JP2017502074A - インスリン類似体の新規な誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、糖尿病の処置に有用な、ヒトインスリン類似体の新規な誘導体を提供する。

Description

本発明は、糖尿病の処置に有用な、ヒトインスリン類似体の新規な誘導体を提供する。
インスリンは、膵臓のβ細胞によって分泌されるポリペプチドホルモンである。インスリンは、A鎖及びB鎖と称する2つのポリペプチド鎖からなり、これらの鎖は、2つの内鎖を有するジスルフィド架橋によって一緒になって連結している。ヒト、ブタ及びウシインスリンでは、A鎖及びB鎖は、それぞれ21個及び30個のアミノ酸残基を含有している。しかし種によって、2つの鎖の異なる位置に存在するアミノ酸残基には差がある。遺伝子操作が広範に使用され、アミノ酸残基の1つ又は複数を交換、欠失及び付加することによって、天然に生じるインスリンの類似体を調製することが可能になってきた。インスリンは、糖尿病及び糖尿病に関連する又は糖尿病から生じる疾患の処置に使用されている。
数十年の間、異なる作用期間を有するインスリン製剤が開発され、市場に出ており、このような製剤の一般例は、長時間作用性のインスリン製剤、中間作用性のインスリン製剤及び速効性インスリン製剤である。多くの患者は、1日当たり、毎週、毎月、及び毎年、任意選択により数十年間、2〜4回の注射を受ける。毎日の皮下注射より頻度の少ない投与に対して承認された基礎的なインスリン製品は、これまでのところ存在しない。毎日多数回注射することによる苦痛は、例えば、極めて長期の作用期間を有するインスリン誘導体を使用することによって軽減することができる。
国際公開第2010/049488号及び国際公開第2011/161125号を含む様々な特許出願は、インスリン誘導体を長期間隔で投与できる可能性に言及している。国際公開第2009/115469号は、ある特定のアシル化プロテアーゼによって安定化されたインスリンに関し、この場合、少なくとも1つの疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。
糖尿病患者にとって、およそ週1回投与するための基礎的なインスリン製剤が利用可能となれば、非常に望ましいことであろう。
国際公開第2010/049488号 国際公開第2011/161125号 国際公開第2009/115469号 国際公開第2008/034881号 国際公開第2013/153000号
Remington: The Science and Practice of Pharmacy(例えば第19版(1995年)、及び任意の最新版) Glendorf T、Sorensen AR、Nishimura E、Pettersson I、& Kjeldsen T: Importance of the Solvent-Exposed Residues of the Insulin B Chain α-Helix for Receptor Binding; Biochemistry 2008 47 4743-4751 「Organic Synthesis on Solid Phase」、F.Z. Dorwald、Wiley-VCH、2000. ISBN 3-527-29950-5 「Peptides: Chemistry and Biology」、N. Sewald & H.-D. Jakubke、Wiley-VCH、2002、ISBN 3-527-30405-3 「The Combinatorial Cheemistry Catalog」 1999、Novabiochem AG Eur. Pharm. NovoRapid
本発明の目的は、従来技術の不利益の少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替を提供することである。
本発明の別の態様は、例えば、週1回又はそれよりも少ない頻度の皮下処置が、基礎インスリン処置に対する糖尿病患者の必要性を満足する処置となるように、長期薬物動態(以下PK)プロファイルを有するインスリン誘導体を供給することに関する。
本発明の別の態様は、長期PKプロファイル、例えば皮下投与後にヒトインスリンのPKプロファイルよりも長いPKプロファイルを有するインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、PKプロファイルは、本明細書の実施例5及び6に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、任意選択により亜鉛を含有する水性媒体において高い可溶性を有する、例えばヒトインスリンの可溶性よりも高い可溶性を有するインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、可溶性は、本明細書の実施例7に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、調製後、37℃又はそれ未満で少なくとも4週間保存した後に測定した場合、インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオンなどの亜鉛を含有する水性媒体において可溶性であるインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、可溶性は、例えば、本明細書の実施例7に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、調製後24〜48時間以内に測定した場合、インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオンなどの亜鉛を含有する水性媒体において可溶性であるインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、可溶性は、本明細書の実施例7に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、酵素に対して、例えばタンパク質分解酵素、例えばヒトの胃内に存在するタンパク質分解酵素、例えばペプシン、キモトリプシン及びカルボキシペプチダーゼAに対して、良好な安定性を有するインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、酵素に対する安定性は、国際公開第2008/034881号の実施例1に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、例えば5℃及び30℃における保存時に、それぞれ例えば2年間及び2週間、良好な安定性、特に化学的安定性及び物理的安定性を有するインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、化学的安定性は、本明細書の実施例9及び10に説明されている通り決定することができ、物理的安定性は、本明細書の実施例9及び10に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、例えば1日1回、糖尿病患者に効率的に経口投与できるインスリン誘導体を供給することに関する。更に又は或いは、本発明は、高い経口バイオアベイラビリティを有するインスリン誘導体を供給することに関する。
本発明の別の態様は、毎日の周期的変動、例えば週1回皮下投与した後の、例えば血漿濃度間の変動(Cmax及びCmin)が低減されたインスリン誘導体を供給することに関する。
本発明の別の態様は、経口投与後のバイオアベイラビリティの日差変動に対する影響が低減されたインスリン誘導体を供給することに関する。
本発明の別の態様は、高い効力を有する、すなわち低薬物濃度で大きい応答(所与の強度の効果をもたらすのに必要な量に関して表された薬物活性)を引き起こすインスリン誘導体を供給することに関する。
本発明の別の態様は、インスリン受容体に非常に良好に結合するインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、インスリン受容体の親和性は、本明細書の実施例2に説明されている通り決定することができる。
本発明の別の態様は、インスリン受容体への親和性が低いインスリン誘導体を供給することに関する。これに関連して、インスリン受容体への親和性は、本明細書の実施例2に説明されている通り決定することができる。
定義
用語「糖尿病」又は「真性糖尿病」は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病(妊娠中)及び高血糖症を引き起こす他の状態を含む。この用語は、膵臓が不十分な量のインスリンを生成する代謝障害、又は身体の細胞がインスリンに適切に応答せず、したがって細胞がグルコースを吸収できなくなる代謝障害について使用される。その結果として、グルコースは、血中に蓄積する。
1型糖尿病は、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)及び若年発症型糖尿病とも呼ばれ、B細胞破壊によって引き起こされ、通常、絶対的インスリン欠乏に至る。2型糖尿病は、インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM)及び成人発症型糖尿病としても公知であり、主にインスリン抵抗性と関連し、したがって、インスリン抵抗性に伴う相対的インスリン欠乏及び/又は主にインスリン分泌欠損と関連する。
本明細書では、インスリンの命名は、以下の原則に従って行われる。名称は、ヒトインスリンと比較した突然変異及び修飾(アシル化)として与えられる。アシル部分の命名については、命名はIUPAC命名法に従って行われ、他の場合には、ペプチド命名法として行われる。例えば、アシル部分の命名
は、例えば名称「エイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG」、「エイコサンジオイル-γGlu-2×OEG」又は「エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG」又は「19-カルボキシノナデカノイル-γGlu-OEG-OEG」であり得、ここでOEGは、アミノ酸NH2(CH2)2O(CH2)2OCH2CO2H、すなわち[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]酢酸の略語であり、γGlu(及びgGlu)は、L-立体構造におけるアミノ酸ガンマグルタミン酸の略語である。或いは、アシル部分は、IUPAC命名法(OpenEye、IUPACスタイル)に従って命名することができる。この命名法によれば、本発明の先のアシル部分は、以下の名称:[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]と指定される。
例えば、実施例1のインスリン(下記の配列/構造を有する)は、名称「A14E,B16E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン」であり、これは、ヒトインスリンのA14位にあるアミノ酸Yが、Eに変異しており、ヒトインスリンのB16位にあるアミノ酸Yが、Eに変異しており、ヒトインスリンのB25位にあるアミノ酸Fが、Hに変異しており、ヒトインスリンのB29位にあるアミノ酸Kが、残基エイコサンジオイル-gGlu-2×OEGによる、B29のリシン残基中Nεと示されるイプシロン窒素上のアシル化により修飾されており、ヒトインスリンのB30位にあるアミノ酸Tが欠失していることを示している。
以下の式のアスタリスクは、ヒトインスリンと比較して、当該の残基が異なっている(すなわち変異している)ことを示す。
或いは、本発明のインスリンは、IUPAC命名法(OpenEye、IUPACスタイル)に従って命名することができる。この命名法によれば、実施例1のインスリン(すなわち化合物1)は、以下の名称:N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[GluA14,GluB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト)と指定される。
本発明は、インスリン類似体の誘導体、すなわちA14E,B16E,B25H,B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン(化合物1)に関する。
驚くべきことに、A14E,B16E,B25H,B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリンが、先の目的を十分な程度満たすことが見出された。例えば、化合物1による週1回又はそれよりも少ない頻度の皮下処置は、基礎インスリン処置に対する糖尿病患者の必要性を満足する処置となる。更に、化合物1は、亜鉛を任意選択により含有する水性媒体において高い可溶性を有する。一態様では、化合物1は、ヒトインスリンの可溶性よりも高い可溶性を有する。
一態様では、化合物1は、インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも6個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも7個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも8個の亜鉛イオン、又はインスリン六量体1個当たり少なくとも9個の亜鉛イオンなどの亜鉛を含有する水性媒体において可溶性であり、ここで可溶性は、調製後、37℃又はそれ未満で少なくとも4週間保存した後に測定される。
本発明の一態様では、化合物1は、インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも6個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも7個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも8個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも9個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも10個の亜鉛イオン、インスリン六量体1個当たり少なくとも11個の亜鉛イオン、又はインスリン六量体1個当たり少なくとも12個の亜鉛イオンなどの亜鉛を含有する水性媒体において可溶性であり、ここで可溶性は、調製後24〜48時間以内に測定される。
一態様では、可溶性は、本明細書の実施例7に説明されている通り決定される。
化合物1を含有する医薬組成物は、それ自体公知の方法で、すなわち類似のインスリン組成物において通常使用される添加剤を使用することによって調製することができる。
化合物1を含有する注射可能な医薬組成物は、所望の最終製品をもたらすために、適宜、成分を溶解させ混合することを含む製薬業界の従来技術を使用して調製することができる。したがって、一手順によれば、調製される医薬組成物の最終体積よりもいくらか少ない量の水に、化合物1を溶解させる。等張剤、保存剤及び緩衝剤は、必要に応じて添加され、溶液のpH値は、必要に応じて酸、例えば塩酸、又は必要に応じて塩基、例えば水酸化ナトリウム水溶液を使用して調整される。最後に、溶液の体積は、所望の濃度の成分を得るために、水を用いて調整される。
より正確には、本発明のインスリン製剤、例えば溶液は、化合物1を、わずかに酸性の条件で水性媒体に溶解させることによって調製することができる。水性媒体は、例えば、浸透圧調節剤を添加することによって等張にされる。更に水性媒体は、例えば緩衝剤、保存剤及び亜鉛イオンを含有することができる。溶液のpH値は、潜在的な沈殿の可能性を回避するために、本発明の化合物の等電点に近付き過ぎることなく中性に調整される。最終的なインスリン製剤のpH値は、亜鉛イオンの濃度及び本発明の化合物の濃度に応じて決まる。インスリン製剤は、例えば無菌濾過によって無菌にされる。
医薬組成物は、1つ又は複数の添加剤を含有することができる。
用語「添加剤」は、広範に、活性な治療成分(複数可)以外の任意の成分を指す。添加剤は、不活性な物質、非活性な物質、及び/又は医薬として活性ではない物質であり得る。
添加剤は、医薬組成物に応じて、例えば担体、ビヒクル、賦形剤、打錠用助剤、並びに/又は活性物質の投与及び/若しくは吸収を改善するためのものとして、様々な目的を果たすことができる。添加剤の例として、賦形剤、緩衝剤、保存剤、浸透圧調節剤(浸透圧剤又は等張剤としても公知)、キレート剤、界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、増量剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質及び/又は双性イオン及び安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的に活性な成分と様々な添加剤の医薬組成物は、当技術分野で公知である。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy(例えば第19版(1995年)、及び任意の最新版)参照。
インスリン組成物は、それ自体公知の方法で、例えば患者の一般知識を医師の一般知識と組み合わせることにより、患者に投与される。本発明は、患者の都合で最適に使用される。したがって、特定の投与間隔は、投与量が1日1回未満投与される場合、患者ごとに調査される。したがって、最終的な使用方法は、製品の能力と、患者の素質及び好みの両方に応じて決まる。これは、任意のインスリン製品の効果が、個々の患者のインスリン必要性、及び前記インスリンの薬力学的作用に対する感受性に応じて決まり、最終的には所与の状況における患者の好みに応じても決まることに起因している。これらの条件は、より長い期間(数年)に関して、その日ごとに経時的に変化し得る。任意の患者に最適な用量レベルは、患者の年齢、体重、身体活動及び食事を含めた様々な要素に応じて、他の薬物との可能な組合せに応じて、並びに処置を受ける状態の重症度に応じて決まる。投与レジメンは、公知のインスリン組成物に関するものと類似の方式で、ただし投与間隔に関する本発明の教示を考慮しながら、当業者によって個々の患者ごとに決定されることが推奨される。
患者は、患者の便宜のために、化合物1の投与から次の化合物1の投与までの時間間隔(時間差)が、日数でカウントして同じ長さ又はおよそ同じ長さであることを好むと推測される。更に患者は、化合物1の投与が、週1回、すなわち毎週同じ日に、例えば日曜ごとに行われることを好むと予測され得る。これは、化合物1を、7日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与するということである。ある患者については、化合物1を、6日に1回又はおよそ6日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。他の患者については、化合物1を、5日に1回又はおよそ5日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。他の患者については、化合物1を、4日に1回又はおよそ4日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。更に他の患者では、化合物1を、週2回、例えば、各投与間に約3〜4日の間隔を設けて、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが有利であると分かる。ある患者については、化合物1を、3日に1回又はおよそ3日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。他の患者については、化合物1を、2日に1回又はおよそ2日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。ある患者については、化合物1を、8日に1回又はおよそ8日に1回及びそれよりも少ない頻度で、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で投与することが望ましい場合がある。更に他の患者では、化合物1を、週ごと、月ごと、又は年ごとに、正確に同じ長さの時間間隔(日数カウント)では投与しない場合がある。ある患者は、化合物1を、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で、6日に1回から8日に1回の時間間隔のいずれかの時点で、及びそれよりも少ない頻度で投与する場合がある。他の患者は、化合物1を、1カ月、6カ月又
は1年の期間にわたって算出された平均で、5日に1回から7日に1回の時間間隔のいずれかの時点で、及びそれよりも少ない頻度で投与する場合がある。更に他の患者は、化合物1を、1カ月、6カ月又は1年の期間にわたって算出された平均で、4日に1回から8日に1回の時間間隔のいずれかの時点で、及びそれよりも少ない頻度で投与する場合がある。ここで言及される時間間隔とは、例えば数週、数カ月又は数年の期間以内の平均時間間隔と理解されるべきである。ここで「日」という用語は、24時間(すなわち日夜)を網羅することを企図し、簡潔にするために、24で割り切れない時間数は、日数の整数に端数を四捨五入すべきである。したがって、例えば30時間は、1日に相当し、40時間は2日に相当する。前述の投与は、非経口である。
患者は、約0.2IU/kg体重/日を超え、約1IU/kg体重/日未満の毎日の基礎インスリン要件を有することができ、更に患者は、合計(すなわち基礎プラス食事)約1IU/kg体重/日を超える毎日のインスリン要件を有することができる。しかしこれらの範囲は、患者ごとに大幅に変わり得、ある患者については、ここに列挙した範囲からいくらか外側になる場合がある。
本発明の主要な目標である疾患及び状態は、真性糖尿病(1型又は2型)、又は高血糖症だけでなく、インスリンの代謝的効果が臨床的に関連する、若しくは対象となる代謝性疾患及び状態の全般、例えば糖尿病前症、耐糖能障害、メタボリック症候群、肥満、悪液質、インビボβ細胞喪失/死亡、過度の食欲、及び炎症も特徴とする他の状態である。これらすべてのタイプの状態は、疾患又は状態を有する対象の安定な代謝状態から利益を得られることが公知であり、又は利益を得られると考えられる。いずれにしても、インスリンの投与が含まれる任意の治療レジメンは、本発明の教示を実施することによって改変することができ、このことは、このような治療が、本明細書に提示の教示に従って、長期作用プロファイルのインスリンの投与を含むことを意味する。
本発明を実施するために、化合物1は、このような処置を必要としている患者に非経口投与することができる。非経口投与は、皮下、筋肉内又は静脈内注射によって、シリンジ、任意選択によりペン様のシリンジを用いて実施することができる。或いは、非経口投与は、注入ポンプを用いて実施することができる。更なる選択肢は、インスリン組成物を、経口、経鼻又は経肺により、好ましくは、具体的には当該の目的に合わせて設計された医薬組成物、散剤又は液剤で投与することである。
或いは、本発明を実施するために、化合物1は、このような処置を必要としている患者に経口投与することができる。経口投与は、固体、半固体又は液体医薬組成物を経口投与することによって実施され得る。
本発明の方法の実施形態は、化合物1の投与が、即効性の天然に存在するインスリン、インスリン類似体若しくはインスリン誘導体のより頻繁な投与、並びに/又は非インスリン抗糖尿病薬物の投与によって補充される実施形態を含む。本発明の一実施形態では、化合物1の投与は、メトホルミンなどの非インスリン抗糖尿病薬物の投与によって補充される。
本発明の好ましい特徴
先の既述を総括し、補充するために、本発明の特徴及び節を、以下に記載する。
1.A14E,B16E,B25H,B29K(N(eps)エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン(化合物1)。
2.化合物1を含む、医薬組成物。
3.医薬品として使用するための、化合物1。
4.糖尿病を処置又は防止する医薬組成物の調製において使用するための、化合物1。
5.糖尿病1型及び/又は2型を処置又は防止する医薬組成物の調製において使用するための、化合物1。
6.同じ患者に、2日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
7.3日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
8.週2回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
9.4日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
10.5日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
11.6日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
12.週1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
13.8日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
14.9日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
15.10日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
16.11日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
17.12日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
18.14日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
19.21日に1回又はそれよりも多い頻度で投与される、糖尿病の処置に使用するための化合物1。
20.現在行われている又は繰り返し行われている処置が、1カ月を超える間継続される、6〜19条項のいずれか一項による化合物1。
21.現在行われている又は繰り返し行われている処置が、2カ月を超える間継続される、6〜19条項のいずれか一項による化合物1。
22.現在行われている又は繰り返し行われている処置が、3カ月を超える間継続される、6〜19条項のいずれか一項による化合物1。
23.現在行われている又は繰り返し行われている処置が、1年(一年)を超える間継続される、6〜19条項のいずれか一項による化合物1。
24.非経口、好ましくは皮下、筋肉内又は静脈内投与される、2〜23条項のいずれか一項による化合物1。
25.経口投与される、2〜23条項のいずれか一項による化合物1。
26.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に投与することを含む、糖尿病を処置又は防止する方法。
27.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、2日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
28.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、3日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
29.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、週2回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
30.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、4日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
31.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、5日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
32.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、6日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
33.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、週1回それよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与することを含み、前記化合物が、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、26条項による方法。
34.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、8日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
35.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、9日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
36.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、10日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
37.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、11日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
38.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、12日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
39.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、14日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
40.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、21日に1回又はそれよりも多い頻度で投与することを含む、26条項による方法。
41.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に投与することを含み、糖尿病の現在行われている又は繰り返し行われている処置が、1カ月を超える間継続される、26条項による方法。
42.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に投与することを含み、糖尿病の現在行われている又は繰り返し行われている処置が、2カ月を超える間継続される、26条項による方法。
43.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に投与することを含み、糖尿病の現在行われている又は繰り返し行われている処置が、3カ月を超える間継続される、26条項による方法。
44.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に投与することを含み、糖尿病の現在行われている又は繰り返し行われている処置が、1年(一年)を超える間を超える間継続される、26条項による方法。
45.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に、非経口、好ましくは皮下、筋肉内又は静脈内投与することを含む、26条項による方法。
46.治療有効量の化合物1を、それを必要としている対象に経口投与することを含む、26条項による方法。
47.化合物1を含む、水溶液。
48.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
49.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも6個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
50.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも7個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
51.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも8個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
52.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも9個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
53.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも10個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
54.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも11個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
55.化合物1及びインスリン六量体1個当たり少なくとも12個の亜鉛イオンを含む、水溶液。
56.pHが7〜8の範囲である、47〜55条項のいずれか一項による水溶液。
57.pHが約7.4である、47〜55条項のいずれか一項による水溶液。
58.化合物1及び1つ又は複数の添加剤を含む、医薬組成物。
59.化合物1、並びに賦形剤、緩衝剤、保存剤、浸透圧調節剤、キレート剤、界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、増量剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質及び/又は双性イオン及び安定剤からなる群から選択される1つ又は複数の添加剤を含む、医薬組成物。
60.インスリン六量体1個当たり少なくとも4.5個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
61.インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
62.インスリン六量体1個当たり少なくとも6個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
63.インスリン六量体1個当たり少なくとも7個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
64.インスリン六量体1個当たり少なくとも8個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
65.インスリン六量体1個当たり少なくとも9個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
66.インスリン六量体1個当たり少なくとも10個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
67.インスリン六量体1個当たり少なくとも11個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
68.インスリン六量体1個当たり少なくとも12個の亜鉛イオンを含む、59条項による医薬組成物。
69.pHが7〜8の範囲である、59〜68条項のいずれか一項による医薬組成物。
70.pHが約7.4である、59〜68条項のいずれか一項による医薬組成物。
71.水溶液の形態である、59〜68条項のいずれか一項による医薬組成物。
72.錠剤の形態である、59〜68条項のいずれか一項による医薬組成物。
73.カプセル剤、例えば軟質又は硬質カプセル剤に含有されている、固体、半固体又は液体製剤の形態である、59〜68条項のいずれか一項による医薬組成物。
74.本明細書に記載の1つの特徴及び若しくは1つの特許請求の範囲、並びに/又は複数の特徴及び/若しくは複数の特許請求の範囲の組合せによって定義されている、任意の新規な製品、装置、方法又は使用。
本明細書に記載の実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲に含まれるとみなされる。
本発明を、以下の実施例を参照しながら更に例示するが、これらの実施例は、特許請求される本発明の範囲をいかなる方式でも制限するものではない。
本明細書では、以下の略語が使用される。
βAlaは、β-アラニルであり、
Aocは、8-アミノオクタン酸であり、
tBuは、tert-ブチルであり、
DCMは、ジクロロメタンであり、
DICは、ジイソプロピルカルボジイミドであり、
DIPEA=DIEAは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、
DMFは、N,N-ジメチルホルムアミド(dmethylformamide)であり、
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、
EtOAcは、酢酸エチルであり、
Fmocは、9-フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、
γGlu(gGlu)は、ガンマL-グルタミルであり、
DγGlu(DgGlu)は、ガンマD-グルタミルであり、
HClは、塩酸であり、
HOAcは、酢酸であり、
HOBtは、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、
NMPは、N-メチルピロリドンであり、
MeCNは、アセトニトリルであり、
OEGは、[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エチルカルボニルであり、
Suは、スクシンイミジル-1-イル=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルであり、
OSuは、スクシンイミジル-1-イルオキシ=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシであり、
RPCは、逆相クロマトグラフィーであり、
RTは、室温であり、
TFAは、トリフルオロ酢酸であり、
THFは、テトラヒドロフランであり、
TNBSは、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸であり、
TRISは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンであり、
TSTUは、O-(N-スクシンイミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートである。
以下の実施例及び一般手順では、本明細書及び合成スキームに同定されている中間化合物及び最終生成物に言及する。本発明の化合物の調製を、以下の実施例を使用して詳説するが、記載の化学反応は、それらを本発明の化合物の調製に全般的に適用できるものとして開示されている。時として、反応は、本発明の開示の範囲に含まれている各化合物に、記載の通りに適用できない場合がある。この場合が生じる化合物は、当業者によって容易に認識されよう。こうした場合、反応は、当業者に公知の従来の改変によって、すなわち妨害基の適切な保護によって、他の従来の試薬に変更することによって、又は反応条件の日常的な改変によって、上手く実施することができる。或いは、本明細書で開示されている又はそれ以外では従来の他の反応は、対応する本発明の化合物の調製に適用することができる。すべての調製方法において、すべての出発材料は公知であり、又は公知の出発材料から容易に調製することができる。すべての温度は、摂氏で記載されており、別段指定されない限り、すべての部及び百分率は、収量に言及する場合は質量によって表され、すべての部は、溶媒及び溶出剤に言及する場合は体積によって表される。
インスリン類似体のベクターの作製、酵母発現、プロセシング及び精製は、当業者によって容易に認識されている標準技術を使用して行うことができる。インスリン類似体の調製の非限定的な一例は、既に記載されている(Glendorf T、Sorensen AR、Nishimura E、Pettersson I、& Kjeldsen T: Importance of the Solvent-Exposed Residues of the Insulin B Chain α-Helix for Receptor Binding; Biochemistry 2008 47 4743-4751)。簡潔には、突然変異は、オーバーラップエクステンションPCRを使用して、インスリンコーティングベクターに導入される。インスリン類似体は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)系統MT663において、Ala-Ala-LysミニC-ペプチドを有するプロインスリン様の融合タンパク質として発現される。単一鎖前駆体を、A.リティクス(lyticus)エンドプロテアーゼを使用して2本鎖desB30類似体に酵素的に変換する。2本鎖desB30類似体への完全な変換を、MALDI-TOF MSによって検証し、その純度を、酸性pHと中性pHの両方でRP-HPLCによって測定する。
本発明の化合物を、当技術分野に典型的に含まれる以下の手順の1つ又は複数を用いることによって精製することができる。これらの手順は、必要に応じて、勾配、pH、塩、濃度、流量、カラム等に関して改変することができる。例えば当該のインスリン誘導体の不純物プロファイル、可溶性等の要素に応じて、これらの改変は、当業者によって容易に認識され、行われ得る。
酸性HPLC又は脱塩の後、化合物を、純粋な画分の凍結乾燥によって単離する。中性HPLC又はアニオン交換クロマトグラフィーの後、化合物を脱塩し、等電点pHで沈殿させ、又は酸性HPLCによって精製する。
典型的な精製手順
HPLCシステムは、以下の、モデル215リキッドハンドラ、モデル322-H2ポンプ及びモデル155 UV検出器(Dector)からなるGilsonシステムである。検出は、典型的に210nm及び280nmで行う。Akta Purifier FPLCシステム(Amersham Biosciences)は、以下の、モデルP-900ポンプ、モデルUV-900 UV検出器、モデルpH/C-900 pH及び伝導率検出器、モデルFrac-950フラクション(Frction)コレクターからなる。UV検出は、典型的に214nm、254nm及び276nmで行う。Akta Explorer Air FPLCシステム(Amersham BioGE Health Caresciences)は、以下の、モデルP-900ポンプ、モデルUV-900 UV検出器、モデルpH/C-900 pH及び伝導率検出器、モデルFrac-950フラクションコレクターからなる。UV検出は、典型的に214nm、254nm及び276nmで行う。
酸性HPLC
カラム: Phenomenex、Gemini、5μ、C18、110Å、250×30cm
流量: 20mL/分
溶出剤: A:水中0.1%TFA
B:CH3CN中0.1%TFA
勾配: 0〜7.5分:10%B
7.5〜87.5分:10%B〜60%B
87.5〜92.5分:60%B
92.5〜97.5分:60%B〜100%B
中性HPLC
カラム: Phenomenex、Gemini、C18、5μm 250×30.00mm、110Å
流量: 20mL/分
溶出剤: A:10mM TRIS+15mM(NH4)SO4水溶液中20%CH3CN、pH=7.3
B:80%CH3CN、20%水
勾配: 0〜7.5分:0%B
7.5〜52.5分:0%B〜60%B
52.5〜57.5分:60%B
57.5〜58分:60%B〜100%B
58〜60分:100%B
60〜63分:10%B
アニオン交換クロマトグラフィー
カラム: 150mL(2.6×28cm) Poros 50HQ
流量: 25mL/分
溶出剤: A緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、50mM酢酸アンモニウム(Ammoniumacetat)、pH7.5(1.6mS/cm)
B緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、500mM酢酸アンモニウム、pH7.5(14mS/cm)
勾配: 20CVにわたって0〜80%B
固相合成
19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルボニル)ノナデカン酸;(代替名称:エイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG-OSu)
19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸は、固相ペプチド合成の分野の技術者に周知の手順を使用して、固体支持体上で合成することができる。この手順は、例えば、Fmoc保護アミノ酸をポリスチレン2-クロロトリチルクロリド樹脂に結合させることを含む。結合は、例えばトリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンが存在する状態で、遊離N-保護アミノ酸を使用して達成することができる(以下の参考文献参照)。このアミノ酸のC末端(樹脂に結合している)は、本発明の親インスリンにカップリングしている合成配列の末端にある。Fmocアミノ酸を樹脂に結合させた後、例えばピペリジン又はジエチルアミンなどの第二級アミンを使用してFmoc基を脱保護した後、別の(又は同じ)Fmoc保護アミノ酸をカップリングさせ、脱保護する。合成順序を、モノ-tert-ブチル保護された脂肪(α,ω)二酸、すなわちエイコサン二酸モノ-tert-ブチルエステルのカップリングによって終了させる。樹脂からの化合物の切断は、0.5〜5%TFA/DCMなどの希釈した酸(ジクロロメタン中トリフルオロ酢酸)、酢酸(例えばDCM中10%、又はHOAc/トリフルオロエタノール(triflouroethanol)/DCM1:1:8)、又はDCM中ヘキサフルオロイソプロパノール(hecafluoroisopropanol)を使用して達成される(例えば、「Organic Synthesis on Solid Phase」、F.Z. Dorwald、Wiley-VCH、2000. ISBN 3-527-29950-5;「Peptides: Chemistry and Biology」、N. Sewald & H.-D. Jakubke、Wiley-VCH、2002、ISBN 3-527-30405-3;及び「The Combinatorial Cheemistry Catalog」 1999、Novabiochem AG;並びにこれらの文献に引用されている参考文献)。これにより、化合物中にカルボン酸保護基として存在するtert-ブチルエステルは、確実に脱保護されなくなる。最後に、C末端カルボキシ基(樹脂から遊離された)を、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(OSu)として活性化し、直接若しくは精製した後にカップリング試薬として使用するか、又は脱保護した後にA14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンとの結合に使用する。
或いは、アシル化試薬19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸は、以下の液相合成によって調製することができる。
モノ-tert-ブチルで保護された脂肪二酸である、エイコサン二酸モノ-tert-ブチルエステルを、例えば下記の通りOSu-エステルとして活性化し、又はHOBt-若しくはHOAt-エステルなどの当業者に公知の任意の他の活性化エステルとして活性化する。この活性なエステルを、THF、DMF、NMP(又は溶媒混合物)などの適切な溶媒中、DIPEA又はトリエチルアミンなどの適切な塩基が存在する状態で、グルタミン酸α-tert-ブチルエステルとカップリングさせる。中間体を、例えば抽出手順又はクロマトグラフィー手順によって単離する。生じた中間体を、再度活性化し(前述の通り)、前述の通りOEG-OEG([2-(2-{2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルアミノ}-エトキシ)-エトキシ]-酢酸)とカップリングさせ、その後TSTUを用いて活性化して、アシル化試薬である19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸を得る。
前述の方法によって調製されたアシル化試薬は、OSuエステルとして活性化された後、tert-ブチル脱保護することができる。このことは、OSuとして活性化され、tert-ブチル保護されたアシル化試薬を、TFAで処理することによって行うことができる。A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンをアシル化した後、生じた非保護アシル化A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンを、例えば実施例1に記載の通りに得る。
先の方法のいずれかによって調製された試薬は、OSuエステルとして活性化された後、tert-ブチル脱保護されない場合、A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンをアシル化することによって、tert-ブチル保護された対応するアシル化A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンが得られる。非保護アシル化A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンを得るために、保護されたインスリンは、脱保護されるべきである。このことは、TFAで処理して、非保護アシル化A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンを得ることによって行うことができる。
或いは、アシル化試薬は、以下に示す通り、カルボン酸基のベンジル保護を使用して、溶液中で合成することができる。
19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸;(代替名称:エイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG-OSu)
LCMS方法(LCMS)
Waters Micromass ZQ質量分析計を使用して、Waters Alliance HT HPLCシステムから溶出した後に試料の質量を特定した。
溶出剤: A:水中0.1%トリフルオロ酢酸
B:アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸
カラム: Phenomenex、Jupiter C4 50×4.60mm、id:5μm
勾配: 1.0mL/分で7.5分かけて 10%〜90%B
カラム: Phenomenex、Jupiter 5μ C4 300Å 50×4.60mm
LC方法:10〜90%B 10分:A:0.1%CH3CN B:CH3CN:
0〜7.5分:10〜90%B
7.5〜8.5分:90〜10%B
8.5〜9.5分 10%B
流量:1mL/分
9.5〜10.00分 10%B
流量:0.1mL/分
エイコサン二酸tert-ブチルエステルN-ヒドロキシスクシンイミドエステル
エイコサン二酸モノ-tert-ブチルエステル(5g、12.54mmol)及びTSTU(4.53g、15.05mmol)を、THF(50mL)中で混合し、DIPEA(2.62mL)を添加し、生じた濁った混合物をRTで2時間撹拌し、次にDMF(30mL)を添加して透明な溶液を得、それを更に終夜撹拌した。生じた混合物を蒸発させて、殆ど乾燥させ、残留物を冷却アセトニトリルと混合して、沈殿物を沈殿させた。これを濾別し、真空中で終夜乾燥させ、エイコサン二酸tert-ブチルエステルN-ヒドロキシスクシンイミドエステル6.01g(97%)を得た。
MS(エレクトロスプレー):m/z:440(M-56(tBu))。
(S)-2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル
エイコサン二酸tert-ブチルエステル2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(6.01g、12.124mmol)を、THF(150mL)に溶解させ、DMF/水(1/1、40mL)中、H-Glu-OtBu(2.71g、13.33mmol)のスラリーと混合した。これによって、ゲル様の溶液を得、それを加熱して透明な溶液を得、それをRTで3時間撹拌した。次に溶液を蒸発させ、水100mLを添加し、混合物を60℃に加熱して溶液とし、それを冷却すると結晶化した。沈殿物を、アセトニトリルから再結晶し、結晶を真空中で乾燥させた。収量6.82g(96%)。
MS(エレクトロスプレー):m/z584(M+1)。
(S)-2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
(S)-2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル(6.52g、11.17mmol)を、THF(100mL)に溶解させ、DIPEA(2.14mL)を添加した後、TSTU(3.70g、12.29mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液を添加した。混合物をRTで終夜撹拌し、次にそれを蒸発させて、褐色がかった残留物とし、それをアセトニトリルから再結晶した。終夜5℃で冷却した後、粉末が形成された。これをTHFに溶解させ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、標題化合物6.17g(81%)を得た。
MS(エレクトロスプレー):m/z:681(M+1)。
19-{(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-[2-(2-{[2-(2-カルボキシメトキシエトキシ)エチルカルバモイル]メトキシ}エトキシ)エチルカルバモイル]プロピルカルバモイル}ノナデカン酸tert-ブチルエステル;(代替名称:tBu-エイコサンジオイル-gGlu(OtBu)-OEG-OEG-OH)
2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(2.50g)及び[2-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]酢酸(代替名称:H-OEG-OEG-OH)(1.47g)のエタノール(40mL)溶液に、DIPEA(1.26mL)を添加した。混合物を終夜室温で撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物に、0.1N HCl(150mL)水溶液及び酢酸エチル(200mL)を添加した。各層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧濃縮してオイルとし、それを静置すると結晶化した。
収量96%(3.1g)。LCMS:理論的質量:874.2。実測値:874.49。
19-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸tert-ブチルエステル;(代替名称:tBu-エイコサンジオイル-gGlu(OtBu)-OEG-OEG-OSu)
19-{(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-[2-(2-{[2-(2-カルボキシメトキシエトキシ)エチルカルバモイル]メトキシ}エトキシ)エチルカルバモイル]プロピルカルバモイル}ノナデカン酸tert-ブチルエステル(3.1g)のアセトニトリル(50mL)溶液に、TSTU(1.39g)及びDIPEA(0.91mL)を添加した。混合物を終夜室温で撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物に、0.1N HCl(100mL)水溶液及び酢酸エチル(200mL)を添加した。各層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧濃縮してオイルを得た。
収量99%(3.4g)。LCMS:理論的質量:971.2 実測値:971.8。
19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸;(代替名称:エイコサンジオイル-gGlu-OEG-OEG-OSu)
19-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)-エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸tert-ブチルエステル(3.4g)を、TFA(75mL)中で45分間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をトルエンと共に3回共濃縮して、固体を得た。残留物を2-プロパノール中で結晶化し、濾過して、白色の結晶性化合物を得た。
収量80%(2.4g)。LCMS:理論的質量:859.03 実測値:859.44。
A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリンの所定の位置B29(イプシロン位)にあるリシン残基をアシル化するために、アシル化は、好ましくはアルカリpH(例えばpH10、10.5又は11)で実施される。これについて、本明細書の実施例1に例示する。
(実施例1)
N{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[GluA14,GluB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト);(代替名称:A14E,B16E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン;化合物1)
A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン(3.0g、0.53mmol)を、150mM Na2CO3水溶液(40mL)に溶解させ、THF5mLを添加した。pH値を1M NaOH水溶液で11.0に調整した。激しく撹拌しながら、19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸(641mg、0.75mmol、前述の通り調製した)を、1分の間にTHF1.5mL及びDMF1.5mLの混合物に溶解させた。添加しながら、1N NaOH水溶液を添加することによって、pHを10.5〜11で一定に維持した。混合物を1時間撹拌した。
pH値を、1M HClで7.5に調整し、体積が500mLになるまで50%エタノールを添加した。pH値を7.5に調整した。伝導率を測定すると1.6mS/Cmであった。
精製を、アニオン交換クロマトグラフィーによってAkta Explorerで実施した。
カラム: 150mL(2.6×28cm) Poros 50HQ
A緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、50mM酢酸アンモニウム、pH7.5(1.6mS/cm)
B緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、500mM酢酸アンモニウム、pH7.5(14mS/cm)
勾配: 20CVにわたって0〜80%B
流量: 25mL/分。
生成物プール700mLを、50%エタノール700mLで希釈し、もう一度精製した。
カラム: 150mL(2.6×28cm) Poros 50HQ
A緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、50mM酢酸アンモニウム、pH7.5(1.6mS/cm)
B緩衝液:50%エタノール中15mM TRIS、500mM酢酸アンモニウム、pH7.5(14mS/cm)
勾配: 12CVにわたって0〜100%B
流量: 25mL/分。
生成物プール300mLを、水300mLで希釈し、C18カラムで脱塩した。
カラム:30×250mm(Daiso_200_15um_FEFgel304_ODDMS_30×250mm)、CV=177mL
A緩衝液:ミリQ水中10%アセトニトリル+0.1%TFA
B緩衝液:ミリQ水中80%アセトニトリル+0.1%TFA
勾配: 20分かけて25〜80%B
流量: 35mL/分。
生成物の画分を、凍結乾燥させてTFA塩を得、それを水50mLとアセトニトリル10mLに溶解させ、0.5M NaOH水溶液でpHを8.0に調整し、凍結乾燥させて、標題のインスリン1.25g(36%)を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1593.1(M+4)/4。計算値:1594.1。
(実施例2)
インスリン受容体の親和性
ヒトインスリン受容体に対する本発明のアシル化インスリン類似体の親和性を、SPAアッセイ(シンチレーション近接アッセイ)マイクロタイタープレート抗体捕捉アッセイによって決定する。SPA-PVT抗体結合ビーズ、抗マウス試薬(Amersham Biosciences、カタログ番号PRNQ0017)を、結合緩衝液(100mM HEPES pH7.8;100mM塩化ナトリウム、10mM MgSO4、0.025%Tween-20)25mLと混合する。単一Packard Optiplate(Packard番号6005190)用の試薬ミックスを、1:5000希釈の精製した組換え型ヒトインスリン受容体(エクソン11を有する又は有していない)2.4μl、試薬ミックス100μl当たり5000cpmに相当する量のA14Tyr[125I]-ヒトインスリン原液、1:1000希釈のF12抗体12μl、SPAビーズ3mL、及び総量を12mLにする結合緩衝液から構成する。次に、総量100μlの試薬ミックスをPackard Optiplateの各ウェルに添加し、インスリン誘導体の希釈系列を、Optiplate中で適切な試料から作製する。次に、試料を16時間インキュベートし、穏やかに振とうする。次に、各相を、1分間遠心分離することによって分離し、プレートをTopcounterでカウントする。結合データを、GraphPad Prism 2.01(GraphPad Software、San Diego、CA)の非線形回帰アルゴリズムを使用してフィッティングし、親和性を、ヒトインスリンの親和性と比較して表す(百分率(%))。
また、生理的条件を模倣するために、結合緩衝液が1.5%HSAも含有する関連のアッセイを使用する。
(実施例3)
本発明のインスリン誘導体の疎水性
インスリン誘導体の疎水性を、逆相HPLCを均一濃度条件下で実施することによって見出す。インスリン誘導体の溶出時間を、同じ条件下で、ヒトインスリン(本明細書でHIと称する)又は公知の疎水性を有する別の誘導体の溶出時間と比較する。疎水性k'relは、k'relderiv=((tderiv-t0)/(tref-t0))*k'relrefと算出される。参照としてHIを使用すると、k'relref=k'relHI=1になる。HPLCシステムのボイド時間t0は、0.1mM NaNO35μlを注入することによって決定される。
実施条件:
カラム: Lichrosorb RP-C18、5μm、4×250mm
緩衝液A:0.1Mリン酸ナトリウム pH7.3、10vol%CH3CN
緩衝液B:50vol%CH3CN
注入量: 5μl
実施時間:最大値60分
初期勾配で実施した後、誘導体及び参照(例えばHI)を実施するための均一濃度レベルを選択し、均一濃度条件下の誘導体及び参照の溶出時間を、先の等式に使用して、k'relderivを算出する。
(実施例4)
十二指腸管腔酵素を使用するインスリン類似体の分解
SPDラットの十二指腸管腔酵素(十二指腸管腔内容物を濾過することによって調製)を使用して、インスリン類似体を分解する。アッセイを、インスリン類似体及び標準に利用可能な16ウェルを有する96ウェルプレート(2mL)中で、ロボットによって実施する。インスリン類似体約15μMを、100mM Hepes中、pH=7.4 37℃で十二指腸酵素と共にインキュベートし、試料を1分、15分、30分、60分、120分及び240分後に取り出し、TFAを添加することによって反応をクエンチする。各時点の無傷インスリン類似体を、RP-HPLCによって決定する。分解半減時間を、データを指数関数的にフィッティングすることによって決定し、参照インスリン、A14E,B25H,desB30ヒトインスリン又は各アッセイのヒトインスリンについて決定された半減時間に正規化する。分解のために添加される酵素の量は、参照インスリンの分解の半減時間が、60分〜180分になるような量である。結果は、ラットの十二指腸におけるインスリン類似体の分解半減時間を、同じ実験から得た参照インスリンの分解半減時間で割ったものとして与えられる(相対的分解速度)。
(実施例5)
静脈内ラットPK
麻酔下のラットに、様々な用量のインスリン類似体を静脈内(i.v.)投与し、試験化合物の血漿濃度を、免疫アッセイ又は質量分析を使用して、投与後4時間又はそれを超える特定間隔で測定する。その後、薬物動態パラメータを、WinNonLin Professional(Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用して算出する。
体重がおよそ200グラムの非絶食ウィスター系雄性ラット(Taconic)を使用する。体重を測定し、その後ラットをHypnorm/Dormicum (各化合物を無菌水で別個に1:1希釈し、次に混合する。実験日に新しく調製する)で麻酔する。麻酔を、2mL/kgのHypnorm/Doricum混合物scによって開始し、その後30分間隔で1mL/kg scの2回の維持量とし、45分間隔で1mL/kg scの2回の維持量とする。必要に応じて、初めから終わりまでラットを軽度麻酔下に維持するためには、更なる用量(複数可)1〜2mL/kg scを供給する。ラットを1つの部屋から別の部屋に移動させることによってストレスを与えないようにするために、ラット保持室内で秤量し、初期麻酔を実施する。
(実施例6)
イヌ静脈内薬物動態(PK)プロファイル
このプロトコルの目的は、ビーグル犬に静脈内投与した後の異なるインスリン類似体の血漿濃度-時間プロファイルから薬物動態(PK)データを得、類似体について関連する薬物動態パラメータを算出することである。
動物に、家庭用飲料水を自由に摂取させた。動物を、各投与日に秤量した。各被験物質を、動物3匹に与えた。各動物に対して行われる手順の数及び程度に関して、個々の動物の健康が保護されるように考慮した。全血漿濃度-時間プロファイルを、各動物から得た。採血中、イヌをテーブル上に置き、動物看護師が側で固定した。この手順を、順化期間中に訓練した。血液試料0.5mLを、以下のスケジュールに従ってEDTA管に収集した。
投与前(-10分、0分)、及び5分、15分、30分、45分、60分、75分、90分、120分、150分、180分、210分、240分、300分、480分、600分、720分、960分、1440分、1920分、2880分、4320分、5760分、7200分、8640分、10080分。
採血を頻繁に行う期間中、血液試料を、ヘパリン加生理食塩水で閉塞しないように維持した頭部静脈のVenflonカテーテルから得た。他の血液試料を、頸静脈から得た。
血液試料を、最長20分間氷上に維持した後、4℃において1,300gで4分間、遠心分離した。
各血液試料のそれぞれの血漿80mlを、すぐに2本のmicronic管に移し、ラックの輪郭に沿って置いた。血漿を、アッセイするまで-20℃で保存した。
血漿濃度-時間プロファイルを、ノンコンパートメント薬物動態分析によって、WinNonlin Professional(Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用して分析した。
算出を、各動物から得た個々の濃度-時間値を使用して実施した。
(実施例7)
亜鉛が存在する状態での化合物1及び比較化合物Aの初期可溶性
化合物1及び比較化合物A(すなわちN{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[GluA14,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト);代替名称:A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリンを、それぞれ、pH値約8のミリQ水に溶解させた。フェノール、クレゾール、酢酸亜鉛(Zn)、塩化ナトリウム及びグリセロールを、列挙した順序で添加して、4.2〜5mMインスリン、1.6%グリセロール、25mMフェノール、25mMクレゾール、pH7.4、並びに以下の表に記載した亜鉛及び塩化ナトリウムの濃度を含有する最終的な医薬組成物を得た。医薬組成物を、22℃で24時間保存し、15,000×gで15分間遠心分離した。上清100μlをHPLCバイアルに移し、濃度を、Eur. Pharm. NovoRapidに記載の通り酸性ゲル濾過を使用して決定した。可溶性インスリンの量を、出発濃度の百分率で決定した。測定精度は、+/-2%であった。
結論
NaClを含まない組成物における比較化合物は、試験条件において、六量体1個当たり最大12.5個の亜鉛分子が存在する状態で可溶性である。20mM NaClを含む組成物における比較化合物Aは、試験条件において、最大10.5個の亜鉛分子/六量体が存在する状態で可溶性である。
化合物1は、NaClを含まない組成物中、試験条件において、六量体インスリン1個当たり最大約15.3個の亜鉛が存在する状態で可溶性である。更に化合物1は、20mM NaClを含む組成物中、試験条件において、六量体インスリン1個当たり最大約14.5個の亜鉛分子が存在する状態で可溶性である。
(実施例8)
亜鉛が存在する状態のヒトインスリンの初期可溶性
ヒトインスリンを、pH値約8のミリQ水に溶解させた。フェノール、クレゾール、酢酸亜鉛(Zn)、塩化ナトリウム及びグリセロールを、列挙した順序で添加して、4.2〜5mMインスリン、1.6%グリセロール、25mMフェノール、25mMクレゾール、pH7.4、並びに以下の表に記載した亜鉛及び塩化ナトリウムの濃度を含有する最終的な処方を得た。処方を、22℃で24時間保存し、次に15,000×gで15分間遠心分離した。上清100μlをHPLCバイアルに移し、濃度を、Eur. Pharm. NovoRapidに記載の通り酸性ゲル濾過を使用して決定した。可溶性インスリンの量を、出発濃度の百分率で決定した。
測定精度は、+/-2%である。
結論
ヒトインスリンは、処方がNaClを含有している場合、最大6個のZn/インスリン六量体を含有する処方において可溶性であり、処方がNaClを殆ど含有していない場合、最大4個のZn/インスリン六量体を含有する処方において可溶性である。
(実施例9)
亜鉛及び塩化ナトリウム含量の関数としての化学的及び物理的安定性
この実験の目的は、SEC実験によって決定した亜鉛/六量体の窓以内の処方の化学的安定性及び物理的安定性を測定することであった。更に、塩化ナトリウムの存在が、化学的及び/又は物理的安定性に影響を及ぼすかどうかを試験することであった。
処方
処方は、3.6mMの化合物1、25mMフェノール、25mMクレゾール、pH7.4、以下に特定した亜鉛及び塩化ナトリウムを含有していた。
処方を、以下の通り調製した。
化合物1の粉末を、処方における最終濃度の約2倍の量で、原液中ミリQ水に溶解させた。フェノール、クレゾール、酢酸亜鉛、塩化ナトリウム及びグリセロールを、列挙した順序で添加した。生じた溶液は、pH約7.8を有しており、0.2N HClを使用してpH7.4に調整して、塩化物濃度を最終的に増大して1.45mM塩化物にした。
処方を無菌濾過し、ストッパーを備えた3mlのカートリッジに充填した。
物理的安定性を、以下の通り測定した。
フィブリル形成傾向を、チオフラビンT(THT)アッセイで測定した。可視粒子を形成する、潜在的な沈殿の可能性を、濁度の潜在的な増大として測定した。2μm未満の粒子の形成を、動的光散乱(DLS)によって測定した。2μmを超える粒子の形成を、マイクロフローイメージング(MFI)によって測定した。
化学的安定性を、高分子量粒子(HMWP)の増大として百分率で測定し、逆相UPLCによって測定される純度の低下として測定した。
チオフラビンTアッセイにおけるフィブリル形成傾向(tencency)
化合物1の濃度を、国際公開第2013/153000号に記載の方法に従って決定した。
DLSによって調査した化合物1の静止状態の安定性
4℃で、37℃及び45℃で保存した場合の、様々な濃度のNaCl及び酢酸Znで処方化した化合物1の物理的安定性を、動的光散乱(DLS)によって調査した。
方法
各試料の三つ組を、DynaProプレートリーダーで、25℃において10秒の記録を20回取得することによって、測定した。データを、3回の測定の平均として記録する。試料は濾過しないが、その代わりに15000×gで20分間遠心分離して、除去しなければ測定の妨害になると思われる非常に大きい凝集塊及び凝集体だけを除去した。更に、DLSマイクロタイタープレートのウェルを封止するために、より一般的に使用されているプラスチック箔の代わりにパラフィン油を使用した。
タンパク質オリゴマーの平均サイズを、3.8nm(5.8個のZn/インスリン六量体、20mM NaClを含む処方、37℃、2週間後について)〜5.95nm(10.5個のZn/インスリン六量体、75mM NaClを含む処方、4℃、2週間後について)のDLS範囲で決定した。4℃で保存した試料では、水力学的直径は、平均で1%縮小し、37℃及び45℃で保存した試料では、水力学的直径は、それぞれ1%及び4%増大した。更に、記録した自己相関関数のすべてが、単峰性粒子分布と適合し、いかなる大きい凝集体も存在しない、かなり狭いサイズ分布を示した。
結論
異なる処方条件は、顕著な異なる平均オリゴマーサイズを呈したが、経時的な変化は、仮に存在する場合でも極めて小さく、すべての処方が、試験した8週の期間内で、4℃、37℃及び45℃において物理的に安定であるように見えた。この期間中、凝集体は形成されなかった。
MFIを使用する2μmを超える粒子の測定
処方を、マイクロフローイメージング(MFI(商標))を使用して、肉眼で見ることができないマイクロメータ範囲の粒子の形成について分析した。粒子のカウントは一般に少なく、大きい画分の粒子は、シリコーン油滴に予測される暗色球形の外観を有していた。しかし、それぞれ45℃で2週間及び37℃で8週インキュベートした後の、10.5個のZn/六量体及び150mM又は75mMのNaClを含有する処方では、半透明の大きなフレーク様の粒子が出現した。
物理的安定性の結論
物理的安定性を、ThTアッセイにおいて、亜鉛含量5.8〜8.1個のZn/インスリン六量体の増大に伴う亜鉛/六量体の増大の関数として、遅延時間として測定した。DLSによって測定された平均オリゴマーサイズの変化により、オリゴマーサイズに変化がなく、処方のいずれにも凝集体が形成されなかったことが明らかになった。MFIによって決定された粒子の測定値により、10.5個のZn/六量体及び75mM NaClを含有する処方において、粒子の形成が増大することが示された。
したがって、物理的安定性は、5.8個を超え10.5個未満のZn/インスリン六量体を含有する処方において最適であった。
化学的安定性
HMWPの形成を、国際公開第2013/153000号に記載の通り、ゲル濾過カラムを使用して、酢酸を含まない溶出剤中で測定した。4℃で保存した試料のHMWPは、30℃又は37℃で保存した試料の差分のHMPWであった。
結論
5.8個のZn/インスリン六量体を含有する処方は、8.1個又はそれを超えるZn/インスリン六量体を含有する処方よりも多くHMWPが発現する。
純度減少
純度の減少を、出発時と比較して測定した。4℃で保存した試料に関する逆相クロマトグラフィーによって測定された純度は、30℃又は37℃で保存した試料で測定された差分の純度であった。国際公開第2013/153000号に記載の方法と比較してわずかに改変したUPLC純度測定方法を使用した。本発明の場合、Waters CSH、C18カラムを使用し、それによってこの場合、カラム上で可能な変更前の分離及び注入回数が改善される。
結論
5.8個のZn/インスリン六量体を含有する処方は、最も分解度が高い。8.1個又はそれを超えるZn/インスリン六量体を含有する処方は、分解度がより低い。したがって、化学的安定性は、8.1個又はそれを超える亜鉛/六量体を有する処方において最適である。安定性は、20mM NaClを含有する処方よりも75mM NaClを含有する処方の方が高い。
(実施例10)
この実験の目的は、分子ふるいクロマトグラフィーによって、4.2mMインスリンの比較化合物A(すなわちN{イプシロン-B29}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[GluA14,HisB16,HisB25],des-ThrB30-インスリン(ヒト);代替名称:A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン及び固定亜鉛/インスリン六量体を含有する処方におけるNaCl含量の関数として、オリゴマー化を調査することであった。更に目的は、物理的及び化学的安定性を測定することであった。
処方
化合物Aを、pH値約8のミリQ水に溶解させた。フェノール、クレゾール、酢酸亜鉛(Zn)及びグリセロールを、列挙した順序で添加して、4.5個のZn/6個のインスリン、25mMフェノール、25mMクレゾール、pH7.4、インスリン濃度4.2mM、並びに以下の表に記載の塩化ナトリウム(NaCl)、酢酸亜鉛及びグリセロールを含有する最終的な処方を得た。
物理的安定性を、以下の測定によって評価した。
1.フィブリル形成傾向の測定。チオフラビンTアッセイによって測定した。フィブリル形成傾向は、チオフラビンT(THT)アッセイで、フィブリル形成までの遅延時間として測定した。THTアッセイを、新しく調製した試料で記載の通り測定した。
2.オリゴマー半径(nm)及び4μm未満の凝集体形成の、動的光散乱による測定。
処方の化学的安定性を、37℃で4週間(4w)保存した後のインスリン関連不純物における高分子量タンパク質(HMWP)の増大として、4℃で保存した後のHMWPの量と比較して測定した。
HMWPを、国際公開第2013/153000号に記載のHMWP方法2を使用して測定した。
脱アミド化合物などのインスリン関連不純物の形成を、逆相クロマトグラフィー(UPLC)を使用して測定した。
単量体の量を、フェノールを含まない溶出剤において、国際公開第2013/153000号に記載の方法2を使用して、未変性ゲル濾過で測定した。
結論
化合物A単量体の量は、塩化ナトリウム濃度の関数として減少し、ちょうど50mM NaClまで添加すると大きな効果がある。HMWPの形成及び不純物の形成として測定される化学的分解は、単量体含量に関わらず、すべての処方で少ない。THT遅延時間は、亜鉛含量及び塩化ナトリウム含量と共に増大する。
結論
水力学的半径は、塩濃度の増大と共に増大する。Zn濃度は、インスリン六量体1個当たり7個のZnを除いて、サイズに対して影響が小さい。オリゴマーサイズ及び物理的安定性に対する、インキュベーション温度による著しい効果はない。

Claims (12)

  1. A14E,B16E,B25H,B29K(N(eps)-エイコサンジオイル-gGlu-2×OEG),desB30ヒトインスリン(化合物1)。
  2. 医薬品として使用するための、請求項1に記載の化合物。
  3. 糖尿病を処置する医薬品として使用するための、請求項1に記載の化合物。
  4. 同じ患者に、2日に1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  5. 週2回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  6. 週1回又はそれよりも少ない頻度で、平均で少なくとも1カ月、6カ月又は1年間投与され、同じ患者にそれよりも多い頻度では投与されない、糖尿病の処置に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  7. 請求項1に記載の化合物を含む、水溶液。
  8. インスリン六量体1個当たり少なくとも5個の亜鉛イオンを含む、請求項7に記載の水溶液。
  9. pHが7〜8の範囲である、請求項7〜8のいずれか一項に記載の水溶液。
  10. 請求項1に記載の化合物、及び1つ又は複数の添加剤を含む、医薬組成物。
  11. インスリン六量体1個当たり少なくとも4.5個の亜鉛イオンを含む、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 治療有効量の請求項1に記載の化合物を、それを必要としている対象に投与することを含む、糖尿病を処置又は防止する方法。
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