JP2017217970A - 自動車用ナックルの製造方法、及び自動車用ナックル - Google Patents

自動車用ナックルの製造方法、及び自動車用ナックル Download PDF

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Abstract

【課題】前輪から車体への振動伝達を抑制できるナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保できるナックルの製造方法、及びナックルを提供することを目的とする。【解決手段】ハブベアリングが取付けられるベアリング取付部51と、ダンパを把持するダンパ挟持部541と、ベアリング取付部51、及びダンパ挟持部541を連結するダンパ取付腕部542とを有するナックル50の製造方法であって、ダンパ挟持部541の内部空間である筒状開口部S1と、ダンパ挟持部541から閉断面形状で延設したダンパ取付腕部542の中空部544における内部空間、及びダンパ挟持部541に形成された開口が連続した中空開口部S2と、中空部544から延設されたダンパ取付腕部542の前方腕部545、及び後方腕部546で囲われた腕部開口部S3とを、1つの中子130によって一体的に鋳造することを特徴とする。【選択図】図11

Description

この発明は、例えば自動車の車輪を、ハブベアリングを介して支持するような自動車用ナックル、及び自動車用ナックルの製造方法に関する。
自動車の車輪を支持する懸架装置である特許文献1のようなストラット式サスペンションにおいて、路面の凹凸を通過することによる車両上下方向の繰返し荷重が車輪に入力された際、自動車用ナックルと車輪には、ハブベアリングを回転中心として、それぞれ正面視において逆方向に相対回転させるような回転方向の荷重が作用することが知られている。
この際、全体的に撓み変形し易い自動車用ナックルの場合、自動車用ナックルに作用する回転方向の荷重によって、自動車用ナックルが全体的に車幅方向に撓むため、ロアアームに対して車幅方向の荷重が伝達され易くなる。
しかしながら、ロアアームは、車両上下方向への揺動に比べて車幅方向へ揺動し難いため、車幅方向への揺動によって車幅方向の荷重を十分に遮断または吸収することができない。このため、車輪に加わった車両上下方向の繰返し荷重が、自動車用ナックルを介して車体に振動として伝達され易いという問題があった。
このような問題に対して、出願人は、ダンパが取付けられるダンパ取付部、ハブベアリングが取付けられるベアリング取付部、及びダンパ取付部とベアリング取付部とを連結する取付腕部を有する自動車用ナックルにおいて、ハブベアリングの上端よりも車両上方の部分に、車輪に加わった車両上下方向の荷重に対して変形容易な変形容易部分を設けることで、上述した問題を解決できることを見出している。
より詳しくは、回転方向の荷重が自動車用ナックルに作用した際、変形容易部分を中心にして、ダンパ取付部、及び取付腕部がベアリング取付部に対して屈曲するように自動車用ナックルが撓み変形することで、自動車用ナックルは、車幅方向へのベアリング取付部の揺動を抑制することができる。これにより、出願人が見出した自動車用ナックルは、ロアアームに作用する車幅方向の荷重を抑制することができ、車輪から車体への振動伝達を抑制している。
ところで、自動車用ナックルは、一般的に鋳造によって製造されることが多いが、鋳造過程において、鋳型内部で発生したガスが熔湯に混入することで、鋳物内部に空隙が生じる鋳造欠陥(ガス欠陥ともいう)が問題となることがある。
例えば、特許文献1のように、ストラット取付アーム14、ロアーム取付アーム15、及びナックルアーム16に軽量化のための中空部を有する自動車用ナックルを鋳造する場合、幅木を介して主型に支持された中子によって中空部を形成することになる。
この場合、自動車用ナックルには中子の幅木による開口が形成されるが、この幅木による開口は、例えば特許文献1のストラット取付アーム14における平面部分のように、機械的強度や振動伝達に影響しない部分に必要最低限の大きさで設ける必要がある。
しかし、中空部の大きさに対して幅木による開口が小さいため、中空部の隅部が、幅木による開口に対して略ポケット状に形成され易い。このようなポケット状の隅部で発生したガスは、幅木を介して主型へ流動し難いため、鋳造欠陥(ガス欠陥)の要因となっていた。
このようにして発生する鋳造欠陥(ガス欠陥)は、品質の低下や製品不良率の増加要因となるため、生産効率を低下させるおそれがあった。このため、近年、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、鋳造欠陥などによる生産効率低下の抑制とを両立したいという新しいニーズが生じている。
特開2001−187583号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保できる自動車用ナックルの製造方法、及び自動車用ナックルを提供することを目的とする。
この発明は、自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリングが取付けられるベアリング取付部と、前記車体に上端が支持されたダンパの下端を、前記ベアリング取付部よりも車両上方側、かつ車両内側で把持する略円筒状のダンパ取付部と、前記ベアリング取付部、及びダンパ取付部を連結する取付腕部とを有する自動車用ナックルの製造方法であって、前記ダンパ取付部の内部空間である筒状開口部と、前記ダンパ取付部の外周面から閉断面形状で延設した前記取付腕部の中空部における内部空間、及び前記ダンパ取付部に形成された開口が連続した中空開口部と、前記中空部から前記ベアリング取付部の前部へ延設された前記取付腕部の前方腕部、及び前記中空部から前記ベアリング取付部の後部へ延設された前記取付腕部の後方腕部で囲われるとともに、前記中空開口部の開口面積よりも大きい開口面積の開口である腕部開口部とを、主型に支持された1つの中子によって一体的に鋳造することを特徴とする。
上記車両上方側、車両内側は、車両に搭載した状態における車両上下方向の上方、及び車幅方向の内側とすることができる。
上記自動車用ナックルは、ナックル、あるいはハブサポートなどとも呼ばれる部材とすることができる。
上記ベアリング取付部の前部、及び後部は、車両に搭載した状態におけるベアリング取付部の車両前方側、及び車両後方側とすることができる。
この発明により、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
具体的には、例えば、ダンパ取付部を下方にして横倒した状態の自動車用ナックルを、上下方向で重ね合わせた主型と、主型に支持された中子とで鋳造する際、ダンパ取付部の筒状開口部内で発生したガスは、ダンパ取付部における軸方向の両端から下方の主型へ流動する、あるいは中空開口部へ流動することができる。
そして、筒状開口部から下方の主型に流動したガスは、下方の主型内で発生したガスとともに、前方腕部、及び後方腕部で囲われた腕部開口部へ流動することができる。
一方、筒状開口部から中空開口部へ流動したガスは、中空開口部内で発生したガスとともに、腕部開口部へ流動することができる。
その後、下方の主型から腕部開口部へ流動したガス、及び中空開口部から腕部開口部へ流動したガスは、腕部開口部内で発生したガスととともに、上方の主型へ流動することができる。
この際、腕部開口部の開口面積が中空開口部の開口面積よりも大きいため、下方の主型、及び中空開口部から流入したガス、並びに腕部開口部内で発生したガスは、腕部開口部に滞留することなく、上方の主型へ流動することができる。
これにより、自動車用ナックルの製造方法は、鋳型内部で生じたガスを効率よく外部に放出できるため、発生したガスによる鋳造欠陥が生じることを防止することができる。
加えて、前方腕部と後方腕部とが車両前後方向に離間しているため、自動車用ナックルの製造方法は、例えば、自動車用ナックルに付着した中子を除去する際に用いるショットブラストのノズルを、前方腕部、及び後方腕部の対向面、及び中空開口部へ向けて容易に配置することができる。
これにより、例えば、鋳造後、ベアリング取付部とダンパ取付部とを連結する閉断面形状の取付腕部から、幅木による開口を介して中子を除去する場合に比べて、自動車用ナックルの製造方法は、前方腕部、及び後方腕部の対向面、及び中空開口部などに付着した中子を、ショットブラストなどで容易に除去することができる。
このため、自動車用ナックルの製造方法は、例えば、閉断面形状の取付腕部から中子を除去する場合に要する時間で、自動車用ナックルに付着した中子の除去と、ショットブラストによる鋳肌の研磨とを連続して行うことができる。
つまり、自動車用ナックルの製造方法は、良好なガス抜き性と、中子の除去作業性の向上とを両立することができるため、生産効率の向上を図ることができる。
さらにまた、ダンパ取付部とベアリング取付部とが、閉断面形状の中空部と、中空部から延設した前方腕部、及び後方腕部とで連結されているため、自動車用ナックルは、取付腕部のダンパ取付部側に比べて、取付腕部のベアリング取付部側を低剛性化することができる。
このため、自動車用ナックルは、回転方向の荷重が自動車用ナックルに作用した際、ハブベアリングの上端よりも車両上方において、ダンパ取付部、及び取付腕部がベアリング取付部に対して屈曲するように撓み変形させることができる。
このように、自動車用ナックルの製造方法は、生産効率を向上させても、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルを鋳造することができる。
従って、自動車用ナックルの製造方法は、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
この発明の態様として、前記ベアリング取付部における車両外側の面から前記中空部に至る範囲が車両上下方向側、及び車幅方向側に開口された前記腕部開口部を、前記主型で支持された前記1つの中子によって鋳造することができる。
この発明により、自動車用ナックルの製造方法は、例えば、ベアリング取付部における車両内側の面から中空部に至る範囲を開口した場合に比べて、腕部開口部の開口面積がより大きい自動車用ナックルを鋳造することができる。
これにより、自動車用ナックルの製造方法は、より大きい開口面積の腕部開口部を介して、鋳型内部で生じたガスをより確実に外部へ放出するとともに、自動車用ナックルに付着した中子の除去作業性をより向上することができる。
加えて、ベアリング取付部における車両外側の面から中空部に至る範囲に腕部開口部が形成されるため、前方腕部、及び後方腕部は、それぞれベアリング取付部の上面と連続する形状に形成されることになる。
このような形状の場合、前方腕部とベアリング取付部との境界近傍、及び後方腕部とベアリング取付部との境界近傍が剛性変化点となり易いため、自動車用ナックルは、取付腕部のベアリング取付部側をより低剛性化することができる。
つまり、ハブベアリングにより近い位置で、ダンパ取付部、及び取付腕部を一体的に撓み変形させることができるため、自動車用ナックルは、車幅方向へのベアリング取付部の揺動をより抑制できる。このように、自動車用ナックルの製造方法は、生産効率を向上させても、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルを鋳造することができる。
従って、自動車用ナックルの製造方法は、より大きな開口面積を有する腕部開口部によって、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立したより良好な鋳造性を確保することができる。
またこの発明の態様として、前記1つの中子に、前記筒状開口部に対応する部分から車両上下方向の一方側へ延設した第1幅木部と、前記腕部開口部に対応する部分から車両上下方向の他方側へ延設した第2幅木部とを備え、前記筒状開口部、前記中空開口部、及び前記腕部開口部を、前記第1幅木部、及び前記第2幅木部が前記主型に支持された前記1つの中子によって一体的に鋳造することができる。
この発明により、自動車用ナックルの製造方法は、自動車用ナックルの鋳造性をより向上することができる。
具体的には、第2幅木部が、第1幅木部に対して車両外側、かつ車両上下方向の他方側へオフセットしているため、主型は、車両上下方向側、かつ車幅方向側に離間した二ヵ所で中子を確実に支持することができる。
これにより、自動車用ナックルの製造方法は、主型に対する中子の位置決めと、中子の支持剛性とを両立して確保することができる。このため、自動車用ナックルの製造方法は、鋳造過程における中子の位置ズレを防止でき、より精度良く自動車用ナックルを鋳造することができる。
さらに、筒状開口部に対応する部分、及び腕部開口部に対応する部分から第1幅木部、及び第2幅木部を延設しているため、自動車用ナックルの製造方法は、第1幅木部、及び第2幅木部が、自動車用ナックルの形状に影響することがない。
このため、自動車用ナックルの製造方法は、自動車用ナックルの機械的強度や振動伝達感度を阻害することなく、第1幅木部、及び第2幅木部の形状や大きさを設計者が自由に設計することができる。換言すると、自動車用ナックルの製造方法は、自動車用ナックルの設計自由度と、中子の設計自由度とを両立して確保することができる。
従って、自動車用ナックルの製造方法は、中子の筒状開口部に対応する部分から延設した第1幅木部、及び中子の腕部開口部に対応する部分から延設した第2幅木部により、自動車用ナックルの鋳造性をより向上することができる。
またこの発明の態様として、前記前方腕部、及び前記後方腕部が、車両前後方向側に所定の厚みを有するとともに、車両上下方向側に所定間隔を隔てて前記ベアリング取付部、及び前記中空部を連結する一対の柱状部分と、該一対の柱状部分の間に介在するとともに、前記車両前後方向側の肉厚が前記所定の厚みよりも薄肉な平板部分とで構成されたものとすることができる。
上記前方腕部、及び後方腕部は、車両前後方向に沿った断面形状が、一対の略柱状部分と略平板部分とによって構成された断面略I型形状、または断面略門型形状などとすることができる。
この発明により、自動車用ナックルの製造方法は、設計自由度の高い自動車用ナックルの鋳造と、取付腕部における熔湯流動性の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
具体的には、腕部開口部による取付腕部の大幅な剛性低下を抑えるために、自動車用ナックルは、前方腕部、及び後方腕部における車両前後方向側の肉厚が、閉断面形状の取付腕部に比べて厚肉になり易い。
このため、自動車用ナックルの製造方法は、前方腕部、及び後方腕部に対応する主型と1つの中子との間に、十分な大きさの湯路を確保することができる。これにより、自動車用ナックルの製造方法は、前方腕部、及び後方腕部における熔湯の流動性を向上することができる。
さらに、自動車用ナックルは、柱状部分または平板部分における車両前後方向側の肉厚が全体的、あるいは部分的に調整されることで、取付腕部の剛性を容易に異ならせることができる。
この場合であっても、前方腕部、及び後方腕部で構成された大きな開口面積を有する腕部開口部を容易に確保できるため、自動車用ナックルの製造方法は、生産効率を維持したまま、設計自由度の高い自動車用ナックルを鋳造することができる。
従って、自動車用ナックルの製造方法は、一対の柱状部分と平板部分とで構成された前方腕部、及び後方腕部により、設計自由度の高い自動車用ナックルの鋳造と、取付腕部における熔湯流動性の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
この発明は、自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリングが取付けられるベアリング取付部と、前記車体に上端が支持されたダンパの下端を、前記ベアリング取付部よりも車両上方側、かつ車両内側で把持する略円筒状のダンパ取付部と、前記ベアリング取付部、及びダンパ取付部を連結する取付腕部とを有する鋳物製の自動車用ナックルであって、前記取付腕部が、前記ダンパ取付部の外周面から閉断面形状で延設した中空部と、前記中空部から前記ベアリング取付部の前部へ延設された前方腕部と、前記中空部から前記ベアリング取付部の後部へ延設された後方腕部とで一体形成され、前記ダンパ取付部の内部空間である筒状開口部と、前記取付腕部の中空部における内部空間、及び前記ダンパ取付部に形成された開口が連続した中空開口部と、前記前方腕部、及び前記後方腕部で囲われるととともに、前記中空開口部の開口面積よりも大きい開口面積の開口である腕部開口部とが一体形成されたことを特徴とする。
この発明により、車輪から車体への振動伝達の抑制と、生産効率の向上とを両立して確保することができる。
本発明により、車輪から車体への振動伝達を抑制できる自動車用ナックルの鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保できる自動車用ナックルの製造方法、及び自動車用ナックルを提供することができる。
自動車の懸架装置における正面視の外観を示す正面図。 車両前方内側から見た右側のナックルの外観を示す外観斜視図。 右側のナックルにおける車幅方向に沿った縦断面を示す縦断面図。 右側のナックルにおける正面視の外観を示す正面図。 右側のナックルにおける背面視の外観を示す背面図。 車両後方内側から見た右側のダンパ挟持部の外観を示す外観斜視図。 図4中のA−A矢視断面図。 図4中のB−B矢視断面図。 図4中のC−C矢視断面図。 走行時における左側のナックルの動きを説明する説明図。 鋳型の構成要素を断面で示す断面図。 鋳造過程におけるガスの流動を説明する説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、自動車の車両前部において、本実施形態のナックル50を装着した懸架装置10について図1から図9を用いて説明する。
なお、図1は自動車の懸架装置10における正面図を示し、図2は車両前方内側から見た右側のナックル50の外観斜視図を示し、図3は右側のナックル50における車幅方向に沿った縦断面図を示し、図4は右側のナックル50における正面図を示し、図5は右側のナックル50における背面図を示している。
さらに、図6は車両後方内側から見た右側のダンパ挟持部541の外観斜視図を示し、図7は図4中のA−A矢視断面図を示し、図8は図4中のB−B矢視断面図を示し、図9は図4中のC−C矢視断面図を示している。
加えて、図1中において、前輪4を二点鎖線で示すとともに、図2及び図3中においてロアアーム30、及びタイロッド7aの図示を省略している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは車両前後方向を示しており、矢印Frは車両前方を示し、矢印Rrは車両後方を示している。
さらに、矢印Rh及びLh、並びに矢印IN及びOUTは車幅方向を示しており、矢印Rhは車両右方向を示し、矢印Lhは車両左方向を示し、矢印INは車両内側を示し、矢印OUTは車両外側を示している。
加えて、図1中の上方を車両上方とし、図1中の下方を車両下方ととともに、図2中の左側を車両前方とし、図2中の右側を車両後方とする。
本実施形態における自動車は、図1に示すように、車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム1、フロントサイドフレーム1の車両外側、かつ車両上方に配設されたサスタワー2、及びフロントサイドフレーム1の車両下方に配設されたサブフレーム3で構成された車両前部に、駆動輪である前輪4が配設された車両である。
このような自動車における前輪4を支持する懸架装置10は、サスタワー2の上面に上端が連結された左右一対のダンパ20と、サブフレーム3に連結された左右一対のロアアーム30と、前輪4が装着された左右一対のハブベアリング40と、ダンパ20、及びロアアーム30が連結されるとともに、ハブベアリング40を保持する左右一対のナックル50とで構成された、所謂、ストラット式サスペンションである。
ダンパ20は、図1に示すように、サスタワー2に対して、図示を省略したゴムブッシュを介して、上端が車両前後方向、及び車幅方向に揺動可能に弾性支持されるとともに、上端に対して車両外側に下端が位置するよう配設されている。
このダンパ20は、サスタワー2に連結されたピストンロッドを車両上下方向に出没可能に収容するダンパ本体21に上端が連結されたスタビリンク5と、スタビリンク5の下端が連結されるととともに、サブフレーム3の上面に配設された車幅方向に延びるスタビライザー6とを介して、他方のダンパ20に連結されている。
また、ロアアーム30は、図1に示すように、ゴムブッシュ(図示省略)を介して車両上下方向に揺動可能に車両内側がサブフレーム3に連結され、車両外側に設けたボールジョイントの車両上下方向に延びる軸部を介して、車両外側がナックル50の下部に連結されている。
なお、ロアーム30における車両内側を弾性支持するゴムブッシュは、ダンパ20の上端を弾性支持するゴムブッシュにおける車幅方向の弾性係数に比べて、車幅方向の弾性係数が高くなるよう構成されている。
また、ハブベアリング40は、図2及び図3に示すように、前輪4が装着されるハブ41を有するハブベアリングであって、車幅方向を回転軸としてハブ41と外輪42とが相対回転可能に構成されている。このハブベアリング40は、外輪42から延設した外輪フランジ42aに螺合する4つの締結ボルト11によって、ナックル50における車両外側の側面に締結固定されている。
より詳しくは、ハブベアリング40は、図3に示すように、車幅方向に延びる略円筒状の外輪42と、外輪42における車両内側の内周面と内向する外周面を有する内輪43と、車両内側へ延設された軸部41aの先端が内輪43に圧入されたハブ41と、車両内側において内輪43、及び外輪42の間に介在する複数のベアリングボール44と、車両外側においてハブ41の軸部41a、及び外輪42の間に介在する複数のベアリングボール45とで構成されている。
なお、ハブ41には、前輪4が固定されるホイールナット(図示省略)が螺合するスタッドボルト46が設けられるとともに、ドライブシャフトの先端軸部が挿通する挿通孔47が、車幅方向に沿って開口形成されている。
また、ナックル50は、図1及び図2に示すように、ハブベアリング40が取付けられるベアリング取付部51と、ロアアーム30が取付けられるロアアーム取付部52と、サブフレーム3の上面に配設した操舵装置7の両端が取付けられるタイロッド取付部53と、ダンパ20の下端が取付けられるダンパ取付部54とで一体形成されている。
ベアリング取付部51は、図2から図5に示すように、ハブベアリング40を保持可能な剛性を確保できる車幅方向の厚みを有するとともに、車両上下方向に長い側面視略長楕円状の取付本体部511と、取付本体部511の外周縁から車両内側へ立設した側壁部512とで一体形成されている。
取付本体部511の側面視略中央には、図2及び図3に示すように、ハブベアリング40の挿通孔47と同軸上に、挿通孔47よりも大径で、かつ挿通孔47と連通する開口部513が開口形成されている。
さらに、取付本体部511には、開口部513の開口縁に沿って車両内側へ立設した開口縁壁部分514が形成されている。
そして、取付本体部511における開口縁壁部分514の周囲には、締結ボルト11が挿通するボルト挿通孔(図示省略)が、車幅方向に沿って4つ開口形成されている。
なお、ベアリング取付部51の上部には、後述するダンパ取付部54の前方腕部545と後方腕部546との間において、ABSセンサ(図示省略)が装着されるセンサ取付部515が一体形成されている。このセンサ取付部515は、車両内側へ突出するように側壁部512に一体形成されている。
ロアアーム取付部52は、図2から図5に示すように、ハブベアリング40における回転軸の車両下方において、車両上下方向に延びるスリット状の開口を車両内側に有するとともに、ロアアーム30に設けたボールジョイントの軸部を挟持可能なC型クランプ形状に形成されている。
さらに、ロアアーム取付部52には、ボールジョイントの軸部を挟持するための締結ボルト(図示省略)が挿通するボルト挿通孔52aが、車両前後方向に沿って開口形成されている。
タイロッド取付部53は、図2から図5に示すように、ハブベアリング40の回転軸よりも車両下方において、ベアリング取付部51の後部から車両内側、かつ車両後方へ向けて延設している。このタイロッド取付部53の先端には、操舵装置7の端部であるタイロッド7aの先端が装着される装着孔(図示省略)が、車両上下方向に開口形成されている。
ダンパ取付部54は、図2から図5に示すように、ベアリング取付部51に対して車両上方かつ車両内側の位置で、ダンパ20の下端を揺動不可に挟持するダンパ挟持部541と、ダンパ挟持部541、及びベアリング取付部51を連結するダンパ取付腕部542とで一体形成されている。
ダンパ挟持部541は、図2、図3、及び図6に示すように、ダンパ20の下端に設けたフランジ部材22が挿通可能な間隔で、車両内側が開口した略C字状の断面形状を略車両上下方向に延設することで、車両上下方向にスリット状の開口を有するC型クランプ形状に形成されている。
さらに、ダンパ挟持部541には、フランジ部材22を挟持するための締結ボルト12が挿通するボルト挿通孔543が、フランジ部材22の開口と連通するように車両前後方向に沿って開口形成されている。
加えて、ダンパ挟持部541には、図3及び図6に示すように、ダンパ挟持部541の内部空間である筒状開口部S1と外部とを連通する開口が、車両外側へ向けて形成されている。
ダンパ取付腕部542は、図3から図5に示すように、ダンパ挟持部541の外周面から延設した中空部544と、中空部544、及びベアリング取付部51の前部を連結する前方腕部545と、中空部544、及びベアリング取付部51の後部を連結する後方腕部546とで構成されている。
中空部544は、図3及び図7に示すように、車両前後方向に沿った断面形状が略矩形の閉断面形状を、ダンパ挟持部541の外周面から車両内側へ向けて所定長さ延設して、ダンパ挟持部541の開口と連続する内部中空形状に形成されている。なお、ダンパ挟持部541の開口と、中空部544の開口とで構成された一体的な開口を、中空開口部S2とする。
前方腕部545、及び後方腕部546は、図8及び図9に示すように、閉断面形状の中空部544に対して、前方腕部545と後方腕部546とで開断面形状をなすように形成されている。
前方腕部545は、図2及び図4に示すように、ベアリング取付部51における車両前方側の側壁部512とセンサ取付部515との間におけるベアリング取付部51の上端から、ベアリング取付部51に対して略直交するように車両内側へ向けて延設されている。
この前方腕部545は、正面視において、車両上下方向における厚みが、ベアリング取付部51における車幅方向の厚みよりも厚肉で、かつ中空部544からベアリング取付部51にかけて徐々に薄肉になるように形成されている。
さらに、前方腕部545は、車両前後方向を軸とする軸回りの断面二次モーメントでの剛性が、中空部544側に対してベアリング取付部51側が2.5倍以上、より好ましくは3.0倍以上となるように形成されている。
詳述すると、前方腕部545は、図8に示すように、正面視略中間位置における車両前後方向に沿った断面形状が、車両前後方向に長い断面略矩形で、車両上下方向に所定間隔を隔てて配置された一対のフランジ部分545aと、一対のフランジ部分545aの間に介在する車両上下方向に長い断面略矩形の平板部分545bとで、断面略I型形状に形成されている。
さらに、前方腕部545は、図7から図9に示すように、車両前後方向に沿った断面において、フランジ部分545aにおける車両前後方向の長さが、中空部544からベアリング取付部51にかけて連続的に短くなるように形成されている。
上述したように前方腕部545は、車両上下方向における厚みが中空部544からベアリング取付部51にかけて徐々に薄肉になるとともに、車幅方向におけるベアリング取付部51の肉厚に対して、車両上下方向の肉厚が厚肉に形成されている。
このため、前方腕部545におけるベアリング取付部51の近傍は、その断面積が周辺部分の断面積に比べて小さい、換言すれば周辺部分の剛性に比べて剛性が低い低剛性部分P1(図4参照)をなしている。
この低剛性部分P1は、例えば、160Hz帯域の振動として繰返し荷重が前輪4に加わった際、ナックル50に作用する回転方向の荷重によって撓み変形可能な断面積、及び形状となるように形成されている。
一方、後方腕部546は、図3及び図5に示すように、ベアリング取付部51の上端、及びハブベアリング40の上端位置と略同位置の車両上下方向位置における車両後方側の側壁部512から緩やかに車両内側、かつ車両前方上方へ向けて延設している。
この後方腕部546は、背面視において、中空部544からベアリング取付部51にかけて徐々に細くなるように形成されるとともに、側壁部512を介してタイロッド取付部53に滑らかに連続するように形成されている。
さらに、後方腕部546は、車両前後方向を軸とする軸回りの断面二次モーメントでの剛性が、中空部544側に対してベアリング取付部51側が2.5倍以上、より好ましくは3.0倍以上となるように形成されている。
詳述すると、後方腕部546は、図8に示すように、正面視略中間位置における車両前後方向に沿った断面形状が、車両前後方向に長い断面略矩形で、車両上下方向に所定間隔を隔てて配置された一対のフランジ部分546aと、一対のフランジ部分546aの間に介在する車幅方向に長い断面略矩形の平板部分546bとで、車両前方側が開口した断面略門型形状に形成されている。
そして、上述したように、背面視においてダンパ挟持部541からベアリング取付部51にかけて徐々に細くなるように形成されているため、後方腕部546とベアリング取付部51との境界近傍は、その断面積が周辺部位の断面積に比べて小さい、換言すれば周辺部分の剛性に比べて剛性が低い低剛性部分P2(図5参照)をなしている。
この低剛性部分P2は、例えば、160Hz帯域の振動として繰返し荷重が前輪4に加わった際、ナックル50に作用する回転方向の荷重によって撓み変形可能な断面積、及び形状となるように形成されている。
上述したような構成のダンパ取付部54は、ベアリング取付部51とで車両上下方向、及び車幅方向が開口した腕部開口部S3を構成している。
より詳しくは、腕部開口部S3は、図3に示すように、正面視において、ベアリング取付部51の上端よりも車両上方で、かつベアリング取付部51における車両外側の側面から中空部544に至る車幅方向の範囲を、車両上下方向、及び車幅方向にくり抜いたような開口形状に形成されている。
このため、腕部開口部S3は、ベアリング取付部51における車両外側の側面から中空部544の上面に至る前方腕部545の上端縁、及び後方腕部546の上端縁に沿った仮想表面積が、中空部544の開口面積よりも大きく構成されている。
次に、上述した低剛性部分P1,P2を有するナックル50を備えた懸架装置10において、路面の凹凸などによる車両上下方向の繰返し荷重が前輪4に加わった際のナックル50の動きについて、走行中における左側のナックル50の動きを説明する説明図を示す図10を用いて説明する。
なお、図10中において、図示を明確にするため、前輪4、ダンパ20、ロアアーム30、及びナックル50を線図モデルで図示するとともに、ナックル50を太線で図示している。
さらに、図10中において、低剛性部分P1,P2を低剛性部分Pとして図示している。加えて、図10中の二点鎖線は、静止状態における前輪4、ダンパ20、ロアアーム30、及びナックル50を示している。
上述したストラット式サスペンションの懸架装置10において、車両上下方向の繰返し荷重が前輪4に加わった際、前輪4、及びナックル50には、ハブベアリング40を回転中心Hとして、前輪4とナックル50とを逆方向へ相対回転させる回転方向の荷重が作用することが知られている。
そして、本実施形態のナックル50を備えた懸架装置10において、前輪4に加わった車両上下方向の繰返し荷重による回転方向の荷重がナックル50に作用とすると、ナックル50は、図10に示すように、低剛性部分Pを中心にして、ベアリング取付部51に対してダンパ取付部54が車両上下方向へ屈曲するように撓み変形を開始する。
このため、回転中心Hを中心とした回転方向へのベアリング取付部51の揺動が抑制されるため、ロアアーム30には、ナックル50に作用した回転方向の荷重のうち、車幅方向の荷重成分が作用し難くなる。一方、ロアアーム30に作用する車両上下方向の荷重成分は、車両上下方向へのダンパ20の伸縮、及びロアアーム30の揺動によって車体への伝達が遮断または吸収される。
つまり、低剛性部分Pを中心にしたナックル50の撓み変形によって、ナックル50に作用した回転方向の荷重のうち、車幅方向の荷重成分が、ベアリング取付部51に作用する車両上下方向の荷重に変換され、車両上下方向の荷重成分の車体への伝達が、車両上下方向へのダンパ20の伸縮、及びロアアーム30の揺動によって遮断または吸収されることになる。
この際、ダンパ取付部54を介してダンパ20に作用する車幅方向の荷重成分は、ゴムブッシュの弾性力によってダンパ20が車幅方向へ揺動することで、車体への伝達が遮断または吸収される。
このように、本実施形態のナックル50を備えた懸架装置10は、前輪4に加わった車両上下方向の繰返し荷重の車体への伝達を、低剛性部分Pを中心としたナックル50の撓み変形と、ダンパ20の伸縮及び車幅方向への揺動と、ロアアーム30の揺動とによって遮断または吸収することで、振動として車体へ伝達されることを抑制している。
引き続き、上述したナックル50の製造方法について、図11及び図12を用いて詳しく説明する。
なお、図11は鋳型100の構成要素の断面図を示し、図12は鋳造過程におけるガスの流動を説明する説明図を示している。
本実施形態におけるナックル50の製造方法は、図11に示すように、上方に位置する上主型110と、上主型110が載置される下主型120と、下主型120、及び上主型110の間に介在する1つの中子130とで構成された鋳型100によって、ダンパ挟持部541が下方で、ベアリング取付部51が上方に位置するように横倒させた横倒状態のナックル50を鋳造する方法である。
まず、本実施形態で用いる鋳型100について説明する。
上主型110には、図11及び図12に示すように、横倒状態のナックル50におけるベアリング取付部51の上部、及びダンパ取付腕部542の上部に対応する形状で凹設された凹設部分111と、熔湯が注がれる湯口112と、湯口112から下方へ延びる湯道113とが設けられている。
一方、下主型120には、図11及び図12に示すように、横倒状態のナックル50におけるベアリング取付部51の下部、ダンパ取付腕部542の下部、及びダンパ挟持部541に対応する形状で凹設された凹設部分121と、上主型110の湯道113に対して略直交する方向に延びるとともに、凹設部分121につながる湯道122とが設けられている。
さらに、下主型120には、図11及び図12に示すように、ダンパ挟持部541の車両上方側に、ダンパ挟持部541に対応する凹設部分121から連続するとともに、後述する中子130の第1幅木部134が嵌合する第1幅木嵌合部123が凹設されている。
加えて、下主型120には、図11及び図12に示すように、前方腕部545と後方腕部546との間における車両下方側に、前方腕部545、及び後方腕部546に対応する凹設部分121から連続するとともに、後述する中子130の第2幅木部135が嵌合する第2幅木嵌合部124が凹設されている。
中子130は、砂を樹脂で所望される形状に硬化させたものであって、図11及び図12に示すように、ダンパ挟持部541の筒状開口部S1に対応する形状の筒状開口対応部131と、ダンパ取付腕部542の中空開口部S2に対応する形状の中空開口対応部132と、ダンパ取付腕部542の腕部開口部S3に対応する形状の腕部開口対応部133とで一体形成されている。
なお、腕部開口対応部133は、熱膨張による中子130の位置ズレを防止するため、その上面と上主型110との間に、例えば0.5mm程度の隙間を確保できる形状に形成されている。
さらに、中子130には、図11及び図12に示すように、下主型120の第1幅木嵌合部123に嵌合する第1幅木部134と、下主型120の第2幅木嵌合部124に嵌合する第2幅木部135とが一体形成されている。
第1幅木部134は、ナックル50の車両上方側へ向けて筒状開口対応部131から延設した形状に形成されている。なお、第1幅木部134は、上主型110と下主型120の間において、上主型110の下面と、下主型120の第1幅木嵌合部123とで挟持されるように支持される。
第2幅木部135は、ナックル50の車両下方側へ向けて腕部開口対応部133から延設した形状に形成されている。
次に、上述した構成の鋳型100を用いた鋳造について簡単に説明する。
鋳型100の湯口112に対して熔湯を注ぎこむと、熔湯は、上主型110の湯道113、及び下主型120の湯道122を介して、ダンパ挟持部541に対応する内部空間へ供給される。
横倒状態におけるナックル50の形状に対応する内部空間内に熔湯が隙間なく充填されると、中子130は、熔湯によって加熱されることで、時間経過に伴ってガスを発生するとともに、その形状が崩壊する。
ここで、熔湯によって加熱された中子130で発生したガスの流動について図12を用いて説明する。
まず、中子130の筒状開口対応部131で発生したガスは、図12中の矢印G1のように、中空開口対応部132を介して、中空開口対応部132で発生したガスとともに、腕部開口対応部133へ流動する。
そして、腕部開口対応部133へ流動したガスは、図12中の矢印G2のように、腕部開口対応部133で発生したガスとともに、上主型110へ向けて流動して外部に放出される。
なお、筒状開口対応部131で発生したガスは、図12中の矢印G3のように、ダンパ挟持部541における軸方向の開口から下主型120へ向けて流動することができる。この筒状開口対応部131から下主型120に流動したガスは、図12中の矢印G4のように、腕部開口対応部133を介して上主型110に流動する、あるいは図12中の矢印G5のように、下主型120から直接的に上主型110に流動することで、外部に放出される。
このように本実施形態におけるナックル50の製造方法は、鋳造過程において中子130全体が熔湯で包囲されないため、中子130で発生したガスを上主型110を介して外部へ確実に放出することができる。
そして、所定時間経過後、鋳型100を解体して成形されたナックル50を取り出す。このナックル50には、崩壊した中子130が付着しているため、多方向からのショットブラストによって、付着した中子130を除去する。なお、この際、中子130が除去されたナックル50の表面に対して、連続してショットブラストを行うことで、ナックル50の表面を研磨してもよい。
以上のようにしてナックル50を鋳造する本実施形態におけるナックル50の製造方法は、前輪4から車体への振動伝達を抑制できるナックル50の鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
具体的には、横倒状態のナックル50を、上主型110、下主型120、及び中子130とで鋳造する際、ダンパ挟持部541の筒状開口部S1内で発生したガスは、ダンパ挟持部541における軸方向の両端から下主型120へ流動する、あるいは中空開口部S2へ流動することができる。
そして、筒状開口部S1から下主型120に流動したガスは、下主型120内で発生したガスとともに、前方腕部545、及び後方腕部546で囲われた腕部開口部S3へ流動することができる。
一方、筒状開口部S1から中空開口部S2へ流動したガスは、中空開口部S2内で発生したガスとともに、腕部開口部S3へ流動することができる。
その後、下主型120から腕部開口部S3へ流動したガス、及び中空開口部S2から腕部開口部S3へ流動したガスは、腕部開口部S3内で発生したガスととともに、上主型110へ流動することができる。
この際、腕部開口部S3の開口面積が中空開口部S2の開口面積よりも大きいため、下主型120、及び中空開口部S2から流入したガス、並びに腕部開口部S3内で発生したガスは、腕部開口部S3に滞留することなく、上主型110へ流動することができる。
これにより、ナックル50の製造方法は、鋳型100の内部で生じたガスを効率よく外部に放出できるため、発生したガスによる鋳造欠陥が生じることを防止することができる。
加えて、前方腕部545と後方腕部546とが車両前後方向に離間しているため、ナックル50の製造方法は、例えば、ナックル50に付着した中子130を除去する際に用いるショットブラストのノズルを、前方腕部545、及び後方腕部546の対向面、及び中空開口部S2へ向けて容易に配置することができる。
これにより、例えば、鋳造後、ベアリング取付部51とダンパ挟持部541とを連結する閉断面形状のダンパ取付腕部ら、幅木による開口を介して中子を除去する場合に比べて、ナックル50の製造方法は、前方腕部545、及び後方腕部546の対向面、及び中空開口部S2などに付着した中子130を、ショットブラストなどで容易に除去することができる。
このため、ナックル50の製造方法は、例えば、閉断面形状のダンパ取付腕部から中子を除去する場合に要する時間で、ナックル50に付着した中子130の除去と、ショットブラストによる鋳肌の研磨とを連続して行うことができる。
つまり、ナックル50の製造方法は、良好なガス抜き性と、中子130の除去作業性の向上とを両立することができるため、生産効率の向上を図ることができる。
さらにまた、ダンパ挟持部541とベアリング取付部51とが、閉断面形状の中空部544と、中空部544から延設した前方腕部545、及び後方腕部546とで連結されているため、ナックル50は、ダンパ取付腕部542のダンパ挟持部541側に比べて、ダンパ取付腕部542のベアリング取付部51側を低剛性化することができる。
このため、ナックル50は、回転方向の荷重がナックル50に作用した際、ハブベアリング40の上端よりも車両上方において、ダンパ挟持部541、及びダンパ取付腕部542がベアリング取付部51に対して屈曲するように撓み変形させることができる。
このように、ナックル50の製造方法は、生産効率を向上させても、前輪4から車体への振動伝達を抑制できるナックル50を鋳造することができる。
従って、ナックル50の製造方法は、前輪4から車体への振動伝達を抑制できるナックル50の鋳造と、生産効率の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
また、ベアリング取付部51における車両外側の側面から中空部544に至る範囲が車両上下方向側、及び車幅方向側に開口された腕部開口部S3を、上主型110、及び下主型120で支持された1つの中子130によって鋳造することにより、ナックル50の製造方法は、例えば、ベアリング取付部51における車両内側の側面から中空部544に至る範囲を開口した場合に比べて、腕部開口部S3の開口面積がより大きいナックル50を鋳造することができる。
これにより、ナックル50の製造方法は、より大きい開口面積の腕部開口部S3を介して、鋳型100の内部で生じたガスをより確実に外部へ放出するとともに、ナックル50に付着した中子130の除去作業性をより向上することができる。
加えて、ベアリング取付部51における車両外側の側面から中空部544に至る範囲に腕部開口部S3が形成されるため、前方腕部545、及び後方腕部546は、それぞれベアリング取付部51の上面と連続する形状に形成されることになる。
このような形状の場合、前方腕部545とベアリング取付部51との境界近傍、及び後方腕部546とベアリング取付部51との境界近傍が剛性変化点となり易いため、ナックル50は、ダンパ取付腕部542のベアリング取付部51側をより低剛性化することができる。
つまり、ハブベアリング40により近い位置で、ダンパ挟持部541、及びダンパ取付腕部542を一体的に撓み変形させることができるため、ナックル50は、車幅方向へのベアリング取付部51の揺動をより抑制できる。このように、ナックル50の製造方法は、生産効率を向上させても、前輪4から車体への振動伝達を抑制できるナックル50を鋳造することができる。
従って、ナックル50の製造方法は、より大きな開口面積を有する腕部開口部S3によって、前輪4から車体への振動伝達を抑制できるナックル50の鋳造と、生産効率の向上とを両立したより良好な鋳造性を確保することができる。
また、筒状開口対応部131から延設した第1幅木部134と、腕部開口対応部133から延設した第2幅木部135とを中子130に備え、第1幅木部134、及び第2幅木部135が上主型110、及び下主型120に支持された1つの中子130によって、筒状開口部S1、中空開口部S2、及び腕部開口部S3を一体的に鋳造することにより、ナックル50の製造方法は、ナックル50の鋳造性をより向上することができる。
具体的には、第2幅木部135が、第1幅木部134に対して上下方向、及び水平方向にオフセットしているため、上主型110、及び下主型120は、上下方向、及び水平方向に離間した二ヵ所で中子130を確実に支持することができる。
これにより、ナックル50の製造方法は、上主型110、及び下主型120に対する中子130の位置決めと、中子130の支持剛性とを両立して確保することができる。このため、ナックル50の製造方法は、鋳造過程における中子130の位置ズレを防止でき、より精度良くナックル50を鋳造することができる。
さらに、筒状開口対応部131、及び腕部開口対応部133から第1幅木部134、及び第2幅木部135を延設しているため、ナックル50の製造方法は、第1幅木部134、及び第2幅木部135が、ナックル50の形状に影響することがない。
このため、ナックル50の製造方法は、ナックル50の機械的強度や振動伝達感度を阻害することなく、第1幅木部134、及び第2幅木部135の形状や大きさを設計者が自由に設計することができる。換言すると、ナックル50の製造方法は、ナックル50の設計自由度と、中子130の設計自由度とを両立して確保することができる。
従って、ナックル50の製造方法は、中子130の筒状開口対応部131から延設した第1幅木部134、及び中子130の腕部開口対応部133から延設した第2幅木部135により、ナックル50の鋳造性をより向上することができる。
また、車両上下方向側に所定間隔を隔てた一対のフランジ部分545a,546aと、一対のフランジ部分545a,546aの間に介在する薄肉な平板部分545b,546bとで前方腕部545、及び後方腕部546が構成されているため、ナックル50の製造方法は、設計自由度の高いナックル50の鋳造と、ダンパ取付腕部542における熔湯流動性の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
具体的には、腕部開口部S3によるダンパ取付腕部542の大幅な剛性低下を抑えるために、ナックル50は、前方腕部545、及び後方腕部546における車両前後方向側の肉厚が、閉断面形状のダンパ取付腕部に比べて厚肉になり易い。
このため、ナックル50の製造方法は、前方腕部545、及び後方腕部546に対応する上主型110、及び下主型120と1つの中子130との間に、十分な大きさの湯路を確保することができる。これにより、ナックル50の製造方法は、前方腕部545、及び後方腕部546における熔湯の流動性を向上することができる。
さらに、ナックル50は、フランジ部分545a,546aまたは平板部分545b,546bにおける車両前後方向側の肉厚が全体的、あるいは部分的に調整されることで、ダンパ取付腕部542の剛性を容易に異ならせることができる。
この場合であっても、前方腕部545、及び後方腕部546で構成された大きな開口面積を有する腕部開口部S3を容易に確保できるため、ナックル50の製造方法は、生産効率を維持したまま、設計自由度の高いナックル50を鋳造することができる。
従って、ナックル50の製造方法は、一対のフランジ部分545a,546aと平板部分545b,546bとで構成された前方腕部545、及び後方腕部546により、設計自由度の高いナックル50の鋳造と、ダンパ取付腕部542における熔湯流動性の向上とを両立した良好な鋳造性を確保することができる。
また、ダンパ挟持部541の内部空間である筒状開口部S1と、ダンパ取付腕部542の中空部544における内部空間、及びダンパ挟持部541に形成された開口が連続した中空開口部S2と、前方腕部545、及び後方腕部546で囲われるととともに、中空開口部S2の開口面積よりも大きい開口面積の開口である腕部開口部S3とが一体形成されたことにより、ナックル50は、前輪4から車体への振動伝達の抑制と、生産効率の向上とを両立して確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の車輪は、実施形態の前輪4に対応し、
以下同様に、
ダンパ取付部は、ダンパ挟持部541に対応し、
取付腕部は、ダンパ取付腕部542に対応し、
自動車用ナックルは、ナックル50に対応し、
主型は、上主型110、及び下主型120に対応し、
筒状開口部に対応する部分は、筒状開口対応部131に対応し、
車両上下方向の一方側は、車両上方側に対応し、
腕部開口部に対応する部分は、腕部開口対応部133に対応し、
車両上下方向の他方側は、車両下方側に対応し、
柱状部分は、フランジ部分545a,546aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、ナックル50の側面にハブベアリング40が装着された構成としたが、これに限定せず、ナックルの開口孔にハブベアリングが圧入される構成としてもよい。
また、駆動輪である前輪4を支持する懸架装置10としたが、これに限定せず、駆動輪である後輪を支持する懸架装置、あるいは従動輪である後輪または前輪を支持する懸架装置としてもよい。
また、車両前後方向に沿った断面形状が断面略I型形状の前方腕部545、及び断面略門型形状の後方腕部546としたが、これに限定せず、車両前後方向の長さが異なるフランジ部分と平板部分とで構成された前方腕部、及び後方腕部であれば、適宜の断面形状としてもよい。
また、160Hz帯域の振動として前輪4に加わる繰返し荷重に対して撓み変形可能な低剛性部分P1,P2としたが、これに限定せず、周波数帯域を適宜の特定周波数帯域としてもよい。例えば、車体への振動伝達の抑制が所望される懸架装置において、懸架装置が有するピーク周波数などの適宜の特定周波数帯域としてもよい。
さらに、周辺部位の剛性に比べて低剛性化された低剛性部分P1,P2としたが、これに限定せず、特定周波数帯域の振動として前輪4に加わる繰返し荷重に対して撓み変形可能であれば、周辺部位との形状の相違、断面形状、断面係数、あるいはこれらを組み合わせによって、撓み変形が容易な部分を構成してもよい。
また、前方腕部545におけるベアリング取付部51の近傍を低剛性部分P1としたが、これに限定せず、前方腕部545におけるベアリング取付部51の近傍に比べてベアリング取付部51に近い位置である前方腕部545とベアリング取付部51の境界近傍を低剛性部分P1としてもよい。あるいは前方腕部545の適宜の位置を低剛性部分P1としてもよい。
また、後方腕部546とベアリング取付部51の境界近傍を低剛性部分P2としたが、これに限定せず、後方腕部546とベアリング取付部51の境界近傍に比べてダンパ挟持部541に近い位置である後方腕部546におけるベアリング取付部51の近傍を低剛性部分P2としてもよい。あるいは後方腕部546の適宜の位置を低剛性部分P2としてもよい。
また、車両前方側の低剛性部分P1と、車両後方側の低剛性部分P2とが車両上下方向において、僅かに異なる位置に形成された構成としたが、これに限定せず、車両上下方向の略同位置に低剛性部分P1,P2が形成された構成としてもよい。
また、ダンパ挟持部541が下方で、ベアリング取付部51が上方に位置する横倒状態のナックル50を鋳造可能な鋳型100を用いた製造方法としたが、これに限定せず、ダンパ挟持部541が上方で、ベアリング取付部51が下方に位置する横倒状態、あるいはベアリング取付部51に対してベアリング取付部51が上方または下方に位置する状態のナックル50を鋳造可能な鋳型を用いた製造方法であってもよい。
また、中子130における筒状開口対応部131からナックル50の車両上方側へ延設した第1幅木部134、及び腕部開口対応部133からナックル50の車両下方側へ延設した第2幅木部135としたが、これに限定せず、少なくとも2カ所で中子を支持する構成であれば、筒状開口対応部131からナックル50の車両下方側へ延設した第1幅木部、及び腕部開口対応部133からナックル50の車両上方側へ延設した第2幅木部としてもよい。
4…前輪
20…ダンパ
40…ハブベアリング
50…ナックル
51…ベアリング取付部
110…上主型
120…下主型
130…中子
131…筒状開口対応部
133…腕部開口対応部
134…第1幅木部
135…第2幅木部
541…ダンパ挟持部
542…ダンパ取付腕部
544…中空部
545…前方腕部
545a…フランジ部分
545b…平板部分
546…後方腕部
546a…フランジ部分
546b…平板部分
S1…筒状開口部
S2…中空開口部
S3…腕部開口部

Claims (5)

  1. 自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリングが取付けられるベアリング取付部と、前記車体に上端が支持されたダンパの下端を、前記ベアリング取付部よりも車両上方側、かつ車両内側で把持する略円筒状のダンパ取付部と、前記ベアリング取付部、及びダンパ取付部を連結する取付腕部とを有する自動車用ナックルの製造方法であって、
    前記ダンパ取付部の内部空間である筒状開口部と、
    前記ダンパ取付部の外周面から閉断面形状で延設した前記取付腕部の中空部における内部空間、及び前記ダンパ取付部に形成された開口が連続した中空開口部と、
    前記中空部から前記ベアリング取付部の前部へ延設された前記取付腕部の前方腕部、及び前記中空部から前記ベアリング取付部の後部へ延設された前記取付腕部の後方腕部で囲われるとともに、前記中空開口部の開口面積よりも大きい開口面積の開口である腕部開口部とを、
    主型に支持された1つの中子によって一体的に鋳造する
    自動車用ナックルの製造方法。
  2. 前記ベアリング取付部における車両外側の面から前記中空部に至る範囲が車両上下方向側、及び車幅方向側に開口された前記腕部開口部を、
    前記主型で支持された前記1つの中子によって鋳造する
    請求項1に記載の自動車用ナックルの製造方法。
  3. 前記1つの中子に、
    前記筒状開口部に対応する部分から車両上下方向の一方側へ延設した第1幅木部と、
    前記腕部開口部に対応する部分から車両上下方向の他方側へ延設した第2幅木部とを備え、
    前記筒状開口部、前記中空開口部、及び前記腕部開口部を、
    前記第1幅木部、及び前記第2幅木部が前記主型に支持された前記1つの中子によって一体的に鋳造する
    請求項1または請求項2に記載の自動車用ナックルの製造方法。
  4. 前記前方腕部、及び前記後方腕部が、
    車両前後方向側に所定の厚みを有するとともに、車両上下方向側に所定間隔を隔てて前記ベアリング取付部、及び前記中空部を連結する一対の柱状部分と、
    該一対の柱状部分の間に介在するとともに、前記車両前後方向側の肉厚が前記所定の厚みよりも薄肉な平板部分とで構成された
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の自動車用ナックルの製造方法。
  5. 自動車の車輪を回転自在に支持するハブベアリングが取付けられるベアリング取付部と、
    前記車体に上端が支持されたダンパの下端を、前記ベアリング取付部よりも車両上方側、かつ車両内側で把持する略円筒状のダンパ取付部と、
    前記ベアリング取付部、及びダンパ取付部を連結する取付腕部とを有する鋳物製の自動車用ナックルであって、
    前記取付腕部が、
    前記ダンパ取付部の外周面から閉断面形状で延設した中空部と、
    前記中空部から前記ベアリング取付部の前部へ延設された前方腕部と、
    前記中空部から前記ベアリング取付部の後部へ延設された後方腕部とで一体形成され、
    前記ダンパ取付部の内部空間である筒状開口部と、
    前記取付腕部の中空部における内部空間、及び前記ダンパ取付部に形成された開口が連続した中空開口部と、
    前記前方腕部、及び前記後方腕部で囲われるととともに、前記中空開口部の開口面積よりも大きい開口面積の開口である腕部開口部とが一体形成された
    自動車用ナックル。
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