JP2002003644A - セルロースアセテート溶液、その調製方法、セルロースアセテートフイルム、およびその製造方法 - Google Patents

セルロースアセテート溶液、その調製方法、セルロースアセテートフイルム、およびその製造方法

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JP2002003644A
JP2002003644A JP2000187487A JP2000187487A JP2002003644A JP 2002003644 A JP2002003644 A JP 2002003644A JP 2000187487 A JP2000187487 A JP 2000187487A JP 2000187487 A JP2000187487 A JP 2000187487A JP 2002003644 A JP2002003644 A JP 2002003644A
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Yasuo Kuraki
康雄 椋木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースアセテートが、酢酸メチルに安定
な状態で溶解している溶液を得る。 【解決手段】 溶媒として酢酸メチルと少なくとも一種
の炭素数4〜12のケトン類との混合溶媒を用い、0〜
55℃で膨潤・溶解させて、58.0〜62.5%の平
均酢化度を有するセルロースアセテートが10〜40重
量%の濃度で溶解しているセルロースアセテート溶液を
調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフ
イルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れており、代表的な写真感光材料の支持体であり、また
その光学的等方性から、近年市場の拡大している液晶表
示装置にも用いられている。液晶表示装置における具体
的な用途としては、偏光板の保護フイルムおよびカラー
フィルターが代表的である。セルロースアセテートの酢
化度や重合度は、得られるフイルムの機械的強度や耐久
性と密接な関係がある。酢化度や重合度が低下するにつ
れて、フイルムの弾性率、耐折強度、寸度安定性および
耐湿熱性も低下する。写真用支持体や光学フイルムとし
て要求される品質を満足するためには、セルロースアセ
テートの酢化度は58%以上(好ましくは59%以上)
が必要であるとされる。酢化度が58%以上のセルロー
スアセテートは、一般にトリアセチルセルロース(TA
C)に分類される。重合度は、粘度平均重合度として2
50以上が好ましく、290以上がさらに好ましいとい
われている。
【0003】セルロースアセテートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造される。ソルベントキャスト法では、セルロースアセ
テートを溶媒中に溶解した溶液(溶液)を支持体上に流
延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成されている。メ
ルトキャスト法では、セルロースアセテートを加熱によ
り溶融したものを支持体上に流延し、冷却してフイルム
を形成する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャ
スト法よりも平面性の高い良好なフイルムを製造するこ
とができる。このため、実用的には、ソルベントキャス
ト法の方が普通に採用されている。ソルベントキャスト
法については、多くの文献に記載がある。最近のソルベ
ントキャスト法では、溶液を支持体上へ流延してから、
支持体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を
短縮して、製膜工程の生産性を向上させることが課題に
なっている。例えば、特公平5−17844号公報に
は、高濃度溶液を冷却ドラム上に流延することにより、
流延後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案され
ている。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアセテートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。すなわち、平面性に優れ、厚み
の均一なフイルムを、経済的に効率よく製造するために
は、適度な粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優
れた溶液を調製する必要がある。溶液については、ゲル
化が容易であることや支持体からの剥離が容易であるこ
とも要求される。そのような溶液を調製するためは、溶
媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒については、
蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないことも要求
される。セルロースアセテートの溶媒として、様々な有
機溶媒が提案されているが、以上の要求を全て満足する
溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られていた。
メチレンクロリド以外のセルロースアセテートの有機溶
媒としては、エピクロルヒドリン(沸点:116℃)、
N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、テトラヒド
ロフラン(沸点:65.4℃)、1,4−ジオキサン
(沸点:101℃)、1,3−ジオキソラン(沸点:7
5℃)やニトロメタン(沸点:101℃)が知られてい
る。
【0005】しかしながら、メチレンクロリドのような
ハロゲン化炭化水素は、近年、地球環境保護の観点か
ら、その使用は著しく規制される方向にある。また、メ
チレンクロリドは、低沸点(41℃)であるため、製造
工程において揮散しやすい。このため、作業環境におい
ても問題である。これらの問題を防止するため、製造工
程のクローズド化が行なわれているが、密閉するにして
も技術的な限界がある。従って、メチレンクロリドの代
替となるような、セルロースアセテートの溶媒を捜し求
めることが急務となっている。
【0006】メチレンクロリドの代替溶媒として、近年
アセトンや酢酸エステルあるいはジオキソランなどの非
ハロゲン系 有機溶媒が提案されている。それらは、例えば特開平8
−95544号、同9−95538号、同11−607
52号などを挙げることができる。たしかにこれらの溶
媒は、セルローストリアセテートに対する溶解性を有し
ているが不十分であり、その溶解工程で−10℃以下の
冷却工程を必要としたり、あるいは又100℃以上で1
0気圧以上の加熱工程を必要とし、生産性の点で大きく
劣るものであった。これは、アセトン溶媒ではセルロー
スアセテートに対する溶解性が低く、置換度2.70
(酢化度58.8%)以下のセルロースアセテートに対
しては、アセトンは若干の溶解性を示すのみであり、セ
ルロースアセテートの置換度が2.70を越えると、ア
セトンの溶解性がさらに低下する。特に、置換度2.8
0(酢化度60.1%)以上のセルロースアセテートと
なるとアセトンは膨潤作用を示すのみで溶解性を示さな
い。この改良として以下が考えられ、前記特許で改良さ
れたものである。
【0007】すなわち、J.M.G.Cowie他の論
文、Makromol,chem.,143巻、105
頁(1971年)は、置換度2.80(酢化度60.1
%)から置換度2.90(酢化度61.3%)のセルロ
ースアセテートを、アセトン中で−80℃から−70℃
に冷却した後、加温することにより、アセトン中にセル
ロースアセテートが0.5〜5重量%に溶解している希
薄溶液が得られたことを報告している。以下、このよう
に、セルロースアセテートと有機溶媒との混合物を冷却
して、溶液を得る方法を「冷却溶解法」と称する。ま
た、セルロースアセテートのアセトン中への溶解につい
ては、上出健二他の論文「三酢酸セルロースのアセトン
溶液からの乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34巻、57
〜61頁(1981年)にも記載がある。この論文は、
その標題のように、冷却溶解法を紡糸方法の技術分野に
適用したものである。論文では、得られる繊維の力学的
性質、染色性や繊維の断面形状に留意しながら、冷却溶
解法を検討している。この論文では、繊維の紡糸のため
に10〜25重量%の濃度を有するセルロースアセテー
トの溶液を用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように冷却溶解
法あるいは高温加圧溶解法を用いて、セルロースアセテ
ートがアセトンや酢酸メチルあるいはジオキソラン中に
溶解している溶液を調製することが可能になった。しか
し、こららの欠点として極低温の冷却工程を必要とした
り高圧高温溶解工程を必要とするため、生産性に劣りコ
ストアップをもたらすものであった。またセルロースア
セテート溶液の、安定性が乏しいとの問題があり、溶液
の移送時に配管中で未溶解物が発生したり、製造装置の
保守管理のための停止期間中に凝固が起き、大きなトラ
ブルとなることが懸念された。
【0009】したがって、本発明の目的はセルロースア
セテートが、ハロゲン化炭化水素以外の有機溶媒に安定
な状態で溶解している溶液を提供することである。また
本発明の目的は、セルロースアセテートがハロゲン化炭
化水素以外の有機溶媒を用いて、常温で溶解させた溶液
を提供することである。更に本発明の目的は、メチレン
クロリドのようなハロゲン化炭化水素系有機溶剤を使用
せずに、安定なセルロースアセテート溶液を調製するこ
とでもある。さらに本発明の目的は、メチレンクロリド
のようなハロゲン化炭化水素系有機溶剤を使用せずに、
平面性が良好なセルロースアセテートフイルムを製造す
ることすることでもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は、58.0〜62.5%の平均酢化度を有するセルロ
ースアセテートが10〜40重量%の濃度で溶解してい
るセルロースアセテート溶液であって、該溶液が酢酸メ
チルと少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類の混
合溶媒であり、0〜55℃で膨潤・溶解されたことを特
徴とするセルロースアセテート溶液、及び流延すること
によって作製されたセルロースアセテートフイルム、に
よって達成された。
【0011】
【発明の実施の形態】まず本発明に用いるセルロースア
セテートは、平均酢化度(アセチル化度)が58.0〜
62.5%である。酢化度とは、セルロース単位重量当
たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D
−817−91(セルロースアセテート等の試験法)に
おけるアセチル化度の測定および計算に従う。このセル
ロースアセテートの酢化度の範囲は、前述したように、
写真用支持体や光学フイルムとして要求される品質を満
足するために必要とされる値である。また、酢化度が5
8.0未満のセルロースアセテートは、本発明の溶媒混
合液を用いなくても、アセトンやアセトンを含む混合溶
媒中に容易に溶解することができるが、そのフイルム特
性は不十分であり特に耐久性の点で各種用途の支持体や
膜としては、利用が制限されるものである。
【0012】セルロースアセテートは、綿花リンターま
たは木材パルプから合成することができる。綿花リンタ
ーと木材パルプを混合して用いてもよい。一般に木材パ
ルプから合成する方が、コストが低く経済的である。た
だし、綿花リンターを混合することにより、剥ぎ取り時
の負荷を軽減できる。また、綿花リンターを混合する
と、短時間に製膜しても、フイルムの面状があまり悪化
しない。セルロースアセテートは、一般に、酢酸−無水
酢酸−硫酸でセルロースを酢化して合成する。工業的に
は、メチレンクロリドを溶媒とするメチクロ法あるいは
セルロースアセテートの非溶媒(例、ベンゼン、トルエ
ン)を添加して繊維状で酢化する繊維状酢化法が用いら
れる。
【0013】本発明ではセルロースアセテートの粘度平
均重合度(DP)は、250以上であることが好まし
く、290以上であることがさらに好ましい。重合度が
250未満のセルロースアセテートでは、得られるフイ
ルムの強度が悪化する。粘度平均重合度は、オストワル
ド粘度計にて測定したセルロースアセテートの固有粘度
[η]から、下記の式により求める。 (1) DP=[η]/Km 式中、[η]は、セルロースアセテートの固有粘度であ
り、Kmは、定数6×10-4である。
【0014】粘度平均重合度(DP)が290以上であ
る場合、粘度平均重合度と落球式粘度法による濃厚溶液
粘度(η)とが下記式(2)の関係を満足することが好
ましい。 (2)2.814×ln(DP)−11.753≦ln(η)≦6.29
×ln(DP)−31.469 式中、DPは290以上の粘度平均重合度の値であり、
ηは落球式粘度法における標線間の通過時間(秒)であ
る。上記式(2)は、粘度平均重合度と濃厚溶液粘度を
プロットし、その結果から算出したものである。
【0015】また、本発明に使用するセルロースアセテ
ートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るMw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分
子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なM
w/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好
ましく、1.3〜1.65であることがさらに好まし
く、1.4〜1.6であることが最も好ましい。Mw/
Mnの値が1.7を越えると、溶液粘度が大きくなり過
ぎて、フイルムの平面性が低下する場合がある。なお、
Mw/Mnの値が1.0〜1.4の値のセルロースアセ
テートは、一般に製造が困難である。この範囲の値のセ
ルロースアセテートを得ようとしても、実際には分子量
が著しく低いものしか得られない。従って、そのような
セルロースアセテートから製造したフイルムは、分子量
の低下によりフイルムの機械物性も低下する場合が多
い。
【0016】本発明においては、低分子成分が少ないセ
ルロースアセテートが好ましい。セルロースアセテート
からの低分子成分の除去は、セルロースアセテートを適
当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。有機溶
媒の例としては、ケトン類(例、アセトン)、酢酸エス
テル類(例、メチルアセテート)およびセロソルブ類
(例、メチルセロソルブ)が含まれる。これらのなかで
も、ケトン類、特にアセトンを用いることが好ましい。
通常の方法により得られるセルロースアセテートを有機
溶媒で一回洗浄すると、原料重量に対して10〜15重
量%程度の低分子セルロースアセテートが洗浄液中に除
去される。洗浄後のセルロースアセテートに2回目の洗
浄を実施すると、洗浄液中に除去される低分子セルロー
スアセテートは、一般に10重量%以下になる。アセト
ン抽出分が10重量%以下であれば、低分子成分が充分
に少ないセルロースアセテートである。従って、通常
は、一回の洗浄で低分子成分が充分に少ないセルロース
アセテートが得られる。アセトン抽出分は、5重量%以
下であることがさらに好ましい。また低分子成分の少な
いセルロースアセテートを製造する場合、酢化反応にお
ける硫酸触媒量を、セルロース100重量部に対して1
0〜15重量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の
量を上記範囲(比較的多量)にすると、分子量部分布の
点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアセ
テートを合成することができる。
【0017】本発明では、セルロースアセテート溶液の
調製に、酢酸メチルと少なくとも一種の炭素数4〜12
のケトン類からなる混合溶媒を使用するが、後述するよ
うに他の溶媒を添加することを禁止するものではない。
この混合溶媒は、メチレンクロリドのようなハロゲン化
炭化水素を実質的に含まないものである。「実質的に含
まない」とは、混合溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合
が5重量%未満(好ましくは2重量%未満)であること
を意味する。酢酸メチルと共に用いられる少なくとも一
種の炭素数4〜12のケトン類の混合溶媒について更に
詳細に述べる。炭素原子数が4〜12のケトン類として
は、置換、無置換のどちらでもよく、また一部が環状部
を有するものでも良い。好ましい例としては、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシ
クロヘキサノンを挙げることができる。さらには、メチ
ルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンが
好ましく、特にメチルエチルケトン、ジエチルケトン、
シクロヘキサノンが好ましい。本発明で好ましく用いら
れる溶媒の使用量は、酢酸メチルの含有量としては30
〜88重量%であり、少なくとも一種の炭素数4〜12
のケトン類が2〜60重量%であることが好ましい。さ
らには、酢酸メチルの含有量が40〜80重量%であ
り、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類が2〜
30重量%であることが好ましいく、特に、酢酸メチル
の含有量が50〜80重量%であり、少なくとも一種の
炭素数4〜12のケトン類が2〜25重量%であること
が好ましい。
【0018】本発明においては、酢酸メチルを主成分と
し、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類を含有
するが、それ以外の溶媒を用いても良い。それらの溶媒
は、炭素原子数が3〜12のエーテル類、炭素原子数が
4〜12のエステル類および炭素原子数が1〜6のアル
コール類が好ましい。エーテル、エステルおよびアルコ
ールは、環状構造を有していてもよい。エーテル、エス
テルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−、−
COO−および−OH)のいずれかを二つ以上有する化
合物も、有機溶剤として用いることができる。二種類以
上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数
は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であ
ればよい。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例に
は、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネト
ールが含まれる。炭素原子数が4〜12のエステル類の
例には、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、エ
チルアセテート、プロピルアセテートおよびペンチルア
セテートが含まれる。炭素原子数が1〜6のアルコール
類の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、
2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノール
が含まれる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例
には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエ
タノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
【0019】次に、本発明のセルロースアセテートの溶
液を作製する工程について以下に記す。本発明の溶媒混
合溶液の特徴は、従来のセルロースアセテートを作製す
る場合に高温加熱や冷却溶解を必要とすることに対し
て、これらの工程を必須としないことにある。すなわ
ち、酢酸メチルとケトン類をセルロースアセテートと混
合し、しかる後に溶媒がセルロースアセテートに浸透し
て十分膨潤するに際し、室温でも十分であることが特記
される。これは、高温加熱の場合に高圧力を必要とした
り、或いは−100℃近辺までの超冷却装置を必要とし
たりすることがない事を意味するものであり、エネルギ
ー削減に大いに貢献するものである。本発明における実
際においては、セルロースアセテートの粉末は、酢酸メ
チルと少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類の存
在下で膨潤され、混合後2分以上放置されることが好ま
しく、その場合は十分な攪拌をすることが好ましい。一
般に膨潤・溶解させるには2時間以内で十分であるが、
より完璧に膨潤させるには7日以上でも良く、場合によ
り1月以上でも良い。なお、前述したように本発明では
膨潤過程を通して、経時と共に均一な溶液となることが
特徴である。したがって、膨潤から溶液化にもたらすた
めに十分な攪拌と経時をおくことが好ましい対応であ
る。ここで、セルロースアセテートの粉末のサイズは小
さいほど好ましく、一番長い軸が10mm以下が好まし
く、更には7mm以下であり、特には5mm以下が好ま
しい。
【0020】本発明では、以上のような混合有機溶媒中
にセルロースアセテートを溶解して、溶液(溶液)を形
成する。溶液の調製においては、溶剤の添加順序は特に
限定されず、酢酸メチルやケトン溶媒を予め混合してお
いてもよいし、別々に添加してもよい。さらには溶媒中
にセルロースアセテートを添加してもよいし、セルロー
スアセテートに溶媒を加えてもよい。また、酢酸メチル
でセルロースアセテートを予め膨潤し、しかる後にケト
ン溶媒を添加しても差し支えない。この段階ではセルロ
ースアセテートは溶媒中で膨潤していく。さらに膨潤が
進むと、溶媒とセルロースアセテートの区別が出来なく
なり、この状態になると溶解状態となったことが確認さ
れる。セルロースアセテートの量は、この混合物中に1
0〜40重量%含まれるように調整する。セルロースア
セテートの量は、10〜30重量%であることがさらに
好ましい。混合溶媒中には、後述する任意の添加剤を添
加しておいてもよい。ここで、混合時の温度は常温であ
ればよいが、一般には−30〜55℃であれば問題な
く、より好ましくは0〜55℃である。ここで、溶媒と
セルロースアセテートは予め温度がこの範囲外であって
も最終的にこの温度範囲となれば、その混合前の温度は
特に限定されない。
【0021】本発明においては、室温近辺で膨潤し溶解
することが特徴である。しかし、その溶液をさらに冷却
したり加熱したりすることは、得られる溶液とフイルム
の特性を更に改善するためには有効である。冷却処理す
る場合は、溶液は−100〜0℃、好ましくは−90〜
−10℃、さらに好ましくは−90〜−30℃、最も好
ましくは−80〜−30℃に冷却される。冷却は、例え
ば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却し
たジエチレングリコール溶液(−30℃〜−20℃)中
で実施できる。又機械的に冷却することも可能であり−
80℃は容易に達成できる。このように冷却すると、セ
ルロースアセテートと混合溶媒の混合物は固化する。さ
らに、これを0〜50℃に加温すると、混合溶媒中にセ
ルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置
するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。このよう
にして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分で
ある場合は、冷却、加温の操作を繰り返してもよい。加
熱処理する場合は、溶液は100〜200℃、好ましく
は110〜190℃、さらに好ましくは120〜190
℃、に加熱される。この時、0.2〜300MPaにて
加圧加温するされる。加圧加熱処理に際しては、副反応
を無くす為に短時間であることが好ましく、300分以
内が好ましく、さらに60分以内がより好ましく、特に
は10分以内が好ましい。
【0022】調製したセルロースエステル溶液は、フイ
ルムの製造に用いることができる。具体的には、溶液を
ソルベントキャスト法における溶液として利用する。溶
液は、支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを
形成する。流延前の溶液は、固形分量が18〜35%と
なるように濃度を調整することが好ましい。支持体表面
は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。支持体と
しては、ドラムまたはバンドが用いられる。ソルベント
キャスト法における流延および乾燥方法については、米
国特許2336310号、同2367603号、同24
92078号、同2492977号、同2492978
号、同2607704号、同2739069号、同27
39070号、英国特許640731号、同73689
2号各明細書、特公昭45−4554号、同49−56
14号、特開昭60−176834号、同60−203
430号、同62−115035号各公報に記載があ
る。溶液は、表面温度が10℃以下の支持体上に流延す
ることが好ましい。流延した2秒上風に当てて乾燥する
ことが好ましい。得られたフイルムを支持体から剥ぎ取
り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高
温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以
上の方法は、特公平5−17844号公報に記載があ
る。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を
短縮することが可能である。この方法を実施するために
は、流延時の支持体表面温度において溶液がゲル化する
ことが必要である。本発明に従い製造した溶液は、この
条件を満足する。本発明に従いケトン溶媒を用いると、
酢酸メチルのみを溶媒として使用する場合と比較して、
溶液を支持体上に流延したときの溶液表面の平面性が優
れている。その結果として、平面性が優れているフイル
ムを製造することができる。本発明に従い製造するフイ
ルムの厚さは、5〜500μmであることが好ましく、
20〜300μmであることがさらに好ましく、30〜
200μmであることが最も好ましい。
【0023】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート、(DOP)お
よびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれ
る。クエン酸エステルの例には、クエン酸アセチルトリ
エチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチ
ル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エス
テルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチル
アセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸
エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DM
P、DEP、DBP、DOP、DEHP)が好ましく用
いられる。また、特開平11−124445号記載のジ
ペンタエリスリトールエステル、同11−246704
号記載のグリセロールエステル、同12−63560号
に記載のジグリセリンエステル、同11−92574号
記載の置換フェニルリン酸エステルなども好ましく用い
られる。
【0024】その外に、リン酸2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデ
カスタブNA−11、旭電化(株)製)、リン酸ビス
(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブ
NA−10、旭電化(株)製)、ビス(p−メチルベン
ジリデン)ソルビドール(ゲルオールMD、新日本理化
(株)製)およびビス(p−エチルビンジリデン)ソル
ビトール(NC−4、三井東圧化学(株)製)などを添
加してもよい。セルロースアセテートフイルムには、劣
化防止剤(例、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属
不活性化剤、酸捕獲剤)や紫外線防止剤を添加してもよ
い。劣化防止剤については、特開平5−1907073
号公報に記載がある。紫外線防止剤については、特開平
7−11056号公報に記載がある。
【0025】得られたドープは、微量な異物や不溶解分
を除く為にろ過をすることが好ましく、その場合温度を
上げて粘度を下げ流動性を良くすることが好ましい。ろ
過方法は特に限定されるものではなく、減圧での加圧で
も問題ない。しかし、溶剤が揮発しない加圧でのろ過が
好ましい。また、ろ過に際して用いられるろ過フィルタ
ーは、特に限定されないが、ろ布,金属メッシュあるい
はセラミックフィルターなどが好ましい。フィルター孔
径としては、60μm以下であり、40μm以下がより
好ましく、30μm以下がさらに好ましく、10μm以
下が特に好ましい。さらには5μm以下も可能であり、
2.5μm以下は顕著な異物除去効果を示す。
【0026】調製したセルロースエステル溶液を用い
て、フイルムを形成される。すなわち、ソルベントキャ
スト法におけるドープとして利用されるものである。ド
ープを支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムは
形成される。この時流延前のドープは、固形分量が5〜
30重量%となるように濃度を調整されることが好まし
い。支持体表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ま
しく、それらはドラムまたはバンド形態で用いられる。
ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法につ
いては、米国特許2336310号、同2367603
号、同2492078号、同2492977号、同24
92978号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、同
736892号各明細書、特公昭45−4554号、同
49−5614号、特開昭60−176834号、同6
0−203430号、同62−115035号各公報な
どに記載されている。
【0027】ドープは、表面温度が30℃以下の支持体
上に流延することが好ましい。流延したフイルムは、2
秒以上乾燥風に当てて乾燥することが好ましい。そし
て、得られたフイルムを支持体から剥ぎ取らり、さらに
50から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥し
て残留溶剤を蒸発させることもでき、例えば特公平5−
17844号公報に記載されている。この方法による
と、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能
となる。この方法を実施するためには、流延時の支持体
表面温度においてドープがゲル化することが好ましい。
本発明にしたがって製造したドープは、これらの条件を
満足する。
【0028】本発明で作製されたフイルムは、液晶用の
光学保護膜として好ましく応用されている。特に、TF
T液晶用の保護膜への適応はこの上なく重要であり、本
発明のセルロースエステル膜が重要となっている。最
近、富士フイルム(株)から市場導入された光学視野角
補償用の支持体としての用途に対しては、重要な保護層
となっている。さらに、例えば透明保護膜、偏光膜、透
明支持体および液晶性分子から形成された光学的異方性
層がこの順に積層されている楕円偏光板に利用される液
晶表示装置などに応用され、液晶セル、偏光素子および
光学補償シート(位相差板)にも適応されている。ここ
で透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セル
の両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを
液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示
装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、
そして一枚の偏光素子の順に配置されているものであ
る。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するため
の二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるため
の電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向
状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nema
tic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferro
electric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compe
nsatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、
VA(Vertically Aligned)、反射型については、HA
N(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モー
ドが提案されている。
【0029】それらは、例えばディスコティック液晶性
分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに
対応するものが既に提案されている。例えば、TNモー
ドの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−2141
16号公報、米国特許5583679号、同56467
03号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細
書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモー
ドの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−549
82号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたは
HANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許
5805253号および国際特許出願WO96/378
04号の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモ
ードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−265
72号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セ
ル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公
報に記載がある。偏光素子は、一般に、偏光膜の両側に
二枚の透明保護膜を取り付けた構成を有するものであ
り、本発明のセルロースエステルフイルムはこれらの保
護層に適用される。
【0030】本発明の可塑剤を用いて作製されたセルロ
ースエステルフイルムで重要な点はその光学特性であ
り、フイルムの面内のレターデーション(Re)として
観察される。その測定法はエリプソメーター(偏光解析
計AEP−100:島津製作所(株)製)を用いて、波
長632.8nmにおける面内の縦横の屈折率差にフイ
ルム膜厚さを乗じたものであり、下記の式で求められ
る。 Re=(nx−ny)×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率 小さいほど、面内方向の光学異方性がなく好ましく10
0nm以下であり、より好ましくは80〜0nm、特に
好ましくは30〜0nmであり、殊に好ましくは20〜
0nmである。又、フイルムの厚さ方向のレターデーシ
ョン(Rth)も重要であり、波長632.8nmにお
ける厚さ方向の複屈折にフイルム膜厚さを乗じたもので
あり、下記の式で求められる。 Rth={(nx+ny)/2−nz}×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、nz:
厚さ方向の屈折率 小さいほど、厚さ方向の光学異方性がなく好ましい。本
発明のセルロースエステルフイルムのRthは、150
nm〜0nmが好ましく、より好ましくはRthが12
0nm〜0nm、特に好ましくは100nm〜0nmで
ある。また、その場合に厚さ方向のレターゼーションが
1μm当たり0.5nm〜0nmであることが好まし
く、より好ましくは1μm当たりレターゼーションが
0.2nm〜0nm、特に好ましくは1μm当たり0.
1nm〜0nmである。また本発明のセルロースエステ
ルフイルムはハロゲン化銀写真感材用支持体として好ま
しく使用できる。
【0031】
【実施例】各実施例において、セルロースアセテート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0032】(1)セルロースアセテートの酢化度
(%) 酸化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
アセテートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシド
との混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の
1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時
間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添
加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸
化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法によ
り、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って
酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
【0033】(2)セルロースアセテートの平均分子量
および分子量分布 ゲル濾過カラムに、屈折率、光散乱を検出する検出器を
接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC
−LALLS)を用い測定した。測定条件は以下の通り
である。 溶媒: メチレンクロリド カラム: GMH×1(東ソー(株)製) 試料濃度: 0.1W/v% 流量: 1ml/min 試料注入量:300μl 標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,
200) 温度: 23℃
【0034】(3)セルロースアセテートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアセテート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)の混合
溶媒100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel )/C T0 :溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C: 濃度(g/l) Km:6×10-4
【0035】(4)溶液の安定性 対象とする溶媒および可塑剤の合計400重量部に対し
100重量部のセルロースエステル試料を投入し、常温
(23℃)で3時間攪拌する。得られた溶液またはスラ
リーの状態を常温(23℃)で静置保存したまま観察
し、以下のA、B、Cの4段階に評価した。 A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。 B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持している
が、20日で少し白濁が見られる。 C:液作製終了時では透明性と均一な液であるが、一日
経時するとゲル化し不均一な液となる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0036】(5)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0037】(6)フイルムの平衡水分率 温度25℃、相対湿度60%の条件以下でフイルムを2
4時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカール
フィッシャー法で測定した。得られた水分量(g)を試
料重量(g)で除して、平衡水分率を算出した。測定装
置としては、三菱化学(株)製の水分測定装置CA−0
3、同試料乾燥装置VA−05を用いた。カールフィッ
シャー試薬としては、同社製のAKS、CKSを用い
た。
【0038】(7)フイルムの引裂試験 50mn×64mmに切りだした試料を、ISO638
3/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重
を求めた。
【0039】(8)フイルムの耐折試験 120mnに切りだした試料をISO8776/2−1
988の規格に従い、折り曲げよって切断するまでの往
復回数を求めた。
【0040】(9)フイルムの耐湿熱性 試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、
温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密
閉した。これを90℃で経時して10日後に取り出し
た。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をし
た。A:特に異常が認められないB:分解臭または分解
による形状の変化が認められる
【0041】(10)フイルムのレターデーション(R
e)値 エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製
作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける
フイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーショ
ン値を求めた。
【0042】(11)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0043】[実施例1] (1−1)セルロースアセテート溶液の作製 下記の処方にてセルロースアセテート溶液を作製した。
膨潤と溶解は、室温(25℃)で実施した。
【0044】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート(平均酢化度60.5%、粘度平均重合度300) 第1表に記載 酢酸メチル 第1表に記載 ケトン溶媒 第1表に記載 ────────────────────────────────────
【0045】(1−2)セルロースフイルムの作製 (1−1)で作製したセルロースエステル溶液を、ガラ
ス板上に乾燥膜厚が100μmになるように流延した。
乾燥は70℃で3分、130℃で5分した後、ガラス板
からフイルムを剥ぎ取り、そして160℃、10分で段
階的に乾燥して溶剤を蒸発させた。このようにして、得
られたセルロースアセテートフイルムの特性を第1表に
記載する。なお、膨潤と溶解温度についても第1表に記
載した。また、得られたセルロースアセテート溶液はそ
の状態でも十分均一であるが、よりその溶液のを均一性
を高めるためのさらの後加熱し粘度を下げて流動性を増
し、攪拌して均一性を高めた。
【0046】(1−3)結果 得られたセルロースアセテート溶液とそのフイルムにつ
いて、その特性を評価し第1表に結果を示した。本発明
のケトン溶媒を含有しない試料1−1は、室温での膨潤
と溶解では溶液化が出来ずフイルムの作製も出来なかっ
た。一方、ケトン溶媒ではあるが炭素数が少なく本発明
の範囲外のアセトンを用いた比較試料1−2、1−3は
液の作製はゲルが少量存在する状態であり、経時での液
安定性が悪くかつ得られたフイルムの面状や引裂試験、
耐切試験およびヘイズが大きく劣るものであった。これ
に対して、本発明のケトン溶媒を用いた本発明の試料1
−5〜1−19は、溶液特性とフイルム特性をすべて満
足するものであった。以上から本発明が極めて優れたも
のであることが明らかである。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】[実施例2]実施例1の本発明の試料1−
15において、セルロースアセテートを酢化度59.5
%、粘度平均重合度320に変える以外は、実施例1と
全く同様にしてセルロースアセテート溶液とそのフイル
ムである本発明試料2−1を作製した。その特性を評価
したところ、第2表に示すようにすべての点で優れたも
のであった。特に本発明の範囲ではあるがその酢化度を
下げることにより、更に流動性が増し溶液中の泡の除去
が短時間で出来て、フイルム作製が容易であった。
【0050】
【表3】
【0051】[実施例3]実施例1の本発明の試料1−
15において、セルロースアセテートを酢化度60.0
%、粘度平均重合度220に変える以外は、実施例1と
全く同様にしてセルロースアセテート溶液とそのフイル
ムである本発明の試料3−1を作製した。その特性を評
価したところ、第2表に示すように溶液特性は優れたも
のであった。また、フイルム特性は引裂試験と耐切試験
の点で若干劣る傾向が見られた。これは、本発明の範囲
ではあるがその重合度が小さくなったことによる影響で
あるが実用上で大きな問題となるものではなかった。
【0052】[実施例4]実施例1の本発明の試料1−
15において、可塑剤としてトリフェニルフォスフェー
ト/ジフェニルビフェニルフォスフェート(2/1重量
比)をセルロースアセテートに対して10%重量部を酢
酸メチルと置換して添加する以外は、実施例1と全く同
様にしてセルロースアセテート溶液とそのフイルムであ
る本発明の試料4−1を作製した。その特性を評価した
ところ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の
全てに優れたものであり、特に引裂試験と耐切試験の点
で改善が見られた。これは本発明においては、可塑剤を
添加することでフイルムの柔軟性が付与された結果であ
り、本発明での好ましい実施態様である。
【0053】[実施例5]実施例1の本発明の試料1−
5において、得られた溶液をさらに−70℃で3時間冷
却し、さらに50℃で2時間加温する以外は、実施例1
と全く同様にしてセルロースアセテート溶液とそのフイ
ルムである本発明の試料5−1を作製した。その特性を
評価したところ、第2表に示すように溶液特性とフイル
ム特性の全てに優れたものであり、特に溶液特性と面状
の大幅な改善が得られた。また、ヘイズの改善も見られ
ており、本発明では膨潤・溶解後にさらに冷却処理する
ことが好ましい事が明らかである。
【0054】[実施例6]実施例1の本発明の試料1−
5において、得られた溶液をさらに180℃、0.1MP
aで10分加圧加熱した後さらに50℃で2時間加温す
る以外は、実施例1と全く同様にしてセルロースアセテ
ート溶液とそのフイルムである本発明の試料6−1を作
製した。その特性を評価したところ、第2表に示すよう
に溶液特性とフイルム特性の全てに優れたものであり、
特に溶液特性と面状およびヘイズの大幅な改善が得ら
れ、本発明では加圧高温溶解することが好ましい事が明
らかである。
【0055】[実施例7]実施例1の本発明の試料1−
15において、酢酸メチルを55重量部に変え、エタノ
ール10重量部を添加する以外は、実施例1と全く同様
にしてセルロースアセテート溶液とそのフイルムである
本発明の試料7−1を作製した。その特性を評価したと
ころ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全
てに優れたものであり、特に溶液特性の点で室温溶解に
もかかわらず粘度低下が見られ、優れたガラス板への流
延により面状およびヘイズの大幅な改善が得られた。し
たがって、本発明ではケトン溶媒以外に他の溶媒である
エタノールを添加することも好ましい事が明らかであ
る。
【0056】[実施例8]実施例1の本発明の試料1−
15において、酢酸メチルを60重量部に変え、ブタノ
ール5重量部を添加する以外は、実施例1と全く同様に
してセルロースアセテート溶液とそのフイルムである本
発明の試料8−1を作製した。その特性を評価したとこ
ろ、第2表に示すように溶液特性とフイルム特性の全て
に優れたものであり、特に溶液特性の点で室温溶解にも
かかわらず粘度低下が見られ、優れたガラス板への流延
により面状およびヘイズの大幅な改善が得られた。した
がって、本発明ではケトン溶媒以外に他の溶媒であるエ
タノールを添加することが好ましい事が明らかである。
【0057】[実施例9]実施例1の本発明の試料1−
15において、アノンをメタノール、エタノールまたは
ブタノールにする以外は、実施例1と全く同様にしてセ
ルロースアセテート溶液とそのフイルムである比較用の
試料9−1、9−2または9−3の作製を検討した。し
かしながら、アセチルアセテート溶液の溶解液が得られ
ずそのフイルムも作製できなかった。したがって、本発
明のケトン溶媒以外であるアルコールでは、本発明が達
成できないことが明らかとなった。
【0058】[実施例10]実施例1の本発明の試料1
−15において、酢酸メチルをアセトンにする以外は、
実施例1と全く同様にしてセルロースアセテート溶液と
そのフイルムである本発明の試料10−1の作製を試み
たが、溶解液が得られなかった。従って、本発明では酢
酸メチルが優れた主溶媒であることが明白である。
【0059】[実施例11]実施例4の本発明の試料4
−1において、そのフイルム厚さを120μmとする以
外は、実施例4と全く同様にしてそのフイルムである本
発明の試料11−1を作製した。得られたフイルムの一
方に、特開平4−73736号の実施例1の(バック層
組成)第一層及び第2層を付与し、カチオン系ポリマー
を導電性層とするバック層を作製した。更に、得られた
バック層を付与したフイルムベースの反対の面に、特開
平11−38568号の実施例1の試料105を塗布
し、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した。得ら
れたカラーフイルムは優れた映像が得られかつその取り
扱い性においても問題のないものであった。
【0060】[実施例12]実施例1の本発明の試料1
−15において、そのフイルム厚さを80μmとする以
外は、実施例4と全く同様にしてそのフイルムである本
発明の試料12−1を作製した。得られたセルロースト
リエステルフイルムに、特開平7−333433の実施
例1の富士写真フイルム(株)製トリアセチルセルロー
スを、本発明の試料12−1のセルロースエステルフイ
ルムに変更する以外は、特開平7−333433の実施
例1と全く同様にした光学補償フィルターフイルム試料
を作製した。得られたフィルターフイルムは左右上下に
優れた視野角を有するものであった。したがって、本発
明のセルロースエステルフイルムが、光学的用途として
優れたものであることが判る。
【0061】
【発明の効果】本発明に従うと、光学的異方性に優れ膜
強度に優れたセルロースエステルフイルムを提供するこ
とが出来る。また、非ハロゲン系溶媒を用いて常温で膨
潤・溶解したセルロースエステル溶液を提供することが
出来る。さらに本発明は、メチレンクロライドのような
ハロゲン化炭化水素系有機溶剤を使用せずにセルロース
エステルが安定な状態で溶解しているセルロースエステ
ル溶液を提供できる。更に光学的用途に使用し得る光学
的に異方性の小さいセルロースエステルフイルムを製造
しうる事が出来、かつ感材用支持体としても優れたセル
ロースエステルを作製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 4F205 5/07 5/07 4J002 5/101 5/101 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 5/30 5/30 G03C 1/795 G03C 1/795 // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 2H023 FA01 FA13 2H048 BB37 BB42 2H049 BA06 BB33 BC22 4F070 AA02 AB22 AB24 AC38 AC39 AC43 AC55 AE02 AE28 CA12 CA19 CB04 CB11 4F071 AA09 AA80 AA81 AC07 AC10 AE04 AG28 AG29 AG35 AG36 AH19 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AC05 AG01 GA07 GB02 GC02 GC07 GE22 GF24 GN22 4J002 AB021 ED027 EE037 EH036 EH148 EW048 FD028 GP03 HA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 58.0〜62.5%の平均酢化度を有
    するセルロースアセテートが10〜40重量%の濃度で
    溶解しているセルロースアセテート溶液であって、該溶
    液が酢酸メチルと少なくとも一種の炭素数4〜12のケ
    トン類の混合溶媒であり、0〜55℃で膨潤・溶解され
    たことを特徴とするセルロースアセテート溶液、及び流
    延することによって作製されたセルロースアセテートフ
    イルム。
  2. 【請求項2】 酢酸メチルの含有量が30〜88重量%
    であり、少なくとも一種の炭素数4〜12のケトン類が
    2〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載
    のセルロースアセテート溶液、及び流延することによっ
    て作製されたセルロースアセテートフイルム。
  3. 【請求項3】 セルロースアセテートが、250〜40
    0の粘度平均重合度を有する請求項1〜2に記載のセル
    ロースアセテート溶液、及び流延することによって作製
    されたセルロースアセテートフイルム。
  4. 【請求項4】 可塑剤が、セルロースアセテート100
    重量部に対して0.1〜20重量%含有していることを
    特徴とする請求項1〜3に記載のセルロースアセテート
    溶液、及び流延することによって作製されたセルロース
    アセテートフイルム。
  5. 【請求項5】 セルロースアセテートの粉末を0〜55
    ℃で溶媒と10秒以上混合する工程、0〜55℃で5分
    以上膨潤・溶解する工程を有することを特徴とする請求
    項1〜4に記載のセルロースアセテート溶液、及び流延
    することによって作製されたセルロースアセテートフイ
    ルム。
  6. 【請求項6】 セルロースアセテートの粉末を0〜55
    ℃で溶媒と10秒以上混合する工程、0〜55℃で5分
    以上膨潤・溶解する工程を有し、更に−100〜0℃で
    10秒以上冷却する工程および/または100〜200
    ℃で0.2〜300MPaで10秒以上加圧加温する工
    程、を有することを特徴とする請求項1〜5に記載のセ
    ルロースアセテート溶液、及び流延することによって作
    製されたセルロースアセテートフイルム。
  7. 【請求項7】 溶媒が酢酸メチルと少なくとも一種の炭
    素数4〜12のケトン類の混合溶媒以外に、炭素原子数
    が3〜12のエーテル類、炭素原子数が4〜12のエス
    テル類および炭素原子数が1〜8のアルコール類から選
    ばれた少なくとも一種の有機溶剤を1〜20重量%含有
    することを特徴とする請求項1〜6に記載のセルロース
    アセテート溶液、及び流延することによって作製された
    セルロースアセテートフイルム。
  8. 【請求項8】 ケトン類が、メチルエチルケトンあるい
    はシクロヘキサノンであることを特徴とする請求項1〜
    7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロースアセテートを流延する支持体
    が、30℃〜−30℃の表面温度を有している請求項1
    〜8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 作製されたセルロースアセテートフイ
    ルムを光学用保護層として用いることを特徴とする請求
    項1〜9に記載のセルロースアセテートフイルム。
  11. 【請求項11】 作製されたセルロースアセテートフイ
    ルムをハロゲン化銀写真感光材料用保支持体として用い
    ることを特徴とする請求項1〜10に記載のセルロース
    アセテートフイルム。
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WO2007105399A1 (ja) * 2006-02-24 2007-09-20 Daicel Chemical Industries, Ltd. 変性セルロースアシレートおよび光学用成形体
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