WO2022054353A1

WO2022054353A1 - 車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法

Info

Publication number: WO2022054353A1
Application number: PCT/JP2021/020769
Authority: WO
Inventors: 泰宏丸山; 和弘寺田
Original assignee: 日立Astemo株式会社
Priority date: 2020-09-10
Filing date: 2021-06-01
Publication date: 2022-03-17
Also published as: US20230226602A1; CN116018221A; JPWO2022054353A1; US12005492B2

Abstract

アルミニウム合金の鋳造品において、剛性を向上させつつより軽量化を図ることが可能な車両用支持構造体を提供することを課題とする。　解決手段として、車両用支持構造体（１）は、車軸を回転可能に軸支する本体部（２）と本体部（２）から延設形成された車両用部品取付部（３）とを備え、車両用部品取付部（３）は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部（４）、第２ボス部（５）および第３ボス部（６）と、第１ボス部（４）と第３ボス部（６）とを連結する第１連結部（７）と、第２ボス部（５）と第３ボス部（６）とを連結する第２連結部（８）とを有する構成であって、アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造品であり、第１連結部（７）および第２連結部（８）はそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成されており、第３ボス部（６）における反本体部側の側部に湯口跡（９）がある。

Description

車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法

　本発明は、車両側に取り付けられて車体を懸架する車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法に関する。

　従来、アーム取付部における２箇所のボス部にそれぞれ形成されたネジ孔にボルトを通して、トレーリングアームを取付固定する構造の車両用支持構造体が知られている（特許文献１：特開２０１０－２４２８２１号公報）。また、車両によってはトレーリングアームを３箇所のボス部で取付固定する車両用支持構造体が提案されている。

特開２０１０－２４２８２１号公報

　車両用支持構造体は、軽量化を図るためにアルミニウムまたはアルミニウム合金にて鋳造することが検討されている。しかし、トレーリングアームなど車両用部品を３箇所のボス部で取付固定する構造は、各ボス部をストレート形状の連結部にて繋ぐと巣が発生してしまうという問題があった。

　本発明は、上記事情に鑑みてなされ、アルミニウムまたはアルミニウム合金にて鋳造し、剛性を向上させつつより軽量化を図ることが可能な車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法を提供することを目的とする。

　一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。

　本発明の車両用支持構造体は、車軸を回転可能に軸支する本体部と前記本体部から延設形成された車両用部品取付部とを備え、前記車両用部品取付部は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部、第２ボス部および第３ボス部と、前記第１ボス部と前記第３ボス部とを連結する第１連結部と、前記第２ボス部と前記第３ボス部とを連結する第２連結部とを有する車両用支持構造体であって、アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造品であり、前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成されており、前記第３ボス部における反本体部側の側部に湯口跡があることを特徴とする。

　この構成によれば、第３ボス部における反本体部側の側部から注湯しており、連結部の中間部を最も肉薄にしているので、巣の発生が防止できて剛性を向上させつつより軽量化を図ることが出来る。

　前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ前記各ボス部に取付けられる車両用部品からの最も大きな負荷がかかる方向となる荷重入力方向に対して垂直となる方向で肉薄になるように漸次傾斜して形成されていることが好ましい。この構成によれば、車両用部品の荷重入力方向に対し垂直となる方向で肉薄になるように連結部を形成し、軽量化を図るとともに荷重入力方向の連結部を厚くしているので、剛性を向上させることが出来る。前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ長手方向に対して垂直となる断面形状がＨ型になっていることが好ましい。この構成によれば、長手方向に対して垂直となる断面形状をＨ型にしているので、より剛性を向上させることが出来る。

　本発明の車両用支持構造体の製造方法は、車軸を回転可能に軸支する本体部と前記本体部から延設形成された車両用部品取付部とを備え、前記車両用部品取付部は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部、第２ボス部および第３ボス部と、前記第１ボス部と前記第３ボス部とを連結する第１連結部と、前記第２ボス部と前記第３ボス部とを連結する第２連結部とを有する車両用支持構造体の製造方法であって、前記第１連結部および前記第２連結部をそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成するように対応させたキャビティと前記第３ボス部における反本体部側の側部に対応させた位置に設けた湯口とを有する成形型に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を、前記本体部を水平状態にして前記湯口が側方位置にて注湯を開始し、その後、前記湯口が上方位置になるように前記成形型を傾斜させながら前記注湯を完了させて鋳造することを特徴とする。

　この構成によれば、連結部の中間部が最も肉薄になるようにキャビティを設け、本体部を水平状態にして第３ボス部における反本体部側の側部に配された湯口から注湯を開始し、その後、当該湯口が上方位置になるように成形型を傾斜させながら注湯を完了させて鋳造するので、巣の発生が防止できる合理的な鋳造になり、必要な剛性を保ちつつより軽量化を図ることが出来る。

　開示の車両用支持構造体によれば、巣の発生が防止できて剛性を向上させつつより軽量化を図ることがアルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造品で出来る。

図１は本発明の実施形態に係る車両用支持構造体の例を示す概略の斜視図である。図２は図１のII－II線断面図である。図３は図１のIII－III線断面図である。図４は図１の車両用支持構造体にトレーリングアームを取付固定した例を示す概略の斜視図である。図５Ａは本実施形態に係る車両用支持構造体の製造方法によって鋳造する際の注湯開始状態の例を示す概略の図であり、図５Ｂは図５Ａの後の注湯完了状態の例を示す概略の図である。

　以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図１は本実施形態の車両用支持構造体１の例を示す概略の斜視図である。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。

　図１に示すように、本実施形態の車両用支持構造体１は、一例として、車両の両端を支持するステアリングナックルである。車両用支持構造体１は、車軸を回転可能に軸支する本体部２と、本体部２から延設形成された車両用部品取付部３とを備える。車両用部品取付部３は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部４、第２ボス部５および第３ボス部６と、第１ボス部４と第３ボス部６とを連結する第１連結部７と、第２ボス部５と第３ボス部６とを連結する第２連結部８とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金にて鋳造しており、第３ボス部６における反本体部側の側部に湯口跡９がある。

　本体部２の中央部には車軸が挿通する軸穴２ａが形成されており、軸穴２ａの周囲にはハブ取り付け用の貫通穴２ｂが所定間隔で複数形成されている。図１の例では４つの貫通穴２ｂが形成されている。また、図１における本体部２の下側にロアアーム連結部１１が形成されており、本体部２の上側にアッパーアーム連結部１２が形成されており、本体部２の斜め上側にキャリパ連結部１３が形成されている。そして、本体部２のキャリパ連結部１３が形成されている側の反対側に車両用部品取付部３が延設形成されている。

　図２は図１のII－II線断面図であり、図３は図１のIII－III線断面図である。図２に示すように、車両用部品取付部３における、第１連結部７および第２連結部８はそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成されている。また、図３に示すように、第２連結部８は短手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成されており、第１連結部７についても同様である。図３の例では、第２連結部８は長手方向の断面形状がＨ型になっており、第１連結部７についても同様である。

　図４は図１の車両用支持構造体１にトレーリングアーム１４を取付固定した例を示す概略の斜視図である。図４における上下方向の矢印および前後方向の矢印は車両用支持構造体１を車両に取付けした際の上下および前後の位置関係を示している。トレーリングアーム１４は、ネジやボルト等の固定部材１５によって３箇所のボス部で取付固定されている。本実施形態によれば、トレーリングアーム１４の荷重入力方向Ｆに対し垂直となる方向で肉薄となるように第１連結部７および第２連結部８を形成し、軽量化を図るとともに荷重入力方向Ｆの連結部を厚くしているので、剛性を向上させることが出来る。尚且つ、第１連結部７および第２連結部８はそれぞれ長手方向に対して垂直となる断面形状をＨ型にしているので、より剛性を向上させることが出来る。なお、図４における荷重入力方向Ｆは車両における前から後方向に向かう矢印で示される。

　本実施形態の製造方法は、第１連結部７および第２連結部８をそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成するように対応させたキャビティと、第３ボス部６における反本体部側の側部に対応させた位置に設けた湯口とを有する成形型に、図５Ａに示すように、本体部が水平となる状態にして、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を湯口が側方位置にて注湯を開始し、その後、図５Ｂに示すように、本体部が垂直となる状態にして、湯口が上方位置になるように当該成形型を傾斜させながら注湯を完了させて鋳造する。この実施例は重力鋳造である。この構成によれば、本体部を水平状態にして第３ボス部における反本体部側の側部に配された湯口から注湯を開始し、その後、湯口が上方位置になるように成形型を傾斜させながら注湯を完了させて鋳造するので、溶湯がキャビティに行き渡って巣の発生が防止できる合理的な鋳造になり、必要な剛性を保ちつつより軽量化を図ることが出来る。なお、湯口は一箇所に限られず、複数箇所に湯口を設ける場合がある。また、上記の重力鋳造に限定されず、既知の鋳造技術が適用できる。

　本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。

Claims

　車軸を回転可能に軸支する本体部と前記本体部から延設形成された車両用部品取付部とを備え、前記車両用部品取付部は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部、第２ボス部および第３ボス部と、前記第１ボス部と前記第３ボス部とを連結する第１連結部と、前記第２ボス部と前記第３ボス部とを連結する第２連結部とを有する車両用支持構造体であって、
　アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造品であり、前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成されており、前記第３ボス部における反本体部側の側部に湯口跡があることを特徴とする車両用支持構造体。
　請求項１記載の車両用支持構造体において、
　前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ前記各ボス部に取付けられる車両用部品の荷重入力方向に対して垂直となる方向で肉薄になるように漸次傾斜して形成されていることを特徴とする車両用支持構造体。
　請求項１または２記載の車両用支持構造体において、
　前記第１連結部および前記第２連結部はそれぞれ長手方向に対して垂直となる断面形状がＨ型になっていることを特徴とする車両用支持構造体。
　車軸を回転可能に軸支する本体部と前記本体部から延設形成された車両用部品取付部とを備え、前記車両用部品取付部は、前記車軸の方向に視て三角配置の第１ボス部、第２ボス部および第３ボス部と、前記第１ボス部と前記第３ボス部とを連結する第１連結部と、前記第２ボス部と前記第３ボス部とを連結する第２連結部とを有する車両用支持構造体の製造方法であって、
　前記第１連結部および前記第２連結部をそれぞれ長手方向の中央部が肉薄になるように漸次傾斜して形成するように対応させたキャビティと前記第３ボス部における反本体部側の側部に対応させた位置に設けた湯口とを有する成形型に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を、前記本体部を水平状態にして前記湯口が側方位置にて注湯を開始し、その後、前記湯口が上方位置になるように前記成形型を傾斜させながら前記注湯を完了させて鋳造することを特徴とする車両用支持構造体の製造方法。