JP2017203051A - 混合脂肪酸セルロースエステル及び混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法 - Google Patents

混合脂肪酸セルロースエステル及び混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法変化を改善すると共に、十分な弾性率を有し、また偏光子との密着性にも優れたフィルムを得ることができる、セルロースエステルを提供することを目的とする。【解決手段】アセチル基と炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、前記アセチル基によるアセチル置換度が1.5以上2.9以下、前記炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度が0.05以上1.5以下、OH置換度が0以上0.25以下、及びSP値が21.0以上である、混合脂肪酸セルロースエステル。【選択図】なし

Description

本発明は、混合脂肪酸セルロースエステル及び混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法に関する。
液晶表示装置を構成する偏光板の保護フィルムとして、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが広く用いられている。近年、液晶表示装置の部品として、偏光板が海上輸送される場合が生じるようになった。輸送中、特に海上輸送中は、TACフィルム環境中の湿度変化が多く、海上輸送中にTACフィルムが吸湿し寸法変化することがある。そして、寸法変化したTACフィルムを用いることによる液晶表示素子の反りが、画像表示品質に悪影響を及ぼす。
特許文献1には、セルロースエステル化合物にゴムやワックスを混合した混合物でセルロースアセテートフィルムをコーティングすることにより耐水性を高めることが記載されている。特許文献2には、セルロースエステルフィルム中にポリエステル及びポリエステルエーテルから選ばれるポリマーを含有する偏光板用保護フィルムが記載され、それは、透湿性に耐性を有し、高温高湿や高湿の条件下でも伸縮したり収縮したりしない寸法安定性に優れることが記載されている。特許文献3には、セルロースアシレートから構成されるフィルムを1方向に延伸し、1方向の熱膨張係数及び湿度膨張係数を小さくすることにより、特定方向の寸法変化を抑えることができることが記載されている。
米国特許第2044804号明細書 特許第4192411号公報 特開2011−191756号公報
上記のように、TACフィルムの表面を他の材料でコーティングしたり、TACに添加剤を加えたり、TACフィルムの延伸方法を変更したりして、吸湿による寸法変化を改善する方法が提案されている。しかしながら、TACフィルムの表面を他の材料でコーティングする場合、通常はコーティング層を固定化するために、重合性官能基を有する硬化剤をコーティングしてUV照射により硬化させているが、感作性が高いなど作業者に対する有害性が高い硬化剤を取り扱う必要があり、さらに、UV照射という特殊な工程を実施しなければならず、フィルムが高価になる。次に、TACに添加剤を加える場合、所望の寸法変化まで低減するために多量に添加剤を加えると、ブリードアウト発生が発生しフィルム表面の汚染につながることがある。そして、TACフィルムの延伸方法を変更する場合、もともとTACが延伸されにくい樹脂であることにより、所望の寸法変化まで低減することができない。そして、いずれの場合もTACフィルムの寸法変化を改善しようとすると、十分な弾性率が得られない。
本発明は、寸法変化を改善すると共に、十分な弾性率を有し、また偏光子との密着性にも優れたフィルムを得ることができる、セルロースエステルを提供することを目的とする。
本発明の第一は、アセチル基と炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、前記アセチル基によるアセチル置換度が1.5以上2.9以下、前記炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度が0.05以上1.5以下、OH置換度が0以上0.25以下、及びSP値が21.0以上である、混合脂肪酸セルロースエステルに関する。
フィルムに成形したときの25℃、湿度60%条件下、JIS K 7127に準拠して測定した弾性率が2.2GPa以上であることが好ましい。
SP値が22.2以下であることが好ましい。
重量平均分子量が100,000以上1,500,000以下であることが好ましい。
本発明の第二は、フレーク状のセルロースアセテートに、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入して、総置換度を2.9以上とし、脱エステル化反応する、混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法に関する。
本発明によれば、寸法変化を改善すると共に、十分な弾性率を有し、また偏光子との密着性にも優れたフィルムを得ることができる、セルロースエステルを提供することができる。
以下、好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルは、アセチル基と炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、前記アセチル基によるアセチル置換度が1.5以上2.9以下、前記炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度が0.05以上1.5以下、OH置換度が0以上0.25以下、及びSP値が21.0以上である。
(アセチル基)
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルのアセチル置換度は、1.5以上2.9以下である。アセチル置換度が1.5未満であると、フィルムに成形したときの偏光子との密着性に劣る。アセチル置換度が、2.9を超えると、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による効果がほとんど得られず、フィルムの寸法変化を改善することができない。
アセチル置換度の下限値としては、2.0以上が好ましく、2.2以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましい。得られるフィルムの寸法変化をより改善することができ、かつ偏光子との密着性をより優れたものとすることができる。上限値としては、2.9以下であれば特に限定されないが、例えば2.8以下、または2.7以下である。ここで、アセチル置換度は、後述の方法により求めることができる。
(脂肪族アシル基)
脂肪族アシル基としては、炭素数nが5以上であれば、飽和もしくは不飽和であるか、または直鎖、分岐鎖もしくは環であるかに限定されない。例えば、直鎖状の脂肪族アシル基としては、炭素数5のペンタノイル基、炭素数6のヘキサノイル基、炭素数7のヘプタノイル基、炭素数8のオクタノイル基、炭素数9のノナノイル基、炭素数10のデカノイル基、炭素数11のウンデカノイル基、炭素数12のドデカノイル基、炭素数鵜13のトリデカノイル基、炭素数14のテトラデカノイル基、炭素数15のペンタデカノイル基、炭素数16のヘキサデカノイル基、炭素数17のヘプタデカノイル基、炭素数18のオクタデカノイル基、炭素数19のノナデカノイル基、炭素数20のイコサノイル基、炭素数21のエイコサノイル基、及び炭素数22のドコサノイル基等が挙げられる。また、分岐鎖状の脂肪族アシル基としては、上記各炭素数の直鎖状の脂肪族アシル基の炭素が分岐鎖構造となるものが挙げられる。さらに、環状の脂肪族アシル基であれば、炭素数6のシクロペンタンカルボニル基、炭素数7のシクロヘキサンカルボニル基、炭素数8のシクロヘプタンカルボニル基等が挙げられる。上記直鎖状、分岐鎖、または環状の各脂肪族アシル基は一部に不飽和炭素が存在してもよく、上記直鎖状、分岐鎖、または環状の各脂肪族アシル基から選ばれる二つ以上の脂肪族アシル基を併用してもよい。
上記脂肪族アシル基導入のための反応剤として、それぞれ対応する脂肪酸クロリドを容易に入手できる観点からは、分岐状に比べ直鎖状の方が好ましい。フィルムに成形したときのフィルムの耐熱性及び弾性率に優れる観点からは、直鎖状に比べ分岐状の方が好ましい。また、耐熱性(ガラス転移点)を高める観点からは、環を有していることが好ましい。
脂肪族アシル基は、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基であれば限定されないが、炭素数nの下限としては、7以上が好ましく、9以上がより好ましい。フィルムに成形したときの偏光子との密着性に優れるためである。また、炭素数nの上限としては、25以下が好ましく、20以下がより好ましい。弾性率の低下や耐熱性の低下を抑制できるためである。なお、炭素数nが4の脂肪族アシル基の場合は、フィルムに成形したときのフィルムの寸法変化の改善がほとんど確認できない。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルにおける前記炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度は、0.05以上1.5以下である。その下限値としては、0.05以上であれば特に限定されないが、例えば0.1以上、または0.2以上である。これにより得られるフィルムの寸法変化を改善することができる。また、上限値としては、1.0以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましい。得られるフィルムの寸法変化をより改善することができ、かつ偏光子との密着性をより優れたものとすることができる。脂肪族アシル置換度は、後述の方法により求めることができる。
上記のアセチル置換度及び脂肪族アシル置換度は、核磁気共鳴分析装置を用いて測定し、所定の計算をすることにより求めることができる。核磁気共鳴分析としては、13C−NMRおよびH−NMRが挙げられる。
H−NMRを用いる方法について述べる。特に、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基が直鎖状のものである場合について述べる。試料を重クロロホルムに適当量溶解した上で、ケミカルシフト5.5〜3.2ppmに、グルコース環上の水素原子由来のシグナル強度、ケミカルシフト2.5〜1.75ppmにグルコース環上のアセチル基の水素原子由来のシグナル強度および炭素数nが5以上の脂肪族アシル基のCHCO基の水素原子由来のシグナル強度、ケミカルシフト1.4〜1.0ppmに炭素数nが5以上の直鎖状の脂肪族アシル基の基由来のC(n−3)2(n−3)基の水素原子由来のシグナル強度、さらにケミカルシフト0.97〜0.79ppmに炭素数nが5以上の直鎖状の脂肪族アシル基の基由来のCH基の水素原子由来のシグナル強度を観測することができるので、これらの強度比からアセチル置換度及びアシル置換度を測定することができる。これらのシグナル強度は、以下の測定条件で測定することができる。
・装置:日本電子株式会社製 JEOL JNM ECA−500
・温度:30℃
・溶媒:CDCl
・試料濃度:0.8wt%
得られたシグナル強度に基づき、下記式(1)により炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度を、下記式(2)によりアセチル置換度をそれぞれ求めることができる。
脂肪族アシル置換度(DSfa)=7γ/mαまたは7ε/3α (1)
アセチル置換度(DSac)=7(β−2×DSfa)/3α (2)
α:5.5〜3.2ppmの積分値
β:2.5〜1.75ppmの積分値
γ:1.4〜1.0ppmの積分値
ε:0.97〜0.79ppmの積分値
m:炭素数nが5以上の脂肪族アシル基C(n−1)2(n−1)+1COにおいて、m=2(n−3)
(OH置換度)
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルのOH置換度は、0以上0.25以下であり、その下限値としては限定されず、上限値としても0.25以下であれば限定されないが、例えば0.20以下、または0.10以下であってもよい。OH置換度が0.25を超えると、フィルムに成形したときの弾性率に劣る。
上記のOH置換度は、セルロースの理想的な最大総置換度である3.0から、総置換度の値を差し引くことにより算出することができる。総置換度とは、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度及びアセチル置換度の和である。
(SP値)
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルのSP値は、21.0以上であり、その上限値としては限定されない。下限値としては、21.5以上、または22.0以上であってもよい。SP値が21.0未満であると、フィルムに成形したときの弾性率に劣る。上限値としては、例えば、22.2以下、または21.8以下であることが好ましい。吸湿時の寸法変化が少ないためである。
ここで、SP値は、溶解性パラメーターとも称され、Fedors法により算出することができる。具体的には下記の式によりSP値を算出することができる。
SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(J/mol)、v:モル体積(cm/mol)、Δei:各々の原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:各々の原子又は原子団のモル体積)
本計算方法の詳細は、ポリマーハンドブック(第4版) 著者J.Brandrup、E.H.Immergut 出版社 Willey 出版年 1999年)等に記載されている。SP値の単位としては、(MPa)1/2を採用する。
(弾性率)
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルをフィルムに成形したときの弾性率は、2.2GPa以上であることが好ましく、2.6GPa以上であることがより好ましく、2.9GPa以上であることがさらに好ましい。
弾性率は、以下のようにして求めることができる。まずソルベントキャスト法によりフィルムを成形する。混合脂肪酸セルロースエステル10重量部を、塩化メチレン81重量部及びメタノール9重量部に溶解させドープを調製する。得られたドープをガラス板上に流延し、バーコータ(例えば、コーテック株式会社スパイラルバーコーターNo.5など)を用いて厚さを均一にする。これを40℃で30分間乾燥させ、ガラス板からフィルムを剥がし、さらに80℃で30分間乾燥させ、厚さ40μmの混合脂肪酸セルロースエステルからなるフィルム試料を得る。得られたフィルムを幅15mm、長さ150mmにカットし、このフィルムを室温25℃、湿度60%の条件で、引張り試験機(テンシロン)を用いて、チャック間距離100mm、引張り速度20mm/分の条件でJIS K 7127に準じた方法で弾性率を測定することができる(測定値はC)。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの重量平均分子量は、100,000以上1,500,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると、得られるフィルムが衝撃に弱くて脆いフィルムとなったり、製膜時の支持体から剥がすことができずフィルムが得られないことがあり、重量平均分子量が1,500,000を超えると、フィルム製膜用の溶液粘度が高くなりすぎて、溶液として取扱いが困難になり、溶媒流延製膜できなくなる場合がある。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される標準PMMA換算の重量平均分子量である。
[混合脂肪酸セルロースエステルの製造]
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法について述べる。本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法は、フレーク状のセルロースアセテートに、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入して、総置換度を2.9以上とし、脱エステル化反応するものである。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法によれば、脱エステル化によって、疎水性の高い脂肪酸エステル基は、脱エステル化されずに、アセチル基が選択的に加水分解を受け、さらにはフィルム調製用の溶媒への溶解性が良好な混合脂肪酸セルロースエステルを得ることができる。ここで、フィルム調製用の溶媒としては、例えば、塩化メチレン81重量部及びメタノール9重量部からなる溶媒が挙げられる。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法について詳述する。1)セルロース原料を前処理する工程、2)前記前処理したセルロース原料をエステル化する工程、3)前記エステル化したセルロース原料を加水分解する工程を経て、セルロースアセテートを得た後、さらに4)炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する工程を有する一連の工程を経ることにより製造することができる。また、4)脂肪族アシル基を導入する工程において、総置換度を2.9以上とした後、5)脱エステル化する工程を有することが好ましい。
(セルロース原料)
本開示のセルロースアセテートの製造方法に用いるセルロース原料としては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ);綿花リンター;微結晶セルロース(例えば、旭化成「セオラス」「アビセル」など);レーヨン、セロハンなどの再生セルロース;粉末セルロース(日本製紙「KCフロック」);ミクロフィブリル化セルロース(ダイセル「セリッシュ」);セルロースナノファイバーなどが使用できる。これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせてもよく、例えば、針葉樹パルプと、綿花リンター又は広葉樹パルプとを併用してもよい。
木材パルプは、原料の安定供給及びリンターに比べコスト的に有利であるため、好ましい。木材パルプとしては、例えば、広葉樹前加水分解クラフトパルプ等が挙げられる。
また、セルロース原料は、ディスクリファイナーを用いて乾式で解砕することができる。特に、セルロース原料としてパルプがシート状の形態で供給されるなど、以降の工程で取扱いにくい場合は、セルロース原料を乾式で解砕する工程を経ることが好ましい。
(前処理工程)
1)セルロース原料を前処理する工程においては、酢酸及び/または含硫酸酢酸をセルロース原料100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部を添加することができる。このとき、酢酸は、96〜100重量%の酢酸(氷酢酸)を用いることができる。また、含硫酸酢酸を用いた前処理は、硫酸を含む酢酸で前処理をする方法であり、酢酸中に1〜10重量%の硫酸を含むこともできる。
また、セルロース原料に酢酸及び/または含硫酸酢酸を添加する方法としては、例えば、酢酸もしくは含硫酸酢酸を一段階で添加する方法、または、酢酸を添加して一定時間経過後、含硫酸酢酸を添加する方法、含硫酸酢酸を添加して一定時間経過後、酢酸を添加する方法等の酢酸または含硫酸酢酸を2段階以上に分割して添加する方法等が挙げられる。添加の具体的手段としては、噴霧してかき混ぜる方法が挙げられる。
酢酸、または含硫酢酸は、あらかじめ17〜40℃に調整しておくことが好ましく、20〜40℃がより好ましい。
そして、前処理は、セルロース原料に酢酸及び/または含硫酢酸を添加した後、例えば、17〜40℃下で0.2〜48時間静置する、または17〜40℃下で0.1〜24時間密閉及び攪拌すること等により行うことができる。
(エステル化工程)
2)前記前処理したセルロース原料をエステル化する工程においては、例えば、酢酸、無水酢酸、および濃硫酸からなる混合物に、前処理活性化したセルロース原料を添加すること、前処理活性化したセルロース原料に、酢酸と無水酢酸の混合物および濃硫酸を添加すること、または前処理活性化したセルロース原料に酢酸と無水酢酸の混合物を添加した後、濃硫酸を添加すること等によりエステル化を開始することができる。
また、酢酸と無水酢酸との混合物を調製する場合、酢酸と無水酢酸とが含まれていれば、特に限定されないが、酢酸と無水酢酸との割合としては、酢酸300〜600重量部に対し、無水酢酸200〜400重量部であることが好ましく、酢酸350〜530重量部に対し、無水酢酸240〜280重量部であることがより好ましい。
エステル化反応における、酢酸と無水酢酸の混合物、および濃硫酸の割合としては、セルロース原料100重量部に対して、酢酸と無水酢酸の混合物は500〜1000重量部であることが好ましく、濃硫酸は、20重量部以下、例えば1〜20重量部とすることができる。エステル化触媒である硫酸の量が少ない場合は、反応時間が長くなりすぎ、生産性が低下する。エステル化触媒である硫酸の量が多すぎると、反応が早くなりすぎ制御が困難となる。また硫酸量により残存硫酸の量も影響を受ける。
エステル化反応は、例えば0〜55℃、好ましくは20〜50℃、さらに好ましくは30〜50℃程度の温度で行うことができる。エステル化反応は、初期において、比較的低温(例えば、10℃以下、好ましくは0〜10℃)で行ってもよい。このような低温での反応時間は、例えば、エステル化反応開始から30分以上(例えば、40分〜5時間、好ましくは60〜300分程度)であってもよい。また、エステル化時間(総エステル化時間)は、反応温度等によっても異なるが、例えば20分〜36時間、好ましくは30分〜20時間の範囲である。特に、少なくとも30〜50℃の温度で30分〜180分程度(好ましくは50分〜150分程度)反応させるのが望ましい。なお、セルロース原料を触媒と接触させた時点から失活剤を添加するまでの時間をエステル化時間とする。
エステル化反応は、減圧下においても行うことができる。例えば、セルロース、無水酢酸、酢酸の混合物を攪拌しながら、反応系を5.3〜20kPa、好ましくは6〜12kPaの減圧にした後、1段目の触媒を添加し、エステル化反応を開始する。蒸発する酢酸と無水酢酸の混合蒸気は凝縮器で凝縮させて反応系外へ留出させ、同減圧度を維持し、温度は50〜65℃程度に保持してエステル化反応を継続させ、途中で所定の時点に2段目の触媒を添加し、さらに減圧下で反応を継続する。
86〜201重量部の酢酸及び無水酢酸混合物が留出した時点又は混合物の凝縮液が殆ど留出しなくなった時点で反応系の圧力を約5分かけ徐々に常圧へ戻し、50〜80℃で1〜60分間反応を継続させる。
(加水分解工程)
3)前記エステル化したセルロース原料を加水分解する工程について述べる。前記エステル化反応を停止するために水、希酢酸(1〜50重量%の酢酸水溶液)、又は塩基性物質の水溶液などの中和剤を添加して、エステル化剤である無水酢酸を失活させる。このように中和剤の添加により反応系に水を存在させることが好ましい。なお、当該加水分解は、ケン化ともいう。
中和剤は、水、希酢酸(1〜50重量%の酢酸水溶液)、又は塩基性物質の水溶液などの中でも、塩基性物質の水溶液が好ましい。
水または希酢酸を用いる場合、水は、セルロースアセテートを含む反応混合物中に存在する無水酢酸と反応して酢酸を生成させ、加水分解工程後のセルロースアセテートを含む反応混合物の水分量が酢酸に対し5〜70mol%になるように添加することができる。5mol%未満であると、加水分解反応が進まず解重合が進み、低粘度のセルロースアセテートとなり、70mol%を超えると、エステル化反応終了後のセルロースエステル(セルローストリアセテート)が析出し加水分解反応系から出るため、析出したセルロースエステルの加水分解反応が進まなくなる。
塩基性物質の水溶液などの中和剤としては、例えば、アルカリ金属化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属カルボン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシドなど)、アルカリ土類金属化合物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩;酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ土類金属カルボン酸塩;マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシドなど)などを使用できる。これらの中和剤の中でも、アルカリ土類金属化合物、特に、酢酸マグネシウム等のマグネシウム化合物が好ましい。
中和剤は、エステル化に利用した触媒である硫酸の一部を中和し、残存するエステル化触媒である硫酸を加水分解における触媒として利用してもよく、中和することなく残存した触媒である硫酸を全て加水分解における触媒として利用してもよい。好ましい態様では、残存エステル化触媒である硫酸を加水分解における触媒として利用してセルロースアセテートを加水分解(脱アセチル化)する。なお、加水分解において、必要に応じて新たに溶媒等(酢酸、塩化メチレン、水、アルコールなど)を添加してもよい。
加水分解の方法の中には、高温熟成と常温熟成がある。常温において行う加水分解工程は、常温熟成と称し、反応系内の最高到達温度が55℃以上100℃未満である場合をいい、好ましくは55℃以上90℃未満である。高温において行う加水分解は、高温熟成と称し、反応系内の最高到達温度が100℃以上200℃以下の範囲をいう。高温熟成においては、水蒸気を用いて系内の温度を上昇させる。
(沈殿工程)
セルロースアセテートを含む混合物に、水、希酢酸、又は酢酸マグネシウム水溶液等の沈澱剤を添加することによりセルロースアセテートを沈殿することができる。これによりフレーク状のセルロースアセテートを得ることができる。ここで、希酢酸とは、1〜50重量%の酢酸水溶液をいう。また、酢酸マグネシウム水溶液は、5〜30重量%であることが好ましい。
(安定化工程)
生成したセルロースアセテートに対して水酸化カルシウムまたは他のカルシウム塩、酢酸マグネシウムまたは他のマグネシウム塩、または水酸化カルシウムや他のカルシウム塩および酢酸マグネシウムや他のマグネシウム塩からなる安定剤を添加することができる。
安定剤としては、例えば、1)0.0017〜0.0030重量%の濃度に調製した水酸化カルシウム水溶液、2)0.01〜0.15重量%の濃度に調製した酢酸マグネシウム水溶液、並びに3)0.001〜0.0025重量%の濃度に調製した水酸化カルシウム水溶液および0.01〜0.08重量%の濃重量%度に調製した酢酸マグネシウム水溶液からなる群から選択される何れか1種を用いることができる。
(乾燥)
セルロースアセテートを乾燥することが好ましい。乾燥方法は特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、加熱、送風、または減圧などの種々の条件下乾燥を行うことができる。
(炭素数nが5以上の脂肪族アシル基導入工程)
得られたフレーク状のセルロースアセテートに、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入して、総置換度を2.9以上とする工程について詳述する。具体的には、例えば、フレーク状のセルロースアセテートを1,3−ジメチルイミダゾリジノンなどの溶媒に溶解し、ピリジン触媒下、セルロースアセテートに炭素数nが5以上の脂肪酸クロリドなどの反応剤を反応させることにより、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入することができる。
上記反応剤としては、炭素数nが5以上の脂肪酸クロリドの他、脂肪酸無水物、脂肪酸混合無水物、およびこれらの脂肪酸とパラトルエンスルホン酸クロリドなどのスルホン酸クロリドとの併用などが挙げられる。これらのうち2種類以上の反応剤を併用してもよい。これらの反応剤の中でも、入手容易であり、反応性が高く、目的物を高置換度、高収率で合成できるため、脂肪酸クロリドまたは脂肪酸無水物を使用するのが望ましく、脂肪酸クロリドを使用するのがより望ましい。
炭素数nが5以上の脂肪酸クロリドとしては、具体的には、炭素数nが18の場合には、例えば、オクタデカン酸クロリドなど、炭素数nが10の場合には、デカン酸クロリドなど、炭素数が5の場合には、ペンタン酸クロリドなどが挙げられる。
炭素数nが5以上の脂肪酸無水物としては、炭素数nが18の場合には、たとえば無水オクタデカン酸など、炭素数が10の場合には、無水デカン酸など、炭素数が5の場合には、無水ペンタン酸などが挙げられる。
総置換度を2.9以上とするため、反応系の温度は、20〜100℃とすることが好ましい。反応時間は、例えば、3hr〜24hrである。総置換度を2.9以上とした後、脱エステル化反応の前にセルロースエステルを沈殿させる。
セルロースエステルの沈殿は、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応系に、目的の混合脂肪酸セルロースエステルを溶解しない溶剤を添加することにより、行うことができる。具体的には、1)炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液を攪拌しながら、当該反応液に沈殿溶媒を加えて沈殿させる方法、2)沈殿溶媒を攪拌しながら、当該沈殿溶媒に炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液を加えて沈殿させる方法、または、3)炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液と沈殿溶媒とを混合し、一度加熱して混合脂肪酸セルロースエステルを溶解させ、続いて冷却して沈殿を析出させる方法などが実施できる。
簡便に操作でき不純物の除去も容易であるという観点で、1)炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液を攪拌しながら、当該反応液に沈殿溶媒を加えて沈殿させる方法が望ましい。沈殿物の形状を制御しやすいという観点で、2)沈殿溶媒を攪拌しながら、当該沈殿溶媒に炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液を加えて沈殿させる方法が望ましい、また、微小な粉末を得るためには、3)炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入する反応が終了した反応液と沈殿溶媒とを混合し、一度加熱して混合脂肪酸セルロースエステルを溶解させ、続いて冷却して沈殿を析出させる方法が望ましい。目的に応じて、いずれの沈殿方法を採用することができる。
目的の混合脂肪酸セルロースエステルを溶解しない溶剤であれば、どのような溶剤も使用可能であり、たとえば、水;メタノール、エタノール、プロパノールのなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ヘキサン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカリン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。これらの中でも、安価に入手可能であるという観点で、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどが望ましい。
(脱エステル化工程)
炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入した後、脱エステル化反応して、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を脱離する工程について詳述する。炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入したセルロースアセテート(100重量部)は、硫酸触媒下、酢酸1〜200重量部および水0.01〜100重量部からなる溶媒中で脱エステル化反応を行うことができる。硫酸触媒は、0.01〜20重量部を用いることができる。反応系の温度は、20〜120℃であることが好ましい。反応時間を長くするほど、アセチル基および炭素数nが5以上の脂肪族アシル基の脱離が進むが、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度を0.05以上1.5以下に調整する場合には、例えば反応時間を0.5〜2hrとすることにより得ることができる。また、アセチル基によるアセチル置換度を1.5以上2.9以下に調整する場合には、0.5〜10hrとすることが好ましい。また、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入して、総置換度が2.9以上の混合脂肪酸セルロースエステルを調製する段階で、アセチル基及び炭素数nが5以上の脂肪族エステル基の比率を調節することによって、脱エステル化後のアセチル、炭素数nが5以上の脂肪族エステル基の比率を調節することも可能である。
本開示の混合脂肪酸セルロースエステルは、種々の光学フィルム、例えば、偏光板の保護フィルム、カラーフィルタ、写真感光材料の基材フィルム、表示装置用フィルム(例えば、液晶表示装置用光学補償フィルムなどの光学補償フィルム)、反射防止フィルムの基材フィルムなどとして利用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲が限定されるものではない。
<脂肪族アシル置換度、アセチル置換度及び総置換度>
炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度及びアセチル置換度は、H−NMRにより決定した。測定条件は以下に示したとおりであり、得られたシグナル強度に基づき、下記式(1)により脂肪族アシル置換度を、下記式(2)によりアセチル置換度をそれぞれ算出した。
装置:日本電子株式会社製 JEOL JNM ECA−500
温度:30℃
溶媒:CDCl
試料濃度:0.8wt%
脂肪族アシル置換度(DSfa)=7γ/mαまたは7ε/3α (1)
アセチル置換度(DSac)=7(β−2×DSfa)/3α (2)
α:5.5〜3.2ppmの積分値
β:2.5〜1.75ppmの積分値
γ:1.4〜1.0ppmの積分値
ε:0.97〜0.79ppmの積分値
m:炭素数nが5以上の脂肪族アシル基C(n−1)2(n−1)+1COにおいて、m=2(n−3)
総置換度は、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度及びアセチル置換度の値を足し合わせることにより算出した。
<OH置換度>
OH置換度は、セルロースが完全にアシル化された場合の置換度3と混合脂肪酸セルロースエステルの総置換度との差により算出した。
<重量平均分子量(Mw)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて標準PMMAから校正曲線を作成し、重量平均分子量(Mw)を求めた。測定条件は以下のとおりである。
(株)島津製作所製の以下の装置等を用いた。
ポンプ :LC−20AD
オートサンプラー:SIL−20AHT
カラムオーブン :CTO−20A
検出器 :RID−20A
解析ソフト :LabSolutions
その他の条件は以下のとおりである。
溶媒:HPLC用ジクロロメタン/HPLC用メタノール=9/1(重量比)
カラム:PolyPore(300×7.5mm)×2本 + guard
流速:0.70ml/min
温度:25℃
試料濃度:0.20w/v%
注入量:50μl(0.2μmフィルターろ過)
解析法:PMMA換算分子量
使用標準ポリマー:PMMA625500,509000,201800,79500,26080,7360,1850
<SP値>
上記の計算式である、SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(J/mol)、v:モル体積(cm/mol)、Δei:各々の原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:各々の原子又は原子団のモル体積)
に基づき算出した。
<寸法変化>
混合脂肪酸セルロースエステルをフィルムに成形したときの吸湿による寸法変化は、以下のようにして求めた。混合脂肪酸セルロースエステル10重量部を、塩化メチレン81重量部及びメタノール9重量部からなる溶媒に溶解させ、ドープを調製した。得られたドープをガラス板上に流延し、バーコータ(コーテック株式会社スパイラルバーコーターNo.5)を用いて厚さを均一にした。これを40℃で30分間乾燥させ、ガラス板からフィルムを剥がし、さらに80℃で30分間乾燥させ、厚さ40μmの混合脂肪酸セルロースエステルからなるフィルム試料を得た。このフィルムに針を用いて10cm間隔で2点の穴を開け、室温40℃、湿度20%の条件で24時間保管した。その後、2点間の距離(L1)を測定した。次に、室温40℃、湿度90%の条件で24時間保管した。その後、2点間の距離(L2)を測定した。これらL1およびL2の値から、下記式(3)に基づき寸法変化を算出した。
寸法変化=(L2−L1)/L1 (3)
<弾性率>
混合脂肪酸セルロースエステルをフィルムに成形したときの弾性率は、以下のようにして求めた。上記寸法変化の場合と同様にして、混合脂肪酸セルロースエステルからなるフィルムを得た。得られたフィルムを幅15mm、長さ150mmにカットし、このフィルムを室温25℃、湿度60%の条件で、引張り試験機(テンシロン)を用いて、チャック間距離100mm、引張り速度20mm/分の条件でJIS K 7127に準じた方法でフィルムの弾性率を測定した(測定値はC)。
<アルカリけん化適性>
混合脂肪酸セルロースエステルをフィルムに成形したときの偏光子との密着性は、そのフィルムの表面のアルカリによるけん化の進行のしやすさの度合い(アルカリけん化適性)を測定することにより評価することができる。ここで、混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを偏光子と密着させる際には、そのフィルムの表面をアルカリでけん化して、エステル基を除去することで、表面の親水性を増し、水系接着剤を用いて、偏光子(ポリビニルアルコールにヨウ素をしみこませフィルムを引き伸ばしたもの)と、張り合わせる。このような張り合わせ方法が用いられているため、短時間で混合脂肪酸セルロースエステルフィルム表面がけん化されば、短時間で接着させることができるため好ましい。
具体的な評価の方法は以下のとおり行った。まず、ソルベントキャスト法によりフィルムを成形する。混合脂肪酸セルロースエステル10重量部を、塩化メチレン81重量部及びメタノール9重量部に溶解させドープを調製する。得られたドープをガラス板上に流延し、バーコータ(例えば、コーテック株式会社スパイラルバーコーターNo.5など)を用いて厚さを均一にする。これを40℃で30分間乾燥させ、ガラス板からフィルムを剥がし、さらに80℃で30分間乾燥させ、厚さ40μmの混合脂肪酸セルロースエステルからなるフィルム試料を得た。このフィルムを、50℃に温度調節した1.0mol/lのNaOH水溶液にいれ、5分間静置した。その後、フィルムを引き上げて、水で洗浄し、ステンレス製の枠に固定して、80℃で乾燥した。NaOH水溶液による処理前のフィルムおよび処理後のフィルムについて、JIS R 3257に準じた手順にて、接触角計を使用して、純水の接触角を測定した。
NaOH水溶液による処理前のフィルムの接触角をα、処理後の接触角をβとし、β/αの値にて、アルカリけん化処理の進行しやすさの度合いを測定した。
◎:β/αが0.6未満 アルカリけん化は速く進行する。
○:β/αが0.6以上0.7未満 アルカリけん化は進行しやすい。
△:β/αが0.7以上0.8未満 アルカリけん化は進行しにくい。
×:0.8以上 アルカリけん化はほとんど進行しない。
(合成例1)
セルロース原料として木材パルプ(針葉樹パルプ)100重量部に氷酢酸50重量部を散布して前処理活性化させた後、氷酢酸470重量部、無水酢酸265重量部および硫酸8.3重量部の混合物を添加し、反応温度を45℃未満に制御しながらニーダー中にて、エステル化を行った。その後、20重量部の24%酢酸マグネシウム水溶液を添加して、加水分解を30分間行い、沈殿させ、さらに105℃で2時間乾燥し、水分量を0.5重量%以下としてフレーク状のセルロースアセテートを得た。アセチル置換度は、2.9であった。
(合成例2)
加水分解を30分間に代えて50分間行った以外は、合成例1と同様にしてフレーク状のセルロースアセテートを得た。アセチル置換度は2.8であった。
(合成例3)
加水分解を30分間に代えて70分間行った以外は、合成例1と同様にしてフレーク状のセルロースアセテートを得た。アセチル置換度は2.7であった。
(合成例4)
加水分解を30分間に代えて90分間行った以外は、合成例1と同様にしてフレーク状のセルロースアセテートを得た。アセチル置換度は2.6であった。
(合成例5)
加水分解を30分間に代えて130分間行った以外は、合成例1と同様にしてフレーク状のセルロースアセテートを得た。アセチル置換度は2.4であった。
(実施例1)
攪拌機、冷却管を備えた5L丸底フラスコに、溶媒として1,3−ジメチルイミダゾリジノン2950gと、触媒としてピリジン2040gを入れ、攪拌を開始した。合成例1で調製したセルロースアセテートを350g(1.23mol)加え、シリコーン油浴で60℃まで昇温し、セルロースアセテートが溶解するまで攪拌した。攪拌を継続しながら、炭素数18の脂肪族アシル基の導入のため、オクタデカン酸クロリド[東京化成工業(株)製]183g(0.60mol)を滴下ロートから60分かけて滴下した後、80℃に昇温し、4時間攪拌を継続した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、続いて、反応液を30Lの容器の移し替え、攪拌しながらメタノール25kgを加え、沈殿を形成させた。沈殿物を吸引ろ過により集め、粗セルロースアセテートオクタデカノエートのウエットケーキを得た。得られたウエットケーキに、エタノール3800gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに4回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートオクタデカノエート354gを得た。得られたセルロースアセテートオクタデカノエートの総置換度は、3.0、オクタデカノイル置換度は、0.1であった。
つづいて、この得られたセルロースアセテートオクタデカノエート300g(0.97mol)を、酢酸2040gと水156gからなる溶媒に溶解し、54℃に昇温した。54℃にて硫酸12.0gを滴下して、脱エステル化反応を開始し、130分後、24%酢酸マグネシウム水溶液34.6gを添加して脱エステル化反応を停止した。続いて、純水5740gを加えて、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過により集め、ウエットケーキを得た。得られたケーキに、エタノール2850gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに3回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートオクタデカノエートを275g得た。
得られたセルロースアセテートオクタデカノエートのアセチル置換度は2.7、オクタデカノイル置換度は0.1、OH置換度は0.2、重量平均分子量は、39万、SP値は、22.1(MPa)1/2であった。さらに、フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例2)
脱エステル化反応の温度を64℃とし、脱エステル化反応の開始から60分後に24%酢酸マグネシウム水溶液を添加した以外は、実施例1と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを得た。アセチル置換度は2.7、オクタデカノイル置換度は0.1、OH置換度は0.2、重量平均分子量は、16万、SP値は、22.1(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例3)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例2で調製したアセチル置換度が2.8のセルロースアセテートを用い、脱エステル化反応の温度を64℃とし、脱エステル化反応の開始から60分後に24%酢酸マグネシウム水溶液を添加した以外は、実施例1と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを得た。アセチル置換度は2.6、オクタデカノイル置換度は0.2、OH置換度は0.2、重量平均分子量は、22万、SP値は、21.6(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1における、脱エステル化反応を開始する前、総置換度3.0、オクタデカノイル置換度0.1のセルロースアセテートオクタデカノエートを得るまでの手順と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを得た。得られたセルロースアセテートオクタデカノエートのアセチル置換度は2.9、オクタデカノイル置換度は0.1、OH置換度は0.0、重量平均分子量は、15万、SP値は、21.5(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例5)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例2で調製したアセチル置換度が2.8のセルロースアセテートを使い、脱エステル化反応の温度を64℃とし、脱エステル化反応の開始から30分後に24%酢酸マグネシウム水溶液を添加した以外は、実施例1と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを得た。アセチル置換度は2.7、オクタデカノイル置換度は0.2、OH置換度は0.1、重量平均分子量は、24万、SP値は、21.4(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例6)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例2で調製したアセチル置換度が2.8のセルロースアセテートを用いた以外は、実施例4と同様にして、総置換度が3.0のセルロースアセテートオクタデカノエートを得た。アセチル置換度は2.8、オクタデカノイル置換度は0.2、OH置換度は0.0、重量平均分子量は、29万、SP値は、21.1(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例7)
攪拌機、冷却管を備えた5L丸底フラスコに、触媒としてピリジン4000gを入れ、攪拌を開始した。合成例5で調製したアセチル置換度が2.4のセルロースアセテートを326g(1.23mol)加え、シリコーン油浴で60℃まで昇温し、セルロースアセテートが溶解するまで攪拌した。攪拌を継続しながら、炭素数5の脂肪族アシル基の導入のため、ペンタン酸クロリド[東京化成工業(株)製]72g(0.60mol)を滴下ロートから60分かけて滴下した後、80℃に昇温し、4時間攪拌を継続した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、続いて、反応液を30Lの容器の移し替え、攪拌しながらメタノール25kgを加え、沈殿を形成させた。沈殿物を吸引ろ過により集め、粗セルロースアセテートペンタノエートのウエットケーキを得た。得られたウエットケーキに、エタノール3800gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに4回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートペンタノエート354gを得た。得られたセルロースアセテートペンタノエートの総置換度は、3.0、ペンタノイル置換度は、0.6であった。
つづいて、この得られたセルロースアセテートペンタノエート309g(0.99mol)を、酢酸2100gと水90gからなる溶媒に溶解し、65℃に昇温した。65℃にて硫酸12.3gを滴下して、脱エステル化反応を開始し、50分後、24%酢酸マグネシウム水溶液34.6gを添加し、続いて、純水5740gを加えて、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過により集め、ウエットケーキを得た。得られたケーキに、エタノール2850gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに3回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートペンタノエートを280g得た。
得られたセルロースアセテートペンタノエートのアセチル置換度は2.2、ペンタノイル置換度は0.6、OH置換度は0.2、重量平均分子量は、17万、SP値は、22.0(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例8)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例5で調製したアセチル置換度が2.4のセルロースアセテートを用い、オクタデカン酸クロリドの代わりにペンタン酸クロリドを使用した以外は、実施例4と同様にして、セルロースアセテートペンタノエートを343g得た。アセチル置換度は2.4、ペンタノイル置換度は0.6、OH置換度は0.0、重量平均分子量は、20万、SP値は、21.5(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例9)
攪拌機、冷却管を備えた5L丸底フラスコに、溶媒として1,3−ジメチルイミダゾリジノン2950gと、触媒としてピリジン2040gを入れ、攪拌を開始した。合成例3で調製したセルロースアセテートを339g(1.23mol)加え、シリコーン油浴で60℃まで昇温し、セルロースアセテートが溶解するまで攪拌した。攪拌を継続しながら、炭素数10の脂肪族アシル基の導入のため、デカン酸クロリド[東京化成工業(株)製]106g(0.60mol)を滴下ロートから60分かけて滴下した後、80℃に昇温し、4時間攪拌を継続した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、続いて、反応液を30Lの容器の移し替え、攪拌しながらメタノール25kgを加え、沈殿を形成させた。沈殿物を吸引ろ過により集め、粗セルロースアセテートデカノエートのウエットケーキを得た。得られたウエットケーキに、エタノール3800gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに4回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートデカノエート324gを得た。得られたセルロースアセテートデカノエートの総置換度は、3.0、デカノイル置換度は、0.3であった。
つづいて、この得られたセルロースアセテートデカノエート308g(0.97mol)を、酢酸2040gと水156gからなる溶媒に溶解し、64℃に昇温した。64℃にて硫酸12.0gを滴下して、脱エステル化反応を開始し、130分後、24%酢酸マグネシウム水溶液34.6gを添加してエステル化反応を停止した。続いて、純水5740gを加えて、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過により集め、ウエットケーキを得た。得られたケーキに、エタノール2850gを加え、60℃で1時間攪拌することにより洗浄し、脱液した。このエタノールによる洗浄操作をさらに3回繰り返した後、水で溶媒置換を行った。80℃の熱風乾燥機で15時間乾燥させ、白色〜薄黄色の固体として、セルロースアセテートデカノエートを261g得た。
得られたセルロースアセテートデカノエートのアセチル置換度は2.5、デカノイル置換度は0.3、OH置換度は0.2、重量平均分子量は、20万、SP値は、21.8(MPa)1/2であった。さらに、フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
合成例1で調製したセルロースアセテートについて、以下の評価をした。重量平均分子量は、28万、SP値は、22.4(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例2)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例4で調製した置換度が2.6のセルロースアセテート333gを使用した以外は、実施例4と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを400g得た。アセチル置換度は2.6、オクタデカノイル置換度は0.4、OH置換度は0.0、重量平均分子量は、25万、SP値は、20.6(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例3)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例4で調製した置換度が2.6のセルロースアセテート333gを使用し、脱エステル化反応温度が64℃で、脱エステル化反応時間が30分とした以外は、実施例1と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを373g得た。アセチル置換度は2.5、オクタデカノイル置換度は0.4、OH置換度は0.1、重量平均分子量は、20万、SP値は、20.8(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例4)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例5で調製した置換度が2.4のセルロースアセテート323gを使用した以外は、実施例4と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを431g得た。アセチル置換度は2.4、オクタデカノイル置換度は0.6、OH置換度は0.0、重量平均分子量は、21万、SP値は、20.2(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例5)
合成例1で調製したセルロースアセテートに代えて、合成例5で調製した置換度が2.7のセルロースアセテート323gを使用した以外は、実施例1と同様にして、セルロースアセテートオクタデカノエートを343g得た。アセチル置換度は2.4、オクタデカノイル置換度は0.3、OH置換度は0.3、重量平均分子量は、19万、SP値は、21.5(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例6)
アセチル置換度は0.2、プロピオニル置換度は2.5のセルロースアセテートプロピオネート(ALDRICH社より購入)について、以下の評価をした。OH置換度は0.3、重量平均分子量は、19万、SP値は、22.1(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例7)
アセチル置換度は1.0、ブチリル置換度は1.7のセルロースアセテートブチレート(ALDRICH社より購入)について、以下の評価をした。、OH置換度は0.3、重量平均分子量は、21万、SP値は、21.8(MPa)1/2であった。フィルムに成形したときの寸法変化、弾性率、及びアルカリけん化適性を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2017203051

Claims (5)

  1. アセチル基と炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、
    前記アセチル基によるアセチル置換度が1.5以上2.9以下、
    前記炭素数nが5以上の脂肪族アシル基による脂肪族アシル置換度が0.05以上1.5以下、
    OH置換度が0以上0.25以下、及び
    SP値が21.0以上である、混合脂肪酸セルロースエステル。
  2. フィルムに成形したときの25℃、湿度60%条件下、JIS K 7127に準拠して測定した弾性率が2.2GPa以上である、請求項1に記載の混合脂肪酸セルロースエステル。
  3. SP値が22.2以下である、請求項1または2に記載の混合脂肪酸セルロースエステル。
  4. 重量平均分子量が100,000以上1,500,000以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の混合脂肪酸セルロースエステル。
  5. フレーク状のセルロースアセテートに、炭素数nが5以上の脂肪族アシル基を導入して、総置換度を2.9以上とし、脱エステル化反応する、混合脂肪酸セルロースエステルの製造方法。
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