JP2017502485A5 - - Google Patents
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Description
インク組成物のいくつかの実施形態は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、水と、25℃時表面張力55ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および沸点少なくとも200℃を有する、少なくとも1つの有機溶媒と、メチコンとを含む。少なくとも1つの有機溶媒は、例えば、スルホランであることができる。
本発明の他の主要特徴および利点は、以下の図面、発明を実施するための形態、および添付の請求項の精査に応じて、当業者に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
有機発光ダイオードのための正孔注入層を形成する方法であって、
上記方法は、
有機発光ダイオードの画素セル内の電極層にわたってインク組成物の液滴をインクジェット印刷するステップであって、上記画素セルは、画素バンクによって画定され、上記インク組成物は、
電気伝導性ポリチオフェンと、
水と、
少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンであって、上記メチコンは、上記画素セル内の液滴の接触線ピン止めを提供する量として存在する、メチコンと
を含む、ステップと、
上記インク組成物の揮発性成分が蒸発することを可能にするステップであって、それによって、上記正孔注入層が形成される、ステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記電気伝導性ポリチオフェンは、PEDOTである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記PEDOTは、少なくとも50重量%の量として存在する、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記電極層は、透明電気伝導性材料を備える、項目2に記載の方法。
(項目5)
上記透明電気伝導性材料は、インジウムスズ酸化物であり、上記メチコンは、約0.03重量%〜約0.12重量%の量として存在する、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、25°において、表面張力55ダイン/cm以下および粘度15cPs以下を有する、非プロトン性溶媒である、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、240℃またはより高い、大気圧における沸点を有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、項目1に記載の方法。
(項目9)
スルホランは、上記インク組成物中の大部分の有機溶媒である、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記スルホランは、少なくとも5重量%の量として存在する、項目8に記載の方法。
(項目11)
上記電極層は、インジウムスズ酸化物を含み、上記メチコンは、約0.05重量%〜約0.1重量%の量として存在し、上記少なくとも1つの有機溶媒は、約5〜約12重量%の範囲の量として存在する、スルホランである、項目3に記載の方法。
(項目12)
上記インク組成物はさらに、スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒を含む、項目8に記載の方法。
(項目13)
上記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、項目12に記載の方法。
(項目14)
インク調合物は、25℃時表面張力47ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および25℃時潜在時間少なくとも20分を有する、項目1に記載の方法。
(項目15)
インク組成物であって、
PEDOTと、
水と、
25℃時表面張力55ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および沸点少なくとも200℃を有する、少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンと
を含む、インク組成物。
(項目16)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、項目15に記載のインク組成物。
(項目17)
スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒をさらに含む、項目16に記載のインク組成物。
(項目18)
上記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、項目17に記載のインク組成物。
(項目19)
約50〜約70重量%PEDOTと、
約3重量%〜約10重量%スルホランと、
約0.3〜0.12重量%メチコンと
を含む、項目17に記載のインク組成物。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
有機発光ダイオードのための正孔注入層を形成する方法であって、
上記方法は、
有機発光ダイオードの画素セル内の電極層にわたってインク組成物の液滴をインクジェット印刷するステップであって、上記画素セルは、画素バンクによって画定され、上記インク組成物は、
電気伝導性ポリチオフェンと、
水と、
少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンであって、上記メチコンは、上記画素セル内の液滴の接触線ピン止めを提供する量として存在する、メチコンと
を含む、ステップと、
上記インク組成物の揮発性成分が蒸発することを可能にするステップであって、それによって、上記正孔注入層が形成される、ステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記電気伝導性ポリチオフェンは、PEDOTである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記PEDOTは、少なくとも50重量%の量として存在する、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記電極層は、透明電気伝導性材料を備える、項目2に記載の方法。
(項目5)
上記透明電気伝導性材料は、インジウムスズ酸化物であり、上記メチコンは、約0.03重量%〜約0.12重量%の量として存在する、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、25°において、表面張力55ダイン/cm以下および粘度15cPs以下を有する、非プロトン性溶媒である、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、240℃またはより高い、大気圧における沸点を有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、項目1に記載の方法。
(項目9)
スルホランは、上記インク組成物中の大部分の有機溶媒である、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記スルホランは、少なくとも5重量%の量として存在する、項目8に記載の方法。
(項目11)
上記電極層は、インジウムスズ酸化物を含み、上記メチコンは、約0.05重量%〜約0.1重量%の量として存在し、上記少なくとも1つの有機溶媒は、約5〜約12重量%の範囲の量として存在する、スルホランである、項目3に記載の方法。
(項目12)
上記インク組成物はさらに、スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒を含む、項目8に記載の方法。
(項目13)
上記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、項目12に記載の方法。
(項目14)
インク調合物は、25℃時表面張力47ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および25℃時潜在時間少なくとも20分を有する、項目1に記載の方法。
(項目15)
インク組成物であって、
PEDOTと、
水と、
25℃時表面張力55ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および沸点少なくとも200℃を有する、少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンと
を含む、インク組成物。
(項目16)
上記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、項目15に記載のインク組成物。
(項目17)
スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒をさらに含む、項目16に記載のインク組成物。
(項目18)
上記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、項目17に記載のインク組成物。
(項目19)
約50〜約70重量%PEDOTと、
約3重量%〜約10重量%スルホランと、
約0.3〜0.12重量%メチコンと
を含む、項目17に記載のインク組成物。
インク組成物は、HILを種々のOLED電極材料上に形成するために使用されることができる。最も一般には、電極基板は、透明導電性酸化物(TCO)またはシリコン等の透明電気伝導性材料を含み得る。インク組成物中のメチコンに関する適切な濃度範囲は、下層基板の性質に依存するであろう。しかしながら、所与の基板に関して、メチコンが接触線ピン止めを提供する濃度範囲は、液滴投入プロセスを介して表面に適用された異なるメチコン濃度を有するインク液滴の濡れ挙動を観察することによって判定されることができる。例証として、本インク組成物のいくつかの実施形態は、インク組成物の総重量に基づいて、0.15重量%(重量%)以下、0.12重量%以下、または0.1重量%以下の量としてメチコンを含む。これは、インク組成物の総重量に基づいて、メチコンが0.02〜0.15重量%の範囲の量として存在する、インク組成物の実施形態を含み、さらに、メチコンが0.03〜0.12重量%の範囲の量として存在する、実施形態を含み、なおもさらに、メチコンが0.05〜0.1重量%の範囲の量として存在する、実施形態を含む。そのような範囲は、HILインク組成物が、OLEDデバイス内で使用される既知のアノード材料上に印刷されるとき好適である。例えば、光がアノードを通して放出される(底部放出と称される)OLEDデバイスの場合、透明または半透明アノード材料が、使用される。透明または半透明アノード材料は、インジウム酸化物、酸化亜鉛、インジウムスズ酸化物(ITO)、およびインジウム酸化亜鉛(IZO)、または同等物を含むことができる。光がカソードを通して放出される(上部放出と称される)OLEDデバイスの場合、反射層が、透明アノードの下方に形成される。反射層材料は、銀(Ag)、銀−パラジウム−銅(APC)、銀−ルビジウム−金(ARA)、モリブデン−クロム(MoCr)、または同等物を含む。
水性インク組成物は、少なくとも1つの有機溶媒を含む。例えば、組成物は、組成物の表面張力および/または粘度を低減させる溶媒、印刷インク組成物の潜在時間を増加させる溶媒、またはこれらのタイプの溶媒の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの有機溶媒は、印刷インク組成物の潜在時間を増加させる、比較的に高沸点を有する溶媒であることができる。これは、インク組成物が、印刷の間、印刷ノズル上で乾燥し、それを詰まることを防止するのに役立つため有利である。そのような溶媒は、望ましくは、沸点少なくとも200℃を有する。より望ましくは、沸点少なくとも230℃、少なくとも250℃、またはさらに少なくとも280℃を有する。プロパンジオール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコール等のジオールおよびグリコールは、潜在時間を増加させるために使用され得る、有機溶媒の実施例である。しかしながら、残念ながら、ジオールおよびグリコールは、比較的に高粘度および表面張力を有する傾向にあって、それらを含むインク組成物の噴出能力を劣化させ得る。したがって、本インク組成物のいくつかの実施形態は、ジオールおよびグリコール溶媒がない。これらの実施形態では、沸点少なくとも240℃、粘度15cPs以下、および表面張力55ダイン/cm以下を有する、非プロトン性溶媒が、ジオールまたはグリコールの代わりに、使用されることができる。これは、粘度わずか12cPsを有する非プロトン性溶媒を含み、さらに、粘度10cPs以下を有するものを含む。本開示の目的のために、列挙される沸点は、大気圧における沸点を指す。列挙される粘度および表面張力は、印刷温度における粘度および表面張力を指す。例えば、印刷が室温で生じる場合、粘度および表面張力は、約25℃時のものであろう。
最終インクジェット印刷生成物は、非常に均一な厚さおよび組成物を有するHILである。例えば、層の幅全体を横断して厚さ変動10%以下を有する層が、可能である。層を横断する厚さは、スタイラス接触式粗面計または干渉計顕微鏡等の度量衡学ツールを使用して測定されることができる。光学干渉法のための好適な干渉計は、Zygo instrumentationから商業的に入手可能である。
前述の本開示は、ポリチオフェンベースのHILをインクジェット印刷するために調合される水性インク組成物に焦点を当てるが、本技術の別の側面は、OLEDのためのHILまたはHTLをインクジェット印刷するために調合される非水性有機溶媒ベースのインク組成物を提供する。有機HIL/HTLインク組成物は、従来、濡れ剤として見なされるが、実際には、濡れの結果、生じ得る、非制御拡散および画素セル溢流を防止するように、慎重に制御された量でHTLインクの中に組み込まれる、成分を含む。いくつかの実施形態では、有機インクは、(1)正孔注入材料または正孔輸送材料と、(2)正孔注入または正孔輸送材料を可溶化する、1つまたはそれを上回る有機溶媒と、(3)フッ素系界面活性剤とを含む。正孔注入または正孔輸送材料は、典型的には、インク組成物の総重量に基づいて、約5重量%以下、より典型的には、2重量%以下、さらにより典型的には、約1重量%以下(例えば、約0.1〜約1重量%)の量として存在する。有機溶媒は、典型的には、インク組成物の約95〜約99.8重量%を占める。フッ素系界面活性剤は、典型的には、約0.15重量%以下の量として存在する。例えば、有機溶媒ベースのインク組成物のいくつかの実施形態では、フッ素系界面活性剤は、約0.03重量%〜約0.1重量%の量として存在する。
Claims (19)
- 有機発光ダイオードのための正孔注入層を形成する方法であって、
前記方法は、
有機発光ダイオードの画素セル内の電極層にわたってインク組成物の液滴をインクジェット印刷するステップであって、前記画素セルは、画素バンクによって画定され、前記インク組成物は、
電気伝導性ポリチオフェンと、
水と、
少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンであって、前記メチコンは、前記画素セル内の液滴の接触線ピン止めを提供する量として存在する、メチコンと
を含む、ステップと、
前記インク組成物の揮発性成分が蒸発することを可能にするステップであって、それによって、前記正孔注入層が形成される、ステップと
を含む、方法。 - 前記電気伝導性ポリチオフェンは、PEDOTである、請求項1に記載の方法。
- 前記PEDOTは、少なくとも50重量%の量として存在する、請求項2に記載の方法。
- 前記電極層は、透明電気伝導性材料を備える、請求項2に記載の方法。
- 前記透明電気伝導性材料は、インジウムスズ酸化物であり、前記メチコンは、0.03重量%〜0.12重量%の量として存在する、請求項4に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの有機溶媒は、25℃において、表面張力55ダイン/cm以下および粘度15cPs以下を有する、非プロトン性溶媒である、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの有機溶媒は、大気圧下において、240℃またはより高い沸点を有する、請求項6に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、請求項1に記載の方法。
- スルホランは、前記インク組成物中の大部分の有機溶媒である、請求項8に記載の方法。
- 前記スルホランは、少なくとも5重量%の量として存在する、請求項8に記載の方法。
- 前記電極層は、インジウムスズ酸化物を含み、前記メチコンは、0.05重量%〜0.1重量%の量として存在し、前記少なくとも1つの有機溶媒は、5〜12重量%の範囲の量として存在する、スルホランである、請求項3に記載の方法。
- 前記インク組成物はさらに、スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒を含む、請求項8に記載の方法。
- 前記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、請求項12に記載の方法。
- インク調合物は、25℃時表面張力47ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および25℃時潜在時間少なくとも20分を有する、請求項1に記載の方法。
- インク組成物であって、
PEDOTと、
水と、
25℃時表面張力55ダイン/cm以下、25℃時粘度15cPs以下、および沸点少なくとも200℃を有する、少なくとも1つの有機溶媒と、
メチコンと
を含む、インク組成物。 - 前記少なくとも1つの有機溶媒は、スルホランである、請求項15に記載のインク組成物。
- スルホランより低い表面張力およびより低い沸点を有する、第2の有機溶媒をさらに含む、請求項16に記載のインク組成物。
- 前記第2の有機溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルである、請求項17に記載のインク組成物。
- 50〜70重量%PEDOTと、
3重量%〜10重量%スルホランと、
0.03〜0.12重量%メチコンと
を含む、請求項17に記載のインク組成物。
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