JP2017216891A - ビールらしい香りと飲み応えを備えた未発酵のビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビールらしい香りと飲み応えを備えた未発酵ビールテイスト飲料とその製造方法の提供。【解決手段】 本発明によれば、未発酵のビールテイスト飲料であって、酢酸エチルを1〜15mg/Lの濃度範囲で含有するか、および/または、酢酸イソアミルを0.5〜10mg/Lの濃度範囲で含有し、かつ、苦味成分を含有する、未発酵のビールテイスト飲料が提供される。本発明によればまた、未発酵のビールテイスト飲料の製造方法であって、該飲料中の酢酸エチルの含有量が1〜15mg/Lの範囲内に調整されるか、および/または、該飲料中の酢酸イソアミルの含有量が0.5〜10mg/Lの範囲内に調整されるように原材料を調合し、かつ、苦味成分を添加することを含んでなる、製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールらしい香りと飲み応えを備えた未発酵のビールテイスト飲料およびその製造方法に関する。
ビールテイストアルコール飲料の分野では麦芽使用量が少ないかあるいは麦芽を使用していない場合であってもビール特有の味わいや香りが感じられるように様々な技術が開発されてきた(例えば、特許文献1)。また、ビールテイストノンアルコール飲料の分野でもノンアルコール飲料でありながらビール特有の味わいや香りが感じられるように様々な技術が開発されてきた(例えば、特許文献2)。
いずれの飲料でも原材料の仕込み(糖化、酵素分解、煮沸など)がビール特有の味わいや香り付けに重要と考えられてきてきた。このため市販されているビールテイスト飲料はアルコール飲料・ノンアルコール飲料を問わず、原材料の仕込みを行って製造されているのが現状である。
特開2013−135662号公報 特開2015−112088号公報
原材料の仕込みを経ずに調合のみでビールテイスト飲料を製造できれば大幅な製造工程の省略が可能になる。しかし、調合による製造では仕込み工程や発酵工程がないため、原材料に由来するビールらしい香りや飲み応えをビールテイスト飲料に付与することが困難になる。
また本発明者らは、穀物原料を使用した非発酵ビールテイスト飲料に食物繊維を配合することでビールらしい飲み応えが確保できるが、穀物原料を使用しない非発酵ビールテイスト飲料では食物繊維を配合してもビールらしい飲み応えが得られず、ビールテイスト飲料としてのバランスも十分ではないことを確認した(後記参考例1参照)。
すなわち、本発明はビールらしい飲み応えとビールらしい香りを備えた未発酵ビールテイスト飲料とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは今般、苦味成分に特定のエステル成分を併用することで、原材料の仕込みを行わず、原材料の調合のみによりビールらしい香りや飲み応えを有するビールテイスト飲料を製造できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]未発酵のビールテイスト飲料であって、酢酸エチルを1〜15mg/Lの濃度範囲で含有するか、および/または、酢酸イソアミルを0.5〜10mg/Lの濃度範囲で含有し、かつ、苦味成分を含有する、未発酵のビールテイスト飲料。
[2]原材料として、酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミル、苦味成分、他の飲料用添加剤並びに液体原料を含んでなる、上記[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]苦味成分がホップ由来成分、カッシャ抽出物、キナ皮抽出物、コウチャポリフェノール、ナリンジン、ダンデライオン、センブリ、ガラナ、ユズポリフェノールおよびクロロゲン酸から選択される1種または2種以上である、上記[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]飲料中の糖質濃度が0.5g/100mL未満である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]原材料の仕込み液を含まない、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]原材料が非穀物原料または非麦原料である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオール濃度が50ng/L未満である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]ビールテイストノンアルコール飲料である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[9]ビールテイストアルコール飲料である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[10]アルコール含有量が1v/v%〜9v/v%である、上記[9]に記載のビールテイスト飲料。
[11]未発酵のビールテイスト飲料の製造方法であって、該飲料中の酢酸エチルの含有量が1〜15mg/Lの範囲内に調整されるか、および/または、該飲料中の酢酸イソアミルの含有量が0.5〜10mg/Lの範囲内に調整されるように原材料を調合し、かつ、苦味成分を添加することを含んでなる、製造方法。
[12]原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイスト飲料にビールらしい香りと飲み応えを付与する方法であって、該飲料中の酢酸エチルの含有量を1〜15mg/Lの範囲内に調整し、および/または、該飲料中の酢酸イソアミルの含有量を0.5〜10mg/Lの範囲内に調整し、かつ、該飲料に苦味成分を添加することを含んでなる、方法。
本発明によれば、原材料の仕込みを行わず、原材料の調合のみによりビールらしい香りや飲み応えを有するビールテイスト飲料を製造できる。本発明では原材料の仕込みが不要のため製造工程や製造設備の簡略化が可能になる。従って、本発明によれば製造コストの削減や製造期間の短縮を図ることができる点で有利である。
発明の具体的説明
定義
本発明において「未発酵のビールテイスト飲料」とは、未発酵でありながらビール様の風味を持つ飲料をいい、アルコール飲料とノンアルコール飲料を含む。ここで「ビール様の風味」とは、通常のビールを製造した場合に得られるビール特有の味わいや飲み応えを意味する。
本発明において「未発酵のビールテイストアルコール飲料」とは、酵母による発酵工程を経ずに製造された、ビール様の風味を持つアルコール飲料をいう。
本発明において「未発酵のビールテイストノンアルコール飲料」とは、未発酵のため発酵に由来するアルコール成分を含まない、ビール様の風味を持つ飲料を意味する。ここで、「ノンアルコール飲料」とは、アルコールが全く含まれない、すなわち、エタノール濃度が0.00v/v%である飲料を意味し、「完全無アルコール飲料」と同義である。
飲料
本発明の飲料は原材料の調合液ないし混合液から構成される飲料である。本発明の飲料の原材料としては、苦味成分および特定のエステル成分並びに他の飲料用添加剤および液体原料が挙げられる。液体原料以外の原材料は調合ないし混合の便宜のため水溶性のものが好ましい。
一般的なビールの製造においては、麦芽を仕込み工程に供して得られた仕込み液(麦汁)が発酵工程に供するための発酵前液として使用される。ビールテイストアルコール飲料やビールテイストノンアルコール飲料の製造においても、ビールらしい味わいや香りを実現するために、一般的には、穀物原料を含む原材料を仕込み工程に対応する工程に供して得られた仕込み液が使用される。しかしながら、本発明によれば、このような仕込み液を使用せず原材料の調合によりビールテイスト飲料においてビールらしい味わいや香りを実現することができる。すなわち、本発明の飲料は原材料の非煮沸調合液ないし非煮沸混合液から構成される飲料である。
本発明において使用される苦味成分としては、例えば、ホップ由来成分、カッシャ抽出物、キナ皮抽出物、コウチャポリフェノール、ナリンジン、ダンデライオン、センブリ、ガラナ、ユズポリフェノールおよびクロロゲン酸が挙げられる。苦味成分は、好ましくは、ホップ由来成分、カッシャ抽出物、キナ皮抽出物、コウチャポリフェノール、ナリンジンおよびダンデライオンからなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくは、苦味成分が少なくともホップ由来成分、カッシャ抽出物またはキナ皮抽出物を含むものである。ホップ由来成分としてはホップエキス、ペレットホップおよび毬花状ホップが挙げられ、好ましくはホップエキスである。カッシャ抽出物としてはクワシン、ニガキラクトンおよびニガキヘミアセタールが挙げられ、好ましくはクワシンである。キナ皮抽出物としてはキニーネ、キニジンが挙げられ、好ましくはキニーネである。
本発明において使用される苦味成分は、市販されているものを入手しても、公知の方法に従って調製してもよいが、苦味成分を含有する他の原材料(例えば、苦味成分を抽出したエキスや苦味成分を含有する香料)を使用することもできる。
本発明の飲料中の苦味成分の含有量はビールらしい飲み応えが付与される限り特に限定されるものではないが、例示をすれば、ホップエキスの場合には5〜25BU(好ましくは、10〜20BU)に、カッシャ抽出物の場合にはクワッシャ含量として0.05〜50mg/L(好ましくは、0.5〜5mg/L)に、キナ皮抽出物の場合にはキニーネ含量として0.05〜50mg/L(好ましくは、0.5〜5mg/L)にそれぞれ調整することができる。なお、苦味価(BU)はASBC(American Society of Brewing Chemists)公定法により測定されるものであり、具体的には次の方法により算出されるものである。すなわち、対象飲料10mlに1mlの3N塩酸を加え、さらに20mlのイソオクタンを加えて振とうし、得られた溶液を静置し、水溶層とイソクタン有機溶媒層の2層に分離させ、イソオクタン有機溶媒層から10mlを採取し、次に、イソオクタン有機溶媒層における275nmの吸光度を測定し、これに50を乗じたものを苦味価とする。
本発明において使用されるエステル成分は、酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミルである。これらのエステル成分は、市販されているものを入手しても、公知の方法に従って調製してもよいが、エステル成分を含有する他の原材料(例えば、酢酸エチルまたは酢酸イソアミルを含有する香料)を使用することもできる。
本発明の飲料中の酢酸エチルの含有量は1〜15mg/Lの範囲に調整することができ、好ましくは5〜15mg/Lの範囲である。本発明の飲料中の酢酸イソアミルの含有量は0.5〜10mg/Lの範囲に調整することができ、好ましくは2〜10mg/Lの範囲である。本発明の飲料中の酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの含有量は公知のガスクロマトグラフィー法により測定することができる。
本発明の別の面によれば本発明の飲料は原材料の仕込み液を含まないものであり、典型的な態様では穀物原料やホップの仕込み液を含まないものである。従って、本発明によれば、原材料の仕込み液(典型的には、穀物原料および/またはホップの仕込み液)を含まない未発酵のビールテイスト飲料であって、原材料として苦味成分および特定のエステル成分を含んでなり、エステル成分が酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミルである、未発酵のビールテイスト飲料が提供される。ここで、「穀物原料」としては、例えば、麦芽、大麦、小麦、米、トウモロコシ、大豆タンパク、大豆ペプチド、エンドウタンパク等が挙げられる。なお、上述のように、本発明の飲料は典型的には穀物原料やホップの仕込み液を含まないものであることから、ホップを原材料として実質的に含まないものとすることができるが、仕込みが不要なホップエキスは本発明の飲料の原材料として使用することができる。
本発明において「原材料の仕込み液」とは、原材料を、一般的なビールの製造において行われる仕込み工程に対応する工程の一部または全部に供した処理物をいう。ここで「仕込み工程」とは、ビール製造において発酵前液を調製する工程であり、一般的には、麦芽粉砕物と水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得る工程、得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸する工程、煮沸した麦汁を冷却する工程等が含まれる。したがって、ビールテイスト飲料の製造において行われる「仕込み工程に対応する工程」は、例えば、少なくとも穀物原料を含む原材料の混合物を糖化あるいは酵素処理し、濾過して、糖液を得る工程、得られた糖液にホップを添加した後、煮沸する工程、煮沸した糖液を冷却する工程等を含むものであるといえる。よって、本発明において「原材料の仕込み液」は、原材料の混合物を糖化および/または酵素処理し、濾過したものをホップの存在下または非存在下で煮沸して得られたものや、原材料の混合物をホップの存在下または非存在下で煮沸して得られたものを含む意味で用いられる。なお、アミノ酸等のタンパク分解物と糖とを混合し加熱することによって得ることができるメイラード反応物およびその調製物は本発明でいう原材料の仕込み液には含まれない。
本発明の飲料は原材料の仕込み液を含まないものであるところ、このような飲料は仕込み(特には、煮沸)により生じる成分を実質的に含まない。原材料の仕込みにより生ずる成分としては、例えば、3−メチル−2−ブテン−1−チオールが挙げられる。従って、本発明の飲料は3−メチル−2−ブテン−1−チオールを実質的に含まない飲料とすることができるが、3−メチル−2−ブテン−1−チオールは香料等の原材料に微量に含まれることがあるため、本発明による飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオール濃度は、例えば、50ng/L未満、好ましくは35ng/L未満、より好ましくは4ng/L未満とすることができる。
本発明の飲料を構成する液体原料としては、水(例えば、ミネラルウォーター等の飲用水)、炭酸水が挙げられる。ここで「炭酸水」とは、飲用に適した水に二酸化炭素を圧入したもの、すなわち、炭酸ガスを含む飲用水を意味する。液体原料として水などの非炭酸水を用いた場合には後述するように炭酸ガス添加工程により炭酸ガスを付与してもよい。また液体原料として炭酸水を用いた場合でも炭酸ガス添加工程により炭酸ガスを付与し、炭酸感がより強い飲料とすることもできる。
炭酸飲料における炭酸ガス圧は、20℃において測定した場合、例えば、0.18〜0.30MPa、好ましくは、0.20〜0.27MPaとすることができる。炭酸ガス圧は、例えば、国税庁所定の分析法に基づく、ビールのガス圧分析法によって測定できる(例えば、国税庁webページ:http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sonota/070622/01.htmを参照)。具体的には、穿孔圧力計が使用できる容器に入った検体について、検体を時々振りながら20℃の水槽に30分間保った後、穿孔圧力計を取り付け、針を突き刺し軽く振って圧力を読むことにより測定することができる。また、市販の機械式炭酸ガス圧測定器を用いて測定することもできる。例えば、ガスボリューム測定装置(GVA−500、京都電子工業株式会社製)を用いてもよい。
本発明の飲料は原材料として苦味成分および特定のエステル成分以外の他の飲料用添加剤を含有することができる。他の飲料用添加剤は、食品として許容可能な飲料用添加剤を用いることができ、好ましくはビールテイスト飲料の配合成分として使用されている成分を用いることができる。他の飲料用添加剤の具体例としては、色素(例えば、カラメル色素、メイラード反応物およびその調製物)、食物繊維(例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物)、酸味料(例えば、リン酸や、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸)、起泡・泡持ち向上剤(例えば、大豆多糖類)、甘味料(例えば、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料、液糖)、香料(例えば、エステルフレーバー、モルトフレーバー)、調味料(例えば、アラニンなどのアミノ酸)、米抽出エキス(例えば、米麹発酵エキス)、水質調整剤が挙げられる。
一方で、本発明の飲料は、原材料の仕込み液を含まないものであり、典型的には穀物原料の仕込み液を含まないものであることから、穀物原料を原材料として実質的に含まないものとすることができる。すなわち、本発明の飲料は非穀物原料を調合してなる、未発酵のビールテイスト飲料とすることができる。
また、本発明の飲料は、大麦、小麦などの未発芽の麦類および/または麦芽(麦芽エキスを含む)を原材料として実質的に含まないものとすることができる。すなわち、本発明の飲料は非麦原料を調合してなる、未発酵のビールテイスト飲料とすることができる。
原材料が非穀物原料または非麦原料であるビールテイスト飲料では飲み応えに欠け、食物繊維によりビールらしい飲み応えを効果的に付与できない点が課題となりうるが、本発明によれば、原材料が非穀物原料または非麦原料であるビールテイスト飲料であっても、ビールらしい飲み応えが付与される点で有利である。
原材料として非穀物原料または非麦原料を使用した場合には穀物や麦類に由来する糖質の飲料への持込みを低減することができる。このため、本発明の飲料は、糖質ゼロ飲料として提供することができる。また、本発明の飲料は、低カロリー飲料(カロリーオフ飲料またはカロリーゼロ飲料)として提供することができる。糖質ゼロあるいは低カロリーのビールテイスト飲料ではビールらしい飲み応えに欠ける点が課題となりうるが、本発明によれば、糖質ゼロあるいは低カロリーのビールテイスト飲料であっても、ビールらしい飲み応えが付与される点で有利である。
ここで、本発明において「糖質ゼロ飲料」とは、糖質含有量が0.5g/100mL未満の飲料を意味する。また、本発明において「カロリーオフ飲料」とは、20kcal/100mL以下の飲料を意味する。本発明において「カロリーゼロ飲料」とは、5kcal/100mL未満の飲料を意味する。
糖質の測定は公知の方法に従って行うことができ、当該試料の質量から、水分、タンパク質、脂質、灰分および食物繊維量を除いて算出する方法(栄養表示基準(平成21年12月16日 消費者庁告示第9号 一部改正)参照)に従って行うことができる。また、カロリーの測定も公知の方法に従って行うことができ、例えば、栄養表示基準(平成15年4月24日 厚生労働省告示第176号)別表第2の第3欄記載の方法、すなわち修正アトウォーター法で算出することができる。
また、原材料として非穀物原料および/または非麦原料を使用した場合には穀物や麦類に由来するプリン体の飲料への持込みを低減することができる。このため、本発明の飲料は、低プリン体飲料(プリン体オフ飲料またはプリン体ゼロ飲料)として提供することができる。ここで、本発明において「プリン体オフ飲料」とは、プリン体含有量が5mg/100mL未満の飲料を意味する。また、本発明において「プリン体ゼロ飲料」とは、プリン体含有量が0.5mg/100mL未満の飲料を意味する。
プリン体化合物の測定は公知の方法によって行うことができ、例えば、過塩素酸による加水分解後にLC−MS/MS(液体クロマトグラフ−質量分析法)を用いて検出する方法(「酒類中のプリン体の微量分析のご案内」、一般財団法人・日本食品分析センター、URL:http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html参照)により測定することができる。なお、本明細書中、「プリン体含有量」とは、アデニン、キサンチン、グアニン、ヒポキサンチンのプリン体塩基4種の総量を指す。
本発明のビールテイスト飲料はビールテイストアルコール飲料として提供することができ、この場合、本発明の飲料は原材料としてアルコールを含んでなるものである。飲料を構成するアルコールとしては、例えば、エタノール等の原料用アルコール類;醸造用アルコール類;ウイスキー、バーボン、ブランデー、スピリッツ類(ウォッカ、ジン、ラム等)、リキュール類、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、発泡酒、酎ハイ等のアルコール飲料が挙げられる。なお、アルコール飲料を液体原料として用いることで本発明の飲料にアルコールを添加することもできる。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、アルコール含有量を1v/v%〜9v/v%とすることができ、好ましくは、2v/v%〜7v/v%である。
本発明による飲料は、pHを、例えば、3.5〜4.5の範囲、好ましくは、3.8〜4.5の範囲に調整することができる。本発明においては、pHは酸味料(例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、グルコン酸、酢酸などの有機酸やリン酸)により調節することができる。すなわち、使用する酸味料の種類や使用量により飲料のpHを調節することができる。また、その他の原材料を利用してpHを調整することもできる。飲料のpHは市販のpHメーター(例えば、東亜電波工業株式会社製pHメーター)を使用して容易に測定することができる。なお、飲料中の酸味料の使用量が増えるにつれて飲料の香味が影響を受けるところ、本発明の飲料は緩衝作用を有する仕込み液を含まないことからより少ない量の酸により飲料のpHを所望の範囲に調整することができる点で有利である。また、有機酸やリン酸は飲料によってはpH調整剤として使用されることもある。
飲料の製造方法
本発明によれば、原材料の調合ないし混合のみで未発酵のビールテイスト飲料を製造することができる。すなわち、本発明によれば、未発酵のビールテイスト飲料の製造方法であって、苦味成分、特定のエステル成分、他の飲料用添加剤および液体原料を調合ないし混合することを含んでなる製造方法が提供される。本発明の製造方法に用いる原材料とその含有量並びに製造された飲料の詳細は本発明の飲料に関して記載した通りである。
苦味成分および特定のエステル成分の添加について、その添加時期は特に制限されない。苦味成分と、エステル成分とは、一緒に添加しても、別々に添加してもよく、別々に添加される場合にはいずれを先に添加してもよい。複数の苦味成分を添加する場合や、複数のエステル成分を添加する場合も、各成分を一緒に添加しても、別々に添加してもよく、別々に添加される場合にはいずれを先に添加してもよい。なお、苦味成分およびエステル成分の添加に当たってはその他の原材料に元々含まれる苦味成分やエステル成分の量を考慮して添加の要否や添加量を決定できることはいうまでもない。
また、苦味成分および特定のエステル成分以外に、通常の飲料の処方設計に用いられている飲料用添加剤、例えば、色素、食物繊維、酸味料、甘味料、香料、調味料、米抽出エキス、水質調整剤などを添加してもよい。これらの添加剤の添加時期は特に制限されない。複数の添加剤を添加する場合も、各成分を一緒に添加しても、別々に添加してもよく、別々に添加される場合にはいずれを先に添加してもよい。
本発明により提供される飲料は、上記調合工程に加え、炭酸ガス添加工程、充填工程、殺菌工程などの工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。例えば、上記調合工程で得られた飲料、あるいは調合工程後の炭酸ガス添加工程を経て得られた飲料を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。また、飲料のpHが4未満に調整されている場合には殺菌工程を経ずにそのまま充填工程を行って容器詰め飲料とすることもできる。
本発明による飲料に使用される容器は、飲料の充填に通常使用される容器であればよく、例えば、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、紙容器、瓶、パウチ容器等が挙げられるが、好ましくは、金属缶・樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル)、瓶である。
本発明の別の面によれば、原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイスト飲料にビールらしい香りとビールらしい飲み応えを付与する方法であって、該飲料中の苦味成分および特定のエステル成分の含有量を調整することを含んでなる方法であって、エステル成分が、酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミルである方法が提供される。本発明による原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイスト飲料にビールらしい香りおよびビールらしい飲み応えを付与する方法は、本発明の飲料およびその製造方法に関する記載に従って実施することができる。特に、苦味成分および特定のエステル成分の含有量は本発明の飲料およびその製造方法に関する記載に従って範囲を設定することができる。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1:非発酵ノンアルコール飲料の香味に対し食物繊維が与える影響
(1)サンプル飲料の調製
穀物原料を使用した糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料として、市販品A(麦芽ベース、糖質濃度0.5g/100mL未満)、市販品B(大豆タンパクベース、糖質濃度0.5g/100mL未満)を炭酸水で4倍希釈した希釈液、のそれぞれに食物繊維(EファイバーDS;松谷化学社製)を表1に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。また、穀物原料を使用しない糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料として、果糖ブドウ糖液糖(F−100;日本食品化工社製)が0.67w/v%、リン酸(85%リン酸;燐化学工業社製)が0.03v/v%、アセスルファムカリウム(ニュートリノヴァ社製)が0.002v/v%となるように調整された炭酸水をサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい飲み応え(後味の厚み)が感じられるか、総合評価の2項目について、以下の評価基準に従って評価を行った。
[ビールらしい飲み応えの評価]
5:十分強く感じられる
4:やや強く感じられる
3:感じられる
2:あまり感じられない
1:全く感じられない
官能評価は訓練されたパネラー4名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー4名の評価スコアの平均値を計算し、3.0以上を効果ありと判断した。
[総合評価]
5:ビールテイスト飲料としてバランスが非常に良好
4:ビールテイスト飲料としてバランスが良好
3:ビールテイスト飲料としてバランスがやや良好
2:ビールテイスト飲料としてバランスが許容レベル
1:ビールテイスト飲料としてバランスが悪い
官能評価は訓練されたパネラー4名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー4名の評価スコアの平均値を計算し、2.0以上を効果ありと判断した。
(3)評価結果
官能評価の結果を表1に示す。
Figure 2017216891
表1の結果から分かるように、所定量の食物繊維を添加することにより、穀物原料を使用した糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料にはビールらしい飲み応えやビールテイスト飲料としての良好なバランスを付与することができるが、穀物原料を使用しない糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料には当該効果を付与できないことが確認された。
実施例1:苦味成分が香味へ与える影響(1)
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖(F−100;日本食品化工社製)が0.4w/v%、グルコン酸(扶桑化学工業社製)が0.08v/v%、アセスルファムカリウム(ニュートリノヴァ社製)が0.002v/v%となるように調整された炭酸水を糖質濃度0.3g/100mLの非発酵ノンアルコール飲料とした(pH3.8)。果糖ブドウ糖液糖が0.66w/v%、グルコン酸が0.08v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%となるように調整された炭酸水を糖質濃度0.49g/100mLの非発酵ノンアルコール飲料とした(pH3.8)。各非発酵ノンアルコール飲料に、イソα酸を含有する異性化ホップエキス(Hop Stainer社製)を表2に示す苦味価となるように添加したものをサンプル飲料とした。なお、苦味価はASBC公定法により測定したものである。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい飲み応え(後味の厚み)が感じられるか、総合評価(飲料としてのバランス)の2項目について、以下の評価基準に従って評価を行った。
[ビールらしい飲み応えの評価]
5:十分強く感じられる
4:やや強く感じられる
3:感じられる
2:あまり感じられない
1:全く感じられない
官能評価は訓練されたパネラー3名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー3名の評価スコアの平均値を計算し、3.0以上を効果ありと判断した。
[総合評価]
5:ビールテイスト飲料としてバランスが非常に良好
4:ビールテイスト飲料としてバランスが良好
3:ビールテイスト飲料としてバランスがやや良好
2:ビールテイスト飲料としてバランスが許容レベル
1:ビールテイスト飲料としてバランスが悪い
官能評価は訓練されたパネラー3名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー3名の評価スコアの平均値を計算し、2.0以上を効果ありと判断した。
(3)評価結果
官能評価の結果を表2に示す。
Figure 2017216891
表2の結果から分かるように、糖質ゼロ(糖質濃度0.5g/100mL未満)の非発酵ノンアルコール飲料において、苦味成分により苦味価が5〜25に調整された場合にビールらしい飲み応えが感じられ、また、ビールテイスト飲料としてのバランスも良好であった。
実施例2:苦味成分が香味へ与える影響(2)
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖が0.67w/v%、グルコン酸が0.05v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%となるように調整された蒸留水を糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料とした(糖質濃度0.49g/100mL、pH3.8)。該非発酵ノンアルコール飲料に、苦味成分としてクワシン(フリートニック苦味料143;ジボダンジャパン社製)またはキニーネ(SW−85833;塩野香料社製)を表3に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい飲み応えが感じられるか、総合評価の2項目について、パネラー数が4名であること以外は実施例1に記載された評価基準に従って評価を行った。
(3)評価結果
官能評価の結果を表3に示す。
Figure 2017216891
表3の結果から分かるように、糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料において、苦味成分であるクワシンまたはキニーネが0.5〜50mg/Lの範囲(特には0.5〜5mg/Lの範囲)に調整された場合にビールらしい飲み応えが感じられ、また、ビールテイスト飲料としてのバランスも良好であった。
実施例3:苦味成分およびエステル成分が香味へ与える影響(1)
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖が0.67w/v%、グルコン酸が0.05v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%、異性化ホップエキスが0.0048v/v%(苦味価10相当)となるように調整された蒸留水を糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料とした(糖質濃度0.49g/100mL、pH3.8)。該非発酵ノンアルコール飲料に、酢酸エチル(長岡香料社製)および酢酸イソアミル(長岡香料社製)を表4に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい香り(発酵感)が感じられるか、総合評価の2項目について、以下の評価基準に従って評価を行った。
[ビールらしい香りの評価]
5:十分強く感じられる
4:やや強く感じられる
3:感じられる
2:あまり感じられない
1:全く感じられない
官能評価は訓練されたパネラー4名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー4名の評価スコアの平均値を計算し、3.0以上を効果ありと判断した。
[総合評価]
5:ビールテイスト飲料としてビールらしい飲み応えを含めたバランスが非常に良好
4:ビールテイスト飲料としてビールらしい飲み応えを含めたバランスが良好
3:ビールテイスト飲料としてビールらしい飲み応えを含めたバランスがやや良好
2:ビールテイスト飲料としてビールらしい飲み応えを含めたバランスが許容レベル
1:ビールテイスト飲料としてビールらしい飲み応えを含めたバランスが悪い
官能評価は訓練されたパネラー4名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー4名の評価スコアの平均値を計算し、2.0以上を効果ありと判断した。
(3)評価結果
官能評価の結果を表4に示す。
Figure 2017216891
表4の結果から分かるように、糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料において、苦味成分の存在下、酢酸エチルが1.0〜15.0mg/Lの範囲に調整された場合、あるいは酢酸イソアミルが0.5〜10.0mg/Lの範囲に調整された場合に、ビールらしい香りが感じられ、また、ビールテイスト飲料としてのバランスも良好であった。
実施例4:苦味成分およびエステル成分が香味へ与える影響(2)
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖が0.67w/v%、グルコン酸が0.05v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%、クワシンが0.5mg/Lとなるように調整された炭酸水を糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料とした(糖質濃度0.49g/100mL、pH3.8)。該非発酵ノンアルコール飲料に、酢酸エチルおよび酢酸イソアミルを表5に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい香りが感じられるか、総合評価の2項目について、パネラー数が3名であること以外は実施例3に記載された評価基準に従って評価を行った。
(3)評価結果
官能評価の結果を表5に示す。
Figure 2017216891
表5の結果から分かるように、苦味成分をイソα酸を含有する異性化ホップエキスからクワシンに代えても、実施例3と同様の効果が奏されることが確認された。
実施例5:苦味成分およびエステル成分が香味へ与える影響(3)
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖が0.66w/v%、グルコン酸が0.05v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%、キニーネが0.5mg/Lとなるように調整された炭酸水を糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料とした(糖質濃度0.49g/100mL、pH3.8)。該非発酵ノンアルコール飲料に、酢酸エチルおよび酢酸イソアミルを表6に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい香りが感じられるか、総合評価の2項目について、パネラー数が3名であること以外は実施例3に記載された評価基準に従って評価を行った。
(3)評価結果
官能評価の結果を表6に示す。
Figure 2017216891
表6の結果から分かるように、苦味成分をイソα酸を含有する異性化ホップエキスからキニーネに代えても、実施例3と同様の効果が奏されることが確認された。
実施例6:アルコール飲料における評価
実施例1〜5によれば、苦味成分の存在下でエステル成分含有量を調整することにより、糖質ゼロの非発酵ノンアルコール飲料にビールらしい香りや飲み応えを付与できることが示された。そこで、穀物原料を使用せず調合製法を用いた糖質ゼロのアルコール飲料にも同様の効果を付与できるか否かについて評価を行った。
(1)サンプル飲料の調製
果糖ブドウ糖液糖が0.67w/v%、グルコン酸が0.05v/v%、アセスルファムカリウムが0.002v/v%、クワシンが0.5mg/Lとなるように調整された炭酸水に、原料用アルコール(第一アルコール社製)をアルコール濃度が2.6v/v%となるように添加したものを糖質ゼロの非発酵アルコール飲料とした(糖質濃度0.49g/100mL、pH4.0)。該非発酵アルコール飲料に、酢酸エチルおよび酢酸イソアミルを表7に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい飲み応えが感じられるか、ビールらしい香りが感じられるか、総合評価の3項目について、パネラー数が4名であること以外は実施例1および3に記載された評価基準に従って評価を行った。
(3)評価結果
官能評価の結果を表7に示す。
Figure 2017216891
苦味成分の存在下、エステル成分の含有量を調整することにより、穀物原料を使用せず調合製法を用いた糖質ゼロのアルコール飲料にビールらしい香りや飲み応えを付与できることが確認された。

Claims (12)

  1. 未発酵のビールテイスト飲料であって、酢酸エチルを1〜15mg/Lの濃度範囲で含有するか、および/または、酢酸イソアミルを0.5〜10mg/Lの濃度範囲で含有し、かつ、苦味成分を含有する、未発酵のビールテイスト飲料。
  2. 原材料として、酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミル、苦味成分、他の飲料用添加剤並びに液体原料を含んでなる、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 苦味成分がホップ由来成分、カッシャ抽出物、キナ皮抽出物、コウチャポリフェノール、ナリンジン、ダンデライオン、センブリ、ガラナ、ユズポリフェノールおよびクロロゲン酸から選択される1種または2種以上である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
  4. 飲料中の糖質濃度が0.5g/100mL未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  5. 原材料の仕込み液を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  6. 原材料が非穀物原料または非麦原料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  7. 飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオール濃度が50ng/L未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  8. ビールテイストノンアルコール飲料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  9. ビールテイストアルコール飲料である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  10. アルコール含有量が1v/v%〜9v/v%である、請求項9に記載のビールテイスト飲料。
  11. 未発酵のビールテイスト飲料の製造方法であって、該飲料中の酢酸エチルの含有量が1〜15mg/Lの範囲内に調整されるか、および/または、該飲料中の酢酸イソアミルの含有量が0.5〜10mg/Lの範囲内に調整されるように原材料を調合し、かつ、苦味成分を添加することを含んでなる、製造方法。
  12. 原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイスト飲料にビールらしい香りと飲み応えを付与する方法であって、該飲料中の酢酸エチルの含有量を1〜15mg/Lの範囲内に調整し、および/または、該飲料中の酢酸イソアミルの含有量を0.5〜10mg/Lの範囲内に調整し、かつ、該飲料に苦味成分を添加することを含んでなる、方法。

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