JP4076313B2 - セルローストリアセテートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルローストリアセテートフイルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料または液晶画像表示装置に有用なセルローストリアセテートフイルム及びセルローストリアセテートフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に使用されるセルローストリアセテートを製造する際に使用されるセルローストリアセテート溶液の有機溶媒にメチレンクロライドのような塩素含有炭化水素が使用されている。メチレンクロライド(沸点41℃)は従来からセルローストリアセテートの良溶媒として用いられ、製造工程の製膜及び乾燥工程において沸点が低いことから乾燥させ易いという利点により好ましく使用されている。逆にメチレンクロライドは沸点が低く揮発し易いため、密閉設備から若干漏れ易く、回収にも限界があり、完全に大気中への散逸を防ぎきれないという問題もある。最近発ガン性の疑いからパークレンやトリクレンのような塩素含有化合物の使用が規制されているが、メチレンクロライドにはそのような問題点はないにしろ塩素含有化合物であるメチレンクロライドも今後何らかの規制の対象になりつつある。そこで、当業者はメチレンクロライド以外のセルローストリアセテートの溶媒の探索あるいは検討をすることが急務となって来た。セルローストリアセテートに対する溶解性を示す有機溶媒として知られているものにはアセトン(沸点56℃)、酢酸メチル(沸点56.3℃)、テトラヒドロフラン(沸点65.4℃)、1,3−ジオキソラン(沸点75℃)、ニトロメタン(沸点101℃)、1,4−ジオキサン(沸点101℃)、エピクロルヒドリン(沸点116℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)などがある。これらの有機溶媒は実際に溶解試験を行ってみると必ずしも良溶媒とは言いがたいものもあり、また爆発などの懸念のあるもの、沸点が高いもの等実用に供し得るものはほとんどなかった。
【0003】
上記有機溶媒の中で、沸点の低いアセトンは通常の方法ではセルローストリアセテートを膨潤させるだけで、溶解させるまでには至らなかった。近年、セルローストリアセテートをアセトンに溶解させて繊維やフイルムを作る試みがなされるようになってきた。
J.M.G.Cowie他はMakromol.chem.143巻、105頁(1971)においてセルローストリアセテート(酢化度60.1%から61.3%)をアセトン中−80℃から−70℃に冷却した後、加温することによって0.5から5重量%の希薄溶液が得られたと報告している。このような低温で溶解する方法を冷却溶解法という。また、上出健二他は繊維機械学会誌、34巻、57−61頁(1981)の「三酢酸セルロースのアセトン溶液からの乾式紡糸」の中で冷却溶解法を用いての紡糸技術について述べている。
【0004】
また、特開平9−95544号及び同9−95557号公報では、上記技術を背景に、実質的にアセトンからなる有機溶媒を用いた、あるいはアセトンと他の有機溶媒を共用した冷却溶解法によってセルローストリアセテートを溶解し、フイルム製造に適用することを提案している。上出他の研究によれば、本来セルローストリアセテートの良溶媒であるアセトンを用いているにもかかわらず、−30℃まで下げなければならなかったとしている。特開平9−95538号公報にはアセトン以外のエーテル類、ケトン類あるいはエステルから選ばれる有機溶媒を用いた冷却溶解法によりセルローストリアセテートを溶解し、フイルムを作成しており、これらの有機溶媒としては2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキサノン、エチルホルメート、及びメチルアセテートなどが好ましいとしている。上記方法ではセルローストリアセテートの低重合度部分を前もって取り除かないと調製されたセルローストリアセテート溶液の透明性や安定性の再現性に乏しく、従来から市販されている写真用グレードのセルローストリアセテートをそのまま使用出来ないという煩雑さがあった。更にフイルム化に必要な高濃度のセルローストリアセテート溶液を作製するのは非常に困難であることも判明した。この解決として、特開平11−60752号に、アセトンとフッ素アルコールまたはアセト酢酸メチルの混合溶媒を用いることが開示されている。確かにこの方法によりセルロースセルローストリアセテートの溶解性は改良されることが認められたが、セルロースセルローストリアセテートの高濃度溶液化や、セルロースセルローストリアセテートの酢化度を上げたりした場合には、溶解性が不十分とであったり経時の溶液安定性が不安定となり実用上安定な液を作製することは出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような冷却溶解法を用いてセルローストリアセテートをアセトンと他の溶媒との混合溶媒系において溶液を調製する場合、上記のような市販のセルローストリアセテートをそのまま使用しにくく、これらに含まれる低重合度成分を前もって取り除かなければ溶液の透明性や安定性に問題がある。このような性質は例えばハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に作られたセルローストリアセテートフイルムを用いる場合重大な欠点となるため、製造過程で排除されなければならない。更にまた、アセトンと他の溶媒との混合溶媒系での冷却溶解法では微細な不溶解分が残存しており、フイルムとした時に光学的のスポット故障を発生し問題であった。
【0006】
本発明の目的は、メチレンクロライドのような塩素系炭化水素を使用せずに、優れたセルローストリアセテートフイルムを提供することにある。また本発明の他の目的は酢酸メチルを用いた高温溶解法において、従来から市販されている写真用グレードのセルローストリアセテートをそのまま使用することによって、優れたセルローストリアセテートフイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテート及び酢酸メチルとセルローストリアセテート溶液に対して3〜30重量%の炭素数4〜12のケトンとを含み、溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満である有機溶媒の混合物を、−10〜55℃で膨潤する工程、0.2Mp〜30Mpaの加圧下で80〜240℃に加熱して溶解する工程、及び必要に応じて該溶液に添加物を添加して混合する工程を通して調製されたセルローストリアセテート溶液を−10〜55℃の温度で支持体上に流延する工程、更に溶媒を蒸発させてフイルムを乾燥する工程を通してセルローストリアセテートフイルムを形成することを特徴とするセルローストリアセテートフイルムの製造方法により達成された。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するセルローストリアセテートの平均酢化度は58.0%〜62.5%であり、本発明ではこの範囲のものをセルローストリアセテートと呼ぶこととする。酢化度の他に反応度を示す表示様式には置換度あるいはアセチル化度がある。酢化度はセルロースの水酸基に酢酸が反応した時の、酢酸の重量%で表したもので、最高に反応した場合が62.5%である。アセチル化度は同様に反応した時のアセチル基(CH3 CO)重量%で表したもので、最高に反応した場合44.8%である。置換度はアセチル基がセルロース分子のOH基に反応した度合いを表し、全OH基に反応した場合を3.00として表す。これはセルロース分子の最小単位のグルコース単位の3個のOH基に3個のアセチル基が置換されたことを意味する。ちなみに酢化度58.0%のセルローストリアセテートの場合のアセチル化度は41.57%、置換度は2.63である。なお、酢化度の測定はASTMのD−817−97のセルローストリアセテート等の試験法に記載されている方法により測定出来る。
【0009】
本発明に使用するセルローストリアセテートの重合度(粘度平均)は220以上500以下のものが好ましい。一般的にセルローストリアセテートを含むセルローストリアセテートフイルム、繊維または成型品の機械的強度がタフであるためには重合度が200以上あることが必要とされており、祖父江寛、右田伸彦編「セルロースハンドブック」朝倉書房(1985)や、丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」日刊工業新聞社(1970)に記載されている。本発明のセルローストリアセテートフイルムの重合度は更に好ましくは250〜350である。粘度平均重合度はオストワルド粘度計で測定することができ、測定されたセルローストリアセテートフイルムの固有粘度[η]から下記の式により求められる。
DP=[η]/Km(式中:DPは粘度平均重合度、Kmは定数6×10-4
【0010】
本発明に用いられるセルローストリアセテートの原料のセルロースとしては、綿花リンターや木材パルプがあるが、どちらからのセルローストリアセテートでも使用出来るし、混合して使用してもよい。原料によっては低分子量の成分を多く持っているものがある。特開平9−95538号、同9−95544号及び同9−5557号公報にはセルローストリアセテートの低分子量のものは結晶化を起こし易い。微結晶があると酢酸メチルへの溶解が低下し、得られたセルローストリアセテート溶液(以下ドープと呼ぶことがある)の安定が低く、再び微結晶が生じ易い。更に得られるフイルムの光学特性も低下すると、述べられている。本発明に用いられるセルローストリアセテートは特に限定されないが、写真用グレードのものが好ましく、市販の写真用グレードのものは粘度平均重合度、酢化度、低分子量成分量等の品質を満足して入手することが出来る。写真用グレードのセルローストリアセテートのメーカーとしては、ダイセル(株)、コートルズ社、ヘキスト社、イーストマンコダック社があり、いずれの写真用グレードのセルローストリアセテートも使用出来る。
また本発明においては、セルローストリアセテートを主体とするが、他のセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートベンゾエートなど)を併用してもよい。その場合は、セルローストリアセテートに対して40重量%以下の置換であり、更には30重量%以下の置換が好ましい。
【0011】
本発明では、セルローストリアセテート溶液の調製に、酢酸メチルと少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類からなる混合溶媒を使用するが、後述するように他の溶媒を添加することを禁止するものではない。この混合溶媒は、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素を実質的に含まないものである。「実質的に含まない」とは、混合溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未満)であることを意味する。酢酸メチルと共に用いられる少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類の混合溶媒について更に詳細に述べる。炭素原子数が4〜12のケトン類としては、置換、無置換のどちらでもよく、また一部が環状部を有するものでも良い。好ましい例としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンを挙げることができる。さらには、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンが好ましく、特にメチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンが好ましい。
【0012】
本発明で好ましく用いられる溶媒の使用量は、酢酸メチルの含有量としては30〜87重量%であり、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン溶媒が3〜60重量%であることが好ましい。さらには、酢酸メチルの含有量が50〜85重量%であり、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン溶媒が5〜40重量%であることが好ましく、特に、酢酸メチルの含有量が50〜75重量%であり、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン溶媒が5〜25重量%であることが好ましい。
本発明においては、上記有機溶媒に他の有機溶媒を前記セルローストリアセテート溶液の全ての過程で加えて使用できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、2−メトキシエチルアセテート等のエチレングリコールエステルまたはエーテル類、アセト酢酸エステル類、及びこれらの混合溶媒などから適当に選択できる。これらの溶媒は0〜30重量%の範囲で使用出来る。
【0013】
これらの溶媒のうち、本発明のセルローストリアセテートフイルムを効率的に作成出来る溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどの炭素数が1から6の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンあるいはシクロヘキサンを挙げることができ、更にメタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサノンなどが好ましい。一般にセルローストリアセテートフイルム溶液を支持体に流延キャスティングし支持体上でドープ中の溶媒を蒸発させ一周したところでドープ膜(以下ウエブとも呼ぶこととし、はっきり区分けは出来ないが、支持体上、剥離前後、初期乾燥過程等において呼び分けることとする)を支持体から剥離するが、剥離が可能かどうかはドープ膜が剥離に耐えるほどの強さと支持体表面付近の残留溶媒量によって定まる。従って支持体上でのドープの膜の強さを強くすることと、溶媒を早く蒸発させることである。上記のアルコールあるいはシクロヘキサンのような溶媒を加えるとドープは流延後ゲル化が起こりドープが固まる。流動性のなくなったドープ膜は発泡しない程度の熱を効率的に加えることによって早く乾燥が出来、その結果剥離を早めることが出来る。このような溶媒の有機溶媒中の添加割合は全有機溶媒に対して好ましくは2重量%〜10重量%である。
【0014】
本発明のセルローストリアセテート溶液は、酢酸メチルと炭素数4〜12のケトン溶媒を含有する混合有機溶媒中に、セルローストリアセテートを添加し予め膨潤させることを特徴とする。その場合、−10〜55℃で酢酸メチルと炭素数4〜12のケトン溶媒との混合溶媒中に、セルローストリアセテートを撹拌しながら徐々に添加してもよいし、場合により酢酸メチルのみで予め膨潤させその後に炭素数4〜12のケトン溶媒を加えて混合し均一の膨潤液としてもよく、更にはアセト酢酸メチルあるいはアセト酢酸エチルとセルロースアセテートを混合ししかる後に酢酸メチルを加えても良い。セルローストリアセテートは酢酸メチル中のみで不十分に膨潤しているような状態であるのに対し、本発明の炭素数4〜12のケトン溶媒が併用されると、セルローストリアセテートが十分に膨潤しているのみではなく半溶解状態の状態にまで至っていることが認められた。
【0015】
本発明の酢酸メチルと炭素数4〜12のケトン溶媒の混合溶媒系の高圧高温での溶解法によるセルローストリアセテートの溶解濃度は30重量%以下が好ましく、前出の特開平9−95544号あるいは同9−95557号公報のアセトンだけあるいはアセトンと他の溶媒との混合溶媒での溶解濃度よりも溶解性が優れているために、高濃度のセルローストリアセテート溶液を得ることが出来る。フイルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましい。セルローストリアセテートの量は、最終的なドープとして10〜30重量%含まれるように調製するが、本発明の有機溶媒組成では、高濃度のセルローストリアセテート溶液を調製することができるから、その範囲内で任意の濃度に仕込めばよい。あまり高濃度になり過ぎると溶液の粘度が大きすぎて、製膜しにくくなる場合もあるので、好ましいセルローストリアセテート溶液のセルローストリアセテート濃度は、15重量%〜30重量%の範囲である。さらに17重量%〜25重量%の範囲が好ましい。
【0016】
次に、混合物を0.2Mp〜30Mpaの加圧下で70〜240℃に加熱する(好ましくは80〜220℃、更に好ましく100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。加熱は、例えば高圧蒸気でもよく電気熱源でもよい。高圧のためには耐圧容器あるいは耐圧ラインを必要とするが、鉄やステンレス製あるいは他の金属耐圧容器やラインのいずれでもよく、特に限定されない。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できないため、−10〜55℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却はセルローストリアセテートが内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。このようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解を早めるために加熱と冷却の操作を繰り返してもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の概観を観察するだけで判断することができる。高圧高温溶解方法においては、溶媒の蒸発を避けるために密閉容器を用いる。また、膨潤工程おいて、加圧や減圧にしたりすることで更に溶解時間を短縮することが出来る。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器あるいはラインが必須である。
【0017】
本発明のドープのセルローストリアセテートの濃度は前述のごとく、高濃度のドープが得られるのが特徴であり、濃縮という手段に頼らずとも高濃度でしかも安定性の優れたセルローストリアセテート溶液が得られるのも本発明の特徴である。更に溶解し易くするために低い濃度で溶解してから、濃縮手段を用いて濃縮してもよい。濃縮の方法としては、特に限定するものはないが、例えば、低濃度溶液を筒体とその内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−259511号公報記載)、加熱した低濃度溶液をノズルから容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁に当たるまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるとともに、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底から抜き出す方法(例えば、米国特許2541012号、同2858229号、同4414341号、同4504355号の各明細書に記載)で実施できる。本発明のセルローストリアセテート溶液の調製において、炭素数4〜12のケトン溶媒はその調製過程のいずれで混合調製してもよい。つまり最初の混合時、膨潤時のいずれでも良い。
本発明のセルローストリアセテート溶液を調製する際に、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満させてもよい。セルローストリアセテート溶液の製膜直前の粘度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常10ps・s〜2000ps・sの範囲に調製されることが好ましく、特に30ps・s〜400ps・sが好ましい。
【0018】
本発明のセルローストリアセテート溶液には各調製工程において用途に応じた種々の添加剤を加えることが出来る。ハロゲン化銀写真感光材料用には機械的性質の向上あるいは耐水性を付与するために可塑剤やライトパイピング防止用の着色剤あるいは紫外線防止剤が、また液晶画像表示装置用には耐熱耐湿性を付与する酸化防止剤などを添加することが望ましい。
可塑剤としては、リン酸エステル、カルボン酸エステル、グリコール酸エステルなどが好ましく用いられる。リン酸エステルの例としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDPP)、オクチルジフェニルホスフェート(ODPP)、ジフェニルビフェニルホスフェート(BDP)、トリオクチルホスフェート(TOP)、トリブチルホスフェート(TBP)などがあり、カルボン酸エステルの例としては、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、クエン酸アセチルトリエチル(TEAC)、クエン酸アセチルトリブチル(TBAC)、オレイン酸ブチル(BO)、リシノール酸メチルアセチル(AML)、セバシン酸ジブチル(DBS)などがあり、グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン(TA)、トリブチリン(TB)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコレート(MPEG)など、ジペンタエリスリトールヘキサアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセテートなどがある。中でもTPP、TCP、CDPP、TBP、DMP、DEP、DBP、DOP、DEHP、TA、EPEG、BDPが好ましい。特にTPP、DEP、EPEG、BDPが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量はセルローストリアセテートに対して5重量%以上30重量%以下、特に8重量%以上16重量%以下が好ましい。。これらの化合物は、セルローストリアセテート溶液の調製の際に、セルローストリアセテートや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0019】
更に、リン酸2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−10、旭電化(株)製)及びビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(ゲルオールMD、新日本理化(株)製)及びビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール(NC−4、三井東圧化学(株)製)などを加えてもよい。これらの化合物の添加量は、セルローストリアセテートに対して重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10ppm〜1000ppmがさらに好ましい。その外に、酸化防止剤、ライトパイピング防止用着色剤剤などを添加することが出来る。着色剤の含有量は、セルローストリアセテートに対する重量割合で10ppm以上1000ppm以下が好ましく、50ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。この様に着色剤を含有させることにより、セルローストリアセテートフイルムのライトパイピングが減少でき、黄色味を改良することができる。
【0020】
また、本発明のセルローストリアセテート溶液には、必要に応じて下記のごとき種々の添加剤を用途に応じて、調製の段階で添加してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、安定剤としてカオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩等、また帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等がある。
流延に先立って、セルローストリアセテート溶液を金網やネルなどの適当な濾材を用いてろ過し、未溶解物やゴミ、不純物などの異物を濾過除去しておくことが必要である。
【0021】
本発明のセルローストリアセテート溶液を用いたフイルムの製造法について述べる。本発明のセルローストリアセテートフイルムを製造する設備としては従来セルローストリアセテートフイルムの製造に用いられているものが利用できる。その設備と製造方法の概略を述べると、前述の調製装置で調製されたドープは、例えば回転数によって高精度に定量送液出来る加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイスに送られる。精密ギヤポンプから加圧ダイスに送り込まれたドープは加圧型ダイスの口金(スリット)からエンドレスに回転している支持体の上に均一に流延され、支持体がほぼ1周したところで、生乾きのフイルム(ウエブ)として支持体から剥離され、回転しているロール群に通されながら乾燥され、乾燥されたフイルムは搬送後巻き取機で所定の長さに巻き取られる。
【0022】
本発明に有用な流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイスから支持体上に均一に押し出す方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイスが好ましい。加圧ダイスにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれも本発明には有用である。また、ここで挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶液からセルローストリアセテートフイルムを流延製膜する種々の方法(例えば特開昭61−94724号、同61−148013号、特開平4−85011号、同4−286611号、同5−185443号、同5−185445号、同6−278149号、同8−207210号等公報など)に記載の方法を好ましく用いることができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様な効果が得られる。
【0023】
本発明のセルローストリアセテートフイルムを製造するのに使用されるエンドレスの支持体は、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや、表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。
本発明のセルローストリアセテートフイルムの製造に用いられる加圧ダイスの支持体上への配置は1基あるいは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基または2基である。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダイスにいろいろな割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤポンプからそれぞれの割合でダイスにドープを送液する。
【0024】
本発明のセルローストリアセテートフイルムの製造に係わる支持体上におけるドープの乾燥は、一般的にはドラムあるいはベルトの表面側つまり支持体上にあるウエブの表面から加熱する方法、ドラムあるいはベルトの裏面から風を当てる方法、液体をベルトやドラムのドープ面の反対側の裏面から接触させてドラムあるいはベルトの表面に温度を伝達させる液体伝熱方法があるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性を失わせるためには、酢酸メチルより若干低いところに設定するのが好ましい。セルローストリアセテートフイルムを製造する速度はベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒組成等の要因に依存するところであるが、ウエブをベルトから剥離する時点での残留溶媒の量にほとんど依存すると言ってよい。加熱方法によってはドープ膜膜厚方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が高すぎる場合には、剥離した時ベルトにドープが残ってしまい、次ぎの流延に支障を来すため、剥離残りは絶対あってはならない。従って、剥離する時のウエブの厚み全体が剥離に耐える強さになっていなければならない。剥離時点での残留溶媒はベルト上での乾燥方法によっても異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベルトあるいはドラム裏面から伝熱する方法がよい。
本発明における剥離残留溶媒率(%)は効率的な裏面伝熱方法による剥離時点での残留溶媒を測定することとする(測定法は後述)。
【0025】
本発明のセルローストリアセテートフイルムの製造に係わるフイルム乾燥方法について述べる。支持体が1周する直前の剥離位置で剥離されたウエブを千鳥状に配置されたロール群に交互に通して搬送するか、剥離されたウエブの両端をクリップ状のもので坦持させて非接触的に搬送するかしてもよく、搬送中のウエブ(フイルム)両面に所定の温度の風を当てることによって乾燥が行われるが、急速に乾燥させる場合では最初発泡しない程度の温度で乾燥し、後に高温乾燥を行う。支持体から剥離後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフイルムは巾方向に収縮するが、出来上がりのフイルムの平面性を良好ならしめるには、収縮を出来る限り抑制しながら乾燥させる必要がある。また高速度で製造するためには高温を与える必要があり、このようなケースには、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップ状のものでウエブの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、本発明では、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号等の公報に記載の延伸方法も使用し得る。
【0026】
本発明のセルローストリアセテートフイルムの乾燥工程における乾燥温度は50〜250℃、特に80〜180℃が好ましい。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組み合わせに応じて適宜選べばよい。最終仕上がりフイルムの残留溶媒量は2重量%以下が好ましく、さらに0.4重量%以下が好ましく、特に0.1重量%以下が好ましい。フイルムの残留溶媒量をこの範囲にすることで、寸法安定性の良好なフイルムが得られる。これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。本発明のセルローストリアセテートフイルムの製造に係わる巻取り機は一般的に使用されている定張力型のものを採用できる。
【0027】
本発明の出来上がりのフイルムの膜厚は使用目的によって異なるが、5〜500μmになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイスの口金のスリット幅、ダイスの口金のスリット幅、ダイス圧力、流延速度等を調節すればよく、好ましくは乾燥後の膜厚が20〜200μm、更に好ましくは乾燥後の膜厚が40〜180μmである。
【0028】
本発明で作製されたフイルムは、液晶用の光学保護膜として好ましく応用されている。特に、TFT液晶用の保護膜への適応はこの上なく重要であり、本発明のセルロースエステル膜が重要となっている。最近、富士フイルム(株)から市場導入された光学視野角補償用の支持体としての用途に対しては、重要な保護層となっている。さらに、例えば透明保護膜、偏光膜、透明支持体および液晶性分子から形成された光学的異方性層がこの順に積層されている楕円偏光板に利用される液晶表示装置などに応用され、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)にも適応されている。ここで透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光素子の順に配置されているものである。 液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
【0029】
それらは、例えばディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号および国際特許出願WO96/37804号の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。偏光素子は、一般に、偏光膜の両側に二枚の透明保護膜を取り付けた構成を有するものであり、本発明のセルロースエステルフイルムはこれらの保護層に適用される。
【0030】
本発明の可塑剤を用いて作製されたセルロースエステルフイルムで重要な点はその光学特性であり、フイルムの面内のレターデーション(Re)として観察される。その測定法はエリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける面内の縦横の屈折率差にフイルム膜厚さを乗じたものであり、下記の式で求められる。
Re=(nx−ny)×d
nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率
小さいほど、面内方向の光学異方性がなく好ましく100nm以下であり、より好ましくは80〜0nm、特に好ましくは50〜0nmであり、殊に好ましくは30〜0nmである。又、フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)も重要であり、波長632.8nmにおける厚さ方向の複屈折にフイルム膜厚さを乗じたものであり、下記の式で求められる。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、nz:厚さ方向の屈折率
小さいほど、厚さ方向の光学異方性がなく好ましい。
本発明のセルロースエステルフイルムのRthは、250nm〜0nmが好ましく、より好ましくはRthが170nm〜0nm、特に好ましくは150nm〜0nmである。また、その場合に厚さ方向のレターゼーションが1μm当たり3nm〜0nmであることが好ましく、より好ましくは1μm当たりレターゼーションが1nm〜0nm、特に好ましくは1μm当たり0.5nm〜0nmである。
また本発明のセルロースエステルフイルムはハロゲン化銀写真感材用支持体として好ましく使用できる。
【0031】
【実施例】
各実施例において、セルローストリアセテート、溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、以下のように測定および算出した。
【0032】
(1)セルローストリアセテートの酢化度(%)
酸化度はケン化法により測定した。乾燥したセルローストリアセテートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法により、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って酢化度(%)を算出した。
酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W
式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、Fは1N−硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
【0033】
(2)セルローストリアセテートの平均分子量および分子量分布
ゲル濾過カラムに、屈折率、光散乱を検出する検出器を接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC−LALLS)を用い測定した。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロリド
カラム: GMH×1(東ソー(株)製)
試料濃度: 0.1W/v%
流量: 1ml/min
試料注入量:300μl
標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,200)
温度: 23℃
【0034】
(3)セルローストリアセテートの粘度平均重合度(DP)
絶乾したセルローストリアセテート約0.2gを精秤し、メチレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)の混合溶媒100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式により求めた。
ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数
[η]=(1nηrel )/C T0 :溶剤単独の落下秒数
DP=[η]/Km C: 濃度(g/l)
Km:6×10-4
【0035】
(4)溶液の安定性
対象とする溶媒および可塑剤の合計400重量部に対し100重量部のセルロースエステル試料を投入し、常温(23℃)で3時間攪拌する。得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段階に評価した。
A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。
B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持しているが、20日で少し白濁が見られる。
C:液作製終了時では透明性と均一な液であるが、一日経時するとゲル化し不均一な液となる。
D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液状態である。
【0036】
(5)フイルム面状
フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価した。
A:フイルム表面は平滑である。
B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られる。
C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がはっきり観察される。
D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0037】
(7)フイルムの引裂試験
50mm×64mmに切りだした試料を、ISO6383/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重を求めた。
【0038】
(8)フイルムの耐折試験
120mmに切りだした試料をISO8776/2−1988の規格に従い、折り曲げよって切断するまでの往復回数を求めた。
【0039】
(9)フイルムの耐湿熱性
試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密閉した。これを90℃で経時して10日後に取り出した。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をした。
A:特に異常が認められない
B:かすかな分解臭が認められる
C:かなりな分解臭が認められる
D:分解臭と分解による形状の変化が認められる
【0040】
(10)フイルムのレターデーション(Re)値
エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおけるフイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーション値を求めた。
【0041】
(11)フイルムのヘイズ
ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
【0042】
[実施例1]
(1−1)セルローストリアセテート溶液の作製
下記の処方にてセルローストリアセテート溶液を作製した。酢酸メチルと炭素数4〜12のケトン溶媒を予め混合した溶液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体(平均サイズ 2mm)を徐々に添加した。添加後、室温(25℃)にてさらに攪拌を1時間続けた。得られて均一なゲル状溶液を、ステンレス製密閉容器にて1Mpa、180℃で5分間加熱した後、50℃の水浴中に容器ごと投入し冷却し、50℃の溶液あるいはゲル状液を得た。
【0043】
────────────────────────────────────
セルローストリアセテート(平均酢化度59.2%、粘度平均重合度300)
第1表に記載の量
酢酸メチル 第1表に記載の量
ケトン溶媒 第1表に記載の
────────────────────────────────────
【0044】
(1−2)セルローストリアセテートフイルムの作製
(1−1)で作製した50℃のセルローストリアセテート溶液を、ガラス板上に乾燥膜厚が100μmになるように流延した。乾燥は70℃で3分、130℃で5分した後、ガラス板からフイルムを剥ぎ取り、そして160℃、30分で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させた。このようにして、得られたセルローストリアセテートフイルムの特性を第1表に記載する。
【0045】
(1−3)結果
得られたセルローストリアセテート溶液とそのフイルムについて、その特性を評価し第1表に結果を示した。本発明の炭素数4〜12のケトン溶媒を含有しない試料1−1は、溶液化が出来ずフイルムの作製も出来なかった。一方、比較溶媒としてアセトンを用いた比較試料1−2、1−3の溶液はゲルが相当量存在する状態であり、経時での液安定性が悪くかつ得られたフイルムの面状や引裂試験、耐切試験およびヘイズが大きく劣るものであった。これに対して、本発明の炭素数4〜12のケトン溶媒を用いた本発明の試料1−4〜1−11は、溶液特性とフイルム特性をすべて満足するものであった。以上から本発明が極めて優れたものであることが明らかである。
【0046】
【表1】
Figure 0004076313
【0047】
【表2】
Figure 0004076313
【0048】
[実施例2]
実施例1の本発明の試料1−15において、セルローストリアセテートを酢化度58.9%、粘度平均重合度320に変える以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明試料2−1を作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すようにすべての点で優れたものであった。特に本発明の範囲ではあるがその酢化度を下げることにより、更に流動性が増し溶液中の泡の除去が短時間で出来て、フイルム作製が容易であった。
【0049】
【表3】
Figure 0004076313
【0050】
[実施例3]
実施例1の本発明の試料1−15において、セルローストリアセテートを酢化度60.5%、粘度平均重合度220に変える以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料3−1を作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性は優れたものであった。また、フイルム特性は引裂試験と耐切試験の点で若干劣る傾向が見られた。これは、本発明の範囲ではあるがその重合度が小さくなったことによる影響であるが実用上で大きな問題となるものではなかった。
【0051】
[実施例4]
実施例1の本発明の試料1−15において、可塑剤としてトリフェニルフォスフェート/ジフェニルビフェニルフォスフェート(2/1重量比)をセルローストリアセテートに対して10%重量部を酢酸メチルと置換して添加する以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料4−1を作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであり、特に引裂試験と耐切試験の点で改善が見られた。これは本発明においては、可塑剤を添加することでフイルムの柔軟性が付与された結果であり、本発明での好ましい実施態様である。
【0052】
[実施例5]
実施例1の本発明の試料1−15において、得られた溶液を50℃に冷却した後、さらに110℃、0.9Mpsで3分間加熱する以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料5−1を作製した。
その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであり、特に溶液特性と面状の大幅な改善が得られた。また、ヘイズの改善も見られており、本発明では高圧高温溶解後にさらに高温高圧処理することが好ましい事が明らかである。
【0053】
[実施例6]
実施例1の本発明の試料1−15において、酢酸メチルに該当する溶媒を57.5重量部に変え、さらに酢酸メチル47.5重量部エタノール10重量部との組み合わせに変更する以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料6−1を作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであり、特に溶液粘度低下が見られ、優れた流延により面状およびヘイズの大幅な改善が得られた。したがって、本発明ではケトン溶媒以外にアルコール系溶媒であるエタノールを添加することも好ましい事が明らかである。
【0054】
[実施例7]
実施例1の本発明の試料1−15において、酢酸メチルに該当する溶媒を60重量部に変え、さらに酢酸メチル55重量部ブタノール5重量部との組み合わせに変更して添加する以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料7−1を作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであり、特に溶液特性の点で室温溶解にもかかわらず粘度低下が見られ、優れたガラス板への流延により面状およびヘイズの大幅な改善が得られた。したがって、本発明ではケトン溶媒以外に他の溶媒であるブタノールを添加することが好ましい事が明らかである。
【0055】
比較例1
実施例1の本発明の試料1−15において、シクロヘキサノンをメタノール、エタノールまたはブタノールにする以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである比較用の試料−1、−2または−3の作製を検討した。しかしながら、セルローストリアセテート溶液の溶解液が得られずそのフイルムも作製できなかった。したがって、本発明のケトン溶媒以外であるアルコールでは、本発明が達成できないことが明らかとなった。
【0056】
比較例2
実施例1の本発明の試料1−15において、酢酸メチルをアセトンにする以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料の作製を試みたが、溶解液が得られなかった。従って、本発明では酢酸メチルが優れた主溶媒であることが明白である。
【0057】
[実施例10]
実施例1の本発明の試料1−15において、圧力を1.5Mpa、温度150℃にする以外は、実施例1と全く同様にしてセルローストリアセテート溶液とそのフイルムである本発明の試料10−1の作製した。その特性を評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであった。
【0058】
[実施例11]
実施例4の本発明の試料4−1において、そのフイルム厚さを120μmとする以外は、実施例4と全く同様にしてそのフイルムである本発明の試料11−1を作製した。
得られたフイルムの一方に、特開平4−73736号の実施例1の(バック層組成)第一層及び第2層を付与し、カチオン系ポリマーを導電性層とするバック層を作製した。更に、得られたバック層を付与したフイルムベースの反対の面に、特開平11−38568号の実施例1の試料105を塗布し、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した。得られたカラーフイルムは優れた映像が得られかつその取り扱い性においても問題のないものであった。
【0059】
[実施例12]
実施例1の本発明の試料4−1において、そのフイルム厚さを80μmとする以外は、実施例4と全く同様にしてそのフイルムである本発明の試料12−1を作製した。
得られたセルローストリエステルフイルムに、特開平7−333433の実施例1の富士写真フイルム(株)製セルローストリアセテートを、本発明の試料11−1のセルローストリアセテートフイルムに変更する以外は、特開平7−333433の実施例1と全く同様にした光学補償フィルターフイルム試料を作製した。得られたフィルターフイルムは左右上下に優れた視野角を有するものであった。したがって、本発明のセルローストリアセテートフイルムが、光学的用途として優れたものであることが判る。
【0060】
【発明の効果】
本発明に従うと、光学的異方性に優れ膜強度に優れたセルローストリエステルフイルムを提供することが出来る。また、非ハロゲン系溶媒を用いて常温で膨潤、溶解したセルローストリアセテート溶液を提供することが出来る。さらに本発明は、メチレンクロライドのようなハロゲン化炭化水素系有機溶剤を使用せずにセルロースエステルが安定な状態で溶解しているセルローストリアセテート溶液を提供できる。更に光学的用途に使用し得る光学的に異方性の小さいセルローストリアセテートフイルムを製造しうる事が出来、かつ感材用支持体としても優れたセルローストリアセテートフイルムを作製できる。

Claims (4)

  1. 平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテート及び酢酸メチルとセルローストリアセテート溶液に対して3〜30重量%の炭素数4〜12のケトンとを含み、溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満である有機溶媒の混合物を、−10〜55℃で膨潤する工程、0.2Mp〜30Mpaの加圧下で80〜240℃に加熱して溶解する工程、及び必要に応じて該溶液に添加物を添加して混合する工程を通して調製されたセルローストリアセテート溶液を−10〜55℃の温度で支持体上に流延する工程、更に溶媒を蒸発させてフイルムを乾燥する工程を通してセルローストリアセテートフイルムを形成することを特徴とするセルローストリアセテートフイルムの製造方法。
  2. 前記セルローストリアセテートが220〜500の粘度平均重合度を有することを特徴とする請求項1に記載のセルローストリアセテートフイルムの製造方法。
  3. 前記セルローストリアセテート溶液中でのセルローストリアセテートの濃度が15重量%〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のセルローストリアセテートフイルムの製造方法。
  4. 前記セルローストリアセテート溶液が、可塑剤をセルローストリアセテートに対して5重量%〜30重量%含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルローストリアセテートフイルムの製造方法。
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