JP2017225374A - 自走式防除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】防除ブームを走行車体の側部に前後方向に沿わせて収納する自走式防除機において、作業者が走行車体に搭乗する際に防除ブームを上昇させる安全に操作し易い乗降用スイッチを提供する。【解決手段】前輪と後輪で走行する走行車体の前部に作業者が搭乗するキャビンを設けて後部に薬剤タンク30を搭載し、前記キャビンの前部に設ける防除ブームを左右に伸ばした防除作業姿勢と前記走行車体の左右側部に後上がり姿勢で沿わせた収納姿勢に切換え可能にした自走式防除機において、前記防除ブームを昇降する昇降スイッチ65aを前記走行車体の側部から操作可能に前記キャビンの後側部に設けた。【選択図】図6

Description

本発明は、圃場で作物に農薬等の薬剤を散布する自走式防除機に関する。
自走式防除機は、下記の特許文献1に記載の如く、走行車体の左右側部に多数の噴霧ノズルを配設した防除ブームを側方へ延ばした状態で圃場内を走行して噴霧作業を行い、路上走行時には左右の防除ブームを走行車体の前後方向に沿わせて折り畳んで支持するようにしている。
特開2014−213294号公報
走行車体の左右中央に設ける操縦席に作業者が搭乗する際は、操縦席側部に設ける乗降用スイッチを走行車体の側部に立った作業者が防除ブームの外側から手を伸ばして操作して防除ブームを上昇させて搭乗できるようにするが、乗降用スイッチに伸ばした作業者の手が上昇する防除ブームに挟まれないように気を付けなければならないという問題がある。
本発明の目的は、防除ブームを走行車体の側部に前後方向に沿わせて収納する自走式防除機において、作業者が走行車体に搭乗する際に防除ブームを上昇させる乗降用スイッチを安全に操作し易くすることである。
上記従来の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、前輪(6)と後輪(7)で走行する走行車体(2)の前部に作業者が搭乗するキャビン(20)を設けて後部に薬剤タンク(30)を搭載し、前記キャビン(20)の前部に設ける防除ブーム(40)を左右に伸ばした防除作業姿勢と前記走行車体(2)の左右側部に後上がり姿勢で沿わせた収納姿勢に切換え可能にした自走式防除機において、前記防除ブーム(40)を昇降する昇降スイッチ(65a)を前記走行車体(2)の側部から操作可能に前記キャビン(20)の後側部に設けたことを特徴とする自走式防除機とする。
請求項2に記載の発明は、ブーム受け(80)に載置した前記防除ブーム(40)の下側から手を伸ばして前記昇降スイッチ(65a)を操作可能としたことを特徴とする請求項1に記載の自走式防除機とする。
請求項3に記載の発明は、前記キャビン(20)の側部に前記防除ブーム(40)のキャビン(20)側への移動を牽制する側部ガード(50)を設け、該側部ガード(50)に前記昇降スイッチ(65a)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の自走式防除機とする。
請求項4に記載の発明は、前記昇降スイッチ(65a)の取付ブラケット(67)の外側部に前記防除ブーム(40)との緩衝材(68)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自走式防除機とする。
請求項1に記載の発明で、キャビン20の後側部に設けた昇降スイッチ65aは、走行車体2の側部に立った作業者の操作し易い高さとなって、腰を屈めた無理な姿勢でなく昇降スイッチ65aに手を差し伸べて安全で容易に昇降操作を行える。
請求項2に記載の発明で、請求項1の効果に加えて、ブーム受け80に載った防除ブーム40は降下することなく、防除ブーム40を上昇させる際に昇降スイッチ65aに伸ばした作業者の腕に防除ブーム40が当たることなく、安全である。
請求項3に記載の発明で、請求項1又は請求項2の効果に加えて、防除ブーム40がキャビン20に当たることを防ぐ側部ガード50は、キャビン20から側方へ張り出しているので、走行車体2の側部に立った作業者の手が昇降スイッチ65aに届き易い。
請求項4に記載の発明で、前記昇降スイッチ(65a)の取付ブラケット(67)の外側部に前記防除ブーム(40)との緩衝材(68)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自走式防除機
自走式防除機の左側面図である。 自走式防除機を右前方より見た斜視図である。 自走式防除機を左後方より見た斜視図である。 キャビンを断面にした自走式防除機の平面図である。 防除作業中の自走式防除機を上空より見た平面図である。 キャビンの左上部斜視図である。 ブーム操作スイッチボックスの正面図である。 薬剤タンク取外し装置を示す一部の右側面図である。 薬剤タンク取外し装置を示す背面図である。 サイドブームの拡大斜視図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、実施例の説明においては、左右方向と前進方向を表現しているが、本発明の構成を限定するものでは無い。
本実施形態に係る自走式防除機1は、作業者等のオペレータが走行車体2に搭乗して運転操作をしながら薬剤を圃場に散布する作業車両である。自走式防除機1は、図1〜図3に示すように、走行車体2と、キャビン20と薬剤タンク30と該薬剤タンク30から供給される薬剤を圃場に散布するための防除ブーム40等から構成されている。
なお、本実施形態において、自走式防除機1の進行方向は、走行車体2の前後方向に沿った方向であり、自走式防除機1の直進時に運転座席4(図4参照)から前面ガラスGFに向かう方向である。また、走行車体2の車幅方向あるいは左右方向は、上記進行方向に対して水平に直交する方向である。また、走行車体2の上下方向は、上記進行方向に対して鉛直に直交する方向である。
走行車体2は、メインフレーム3と運転座席4とステアリングハンドル5と、前輪6と後輪7とを含む構成である。メインフレーム3は、走行車体2の前後に延長して形成されており、左メインフレーム3Lと右メインフレーム3Rから構成されている。運転座席4は、オペレータが自走式防除機1の運転操作をする際に着座するための座席である。運転座席4の周囲の適切な位置には、防除ブーム40の開閉や薬剤の散布等の動作を制御するための操作部90が配置されている。
運転座席4の前に立設するステアリングハンドル5は、オペレータによる回動操作によって、少なくとも左右の前輪6,6を操舵することで、自走式防除機1の進行方向を変更する。すなわち、前輪6,6は、少なくともステアリングハンドル5の回動操作により操舵される操舵輪である。
前輪6と後輪7は、ボンネットBN内のエンジンの動力がトランスミッションケース内(図示せず)で適宜変速され、変速された動力が伝達されて回転駆動する。
キャビン20は、運転座席4およびその周辺の機器類、ステアリングハンドル等を囲むことで乗員室を形成するものである。キャビン20は、薬剤タンク30と防除ブーム40との間に配置されている。キャビン20は、キャビンフレーム21、キャビンルーフ22、左右の開閉扉25L、25Rなどから構成されている。
なお、前面ガラスGFの下部左右或いは片側に水の噴射ノズルとワイパーを設け、適宜に前面を拭き払えるようにすると良い。左右に設ける噴射ノズルとワイパーは、同時に使用したり交互に使用したり必要な側のみを使用したり出来るようにすると良い。
図2に示す如く、前記キャビン20の前部上部には、左右の作業灯WR1、WR2を設けている。また、前記ボンネットBNの前部には、左右の前照灯BFL、BFRを設けている。前記左右の作業灯WR1、WR2は、左右の前照灯BFL、BFRと連動させる構成とする。即ち、左右の作業灯WR1、WR2を点灯すると、左右の前照灯BFL、BFRは消灯する回路とする。これにより、同時点灯しないので、充放電性能を確保できバッテリー上がりを防止できる。
薬剤タンク30は、ブーム40から散布される薬剤溶液を収容する容器である。薬剤タンク30は、図1に示すように、キャビン20の後側に配置されている。薬剤タンク30は、平面視で図4に示すように、運転座席4の左右両側および後側を囲むようにコの字状に形成されて、メインフレーム3上に着脱可能に搭載されている。薬剤溶液は、肥料、農薬等を溶媒(例えば、水)に溶解させた液体、および、肥料、農薬等の固形分を含む液体(例えば、水)等の液状物である。
図5に示すように、防除ブーム40は、自走式防除機1の前側の左右に幅広く薬剤を散布するものである。ブーム40は、走行車体2の前側に設けられている。ブーム40は、センターブーム40aと両側方のサイドブーム40b,40bから構成されている。
センターブーム40aは、自走式防除機1の前側に配置され、走行車体2の車幅方向に水平に延在されている。また、センターブーム40aには、薬剤を霧状に噴射するノズル41aが間隔をおいて複数配設されている。
また、前記左右のメインフレーム3L,3Rには、それぞれセンターブーム左支持プレート45Lとセンターブーム右支持プレート45Rが固着されている。さらに、センターブーム左支持プレート45Lとセンターブーム右支持プレート45Rには、それぞれセンターブーム左昇降アーム40aLとセンターブーム右昇降アーム40aRの一端が取り付けられており、センターブーム左昇降アーム40aLとセンターブーム右昇降アーム40aRの他端はセンターブーム40aに連結されている。
サイドブーム40bは、走行車体2の車幅方向に延びる散布姿勢と、走行車体2の左右両側に沿う収納姿勢とに切り替え可能に、センターブーム40aの左右両側に取り付けられている。また、サイドブーム40bは、収納姿勢時に、側面視で後上方へ傾斜した姿勢で走行車体2の後側の左右両側に配置されたブーム受け80(図1)で支持される。サイドブーム40bには、薬剤を霧状に散布するノズル41bが間隔をおいて複数配設されている。
図2に示すように、空調装置で冷却風を生成するエアコン本体100は、キャビン20の天井部に配置されており、キャビン20の上部を覆うキャビンルーフ22で覆われている。これにより、エアコン本体100を防除時の飛散してくる薬液から保護できる。右の開閉扉25Rの後側には、コンデンサ48を設けており、右の開閉扉25Rの前側には固定の窓ガラス38Rを設けている。図3に示す符号55は、コンデンサ48の後方に配置されているレシーバドライヤである。
また、空調装置の外気導入部110は、図1に示すように、キャビンルーフ22の後部左右中央に下方に向けて設ける構成とする。これにより、防除ブーム40から遠ざかった薬液飛散の少ない後部より外気を導入可能となる。
前記左側の前方突出アーム27Lには、左支持プレート36Lを介して機体後方を監視できる左サイドバックミラー35Lが取り付けられている。
図6に示す如く、キャビン20のキャビンフレーム21を構成する後部の左右第4フレーム21bには、側方へ張り出す側部ガード50を回動固定可能に設け、この側部ガード50の外側面にゴム板等の緩衝材51をボルト51aで張り付けて、サイドブーム40bを昇降したり開閉したりする際に撓むサイドブーム40bを受けてキャビンフレーム21に直接当たらないようにしている。ボルト51aは頭部が緩衝材51より突出しないようにする。
側部ガード50の下側には取付ブラケット67で図7に示すブーム操作スイッチボックス65を設けている。この取付ブラケット67の外側面は、側部ガード50の外側面と同一面として、緩衝材68を張り付けている。ブーム操作スイッチボックス65の位置は、収納位置のサイドブーム40bより僅かに下側で、左側の搭乗ステップ66Lから作業者がキャビン20に乗り込む際に左側のサイドブーム40bを上昇させて邪魔にならないようにするが、作業者が差し伸べる腕にサイドブーム40bが降下する危険性が無い。右側には左側の搭乗ステップ66Rを設けている。
このブーム操作スイッチボックス65には、昇降スイッチ65aと開閉スイッチ65bを設け、昇降スイッチ65aでサイドブーム40bを昇降し、開閉スイッチ65bでサイドブーム40bを水平に開閉するようにするが、昇降スイッチ65aと開閉スイッチ65bを一個の十字ジョイスチックスイッチで昇降と開閉を行えるようにしても良い。
なお、キャビン20の左右にそれぞれブーム操作スイッチボックス65を設けると、左右どちらからでもキャビン20への乗り込みが容易になる。また、符号25Lは左の開閉扉であり、符号39は固定の後窓ガラスである。左の開閉扉25Lの前側には、固定の前窓ガラス38Lを設けている。
側部ガード50の上面には、夜間作業用のウインカーランプ52を取り付けている。
なお、側部ガード50の下側に取手を設けて、乗降時に使用出来るようにすると良い。
また、ブーム操作スイッチボックス65は、回動して表面を見えやすい角度に固定できるようにしたりノブボルトで取り外せるようにしたりすると良い。
また、ブーム操作スイッチボックス65の底部には隙間を設けて侵入した水が排出されるようにすると良い。
また、側部ガード50に下後方を映すカメラを取り付けてキャビン20内のモニタで後輪7の状態を監視できるようにするも良い。
図8、図9は、薬剤タンク30下部の走行車体2に設ける薬剤タンク取外し装置で、油圧シリンダ74で回動する取出しガイドバー73L、73Rを設ける、このガイドバー73L、73Rの先端にはストッパ77a付きの延長ガイド77をピンで伸縮調節可能に取り付け、走行車体2から後方へ取り出す薬剤タンク30をガイドバー73L、73Rと延長ガイド77に載せて、油圧シリンダ74でガイドバー73L、73Rを下方へゆっくりと回動して薬剤タンク30の後側面を接地させて走行車体2から分離できる。
この際に、ストッパ77aを外して延長ガイド77を短くしてガイドバー73L、73RRを上方へ回動すると、底面を押し上げて後側面を下にして薬剤タンク30を起立状態にすることが出来る。
左右のガイドバー73L、73Rの間には、キャリアー75をノブボルト78で着脱可能に取り付けている。また、延長ガイド77の先端にはパンタグラフ式のジャッキ76を取り付けて、走行車体2の後部をジャッキアップ出来るようにする。キャリアー75は荷物を積載するが、作業者が搭乗するステップとして利用出来る。また、ジャッキ76の回動ハンドルや工具は走行車体2に設ける工具箱に収納しておく。
上記薬剤タンク取外し装置は、薬剤タンク30と共に噴霧ポンプも走行車体2から取り外し可能で、カルチ作業時に取り外す。
また、延長ガイド77のストッパ77aには、ゴム板を張り付け薬剤タンク30を傷つけないようにし、作業時の補助ステップとして起用できる。
油圧シリンダ74の昇降スイッチ79を薬剤タンク30の左側部にタンクベースからのフレキシブルアームで設ける。
なお、ブーム受け80を薬剤タンク30にL字の受として設けると、着脱時の取手として利用出来る。
図10に、取り外して作業者一人で運搬可能にしたサイドブーム40bを示している。
左右のサイドブーム40bは、センターブーム40aから外してブーム受け80の外側ガイド80aをノブボルトで固定して外側へ回動して側方に倒せるようにしている。サイドブーム40bの下面にズレ止め84をブーム受け80を前後に挟んで設けている。
また、サイドブーム40bの後端下面にフリー回転のキャスタ81を取り付け、サイドブーム40bの前側をセンターブーム40aから外して作業者が持ち上げ、キャスタ81を接地させて移動する。キャスタ81の取付面以外は、開閉可能なスタンド85としている。サイドブーム40bの内側面には、ワイヤー82のガードとなるU字状の取手83を設け、この取手83を持ってセンターブーム40aを持ち上げて運搬することも可能にしている。
2 走行車体
6 前輪
7 後輪
20 キャビン
30 薬剤タンク
40 防除ブーム
50 側部ガード
65a 昇降スイッチ
67 取付ブラケット
68 緩衝材
80 ブーム受け

Claims (4)

  1. 前輪(6)と後輪(7)で走行する走行車体(2)の前部に作業者が搭乗するキャビン(20)を設けて後部に薬剤タンク(30)を搭載し、前記キャビン(20)の前部に設ける防除ブーム(40)を左右に伸ばした防除作業姿勢と前記走行車体(2)の左右側部に後上がり姿勢で沿わせた収納姿勢に切換え可能にした自走式防除機において、
    前記防除ブーム(40)を昇降する昇降スイッチ(65a)を前記走行車体(2)の側部から操作可能に前記キャビン(20)の後側部に設けたことを特徴とする自走式防除機。
  2. ブーム受け(80)に載置した前記防除ブーム(40)の下側から手を伸ばして前記昇降スイッチ(65a)を操作可能としたことを特徴とする請求項1に記載の自走式防除機。
  3. 前記キャビン(20)の側部に前記防除ブーム(40)のキャビン(20)側への移動を牽制する側部ガード(50)を設け、該側部ガード(50)に前記昇降スイッチ(65a)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自走式防除機。
  4. 前記昇降スイッチ(65a)の取付ブラケット(67)の外側部に前記防除ブーム(40)との緩衝材(68)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自走式防除機。
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