JP2015183798A - 軸受 - Google Patents

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Keno Masamura
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    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/42Pumps with cylinders or pistons

Abstract

【課題】軸受と軸との接触面の乾燥を抑制する。
【解決手段】第2接触面F12は、第1接触面F11よりも凹んでいる。第1樹脂層111は、例えば、二硫化モリブデン,二硫化タングステン、窒化ホウ素、グラファイト、カーボン、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート(MCA)のいずれか1種以上を固体潤滑剤として含有してもよい。この固体潤滑剤を含むことにより第1樹脂層111は、親油性を示す。このため、第1樹脂層111に親油性ではない樹脂を用いる場合に比べて、第1接触面F11は潤滑油を保持し易い。したがって、本発明の構成により、軸受1の摩耗や焼付きは防止される。
【選択図】図4

Description

本発明は、軸受の摩耗または焼付きを抑制する技術に関する。
内燃機関や圧縮機などで用いられる軸受の摩耗・焼付きを抑制する技術が検討されている。特許文献1には、炭素粒子を沈着した樹脂層によって被覆された軸受が記載されている(Fig.3参照)。特許文献2には、軸受合金層と、軸受合金層の表面を被覆する中間層と、中間層の表面を被覆するオーバレイ層とを有し、オーバレイ層の表面側から摩耗された際に、軸受合金層に設けられた環状溝の凹部内に残存するオーバレイ層と中間層、および軸受合金層の山部をそれぞれ露出させるすべり軸受において、山部の高さやオーバレイ層の厚みなどを所定の範囲に設定したすべり軸受が記載されている(段落6、図1参照)。
米国特許6099278号明細書 特許2974044号明細書
軸受の摩耗・焼付きを防止するためには、少なくとも軸が回転しているときに軸と軸受との間に油膜が形成されていることが重要である。油膜を形成させるためには、軸と軸受との間に潤滑油を保持する空間が存在することが望ましい。そこで、軸受の摺動面には、潤滑油を保持する空間として、いわゆる油溝が設けられる場合が多い。
ところで、油溝に保持された潤滑油が軸と軸受との接触面に放出されないと、接触面が乾燥してしまい、再度、軸を回転させるときに軸受に摩耗や焼付きが生じ易くなるという問題がある。
本発明の目的の一つは、軸受と軸との接触面の乾燥を抑制することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る軸受は、内周面を有する筒状の基材と、前記内周面に設けられた親油性の第1樹脂層と、前記内周面に設けられ、第1樹脂層よりも弾性率の小さい材料で形成された第2樹脂層とを有し、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層が面圧を受けた状態で、前記第2樹脂層が前記第1樹脂層よりも凹んでいることを特徴とする。
上述の態様において、前記第1樹脂層は、二硫化モリブデン,二硫化タングステン、窒化ホウ素、グラファイト、カーボン、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート(MCA)のいずれかを固体潤滑剤として含むことが望ましい。
また、好ましくは、前記第2樹脂層は、親油性の樹脂であるとよい。
また、前記第2樹脂層は、撥油性の樹脂であってもよい。
また、好ましくは、前記第2樹脂層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を固体潤滑剤として含むとよい。
本発明によれば、軸受と軸との接触面の乾燥を抑制することができる。
一実施形態に係る軸受の概要を示す図。 図1における矢視II−II方向に沿って軸受の断面を見た図。 基材の内周面に樹脂層が被覆される工程を説明するための図。 軸が回転しているときの軸受を示す図。 接触面に生じる段差を説明するための図。 変形例における溝の形状を説明するための図。 変形例における溝の形状を説明するための図。 変形例における樹脂層の構成を説明するための図。
1.実施形態
以下、図において、本発明の一実施形態である軸受1を、xyz右手系座標空間により説明する。図に示す座標記号のうち、白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。この座標空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
図1は、一実施形態に係る軸受1の概要を示す図である。軸受1は、基材10と、樹脂層11とを有する。基材10は、図中においてz軸方向に伸びる直線Oを中心とする筒状の部材である。基材10は、鋳鉄で形成されてもよいし、アルミニウム、ステンレス鋼など各種の材料に対して、焼結、鍛造、切削、プレス、溶接などの各種の加工処理を施すことで形成されてもよい。また、基材10はセラミック製であってもよい。基材10は、直線Oを中心とする軸を内周面の側に収容し、収容された軸は、この内周面と摺動する。基材10の内周面には、樹脂層11が設けられている。
なお、軸受1は、一体として筒状に成形されていてもよいが、直線Oを通るいずれかの平面などで2以上に分割された部材を組合せて形成されてもよい。また、基材10は、樹脂層11によって被覆される前に軸を収容するように成形されてもよいが、樹脂層11によって被覆された後に成形されてもよい。
図2は、図1における矢視II−II方向に沿って軸受1の断面を見た図である。図2において、z軸方向は図1における直線Oの伸びる方向であり、+y方向は直線Oから遠ざかる方向である。
樹脂層11は、第1樹脂層111と、第2樹脂層112とを有する。第1樹脂層111は、親油性を示すように材料および組成を調整されている。親油性の樹脂とは、摂氏25度、1気圧の環境下で、ポリエチレングリコールに対する接触角が25度未満の樹脂をいう。第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも弾性率(例えば体積弾性率)が小さくなるように材料および組成を調整されている。第1樹脂層111および第2樹脂層112は、例えば、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、これら樹脂のジイソシアネート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、エラストマーのいずれか1種以上をバインダー樹脂として含有する。
第1樹脂層111は、例えば、二硫化モリブデン,二硫化タングステン、窒化ホウ素、グラファイト、カーボン、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート(MCA)のいずれか1種以上を固体潤滑剤として含有してもよい。この固体潤滑剤を含むことにより第1樹脂層111は、親油性を示す。
第2樹脂層112は、固体潤滑剤を含有してもよい。本実施形態において、第2樹脂層112には親油性を示す樹脂を用いる。
図2に示すように、樹脂層11と基材10との間には、これらの密着性を高めるために焼結材12が散布されていてもよい。また、樹脂層11と基材10との密着性を高めるために、基材10の内周面F0に対してサンドショットや薬剤塗布などにより粗面処理を行ってもよい。
基材10の内周面F0には、最も薄い部分が厚みt1であり、最も厚い部分が厚みt0である第1樹脂層111が形成されている。そして、第1樹脂層111の薄い部分には、最大の厚みが厚みt2である第2樹脂層112が形成されている。第1樹脂層111および第2樹脂層112は、ともに、接触面F1を形成している。軸受1が支持する軸が静止状態のとき、接触面F1には段差がなく、第1樹脂層111および第2樹脂層112のいずれもが、この接触面F1により油膜を介して軸に接触する。すなわち、樹脂層11は、軸に対向する方向(図2において−y方向)の側において接触面F1を形成しており、この接触面F1において第1樹脂層111および第2樹脂層112のいずれもが露出している。以下、接触面F1のうち、第1樹脂層111の露出部分であって第1樹脂層111が油膜を介して軸と接触する部分を第1接触面F11とし、第2樹脂層112の露出部分であって第2樹脂層112が油膜を介して軸と接触する部分を第2接触面F12とする。図2に示すように、第1接触面F11と第2接触面F12とは、軸の方向に沿って交互に配置されている。
図3は、基材10の内周面に樹脂層11が被覆される工程を説明するための図である。まず、基材10の内周面F0に焼結材12が散布され、内周面F0が粗面処理される。粗面処理された内周面F0の−y方向には、第1樹脂層111が形成される。ここで、形成された第1樹脂層111には、z軸方向にわたって凹凸が存在しており、z軸方向の異なる位置において、y軸方向の厚みが異なることがある。例えば、第1樹脂層111の表面F2は、図3に示すように、傾斜角の異なる斜面がz軸方向に交互に並んだ形状を有している。このような表面F2を有する第1樹脂層111は、プリント印刷などにより形成される。この段階における第1樹脂層111は、最も薄い部分(凹部)の厚みが厚みt0より薄く、最も厚い部分(凸部)の厚みが厚みt0よりも厚い。
形成された第1樹脂層111の表面F2の−y方向には、第2樹脂層112が形成される。第2樹脂層112は、樹脂の塗布・乾燥などの工程を経て形成される。形成された第2樹脂層112は、−y方向の側に表面F3を有しており、この表面F3には第1樹脂層111が露出していない。このとき、基材10の内周面F0から表面F3までは厚みt(t>t0)である。このように形成された表面F3を、図3に示す接触面F1まで研磨または掘削することにより、図2に示した樹脂層11が形成される。なお、このように、第1樹脂層111の凹部の上に第2樹脂層112が形成されるため、第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも軸の近くに設けられる。
図4は、軸が回転しているときの軸受1を示す図である。軸が回転すると、軸と接触面F1との間に挟まれた潤滑油により形成される油膜の圧力が増加し、接触面F1が+y方向に押される。第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも体積弾性率が小さいので、体積弾性率の逆数である圧縮率が大きい。すなわち、同じ油膜圧力の下で、第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも圧縮されて小さくなる。
例えば、図2に示すように、軸が回転していないとき、第1樹脂層111は、最も薄い部分で厚みt1、最も厚い部分で厚みt0であり、この差である厚みt2=(t0−t1)は、第2樹脂層112の厚みt2と等しい。
一方、図4に示すように、軸が回転しているとき、第1樹脂層111は、最も薄い部分で厚みτ1、最も厚い部分で厚みτ0となる。このとき、油膜の圧力pが生じているため、第1樹脂層111の厚みは全体的に静止状態に比べて小さくなっている(t0>τ0、t1>τ1)。そして、第2樹脂層112は、厚みτ2となっている。ここで、第2樹脂層112の体積弾性率が第1樹脂層111の体積弾性率に比べて小さいため、第1樹脂層111に比べて同じ圧力下における歪みが大きい。したがって、軸が回転しているとき、第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも相対的に小さくなる(τ2<(τ0−τ1))。
これにより、樹脂層11の接触面F1には段差δが生じる。図5は、接触面F1に生じる段差δを説明するための図である。軸が回転することにより、軸と軸受1との間に満たされた油膜の圧力が上昇し、その圧力が軸受1の樹脂層11にかかる。これにより、第1樹脂層111および第2樹脂層112がいずれも油膜の圧力に応じて圧縮されるが、第2樹脂層112の体積弾性率が第1樹脂層111の体積弾性率に比べて小さいため、第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも圧縮されて、第2接触面F12が第1接触面F11よりも軸から遠ざかる。すなわち、第1樹脂層111および第2樹脂層112が面圧を受けた状態で、第2接触面F12は、第1接触面F11よりも凹んでいる。このときの第1接触面F11と第2接触面F12とのy軸方向の距離が段差δである。段差δは、第1接触面F11(第1樹脂層111が露出している部分)と、第2接触面F12(第2樹脂層112が露出している部分)との、軸からの距離の差でもあり、τ0、τ1、τ2、で表すと、δ=τ0−(τ1+τ2)である。このように、軸が回転しているときに、第2接触面F12が第1接触面F11よりも軸から遠ざかるために、第2接触面F12の部分に溝13が形成される。溝13は、潤滑油を保持する空間として機能する。具体的には、軸が回転することにより、油膜の圧力が6メガパスカルとなったとき、軸受1の接触面F1には6メガパスカルの面圧がかかった状態になり、段差δ(溝13の深さ)、すなわち、第1接触面F11と第2接触面F12との軸からの距離の差は1マイクロメートル以上となる。
以上、説明した構成により、軸が回転して油膜の圧力が上昇したときには、溝13が形成されるので、軸受1の潤滑油の保持力が向上し、この構成を有しない場合に比べて、軸受1の摩耗や焼付きが防止される。また、軸が回転していないときには溝13が形成されないか、軸が回転しているときに比べて小さいので、溝13が保持した潤滑油が接触面F1に放出され易く、接触面F1が乾燥し難い。その結果、軸受1は、再び軸が回転し始めたときに負荷がかかり難く、摩耗や焼付きが防止される。
そして、本発明における第1樹脂層111は親油性の樹脂であるため、第1樹脂層111に親油性ではない樹脂を用いる場合に比べて、第1接触面F11は潤滑油を保持し易い。したがって、本発明にかかる軸受は、この構成を用いない場合に比べて摩耗や焼付きが防止される。
また、本実施形態の第2樹脂層112は親油性の樹脂であるため、軸が回転しているときに溝13は潤滑油を保持し易い。したがって、本実施形態の軸受1は、第2樹脂層112に親油性の樹脂を用いない場合に比べて、軸の回転時における摩耗や焼付きが防止される。
なお、油膜の圧力が6メガパスカルとなる軸受の具体例としては、冷媒を使用した圧縮機、特にスクロール式圧縮機や斜板式圧縮機などの軸受が挙げられる。軸受における圧力は、圧力測定用フィルムや接触顕微鏡などにより確認される。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.溝の形状
上述した実施形態において、第1接触面F11と第2接触面F12とは、軸の方向に沿って交互に配置されていたため、溝13は軸に交差する方向に形成されていたが、溝13は様々な形状を取り得る。図6は、この変形例における溝13の形状を説明するための図である。溝13は、図6(a)に示すように、軸の中心である直線Oに垂直に形成されていてもよい。この場合、溝13は、軸の摺動方向に沿っており、樹脂層11において、直線Oを中心とする複数の環として形成される。なお、溝13は、軸の回転時において、第1樹脂層111の凹部上に形成された第2樹脂層112の露出している部分に形成されるので、この場合に、第1樹脂層111の凹部は、軸の摺動方向に沿って形成された複数の溝である。
また、溝13は、図6(b)に示すように、軸を中心とする螺旋状に形成されてもよい。溝13は、第2樹脂層112の第2接触面F12が、軸の中心である直線Oを中心とした螺旋状に形成されることで、軸が回転したときに第2接触面F12が第1接触面F11に比べて凹んで形成される。
また、溝13は格子状に形成されていてもよい。図7は、この変形例における溝13の形状を説明するための図である。図7に示す溝13は、軸が回転して油膜の圧力が上昇したときに形成される空間であって、軸に交差する方向に形成されているとともに、軸に沿った方向にも形成されており、これら二方向の溝13が交差して格子形状を形成している。この場合においても、軸が回転していないときには溝13が形成されないか、軸が回転しているときに比べて小さいので、溝13が保持した潤滑油が接触面F1に放出され易く、接触面F1が乾燥し難い。また、溝13は、多角形や円、楕円などを組合せた形状に形成されてもよい。要するに、溝13は、潤滑油を保持するものであれば、どのような形状で形成されていてもよい。
2−2.樹脂層の配置
上述した実施形態において、第1樹脂層111の表面F2の上に第2樹脂層112が形成されるため、第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも軸の近くに設けられていたが、第1樹脂層111と第2樹脂層112との配置は、これに限られない。例えば、基材10の内周面F0には、先に第2樹脂層112が形成され、その上から、すなわち、軸に近い側に、第1樹脂層111が形成されてもよい。また、基材10の内周面F0には、第1樹脂層111と第2樹脂層112とがそれぞれ別々に直接、形成されてもよい。
図8は、この変形例における樹脂層11の構成を説明するための図である。この変形例において、基材10の内周面F0には、それぞれ厚みt3の第1樹脂層111および第2樹脂層112が、z軸方向に交互に設けられる。軸が回転していないときに、第1樹脂層111および第2樹脂層112は、いずれも接触面F4で、油膜を介して軸に接触する。軸が回転すると、第1樹脂層111および第2樹脂層112は油膜の圧力に応じて+y方向に圧縮され、第2樹脂層112の第2接触面F12は、第1樹脂層111の第1接触面F11よりも軸から遠ざかる。その結果、第2接触面F12と軸との間に溝13が形成される。この場合においても、軸が回転しているときに形成される溝13が潤滑油を保持するので、軸受1の潤滑油の保持力が向上し、この構成を有しない場合に比べて、軸受1の摩耗や焼付きが防止される。また、軸が回転していないときには溝13が形成されないので、溝13が保持した潤滑油が接触面F1に放出され易く、接触面F1が乾燥し難い。
2−3.段差
上述した実施形態において、第1接触面F11および第2接触面F12はいずれもz軸方向にわたって凹凸のない周面であったが、第1接触面F11または第2接触面F12に凹凸があってもよい。例えば、第1接触面F11または第2接触面F12には、図5におけるy軸方向に差があってもよい。この場合、上述した段差δは、第1接触面F11の最も浅い部分と、第2接触面F12の最も深い部分との距離である。
また、上述した実施形態において、軸受1が支持する軸が静止状態のとき、接触面F1には段差がなかったが、段差があってもよい。この場合でも、軸が回転すると第2樹脂層112は、第1樹脂層111よりも相対的に小さくなり、静止状態と比較して溝13が深くなるので、軸受1の潤滑油の保持力が向上する。また、軸が停止すると軸が回転しているときに比べて溝13が浅くなるので、保持した潤滑油が接触面F1に放出され易く、接触面F1が乾燥し難くなる。
そして、第1樹脂層111は親油性の樹脂であるため、第1樹脂層111に親油性ではない樹脂を用いる場合に比べて、第1接触面F11は潤滑油を保持し易い。したがって、本発明にかかる軸受は、この構成を用いない場合に比べて摩耗や焼付きが防止される。
2−4.第2樹脂層の材質
上述した実施形態において、第2樹脂層112には親油性を示す樹脂を用いたが、撥油性を示す樹脂を用いてもよい。例えば第2樹脂層112は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を固体潤滑剤として含有してもよい。この固体潤滑剤を含むことにより第2樹脂層112は、撥油性を示す。撥油性の樹脂とは、摂氏25度、1気圧の環境下で、ポリエチレングリコールに対する接触角が25度以上の樹脂をいう。
この変形例においても、第1樹脂層111は親油性の樹脂であるため、第1樹脂層111に親油性ではない樹脂を用いる場合に比べて、第1接触面F11は潤滑油を保持し易い。したがって、本発明にかかる軸受は、この構成を用いない場合に比べて摩耗や焼付きが防止される。
また、この変形例において第2樹脂層112は撥油性の樹脂であるため、第2樹脂層112に親油性の樹脂を用いた場合に比べて溝13は潤滑油を放出し易い。溝13から放出された潤滑油は、親油性の樹脂である第1樹脂層111の第1接触面F11に流れ出るため、第1接触面F11は乾燥し難くなる。これにより、再度、軸を回転させるときにおける軸受1の摩耗や焼付きは防止される。
1…軸受、10…基材、11…樹脂層、111…第1樹脂層、112…第2樹脂層、12…焼結材、13…溝、F0…内周面、F1…接触面、F11…第1接触面、F12…第2接触面、F2…表面、F3…表面、F4…接触面、O…直線。

Claims (5)

  1. 内周面を有する筒状の基材と、
    前記内周面に設けられた親油性の第1樹脂層と、
    前記内周面に設けられ、第1樹脂層よりも弾性率の小さい材料で形成された第2樹脂層と
    を有し、
    前記第1樹脂層および前記第2樹脂層が面圧を受けた状態で、前記第2樹脂層が前記第1樹脂層よりも凹んでいる
    ことを特徴とする軸受。
  2. 前記第1樹脂層は、二硫化モリブデン,二硫化タングステン、窒化ホウ素、グラファイト、カーボン、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート(MCA)のいずれかを固体潤滑剤として含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の軸受。
  3. 前記第2樹脂層は、親油性の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の軸受。
  4. 前記第2樹脂層は、撥油性の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の軸受。
  5. 前記第2樹脂層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を固体潤滑剤として含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の軸受。
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