JP2017081427A - ステアリングナックル - Google Patents

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早川 圭介
Keisuke Hayakawa
圭介 早川
森田 英文
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英文 森田
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Abstract

【課題】ステアリングナックルにおいて、回転センサ取付部や回転センサの外周部からの突出を抑えうる技術を提供する。
【解決手段】ステアリングナックルにおいて、本体部11は、車輪支持孔12が設けられる支持部34と、支持部34の縁に沿って延在して支持部34より厚肉に形成される縦壁部と、を含む。本体部11における、縦壁部の稜線30aより車輪支持孔12側の領域に、回転センサ44または回転センサ44のワイヤハーネス62を取り付けるための締結孔が設けられる。締結孔は車輪支持孔12の穿設方向に沿って穿設される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に設けられるステアリングナックルに関する。
車両には車輪と車体に介在する部材として、例えば特許文献1に記載のようなステアリングナックルが設けられる。ステアリングナックルは、ハブベアリングを介して車輪を回転可能に支持すると共に、路面からの入力をショックアブソーバやサスペンションアーム等の被連結部材に伝達する部材である。ステアリングナックルは、鍛造あるいは鋳造によって製造される。このようなステアリングナックルには、車両の小型化のために、強度性能や剛性を維持しながら小型化や省スペース化に資する要請がある。
特開2014−141128号公報
ところで、特許文献1のステアリングナックルは、支持部に車輪のスリップを検出するABSセンサを取り付けるためのABSセンサ取付部が、本体部の外周部に形成されている。このABSセンサ取付部には、センサ取付孔が形成されており、センサ取付ボルトをセンサ取付孔に挿通してABSセンサを取り付けるように構成されている。
特許文献1のステアリングナックルのように、ABSセンサなどの回転センサ取付部がステアリングナックルから外向きに設けられている場合、その取付部や回転センサがステアリングナックルから外向きに突出して一定の空間を占めるから省スペース化が制限される懸念がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的は、ステアリングナックルにおいて、回転センサ取付部や回転センサの外周部からの突出を抑えうる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のステアリングナックルは、車輪支持孔が設けられる支持部と、前記支持部の縁に沿って延在して前記支持部より厚肉に形成される縦壁部と、を含む本体部を備える。前記本体部における、縦壁部の稜線より前記車輪支持孔側の領域に、回転センサまたは回転センサのワイヤハーネスを取り付けるための締結孔が設けられ、前記締結孔は前記車輪支持孔の穿設方向に沿って穿設される。
この態様によると、締結孔が縦壁部の稜線より車輪支持孔側の領域に設けられるから、縦壁部の内側の空間が有効利用され、ステアリングナックルの外周部からの突出を抑えることができる。
本発明によれば、ステアリングナックルにおいて、回転センサ取付部や回転センサの外周部からの突出を抑えて省スペース化に有利な技術を提供することができる。
実施形態のステアリングナックルを説明するための図である。 実施形態のステアリングナックルの部分拡大図である。 比較例のステアリングナックルの部分拡大図である。 別の比較例のステアリングナックルを説明するための図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施例のステアリングナックル10を説明するための図である。図1(a)は車両前方側から視たステアリングナックル10の正面図であり、図1(b)は車幅方向において内側の車体側から視たステアリングナックル10の側面図である。なお、以下の説明ではステアリングナックル10を車両に取り付けた状態での車両前後方向、車幅内外方向、上下方向および水平方向を、ステアリングナックル10の方向として説明する。車幅内外方向は、車両前後方向および上下方向に直交する方向である。なお、車両前後方向を単に前後方向と表記することがある。
ステアリングナックル10は、ダブルウィッシュボーン形式のサスペンション装置に設けられ、車輪を回転可能に支持する車輪支持体と、車体に連結する各アームと、を連結する。ステアリングナックル10は、本体部11、リンク接続部18、首部22、アッパーアーム接続部24、キャリパ接続部14、およびロアアーム接続部16を備える。ステアリングナックル10は、例えばアルミニウム合金などの金属材料から鍛造または鋳造によって形成することができる。
本体部11は、車輪支持体が取り付けられる車輪支持孔12を有する支持部34と、支持部34の回りの少なくとも一部を囲むように設けられる縦壁部36と、を含む。特に、縦壁部36は、支持部34の縁に沿って延在して支持部34より厚肉に形成され、リブと称されることがある。以下、縦壁部36から車輪支持孔12に近づく方向を本体部11の内側方向と、遠ざかる方向を本体部11の外側方向と表記することがある。
リンク接続部18は、図1(b)に示すように本体部11から車両前方側にアーム状に延出して形成され、車体側に連結されるリンク部材の一端が取り付けられる。首部22は、本体部11から上方に延出し、アッパーアーム接続部24を支持する。
キャリパ接続部14は、ブレーキキャリパを取り付けるため、本体部11の車両後方側の側部に上側と下側の2カ所に設けられる。ロアアーム接続部16は、本体部11の車輪支持孔12より下方に設けられ、車体側に連結されるロアアームの一端が取り付けられる。
支持部34は、車幅方向に略直交する延在面を有する部分で、その中央付近に車輪支持孔12と、車輪支持孔12を囲む複数(例えば4つ)の締結孔20と、が穿設される。車輪支持孔12と締結孔20とは車幅方向に貫通して、車輪支持孔12には例えばハブベアリングである車輪支持体が挿入され、締結孔20には車輪支持体を締結するためのボルトが結合される。
縦壁部36は、支持部34の前方側に設けられる第1縦壁部30と、支持部34の後方側に設けられる第2縦壁部32と、を含む。第1縦壁部30と第2縦壁部32とは支持部34の周縁の少なくとも一部を囲むように設けられる。支持部34は、第1縦壁部30と第2縦壁部32とに前後方向に挟まれた領域に車幅方向に窪む部分を含む。
図2(a)は、車両前方から視たステアリングナックル10の部分拡大図で、図2(b)は車幅方向にて内側の車体側から視たステアリングナックル10の部分拡大図である。本体部11には、センサ締結孔40、ホース締結孔50、回り止め孔42、および回り止め孔52が形成される。センサ締結孔40と回り止め孔42は後述する第1縦壁部30の張出部38に設けられる。センサ締結孔40には、回転センサ44または回転センサ44に繋がるワイヤハーネス62を保持するセンサ取付具46がボルト46bによって締結される。回転センサ44は、例えば車輪のロックを検出するABSセンサであってもよい。回り止め孔42にはセンサ取付具46に設けられた突起が嵌め込まれて、センサ取付具46の回転を制限する。センサ取付具46は、例えば樹脂製の部材で、回転センサ44またはワイヤハーネス62を保持する保持部46aと、回り止め孔42に嵌まる突起と、センサ締結孔40に螺合するボルト46b用のボルト孔46cと、を有する。
ホース締結孔50と回り止め孔52とは、縦壁部36の車輪支持孔12の上側に設けられる。ホース締結孔50にはブレーキキャリパに油圧を伝達するブレーキホース54を固定するためのホース取付具56が締結される。回り止め孔52にはホース取付具56に設けられた突起が嵌め込まれて、ホース取付具56の回転を制限する。ホース取付具56は、例えば樹脂製の部材で、ブレーキホース54を保持する部分56aと、回り止め孔52に嵌まる突起と、ホース締結孔50に螺合するボルト56b用のボルト孔56cと、を有する。
ここで、センサ締結孔40を説明する前に、比較例であるステアリングナックル200について説明する。図3(a)は車両前方から視たステアリングナックル200の部分拡大図で、図3(b)は車幅方向にて内側の車体側から視たステアリングナックル200の部分拡大図である。
ステアリングナックル200は、実施形態のステアリングナックル10に対して、回転センサ44のワイヤハーネス62などを取り付けるためのセンサ取付具46が締結されるセンサ締結孔240の位置とその周辺の形状が異なり、その他の構成は同様であるから、重複する説明を省き主に相違点について説明する。
ステアリングナックル200では、第1縦壁部30の前方外周部から隆起する隆起部238が設けられる。隆起部238の前方側には、機械加工により平坦に形成された座面238aが設けられる。座面238aにはセンサ取付具46が締結されるセンサ締結孔240と回り止め孔242とが穿設される。センサ締結孔240と回転止め孔242とは車両前後方向に沿って形成され、車輪支持孔12の穿設方向に対して略直角な方向に延在する。
ステアリングナックル200の前方外周部は、ステアリングナックル200が鍛造で形成される際のパーティングライン248が上下方向の筋状に突出しており、平坦な座面238aを形成するために機械加工が必要になる。また、隆起部238がステアリングナックル200から前向きに突出しているため、省スペース化の障害となる。また、センサ取付具46の締結作業は車両前方側からの締結作業になり、ホース取付具56の締結の方向と異なるから、製造工程での作業の手間が余計にかかる。さらに、センサ締結孔240と回り止め孔242の穿設方向は、車輪支持孔12の穿設方向と異なるから、これらの孔を加工する工程においてステアリングナックル200の姿勢を変更するなどの余計な手間がかかる。
次に、別の比較例であるステアリングナックル300について説明する。ステアリングナックル300は、ステアリングナックル10に対してセンサ締結孔340の位置とその周辺の形状が異なり、その他の構成は同様であるから、重複する説明を省き主に相違点について説明する。図4(a)は、車体の前方から視たステアリングナックル300と車輪310の関係を模式的に示す模式図であり、車輪310の一部を破断して示している。図4(b)は、ステアリングナックル300の車幅方向で内側から視た部分拡大図である。
ステアリングナックル300では、本体部11の首部22に近い領域Mに車幅方向で内側に隆起する隆起部338が設けられ、隆起部338の端面338aに略車幅方向に延在するセンサ締結孔340と回り止め孔342とが穿設されている。図4(b)で示すように、隆起部338は第1縦壁部30の稜線30aを跨いで形成されており、センサ締結孔340と回り止め孔342は稜線30aの延長線上に位置している。
車輪310の路面側301aから、例えば車幅方向にて外向き荷重Ftが入力されると、アッパーアーム接続部24とロアアーム接続部16とがそれぞれ車体からアームを介して支持されているから、アッパーアーム接続部24には外向きの反力Fuが、ロアアーム接続部16には内向きの反力Fdが入力される。この結果、本体部11の首部22に近い領域Mには捻れるような大きな曲げモーメントが働く。
大きな曲げモーメントが働く領域に、応力が集中しやすい断面急変部を含む隆起部338が設けられると、その部分で応力集中係数が高くなり強度性能が低下する恐れがある。また、第1縦壁部30の稜線30aの延長線上にセンサ締結孔340と回り止め孔342とが位置する場合、これらの孔の周辺には特に応力が集中してこの部分での強度性能が一層低下する恐れがある。
以上の比較例の考察を踏まえて、実施形態のステアリングナックル10の説明に戻る。ステアリングナックル10は、車輪支持孔12が設けられる支持部34と、支持部34の縁に沿って延在して支持部34より厚肉に形成される第1縦壁部30および第2縦壁部32と、を含む本体部11を備える。本体部11における、第1縦壁部30の稜線より車輪支持孔12側の領域に、回転センサ44または回転センサ44のワイヤハーネス62を取り付けるためのセンサ締結孔40が設けられ、センサ締結孔40は車輪支持孔12の穿設方向に沿って穿設される。なお縦壁部の稜線とは、縦壁部の延在方向に直角な断面における最も高い点(図2では、縦壁部36の車幅方向で最も内側の点)を結んだ線をいう。
特に、本体部11には、第1縦壁部30から第2縦壁部32側に張出した張出部38が設けられ、センサ締結孔40と回り止め孔42とは張出部38に設けられる。張出部38は第1縦壁部30の稜線より車輪支持孔12側の領域に形成される。センサ締結孔40、ホース締結孔50、回り止め孔42、および回り止め孔52は、それぞれ車輪支持孔12の穿設方向である車幅方向に穿設される。
次に、このように構成されたステアリングナックル10の特徴を説明する。ステアリングナックル10は、センサ締結孔40や回り止め孔42が、本体部11における、第1縦壁部30の稜線より車輪支持孔12側の領域に設けられるから、縦壁部36の内側の空間が有効に利用され、ステアリングナックル10の外周部からの突出を抑えることができ、省スペース化に有利である。また、センサ締結孔40は第1縦壁部30の稜線を避けて形成されるから、縦壁部の稜線上の隆起部に形成される場合に比べて、縦壁部への応力集中を緩和しうる。
また、センサ締結孔40と回り止め孔42とが、縦壁部36より車輪支持孔12に近い側の比較的平坦な領域に設けられるから、これらの孔は非加工面である鋳肌面または鍛造面に形成することが可能で、この場合、加工面を加工する手間を省くことができる。
また、センサ取付具46の締結作業は車両側方側からの締結作業になり、後述するホース取付具56の締結の方向と同じになるから、製造工程での姿勢変更作業の手間を省きうる。さらに、センサ締結孔40と回り止め孔42の穿設方向は、車輪支持孔12の穿設方向と同じであるから、これらの孔を加工する製造工程での姿勢変更作業の手間を省きうる。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
10 ステアリングナックル、 11 本体部、 12 車輪支持孔、
20 締結孔、 30 第1縦壁部、 32 第2縦壁部、
34 支持部、 36 縦壁部、 38 張出部、
40 センサ締結孔、 42 回り止め孔、 44 回転センサ、
46 センサ取付具、 62 ワイヤハーネス。

Claims (1)

  1. 車輪支持孔が設けられる支持部と、前記支持部の縁に沿って延在して前記支持部より厚肉に形成される縦壁部と、を含む本体部を備え、
    前記本体部における、縦壁部の稜線より前記車輪支持孔側の領域に、回転センサまたは回転センサのワイヤハーネスを取り付けるための締結孔が設けられ、
    前記締結孔は前記車輪支持孔の穿設方向に沿って穿設されることを特徴とするステアリングナックル。
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JP2020164043A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日信工業株式会社 車両用支持構造体および車両用支持構造体の製造方法

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