JP4067734B2 - セルロースエステル用可塑剤、セルロースエステルフイルムおよびその製造方法 - Google Patents
セルロースエステル用可塑剤、セルロースエステルフイルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースエステル用可塑剤、セルロースエステルフイルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースエステルフイルムは、その強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いられている。セルロースエステルフイルムは、代表的な写真感光材料の支持体である。また、セルロースエステルフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイルム、光学補償シートの支持体およびカラーフィルターが代表的である。
セルロースエステルフイルムおよびその製造方法については、従来から多くの改良手段が提案されている。最近では、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物を冷却し、さらに加温することによって、有機溶媒中にセルロースアセテートを溶解してセルロースアセテート溶液を調製する方法が提案されている(特開平9−95538号、同9−95544号、同9−95557号の各公報記載)。この冷却工程と加温工程とを有する方法(以下、冷却溶解法と称する)によると、従来の方法では溶解することができなかった、セルロースアセテートと有機溶媒の組み合わせであっても、溶液を調製することができる。冷却溶解法は、溶解性が低いトリアセチルセルロース(平均酢化度が58%以上)からフイルムを製造する場合に特に有効である。
【0003】
可塑剤は、セルロースエステルフイルムの重要な(実質的に必須の)添加剤である。セルロースエステルに使用する可塑剤としては、トリフェニルホスフェート(TPP)のようなリン酸エステル可塑剤およびジメチルフタレート(DMP)のような芳香族カルボン酸エステル可塑剤が代表的である。プラスチック材料講座17「繊維素系樹脂」、丸澤他、日刊工業新聞社(昭和45年)発行の121頁には、セルロースプラスチックに用いられる様々な可塑剤が開示されている。しかし、リン酸エステルと芳香族カルボン酸エステル以外の可塑剤には、様々な問題があり、実際にはほとんど使用されていない。例えば、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネートおよびグリセリントリブチレートのようなグリセリンの低級脂肪酸エステル(グリセリド)可塑剤には、吸水性が高いとの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した冷却溶解法で作成したセルロースエステルフイルムには、光学異方性(例えば、厚み方向のレターデーション値)が大きくなるとの問題がある。セルロースエステルフイルムを光学材料に使用する場合、フイルムの光学的異方性を小さくする必要がある。
本発明の目的は、セルロースエステルの光学的異方性を小さくする作用を有するセルロースエステル用可塑剤を提供することである。
また、本発明の目的は、厚み方向のレターデーション値が小さいセルロースエステルフイルムを提供することでもある。
さらに、本発明の目的は、光学的異方性を大きくすることなく、冷却溶解法によりセルロースエステルフイルムを製造することでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(3)のセルロースエステルフイルムおよび下記(4)のセルロースエステルフイルムの製造方法により達成された。
(1)セルロースエステルからなるセルロースエステルフイルムであって、さらに下記式(I)で表わされる化合物を2乃至25重量%の範囲で含み、厚さ方向のレターデーション値が100nm以下であることを特徴とするセルロースエステルフイルム:
【0006】
【化3】
【0007】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素原子数が2乃至18のアシル基、炭素原子数が1乃至18の脂肪族基、炭素原子数が6乃至18の芳香族基または水素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の少なくとも五つは、炭素原子数が2乃至18のアシル基、炭素原子数が2乃至18の脂肪族基または炭素原子数が6乃至18の芳香族基である]。
(2)R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素原子数が2乃至18のアシル基または水素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の少なくとも五つは、炭素原子数が2乃至18のアシル基である(1)に記載のセルロースエステルフイルム。
(3)セルロースエステルがセルロースアセテートである(1)に記載のセルロースエステルフイルム。
(4)セルロースエステルおよび下記式(I)で表わされる化合物を、アセトンまたは酢酸メチルを50重量%以上含む有機溶媒と混合し、これによりセルロースエステルを有機溶媒中に膨潤させる工程;
膨潤した混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程;
冷却した混合物を0乃至200℃に加温し、セルロースの低級脂肪酸エステルが有機溶媒中に溶解しているセルロースエステル溶液を調製する工程;
調製したセルロースエステル溶液を支持体上に流延する工程;そして
有機溶媒を蒸発させてフイルムを形成する工程からなるセルロースエステルフイルムの製造方法:
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の効果】
本発明者の研究により、上記式(I)で表わされる化合物は、セルロースエステルの可塑剤としての機能が優れていることが判明した。さらに本発明者が研究を進めたところ、上記式(I)で表わされる化合物には、セルロースエステルの光学的異方性を小さくする作用があることも判明した。そのため、上記式(I)で表わされる化合物を可塑剤として用いることで、光学的異方性が小さいセルロースエステルを得ることができ、厚み方向のレターデーション値が小さいセルロースエステルフイルムを製造することも可能になった。本発明は、冷却溶解法のようなフイルムの光学的異方性が高くなりやすい製造方法において、特に有効である。
また、上記式(I)で表わされる化合物には、人体や環境に対して、ほとんど無害であるとの特徴もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
[セルロースエステル用可塑剤]
本発明では、下記式(I)で表わされる化合物を、セルロースエステル用可塑剤として使用する。
【0011】
【化5】
【0012】
式(I)において、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、炭素原子数が2乃至18のアシル基、炭素原子数が1乃至18の脂肪族基、炭素原子数が6乃至18の芳香族基または水素原子であり、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の少なくとも五つは、炭素原子数が2乃至18のアシル基、炭素原子数が1乃至18の脂肪族基または炭素原子数が6乃至18の芳香族基である。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、炭素原子数が2乃至18のアシル基または水素原子であり、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の少なくとも五つは、炭素原子数が2乃至18のアシル基であることが好ましい。
アシル基は、−CO−R(Rは、脂肪族基、芳香族基または複素環基)で示される。上記Rは、脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)であることが好ましく、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基または置換アリール基であることがより好ましく、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であることがさらに好ましく、アルキル基であることが最も好ましい。
【0013】
アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、環状構造よりも鎖状構造を有していることが好ましい。鎖状構造は、分岐を有していてもよい。置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分、アルケニル部分およびアルキニル部分は、上記アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基と同様である。置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基の置換基の例には、アリール基(例、フェニル)が含まれる。
アリール基および置換アリール基のアリール部分は、フェニルであることが好ましい。置換アリール基の置換基の例には、アルキル基が含まれる。
アシル基の例には、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、オレオイル、ベンゾイルおよびシンナモイルが含まれる。
R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の総炭素原子数は、5乃至108である。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の総炭素原子数は、6乃64であることが好ましく、8乃至48であることがさらに好ましい。
【0014】
式(I)で表わされる化合物の沸点は、200乃至600℃であることが好ましく、250乃至500℃であることがさらに好ましく、300乃至400℃であることが最も好ましい。
以下に、式(I)で表わされる化合物の具体例を示す。
【0015】
【0016】
【化6】
【0017】
式(I)で表わされる化合物は、ヘキソースの糖アルコール(例、ソルビトール)とカルボン酸または酸クロリドとのエステル化反応により容易に合成することができる。また、予め合成された、あるいは市販の糖アルコールのエステル(例、ソルビトールヘキサアクリレート)をカルボン酸とエステル交換することによっても合成することができる。
R1 〜R6 が脂肪族基または芳香族基である場合は、脂肪族または芳香族ハロゲン化化合物(クロル体またはブロム体)を原料として、エーテル結合を形成することができる。
式(I)で表わされる化合物は、可塑剤として、セルロースエステル溶液に添加して使用する。溶液中の可塑剤の濃度は、0.2乃至5重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましく、1乃至4重量%であることが最も好ましい。
セルロースエステルの成型品(例えば、セルロースエステルフイルム)中での可塑剤の量は、成型品の固形分量の2乃至25重量%であることが好ましく、2乃至20重量%であることがさらに好ましく、5乃至18重量%であることが最も好ましい。
【0018】
式(I)で表わされる化合物を二種類以上併用してもよい。
式(I)で表わされる化合物と他の可塑剤とを併用することもできる。他の可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)およびトリオクチルフタレート(TOP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。式(I)で表わされる化合物と他の可塑剤とを併用する場合は、式(I)で表わされる化合物を可塑剤の合計量の50重量%以上の割合で使用することが好ましい。式(I)で表わされる化合物の割合は、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。
【0019】
[セルロースエステル]
セルロースエステルは、セルロースと低級脂肪酸とのエステルであることが好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートがさらに好ましく、セルローストリアセテート(酢化度:57.0乃至62.5%、好ましくは、57.5乃至62.5%、さらに好ましくは58.0乃至62.5%)が最も好ましい。なお、セルロースアセテートの酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロースアセートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのようなセルロースの混合脂肪酸エステルを用いてもよい。セルロースの混合脂肪酸エステル中のセルロースアセテートの割合は、25乃至97重量%であることが好ましく、40乃至95重量%であることがさらに好ましく、50乃至90重量%であることが最も好ましい。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、150乃至500であることが好ましく、200乃至400であることがさらに好ましく、250乃至360であることが最も好ましい。
また、セルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0020】
[有機溶媒]
セルロースエステルと可塑剤とは、有機溶媒に溶解して溶液(ドープ)を調製する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル類、炭素原子数が3乃至12のケトン類、炭素原子数が3乃至12のエステル類および炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒であることが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
【0021】
炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素の例には、メチレンクロライドおよびクロロホルムが含まれる。なお、技術的にハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未満)であることを意味する。また、製造したセルロースエステルフイルムから、ハロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
有機溶媒は、以上のような溶媒(第1の溶媒)に加えて、炭素原子数が3乃至8の分岐状または環状アルコール(第2の溶媒)を含むことができる。
アルコールは一価であることが好ましい。アルコールの炭化水素部分は、飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。
炭素原子数が3乃至8の分岐状または環状アルコールの例には、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。
【0022】
有機溶媒は、さらに炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価アルコール(第3の溶媒)を含むことが好ましい。アルコールの水酸基は、炭化水素直鎖の末端に結合してもよいし(第一級アルコール)、中間に結合してもよい(第二級アルコール)。第3の溶媒は、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノールおよび3−ペンタノールから選ばれる。直鎖状一価アルコールの炭素原子数は、1乃至4であることが好ましく、1乃至3であることがさらに好ましく、1または2であることが最も好ましい。エタノールが特に好ましく用いられる。
【0023】
混合溶媒中には、第1の溶媒が50乃至95重量%含まれることが好ましく、60乃至92重量%含まれることがより好ましく、65乃至90重量%含まれることが更に好ましく、70乃至88重量%含まれることが最も好ましい。第2の溶媒は、1乃至20重量%含まれることが好ましく、2乃至15重量%含まれることがさらに好ましく、3乃至15重量%含まれることが最も好ましい。第3の溶媒は、1乃至15重量%含まれることが好ましく、2乃至15重量%含まれることがさらに好ましく、3乃至10重量%含まれることがさらに好ましく、4乃至22重量%含まれることが最も好ましい。
さらに他の有機溶媒を併用して、四種以上の混合溶媒としてもよい。
【0024】
[溶液の調製(冷却溶解法)]
本発明では、冷却溶解法により、以上のような有機溶媒中にセルロースエステルおよび可塑剤を溶解して、溶液を形成することが好ましい。
溶液の調製においては、最初に、室温で有機溶媒中にセルロースエステルを撹拌しながら徐々に添加する。この段階では、セルロースエステルは、一般に有機溶媒中で膨潤するが溶解しない。なお、室温でセルロースエステルを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
セルロースエステルの量は、この混合物中に10乃至40重量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースエステルの量は、10乃至30重量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0025】
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースエステル、グリセリド可塑剤と有機溶媒との混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
【0026】
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースエステルが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解方法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
調整したセルロースエステル溶液(ドープ)は、ゴミや異物を除去するためにフィルターで濾過することが望ましい。ゴミや異物を除去することで、フイルムの面状が改善される。フィルターの孔径は、100μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。フィルターによる濾過は、一般に加圧下で実施する。
【0027】
[フイルムの製造]
調製したセルロースエステル溶液から、セルロースエステルフイルムを製造する。具体的には、溶液をソルベントキャスト法におけるドープとして利用する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35重量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
【0028】
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延した後、2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。本発明に従い調製した溶液(ドープ)は、この条件を満足する。
製造するフイルムの厚さは、5乃至500μmであることが好ましく、20乃至200μmであることがさらに好ましく、60乃至150μmであることが最も好ましい。
【0029】
セルロースエステルフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1重量%であることが好ましく、0.1乃至0.2重量%であることがさらに好ましい。
【0030】
作製したセルロースエステルフイルムは、光学的等方性を有する(レターデーションが低い)との特徴がある。
フィルムの面内レターデーション(Re)は、エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用いて測定できる。面内レターデーションは、具体的には、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフィルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めることができる。
Re=(nx−ny)×d
式中、nxは、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であり;nyは、遅相軸に直交する方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚さ(単位:nm)である。
セルロースエステルフイルムの面内レターデーション(Re)は、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましく、20nm以下であることが最も好ましい。
【0031】
フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)は、具体的には、波長632.8nmで測定した厚さ方向の複屈折率にフィルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めることができる。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxは、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であり;nyは、遅相軸に直交する方向の屈折率であり;nzは、厚さ方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚さ(単位:nm)である。
セルロースエステルフイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが最も好ましい。
厚さ方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.0005以下であることが好ましく、0.0002以下であることがさらに好ましく、0.0001以下であることが最も好ましい。
【0032】
[フイルムの用途]
作製したセルロースアセテートフイルムは、ハロゲン化銀写真感光材料の支持体あるいは液晶表示装置の保護膜として有利に用いることができる。
透過型の液晶表示装置は、液晶セルの両側に二枚の偏光板を配置した構成を有する。反射型の液晶表示装置では、反射板、液晶セル、そして偏光板の順序の構成を有する。偏光板は、偏光膜の両側に二枚の保護膜を配置した構成を有する。作製したセルロースアセテートフイルムは、この偏光板の保護膜として特に有利に用いることができる。
液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、反射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
【0033】
【実施例】
実施例において、セルロースエステル溶液およびセルロースエステルフイルムの物性は、以下のように評価した。
【0034】
(1)溶液の安定性
得られた溶液を、常温(23℃)で静置保存したまま観察し、以下のA、BおよびCの三段階で評価した。
A:10日間経時しても、透明性と均一性を保持し、良好な溶解性と溶液安定性を示す。
B:攪拌終了時には透明性と均一性を呈して良好な溶解性を示すが、一日経時すると相分離を生じ、不均一な状態となる。
C:攪拌終了直後から不均一なスラリーを形成し、透明性と均一性のある溶液状態を示さない。
【0035】
(2)溶液のゲル化の有無の判定
粘度計(HAAKE社製)により、下記アンドレードの式における係数Aの変化点を求めた。変化点と到達粘度からゲル化を判断した。
ローター:sv−DIN
剪断速度:0.1(1/sec)
降温速度:0.5℃/min
η=Aexp(B/T)
式中、Tは測定温度、AおよびBは、それぞれポリマーの状態により決まる任意の定数である。
ゲル化の有無は、係数Aの変化点の有無(粘度と温度のグラフが屈曲点を有するか否か)で判断できる。
【0036】
(3)フイルムの剥ぎ取り性
−5℃の支持体上にフイルム状にドープを流延し、支持体から剥ぎ取ったときのフイルムの性状を評価した。フイルムの剥ぎ取り性は以下の二段階に分類できた。
A:20秒以内で剥ぎ取りができるもの
B:60秒以上経過しても剥げ残りがあるもの
【0037】
(4)フイルムの弾性率
長さ100mm、巾10mmの試料を、ISO1184−1983の規格に従い、初期試料長50mm、引張速度20mm/minにて測定し、弾性率(kg/mm2 )を求めた。
【0038】
(5)フイルムのアルカリ耐久性
試料フイルムを、1N水酸化ナトリウム液中に ℃で5分間放置した。その後、水洗して70℃で10分間乾燥した。フイルムの表面の白化度を、目視で下記三段階に評価した。
A:全面が白く変化して不透明である
B:全面が少し白くなったが、透明である
C:変化が見られない
【0039】
(6)フイルムの耐湿熱性
試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密閉した。これを90℃で経時して200時間後に取り出した。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をした。
A:特に異常が認められない
B:分解臭または分解による形状の変化が認められる
【0040】
(7)フイルムの面内レターデーション(Re)値
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用いた測定値から、前述した式に従い算出した。
【0041】
(8)フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)値
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用いた測定値から、前述した式に従い算出した。
【0042】
[実施例1]
1−1)溶液の作製
室温において、下記のセルロースエステル混合物液を作製した。種類及び含有量は表1に記載の通りである。
なお、セルロースエステルの溶液中での濃度は17重量%として調液した。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
次に、膨潤混合物を二重構造の容器に入れた。混合物をゆっくり撹拌しながらこれらの混合物を室温中でよく攪拌して膨潤させスラリーを形成させた。次に、この膨潤混合物を二重構造の容器に入れ混合物をゆっくり撹拌しながら、外側のジャケットに冷媒してドライアイス/メタノールにて、内側容器内の混合物を−70℃まで冷却し6時間放置した。次にジャケットに温水流し加温し室温まで加温した。得られたドープを目視により観察し、ゲル化の有無の判定した。
【0046】
1−2)製膜
ドープを、有効長6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延した。バンド温度は0℃とした(この時流延ギーサー部は、窒素を流し込み雰囲気から酸素を除去し、着火防止を施した)。乾燥のため、2秒風に当てた後、フィルムをバンドから剥ぎ取り、さらに100℃で3分、130℃で5分、そして160℃で5分、フィルムの端部を固定しながら段階的に乾燥して、残りの溶剤を蒸発させた。このようにして、セルロースアセテートフィルムを製造した。
【0047】
1−3)結果
作製した試料溶液及びそれらから作製したフィルムの特性を、表1に掲げる。なお、溶解性は全て問題なかった。
可塑剤を全く含まない試料1−1は液安定性が悪く、弾性率、Re及びRthの点で著しく劣るものであった。又、本発明の可塑剤以外の比較可塑剤を用いた試料1−15〜1−19は、Re及びRthが大きくかつ液安定性や耐湿熱性などの点で劣るものであった。又、本発明の可塑剤を用いてもその含有量が、本発明の範囲外の少ない場合(試料1−2)はReやRthの改善は見られず、液安定性,弾性率においても劣り、多い場合(試料1−3)はフィルム剥ぎ取り性と耐湿熱性において劣るものであった。
これに対して本発明の試料は、液安定性,ゲル化特性,フィルム剥ぎ取り性,弾性率,アルカリ耐久性,耐湿熱性,Re及びRthの全ての点で著しく優れるものであった。これらの結果から、本発明が従来の技術では得られなかった優れた技術であることが理解できる。
【0048】
[実施例2]
実施例1の試料1−7において、酢酸メチルの替わりにアセトンを使用する以外は実施例1−7と全く同様にして本発明試料2−1を作製した。試料2−1は、液安定性,ゲル化特性,フィルム剥ぎ取り性,弾性率,アルカリ耐久性,耐湿熱性,Re及びRthの全ての点で優れるものであり表1に結果を示す。したがって、本発明の酢酸メチルに限定されずアセトンも優れた主溶剤で或ることが明らかである。
【0049】
[実施例3]
実施例1の試料1−7において、酢酸メチルの替わりにメチレンクロライドを使用し、−70℃の冷却を室温で実施する以外は実施例1−7と全く同様にして、本発明試料3−1を作製した。試料3−1は、液安定性,ゲル化特性,フィルム剥ぎ取り性,弾性率,アルカリ耐久性,耐湿熱性,Re及びRthの全ての点で優れるものであり表1に結果を示す。したがって、本発明の酢酸メチルに限定されずメチレンクロライドも優れた主溶剤で或ることが明らかである。
【0050】
[実施例4]
実施例1の試料1−7において、溶剤のt−ブタノールをn−ブタノールにさらにシクロヘキサノールをn−ヘキサノールに変更する以外は実施例1−7と全く同様にして本発明の試料4−1を作製したところ、Reが14そしてRthが19と若干上がった。したがって、本発明においては溶剤Aである分枝状アルコールのt−ブタノールとシクロヘキサノールを併用することで、ReとRthを低下させたセルロースエステルフィルムを提供することが可能となった。
【0051】
[実施例5]
実施例1の試料1−7において、セルロースエステルのセルローストリアセテートの25%分を、セルロースアセテートジブチレートに変える以外は実施例1−7と全く同様にして本発明試料5−1を作製したところ、本発明のセルロースエステルフィルムと同様に優れた液特性と製膜性とフィルム特性を有するものであった。
【0052】
[実施例6]
特開平7−333433の実施例1の富士写真フィルム(株)製トリアセチルセルロースを、本発明の実施例1の試料1−7のセルロースエステルフィルムに変更する以外は、特開平7−333433の実施例1と全く同様にした光学補償フィルターフィルム本発明試料6−1を作製した。得られたフィルターフィルムは左右上下に優れた視野角を有するものであった。一方、本発明の可塑剤を使用しなかった比較試料1−15を、特開平7−333433の実施例1の富士写真フィルム(株)製トリアセチルセルロースに変更する以外は、特開平7−333433の実施例1と全く同様にした比較用光学補償フィルターフィルム試料6−2を作製した。得られた比較用フィルターフィルム比較試料6−2の視野角を評価したところ、本発明のセルロースエステル試料6−1を用いた場合に比べ、左右上下共にその視野角は著しく劣るものであった。
したがって、本発明のセルロースエステルフィルムが、光学的用途として優れたものであることが判る。
【0053】
[実施例7]
本発明の実施例1の試料1−7の本発明のフィルムベースの一方に、特開平4−73736号の実施例1の(バック層組成)第一層及び第2層を付与し、カチオン系ポリマーを導電性層とするバック層を作製した。更に、前記で得られたバック層を付与したフィルムベースの反対の面に、特開平7−287345号の実施例1に記載されたカラーネガ感材層を重層塗布して、ハロゲン化銀乳剤層付きの本発明の感材試料7−1を作製した。得られた感材は弾性率に優れ、写真として優れるものであった。
これらの結果から、本発明の可塑剤を用いた感材が従来の技術では得られなかった優れた技術であることが理解できる。
【0054】
【表1】
Claims (4)
- R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素原子数が2乃至18のアシル基または水素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の少なくとも五つは、炭素原子数が2乃至18のアシル基である請求項1に記載のセルロースエステルフイルム。
- セルロースエステルがセルロースアセテートである請求項1に記載のセルロースエステルフイルム。
- セルロースエステルおよび下記式(I)で表わされる化合物を、アセトンまたは酢酸メチルを50重量%以上含む有機溶媒と混合し、これによりセルロースエステルを有機溶媒中に膨潤させる工程;
膨潤した混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程;
冷却した混合物を0乃至200℃に加温し、セルロースの低級脂肪酸エステルが有機溶媒中に溶解しているセルロースエステル溶液を調製する工程;
調製したセルロースエステル溶液を支持体上に流延する工程;そして
有機溶媒を蒸発させてフイルムを形成する工程からなるセルロースエステルフイルムの製造方法:
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