JP6944484B2 - 車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法 - Google Patents

車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法に関する。
車両用支持構造体は、車両側に取り付けられる構造体であり、一例として、ステアリングアクスルの構成部品である。車両用支持構造体には、剛性と、燃費向上等のための軽量化が求められる。
従来、アルミニウム製の車両用支持構造体が知られている（特許文献１：特許第６３９２５９１号公報）。
特許第６３９２５９１号公報
特許文献１に開示されるようなアルミニウム製の車両用支持構造体は、鉄製の車両用支持構造体と同等の剛性を得るために、肉付けをする必要がある。特に、アーム支持部のような荷重が大きく加わる部位は、肉厚に鋳造する必要がある。しかし、一例として、アーム支持部を肉厚に鋳造すると、アーム支持部の周囲に設けられる外部部品の取付部も同様に肉厚になってしまうので、外部部品の取付部の加工代が大きくなって加工工数が増大するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、必要な剛性を確保しつつ、外部部品の取付部の加工代を従来よりも小さくすることが可能な車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法を提供することを目的とする。
一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明の車両用支持構造体は、車両側に取り付けられる本体部と、前記本体部から延設されて車両部品を支持する複数の支持部と、前記支持部と前記本体部とをそれぞれ連結する複数のリブ部とを有し、鋳造にて形成される車両用支持構造体であって、少なくとも前記リブ部の１つに、肉抜き部が鋳抜きによって形成されており、前記肉抜き部に、外部部品の取付部が機械加工によって形成されて前記肉抜き部における側壁の一部と前記取付部における側壁の一部とが連続した開口を有することを特徴とする。
この構成によれば、外部部品の取付部を肉抜き部に形成したことで、必要な剛性を確保しつつ、外部部品の取付部の加工代を必要最小限まで小さくした車両用支持構造体となる。
前記車両用支持構造体はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。この構成によれば、軽量化を図ることができる。
前記肉抜き部が形成されている１つは、前記支持部のうち最も大きなものと前記本体部とを連結していることが好ましい。この構成によれば、最も大きなリブの駄肉が肉抜きされるので、さらなる軽量化を図ることができる。
本発明の車両用支持構造体の製造方法は、車両側に取り付けられる本体部と、前記本体部から延設されて車両部品を支持する複数の支持部と、前記支持部と前記本体部とをそれぞれ連結する複数のリブ部とを有する車両用支持構造体を、湯口と、該湯口よりも上方に揚りを備えた鋳型を用いて重力鋳造法にて形成する車両用支持構造体の製造方法であって、少なくとも前記リブ部のうち前記湯口から離れた１つにおける前記揚り部側に、肉抜き部を鋳抜きによって形成することを特徴とする。
この構成によれば、リブ部の１つにおける揚り部側に肉抜き部を鋳抜きによって形成するので、必要な剛性を確保しつつ、駄肉が肉抜き部で削減されて鋳造速度が速められる。その結果、鋳巣を防止できるので、鋳造品質の向上を図ることができる。
前記肉抜き部に、外部部品の取付部を機械加工によって形成することが好ましい。この構成によれば、外部部品の取付部を機械加工する際の加工代を必要最小限まで小さくすることができる。
開示の構成によれば、必要な剛性を確保しつつ、外部部品の取付部の加工代を必要最小限まで小さくした車両用支持構造体となる。さらに、駄肉が肉抜き部で削減されることで鋳巣を防止できて鋳造品質の向上を図ることができる。
図１は本発明の実施形態に係る車両用支持構造体の例を示す概略の斜視図である。 図２は図１の概略の側面図である。 図３は図１に外部部品を配設した状態の例を示す概略の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図１は本実施形態の車両用支持構造体１の例を示す概略の斜視図であり、図２は図１の概略の側面図である。なお、説明の便宜上、各図において矢印方向で車両用支持構造体１および本体部２の前後方向および上下方向を示す。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図１と図２に示すように、本実施形態の車両用支持構造体１は、一例として、ステアリングナックルである。車両用支持構造体１は、車両側に取り付けられる本体部２と、本体部２から延設された側面部２ｃに車両部品を支持する複数の支持部３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄと、これらの支持部と本体部２とをそれぞれ連結する複数のリブ部４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄとを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造にて形成される。
一例として、本体部２の上部に、アッパーアームを挿通してボルト等の締結部品で締結する構造の支持部３ｄを有する。一例として、支持部３ａおよび支持部３ｂはキャリパ取付部であり、支持部３ｃはリア側のラテラルリンク取付部である。
本実施形態は、支持部３ｄと本体部２とを連結するリブ部４ｄにおける破線で囲んだ箇所に、肉抜き部５が形成される。肉抜き部５は鋳抜きによって形成されており、鋳肌面５ａを有している。肉抜き部５には、外部部品の取付部６が機械加工によって形成されている。
図１の例では、支持部３ｄは各支持部のうち幅が大きく設定されており、リブ部４ｄは、鋳造する際に本体部２に向けて繋がる構造であるため、必要以上に肉が付いている。そこに肉抜き部５を形成することで、駄肉を容易に抜くことができる。
続いて、本実施形態の車両用支持構造体１の製造方法について、以下に説明する。
鋳型は、一例として、側面部２ｃに湯口２ａを設けるとともに、本体部２の上側に揚り２ｂを設けて、溶融金属を湯口２ａから鋳型に流し込み、揚り２ｂが上になるようにして重力鋳造法にて形成する。また、リブ部４ｄにおける揚り２ｂ側に、肉抜き部５を鋳抜きによって形成する。これにより、アンダーカット処理が不要な逃げ形状となり、容易に鋳造ができる。また、必要な剛性を確保しつつ、湯口２ａから離れたリブ部４ｄの揚り２ｂ側の駄肉が肉抜き部５で削減されて鋳造速度が速められる。その結果、鋳巣を防止できるので、鋳造品質の向上を図ることができる。
鋳造後、切削加工や研削加工等の機械加工によって外部部品の取付部６を肉抜き部５に形成する。これにより、外部部品の取付部６を機械加工する際の加工代を必要最小限まで小さくすることができる。図３は、外部部品７としてブレーキホースブラケットを配設した状態の例を示す概略の斜視図である。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
１ 車両用支持構造体（ステアリングナックル）
２ 本体部、２ａ 湯口、２ｂ 揚り、２ｃ 側面部
３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ 支持部
４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ リブ部
５ 肉抜き部、５ａ 鋳放し面
６ 外部部品の取付部
７ 外部部品

Claims (5)

  1. 車両側に取り付けられる本体部と、前記本体部から延設されて車両部品を支持する複数の支持部と、前記支持部と前記本体部とをそれぞれ連結する複数のリブ部とを有し、鋳造にて形成される車両用支持構造体であって、
    少なくとも前記リブ部の１つに、肉抜き部が鋳抜きによって形成されており、
    前記肉抜き部に、外部部品の取付部が機械加工によって形成されて前記肉抜き部における側壁の一部と前記取付部における側壁の一部とが連続した開口を有すること
    を特徴とする車両用支持構造体。
  2. 請求項１記載の車両用支持構造体において、
    アルミニウムまたはアルミニウム合金からなること
    を特徴とする車両用支持構造体。
  3. 請求項１または２記載の車両用支持構造体において、
    前記肉抜き部が形成されている１つは、前記支持部のうち最も大きなものと前記本体部とを連結していること
    を特徴とする車両用支持構造体。
  4. 車両側に取り付けられる本体部と、前記本体部から延設されて車両部品を支持する複数の支持部と、前記支持部と前記本体部とをそれぞれ連結する複数のリブ部とを有する車両用支持構造体を、湯口と、該湯口よりも上方に揚りを備えた鋳型を用いて重力鋳造法にて形成する車両用支持構造体の製造方法であって、
    少なくとも前記リブ部のうち前記湯口から離れた１つにおける前記揚り部側に、肉抜き部を鋳抜きによって形成すること
    を特徴とする車両用支持構造体の製造方法。
  5. 請求項４記載の車両用支持構造体の製造方法において、
    前記肉抜き部に、外部部品の取付部を機械加工によって形成すること
    を特徴とする車両用支持構造体の製造方法。
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