JP6607757B2 - ビールらしい飲み応えや後キレを有する未発酵のビールテイストノンアルコール飲料 - Google Patents
ビールらしい飲み応えや後キレを有する未発酵のビールテイストノンアルコール飲料 Download PDFInfo
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(1)有機酸およびリン酸の合計含有量が238〜415mg/Lであり、かつ、食物繊維含有量が0.5〜4.0g/100mLである、未発酵のビールテイストノンアルコール飲料。
(2)原材料として、有機酸および/またはリン酸、食物繊維、他の飲料用添加剤並びに液体原料を含んでなる、上記(1)に記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(3)有機酸が乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびグルコン酸から選択される1種または2種以上である、上記(1)または(2)に記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(4)原材料の仕込み液を含まない、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(5)食物繊維が難消化性デキストリン、ポリデキストロースおよびグアーガム分解物から選択される1種または2種以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(6)原材料が非穀物原料または非麦原料である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(7)飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオール濃度が50ng/L未満である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のビールテイストノンアルコール飲料。
(8)未発酵のビールテイストノンアルコール飲料の製造方法であって、該飲料中の有機酸およびリン酸の合計含有量が238〜415mg/Lの範囲内に調整され、かつ、食物繊維含有量が0.5〜4.0g/100mLの範囲内に調整されるように原材料を調合することを含んでなる、製造方法。
(9)原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイストノンアルコール飲料にビールらしい飲み応えと後キレを付与する方法であって、該飲料中の有機酸およびリン酸の合計含有量を238〜415mg/Lの範囲内に調整し、かつ、食物繊維含有量を0.5〜4.0g/100mLの範囲内に調整することを含んでなる、方法。
本発明において「未発酵のビールテイストノンアルコール飲料」とは、未発酵のため発酵に由来するアルコール成分を含まないノンアルコール飲料でありながらビール様の風味を持つ飲料をいう。「ビール様の風味」とは、通常のビールを製造した場合に得られるビール特有の味わいや香りを意味する。
本発明の飲料は原材料の調合液ないし混合液から構成される飲料である。本発明の飲料の原材料としては、有機酸および/またはリン酸、食物繊維、他の飲料用添加剤並びに液体原料が挙げられる。液体原料以外の原材料は調合ないし混合の便宜のため水溶性のものが好ましい。
本発明によれば、原材料の調合ないし混合のみで未発酵のビールテイストノンアルコール飲料を製造することができる。すなわち、本発明によれば、未発酵のビールテイストノンアルコール飲料の製造方法であって、該飲料中の有機酸およびリン酸の合計含有量が238〜415mg/Lの範囲内に調整され、かつ、食物繊維含有量が0.5〜4.0g/100mLの範囲内に調整されるように原材料を調合ないし混合することを含んでなる製造方法が提供される。本発明の製造方法に用いる原材料とその含有量並びに製造された飲料の詳細は本発明の飲料に関して記載した通りである。
(1)サンプル飲料の調製
炭酸水に50%乳酸(ピューラック社製)および85%リン酸(燐化学工業社製)を添加し、有機酸・リン酸イオンの合計含有量が220mg/Lとなるように調整した。次いで、得られた炭酸水に、E−ファイバーDS(松谷化学社製)を用いて食物繊維含有量が表1に示す含有量となるように調整して各サンプル飲料を作製した。
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、ビールらしい飲み応え(味の厚み)が感じられるか、ビールらしい後キレが感じられるか、の2項目について、以下の評価基準に従って評価を行った。
1:全く感じられない
2:あまり感じられない
3:感じられる
4:やや強く感じられる
5:十分強く感じられる
(1)サンプル飲料の調製
炭酸水にE−ファイバーDS(松谷化学社製)を添加して食物繊維含有量が2.0g/100mLとなるよう調整し、85%リン酸(燐化学工業社製)を用いて有機酸・リン酸イオンの合計含有量が表2に示す含有量となるように調整して各サンプル飲料を作製した。
実施例1と同様に訓練されたパネラー5名により実施した。
(1)サンプル飲料の調製
酸味料として85%リン酸の代わりに50%乳酸(ピューラック社製)並びにクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、50%グルコン酸(いずれも扶桑化学工業社製)を表3に示す含有量で用いる以外は実施例2(1)と同様に調整して各サンプル飲料を作製した。
実施例1と同様に訓練されたパネラー5名により実施した。
実施例1〜3によれば、食物繊維含有量と有機酸・リン酸の合計含有量を調整することにより飲料(炭酸水)にビールらしい飲み応えと後キレを付与できることが示された。そこで、穀物原料を使用せず調合製法を用いた飲料にも同様の効果を付与できるか否かについて評価を行った。
アラニン(武蔵野化学研究所製)0.35mg/mL、甘味料(サネット、ニュートリノヴァ社製)0.03mg/mL、香料(エステルフレーバー、高砂香料工業社製)1.3mg/mL、カラメル色素(池田糖化社製)0.25mg/mL、ホップエキス(Hopsteiner社製)0.08mg/ml、85%リン酸(燐化学工業社製)およびE−ファイバーDS(松谷化学社製)を1Lの炭酸水に添加し、混合して各サンプル飲料を作製した。85%リン酸とE−ファイバーDSは表4に示す含有量となるように配合量を調整した。
実施例1と同様に訓練されたパネラー5名により実施した。
表4に列挙された飲料のうち食物繊維含量を2.0g/100mLに調整したサンプルについて熱負荷指標である3−メチル−2−ブテン−1−チオール(3MBT)の濃度を、TDS-GC/MS(TDS3・CIS:GERSTEL社製、GC/MS:Agilent社製)を用いて吸着・検出を行った。その結果、3MBTは検出限界以下であった。このように、調合製法を用いた飲料は穀物原料およびホップを用いた煮沸工程を介していないことから3MBTが含まれないことが明らかとなった。
Claims (6)
- 原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイストノンアルコール飲料であって、有機酸およびリン酸の合計含有量が238〜415mg/Lであり、有機酸が乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびグルコン酸から選択される1種または2種以上であり、原材料が非穀物原料であり、かつ、食物繊維含有量が0.5〜4.0g/100mLである、未発酵のビールテイストノンアルコール飲料。
- 原材料として、有機酸および/またはリン酸、食物繊維、他の飲料用添加剤並びに液体原料を含んでなる、請求項1に記載のビールテイストノンアルコール飲料。
- 食物繊維が難消化性デキストリン、ポリデキストロースおよびグアーガム分解物から選択される1種または2種以上である、請求項1または2に記載のビールテイストノンアルコール飲料。
- 飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオール濃度が50ng/L未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイストノンアルコール飲料。
- 原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイストノンアルコール飲料の製造方法であって、該飲料中の有機酸およびリン酸の合計含有量が238〜415mg/Lの範囲内に調整され、有機酸が乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびグルコン酸から選択される1種または2種以上であり、原材料が非穀物原料であり、かつ、食物繊維含有量が0.5〜4.0g/100mLの範囲内に調整されるように原材料を調合することを含んでなる、製造方法。
- 原材料の仕込み液を含まない未発酵のビールテイストノンアルコール飲料にビールらしい飲み応えと後キレを付与する方法であって、該飲料中の有機酸およびリン酸の合計含有量を238〜415mg/Lの範囲内に調整し、原材料が非穀物原料であり、かつ、食物繊維含有量を0.5〜4.0g/100mLの範囲内に調整することを含んでなる、方法。
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