なる階段状停止面288、289を有する他のプロファイルリング286、287と置き換えることができる。
図10Aおよび図10Bに示すように、プロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2の軸方向Aにおいて代替的なアクチュエータセグメント280の対向する両側で2つのグループに構成されている。アクチュエータセグメント280は、ちょうど図2Aおよび図2Bのウェッジ68のようなウェッジ268によって半径方向外向きの方向Rに半径方向外向きに推進される。ウェッジ268がアクチュエータセグメント280の下から部分的に離れると、アクチュエータセグメント280は、半径方向内向きの方向Xに内側に移動することができる。アクチュエータセグメント280は、半径方向Rにおいてプロファイルセグメント283、284に平行に延伸し、基本的にプロファイルセグメントのように機能する本体281と、ドラムシャフト2の軸方向Aに平行に、本体281の両側からプロファイルセグメントの2つのグループ283、284に向かって突出するレベリングシャフト282とを設けられる。図10A、図10Bおよび図11に示すように、プロファイルセグメント283、284の各々には、レベリングシャフト282を受け入れるためのスロット285が設けられている。スロット285は、それぞれのプロファイルセグメント283、284が、図10Aに示されているような水平位置から図10Bに示されるような後退位置に移動することを可能にするために、半径方向Rにおいて十分に長い。それぞれのスロット285の上方のプロファイルセグメント283、284の高さは、すべてのプロファイルセグメント283、284について同じであり、さらに、レベリングシャフト282の上のアクチュエータセグメント280の本体281の高さに等しい。
ドラムシャフト2に対するアクチュエータセグメント280の半径方向の高さまたは距離は、調整可能なストッパ、たとえば、ナット600を空気圧シリンダ269内に設けることによって図10Bの後退位置において制限され、それによって、空気圧シリンダ269内のウェッジ268の範囲が調節可能に制限され、したがって、アクチュエータセグメント280の本体281の半径方向内向きの方向Xの移動範囲が制限される。アクチュエータセグメント280の後退位置は、アクチュエータセグメント280の軸方向位置における支持プロファイルと一致するように設定される。
アクチュエータセグメント280は、ウェッジ268がアクチュエータセグメント280の下に移動されるとき、半径方向Rに半径方向外側に推進されるように構成される。アクチュエータセグメント280が半径方向外側に移動すると、レベリングシャフト282は、プロファイルセグメント283、284のそれぞれのスロット285を通って移動し、最終的にプロファイルセグメント283、284のすべてに同時に接触し、それによってプロファイルセグメント283、284を単一の相互に同じ半径方向の高さまたは位置まで持ち上げられ、これはさらに、アクチュエータセグメント280の頂部と同じ高さである。したがって、プロファイルセグメント283、284は、アクチュエータセグメント280とともに、この時点において、図10Aに示されるような水平位置においてシール部材71の収縮面73を支持するための実質的に水平なプロファイルを形成する。
アクチュエータセグメント280が半径方向内向きの方向Xに内向きに戻ることが可能になると、レベリングシャフト282は、半径方向内向きの方向Xに内側に移動する。プロファイルセグメント283、284は、プロファイルセグメント283、284がプロファイルリング286、287において、それらのそれぞれの停止面288、289に個別に当接するまで、レベリングシャフト282とともに下方に移動することを可能にされる。それらのそれぞれの後退位置において、プロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2に対して不均一な半径方向の高さまたは距離まで上方に延伸しているか、またはその高さまたは距離にある。特に、プロファイルセグメント283、284の半径方向の距離は、停止面288、289上に載っているとき、上記プロファイルセグメント283、284によって形成されるべき所望の支持プロファイルに対応する。
図12Aおよび図12B、図13Aおよび13Bならびに図14Aおよび14Bは、それぞれ本発明の第5の実施形態、第6の実施形態および第7の実施形態による高度に構成可能な収縮部361、461、561のさらなる実施形態を示す。
図12Aおよび12Bに示すように、第5の実施形態による高度に構成可能な収縮部361は、プロファイルリングが存在しない点で図10Aおよび図10Bに示すものとは異なる。代わりに、収縮チャンバ367の底部388、389は、ドラムシャフト2の軸方向Aにおいて平坦または実質的に平坦であり、プロファイルセグメント383、384は半径方向Rに個々の長さが与えられている。結果として、異なる長さを有する2つのプロファイルセグメント383、384が収縮チャンバ367の平坦な底部388、389に当接すると、異なる長さのプロファイルセグメント383、384は、支持プロファイル内で上記プロファイルセグメント383、384の半径方向高さに対応する異なる長さにわたって半径方向外向きの方向Rにおいて半径方向外向きに延伸する。この実施形態では、支持プロファイルを変更することは、1つまたは複数のプロファイルセグメント383、384を異なる長さのプロファイルセグメントに置き換えることを含む。この実施形態では、アクチュエータセグメント380に最も近いプロファイルセグメント383、384は、レベリングシャフト382によって直接作動される。しかしながら、レベリングシャフト382は、すべての隣接するプロファイルセグメント383、384のスロットを通って延伸していない。代わりに、隣接して配置されたプロファイルセグメント383、384は、相互に噛合するカムと凹部385によって、それらの隣接するプロファイルセグメント383、384によって間接的に作動される。
図13Aおよび13Bに示すように、第6の実施形態による高度に構成可能な収縮部461は、プロファイルリングが収縮部461の収縮セグメント263へと一体化されている点で図10Aおよび図10Bに示すものとは異なる。したがって、階段状停止面488、489は、収縮チャンバ467の底部に直接設けられる。ここでも、プロファイルセグメント483、484は、噛合するカムと凹部485を介して間接的に作動される。
図14Aおよび図14Bに示すように、第7の実施形態による高度に構成可能な収縮部561は、プロファイルリングの階段状停止面が、たとえば、高さ調節可能なねじまたはボルトの形態にある、個々に調整可能な停止要素588、589によって置き換えられるか、または、形成される点で、図10Aおよび10Bに示すものとは異なる。各停止要素588、589を個々に正確な半径方向高さに設定することができるので、この実施形態は、プロファイルリングまたはプロファイルセグメント583、584のような部品を交換する必要なしに高度に構成可能である。ここでも、プロファイルセグメント583、584は、噛合するカムおよび凹部585を介して間接的に作動される。
代替的に、図12Aおよび図12B、図13Aおよび図13B、ならびに図14Aおよび図14Bに示すプロファイルセグメント383、384;483、484;583、584には、図10A、図10Bおよび図11に示されているように、アクチュエータ260によって移動されるべき、図10A、図10Bおよび図11に示されているのと同じスロットが設けられてもよい。
上述の高度に構成可能な収縮部261、361、461、561は、様々な高度に調整可能な支持プロファイルの上の収縮部の中でシール部材71を支持するために使用されてもよい。支持プロファイルは、対称もしくは非対称、滑らかもしくは急、より鋭いもしくはより急激な角度、または前述の特徴の組み合わせであり得る。特に、高度に構成可能な収縮部261、361、461、561を使用して、補強ストリップ以外のタイヤ構成要素、たとえば図15に示されているような側壁601、602に対応することを可能にする支持プロファイルに従ってシール部材71を支持することができる。
図6Aの断面図に示すように、各アクチュエータセグメント80は、円形セグメントとして成形され、複数の第1の支持板81を支持する。図5Aに示すように、第1の支持板81は、直線状または線形の長手方向側面83、84を有する。それゆえ、図6Aに示すような状況では、第1の支持板81は、ドラム1の周方向にわずかに離間しており、第1の収縮部61において第1の支持板81がより小さな周に収縮することを可能にし、上記収縮の間に第1支持板81の間の干渉を防止することを可能にする。その代わりに、図5Bに示すように、凹状の長手方向側面283、284が設けられた、代替的な第1支持板281が設けられてもよい。凹状の長手方向側面283、284は砂時計形状を規定し、その中心は収縮位置における代替的な第1の支持板281のより小さい直径に適合される。したがって、代替的な第1の支持板281は、収縮位置において、代替的な第1の支持板281がそれらの凹状の長手方向側面283、284に当接し、実質的にまたは実効的に閉鎖された周面を形成するように互いに接近して配置することができる。
図1A〜図1Fを参照して、ここで、上述のドラム1を有するランフラットタイヤの製造方法を、より詳細に説明する。以下の説明では、図1〜図9による収縮部61、62のみを参照するが、本方法のステップは、それぞれ図10Aおよび図10B、図12Aおよび図12B、図13Aおよび図13B、ならびに図14Aおよび図14Bに示すような代替的な収縮部261、361、461、561にも当てはまる。
図1Aに示すように、支持板81、82は、インナーライナ91を受け入れるための水平な周面を提供するために、水平位置に能動的に移動されている。図1Aにおいて、インナーライナ91は、ドラム1の主周面3の周りに被着され、続いてスプライスされる。ドラム1のドラムセグメント(図示せず)は、スプライスされたインナーライナ91の元の直径よりわずかに大きい第1の直径D1までわずかに拡張されている。その結果、スプライスされたインナーライナ91は、たとえば、その直径の0.5%から1%の範囲内でわずかに伸張される。インナーライナ91は、ビードロック部51、52、収縮部61、62および成形部4にわたって延伸している。支持板81、82は、それらのそれぞれのアクチュエータによって水平位置へと能動的に撓み、当該位置において、上記支持板81、82に支持された収縮面73は第1の直径D1にあるドラム1の主周面3と同じ高さ位置になる。それぞれのビードロック部51、52およびそれぞれの収縮部61、62の第1のシール部55および第2のシール部65は、シール部材71、72の両方の軸方向端部74、75においてインナーライナ91に密接する。
図1Bは、成形部4から空気を引き込むためにエアポンプ装置40の真空ポンプ(図示せず)が作動している状況を示す。成形部4には部分真空Vが生成される。図2Aおよび図2Bに示すように、ウェッジ68は、空気圧で後退し、アクチュエータセグメント80が半径方向内向きの方向Xに半径方向内側に移動することを可能にする。支持板81、82がそれらの自然な形状に移動することを可能にされると(または、プロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584がそれらのそれぞれの後退位置に後退されると)、それぞれのシール部材71、72の収縮面73は、シール部材71、72内の弾性張力の影響下で、半径方向内向きの方向Xにおいて、支持板81、82(または、プロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)に追従する。インナーライナ91がわずかに伸張されると、インナーライナ91は収縮面73に少なくとも部分的に追従する。インナーライナ91が最終的に収縮面73から分離し始めると、中間空間に空気が入る。しかしながら、図2Bに示すように、部分真空Vはまた、それぞれの収縮面73とインナーライナ91との間の領域から流体接続部66を通じて空気を引き込む。したがって、インナーライナ91とそれぞれの収縮面73との間の中間空間から、その間の空気が迅速に、直ちにまたは瞬時に引き出される。収縮面73の両側面74、75のシール部55、65は、空気がその領域に再び入ることを防止する。したがって、インナーライナ91は、負圧または部分真空Vの影響を受けて収縮面73へと引っ張られるかまたは吸引される。
収縮面73が支持板81、82(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)に追従すると、ドラム1の周が、補強ストリップ98、99を受け入れるための準備として、第1の周または直径D1より小さい第2の周または直径D2まで、収縮距離Zだけ局所的に低減または減少する。支持板81、82(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)およびその上に支持された収縮面73は、この時点で、図1Aの状況と比較するとドラム1の中心軸Sにより近いが、ドラム1の主周面3の第1の直径D1は同じままである。インナーライナ91は、部分真空によって収縮面73へと吸引され、図2Bに示すように、好ましくはその自然な周を越えて第2の直径D2にある収縮位置へと収縮している。支持板81、82の収縮距離Z(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイルの収縮距離Z)は、ドラム1の半径方向Rにおける補強ストリップ98、99の厚さに関連し、それによって、補強ストリップ98、99は、実質的にドラム1の主周面3の第1の直径D1内で、インナーライナ91内の周方向の窪み、空洞、溝または凹部内に収容され得る。補強ストリップ98、99は、窪み内に完全に収容されるか、または、窪みの外側のインナーライナ91の残りの部分の上にわずかに突出する。窪みの外側のインナーライナ91の上に突出するとき、補強ストリップ98、99は、外部加圧手段、たとえば、圧力ホイールまたはステッチングホイールによって窪み内に堅固に押し込むことができる。
前述の収縮の間のインナーライナ91と収縮面73との間の相互作用は、インナーライナ91と収縮面73との間から空気が引き出されるのを可能にするのに十分であるべきである。しかしながら、インナーライナ91と収縮面73との間の部分真空の引き込みをさらに増強または向上させるために、図8に示されているような、代替的な収縮面173が設けられた代替的なシール部材171が設けられてもよい。代替的な収縮面173には、代替的な収縮面173の半径方向外向きに面する側面上の、特に、リブもしくは隆起部のような突起、または、溝のような窪みの形態の複数の通気要素176が設けられている。通気要素176はインナーライナ91と代替的な収縮面173との間の通気空間から空気を引き出すことができるように、代替的な収縮面173およびインナーライナ91が十分に離間していることを確実にする。
図1Cでは、補強ストリップ98、99が、それぞれの収縮部61、62のそれぞれの軸方向位置でインナーライナ91内に形成された窪みまたは凹部に配置されている状況が示されている。補強ストリップ98、99の半径方向外面は、収縮部61、62の外側のインナーライナ91と実質的に同一平面であることに留意されたい。
図1Dは、カーカス9を形成するために、1つまたは複数のボディプライ92が収縮部61、62でインナーライナ91および補強ストリップ98、99の周りに周方向にどのように配置されるかを示す。特に、収縮部61、62に補強ストリップ98、99が存在するにもかかわらず、1つまたは複数のボディプライ92を実質的に平坦または水平状態に配置することができることが分かる。したがって、1つまたは複数のボディプライの不正確なスプライスを招く周の変動を防止することができる。
図1Eは、さらに、それぞれのビードロック部51、52のそれぞれの軸方向位置で、1つまたは複数のボディプライ92の周りに環状ビード93、94を周方向に配置することを示す。
図1Fは、カーカス9を成形する後続のステップを示す。ビードロック部51、52は、ビード93、94に対して1つまたは複数のボディプライ92を押し付けるために、主径D1に対して半径方向Rにわずかに拡張されている。ビード93、94は、この時点において、カーカス9の内側部分95を外側部分96、97からシールして、内側部分95を膨張させることができる。この時点において、エアポンプ装置40が、成形部4に過圧Wを発生させ、内側部分95を膨張させるように操作される。続いて、カーカス9の外側部分96、97を、成形された内側部分95に対して折り返すことができるT。
図9Aおよび図9Bは、前述のドラム1を示しているが、図1Aおよび図1Bに関するステップの代替的な順序を示している。図1Aおよび1Bにおいて、収縮面73は、収縮面73(図1C参照)においてインナーライナ91の周りに第1の補強ストリップ98および第2の補強ストリップ99を配置する前に収縮位置に移動される。図9Aおよび図9Bによる代替的な方法ステップでは、第1の補強ストリップ98および第2の補強ストリップ99は、収縮面73が収縮位置に移動する前に収縮面73においてインナーライナ91の周りに配置される。この代替的なステップ順序は、補強ストリップ98、99とインナーライナ91との間に形成される空気ポケットの量を低減させることができる。特に、インナーライナ91が依然として実質的に平坦であるとき、補強ストリップ98、99がインナーライナ91上に配置されることが分かる。その後、インナーライナ91が収縮面73へと収縮位置まで引き込まれ、一方で、補強ストリップ98、99がインナーライナ91とともに収縮位置に移動する。
カーカス9は、同じドラム1上に形成され、成形されるので、本発明によるドラム1は、単一段または単段ドラム1であると考えられる。
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を示すために含まれており、本発明の範囲を限定するようには意図されていないことが理解されるべきである。上記の説明から、依然として本発明の範囲によって包含される多くの変形が、当業者には明らかになるであろう。
たとえば、図15は、たとえばトラックタイヤを製造するための二段または多段タイヤ構築工程の一部である平坦な成形ドラム600における、図10A、図10B、図11、図12A、図12B、図13A、図13Bおよび図14A、図14Bに示されているものと同じ個別に調整可能なプロファイルセグメントを有する高度に構成可能な収縮部261、361、461、561および262、362、462、562の実施態様を示す(図15においては概略的にのみ示されている)。
図15の平坦な成形ドラム600は、上記カーカスの成形のために別個の成形ドラム(図示せず)に移送されることになるカーカスパッケージを準備するために使用される。図15に概略的に示されているように、平坦な成形ドラム600には、それぞれの側壁601、602を受け入れるために軸方向Aにおいてインナーライナ91の外側に配置されている、上記の高度に構成可能な収縮部261、361、461、561のうちの2つが設けられている。ビードロック部51、52は、ビードが、二段または多段タイヤ成形工程の別個の段階にある、成形ドラムにおいてカーカスパッケージに最初に適用されるだけであるため、本実施形態にはない。同様に、平坦な成形ドラム600には成形部4が設けられておらず、したがって、後退状態において側壁601、602をプロファイルセグメントへと吸引するための真空手段は設けられていない。したがって、図1〜図14に示すようなシール部材71、72も不要である。シール部材71、72は、任意に、プロファイルセグメントによって形成される支持プロファイルを平滑にするために使用することができる。しかし、プロファイルセグメントは、側壁601、602と直接接触することもでき、それによって本発明による収縮面を形成する。
プロファイルセグメントは、平坦な成形ドラム600の周面3の第1の直径D1に対して、図15に示す状態まで単純に後退し、その後、側壁601、602は、後退したプロファイルセグメントによって形成された窪みまたは凹部に被着または受け入れられる。側壁601、602は、続いてスプライスおよび/またはステッチングされる。ボディプライ603は、側壁601、602およびインナーライナ91の周りに周方向に適用されて、カーカスパッケージが完成される。凹んだ側壁601、602は、インナーライナ91と同一平面にあり、その結果、下にある表面が完全に平坦であるかのように、ボディプライ603を成形ドラム600に被着、スプライスおよび/またはステッチングすることができる。これにより、スプライスおよび/またはステッチングの精度が大幅に向上する。
要約すると、本発明は、ランフラットタイヤを製造する方法に関し、方法は、第1の収縮部と第2の収縮部とを有するドラムを提供するステップであって、各収縮部は半径方向に移動可能な収縮面を設けられる、提供するステップを含み、第1の収縮部および第2の収縮部において収縮面とインナーライナとの間に部分真空を生成しながら、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から収縮位置に移動させるステップであって、当該位置において、ドラムは収縮面において第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する、移動させるステップと、部分真空の影響下で収縮位置の収縮面へとインナーライナを収縮させるステップとをさらに含む。本発明はまた、前述の方法で使用するためのドラムに関する。
本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するための方法およびドラムに関する。ランフラットタイヤは、フラットタイヤの場合に側壁の剛性を高めるために、タイヤの側壁に支持部材を設けられており、それによって、上記ランフラットタイヤを装備した自動車は、パンクしたまたは空気が抜けた後も走行を継続することができる。
欧州特許第1847830号明細書は、タイヤブランクを製造するための可変直径組立ドラムを開示しており、ドラムは、厚さの大きいプロファイルを受け入れるように意図された領域内に軸方向に配置された円筒状の溝を設けられており、上記溝は弾性円周体を含む。ドラムをその最小直径に移動させると、ロッドの形態の機械的手段が、周止め上で支持され、弾性体を溝の底部から離間して半径方向に移動させて、弾性体の半径方向外面をドラムの敷設面と整列させる。敷設面は、この時点において、内層を受け入れるために実質的に水平である。ドラムが第2のより大きい直径に移動すると、円周方向の弾性張力の影響下で、円筒状の溝内の弾性体が溝の底部に対して平坦になることが可能になる。
国際公開第2013/079544号パンフレットは、欧州特許第1847830号明細書の組立ドラムと同様の可変直径組立ドラムを開示している。組立ドラムは、プッシュ部材によって溝の底部から半径方向に離間された弾性円周スリーブを含む少なくとも1つの円形溝を含む敷設面を有し、プッシュ部材は、ドラムが第1の位置決め直径に設定されると、スリーブの半径方向外面を受面と整列させるように、可動セグメントに対して半径方向に可動であり、ドラムが上記第1の位置決め直径よりも大きい位置決め直径に設定されると、円周方向の弾性張力によって溝の底部と係合する。
特開2010−052181号公報は、シート状のインナーライナゴムがドラム本体の外周面に巻き付けられる、ランフラットタイヤの製造方法を開示している。続いて、インナーライナの側壁に対応する一対の領域の各々にサイド補強ゴムのストリップが巻き付けられて、円筒状製品が形成される。外周面には一対の周方向溝が形成されている。ドラム本体は、サイド補強ゴムで補強された円筒状製品の一部が周方向溝に沈み込むように拡張される。
上記従来技術のすべてにおいて、インナーライナは、第1の直径からより大きい第2の直径への組立ドラムの拡張と共に相当に伸張され、同時に、溝では、インナーライナが強制的に溝に引っ張られる。インナーライナの伸張によりインナーライナが変形し、予期せぬ挙動をする場合がある。さらに、相当の伸張から溝での引っ張りに移行する際に、不規則性が生じる場合がある。これらの不規則性は、インナーライナおよび上記インナーライナの上に配置された任意の後続のタイヤ層の均一性に悪影響を及ぼし得る。最後に、特に、溝が対称でないか、または溝の断面に鋭角または急激な角度がついている場合に、インナーライナが溝内に完全に引っ張られていることが保証できない。インナーライナが溝内に完全に引き込まれていない場合、円周の差は、欧州特許第1847830号明細書の厚いプロファイルのような、後続の層のスプライスの精度に影響を及ぼし得る。
欧州特許第1847830号明細書
国際公開第2013/079544号パンフレット
特開2010−052181号公報
本発明の目的は、上述の欠点の少なくとも1つが低減された、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するための代替方法および代替ドラムを提供することである。
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造する方法を提供し、方法は、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを有するドラムを提供するステップであって、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを備え、各収縮部には半径方向に可動である収縮面が設けられている、提供するステップを含み、方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面を中心軸に対して、収縮面が第1の直径になる水平位置へと移動させ、続いて、第1のタイヤ層をドラムの主周面の周りに配置し、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面上に延伸させるステップと、第1の収縮部および第2の収縮部における収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を形成しながら、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、収縮面においてドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置に移動させるステップと、部分真空の影響下で収縮位置の収縮面に第1のタイヤ層を収縮させるステップとをさらに含む。
欧州特許第1847830号明細書の可変直径ドラムのような従来のドラムは、弾性張力の影響下で、補強要素を支持する本体がドラムの溝に対して平らにされる間に、第1の直径から第2のより大きな直径に半径方向に外側に拡張される。直径拡張の結果として、タイヤ層全体が伸張され、シワおよび他の不規則性が生じる。公知の本体は、ドラムの周面に対して内側に移動するが、ドラムの中心軸に対して内側には移動しない。事実、欧州特許第1847830号明細書の本体は、最初、拡張の第1の部分の間に同じ半径方向位置に留まり、最終的にはより大きな第2の直径に向かって周面と共に拡張する。対照的に、本発明の方法におけるドラムは、上述の方法のステップの間には拡張されない。代わりに、収縮部分のみがドラムの中心軸に対して収縮する。
欧州特許第1847830号明細書のように、第1のタイヤ層の残りの部分を伸張させることにまさる、第1のタイヤ層を収縮部で局所的に収縮させる利点は、収縮部のそれぞれの軸方向位置でのみ局所的に第1のタイヤ層を収縮させることによって、第1のタイヤ層の残りの部分、特に主周面から収縮部分への移行部にシワまたは他の不規則性が形成される危険性を低減することができることである。最終的にカーカスの1つまたは複数のさらなるタイヤ層と直接接触する不規則性の量を低減することにより、上記カーカスのスプライス精度が向上する。第1のタイヤ層を収縮面上に吸引または引っ張るために部分的な真空を使用することにより、第1のタイヤ層の、収縮位置における収縮面の形状への一致を改善することができる。さらに、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径で典型的に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。第1のタイヤ層の収縮の少なくとも一部について、第1のタイヤ層は、元の未伸張状態に単純に戻すことができる。したがって、正味収縮量は、従来技術で必要とされるであろう余分な伸張量よりもかなり小さくすることができる。
一実施形態では、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、ドラムの主周面は第1の直径のままである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、第1のタイヤ層は、収縮する表面がスプライスの精度に影響を及ぼすことなく、水平円周面上に被着およびステッチングすることができる。
一実施形態では、本方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置するステップをさらに含む。補強ストリップは、最終的に製造されるランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めることができる。
一実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを適用することにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
代替的な実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
一実施形態では、収縮面は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置する前に、収縮位置へと移動される。したがって、第1のタイヤ層を、補強ストリップの存在によって妨げられることなく、部分真空の影響下で収縮面上に引き寄せることができる。
代替的な実施形態では、収縮面を収縮位置へと移動させる前に、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップが配置される。この実施形態は、既に収縮した収縮面に補強ストリップを配置することにより、空気が第1のタイヤ層と補強ストリップとの間のポケットに閉じ込められることが予想される場合に特に有用であり得る。第1のタイヤ層がまだ水平に保持されている間に補強ストリップを第1のタイヤ層に配置することにより、空気ポケットの量を減らすことができる。
一実施形態では、本方法は、半径方向において第1の補強ストリップと第2の補強ストリップが第1のタイヤ層と1つまたは複数のさらなるタイヤ層との間に配置されているカーカスを形成するために、第1のタイヤ層、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップの周りに1つまたは複数のさらなるタイヤ層を配置するステップをさらに含む。したがって、補強ストリップは、タイヤまたはランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めるためにカーカスの一体部分を形成することができる。
一実施形態では、方法は、第1のビードおよび第2のビードを、1つまたは複数のさらなるタイヤ層の周りに配置するステップであって、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に、第1の収縮部および第2の収縮部が位置付けられる、配置するステップをさらに含み、方法は、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に配置されているカーカスの部分を成形するステップをさらに含む。その好ましい実施形態では、成形するステップは、第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部を設けるステップと、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間でカーカスの上記部分を膨張させるために、成形部内に過圧を生成するステップとを含む。したがって、ランフラットタイヤのカーカスは、同じドラムに構築および形成することができる。したがって、ドラムは、一段または単一段のドラムと考えることができる。
一実施形態では、成形部、第1の収縮部および第2の収縮部が流体連通状態で配置され、第1の収縮部および第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するステップは、成形部内に部分真空を生成するステップと、成形部内の部分真空が第1の収縮部と第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間から空気を引き出すことを可能にするステップとを含む。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
第2の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するためのドラムを提供し、ドラムは、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを備え、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを設けられ、各収縮部は、収縮面が第1の直径においてドラムの主周面と同じ高さになる水平位置と、収縮面が中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、ドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置との間で移動可能である収縮面を設けられており、ドラムは、主周面の周りで第1のタイヤ層を受け入れ、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面にわたって延伸するように配置されており、ドラムは、収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するために、収縮部に動作可能に接続されたエアポンプ装置をさらに設けられている。
これは、ここでも、第1のタイヤ層を収縮部のそれぞれの軸方向位置においてのみ局所的に収縮させるという利点を有し、シワまたは他の不規則性の形成の危険性を低減することができる。方法と同様に、部分真空の使用は、収縮位置における収縮面の形状に対する第1のタイヤ層の一致を改善することができる。最後に、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。
一実施形態では、ドラムの主周面は、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、第1の直径のままであるように構成される。
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
一実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように配置され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを受け入れることにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
代替的な実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように構成され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
好ましくは、収縮位置における収縮面の断面形状は、組み合わされた第1のタイヤ層およびそれぞれの補強ストリップの断面形状に実質的に対応する。収縮面の形状を補強ストリップの形状に合わせることにより、収縮位置における第1のタイヤ層に対する補強ストリップの均一性または平滑化がさらに増大する。
一実施形態では、収縮面は、その第1のタイヤ層に面する側において、第1のタイヤ層と収縮面との間から空気が引き出されることを可能にするために、第1のタイヤ層と収縮面との間に通気空間を形成するように配置された通気要素を設けられる。したがって、通気要素は、エアポンプ装置が第1のタイヤ層と収縮面との間から空気を引き込む能力をさらに向上させる。
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第1のシール部を設けられ、第1のシール部の各々は、軸方向においてそれぞれの収縮部の端部の1つにおいて第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第1のシール部は、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入るのを防ぐことができ、それによって部分真空の有効性が改善される。
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第2のシール部を設けられ、第2のシール部のそれぞれは、それぞれの第1のシール部に対向する、軸方向におけるそれぞれの収縮部の端部で第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第2のシール部は、第1のシール部と協働して、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入ることを防止し、それによって部分真空の有効性を改善する。
一実施形態では、エアポンプ装置は、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間に部分真空を生成するために、第1の収縮部および第2の収縮部に動作可能に接続される。
一実施形態では、第1のシール部または第2のシール部には、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間の領域にエアポンプ装置を動作可能に接続するための流体接続部が設けられる。流体接続部は、空気が上記領域からシール部の1つを通って引き込まれることを可能にする。
一実施形態では、ドラムには、軸方向において第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部が設けられ、エアポンプ装置は成形部に動作可能に接続され、成形部は、第1の収縮部および第2の収縮部と流体連通して配置される。好ましい実施形態では、流体接続部は、流体連通状態にある成形部を、それぞれの収縮部の収縮面、第1のタイヤ層、第1のシール部および第2のシール部の間の領域に接続する。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
一実施形態では、エアポンプ装置は、交互に空気を引き込み、もしくは、空気を供給するように構成された可逆エアポンプを備え、または、エアポンプ装置は、空気を供給および引き込むための複数のエアポンプを備える。したがって、エアポンプ装置は、成形と収縮の両方に使用することができる。
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面は、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに弾性張力で延伸する第1のシール部材および第2のシール部材によってそれぞれ形成される。シール部材の弾性的な張力は、シール部材がそれぞれの収縮部でドラムの周りに緊密に配置されることを保証する。その結果、第1のタイヤ層に対するそれぞれの収縮部のシールを向上させることができる。
その好ましい実施形態では、第1のシール部材および第2のシール部材は、それぞれ、第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに均一に伸張される。これにより、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間のシール部材の周方向の収縮の均一性を向上させることができる。
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部には、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板が設けられ、これらはそれぞれの収縮部の周りに周方向に均一に分布し、上記それぞれの収縮面を水平位置および収縮位置で支持するために、それぞれの収縮面に対して半径方向内側に、半径方向において移動可能に配置される。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、それぞれの収縮面を水平位置で支持する第1の状態と、収縮位置でそれぞれの収縮面を支持する第2の状態との間で、半径方向に弾性的に可撓性を有するように構成される。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、アクチュエータによって第2の状態から第1の状態に移動するように構成されている。これにより、支持板を能動的に第1の状態に移動させて第1の状態に保持することができ、収縮面を水平位置に確実に支持することができる。
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、第1の状態から第2の状態に戻るように付勢され、好ましくは第2の状態は第1の支持板および第2の支持板の自然状態である。したがって、支持板は、外部アクチュエータを使用することなく、第2の状態に戻ることができる。弾性シール部材と組み合わせて、収縮面は、支持板の半径方向内向きの動きに追従する傾向がある。
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板には、ドラムの周方向において直接的に隣接する支持板に面する長辺が設けられ、長辺は、より小さい第2の直径で第2の状態において支持板が互いに接近することを可能にするように、支持板の第1の状態において凹んでいる。これにより、より小さい第2の直径における支持板間の干渉の可能性が低減する。
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板は、第1の状態から第2の状態へ戻る動きの間に支持板の挙動を変化させるために脆弱化される。好ましくは、支持板は、ドラムの軸方向においてその長さに沿って非対称な位置で脆弱化され、第2の状態において支持板の非対称形状をもたらす。したがって、同様の形状の補強ストリップを収容するために、多平面または非対称の断面形状を達成することができる。
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部は各々、中心軸に平行な方向に互いに隣接して配置された複数のプロファイルセグメントを設けられ、複数のプロファイルセグメントは、すべてのプロファイルセグメントが中心軸から同じ半径方向距離まで延伸する水平位置と、プロファイルセグメントが、収縮位置で収縮面を支持するための非水平支持プロファイルを形成するように個々に半径方向内側に移動する後退位置との間で、半径方向に個別に移動可能に配置される。支持プロファイルは、プロファイルセグメントの数に応じて高度に構成可能とすることができる。支持プロファイルは、対称もしくは非対称、滑らかもしくは急、より鋭いもしくはより急激な角度、または前述の特徴の組み合わせであり得る。特に、高度に構成可能な収縮部は、補強ストリップ以外のタイヤ構成要素、たとえば側壁を支持または収容するために使用することができる。
一実施形態では、各収縮部には1つまたは複数のリングが設けられ、各リングには、個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を、非水平支持プロファイル内でのそれらのそれぞれの半径方向位置に従って停止するための複数の停止面が設けられている。したがって、プロファイルセグメントは、半径方向においてすべて同じ長さを有し、かつ/または、実質的に同一であり得る一方、支持プロファイルは、リングによって規定される。
一実施形態では、リングは、それぞれの収縮部に取り外し可能に受け入れられる。したがって、リングは、異なる階段状の停止面を有する他のリングによって容易に置き換えることができ、それにより異なる支持プロファイルが得られる。
一実施形態では、リングは収縮部分と一体である。
一実施形態では、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを受け入れるための平坦な周方向底部を有する収縮チャンバを備え、複数のプロファイルセグメントは、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って半径方向において異なる長さを有する少なくとも2つのプロファイルセグメントを備える。したがって、支持プロファイルは、プロファイルセグメントの半径方向の高さが等しくないように規定することができるので、リングは不要である。
さらに別の実施形態では、各収縮部には、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を停止させるための複数の個別に調整可能な停止要素が設けられている。この実施形態は、それぞれの収縮部のプロファイルセグメント、リングまたは他の構成要素を交換する必要なしに、複数のプロファイルセグメントの各々の半径方向位置を個別に設定して支持プロファイルを変更することができるので、さらにより高いレベルの構成可能性を提供する。
一実施形態では、複数のプロファイルセグメントの各々は、半径方向に延伸するスロットを備え、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための、半径方向において移動可能なアクチュエータセグメントを設けられ、アクチュエータセグメントは、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントのすべてのスロットを通って延伸し、これと係合して、係合したプロファイルセグメントのすべてを水平位置に移動させるレベリングシャフトを設けられる。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に直接的に移動させることができる。
一実施形態では、複数のプロファイルセグメントには、互いに噛合するカムおよび凹部が設けられ、各収縮部には、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための半径方向に可動なアクチュエータセグメントが設けられ、アクチュエータセグメントには、アクチュエータセグメントに直に隣接するプロファイルセグメントのカムおよび/または凹部と係合して、上記直接的に係合したプロファイルセグメントを水平位置まで移動させるように構成されたレベリングシャフトが設けられ、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントの残りの部分は、カムと凹部との噛合によって間接的に係合して、水平位置に移動するように構成される。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に間接的に移動させることができる。
本発明の第3の態様の一実施形態では、アクチュエータセグメントは、複数のプロファイルセグメントのうちの1つとして機能する本体を備え、それぞれの収縮部は、本体の移動範囲を、上記本体の支持プロファイル内での位置に応じて半径方向内側方向において制限するための調整可能ストッパを備える。したがって、アクチュエータセグメントの本体の半径方向の高さは、本体が上記支持プロファイルの一部を形成するように、支持プロファイルと一致するかまたはこれを補完するように設定することができる。
一実施形態では、ドラムは、第1のビードおよび第2のビードをそれぞれロックするための第1のビードロック部および第2のビードロック部を備え、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ軸方向において、第1のビードロック部と第2のビードロック部との間に配置される。好ましくは、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ第1のビードロック部および第2のビードロック部に直に隣接するように配置される。したがって、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップは、それぞれ第1のビードおよび第2のビードの軸方向内側において、それらのそれぞれの収縮部で受け入れることができる。
本明細書に記載および図示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に記載されている態様および特徴は、分割特許出願の主題になり得る。
本発明を、添付の図面に示す例示的な実施形態に基づいて説明する。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
ランフラットタイヤを製造するための収縮部および成形部を有する本発明の第1の実施形態によるドラム、および上記ドラムを使用してランフラットタイヤを製造する方法のステップを示す図である。
図1Aの円II Aによる収縮部の1つの詳細を示す図である。
図1Bの円II Bによる収縮部の1つの詳細を示す図である。
図2Aと同じであるが、本発明の第2の実施形態による代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bと同じであるが、本発明の第2の実施形態による代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bと同じであるが、本発明の第3の実施形態によるさらなる代替的な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Aによる収縮部の詳細の2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図2Bによる収縮部の詳細の2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図1Aの線VI A − VI Aによるドラムの部分断面図である。
図6Aの円VI Bによるドラムの詳細な断面図である。
図1Aによる収縮部のうちの1つのシール部材を分離して示す図である。
図7に示されるようなシール部材に対する代替的なシール部材を示す図である。
図1Aと同じである、方法のステップの順序が代替的なものになっているドラムを示す図である。
図1Bと同じである、方法のステップの順序が代替的なものになっているドラムを示す図である。
図2Aに示されるものと同じであるが、本発明の第4の実施形態によるさらなる高度に構成可能な収縮部を有する詳細を示す図である。
図2Bに示されるものと同じであるが、本発明の第4の実施形態によるさらなる高度に構成可能な収縮部を有する詳細を示す図である。
図10Aおよび10Bによる収縮部の構成可能な部分の側面図である。
本発明の第5の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第5の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第6の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第6の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第7の実施形態による、図10Aによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
本発明の第7の実施形態による、図10Bによる高度に構成可能な収縮部のさらなる代替形態を示す図である。
図1A〜図1Fは、本発明の第1の実施形態による、タイヤ、特に自己支持タイヤまたはランフラットタイヤを製造するための、ドラム1、特に単段または単一段ドラム1を示す。
図1Eおよび1Fに示すように、本発明によるランフラットタイヤは、インナーライナ91の形態の少なくとも第1のタイヤ層、および、1つまたは複数のボディプライ92の形態のさらなるタイヤ層のパッケージを有するカーカス9を備える。ビード93、94が、インナーライナ91および1つまたは複数のボディプライ92のパッケージを、ビード93、94の間の内側部分95と、ビード93、94の外側の2つの外側部分96、97とに分割する。カーカス9の成形中、内側部分95はトーラス様形状に膨らまされ、外側部分96、97はビード93、94の周りで内側部分95へと折り畳まれる。ランフラットタイヤは、内側部分95において、ビード93、94においてまたはその付近で、インナーライナ91と1つまたは複数のボディプライ92との間に置かれる、補強ストリップ98、99、特にランフラットストリップをさらに備える。カーカス9の成形後、補強ストリップ98、99は、ランフラットタイヤの内側部分95のビード93、94に隣接して配置され、ビード93、94からランフラットの半径方向に延伸して、上記半径方向においてランフラットタイヤの側壁の堅牢性を高める。
図1Aに示すように、前述のランフラットタイヤを製造するためのドラム1は、ドラム1の中心回転軸Sおよび軸方向Aを規定する中央ドラムシャフト2を含む。ドラム1は、中心軸Sの周りに同心円状に延伸する円筒状の主周面3をさらに有する。主周面3は、ドラム1の中心軸Sに対して外側に向けられた半径方向Rにおいてドラム1の主周面3の直径を膨張および縮小させるために、ドラム1の中心軸Sに対して外側に向けられた半径方向Rにおいて移動可能である、図示されておらずそれ自体公知である、複数の、たとえば、24個のドラムセグメントによって形成されている。図1Aに示すように、主周面3は、ランフラットタイヤのためのインナーライナ91を受け入れて直接支持するように構成されている。図1Aに示す状況では、主周面3は、インナーライナ91の自然な円周よりわずかに大きい第1の円周または直径D1において構成され、それによって、インナーライナ91がドラム1の主周面3の周りでわずかに伸張されるようにする。インナーライナ91の伸張は、好ましくはその自然な円周の1%未満である。
ドラム1は、中央成形部4と、成形部4と動作可能に接続されたエアポンプ装置40とをさらに備える。エアポンプ装置40には、図1Fに示すようにカーカス9を膨張または成形する過圧Wを発生させるために成形部4に空気を供給し、図1Bに示すように、成形部4内に負圧または部分真空Vを生成するために成形部4から空気を除去または引き込むための1つまたは複数のエアポンプ(図示せず)が設けられている。好ましくは、部分真空Vは、周囲大気圧よりも少なくとも0.1バール低い負圧を有する。この例示的な実施形態では、エアポンプ装置40は、ドラムシャフト2内またはドラムシャフト2に配置される。代替的に、エアポンプ装置40はまた、適切な導管を介して成形部4に動作可能に接続されている間に、ドラム1の外部に設けられてもよい。
ドラム1には、成形部4の各側に1つずつ、したがって成形部4を間にして軸方向Aに離間した2つのビードロック部51、52が設けられている。ビードロック部51、52は、ランフラットタイヤのための第1のビード93および第2のビード94をカーカス9に対して、それ自体公知の方法でロックまたはクランプ締めするように構成されている。ビード93、94がカーカス9に対してロックされると、ビード93、94間の内側部分95は、外側部分96、97からシールされ、膨張され得る。図1Fに示すように、ビードロック部51、52は、ドラム1の軸方向Aに互いおよび成形部4に向かって移動可能であり、膨張中のカーカス9の内側部分95の成形または形成を容易にする。最終的に、ビード93、94を越えて成形部4の外側の軸方向A内に位置するカーカス9の2つの外側部分96、97は、図示されておらず、それ自体公知であるブラダまたは折返しアームによって、膨張した成形内側部分95に対して折り返される(図1Fに矢印Tで概略的に示されている)。
図1Aに示すように、ドラム1は、それぞれ、軸方向Aにおいて成形部4に面しているビードロック部51、52のそれぞれの側で、第1のビードロック部51および第2のビードロック部52にそれぞれ隣接する第1の収縮部61および第2の収縮部62をさらに設けられている。したがって、第1の収縮部61および第2の収縮部62は、カーカス9の内側部分95に延伸する。好ましくは、収縮部61、62は、それらのそれぞれのビードロック部51、52と一体的であるか、または、それらのそれぞれのビードロック部51、52とともにドラムシャフト2上に共通に支持されて、カーカス9を成形する間に、ドラム1の軸方向Aにおいてそれらのそれぞれのビードロック部51、52と一致して移動する。
図1Aに示すように、ドラム1は、ビード部51、52と、それらのそれぞれの収縮部61、62との間にシールをもたらすために、それぞれ、それぞれのビードロック部51、52および収縮部61、62の周りに円周方向に延伸する、第1のスリーブまたはシール部材71および第2のスリーブまたはシール部材72を備える。シール部材71、72は、弾性または可撓性材料で形成されている。シール部材71、72の周は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周よりも小さい。シール部材71、72は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周囲に貼付されているとき、第1の直径D1まで均一に伸張している。均一な伸張の結果として、シール部材71、72は、ビードロック部51、52および収縮部61、62の周りに予め応力をかけられ、または、緊密に被着され、そうなることが可能にされるときに、それらのより小さな自然の直径に向かって均一に縮小または収縮する傾向にある。
図7では、第1のシール部材71がより詳細に示されている。第1シール部材71は、第2シール部材72に対して鏡面対称である。第1のシール部材71の周囲の一部は、第1のシール部材71の断面を露出させるために模式的に隠されている。実際には、第1のシール部材71は完全に環状である。第1のシール部材71は、軸方向Aにおける一方の端部においては、第1のビードロック部51に接続するために、この例では第1のプロファイルリムの形態の第1の端部74によって区切られており、軸方向Aにおける反対側の端部においては、第1の収縮部61に接続するために、この例では第2のプロファイルリムの形態の第2の端部75によって区切られている環状収縮面73を含む。図1Aに示すように、シール部材71、72の下方において、第1の収縮部61および第2の収縮部62が、図1Aに示されているような水平位置から図1Bに示されているような縮小または収縮位置に移行する間に、それぞれのシール部材71、72を成形および/または誘導するために、それぞれ複数の第1の支持板81および複数の第2の支持板82を設けられている。収縮位置では、シール部材71、72は、水平位置において、シール部材71、72の元の位置に対して径方向内側に移動する。
図2Aは、第2のビードロック部52と鏡面対称である第1のビードロック部51をより詳細に示す。第1のビードロック部51は、リング状のクランプ本体53を形成するために、ドラム1の周方向においてドラムシャフト2周りに均等に分布する複数のクランプ本体53を備える。図2Aでは、クランプ本体53のうちの1つのみが示されている。クランプ本体53は、ドラム1の半径方向Rにおいてインナーライナ91および1つまたは複数のボディプライ92をビード93に対して押して、上記ビード93をカーカス9に対してロックするためにドラム1の半径方向Rに移動可能である。各クランプ本体53には、第1のシール部材71の第1の端部73を受け入れるための、この例示的な実施形態ではプロファイル溝の形態の第1の取り付け要素54が設けられている。各クランプ本体53は、ドラム1の軸方向Aにおいて成形部4から外方に面する、第1の取り付け要素54の側で第1の取り付け要素54に隣接する第1のシール部55をさらに備える。第1のシール部55は、第1のシール部材71に隣接するインナーライナ91に直接当接または接触するように構成されている。
図2Aはさらに、第2の収縮部62と鏡面対称である第1の収縮部61をより詳細に示す。第1の収縮部61は、収縮セグメント63のリングを形成するためにドラム1の円周方向にドラムシャフト2の周りに均等に分布する数の収縮セグメント63を備える。図2Aには1つの収縮セグメント63のみが示されている。収縮セグメント63は、ドラム1の軸方向Aに移動可能であるように、ドラムシャフト2に取り付けられている。この例示的な実施形態では、第1ビードロック部51のクランプ本体53が収縮セグメント63上で支持され、それによって、第1のビードロック部51および第1の収縮部61をドラム1の軸方向Aに一体的に移動させることができる。各収縮セグメント63には、第1のシール部材71の第2の端部75を受け入れるための、この例示的な実施形態ではプロファイル溝の形態の第2の取り付け要素64が設けられている。
各収縮セグメント63は、ドラム1の軸方向Aにおいて成形部4に面する第2の取り付け要素64の側で、第2の取り付け要素64に隣接する第2のシール部65をさらに備える。第2のシール部65は、第1のシール部材71に隣接するインナーライナ91に直接当接または接触するように構成されている。図2Bおよび図6Aに示すように、第2のシール部65内でまたはそこにおいて、各収縮セグメント63には、第2のシール部65を通じたまたはこれに沿った、軸方向Aにおける第2のシール部65の両側の間の流体連通、特に空気連通を可能にするための、この例示的な実施形態においては溝の形態の、流体接続部66が設けられる。流体接続部66は、成形部4を、成形部4と軸方向に対向する第2のシール部65の側面に接続する。
図4に示すように、流体接続部66は、代替的に、第2のシール部65と一体のダクト166として設けられてもよい。この例示的な実施形態では、一体ダクト166は成形部4から発し、第1のシール部材71の収縮面73に直接隣接して出る。代替的に、一体ダクト166は、エアポンプ装置40の別の供給源位置、たとえば、ドラムシャフト20から直接に発してもよい。
各収縮セグメント63には、収縮チャンバ67が設けられ、収縮チャンバ67は、第1の収縮部61が、図2Aに示すような水平位置から図2Bに示すような収縮位置に収縮することを可能にする。収縮チャンバ67には、第1の支持板81の端部を収縮チャンバ67内で係合または保持するためのカムまたはラグ87、88が設けられている。
支持板81、82は、好ましくは、自然な応力を受けていない形状を与えられた弾性材料で作成されている。支持板81、82の応力を受けていない形状は、補強ストリップ98、99の(負の)プロファイルに実質的に対応する。収縮位置では、図2Bに示すように、支持板81、82はそれらの自然な非応力形状に戻ることができる。支持板81、82は、図2Aに示すような水平位置の撓んだ状態と、図2Bに示すような収縮位置の自然状態との間で弾性的に可撓性を有するように収縮チャンバ67内に取り付けられている。特に、軸方向Aにおける支持板81、82の端部85、86は、収縮チャンバ67のカムまたはラグ87、88によって係合されるか、またはそれらによって保持され、それによって、端部85、86は、半径方向Rにおける収縮部63に対する動きに対して固定される。一方、端部85、86の間の支持板81、82の本体は、ドラム1の半径方向Rに平行な収縮距離Zにわたって半径方向Rに弾性的に可撓性である。
半径方向Rにおける支持板81、82の撓みは、ドラム1の円周方向に均等に分布する複数のアクチュエータセグメント80によって駆動される。アクチュエータセグメント80は、半径方向Rに平行な半径方向内向きの方向Xに移動するために駆動装置によって作動される。この例では、駆動装置は、空気圧駆動されて、ドラム1の軸方向Aに平行なウェッジ方向Yにおいて空気圧チャンバまたはシリンダ69を通じて前後に動くウェッジ68によって形成される空気圧駆動装置である。ウェッジ68の空気圧シリンダ69を通る行程は、適切な制限手段によって、たとえば、空気圧シリンダ69から出てウェッジ方向Yに延伸するウェッジ68にシャフト(図示せず)を追加することであって、空気圧シリンダ69の外側で、調整可能なストッパ、たとえば、ナットが設けられているシャフトを追加することによって、調整および/または制限することができる。代替的に、上記空気圧シリンダ69の範囲を制限するために、空気圧シリンダ69の内部に間隔要素(図示せず)を設けてもよい。アクチュエータセグメント80は半径方向外向きの方向Rに能動的に押し上げられて支持板81を水平位置で撓んだ状態に能動的に撓ませ、一方で、ウェッジ68を後退させることによって、アクチュエータセグメント80が、第1の支持板81の、収縮位置におけるその自然状態または形状に向かうバイアスを受けて戻り運動Xにおいて移動することが可能になる。
図2Bに示すように、第1の支持板81は、実質的に一定の半径を有する湾曲を有する。第1支持板81は自然状態で一様に湾曲または屈曲している。第1の支持板81は、両端部85、86の間のその長さにわたって実質的に均一な剛性または可撓性を有し、図2Aに示されているような水平位置で撓んだ状態に撓んだ後、図2Bに示すように収縮位置に弾性的に撓んで戻る。本発明の代替的な実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、対向する端部85、86の間の長さに沿った特定の位置で脆弱化された代替的な第1の支持板181が設けられる。この例では、代替的な第1の支持板181は、折り目K、Lを設けることによって2つの位置で脆弱化され、それにより、図3Bに示されているように、収縮位置に撓んで戻る間の代替的な第1の支持板181の曲率または半径においてより急な移行が課される。戦略的に選択された折り目K、Lを用いて、補強ストリップ98、99の代替的な断面形状、たとえば、非対称、切頭または多平面、に対応することができる。
図10Aおよび図10Bは、本発明の第4の実施形態による代替的な高度に構成可能な収縮部261を示す。
代替的な収縮部261は、図2Aおよび図2Bに示す収縮部61に置き換わる。代替的な収縮部261は、図2Aおよび図2Bに示す収縮部61と同様に、ビードロック部51と協働する。
代替的な収縮部261は、シール部材71が図10Aに示されているような水平位置から図10Bに示されているような収縮位置に収縮するときに、シール部材71の収縮面73の形状を規定する、シール部材71の下側の支持板を含まないという点において、前述の収縮部61とは異なる。
その代わりに、図10Aに示すように、代替的な収縮部261には、収縮チャンバ267と、収縮チャンバ267内に受け入れられる複数の半径方向に調整可能なプロファイルセグメント283、284が設けられている。複数のプロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2の軸方向Aに互いに隣接して配置され、図10Bに示すように、個々に後退するように、すなわち、収縮チャンバ267内で半径方向内側方向Xに個々の後退位置に向かって内側に移動するように構成される。それらのそれぞれの後退位置において、複数のプロファイルセグメント283、284は、図10Bに示されるように、収縮位置でシール部材71の収縮面73を支持するための高度に構成可能な非水平支持プロファイルを形成する。支持板81と同様に、複数のプロファイルセグメント283、284は、図11に示すように、ドラムの周方向に分布している。
複数のプロファイルセグメント283、284のそれぞれの後退位置を設定または構成するために、収縮部261には、複数のプロファイルセグメント283、284の半径方向内側に延伸する1つまたは複数のプロファイルリング286、287が設けられる。各プロファイルリング286、287には、階段状停止面288、289が設けられ、各停止面288、289は、支持プロファイル内で上記それぞれのプロファイルセグメント283、284に特有の後退位置において上記それぞれのプロファイルセグメント283、284を停止させるために、半径方向内向きの方向Xにおいて複数のプロファイルセグメント283、284のうちの1つに直に対向して配置される。したがって、各後退半径方向位置は、プロファイルセグメント283、284のプロファイルリング286、287との当接によって規定される。プロファイルリング286、287は、異なる支持プロファイルに対応する異なる階段状停止面288、289を有する他のプロファイルリング286、287と置き換えることができる。
図10Aおよび図10Bに示すように、プロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2の軸方向Aにおいて代替的なアクチュエータセグメント280の対向する両側で2つのグループに構成されている。アクチュエータセグメント280は、ちょうど図2Aおよび図2Bのウェッジ68のようなウェッジ268によって半径方向外向きの方向Rに半径方向外向きに推進される。ウェッジ268がアクチュエータセグメント280の下から部分的に離れると、アクチュエータセグメント280は、半径方向内向きの方向Xに内側に移動することができる。アクチュエータセグメント280は、半径方向Rにおいてプロファイルセグメント283、284に平行に延伸し、基本的にプロファイルセグメントのように機能する本体281と、ドラムシャフト2の軸方向Aに平行に、本体281の両側からプロファイルセグメントの2つのグループ283、284に向かって突出するレベリングシャフト282とを設けられる。図10A、図10Bおよび図11に示すように、プロファイルセグメント283、284の各々には、レベリングシャフト282を受け入れるためのスロット285が設けられている。スロット285は、それぞれのプロファイルセグメント283、284が、図10Aに示されているような水平位置から図10Bに示されるような後退位置に移動することを可能にするために、半径方向Rにおいて十分に長い。それぞれのスロット285の上方のプロファイルセグメント283、284の高さは、すべてのプロファイルセグメント283、284について同じであり、さらに、レベリングシャフト282の上のアクチュエータセグメント280の本体281の高さに等しい。
ドラムシャフト2に対するアクチュエータセグメント280の半径方向の高さまたは距離は、調整可能なストッパ、たとえば、ナット600を空気圧シリンダ269内に設けることによって図10Bの後退位置において制限され、それによって、空気圧シリンダ269内のウェッジ268の範囲が調節可能に制限され、したがって、アクチュエータセグメント280の本体281の半径方向内向きの方向Xの移動範囲が制限される。アクチュエータセグメント280の後退位置は、アクチュエータセグメント280の軸方向位置における支持プロファイルと一致するように設定される。
アクチュエータセグメント280は、ウェッジ268がアクチュエータセグメント280の下に移動されるとき、半径方向Rに半径方向外側に推進されるように構成される。アクチュエータセグメント280が半径方向外側に移動すると、レベリングシャフト282は、プロファイルセグメント283、284のそれぞれのスロット285を通って移動し、最終的にプロファイルセグメント283、284のすべてに同時に接触し、それによってプロファイルセグメント283、284を単一の相互に同じ半径方向の高さまたは位置まで持ち上げられ、これはさらに、アクチュエータセグメント280の頂部と同じ高さである。したがって、プロファイルセグメント283、284は、アクチュエータセグメント280とともに、この時点において、図10Aに示されるような水平位置においてシール部材71の収縮面73を支持するための実質的に水平なプロファイルを形成する。
アクチュエータセグメント280が半径方向内向きの方向Xに内向きに戻ることが可能になると、レベリングシャフト282は、半径方向内向きの方向Xに内側に移動する。プロファイルセグメント283、284は、プロファイルセグメント283、284がプロファイルリング286、287において、それらのそれぞれの停止面288、289に個別に当接するまで、レベリングシャフト282とともに下方に移動することを可能にされる。それらのそれぞれの後退位置において、プロファイルセグメント283、284は、ドラムシャフト2に対して不均一な半径方向の高さまたは距離まで上方に延伸しているか、またはその高さまたは距離にある。特に、プロファイルセグメント283、284の半径方向の距離は、停止面288、289上に載っているとき、上記プロファイルセグメント283、284によって形成されるべき所望の支持プロファイルに対応する。
図12Aおよび図12B、図13Aおよび13Bならびに図14Aおよび14Bは、それぞれ本発明の第5の実施形態、第6の実施形態および第7の実施形態による高度に構成可能な収縮部361、461、561のさらなる実施形態を示す。
図12Aおよび12Bに示すように、第5の実施形態による高度に構成可能な収縮部361は、プロファイルリングが存在しない点で図10Aおよび図10Bに示すものとは異なる。代わりに、収縮チャンバ367の底部388、389は、ドラムシャフト2の軸方向Aにおいて平坦または実質的に平坦であり、プロファイルセグメント383、384は半径方向Rに個々の長さが与えられている。結果として、異なる長さを有する2つのプロファイルセグメント383、384が収縮チャンバ367の平坦な底部388、389に当接すると、異なる長さのプロファイルセグメント383、384は、支持プロファイル内で上記プロファイルセグメント383、384の半径方向高さに対応する異なる長さにわたって半径方向外向きの方向Rにおいて半径方向外向きに延伸する。この実施形態では、支持プロファイルを変更することは、1つまたは複数のプロファイルセグメント383、384を異なる長さのプロファイルセグメントに置き換えることを含む。この実施形態では、アクチュエータセグメント380に最も近いプロファイルセグメント383、384は、レベリングシャフト382によって直接作動される。しかしながら、レベリングシャフト382は、すべての隣接するプロファイルセグメント383、384のスロットを通って延伸していない。代わりに、隣接して配置されたプロファイルセグメント383、384は、相互に噛合するカムと凹部385によって、それらの隣接するプロファイルセグメント383、384によって間接的に作動される。
図13Aおよび13Bに示すように、第6の実施形態による高度に構成可能な収縮部461は、プロファイルリングが収縮部461の収縮セグメント263へと一体化されている点で図10Aおよび図10Bに示すものとは異なる。したがって、階段状停止面488、489は、収縮チャンバ467の底部に直接設けられる。ここでも、プロファイルセグメント483、484は、噛合するカムと凹部485を介して間接的に作動される。
図14Aおよび図14Bに示すように、第7の実施形態による高度に構成可能な収縮部561は、プロファイルリングの階段状停止面が、たとえば、高さ調節可能なねじまたはボルトの形態にある、個々に調整可能な停止要素588、589によって置き換えられるか、または、形成される点で、図10Aおよび10Bに示すものとは異なる。各停止要素588、589を個々に正確な半径方向高さに設定することができるので、この実施形態は、プロファイルリングまたはプロファイルセグメント583、584のような部品を交換する必要なしに高度に構成可能である。ここでも、プロファイルセグメント583、584は、噛合するカムおよび凹部585を介して間接的に作動される。
代替的に、図12Aおよび図12B、図13Aおよび図13B、ならびに図14Aおよび図14Bに示すプロファイルセグメント383、384;483、484;583、584には、図10A、図10Bおよび図11に示されているように、アクチュエータ260によって移動されるべき、図10A、図10Bおよび図11に示されているのと同じスロットが設けられてもよい。
上述の高度に構成可能な収縮部261、361、461、561は、様々な高度に調整可能な支持プロファイルの上の収縮部の中でシール部材71を支持するために使用されてもよい。支持プロファイルは、対称もしくは非対称、滑らかもしくは急、より鋭いもしくはより急激な角度、または前述の特徴の組み合わせであり得る。特に、高度に構成可能な収縮部261、361、461、561を使用して、補強ストリップ以外のタイヤ構成要素、たとえば図15に示されているような側壁601、602に対応することを可能にする支持プロファイルに従ってシール部材71を支持することができる。
図6Aの断面図に示すように、各アクチュエータセグメント80は、円形セグメントとして成形され、複数の第1の支持板81を支持する。図5Aに示すように、第1の支持板81は、直線状または線形の長手方向側面83、84を有する。それゆえ、図6Aに示すような状況では、第1の支持板81は、ドラム1の周方向にわずかに離間しており、第1の収縮部61において第1の支持板81がより小さな周に収縮することを可能にし、上記収縮の間に第1支持板81の間の干渉を防止することを可能にする。その代わりに、図5Bに示すように、凹状の長手方向側面283、284が設けられた、代替的な第1支持板281が設けられてもよい。凹状の長手方向側面283、284は砂時計形状を規定し、その中心は収縮位置における代替的な第1の支持板281のより小さい直径に適合される。したがって、代替的な第1の支持板281は、収縮位置において、代替的な第1の支持板281がそれらの凹状の長手方向側面283、284に当接し、実質的にまたは実効的に閉鎖された周面を形成するように互いに接近して配置することができる。
図1A〜図1Fを参照して、ここで、上述のドラム1を有するランフラットタイヤの製造方法を、より詳細に説明する。以下の説明では、図1〜図9による収縮部61、62のみを参照するが、本方法のステップは、それぞれ図10Aおよび図10B、図12Aおよび図12B、図13Aおよび図13B、ならびに図14Aおよび図14Bに示すような代替的な収縮部261、361、461、561にも当てはまる。
図1Aに示すように、支持板81、82は、インナーライナ91を受け入れるための水平な周面を提供するために、水平位置に能動的に移動されている。図1Aにおいて、インナーライナ91は、ドラム1の主周面3の周りに被着され、続いてスプライスされる。ドラム1のドラムセグメント(図示せず)は、スプライスされたインナーライナ91の元の直径よりわずかに大きい第1の直径D1までわずかに拡張されている。その結果、スプライスされたインナーライナ91は、たとえば、その直径の0.5%から1%の範囲内でわずかに伸張される。インナーライナ91は、ビードロック部51、52、収縮部61、62および成形部4にわたって延伸している。支持板81、82は、それらのそれぞれのアクチュエータによって水平位置へと能動的に撓み、当該位置において、上記支持板81、82に支持された収縮面73は第1の直径D1にあるドラム1の主周面3と同じ高さ位置になる。それぞれのビードロック部51、52およびそれぞれの収縮部61、62の第1のシール部55および第2のシール部65は、シール部材71、72の両方の軸方向端部74、75においてインナーライナ91に密接する。
図1Bは、成形部4から空気を引き込むためにエアポンプ装置40の真空ポンプ(図示せず)が作動している状況を示す。成形部4には部分真空Vが生成される。図2Aおよび図2Bに示すように、ウェッジ68は、空気圧で後退し、アクチュエータセグメント80が半径方向内向きの方向Xに半径方向内側に移動することを可能にする。支持板81、82がそれらの自然な形状に移動することを可能にされると(または、プロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584がそれらのそれぞれの後退位置に後退されると)、それぞれのシール部材71、72の収縮面73は、シール部材71、72内の弾性張力の影響下で、半径方向内向きの方向Xにおいて、支持板81、82(または、プロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)に追従する。インナーライナ91がわずかに伸張されると、インナーライナ91は収縮面73に少なくとも部分的に追従する。インナーライナ91が最終的に収縮面73から分離し始めると、中間空間に空気が入る。しかしながら、図2Bに示すように、部分真空Vはまた、それぞれの収縮面73とインナーライナ91との間の領域から流体接続部66を通じて空気を引き込む。したがって、インナーライナ91とそれぞれの収縮面73との間の中間空間から、その間の空気が迅速に、直ちにまたは瞬時に引き出される。収縮面73の両側面74、75のシール部55、65は、空気がその領域に再び入ることを防止する。したがって、インナーライナ91は、負圧または部分真空Vの影響を受けて収縮面73へと引っ張られるかまたは吸引される。
収縮面73が支持板81、82(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)に追従すると、ドラム1の周が、補強ストリップ98、99を受け入れるための準備として、第1の周または直径D1より小さい第2の周または直径D2まで、収縮距離Zだけ局所的に低減または減少する。支持板81、82(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイル)およびその上に支持された収縮面73は、この時点で、図1Aの状況と比較するとドラム1の中心軸Sにより近いが、ドラム1の主周面3の第1の直径D1は同じままである。インナーライナ91は、部分真空によって収縮面73へと吸引され、図2Bに示すように、好ましくはその自然な周を越えて第2の直径D2にある収縮位置へと収縮している。支持板81、82の収縮距離Z(またはプロファイルセグメント283、284;383、384;483、484;583、584によって形成される支持プロファイルの収縮距離Z)は、ドラム1の半径方向Rにおける補強ストリップ98、99の厚さに関連し、それによって、補強ストリップ98、99は、実質的にドラム1の主周面3の第1の直径D1内で、インナーライナ91内の周方向の窪み、空洞、溝または凹部内に収容され得る。補強ストリップ98、99は、窪み内に完全に収容されるか、または、窪みの外側のインナーライナ91の残りの部分の上にわずかに突出する。窪みの外側のインナーライナ91の上に突出するとき、補強ストリップ98、99は、外部加圧手段、たとえば、圧力ホイールまたはステッチングホイールによって窪み内に堅固に押し込むことができる。
前述の収縮の間のインナーライナ91と収縮面73との間の相互作用は、インナーライナ91と収縮面73との間から空気が引き出されるのを可能にするのに十分であるべきである。しかしながら、インナーライナ91と収縮面73との間の部分真空の引き込みをさらに増強または向上させるために、図8に示されているような、代替的な収縮面173が設けられた代替的なシール部材171が設けられてもよい。代替的な収縮面173には、代替的な収縮面173の半径方向外向きに面する側面上の、特に、リブもしくは隆起部のような突起、または、溝のような窪みの形態の複数の通気要素176が設けられている。通気要素176はインナーライナ91と代替的な収縮面173との間の通気空間から空気を引き出すことができるように、代替的な収縮面173およびインナーライナ91が十分に離間していることを確実にする。
図1Cでは、補強ストリップ98、99が、それぞれの収縮部61、62のそれぞれの軸方向位置でインナーライナ91内に形成された窪みまたは凹部に配置されている状況が示されている。補強ストリップ98、99の半径方向外面は、収縮部61、62の外側のインナーライナ91と実質的に同一平面であることに留意されたい。
図1Dは、カーカス9を形成するために、1つまたは複数のボディプライ92が収縮部61、62でインナーライナ91および補強ストリップ98、99の周りに周方向にどのように配置されるかを示す。特に、収縮部61、62に補強ストリップ98、99が存在するにもかかわらず、1つまたは複数のボディプライ92を実質的に平坦または水平状態に配置することができることが分かる。したがって、1つまたは複数のボディプライの不正確なスプライスを招く周の変動を防止することができる。
図1Eは、さらに、それぞれのビードロック部51、52のそれぞれの軸方向位置で、1つまたは複数のボディプライ92の周りに環状ビード93、94を周方向に配置することを示す。
図1Fは、カーカス9を成形する後続のステップを示す。ビードロック部51、52は、ビード93、94に対して1つまたは複数のボディプライ92を押し付けるために、主径D1に対して半径方向Rにわずかに拡張されている。ビード93、94は、この時点において、カーカス9の内側部分95を外側部分96、97からシールして、内側部分95を膨張させることができる。この時点において、エアポンプ装置40が、成形部4に過圧Wを発生させ、内側部分95を膨張させるように操作される。続いて、カーカス9の外側部分96、97を、成形された内側部分95に対して折り返すことができるT。
図9Aおよび図9Bは、前述のドラム1を示しているが、図1Aおよび図1Bに関するステップの代替的な順序を示している。図1Aおよび1Bにおいて、収縮面73は、収縮面73(図1C参照)においてインナーライナ91の周りに第1の補強ストリップ98および第2の補強ストリップ99を配置する前に収縮位置に移動される。図9Aおよび図9Bによる代替的な方法ステップでは、第1の補強ストリップ98および第2の補強ストリップ99は、収縮面73が収縮位置に移動する前に収縮面73においてインナーライナ91の周りに配置される。この代替的なステップ順序は、補強ストリップ98、99とインナーライナ91との間に形成される空気ポケットの量を低減させることができる。特に、インナーライナ91が依然として実質的に平坦であるとき、補強ストリップ98、99がインナーライナ91上に配置されることが分かる。その後、インナーライナ91が収縮面73へと収縮位置まで引き込まれ、一方で、補強ストリップ98、99がインナーライナ91とともに収縮位置に移動する。
カーカス9は、同じドラム1上に形成され、成形されるので、本発明によるドラム1は、単一段または単段ドラム1であると考えられる。
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を示すために含まれており、本発明の範囲を限定するようには意図されていないことが理解されるべきである。上記の説明から、依然として本発明の範囲によって包含される多くの変形が、当業者には明らかになるであろう。
要約すると、本発明は、ランフラットタイヤを製造する方法に関し、方法は、第1の収縮部と第2の収縮部とを有するドラムを提供するステップであって、各収縮部は半径方向に移動可能な収縮面を設けられる、提供するステップを含み、第1の収縮部および第2の収縮部において収縮面とインナーライナとの間に部分真空を生成しながら、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から収縮位置に移動させるステップであって、当該位置において、ドラムは収縮面において第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する、移動させるステップと、部分真空の影響下で収縮位置の収縮面へとインナーライナを収縮させるステップとをさらに含む。本発明はまた、前述の方法で使用するためのドラムに関する。