JP2017180595A - ワッシャ - Google Patents

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祥宏 ▲濱▼本
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Abstract

【課題】摺動面が階段形状の被覆層で覆われたものに比べてワッシャの油膜圧力を向上させる。【解決手段】ワッシャ1は、環状に形成された平板の部材であるワッシャ本体を有する。ワッシャ本体は平板であるため、表裏に互いに平行な端面を有する。ワッシャ本体の一方の端面を第1面10aと呼ぶ。第1面10aは、油溝13aを有する。油溝13aは、内周面17から外周面18にわたって潤滑油を通す溝である。第1面10aのうち油溝13aを除く領域には+z方向に突出した突出面101aと、突出面101aの周方向に隣接しこの周方向に沿って突出面101aから離れるほど+z方向の高さが減少するように傾斜する傾斜面102aとが設けられている。被覆層15aはランド部11aとテーパ部12aとを有する。ランド部11aは、突出面101aを被覆する部位である。テーパ部12aは、傾斜面102aを被覆する部位である。【選択図】図2

Description

本発明は、他の部材と摺動するワッシャに関する。
自動車のエンジンなどで利用される摺動部材には、他の部材(相手部材)と摺動する摺動面でスラスト荷重を受けるものがある。この摺動部材において低速回転時でも油膜圧力を向上させることが求められている。
例えば、特許文献1には、放射状に形成された給油溝によりスラスト受面が扇形の複数のスラストパッド面に分割されており、スラストパッド面には、周縁に沿って所定幅および一定の所定高さに突出し、前側の給油溝に向けて開口するコ字状の第1凸部が形成されたスラストすべり軸受が開示されている。
特開2013−148136号公報
特許文献1に記載のスラストパッド面構造は、多くても3段までの階段形状であり、傾斜した面を有する摺動部材に比べて潤滑油を滑らかに流動させることはできなかった。
これに対し本発明は、摺動面が階段形状の被覆層で覆われたものに比べて油膜圧力を向上させたワッシャを提供する。
本発明は、環状に形成され、軸方向両側の端面でそれぞれ他の部材と摺動するワッシャ本体と、前記ワッシャ本体よりも静止摩擦係数が低い材質によって前記端面を被覆する被覆層と、を有し、前記各端面は、前記軸方向に突出した突出面と、該突出面の周方向に隣接し該周方向に沿って該突出面から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する傾斜面と、を含む複数の領域をそれぞれ有し、前記被覆層は、少なくとも一方の前記端面が有する前記突出面を被覆するランド部を有することを特徴とするワッシャを提供する。
本発明において、前記被覆層は、前記各端面が有する前記突出面をそれぞれ被覆するランド部を有してもよい。
本発明において、前記端面は、前記突出面と、該突出面の周方向の両側にそれぞれ隣接し該周方向に沿って該突出面から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する2つの傾斜面と、を含む複数の領域を有してもよい。
本発明において、2つの前記傾斜面は、前記ワッシャ本体の軸を含む平面を鏡面として互いに鏡像対称であってもよい。
本発明において、前記被覆層は、少なくとも一方の前記端面が有する前記傾斜面をめっきにより被覆するテーパ部を有してもよい。
本発明において、一方の前記端面が有する前記領域と、他方の前記端面が有する前記領域とは、前記周方向における位置が異なってもよい。
本発明において、前記端面には、隣り合う2つの前記領域の間に、前記被覆層に向けて潤滑油を供給する油溝が設けられてもよい。
本発明において、前記各端面には、隣り合う2つの前記領域の間であって、反対側の前記端面において前記突出面が設けられた前記周方向の位置に、前記被覆層に向けて潤滑油を供給する油溝を有してもよい。
本発明によれば、摺動面が階段形状の被覆層で覆われたものに比べて油膜圧力を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す分解斜視図。 ワッシャ1を第1面10aの側から見た図。 軸Oを中心とした円に沿ってワッシャ1を切断した断面Scを示す図。 ワッシャ1がいずれか一方の相手部材に近づく機構を説明するための図。 ランド部11aおよびテーパ部12aにおける潤滑油の圧力分布を示す図。 ランド部11bおよびテーパ部12bにおける潤滑油の圧力分布を示す図。
1.実施形態
図1は、本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す分解斜視図である。ワッシャ1は、環状に形成された平板の部材であるワッシャ本体16を有する。ワッシャ本体16は平板であるため、表裏に互いに平行な端面を有する。ワッシャ本体16の一方の端面を第1面10aと呼び、他方の端面を第2面10bと呼ぶ。
ワッシャ1は、これら2つの端面で他の部材(相手部材という)と摺動し、その相手部材のスラスト荷重(軸方向に沿った荷重)を受ける。ワッシャ本体16は、環の内側の面である内周面17と、外側の面である外周面18とを有する。なお、ワッシャ本体16の材質には、スチールやブロンズ(例えばリン青銅)など様々な金属が好適に用いられる。
また、図1に示す通り、ワッシャ本体16の第1面10aの一部は被覆層15aによって被覆されている。そして図1には示されていないが、ワッシャ本体16の第2面10bの一部も、第1面10aと同様に、樹脂を含む被覆層15bによってコーティング(被覆)されている。被覆層15aおよび被覆層15b(以下、これらを区別しない場合、単に「被覆層15」という)はワッシャ本体16の2つの端面に設けられているので、上述した通り、相手部材と摺動し、そのスラスト荷重を受ける。なお、被覆層15の材質には、ワッシャ本体16よりも静止摩擦係数が低い材質が用いられ、例えばPAI(polyamide-imide)、PI(Polyimide)、PTFE(polytetrafluoroethylene)などの樹脂やSn、Niなどの金属めっきなどが好適に用いられる。
図2は、ワッシャ1を第1面10aの側から見た図である。図2において、ワッシャ1が配置される空間をxyz右手系座標空間として表し、座標記号のうち、円の中に点を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表す。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
図2に示す通り、ワッシャ本体16の環の軸Oはz軸方向に沿って配置されている。第1面10aはワッシャ本体16の+z方向の側であり、第2面10b(図2において図示せず)はワッシャ本体16の−z方向の側である。内周面17は、軸Oから半径r0の距離にある面である。外周面18は、軸Oから半径r3の距離にある面である。
ワッシャ本体16の内周面17には、複数の切欠部19が設けられている。図2に示すワッシャ1では、内周面17の3箇所に切欠部19が設けられている。切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分は軸Oから距離r1だけ離れている。
第1面10aは、3つの油溝13aを有する。油溝13aは、内周面17から外周面18にわたって潤滑油を通す溝である。また、第1面10aのうち油溝13aを除く3つの領域には、図1に示すように突出面101aと、傾斜面102aとがそれぞれ設けられている。
突出面101aは、+z方向に突出した、軸Oにほぼ垂直な面である。傾斜面102aは、突出面101aの周方向に隣接し、この周方向に沿って突出面101aから離れるほど+z方向の高さが減少するように傾斜する面である。突出面101aおよび傾斜面102aには、被覆層15aがコーティングされている。
図2に示す被覆層15aは3箇所に分割されており、そのそれぞれにランド部11aとテーパ部12aとを有する。ランド部11aは、突出面101aを被覆する部位である。テーパ部12aは、傾斜面102aを被覆する部位である。被覆層15aの厚みは、z軸方向にほぼ均一であってもよい。
図2に示す位相θは、xy平面上において軸Oを中心とした円周上の点の位置を示す値であり、軸Oからその点へ向いたベクトルと、+x方向のベクトルとが成す角度で表される。したがって、位相θは0度のときに+x方向を示し、90度のときに+y方向を示し、180度のときに−x方向を示し、270度のときに−y方向を示す。
図3は、軸Oを中心としてxy平面上に描いた円に沿ってワッシャ1を切断した断面Scを示す図である。ワッシャ1を切断した断面Scはxy平面上において軸Oを中心とする半径r2の円に沿っている。ここで、半径r2の円とは、図1に示すように、軸Oを中心とする放射方向において「切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分」と「外周面18」とを結ぶ線分の中間点を通る円である。したがって、半径r2は、以下の式(1)によって算出される。
r2=(r1+r3)/2 …(1)
なお、切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分と外周面18との距離は、(r3−r1)であり、上述した円はこの中間点を通るので、この距離の半分を距離r4とすると半径r2は、以下の式(2)によっても表される。
r2=r1+r4 …(2)
半径r0,r2,r3、および距離r1は、ワッシャ1が支える相手部材の大きさなどに応じて決められるが、例えば、r0=24.5mm、r1=26.5mm、r2=29.5mm、r3=32.5mm、r4=3.0mmなどである(この例は図2のワッシャ1の寸法を示すものではない)。
図3には、z軸方向の位置を示す「z」と、位相θを示す「θ」とで構成されるzθ座標でこの断面Scを表した形状が示されている。ランド部11aは、突出面101aを被覆して形成されているため、周方向にわたって+z方向の高さがほぼ変わらない、すなわち、z軸方向に対してほぼ垂直である。テーパ部12aは、傾斜面102aを被覆して形成されているため、ランド部11aの周方向の一方側(図3で位相θが増加する側)に隣接し、周方向に沿ってこのランド部11aから離れるほど+z方向の高さが減少するように傾斜する。
ランド部11aは、+z方向の高さ、つまりz=0の平面F0からの+z方向の高さが高さd1である。
テーパ部12aは、+z方向の高さがランド部11aから離れるほど低くなり、最も低い部分においてその高さは、ランド部11aよりも高さd2だけ低くなっている(0<高さd2≪高さd1)。なお、テーパ部12aはランド部11aより高さが減少した部位であるため、高さd2は正の値であり、0mmおよび負の値にはならない。
油溝13aの深さはランド部11aを基準として深さd3である。深さd3は、高さd2よりも大きい(高さd2≪深さd3)。テーパ部12aは油溝13aに隣接しているため、ワッシャ1の回転方向に応じて、油溝13aからテーパ部12a、そしてランド部11aに向けて潤滑油が供給される。すなわち、油溝13aは、被覆層15に向けて潤滑油を供給する。
テーパ部12aは、傾斜面102aを被覆しているため、相手部材との間でくさび状の隙間を作る。油溝13aから供給された潤滑油は、この隙間に流入し、更にランド部11aと相手部材との隙間に流入するため、くさび効果が発生し、摺動面における油膜圧力が上昇する。
なお、図3において示される位置は相対的である。実際には高さd1>深さd3≫高さd2である。例えば、高さd1=1.0mm(ミリメートル)、深さd3=0.2mm、高さd2=0.025mmである。
高さd2は、0.04mm以下であることが望ましく、0.01mm程度であることが最も望ましい。
また、図3に示す通り第2面10bにも、ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bが設けられている。ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bは、周方向の長さとz軸方向の深さ、およびこれらの周方向における並び方などがそれぞれ、ランド部11a、テーパ部12a、および油溝13aと共通である。
つまり、ワッシャ1の第1面10aには、+z方向に突出した突出面101aを被覆するランド部11aと、周方向の一方側に沿って進むほど+z方向の高さが減少するように傾斜する傾斜面102aを被覆するテーパ部12aと、このテーパ部12aに隣接した油溝13aからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに3つ設けられている。
そして、ワッシャ1の第2面10bには、−z方向に突出した突出面101aを被覆するランド部11bと、周方向の一方側に沿って進むほど−z方向の高さが減少するように傾斜する傾斜面102bを被覆するテーパ部12bと、このテーパ部12bに隣接した油溝13bからなる組が、第2面10bにおいて120度ごとに3つ設けられている。
なお、図3に示す例で、被覆層15aと被覆層15bとの周方向の位置は同じである。すなわち、ランド部11aとランド部11b(以下、これらを区別しない場合、単に「ランド部11」という)とは、それぞれの被覆層15で周方向における同じ位相に設けられており、テーパ部12aとテーパ部12b(以下、これらを区別しない場合、単に「テーパ部12」という)とは、それぞれの被覆層15で周方向における同じ位相に設けられている。
また、油溝13aと油溝13b(以下、これらを区別しない場合、単に「油溝13」という)とは、それぞれの端面で周方向における同じ位相に設けられている。
テーパ部12bにおいても相手部材との間にくさび状の隙間が生じるため、潤滑油が流入することによりいわゆるくさび効果が生じ、油膜圧力が上昇する。
この例で被覆層15は、いずれも均一の厚みであるから、被覆層15と相手部材との間に生じるくさび状の隙間は被覆層15がなくても、傾斜面102aと相手部材との間にも生じ得る。しかし、傾斜面102aや突出面101aは、被覆層15よりも静止摩擦係数が高い。したがって、被覆層15がないと、例えばエンジンが起動された直後で相手部材との摺動が開始されたときなどに相手部材とワッシャ本体16との間で被覆層15がある場合に比べて大きい摩擦が生じ、ワッシャ1が摩耗したり破損したりする場合も考えられる。また、相手部材を回転させるエネルギーが摩擦熱に消費され、効率を損なうことも考えられる。
上述したワッシャ1には被覆層15が被覆されており、この被覆層15は、ワッシャ本体16よりも静止摩擦係数が低い材質で構成されているため、起動時などに生じる摩擦が抑制される。
図4は、ワッシャ1がいずれか一方の相手部材に近づく機構を説明するための図である。図4に示す通り、ワッシャ1は、第1面10a(すなわち、+z方向の側の面)が相手部材8aと摺動し、第2面10b(すなわち、−z方向の側の面)が相手部材8bと摺動する。相手部材8bは図示しない筐体などに固定された部材であり、相手部材8aは正逆いずれの方向にも回転可能な部材である。図4に示す例では相手部材8aが矢印D2方向、すなわち、位相θの減少する方向(−θ方向という)に回転する。
ワッシャ1は、正逆いずれの方向にも回転可能となるように、内周面17(図1,2参照)を軸によって支持されている。ワッシャ1は、相手部材8aの回転に伴って−θ方向に回転する。すなわち、ワッシャ1は、相手部材8aによって供回りし、その回転速度は相手部材8aよりも低く、その回転方向は図4に示す矢印D1方向である。
このとき、テーパ部12aと相手部材8aとの隙間には、図4に示す通り、ワッシャ1から見て−θ方向に潤滑油が流れ、−θ方向に徐々に狭くなる領域Raに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」が生じ、第1面10aと相手部材8aとの隙間の圧力は上昇する。
図5は、ランド部11aおよびテーパ部12aにおける潤滑油の圧力分布を示す図である。図5に示す通り、テーパ部12aはランド部11aに近づくほど圧力が上昇して正圧となっている。これにより、ワッシャ1は、図4に示す矢印D3方向、すなわち、−z方向の力を受ける。
一方、テーパ部12bと相手部材8bとの隙間には、図4に示す通り、ワッシャ1から見て+θ方向に潤滑油が流れ、+θ方向に徐々に広くなる領域Rbに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」とは逆の効果が生じ、第2面10bと相手部材8bとの隙間の圧力は下降する。
図6は、ランド部11bおよびテーパ部12bにおける潤滑油の圧力分布を示す図である。図6に示す通り、テーパ部12bはランド部11bから離れるほど圧力が下降して負圧となっている。これにより、ワッシャ1は、図4に示す矢印D4方向、すなわち、−z方向の力を受ける。
このように、ワッシャ1は、第1面10aが正圧となることによって図4に示す矢印D3方向の力を受け、第2面10bが負圧となることによって矢印D4方向の力を受けるので、相手部材8bに近づき密着する。そのため、ワッシャ1と相手部材8bとの相対的な回転速度の差は減少し、ワッシャ1と相手部材8aとの相対的な回転速度の差が増加する。これにより、ワッシャ1と相手部材8aとの隙間に生じる「くさび効果」は増大するので、この構成がない場合に比べて摩擦抵抗が減少する。
なお、相手部材8aが上述した矢印D2方向と反対の方向(+θ方向)に回転する場合、ワッシャ1も、相手部材8aによって+θ方向に供回りする。これにより、第1面10aと相手部材8aとの隙間には「くさび効果」とは逆の効果が生じ、圧力が下降する。一方、第2面10bと相手部材8bとの隙間には「くさび効果」が生じ、圧力が上昇する。したがって、ワッシャ1の第1面10aが負圧に第2面10bが正圧になるため、ワッシャ1はこれらの両面から+z方向の力を受けて相手部材8aに近づき密着する。これにより、ワッシャ1と相手部材8aとの相対的な回転速度の差は減少し、ワッシャ1と相手部材8bとの相対的な回転速度の差が増加するため、ワッシャ1と相手部材8bとの隙間に生じる「くさび効果」が増大し、この構成がない場合に比べて摩擦抵抗が減少する。
また、図2に示す例では、ランド部11aとランド部11bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられ、テーパ部12aとテーパ部12bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられている。これにより、テーパ部12aおよびテーパ部12bがそれぞれ正圧または負圧になることによってワッシャ1を一方の相手部材へ近づける2つの力の作用点が互いに近くなり、摩擦抵抗が減少し易くなる。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、油溝13a以外の領域には、突出面101aおよび傾斜面102aがあったが、これ以外の構成があってもよい。例えば、傾斜面102aは周方向で突出面101aと隣接する側とは反対側において油溝13aとの間に軸Oに対してほぼ垂直な面を有してもよい。
この構成であっても、傾斜面102aは、突出面101aと隣接し、周方向に傾斜しているため、テーパ部12aと相手部材との成す角は比較的鋭角であり、テーパ部12aの表面を流れる潤滑油がこの傾斜に沿って相手部材との隙間が狭くなる方に誘導されて、くさび効果を奏する。
2−2.変形例2
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには、ランド部11aと、テーパ部12aと、油溝13aとからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに3つ設けられていたが、これらの組が端面に設けられる数は3つに限られない。これらの組は複数であれば、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
2−3.変形例3
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには油溝13aが、第2面10bには油溝13bがそれぞれ設けられていたが、油溝13はいずれか一方の端面にだけ設けられていてもよい。また、油溝13は、いずれの端面にも設けられなくてよい。
また、被覆層15は、いずれか一方の端面だけを被覆してもよい。この場合、被覆層15は、少なくともその端面が有する突出面101aまたは突出面101bを被覆すればよい。傾斜面102aおよび傾斜面102bは突出面101aまたは突出面101bと比べて相手部材と接触する可能性が低く、起動時に相手部材と摩擦を生じる可能性が低いからである。また、被覆層15は、油溝13も含めて端面の全体を覆ってもよい。
2−4.変形例4
上述した実施形態において、傾斜面102aは、突出面101aの周方向の一方側だけに隣接しこの周方向に沿って突出面101aから離れるほど+z方向の高さが減少するように傾斜する面であったが、突出面101aの周方向の両側にそれぞれ隣接して設けられていてもよい。この場合、1つの突出面101aに隣接する2つの傾斜面102aは、いずれも突出面101aから離れるほど+z方向の高さが減少するように傾斜するように構成されていればよい。
この構成によれば、相手部材がワッシャ1に対して正逆いずれに回転したとしても、これに伴って流動する潤滑油は傾斜面102aを被覆するテーパ部12aにより相手部材との間に形成されるくさび状の隙間の狭くなる方向に誘導されるため、くさび効果が生じる。
2−5.変形例5
上述した変形例4において、1つの突出面101aに隣接する2つの傾斜面102aは、突出面101aを通り、軸Oを含む平面を鏡面として鏡像対称であってもよい。
この構成によれば、相手部材がワッシャ1に対して正逆いずれに回転したとしても、これに伴って流動する潤滑油は互いに対称な隙間に誘導されるため、同程度のくさび効果が生じる。
2−6.変形例6
上述した実施形態において、ランド部11とテーパ部12とは同じ材質で形成されていたが、テーパ部12を形成する被覆層15の材質はランド部11を形成する材質と異なっていてもよい。例えば、テーパ部12aはめっきにより傾斜面102aを被覆することによって形成されてもよい。
2−7.変形例7
上述した実施形態において、第1面10aに設けられた被覆層15aは、第2面10bに設けられた被覆層15bと、周方向におけるランド部11a、ランド部11bの位置が同じであったが、これらの位置が異なってもよい。
2−8.変形例8
上述した実施形態において、切欠部19は、ワッシャ1の内周面17において、3つのランド部11aおよび3つのランド部11bに相当する合計6箇所にそれぞれ重ねて設けられていたが、ワッシャ1は切欠部19を有していなくてもよい。例えば、内周面17に収容される軸との隙間を通って潤滑油が第1面10aと第2面10bとを行き来するように構成されていてもよい。また、油溝13aやテーパ部12aなどに、軸Oに沿った方向の孔が設けられていてもよい。これらの孔は、潤滑油を通す孔であるため、潤滑油は第1面10aと第2面10bとを行き来する。
2−9.変形例9
上述した変形例4において、第1面10aまたは第2面10bには、反対側の端面において突出面が設けられた周方向の位置に、油溝13を有していてもよい。
突出面にはランド部11が被覆されているから、この構成はすなわち、相手部材との摺動面においてその相手部材からのz軸方向の距離が最も近いランド部11の反対側に、油溝13が設けられているというものである。この構成では、油溝13では相手部材との距離があって相手部材からのスラスト荷重を受けないため、それぞれの端面でランド部11がスラスト荷重を受ける作用点が周方向にズレている。そのため、ワッシャ本体16は両端面で受けるスラスト荷重によりせん断力を受け易く、弾性変形する可能性が高くなり、その結果、例えば傾斜面102aおよびこの傾斜面102aを被覆するテーパ部12aの傾斜角度がランド部11に近くなる。つまり、テーパ部12aと相手部材との隙間のくさび形状が弾性変形によってより鋭角になるから、くさび効果が向上する。
1…ワッシャ、
10a…第1面
10b…第2面
11a、11b…ランド部
12a、12b…テーパ部
13a、13b…油溝
15a、15b…被覆層
16…ワッシャ本体
17…内周面
18…外周面
19…切欠部
O…軸

Claims (8)

  1. 環状に形成され、軸方向両側の端面でそれぞれ他の部材と摺動するワッシャ本体と、
    前記ワッシャ本体よりも静止摩擦係数が低い材質によって前記端面を被覆する被覆層と、を有し、
    前記各端面は、前記軸方向に突出した突出面と、該突出面の周方向に隣接し該周方向に沿って該突出面から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する傾斜面と、を含む複数の領域をそれぞれ有し、
    前記被覆層は、少なくとも一方の前記端面が有する前記突出面を被覆するランド部を有する
    ことを特徴とするワッシャ。
  2. 前記被覆層は、前記各端面が有する前記突出面をそれぞれ被覆するランド部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のワッシャ。
  3. 前記端面は、前記突出面と、該突出面の周方向の両側にそれぞれ隣接し該周方向に沿って該突出面から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する2つの傾斜面と、を含む複数の領域を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のワッシャ。
  4. 2つの前記傾斜面は、前記ワッシャ本体の軸を含む平面を鏡面として互いに鏡像対称である
    ことを特徴とする請求項3に記載のワッシャ。
  5. 前記被覆層は、少なくとも一方の前記端面が有する前記傾斜面をめっきにより被覆するテーパ部を有する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のワッシャ。
  6. 一方の前記端面が有する前記領域と、他方の前記端面が有する前記領域とは、前記周方向における位置が異なる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のワッシャ。
  7. 前記端面には、隣り合う2つの前記領域の間に、前記被覆層に向けて潤滑油を供給する油溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のワッシャ。
  8. 前記各端面には、隣り合う2つの前記領域の間であって、反対側の前記端面において前記突出面が設けられた前記周方向の位置に、前記被覆層に向けて潤滑油を供給する油溝を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のワッシャ。
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