JP5148843B2 - 高沸点組成物及びそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

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本発明は、高沸点組成物及びそれを用いた高分子発光素子(以下高分子LEDと言うことがある。)に関する。
重合体を発光材料として用いた発光素子(高分子LED)が種々検討されている。
高分子LEDの発光層を形成する方法として、重合体と溶媒とを含む溶液組成物を用いてインクジェット法により形成する方法は、大面積の発光素子を低コストで作製できる長所がある。
このようなインクジェット法に適用し得る溶液組成物としては、例えば、ポリフルオレン誘導体と溶媒とを含む溶液組成物(特許文献1)、ポリアリーレンビニレン類と溶媒を含む溶液組成物(特許文献2)が知られている。しかしながら、いずれの文献にも、沸点200℃以上の脂肪族化合物又は脂環式化合物を用いることは記載されていない。
WO00/59267パンフレット WO02/96970パンフレット
ところで、組成物を用いて薄膜を形成する場合、低沸点溶媒や高分子化合物の溶解性が良い溶媒のみを含む組成物では、成膜時の膜厚が均一ではないという課題があり、特にインクジェット法を用いて成膜する場合は、膜厚の不均一さは顕著であった。そのため、成膜時の膜厚が均一となるような組成物が求められていた。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、沸点が100℃以上の2種類以上の有機化合物を含み、該有機化合物の少なくとも1種類が、沸点が200℃以上の溶媒であって高分子化合物の溶解性がそれ程良くない溶媒を含む組成物を用いて成膜を行うことで、膜厚が均一となることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、沸点が100℃以上の2種類以上の有機化合物、及び電荷輸送性又は固体状態で光発光性の1種類以上の重合体を含む組成物であって、該有機化合物の少なくとも1種類が沸点が200℃以上である、ヘテロ原子を有していてもよい脂肪族化合物又はヘテロ原子を有していてもよい脂環式化合物から選ばれる有機化合物であることを特徴とする上記組成物を提供するものである
本発明の組成物は、成膜時に膜厚が均一になる特徴を有する。
本発明の組成物は、沸点が200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物を1種類以上含むことを特徴とする。
本発明の組成物に含まれる沸点が200℃以上である脂肪族化合物はヘテロ原子を有していてもよく、脂肪族炭化水素化合物、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族グリコール系化合物、脂肪族エステル系化合物、窒素原子を含む脂肪族化合物、硫黄原子を含む脂肪族化合物が挙げられる。
脂肪族炭化水素化合物としては、n−ドデカン(沸点216℃)、n−トリデカン(沸点234℃)、n−テトラデカン(沸点252〜254℃)等が挙げられる。
脂肪族アルコール系化合物としては、1−ノナノール(沸点211℃)、n−デカノール(沸点231℃)、2−デカノール(沸点211℃)、n−ウンデカノール(沸点241℃)、イソデカノール(沸点220℃)、n−テトラデカノール(沸点289℃)等が挙げられる。
脂肪族グリコール系化合物としては、ジエチレングリコール(沸点244℃)、トリエチレングリコール(沸点287℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点275℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(沸点229℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点231℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点208℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(沸点256℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、トリプロピレングリコール(沸点268℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4−ブタンジオール(沸点228℃)、ネオペンチルグリコール(沸点211℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点238〜239℃)、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)等が挙げられる。
脂肪族エステル系化合物としては、酢酸n−オクチル(沸点208℃)、コハク酸ジエチル(沸点218℃)等が挙げられる。
窒素原子を含む脂肪族化合物としては、アセトアミド(沸点222℃)等が挙げられる。
硫黄原子を含む脂肪族化合物としては、チオジグリコール(沸点283℃)等が挙げられる。
上記の脂肪族化合物としては、成膜性の観点から脂肪族炭化水素化合物、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族グリコール系化合物、脂肪族エステル系化合物が好ましく、脂肪族炭化水素化合物、脂肪族アルコール系化合物がより好ましい。
本発明の組成物に含まれる沸点が200℃以上の脂環式化合物はヘテロ原子を有していてもよく、脂環式炭化水素化合物、脂環式ケトン化合物、脂環式ラクトン化合物、脂環式カーボネート化合物、窒素原子を含む脂環式化合物、硫黄原子を含む脂環式化合物が挙げられる。脂環式炭化水素化合物としては、ビシクロヘキシル(沸点226〜228℃)等が挙げられる。脂環式ケトン化合物としては、2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノン(沸点265℃)、イソホロン(沸点215℃)等が挙げられる。脂環式ラクトン化合物としては、γ−ブチロラクトン(沸点203〜204℃)、δ−バレロラクトン(沸点218〜220℃)等が挙げられる。脂肪族カーボネート化合物としては、プロピレンカーボネート(沸点242℃)が挙げられる。窒素原子を含む脂環式化合物としては、N−メチルピロリドン(沸点202℃)、2−ピロリドン(沸点245℃)等が挙げられる。硫黄原子を含む脂環式化合物としては、スルホラン(沸点287℃)等が挙げられる。成膜性の観点から、炭素、水素、酸素原子のみを含む化合物が好ましく、ビシクロヘキシル、2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノンがより好ましい。
本発明の組成物は、沸点200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物を1種類以上含めばよいが、製造の行いやすさから1〜3種類含むことが好ましく、1〜2種類含むことがより好ましい。
本発明の組成物に含まれる沸点200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物は、膜の均一性の観点から沸点が220℃以上であることが好ましい。
本発明の組成物に含まれる沸点が200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物の重量は、重合体の溶解や粘度、成膜性等の観点から、組成物の重量に対して30wt%以上であることが好ましく、40wt%以上であることがより好ましい。
本発明の組成物には、沸点が200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物の他に加えて、沸点が100℃以上の有機化合物を少なくとも1種類含むことを特徴とする。
沸点が100℃以上の有機化合物としては、脂肪族炭化水素化合物、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族エーテル系化合物、脂肪族グリコール系化合物、脂肪族エステル系化合物、脂肪族アルデヒド系化合物、脂肪族ケトン系化合物、脂肪族カルボキシル系化合物、窒素原子を含む脂肪族化合物、硫黄原子を含む脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘテロ原子を有する脂環式化合物、芳香族炭化水素化合物、芳香族アルコール系化合物、芳香族エステル系化合物、芳香族アルデヒド系化合物、芳香族カルボキシル化合物などが挙げられる。なお、芳香族エーテル化合物は、本発明においては、沸点が100℃以上の有機化合物からは除外される。
脂肪族炭化水素化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、n−オクタン(沸点126℃)、ノナン(沸点151℃)、n−デカン(沸点174℃)、n−ウンデカン(沸点196℃)などが挙げられる。
脂肪族アルコール系化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、1−ブタノール(沸点116〜118℃)、1−ペンタノール(沸点136〜138℃)、2−ペンタノール(沸点118〜119℃)、1−ヘキサノール(沸点157℃)、2−ヘキサノール(沸点136℃)、1−ヘプタノール(沸点176℃)、2−ヘプタノール(沸点160〜162℃)、1−オクタノール(沸点196℃)、2−オクタノール(沸点174〜181℃)、2−ノナノール(沸点193〜194℃)などが挙げられる。
脂肪族エーテル系化合物としては、ジブチルエーテル(沸点137〜143℃)などが挙げられる。
脂肪族グリコール系化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、エチレングリコール(沸点197℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(沸点124℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124℃)、プロピレングリコール(沸点187℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点119〜122℃)、ヘキシレングリコール(沸点198℃)などが挙げられる。
脂肪族エステル系化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、ギ酸n−ブチル(沸点107℃)、酢酸アリル(沸点103〜104℃)、酢酸n−ブチル(沸点120〜125℃)、コハク酸ジメチル(沸点195℃)、シュウ酸ジエチル(沸点185℃)、シュウ酸ジメチル(沸点134〜137℃)、乳酸メチル(沸点145℃)、乳酸エチル(沸点154℃)、ピルビン酸メチル(沸点165℃)、ピルビン酸エチル(沸点156℃)、マロン酸ジメチル(沸点181℃)、マロン酸ジエチル(沸点198〜199℃)などが挙げられる。
脂肪族アルデヒド系化合物としては、フルフラール(沸点161℃)などが挙げられる。
脂肪族ケトン系化合物としては、メチルイソブチルケトン(沸点118℃)、ジイソプロピルケトン(沸点124℃)、ジイソブチルケトン(沸点163〜173℃)などが挙げられる。
脂肪族カルボキシル系化合物としては、ギ酸(沸点101℃)、酢酸(沸点117〜118℃)、プロピオン酸(沸点141℃)などが挙げられる。
窒素原子を含む脂肪族化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点165〜166℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(沸点127℃)などが挙げられる。
硫黄原子を含む脂肪族化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂肪族化合物の他に、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)などが挙げられる。
脂環式化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂環式化合物の他に、メチルシクロヘキサン(沸点101℃)、ジメチルシクロヘキサン(沸点120〜129℃)、エチルシクロヘキサン(沸点132℃)、シクロヘプタン(沸点116〜118℃)、デカリン(沸点187〜195℃)などが挙げられる。
ヘテロ原子を有する脂環式化合物としては、前述の沸点が200℃以上の脂環式化合物の他に、シクロペンタノール(沸点139〜140℃)、シクロヘキサノール(沸点160〜161℃)、メチルシクロヘキサノール(沸点171〜173℃)、ジメチルシクロヘキサノール(沸点186℃)、シクロヘキセノール(沸点164〜166℃)、シクロヘキシルメタノール(沸点181℃)、テトラヒドロフルフリルアルコール(沸点178℃)、フルフリルアルコール(沸点170〜171℃)、シクロペンタノン(沸点130〜131℃)、シクロヘキサノン(沸点155℃)、ジオキサン(沸点102℃)、メチルシクロヘキサノン(沸点162〜171℃)などが挙げられる。ヘテロ原子を有する脂環式化合物の中では、成膜性等の観点からシクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましい。
芳香族炭化水素化合物としては、トルエン(沸点111℃)、o−キシレン(沸点143〜145℃)、p−キシレン(沸点138℃)、m−キシレン(沸点138〜139℃)、メシチレン(162〜164℃)、1,2,4−トリメチルベンゼン(沸点168℃)、エチルベンゼン(沸点136℃)、o−ジエチルベンゼン(沸点183〜184℃)、m−ジエチルベンゼン(沸点181℃)、p−ジエチルベンゼン(沸点184℃)、o−エチルメチルベンゼン(沸点164〜165℃)、p−エチルメチルベンゼン(沸点162℃)、m−エチルメチルベンゼン(沸点161℃)、n−プロピルベンゼン(沸点159℃)、イソプロピルベンゼン(沸点153℃)、n−ブチルベンゼン(沸点183℃)、s−ブチルベンゼン(沸点173℃)、イソブチルベンゼン(沸点173℃)、t−ブチルベンゼン(沸点169℃)、n−ペンチルベンゼン(沸点205℃)、n−ヘキシルベンゼン(沸点226〜227℃)、n−ヘプチルベンゼン(沸点233℃)、n−オクチルベンゼル(沸点261〜263℃)、n−ノナルベンゼン(沸点282℃)、n−デシルベンゼン(沸点293℃)、1,3−ジ−イソプロピルベンゼン(沸点205℃)、1,4−ジ−イソプロピルベンゼン(沸点205℃)、シクロヘキシルベンゼン(沸点239〜240℃)、テトラリン(沸点207℃)、ビフェニル(沸点255℃)などが挙げられる。
芳香族アルコール系化合物としては、フェノール(沸点182℃)、o−クレゾール(沸点190〜195℃)、o−エチルフェノール(沸点195〜197℃)、m−クレゾール(沸点202℃)、p−クレゾール(沸点202℃)、p−エチルフェノール(沸点218〜219℃)、4−メトキシフェノール(沸点246℃)、o−n−プロピルフェノール(沸点214℃)、o−イソプロピルフェノール(沸点215℃)、o−s−ブチルフェノール(沸点226〜228℃)、o−t−ブチルフェノール(沸点224℃)、m−t−ブチルフェノール(沸点240℃)、p−t−ブチルフェノール(沸点237〜239℃)、ベンジルアルコール(沸点206℃)等が挙げられる。
芳香族エステル系化合物としては、安息香酸メチル(沸点199℃)、安息香酸エチル(沸点212℃)、安息香酸n−ブチル(沸点250℃)などが挙げられる。
芳香族アルデヒド系化合物としては、ベンズアルデヒド(沸点178℃)などが挙げられる。
芳香族カルボキシル系化合物としては、安息香酸(沸点249℃)、フェニル酢酸(沸点266℃)等が挙げられる。
沸点が100℃以上の有機化合物の中では、成膜性等の観点から、脂肪族炭化水素化合物、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族エステル系化合物、脂肪族ケトン系化合物、脂環式化合物、ヘテロ原子を有する脂環式化合物、芳香族炭化水素化合物、芳香族アルコール系化合物、芳香族エステル系化合物が好ましい。
本発明の組成物が芳香族化合物(芳香族エーテル化合物を除く)を含む場合、膜の均一性の観点から、沸点が250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましい。また、組成物中に含まれる沸点200℃以上である脂肪族化合物又は脂環式化合物よりも沸点が低いことが好ましい。
本発明の組成物は、沸点が100℃以上の有機化合物を2種類以上含むことを特徴とするが、粘度の観点からは、沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることがさらに好ましい。
本発明の組成物には、沸点100℃以上の有機化合物以外の化合物(但し、芳香族エーテル化合物を除く)を含んでいてもよい。具体的には沸点100℃未満の化合物が挙げられる。これらの化合物の含有量は、本発明の組成物の重量に対して、20wt%以下であることが好ましく、10wt%以下であることがより好ましく、1wt%以下であることがさらに好ましい。
本発明の組成物は液体でも固体でもよいが、成膜の行いやすさの観点から、50℃で液体であることが好ましく、40℃で液体であることがより好ましく、25℃で液体であることがさらに好ましい。また、保存安定性の観点からは、20℃で固形分が析出しないことが好ましく、10℃で固形分が析出しないことがより好ましく、0℃で固形分が析出しないことがさらに好ましい。
本発明の組成物に含まれる沸点が200℃以上の脂肪族化合物又は脂環式化合物は、保存安定性の観点からは、融点が25℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、10℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の組成物に用いる重合体の数平均分子量は、溶解性、粘度、成膜性等の観点から、1.0×103〜1.0×107であることが好ましく、5.0×103〜1.0×106であることがより好ましく、1.0×104〜2.0×105であることがさらに好ましい。
本発明の組成物に用いる重合体の重量平均分子量は、溶解性、粘度、成膜性等の観点から、1.0×103〜1.0×107であることが好ましく、1.0×104〜2.0×106であることがより好ましく、5.0×104〜1.0×106であることがさらに好ましい。
本発明の組成物に用いる重合体の重量は、溶解性、粘度、膜の製造コスト等の観点から、組成物の重量に対して0.1〜5wt%であることがより好ましく、0.5〜2wt%であることがさらに好ましい。
本発明の組成物の25℃における粘度は、成膜性等の観点から1〜20mPa・sであることが好ましい。
本発明の組成物に用いる重合体は電荷輸送性重合体又は固体状態で光発光性の重合体であれば特に限定されない。電荷輸送性性重合体とは、負の電荷(電子)又は正の電荷(正孔)を輸送する重合体であり、電子と正孔の両方を輸送してもよい。電荷が輸送されることを調べるためには、例えば、サイクリックボルタンメトリーを用いて測定する手法、素子を作製して調べる手法などが挙げられるが、広く公知の手法を用いることができる。電荷輸送性重合体中で電子と正孔が再結合を行い、エレクトロルミネッセンスを発してもよい。固体状態で光発光性の重合体としては、固体状態で蛍光を発する重合体、固体状態でリン光を発する重合体が挙げられる。固体状態で光発光を発する重合体は、電荷を輸送してもよいし、エレクトロルミネッセンスを発してもよい。
本発明の組成物を用いて作製した薄膜は様々な用途に適用することができる。高分子エレクトロルミネッセンス、有機トランジスタ、高分子コンデンサ、二次電池、太陽電池、センサ、熱電変換素子、キャパシタ、アクチュエーター、帯電防止剤、ガス分離膜、電磁シールド、レーザー、電子写真感光体、有機超伝導体などの用途に用いることができ、組成物に含まれる重合体は用途に応じて適宜選ばれる。
高分子LED用途としては、本発明の組成物を用いて発光層、電子輸送層、正孔輸送層を作製することができる。
本発明の組成物を用いて発光層を作製する場合、組成物に含まれる重合体が繰り返し単位としてアリーレン基、2価の複素環基、金属錯体構造を有する2価の基又は2価の芳香族アミン基の少なくとも1つを含むことが好ましい。
発光性を損なわない範囲で、前記繰り返し単位のほかに、重合体中に−CRa1=CRa2−、−C≡C−、−N(Ra3)−、又は(SiRa4a5b−で示される構造を有していてもよい。Ra1及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。Ra3、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基又は置換アミノ基を含む基を示す。bは1〜12の整数を示す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基の種類は特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行いやすさ、素子にした場合の特性等の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が好ましい。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下式1〜3)、ナフタレンジイル基(下式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下式20〜25)、フルオレン−ジイル基(下式36〜38)、ターフェニル−ジイル基(下式26〜28)、縮合環化合物基(下式29〜35)、スチルベン−ジイル(下式A〜D)、ジスチルベン−ジイル(下式E及びF)、インデノナフタレン−ジイル(下式G〜N)などが例示される。
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また、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団を言い、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものを言う。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。置換基の種類は特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行いやすさ、素子にした場合の特性等の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が好ましい。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジン−ジイル基(下式39〜44)、ジアザフェニレン基(下式45〜48)、キノリンジイル基(下式49〜63)、キノキサリンジイル基(下式64〜68)、アクリジンジイル基(下式69〜72)、ビピリジルジイル基(下式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下式76〜78)、
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレン、硫黄などを含みフルオレン構造を有する基(下式79〜93)、
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレン、硼素、リンなどを含む5員環複素環基(下式94〜98、O〜Z、AA〜AC)、
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下式99〜110)、
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下式111〜112)、 ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下式113〜119)、
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下式120〜125)、
ヘテロ原子として酸素、窒素などを含む6員環複素環基(下式AD〜AG)。
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また、金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、以下の(126〜132)が例示される。
Figure 0005148843

Figure 0005148843
上記の式1〜132、A〜Z、AA〜AGにおいて、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を示す。また、式1〜132の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。また、隣接するR同士が結合して環を形成していてもよい。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
アリールチオ基は、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−イソプロピリシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基としては、イミン化合物(分子内に、−N=C-を持つ有機化合物のことをいう。その例として、アルジミン、ケチミン及びこれらのN上の水素原子が、アルキル基等で置換された化合物が挙げられる)から水素原子1個を除いた残基が挙げられ、通常炭素数2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18である。具体的には、以下の構造式で示される基などが例示される。
Figure 0005148843
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基、などが例示される。
酸イミド基としては、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、具体的には以下に示す基などが例示される。
Figure 0005148843
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団を言い、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素、珪素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
また、2価の芳香族アミン基とは、芳香族アミン化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団を言い、該基は置換基を有していてもよい。2価の芳香族アミン基の具体的な構造としては、下記式(1)の構造が挙げられる。
Figure 0005148843

(式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、アリール基、又は1価の複素環基を表す。Ar1〜Ar7は置換基を有していてもよい。x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の整数を表す。置換基の種類は特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行いやすさ、素子にした場合の特性等の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基が好ましい。)
2価の芳香族アミン基としては、以下の(式133〜140)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005148843
Figure 0005148843
Figure 0005148843
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。
有機溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキルを含む置換基においては、高分子化合物の有機溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上に環状又は分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。上記式133〜140で示される構造のうち、発光波長を調節する観点から、上記式134及び上記式137で示される構造が好ましい。
上記式(1)で示される繰り返し単位において、発光波長を調節する観点、素子特性等の観点から、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4がそれぞれ独立にアリーレン基であり、Ar5、Ar6及びAr7がそれぞれ独立にアリール基を示すものが好ましい。
Ar1、Ar2、Ar3としては、それぞれ独立に、無置換のフェニレン基、無置換のビフェニル基、無置換のナフチレン基、無置換のアントラセンジイル基である場合が好ましい。
Ar5、Ar6及びAr7としては、有機溶媒への溶解性、素子特性等の観点から、それぞれ独立に、3つ以上の置換基を有するアリール基であるものが好ましく、Ar5、Ar6及びAr7が置換基を3つ以上有するフェニル基、3つ以上の置換基を有するナフチル基又は3つ以上の置換基を有するアントラニル基であるものがより好ましく、Ar5、Ar6及びAr7が置換基を3つ以上有するフェニル基であるものがさらに好ましい。
中でも、Ar5、Ar6及びAr7が、それぞれ独立に下記式(9)で表され、かつx+y≦3であるものが好ましく、x+y=1であるものがより好ましく、さらに好ましくはx=1、y=0の場合である。
Figure 0005148843

(式中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。Re、Rf及びRgに含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。)
より好ましくは上記式(9)において、Re及びRfがそれぞれ独立に、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、炭素数3以下のアルキルチオ基であり、かつRgが炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルキルチオ基であるものが挙げられる。
前記式(9)で示される繰り返し単位において、Ar2が下記式(9−1)又は(9−2)であることが好ましい。
Figure 0005148843

(ここで、(9−1)、(9−2)で示される構造に含まれるベンゼン環は、それぞれ独立に1個以上4個以下の置換基を有していてもよい。それら置換基は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また、複数の置換基が連結して環を形成していてもよい。さらに、該ベンゼン環に隣接して他の芳香族炭化水素環又は複素環が結合していてもよい。)
前記式(1)で示される繰り返し単位として、特に好ましい具体例としては、以下の(式141〜142)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005148843
高分子LEDの発光層を形成するために好ましい重合体としては、素子特性や合成の行いやすさ、蛍光強度等の観点から、前記式(1)及び下記式(2)〜(8)で示される繰り返し単位のいずれかを含む重合体が挙げられる。
Figure 0005148843

(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表し、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を表す。)
Figure 0005148843

(式中、A環及びB環は前記と同じ意味を表し、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、Zは−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=O)−、−N(R3)−、−Si(R3)(R4)−、−P(=O)(R3)−、−P(R3)−、−B(R3)−、−C(R3)(R4)−O−、−C(R3)=N−又はSe−を表す。R
3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表す。)
Figure 0005148843

(式中、R5は、置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。R5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005148843

(式中、R6及びR7は、置換基を表す。o及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。R6及びR7がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005148843

(式中、R8、R9、R10及びR11は置換基を表す。q及びrはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。R8及びR9がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005148843

(式中、R12は置換基を表す。uは0〜2の整数を表す。Ar8及びAr9はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。s及びtはそれぞれ独立に0又は1を表す。X1は、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO2−、−Se−,又はTe−を表す。R12が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005148843

(式中、Ar10及びAr11はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。v及びwはそれぞれ独立に0又は1を表す。X2は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=O)−、−Se−,−Te−、−NR14−又はSiR1516−を表す。)
前記式(2)において、具体的な構造としては下記式(2−1〜2−17)が挙げられる。
Figure 0005148843
Figure 0005148843

(式中、R1及びR2は置換基を表し、溶解性や合成の行いやすさ等の観点から、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、それぞれ前述の基が例示される。これらの置換基の中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。また、R1とR2がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
前記式(3)としては、下記式(3−1〜3−12)で示される構造が挙げられる。
Figure 0005148843

(式中、Rは、前述のRが例示されるが、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。上記式において、図中の複数の水素原子が置換基Rで置き換わっていてもよい。R3及びR4は置換基を表し、溶解性や合成の行いやすさ等の観点から、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、それぞれ前述の基が例示される。これらの置換基の中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。溶解性の観点からは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を1〜3個有することが好ましい。)
上記式(4)〜(8)のR5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15及びR16としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、それぞれ前述の基が例示される。これらの置換基の中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。また、上記式(6)のR10及びR11は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、それぞれ前述の基が例示される。これらの置換基の中でも、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましい。
前記式(7)については、下記構造が挙げられる。
Figure 0005148843

上記式中のRは、前述のRが例示されるが、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。
前記式(8)については、下記構造が好ましい。
Figure 0005148843

上記式中のRは、前述のRが例示されるが、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましい。
本発明の組成物を用いて高分子LEDの正孔輸送層を作製する場合、組成物に含まれる重合体は、ポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体、発光層を作製する場合に例示した重合体などが好ましく用いられる。
本発明の組成物を用いて高分子LEDの電子輸送層を作製する場合、組成物に含まれる重合体は、ポリキノリン、ポリキノキサリンをはじめ発光層を作製する場合に例示した重合体などが好ましく用いられる。
本発明の組成物に用いる重合体は、例えば、一般式(10)、(11)並びに一般式(12)及び/又は(13)で示される単量体を反応させることにより製造することができる。
1−Ar12−K2 (10)
3−Ar13−K4 (11)
5−L1 (12)
6−L2 (13)
(式中、Ar12及びAr13はそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、金属錯体構造を有する2価の基又は2価の芳香族アミン基を表す。L1及びL2はそれぞれ末端基を表す。K1、K2、K3、K4、K5及びK6はそれぞれ独立に脱離基を表す。但し、L1及びL2は互いに相異なる。)
脱離基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、又はB(OR172(ここで、R11は水素原子又はアルキル基である)で示される基が挙げられる。
ここに、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましく、臭素原子が最も好ましい。アルキルスルホニルオキシ基は、フッ素原子で置換されていてもよく、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。アリールスルホニルオキシ基は、アルキル基で置換されていてもよく、フェニルスルホニルオキシ基、トリスルホニルオキシ基等が挙げられる。
−B(OR172で示される基において、R17は、水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、炭素数は、通常1〜20程度であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などが挙げられる。また、アルキル基どうしは、つながって環を形成していてもよい。
−B(OR172で示される基として、具体的には、
Figure 0005148843

が挙げられ、
Figure 0005148843

が好ましい。
一般式(12)及び(13)の単量体の仕込み量の合計は、一般式(10)及び(11)の単量体の仕込み量の合計に対して、一般的には0.1〜10モル%であり、0.2〜5モル%が好ましく、0.5〜3モル%がより好ましい。
本発明に用いる重合体の製造方法としては、例えば上述した該当する単量体を、Suzuki反応により重合する方法(ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(共立出版、高分子機能材料シリーズ第2巻、高分子の合成と反応(2)、432−3頁)、山本重合法により重合する方法(プログレッシブ ポリマー サイエンス(Prog.Polym.Sci.),第17巻,1153−1205頁,1992年)、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法(丸善、実験化学講座第4版、28巻、339−340頁)などが例示される。
Suzuki反応を用いる場合について説明する。この場合、例えば、K1及びK2がそれぞれ独立に−B(OR172(ここで、R11は水素原子又はアルキル基である)で示される基であり、K3及びK4がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基であり、K5が−B(OR172(ここで、R17は水素原子又はアルキル基である)で示される基であり、K6がハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基である単量体を用い、これらの単量体をPd(0)触媒の存在下で反応させる。
なおこの場合、反応に供する、2個の脱離基を有する2種以上の単量体のうち、少なくとも1種が−B(OR172(ここで、R17は水素原子又はアルキル基である)を2個有する単量体であり、少なくとも1種が、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基を2個有する単量体であることを要する反応は、通常、式(10)及び(11)で表される単量体を1〜100時間程度反応させた後、その後系内に単量体(12)を添加して0.5〜50時間程度反応させ、その後、単量体(13)を系内に添加して0.5〜50時間程度反応させる。
Pd(0)触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒にもよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
山本重合法を用いる場合について説明する。この場合、例えば、K1、K2、K3、K4、K5及びK6がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基である単量体を用い、これらの単量体をNi(0)錯体の存在下反応させる。反応は、通常は、単量体(10)〜(13)全てを混合して実施する。
Ni(0)錯体(ゼロ価ニッケル錯体)を用い、ニッケル錯体としては、ゼロ価ニッケルをそのまま使う方法と、ニッケル塩を還元剤の存在下で反応させ、系内でゼロ価ニッケルを生成させ、反応させる方法がある。
ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。また、中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に中性配位子として2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。
系内でゼロ価ニッケルを反応させる方法においては、ニッケル塩として塩化ニッケル、酢酸ニッケル等が用いられる。還元剤としては、亜鉛、水素化ナトリウム、ヒドラジン及びその誘導体、リチウムアルミニウムハイドライドなどが用いられ、必要に応じて添加物として、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等が用いられる。重合溶媒としては、重合を阻害しないものであれば特に限定されないが、1種類以上の芳香族炭化水素系溶媒及び/又はエーテル系溶媒を含むものが好ましい。ここに芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラリン等が挙げられ、トルエン、キシレン、テトラリン、テトラメチルベンゼンが好ましい。また、エーテル系溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等が挙げられ、高分子化合物に対する良溶媒である、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが好ましい。溶媒の中では、テトラヒドロフランが最も好ましい。また、重合性、溶解性を改良する観点から、溶媒としては、重合反応を阻害しないものであれば、芳香族炭化水素系溶媒及び/又はエーテル系溶媒と芳香族炭化水素系溶媒及びエーテル系溶媒以外の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
反応操作等は、例えば、特開2000−44544号公報に記載の方法に準じて行うことができる。山本重合法においては、例えば、重合反応は、通常アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン溶媒中、60℃の温度で、ゼロ価のニッケル錯体、中性配位子の存在下で行われる。重合時間は、通常0.5〜100時間程度であるが、製造コストの点から、10時間以内が好ましい。重合温度は、通常0〜200℃程度であるが、高収率、低加熱費の点から、20〜100℃が好ましい。
また、中性配位子を使用する場合には、その使用量は、反応収率とコストの点からゼロ価のニッケル錯体1モルに対して、0.5〜10モル程度が好ましく、0.8〜1.5モルがより好ましく、0.9〜1.1モルがさらに好ましい。
ゼロ価のニッケル錯体の使用量は、重合反応を阻害しない程度であれば、特には限定されないが、使用量が過少だと分子量が低い傾向にあり、使用量が過大であると後処理が繁雑になる傾向がある。そのため、モノマー1モルに対して、0.1〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましく、2〜3.5モルがさらに好ましい。
重合体を高分子LEDの発光材料として用いる場合、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した後に重合することが好ましく、また合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をしてもよい。
本発明の組成物に含まれる重合体は1種類でも2種類以上でもよい。2種類以上の重合体を含む場合は、電荷を輸送しない重合体や固体状態で光発光を発しない重合体を含んでいてもよい。
本発明の組成物の保存性に関し、調製してから30日経過後の粘度変化が、調製時の粘度の±5%以内であることが好ましく、調製してから90日経過後の粘度変化が、調製時の粘度の±5%以内であることがより好ましい。
本発明の組成物から薄膜を作製する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等の成膜法を用いることができる。本発明の組成物は、これらの手法のうち、特にインクジェット法を用いて成膜する場合に適している。
インクジェット法とは、重合体を溶媒に溶解させ、インクジェット装置等で溶液を吐出する方法である。溶液を作製する際に、添加剤やドーパントを含んでいてもよい。色の塗り分けが可能な点や材料のロスが少なく有効に活用できる点が長所である。
薄膜の膜厚としては、用いる材料、用途によって最適値が異なるが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の組成物は、成膜した場合に均一な膜厚の薄膜が形成されることを特徴とする。高分子LEDの発光層として用いる場合、膜厚が均一な薄膜であれば発光むらが少なく、素子にした場合に輝度半減寿命が長くなる。ここで、膜の均一性として、特に膜の中心部分が平坦な形状になっていることが好ましい。また、膜の形状がわずかながら凸形又は凹形であっても発光むらは少なく問題はない。一方、凹形の度合いが大きい薄膜は発光むらが多く、素子にした場合に輝度半減寿命が短くなる。また、薄膜の形状の測定は種々の手法が知られているが、例えば、液状にした組成物をシリンジにとり、高精細ニードルを取り付けてガラス基板上に吐出し、乾燥した後、干渉顕微鏡を用いて乾燥した薄膜の形状を測定する手法がある。乾燥方法としては、室温で乾燥しても温度をかけてもよく、常圧で行っても減圧で行ってもよい。
薄膜の形状は、形状を視覚的に判断することも可能であるが、膜の中心部の膜厚に対する最も厚い部分の膜厚の比から判断することもできる。すなわち、
(最も厚い部分の膜厚)/(膜の中心部分の膜厚)の値が、発光むらを少なくする観点からは、1.50以下であることが好ましく、1.35以下がより好ましく、1.20以下がさらに好ましく、1.10以下であることがより好ましく、1.05以下であることがより好ましい。
本発明の高分子LEDは陽極及び陰極からなる電極間に、発光層を有し、該発光層が、本発明の組成物を用いて製造されたことを特徴とする。本発明の高分子LEDには、少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けた高分子発光素子、少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子も含まれる。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
本発明の高分子LEDの構造としては、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄い絶縁層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102以下がより好ましく、10-5S/cm以上101以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層は、本発明の組成物を用いても作製できる。
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリシラン又はその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
ポリビニルカルバゾール又はその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
ポリシラン又はその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン又はその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、本発明の溶液組成物に用いる溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等の塗布法を用いることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
正孔輸送層は、本発明の組成物を用いて作製することもできる。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン又はその誘導体、ベンゾキノン又はその誘導体、ナフトキノン又はその誘導体、アントラキノン又はその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン又はその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン又はその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン又はその誘導体、アントラキノン又はその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、ポリキノリン又はその誘導体、ポリキノキサリン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液又は溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等の塗布法を用いることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)又はその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)又はその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリシロキサンなどが例示される。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
電子輸送層は、本発明の組成物を用いても作製できる。
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
通常は、陽極及び陰極からなる電極の少なくとも一方が透明又は半透明であり、陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、及びそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の高分子発光素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
また、本発明の溶液組成物を用いてレーザー用色素層、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜用材料を作製することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、数平均分子量及び重量平均分子量については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(島津製作所製:LC−10Avp(商品名))によりポリスチレン換算のZ平均分子量、数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.5wt%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解し、GPCに50μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(商品名、東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(商品名、東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A(商品名))を用いた。
また、薄膜の形状の測定は、組成物3mLをシリンジにとり、高精細ニードルFN−002N(商品名、20μm孔径)(武蔵エンジニアリング社製)を取り付けガラス基板上に吐出して薄膜を形成し、真空状態で常温にて10分間減圧乾燥した後、干渉顕微鏡Micromap557N(商品名、Micromap社製)を用いて、乾燥した薄膜の形状を測定した。
また、粘度測定においては、BROOKFIELD社製のLVDV−II+Pro(商品名)を用いて測定を行った。
合成例1
<重合体1の合成>
窒素雰囲気下、下記化合物A 195.37g、下記化合物B 239.44g、及び2,2’−ビピリジル 232.89gを脱水したテトラヒドロフラン46.26kgに溶解した後、60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 410.15gを加え、5時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水8.52kg/メタノール16.88kg/イオン交換水31.98kg混合液中に滴下して2時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。乾燥後、該沈殿をトルエン16.22kgに溶解し、溶解後、ラヂオライト830gを加えて不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行い、次にイオン交換水13.52kg/25%アンモニア水2.04kg混合液中に精製液を加え、0.5時間攪拌した後、水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水13.52kgを加え0.5時間攪拌した後、水層を除去した。得られた有機層の一部について減圧濃縮を実施後、有機層をメタノール34.18kgに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、重合体1と呼ぶ)の収量は234.54gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.2x104、Mw=7.7x104であった。
Figure 0005148843
Figure 0005148843
実施例1
<組成物1の製造>
重合体1 0.10gをテトラリン(沸点207℃)7.0g及びビシクロヘキシル(沸点226〜228℃)3.0gの混合溶液に溶解させ組成物1を製造した。
製造例1
<組成物2の製造>
重合体1 0.10gをアニソール3.0g及びキシレン7.0gの混合溶液に溶解させ組成物2を製造した。
実施例2
<薄膜の作製>
組成物1を用いて前記の手法で薄膜を作製した。薄膜の形状は図1のように平面形に近い形状であった。(最も厚い部分の膜厚)/(膜の中心部分の膜厚)の値は1.14であった。
実施例3
<組成物1の粘度測定>
組成物1の粘度測定を行ったところ、4.0mPa・sであった。
比較例1
<薄膜の作製>
組成物2を用いて前記の手法で薄膜を作製した。薄膜の形状は図2のように凹形であった。(最も厚い部分の膜厚)/(膜の中心部分の膜厚)の値は2.38であった。
測定例1
<組成物2の粘度測定>
組成物2の粘度測定を行ったところ、1.1mPa・sであった。
実施例4
<組成物3の製造>
重合体1 0.10gをテトラリン(沸点207℃)3.0g及び2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノン(沸点265℃)7.0gの混合溶液に溶解させ組成物3を製造した。
実施例5
<組成物3の粘度測定>
組成物3の粘度測定を行ったところ、8.8mPa・sであった。
実施例6
<組成物4の製造>
重合体1 0.10gを安息香酸メチル(沸点199℃)3.0g及びビシクロヘキシル(沸点226〜228℃)7.0gの混合溶液に溶解させ組成物4を製造した。
実施例7
<組成物4の粘度測定>
組成物4の粘度測定を行ったところ、3.6mPa・sであった。
実施例8
<組成物4の蛍光特性評価>
組成物4を石英板上にスピンコートして高分子化合物の薄膜を作製した。この薄膜の蛍光スペクトルを、蛍光分光高度計(JOBINYVON―SPEX社製 Fluorolog(商品名))を用い、励起波長350nmで測定した。
組成物4の蛍光ピーク波長は464nmであった。
組成物1を用いて成膜した膜の形状を示す。横軸は薄膜の距離(μm)を、縦軸は薄膜の膜厚(μm)を表す。 組成物2を用いて成膜した膜の形状を示す。横軸は薄膜の距離(μm)を、縦軸は薄膜の膜厚(μm)を表す。

Claims (7)

  1. 沸点が170℃以上の2種類以上の有機化合物、及び電荷輸送性又は固体状態で光発光性の、繰り返し単位としてアリーレン基、2価の複素環基、金属錯体構造を有する2価の基、及び2価の芳香族アミン基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む1種類以上の重合体(但し、下記式(1)で示される繰り返し単位と下記式(13)で示される繰り返し単位をそれぞれ1種以上含み、これらの繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上であり、かつ式(1)で示される繰り返し単位の合計と式(13)で示される繰り返し単位の合計のモル比が98:2〜60:40の範囲であることを特徴とする高分子化合物、及び、下記式(2)で示される繰り返し単位を含むことを特徴とする高分子化合物を除く。)を含む組成物であって、該有機化合物の少なくとも1種類が、沸点が200℃以上であり、かつ、融点が25℃以下である脂環式炭化水素化合物であり、該有機化合物の少なくとも1種類が、芳香族炭化水素化合物又は芳香族エステル系化合物であることを特徴とする上記組成物。
    Figure 0005148843

    〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxは互いに結合して環を形成していてもよい。〕
    Figure 0005148843

    〔式中、Ar6、Ar7、Ar8およびAr9はそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar10、Ar11およびAr12はそれぞれ独立にアリール基、または1価の複素環基を表す。Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、およびAr10は置換基を有していてもよい。xおよびyはそれぞれ独立に0または正の整数を表す。〕
    Figure 0005148843

    〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在する。C環は炭化水素環または複素環を示す。〕
  2. 前記脂環式化合物が炭素6員環構造を含む請求項1記載の組成物。
  3. 沸点が200℃以上である脂環式炭化水素化合物の重量が、組成物全体の重量に対して30wt%以上である請求項1〜2のいずれか一項記載の組成物。
  4. 前記重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量が1.0×103〜5.0×106である請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
  5. 前記重合体の重量が、組成物全体の重量に対して0.1〜5.0wt%である請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
  6. 1〜20mPa・sの粘度を有する請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
  7. 芳香族エーテル化合物を含まない請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
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