JP2008130790A - 液状体、有機el装置、およびその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れた液状体を提供すること。
【解決手段】陽極と前記陽極上に位置した正孔輸送層とを備えた有機EL装置の前記正孔輸送層が形成されるように前記陽極上に配置される液状体が、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状体、有機EL装置、およびその製造方法、並びに電子機器に関する。
特許文献1によれば、インクジェットプロセスを利用して有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層を形成することが知られている。また、正孔輸送層の材料として、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)/スチレンスルホン酸(以下、PEDOT/PSS)が知られている。
特開2005−41982号公報(段落[0026],[0041],[0042])
インクジェットプロセスで、PEDOT/PSSを含有した正孔輸送層を形成する場合、基本的には、1)正孔輸送層を構成することになる材料を含有した液状体を準備し、2)目標表面上に液状体の液滴を配置して正孔輸送層の前駆層を形成し、3)前駆層を加熱または乾燥して正孔輸送層を形成する。
ここで、液状体に含まれる溶媒によっては、液状体からの溶媒の蒸発が速いことがある。例えば、液状体に含まれる溶媒は水でもよいが、水を含んだ液状体がインクジェットヘッドから吐出された場合、常温・常圧下では液状体からの水の蒸発が無視できない。そしてこのような溶媒の蒸発に起因して、前駆層の形成途中で、前駆層に亘って乾燥した部分と、溶媒が残っている部分と、が生じることがある。このような場合、前駆層に亘って材料の移動が生じて、結果として前駆層の厚さが均一にならない。したがって、正孔輸送層など、厚さの均一性が求められる層を形成する場合には、液状体に含有される溶媒が高沸点を有することが望まれる。
また、溶媒として次のような特性が望まれる。それは、液状体がその溶媒を含有することで、プロセス的な安定性(例えば安定した吐出特性)が実現するとともに、液状体が高い保存安定性を備えるようになることである。液状体が高い安定性を備えていれば、液状体の使用効率が高まり得るからである。ここで、「高い保存安定性」を備えた液状体とは、1)安定した吐出特性が長期に亘って維持されること、2)PEDOTの酸化状態の経時変化が小さいこと、の少なくとも一方を満足する液状体のことである。なお、液状体におけるPEDOTの酸化状態が変わればPEDOTの電子構造が変わり、電子的な安定性が変わる。
ここで、液状体の吐出特性の変化は、液状体の粘度の経時変化を測定することで確認されている。しかしながら、液状体におけるPEDOTの酸化状態の経時変化については、従来考慮されていなかった。
本発明は上記課題を鑑みてなされ、その目的の一つは、保存安定性に優れた液状体を提供することである。
本発明のある態様によれば、液状体が、陽極と前記陽極上に位置した正孔輸送層とを備えた有機EL装置の前記正孔輸送層が形成されるように、前記陽極上に配置されることになる。ここで、この液状体は、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有している。
上記構成によれば、PEDOTを含有した液状体が、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質を含有している。このため、液状体に含有されたPEDOTの酸化状態の経時変化が小さい。ここでの「酸化状態」とは、酸化されたPEDOTの種々の状態の一つであり得るし、中性のPEDOTの状態でもあり得るし、これら異なる状態にあるPEDOTが混在した状態でもあり得る。
さらに本発明の他の態様によれば、陽極と、前記陽極上に位置した正孔輸送層と、を備えた有機EL装置を製造する製造方法が、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有した液状体を前記陽極上に配置する工程を包含している。
さらに本発明の他の態様によれば、有機EL装置が、陽極と、前記陽極上に位置した正孔輸送層と、を備えている。そして、前記正孔輸送層は、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有した液状体をインクジェットプロセスで前記陽極上に配置する工程を含んだ製造方法で形成されている。さらに、電子機器がこのような有機EL装置を備えていていもよい。
上記特徴によれば、PEDOTを含有した液状体が、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質を含有している。このため、液状体に含有されたPEDOTの酸化状態の経時変化が小さく、結果として、導電性にズレがない正孔輸送層を備えた有機EL装置が得られる。ここでの「酸化状態」とは、酸化されたPEDOTの種々の状態の一つであり得るし、中性のPEDOTの状態でもあり得るし、これら異なる状態にあるPEDOTが混在した状態でもあり得る。
前記液状体はさらにスルホランを含有していてもよい。そうすれば、より均一な厚さの正孔輸送層を形成しやすい。
(実施例1)
以下では、有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の正孔輸送層を形成するために用いられる液状体1を説明する。
液状体1は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/スチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)と、γブチロラクトンと、を含有している。PEDOT/PSSは、最終的に得られる正孔輸送層の材料となる。一方、γブチロラクトンは、液状体1において、溶媒または希釈剤として機能する。本実施例では、PEDOT/PSSの濃度が50重量%であり、γブチロラクトンの濃度が50重量%である。
図1は、液状体1の吸収スペクトルの経時変化を示している。具体的には、図1には4つの吸収スペクトルが図示されている。これら4つの吸収スペクトルは、液状体1の調合直後(図1では「初期」と表示されている)と、調合から6日目と、21日目と、34日目と、にそれぞれ計測されて得られている。
液状体中でPEDOTの酸化反応が進むと、赤外に対応する波長域、特に800nm以上1200nm以下の波長域の吸収スペクトルに変化が現れる。ところが、図1に示すように、液状体1の場合は、液状体1の調合後から34日目を迎えても、赤外域の吸収スペクトルに有意の変化は現れない。つまり、PEDOTの酸化状態の変化が抑制されている。
このように、液状体1によれば、PEDOTの酸化状態の経時変化が小さい。そしてこのため、液状体1の保存安定性が高い。ここでの「酸化状態」とは、酸化されたPEDOTの種々の状態の一つであり得るし、中性のPEDOTの状態でもあり得るし、これら異なる状態にあるPEDOTが混在した状態でもあり得る。なお、液状体1中でPEDOTの酸化反応が進むと、最終的に得られる正孔輸送層の導電率が設計値から外れてしまい、このことに起因して最終的に得られる有機EL装置の発光輝度が設計値からずれるという不具合が生じ得る。
液状体1におけるPEDOTの酸化状態の経時変化の抑制、あるいは液状体1の酸化還元状態の経時変化の抑制は、溶媒または希釈剤として機能するγブチロラクトンに起因している。このことは、図5(a)および(b)に示す比較例から明らかである。
図5(a)および(b)を参照しながら、比較例として、液状体4,5を説明する。液状体4は、γブチロラクトンに代えて、40重量%のトリエチレングリコールモノブチルエーテル(TrEGmBE)を含有している。さらに、液状体5は、γブチロラクトンに代えて、40重量%のテトラエチレングリコールモノブチルエーテル(TeEGmBE)を含有している。なお、液状体4,5に含有されるPEDOT/PSSの濃度は、いずれも60重量%である。
図5(a)および(b)は、液状体4,5の吸収スペクトルの経時変化をそれぞれ示している。具体的には、図5(a)および(b)には、それぞれ5つの吸収スペクトルが示されている。それら5つの吸収スペクトルは液状体4,5の調合直後と、調合から5日目と、16日目と、27日目と、61日目と、にそれぞれ計測されて得られている。図5(a)および(b)から明らかなように、いずれの比較例の場合でも、5日目には、赤外に対応する波長域で、それぞれの吸収スペクトルが大きく変化している。具体的には、赤外に対応する波長域での吸収が低下している。このような変化は、PEDOTの酸化状態が変化したことを示している。
このような比較例の結果から、本実施例の液状体1において、γブチロラクトンによって、PEDOTの酸化状態の経時変化が抑制されていることがわかる。このように、溶媒または希釈剤としてγブチロラクトンが用いられれば、PEDOTの酸化状態の経時変化が抑制されることは知られていなかった。
さて、図6は、本実施例の液状体1と比較例の液状体4,5とについて、それぞれの粘度の時間変化を示している。液状体1の粘度の変化は、調合後30日目まで、インクジェットプロセスにとって許容される範囲にあった。つまり、液状体1の吐出特性が長期に亘って安定していると言える。したがって、液状体1が調合された直後の場合でも、調合されてから時間が経った場合でも、インクジェットヘッドの駆動波形の調整が小さくても、ほぼ同一の体積の液状体1をほぼ同一の方向に吐出できる。
一方で、液状体4,5のそれぞれの粘度は、調合後30日目で、液状体1の粘度の変化よりも大きかった。
液状体1においてγブチロラクトンの代わりに、炭酸エチレン、αヒドロキシγブチロラクトン、γバレロラクトン、εカプロラクトン等が用いられても、液状体1と同様な効果が得られる。したがって、PEDOT/PSSを含む液状体1は、溶媒または希釈剤として、γブチロラクトン、炭酸エチレン、αヒドロキシγブチロラクトン、γバレロラクトン、εカプロラクトンのうちのいずれか一つの物質、またはこれら物質のいかなる組み合わせを含有してもよい。
(実施例2)
本実施例の液状体2は、PEDOT/PSSと、スルホランと、γブチロラクトンと、を含有している。例えば液状体2において、PEDOT/PSSが60重量%であり、スルホランが20重量%であり、γブチロラクトンが20重量%であり得る。濃度はこれらの値に限定されない。ただし、インクジェットヘッドからの吐出にとって適切な特性が得られるので、スルホランとγブチロラクトンとを合わせた濃度が、40重量%以上60重量%以下の範囲にあることが好ましい。なお、液状体2は、実施例1の液状体1にスルホランを加えても得られる。
このように本実施例では、PEDOT/PSSとγブチロラクトンとを含有する液状体2が、さらにスルホランを含有する。このような液状体2は、実施例1の液状体1と同様に高い保存安定性を有している。さらに液状体2を用いれば、正孔輸送層の厚さを均一にしやすく、かつ、正孔輸送層の前駆層を形成する際の温度管理を緩やかにできる。これら効果の詳細は以下の通りである。
まず、効果を説明する目的で、PEDOT/PSSと、スルホランと、を含んだ液状体3を調合した。図2は、液状体3の吸収スペクトルの経時変化を示している。具体的には、図2には4つの吸収スペクトルが示されている。それら4つの吸収スペクトルは、液状体3の調合直後と、調合から5日目と、19日目と、33日目と、に計測されて得られている。
図2が示すように、赤外に対応する波長域での吸収スペクトルには、33日目を迎えても有意な変化が現れなかった。このことから、溶媒または希釈剤としてスルホランが用いられても、γブチロラクトンの場合と同様に、PEDOTの酸化状態の経時変化が抑制されることが分かる。このため、本実施例の液状体2のように、γブチロラクトンに加えてスルホランが存在しても、液状体2においてPEDOTの酸化状態の経時変化が抑制される。なお、上述のように、ここでの「酸化状態」とは、酸化されたPEDOTの種々の状態の一つであり得るし、中性のPEDOTの状態でもあり得るし、これら異なる状態にあるPEDOTが混在した状態でもあり得る。
また、図6に示すように、スルホランを含有した液状体3の粘度の変化は、液状体3が調合されてから30日目を迎えても、インクジェットプロセスにとって許容される範囲にあった。つまり、液状体3の吐出特性が長期に亘って安定していると言える。このため、本実施例の液状体2のように、γブチロラクトンに加えてスルホランが存在しても、液状体2の吐出特性は、長期に亘って安定する。
さて、γブチロラクトンの沸点は、常圧下で約203℃である。一方、スルホランの沸点は、常圧下で約287.3℃である。実施例1の液状体1と比べると、液状体2が、γブチロラクトンに加えて、沸点のより高いスルホランを含んでいる。このため、液状体2がインクジェットヘッドから吐出された場合、液状体1の場合よりも、これら溶媒または希釈剤が液状体2から蒸発しにくい。このため、液状体2を用いたインクジェットプロセスを実行すれば、正孔輸送層の厚さの制御がさらに容易になる。また、溶媒または希釈剤が液状体2から蒸発しにくいことから、液状体2を用いれば、前駆層を形成する際の環境温度の管理が緩やかになる。
このように本実施例では、液状体2が、溶媒または希釈剤として、スルホランとγブチロラクトンとを含有する。そして上述したように、液状体2によれば、液状体1と同様な効果が得られるだけでなく、正孔輸送層の厚さを均一にしやすく、かつ前駆層を形成する際の環境温度の管理が緩やかになる。
(実施例3)
図3は、本実施例の製造方法で得られる有機EL装置100を示している。有機EL装置100は、スイッチング素子基板10と、スイッチング素子基板10上に位置する画素電極13と、画素電極13上に位置する正孔輸送層14と、正孔輸送層14上に位置する発光層15と、発光層15上に位置する電子輸送層16と、電子輸送層16上に位置する陰極17と、陰極17を覆う保護層18と、を備えている。本実施例の有機EL装置100は、画像形成装置の一部である。具体的には、画素電極13に対応した部分が、画像形成装置によって形成される画像における1つの絵素に対応する。なお、正孔輸送層14と、発光層15と、電子輸送層16とは、まとめて有機機能層と表記されることもある。
次に、上述の構造を有する有機EL装置100の製造方法を説明する。
まず、公知の方法で、スイッチング素子基板10を形成する(図4(a))。スイッチング素子基板10とは、本実施例では、光透過性を有した基板11と、基板11上の一部分に形成されたスイッチング素子(不図示)と、スイッチング素子とスイッチング素子以外の部分で露出している基板10の表面とを覆う層間絶縁層12と、を備えている。なお、上述の画素電極13は、スイッチング素子基板10のうち、層間絶縁層12の上面上に形成されている。
ここでの層間絶縁層12は光透過性を有するポリイミド層である。また、層間絶縁層12は、スイッチング素子に起因した下地の凹凸を吸収する働きをしており、このため層間絶縁層12の上面はほぼ平坦である。画素電極13は、ITO(Indium Tin Oxide)からなり、このため光透過性を有している。さらに、画素電極13は、層間絶縁層12に設けられたコンタクトホール(不図示)を介して、スイッチング素子と電気的に接続されている。なお、画素電極13は有機EL装置100において陽極として機能する。
次に、インクジェットプロセスを実施して、画素電極13上に正孔輸送層14を形成する。具体的には本実施形態の場合、所定領域としての画素電極13上に液状体2の層、すなわち前駆層14’が形成されるように、インクジェットヘッド81のノズル82から液状体2を吐出する(図4(b))。そして、得られた前駆層14’を加熱または乾燥する。そうすると、前駆層14’から溶媒または希釈剤が蒸発し、残されたPEDOT/PSSから正孔輸送層14が形成される(図4(c))。なお、このインクジェットプロセスでは、液状体2に代えて、実施例1の液状体1が用いられてもよい。また、前駆層14’を加熱または乾燥するとは、前駆層14’を単に放置する場合も含んでいる。
ここで、上述のように液状体2は、溶媒として、スルホランと、γブチロラクトンと、を含有するので、液状体2におけるPEDOTの酸化状態の経時変化が抑制されている。このため、最終的に得られる正孔輸送層14の導電率が期待値から大きくずれることがない。また、液状体2が、スルホランと、γブチロラクトンと、を含有しているので、インクジェットヘッド81から液状体2を吐出する場合の環境温度(または周囲温度)がたとえ室温あっても、インクジェットヘッド81のノズル82内で溶媒が析出する可能性が小さい。そして、環境温度が室温でよいので、液状体2を吐出する際に特別な温度管理が不要である。また、液状体2によれば、液状体2がインクジェットヘッド81から吐出された後で蒸発しにくい。このため、溶媒が蒸発する程度は前駆層14’に亘って一定に近づき、そしてこのため、最終的に得られる正孔輸送層14の厚さは、正孔輸送層14に亘ってより均一になる。
正孔輸送層14が得られたら、公知の方法で発光層15と、電子輸送層16と、陰極17と、保護層18と、を形成する。そうすると、図3の有機EL装置100が得られる。有機EL装置100は、上述の画像形成装置以外にも、プリンタ、光ディスク装置などの電子機器に搭載され得る。具体的には、有機EL装置100は、プリンタにおいてプリンタヘッドとして機能し得るし、光ディスク装置において読み出し用および/または書き込み用の光源として機能し得る。
(変形例)
実施例3では、前駆層14’は、インクジェットプロセスを利用して液状体1,2を陽極上に配置することで形成される。液状体1,2を配置する方法は、インクジェットプロセスに限定されず、マイクロディスペンサ等を用いた他の液滴配置法でもよい。さらに、液状体1,2を配置する方法は、液滴配置法に代えて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコード法、ロールコート法、ワイヤーバーコード法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの塗布法であってもよい。
ただし、液滴配置法を用いれば、必要な箇所に必要な体積の液状体1,2を配置できるので、この点で液滴配置法を用いることは好ましい。さらに、液滴配置法のうちでインクジェットプロセスを用いれば、より短い時間で液状体1,2を配置できるので、この点でインクジェットプロセスを用いることは好ましい。
実施例3において、有機EL装置100は電子輸送層16を備えている。ただし、他の形態では、電子輸送層16を備えない有機EL装置も製造され得る。なお、電子輸送層16を備えない有機EL装置の場合には、正孔輸送層と、発光層と、を含む部分が有機機能層に対応することになる。
実施例1に係る液状体の吸収スペクトルの経時変化を示す図。 スルホランを含んだ液状体の吸収スペクトルの経時変化を示す図。 実施例3に係る有機EL装置の断面構造を示す模式図。 (a)〜(c)は、有機EL装置の製造方法を説明する模式図。 (a)〜(b)は、比較例の液状体の吸収スペクトルの経時変化を示す図。 実施例の液状体および比較例の液状体について、それぞれの粘度の時間変化を示すグラフ。
符号の説明
1,2…液状体、10…スイッチング素子基板、11…基板、12…層間絶縁層、13…画素電極、14’…前駆層、14…正孔輸送層、15…発光層、16…電子輸送層、17…陰極、18…保護層、81…インクジェットヘッド、82…ノズル。

Claims (7)

  1. 陽極と前記陽極上に位置した正孔輸送層とを備えた有機EL装置の前記正孔輸送層が形成されるように、前記陽極上に配置される液状体であって、
    γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、
    PEDOT/PSSと、
    を含有した液状体。
  2. 請求項1記載の液状体であって、
    さらにスルホランを含有した液状体。
  3. 陽極と、
    前記陽極上に位置した正孔輸送層と、
    を備えた有機EL装置を製造する製造方法であって、
    γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有した液状体を前記陽極上に配置する工程、
    を包含した製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法であって、
    前記液状体はさらにスルホランを含有している、
    製造方法。
  5. 陽極と、
    前記陽極上に位置した正孔輸送層と、
    を備えた有機EL装置であって、
    前記正孔輸送層が、γブチロラクトンと、炭酸エチレンと、αヒドロキシγブチロラクトンと、γバレロラクトンと、εカプロラクトンと、からなる群から選択された少なくとも一つの物質と、PEDOT/PSSと、を含有した液状体を前記陽極上に配置する工程を含んだ製造方法で形成されている、
    有機EL装置。
  6. 請求項5記載の有機EL装置であって、
    前記液状体はさらにスルホランを含有している、
    有機EL装置。
  7. 請求項5または6記載の有機EL装置を備えた電子機器。
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US10093819B2 (en) 2011-09-16 2018-10-09 Kateeva, Inc. Fluorosurfactant-containing ink compositions for inkjet printing

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