JP3974058B2 - セルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法およびセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法 - Google Patents

セルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法およびセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法およびセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアセテートフイルムは、その強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いられている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイルムおよびカラーフィルターが代表的である。
セルロースアセテートフイルムは、一般にソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メルトキャスト法では、セルロースアセテートを加熱により溶融したものを支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法よりも平面性の高いフイルムを製造することができる。このため、実用的には、ソルベントキャスト法の方が普通に採用されている。
【0003】
ソルベントキャスト法については、多くの文献に記載がある。最近のソルベントキャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっている。例えば、高濃度ドープを冷却ドラム上に流延することにより、流延後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単にセルロースアセテートを溶解することだけでなく、様々な条件が要求される。すなわち、平面性に優れ、厚みの均一なフイルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、ゲル化が容易であることや支持体からの剥離が容易であることも要求される。そのようなドープを調製するためは、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒については、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないことも要求される。
【0004】
セルロースアセテートの溶媒として、様々な有機溶媒が提案されているが、以上の要求を全て満足する溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られていた。言い換えると、メチレンクロリド以外の溶媒は、ほとんど実用化されていない。しかしながら、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は、近年、地球環境保護の観点から、その使用は著しく規制される方向にある。また、メチレンクロリドは、低沸点(41℃)であるため、製造工程において揮散しやすい。このため、作業環境においても問題である。これらの問題を防止するため、製造工程のクローズド化が行なわれているが、密閉するにしても技術的な限界がある。
一方、汎用の有機溶剤であるアセトン(沸点:56℃)やメチルアセテート(沸点:57℃)は、適度の沸点を有し、乾燥負荷もそれほど大きくない。また、人体や地球環境に対しても、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、アセトンやメチルアセテートは、セルロースアセテートに対する溶解性が低い。特に置換度が2.80(酢化度:60.1%)以上のセルローストリアセテートは、アセトン中やメチルアセテート中では膨潤するだけで、ほとんど溶解しない。
【0005】
セルロースアセテートよりも、セルロースプロピオネートやセルロースブチレートの方が溶媒の選択の範囲が広いことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。セルロースプロピオネートやセルロースブチレートは、セルロースアセテートを溶解できないケトン類やエステル類にも溶解する。しかし、セルロースプロピオネートやセルロースブチレートから製造したフイルムは、機械的強度や耐久性がセルロースアセテートフイルムよりも劣っている。
また、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースの混合脂肪酸エステルが市販されている。例えば、イーストマン・ケミカル社のカタログ(1994年)には、セルロースの混合脂肪酸エステルが多数記載されている。それらの多くは、アセトンやメチルアセテートのような汎用の有機溶剤に溶解する。しかし、これらのセルロースの混合脂肪酸エステルから製造したフイルムも、機械的強度や耐久性が不充分であった。実際にも、これらの市販品は、高い機械的強度が要求される保護フイルムや写真感光材料支持体の用途ではなく、塗料用の原料として販売されている。
【0006】
以上のような問題を有するソルベントキャスト法に代えて、メルトキャスト法を用いることも提案している(例えば、特許文献2参照)。ただし、メルトキャスト法には、セルローストリアセテートの融点が分解温度よりも高いとの問題がある。すなわち、アセチル基の置換度が高いセルローストリアセテートは、加熱すると溶融する前に分解してしまう。この問題を解決するため、特許文献2記載の発明では、セルロースアセテート中のアセチル基の置換度を1.9乃至2.6に調節している。特許文献2には、さらにセルロースアセテートプロピオネートの開示もあり、プロピオニル基の置換度を0乃至0.9と規定している。具体的には、特許文献2の例Bに、アセチル基の置換度が1.90、プロピオニル基の置換度が0.71のセルロースアセテートプロピオネートが記載されている。また、特許文献2の例Cには、アセチル基の置換度が2.10、プロピオニル基の置換度が0.50のセルロースアセテートプロピオネートが記載されている。
特許文献2記載の各例では、エステル化反応の最高温度を60℃としてセルロースの混合脂肪酸エステルを製造している。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−17844号公報
【特許文献2】
特表平6−501040号公報
【非特許文献1】
シー・ジェイ・マルム(C.J.Malm)他、Ind.Enig.Chem.、1951年、43巻、688頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、セルロースエステル溶液の調製方法およびセルロースエステルフイルムの製造方法について、さらに研究を進めた。
セルロースアセテート、特にセルローストリアセテートを溶解できる有機溶媒の種類が少ない問題については、セルロースアセテートに代えて、セルロースの他の脂肪酸エステルまたはセルロースの混合脂肪酸エステルを使用することで解決できることが既に知られている(前述したC.J.Malm他の論文やイーストマン・ケミカル社のカタログに記載)。しかし、これらのセルロースエステルは、セルローストリアセテートよりも物性が著しく劣っている。特表平6−501040号公報に記載されているセルロースの混合脂肪酸エステルも物性の点で問題があった。
本発明の目的は、セルロースエステルを様々な種類の有機溶媒に溶解することが可能なセルロースエステル溶液の調製方法を提供することである。
また、本発明の目的は、セルローストリアセテートと同程度またはそれ以上の物性を有するセルロースの混合脂肪酸エステルからなるフイルムを製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記(1)セルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法および下記(2)のセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法により達成された。
(1)セルロースの水酸基がアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基で置換されており、アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足するセルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒とを予め混合した後に氷点下に冷却する工程、およびその後加温する工程によりセルロースの混合脂肪酸エステルを溶媒中に溶解するセルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法。
(I) 2.0<DSace≦2.95
(II)0.05<DSacy≦0.8
(III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
(2)セルロースの水酸基がアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基で置換されており、アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足するセルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒とを予め混合した後に氷点下に冷却する工程、その後加温することによりセルロースの混合脂肪酸エステルを溶媒中に溶解する工程、得られた溶液を支持体上に流延してセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムを形成するセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法。
(I) 2.0<DSace≦2.95
(II)0.05<DSacy≦0.8
(III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
【0010】
セルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法は、下記(3)〜(6)の態様で実施してもよい。
(3)セルロースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、さらに下記式(V)を満足する(2)に記載の製造方法。
(V)1.9<DSace−DSacy
(4)炭素原子数が3以上のアシル基が、プロピオニル基またはブチリル基である(2)に記載の製造方法。
(5)セルロースの混合脂肪酸エステルが、350乃至800の質量平均重合度を有する(2)に記載の製造方法。
(6)セルロースの混合脂肪酸エステルが、70000乃至230000の数平均分子量を有する(2)に記載の製造方法。
【0011】
【発明の効果】
本発明者の研究によると、市販されているセルロースの混合脂肪酸エステル(前述したイーストマン・ケミカル社のカタログに記載)は、他のアシル基の置換度が高い(0.8<DSacy)。その結果として、これらの市販品からセルロースエステルフイルムを製造しても、物性が著しく劣ったフイルムしか得られなかったのである。本発明では、他のアシル基の置換度を0.8以下とすることにより、セルロースエステルの物性を改善する。
さらに、本発明者の研究により、重合度の高い(分子量の大きい)セルロースエステルを得るためには、エステル化反応工程における最高温度を35乃至50℃に調節することが重要であることが判明した。
以上の結果、セルローストリアセテートと同程度またはそれ以上の物性を有するセルロースの混合脂肪酸エステルを製造することが可能になった。そのセルロースの混合脂肪酸エステルを用いることで、セルローストリアセテートと異なり、様々な種類の溶媒に溶解させることが可能となり、物性が優れたセルロースエステルフイルムを製造することも可能になった。
【0012】
【発明の実施の形態】
[セルロースの混合脂肪酸エステルとその製造方法]
本発明では、セルロースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足する。
(I) 2.0<DSace≦2.95
(II)0.05<DSacy≦0.8
(III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とは、下記式(V)を満足することがさらに好ましい。
(V)1.9<DSace−DSacy
【0013】
置換度は、セルロースの構成単位(β1→4グリコシド結合しているグルコース)に存在している三つの水酸基がエステル結合している割合を意味する。置換度は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、ASTM−D817−91に準じて実施する。
置換度の規定について、図1を参照しながら説明する。
図1は、横軸をアセチル基の置換度(DSace)、縦軸を炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とするグラフである。
縦線でハッチングした領域は、式(I)〜(III)を満足する値の範囲に相当する。横線でハッチングした領域は、式(I)〜(III)および式(V)を満足する値の範囲に相当する。なお、図1には、参考例1〜4、13、14、19、20、参考例1および比較例1で合成したセルロースの混合脂肪酸エステルの脂肪酸組成もプロットした。
【0014】
本発明が規定する範囲よりも、アセチル基の置換度が低いか、他のアシル基の置換度が高い値(図1でハッチングした領域よりも左側または上側の値)では、セルロースエステルの分子鎖の相互作用が弱くなり、製造するフイルムの機械的強度(弾性率、耐折強度)が低下する。なお、図1で横線でハッチングした領域では、セルロースエステルの分子鎖の相互作用が非常に強く、機械的強度(弾性率、耐折強度)が非常に優れたフイルムが得られる。
また、本発明が規定する範囲よりも、アセチル基の置換度が高いか、他のアシル基の置換度が低い値(図1でハッチングした領域よりも下側の値)では、種々の有機溶媒中でのセルロースエステルの溶解度が低下する。さらに、本発明が規定する範囲よりも、全アシル基の置換度(DSace+DSacy)が低い値(図1でハッチングした領域よりも左下側の値)では、製造したフイルムの寸度安定性や耐湿熱性が低下する。
以上のように、本発明では、アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)を、有機溶媒中でのセルロースエステルの溶解度と製造するフイルムの物性を考慮して決定した。
【0015】
アセチル基以外のアシル基の炭素原子数は3乃至6であることが好ましい。他のアシル基は、プロピオニル基またはブチリル基であることがさらに好ましく、プロピオニル基が最も好ましい。
セルロースの混合脂肪酸エステルは、350乃至800の質量平均重合度を有することが好ましく、370乃至600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。
セルロースの混合脂肪酸エステルは、70000乃至230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000乃至230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000乃至120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
【0016】
セルロースの混合脂肪酸エステルは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例、酢酸)や塩化メチレンが使用される。触媒としては、硫酸のようなプロトン性触媒が用いられる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物が用いられる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。この方法において、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β1→4グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフイルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定する必要がある。
【0017】
本発明者の研究によれば、重合度の高い(分子量の大きい)セルロースエステルを得るためには、エステル化反応工程における最高温度を50℃以下に調節することが重要である。最高温度は、35乃至50℃、好ましくは37乃至47℃に調節する。反応温度が35℃未満では、エステル化反応が円滑に進行しない場合がある。反応温度が50℃を越えると、セルロースエステルの重合度が低下しやすい。
エステル化反応の後、温度上昇を抑制しながら反応を停止すると、さらに重合度の低下を抑制でき、高い重合度のセルロースエステルを合成できる。すなわち、反応終了後に反応停止剤(例、水、酢酸)を添加すると、エステル化反応に関与しなかった過剰の酸無水物は、加水分解して対応する有機酸を副成する。この加水分解反応は激しい発熱を伴い、反応装置内の温度が上昇する。反応停止剤の添加速度が大きいと、反応装置の冷却能力を超えて急激に発熱する。そのため、セルロース主鎖の加水分解反応が著しく進行し、得られるセルロースエステルの重合度が低下する。また、エステル化の反応中に触媒の一部はセルロースと結合しており、その大部分は反応停止剤の添加中にセルロースから解離する。しかし、反応停止剤の添加速度が大きいと、触媒が解離するために充分な反応時間がなく、触媒の一部がセルロースに結合した状態で残る。強酸の触媒が一部結合しているセルロースエステルは安定性が非常に悪く、製品の乾燥時の熱などで容易に分解して重合度が低下する。これらの理由により、エステル化反応の後、好ましくは4分以上、さらに好ましくは4乃至30分の時間をかけて反応停止剤を添加して、反応を停止することが望ましい。なお、反応停止剤の添加時間が30分を越えると、工業的な生産性が低下する。反応停止剤としては、一般に酸無水物を分解する水やアルコールが用いられている。ただし、本発明では、各種有機溶媒への溶解性が低いトリエステルを析出させないために、水と有機酸との混合物が、反応停止剤として好ましく用いられる。
以上のような条件でエステル化反応を実施すると、質量平均重合度が500以上である高分子量セルロースエステルを容易に合成することができる。
【0018】
[セルロースエステル溶液]
セルロースの混合脂肪酸エステルを溶媒中に溶解して、セルロースエステル溶液を調製する。
溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。前述したように製造したセルロースエステルは、様々な種類の有機溶媒に溶解できるという効果を有する。すなわち、メチレンクロリドのようなハロゲン原子を含む有機溶媒を使用しなくても溶液の調製が可能である。全溶媒中のハロゲン原子を含む有機溶媒の割合は、5質量%未満であることが好ましく、2質量%未満であることがさらに好ましい。ケトン類、エステル類およびエーテル類から選ばれるハロゲン原子を含まない有機溶媒が好ましく用いられる。ケトン類およびエステル類がさらに好ましい。ケトン類、エステル類およびエーテル類は環状構造を有していてもよい。有機溶媒の沸点は、140℃未満であることが好ましく、100℃未満であることがさらに好ましく、60℃未満であることが最も好ましい。有機溶媒の例としては、アセトン(沸点:56℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、テトラヒドロフラン(沸点:65.4℃)、1,4−ジオキサン(沸点:101℃)、メチルアセテート(沸点:57℃)、エチルホルメート(沸点:54℃)、2−メトキシエタノール(沸点:124℃)を挙げることができる。アセトンおよびメチルアセテートが特に好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。有機溶媒を併用する場合、上記のような良溶媒と貧溶媒を併用してもよい。貧溶媒の例としては、炭素原子数が1乃至4の低級アルコール(例、メタノール、n−ブタノール)およびシクロヘキサンを挙げることができる。良溶媒と貧溶媒を併用する場合、良溶媒の割合は60質量%以上であることが好ましい。
【0019】
セルロースエステル溶液は、一般的なソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて調製することができる。
比較的低濃度の溶液は常温で攪拌することにより得ることができるが、高濃度の溶液を得るために、溶媒で膨潤させた混合スラリーを氷点下に冷却したのち加温する方法、あるいは溶媒で膨潤させた混合スラリーを氷点下に冷却したのち加温する方法と加圧および加熱条件下で攪拌して調製する方法とを組み合わせた方法で溶解を行なう。
冷却下で溶解するためには、セルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒を予め混合した後に氷点下に冷却する。必要な冷却温度は、溶媒の種類やセルロースの混合脂肪酸エステルの置換度や重合度により異なるが、通常は−70℃以上であり、好ましくは−40乃至0℃であり、さらに好ましくは−30乃至0℃である。
各成分は予め常温で混合してセルロースの混合脂肪酸エステルを膨潤させておくことが好ましい。溶解は容器に各成分を投入して行なってもよい。あるいは、予め各成分を混合した後、熱交換器や冷却槽を設けた押出機などを用いて連続的に冷却してもよい。
容器に投入して溶解する場合は、容器に攪拌装置が付属していることが望ましく、攪拌翼は容器の壁付近に達する長さのものが望ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁付近の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
【0020】
冷却して溶解する方法と加圧および加熱して溶解する方法を組み合わせる場合、一つの容器で冷却および加熱を繰り返してもよい。
具体的に加圧および加熱条件下で溶解する場合は、セルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒を加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は60℃以上であり、好ましくは80乃至110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
調製する溶液中のセルロースの混合脂肪酸エステルの濃度は、溶液の用途に応じて決定する。溶液中の濃度は、一般に5乃至50質量%であり、好ましくは10乃至40質量%である。
セルロースエステル溶液をフイルムの製造に使用する場合、溶液の粘度は10000乃至1000000cPの範囲であることが好ましい。
【0021】
セルロースエステル溶液には、その用途に応じて、添加剤(例、可塑剤、劣化防止剤、紫外線防止剤)を添加してもよい。
セルロースエステルフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することが普通である。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート、(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。二種類以上の可塑剤を併用してもよい。
製造するフイルムの耐湿熱性を向上させるために、フタル酸エステル系可塑剤(上記DMP、DEP、DBP、DOP、DEHP)を用いることが好ましい。DEPが特に好ましく用いられる。
【0022】
可塑剤の添加量は一般に、セルロースエステルに対して0.1乃至40質量%の範囲である。本発明のセルロースの混合脂肪酸エステルでは、3乃至12質量%の範囲であることが好ましい。本発明のセルロースの混合脂肪酸エステルは、従来のセルロースアセテートと比較して、可塑剤の添加量が少なくても、可塑剤が充分に作用するとの利点がある。このため、可塑剤の量が12質量%以下でも、可塑剤の効果が得られる。
セルロースエステル溶液(ドープ)あるいはセルロースエステルフイルムに添加できる劣化防止剤の例には、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤および酸捕獲剤が含まれる。劣化防止剤については、特開平5−197073号公報に記載がある。また、紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
【0023】
[セルロースエステルフイルムの製造]
セルロースエステルフイルムを、セルロースエステル溶液を用いてソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492077号、同2492078号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号の各公報に記載がある。
一般的なソルベントキャスト法では、調製したセルロースエステル溶液(ドープ)を鏡面状態に仕上げた支持体(例、ドラム、バンド)上に流延し、乾燥してからフイルムを剥ぎ取る。
特に好ましいソルベントキャスト法では、ドープを表面温度が10℃以下の支持体に流延して2秒以上風に当てた後、フイルムを剥ぎ取り、さらに100℃から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶媒を蒸発させる。この方法については、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することができる。その結果、流延設備を小型化したり、製膜速度を上げて生産性を向上させることができる。そのためには、流延時の支持体表面温度においてドープがゲル化する必要がある。本発明のセルロースエステル溶液は、そのような条件を満足する。
【0024】
製造したセルロースエステルフイルムは、温度25℃かつ相対湿度60%における平衡含水率が0.1乃至3%であることが好ましく、0.1乃至1.5%であることがさらに好ましい。
フイルムの厚さは、5乃至500μmであることが好ましく、20乃至200μmであることがさらに好ましく、60乃至120μmであることが最も好ましい。
セルロースの混合脂肪酸エステルは、以上のようなセルロースエステルフイルム以外にも、繊維用材料や各種成形品の原料としても用いることができる。
【0025】
【実施例】
各参考例、比較例、実施例において、セルロースエステル、溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、以下のように測定および計算した。
【0026】
(1)セルロースエステルの置換度
乾燥したセルロースエステル1.9gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。攪拌しながら1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水100mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として1N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行なった。
滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定した。
測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+(1−56.06×TA)×(AL/AC)}
DSacy=Sace×(AL/AC)
A: 試料滴定量(ml)
B: 空試験滴定量(ml)
F: 1N−硫酸の力価
W: 試料質量(g)
TA:全有機酸量(mol/g)
AL/AC:イオンクロマトグラフで測定した酢酸(AC)と他の有機酸(AL)とのモル比
DSace:アセチル基の置換度
DSacy:他のアシル基の置換度
【0027】
(2)セルロースエステルの数平均分子量
ゲル濾過カラムに屈折率および光散乱を検出する検出器を接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC−LALLS)を用いて、数平均分子量を測定した。測定条件は以下の通りである。
溶媒: アセトン
カラム: MPW×1(東ソー(株)製)
試料濃度: 0.2W/v%
流量: 1.0ml/min
試料注入量:300μl
標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,200)
温度: 23℃
【0028】
(3)セルロースエステルの質量平均重合度
上記(2)と同じ測定条件で、質量平均分子量を測定した。
測定結果により得られた質量平均分子量と平均置換度から、質量平均重合度を以下の式により求めた。
質量平均重合度=Mw/(162+42×DSace+(Mal−18)×DSacy
Mw :質量平均分子量
DSace:アセチル基の置換度
DSacy:他のアシル基の置換度
Mal :他のアシル置換基に対応する有機酸の分子量
【0029】
(4)セルロースエステルの溶解性
対象とする溶媒80質量部に対し、20質量部のセルロースエステル試料を投入し、常温(23℃)で3時間攪拌した。得られた溶液またはスラリーの状態を、常温で静置したまま保存し、その状態を観察して、以下のA、BおよびCの三段階で評価した。
A:10日間経時しても、透明性と均一性を保持し、良好な溶解性と溶液安定性を示す。
B:攪拌終了時には透明性と均一性を保持して良好な溶解性を示すが、一日経時すると相分離を生じ、不均一な状態となる。
C;攪拌終了直後から不均一なスラリーを形成し、透明性と均一性のある溶液状態を示さない。
【0030】
(4)フイルムの平衡水分率
温度25℃、相対湿度60%の条件以下でフイルムを24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定した。得られた水分量(g)を試料質量(g)で除して、平衡水分率を算出した。
測定装置としては、三菱化学(株)製の水分測定装置CA−03、同試料乾燥装置VA−05を用いた。カールフィッシャー試薬としては、同社製のAKS、CKSを用いた。
【0031】
(5)フイルムのヘイズ
ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
【0032】
(6)フイルムのレターデーション(Re)値
エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおけるフイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーション値を求めた。
【0033】
(7)フイルムの破断伸度または引張弾性率
長さ100mm、巾10mmの試料を、ISO1184−1983の規格に従い、初期試料長50mm、引張速度20mm/minにて測定し、破断伸度または引張弾性率を求めた。
【0034】
(8)フイルムの引裂強度
50mn×64mmに切りだした試料を、ISO6383/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重を求めた。
【0035】
(9)フイルムの耐折強度
120mnに切りだした試料をISO8776/2−1988の規格に従い、折り曲げによって切断するまでの往復回数を求めた。
【0036】
(10)フイルムの耐湿熱性
試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密閉した。これを90℃で経時して200時間後に取り出した。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をした。
A:特に異常が認められない
B:分解臭または分解による形状の変化が認められる
【0037】
[参考例1]
セルロース299gに酢酸907gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸318g、無水プロピオン酸739g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を150分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.18、プロピオニル置換度が0.73、質量平均重合度が540、数平均分子量が77900であった。
セルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0038】
[参考例2]
セルロース303gに酢酸91gとプロピオン酸993gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸919g、無水プロピオン酸739g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を130分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.17、プロピオニル置換度が0.72、質量平均重合度が613、数平均分子量が85200であった。
セルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0039】
[参考例3]
セルロース303gに酢酸881gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸431g、無水プロピオン酸622g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を130分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を80℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。30分後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.23、プロピオニル置換度が0.60、質量平均重合度が632、数平均分子量が107000であった。
セルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0040】
[参考例4]
セルロース303gに酢酸881gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸520g、無水プロピオン酸508g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を140分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を80℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。40分後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.30、プロピオニル置換度が0.48、質量平均重合度が584、数平均分子量が78000であった。
セルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0041】
[比較例1]
セルロース302gに酢酸887gとプロピオン酸197gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸334g、無水プロピオン酸739g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は54℃であった。エステル化反応を80分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を2分以内で添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.20、プロピオニル置換度が0.70、質量平均重合度が323、数平均分子量が61400であった。
セルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0042】
[参考例5]
セルロース303gに酢酸881gと酪酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸307g、無水酪酸949g、硫酸10.6gおよび酪酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を160分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートブチレートは、アセチル置換度が2.31、ブチルル置換度が0.62、質量平均重合度が520、数平均分子量が75000であった。
セルロースアセテートブチレートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートブチレートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0043】
[比較例2]
セルロース100gに酢酸35gを加えて混合した後、無水酢酸260g、酢酸415gおよび硫酸11.7gを加えてエステル化を行なった。反応が進行して反応混合物が均一なドープとなった後、酢酸マグネシウム12gを含む水溶液を添加してエステル化反応を停止した。その後、反応液の温度を63℃に保ち、脱硫酸を行なった。そして、酢酸マグネシウム5gを含む溶液を添加して触媒硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートは、アセチル置換度が2.81(酢化度:60.2%)、質量平均重合度が680、数平均分子量が70000であった。
セルロースアセテートは、常温でメチレンクロリドに溶解して溶液を作成することができた。しかし、アセトン、メチルアセテートおよび2−メトキシエタノールには、ほとんど溶解しなかった。
【0044】
[比較例3]
比較例2に類似の方法で、アセチル置換度が2.89、質量平均重合度が630、数平均分子量が65000であるセルロースアセテートを合成した。
セルロースアセテートは、常温でメチレンクロリドに溶解して溶液を作成することができた。しかし、アセトン、メチルアセテートおよび2−メトキシエタノールには、ほとんど溶解しなかった。
【0045】
[比較例4]
比較例2に類似の方法で、アセチル置換度が2.57、質量平均重合度が790、数平均分子量が85000であるセルロースアセテートを合成した。
セルロースアセテートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セルロースアセテートは、いずれの有機溶媒にも20質量%以上溶解した。
【0046】
以上の結果を、下記第1表にまとめて示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003974058
【0048】
【表2】
Figure 0003974058
【0049】
[参考例6]
参考例1で得たセルロースアセテートプロピオネート100質量部に対して、ジエチルフタレート(可塑剤)5質量部を加えて混合後、セルロースアセテートプロピオネートの濃度が19質量%になるようにアセトンに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
【0050】
[参考例7]
参考例1で得たセルロースアセテートプロピオネート100質量部に対して、ジエチルフタレート(可塑剤)10質量部を加えて混合後、セルロースアセテートプロピオネートの濃度が18質量%になるようにアセトンに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
【0051】
[比較例5]
比較例2で得たセルロースアセテート100質量部に対して、ジエチルフタレート(可塑剤)5質量部を加えて混合後、セルロースアセテートの濃度が19質量%になるようにメチレンクロリドに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
【0052】
[比較例6]
比較例2で得たセルロースアセテート100質量部に対して、ジエチルフタレート(可塑剤)15質量部を加えて混合後、セルロースアセテートの濃度が17質量%になるようにメチレンクロリドに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0003974058
【0054】
[参考例8]
参考例1で得たセルロースアセテートプロピオネート100質量部に対して、ジエチルフタレート(可塑剤)15質量部を加えて混合後、セルロースアセテートプロピオネートの濃度が13質量%になるようにメチルアセテートに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(Re)値、引張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定した。結果は第3表に示す。
【0055】
[参考例9〜12]
参考例1で得たセルロースアセテートプロピオネート100質量部に代えて、参考例2〜5で得たセルロースエステル100質量部をそれぞれ用いた以外は参考例8と同様にして、厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(Re)値、引張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定した。結果は第3表に示す。
【0056】
[比較例7〜10]
参考例1で得たセルロースアセテートプロピオネート100質量部に代えて、比較例1〜4で得たセルロースアセテート100質量部をそれぞれ用いた以外は参考例8と同様にして、厚さが100μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(Re)値、引張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定した。結果は第3表に示す。
また、参考例8〜12および比較例7〜10において、溶媒を従来のメチレンクロリドに代えて、同様に物性値を測定した。その結果は、第3表に示したアセトン溶液の結果とそれぞれ同等であった。
【0057】
【表4】
Figure 0003974058
【0058】
[参考例13]
参考例1に類似の方法で、アセチル置換度が2.28、プロピオニル置換度が0.55、質量平均重合度が550、数平均分子量が85000であるセルロースアセテートプロピオネートを合成した。
得られたセルロースアセテートプロピオネート100質量部にジエチルフタレート(可塑剤)15質量部を加え、アセトン350質量部に溶解してドープを調製した。得られたドープを有効長6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延した。バンドの温度は5℃として、乾燥のため2秒以上風に当てた後、フイルムを剥ぎ取り、さらに100℃で3分、130℃で5分、160℃で5分、フイルムの端部を固定して段階的に乾燥し、残りのアセトンを蒸発させてフイルムを得た。
得られたフイルムを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、引張弾性率、引裂強度、耐折強度および耐湿熱性を測定した。結果は第4表に示す。
【0059】
[参考例14]
参考例5に類似の方法で、アセチル置換度が2.41、ブチリル置換度が0.55、質量平均重合度が560、数平均分子量が85000であるセルロースアセテートブチレートを合成した。
得られたセルロースアセテートブチレート100質量部にジエチルフタレート(可塑剤)15質量部を加え、アセトン350質量部に溶解してドープを調製した。得られたドープを有効長6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延した。バンドの温度は5℃として、乾燥のため2秒以上風に当てた後、フイルムを剥ぎ取り、さらに100℃で3分、130℃で5分、160℃で5分、フイルムの端部を固定して段階的に乾燥し、残りのアセトンを蒸発させてフイルムを得た。
得られたフイルムを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、引張弾性率、引裂強度、耐折強度および耐湿熱性を測定した。結果は第4表に示す。
【0060】
【表5】
Figure 0003974058
【0061】
[参考例15]
参考例13のドープの調製において用いたアセトン350質量部に代えて、アセトン245質量部とメタノール105質量部からなる混合溶媒を用いた以外は参考例13と同様にしてセルロースエステルフイルムを製造した。
このように溶媒の組成を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に示す参考例13の結果と同様であった。この溶媒組成は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があった。
【0062】
[参考例16]
参考例14のドープの調製において用いたアセトン350質量部に代えて、アセトン245質量部とメタノール105質量部からなる混合溶媒を用いた以外は参考例14と同様にしてセルロースエステルフイルムを製造した。
このように溶媒の組成を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に示す参考例14の結果と同様であった。この溶媒組成は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があった。
【0063】
[参考例17]
参考例13のドープの調製において用いたアセトン350質量部に代えて、酢酸メチル245質量部とメタノール105質量部からなる混合溶媒を用いた以外は参考例13と同様にしてセルロースエステルフイルムを製造した。
このように溶媒の組成を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に示す参考例13の結果と同様であった。この溶媒組成は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があった。
【0064】
[参考例18]
参考例14のドープの調製において用いたアセトン350質量部に代えて、酢酸メチル245質量部とメタノール105質量部からなる混合溶媒を用いた以外は参考例14と同様にしてセルロースエステルフイルムを製造した。
このように溶媒の組成を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に示す参考例14の結果と同様であった。この溶媒組成は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があった。
【0065】
[参考例19]
セルロース303gに酢酸908gとプロピオン酸200gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸707g、無水プロピオン酸276g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を150分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.61、プロピオニル置換度が0.30、質量平均重合度が520、数平均分子量が75800であった。
参考例8と同様にフイルムを製造し、物性値を測定した。測定結果を第5表に示す。
【0066】
[参考例20]
セルロース303gに酢酸881gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸605g、無水プロピオン酸400g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を150分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を80℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。40分後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.38、プロピオニル置換度が0.39、質量平均重合度が542、数平均分子量が83800であった。
参考例8と同様にフイルムを製造し、物性値を測定した。測定結果を第5表に示す。
【0067】
[実施例1]
セルロース301gに酢酸751gとプロピオン酸331gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸919g、硫酸10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を140分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。
得られたセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が2.71、プロピオニル置換度が0.17、質量平均重合度が602、数平均分子量が83400であった。
【0068】
得られたセルロースアセテートプロピオネート100質量部にジエチルフタレート15質量部を加えて混合後、セルロースアセテートプロピオネートの濃度が13質量%になるようにメチルアセテートを加えた。室温で、混合物を3時間膨潤させた後、−70℃まで冷却して、−70℃の温度で1時間保持した。40℃まで温度を上げて均一混合してセルロースアセテートプロピオネートのドープを得た。
このドープを用いて参考例8と同様にフイルムを製造し、物性値を測定した。測定結果を第5表に示す。
【0069】
【表6】
Figure 0003974058

【図面の簡単な説明】
【図1】横軸をアセチル基の置換度(DSace)、縦軸を炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とするグラフである。

Claims (6)

  1. セルロースの水酸基がアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基で置換されており、アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足するセルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒とを予め混合した後に氷点下に冷却する工程、およびその後加温する工程によりセルロースの混合脂肪酸エステルを溶媒中に溶解するセルロースの混合脂肪酸エステル溶液の調製方法。
    (I) 2.0<DSace≦2.95
    (II)0.05<DSacy≦0.8
    (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
  2. セルロースの水酸基がアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基で置換されており、アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足するセルロースの混合脂肪酸エステルと溶媒とを予め混合した後に氷点下に冷却する工程、その後加温することによりセルロースの混合脂肪酸エステルを溶媒中に溶解する工程、得られた溶液を支持体上に流延してセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムを形成するセルロースの混合脂肪酸エステルフイルムの製造方法。
    (I) 2.0<DSace≦2.95
    (II)0.05<DSacy≦0.8
    (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
  3. セルロースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、さらに下記式(V)を満足する請求項2に記載の製造方法。
    (V)1.9<DSace−DSacy
  4. 炭素原子数が3以上のアシル基が、プロピオニル基またはブチリル基である請求項2に記載の製造方法。
  5. セルロースの混合脂肪酸エステルが、350乃至800の質量平均重合度を有する請求項に記載の製造方法。
  6. セルロースの混合脂肪酸エステルが、70000乃至230000の数平均分子量を有する請求項2に記載の製造方法。
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