JP2017110703A - 内燃機関のクランク軸用の半割スラスト軸受および軸受装置 - Google Patents

内燃機関のクランク軸用の半割スラスト軸受および軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の運転時に焼付及び疲労が生じにくいクランク軸用半割スラスト軸受を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、裏金層と軸受合金層とを有する半円環形状の半割スラスト軸受であって、軸受合金層は摺動面を有し、摺動面から半割スラスト軸受の周方向端面に向かって半割スラスト軸受の壁厚が薄くなるように、各周方向両端面に隣接してスラストリリーフが形成され、各スラストリリーフのスラストリリーフ長さ(L1)が、周方向端面から周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)に亘って延び、各スラストリリーフ長さ(L1)は半割スラスト軸受の径方向の内側端部と外側端部の間で一定であり、各スラストリリーフの平坦な表面が、周方向端面側の第1領域と、周方向中央部側の第2領域とを有し、周方向端面からの第1領域の長さ(L2)が8〜18mmである半割スラスト軸受が提供される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受ける軸受装置に関するものである。
内燃機関のクランク軸は、そのジャーナル部において、一対の半割軸受を円筒形状に組み合わせて構成される主軸受を介して、内燃機関のシリンダブロック下部に回転自在に支承される。
一対の半割軸受のうちの一方又は両方が、クランク軸の軸線方向力を受ける半割スラスト軸受と組み合わせて用いられる。半割スラスト軸受は、半割軸受の軸線方向端面の一方又は両方に配設される。
半割スラスト軸受は、クランク軸に生じる軸線方向力を受ける。すなわち、クラッチによってクランク軸と変速機とが接続される際等に、クランク軸に対して入力される軸線方向力を支承することを目的として配置されている。
半割スラスト軸受の周方向両端近傍の摺動面側には、周方向端面へ向かって軸受部材の厚さが薄くなるようにスラストリリーフが形成されている。一般にスラストリリーフは、半割スラスト軸受の周方向端面から摺動面までの長さや周方向端面での深さが、径方向の位置によらずに一定になるよう形成される。スラストリリーフは、半割スラスト軸受を分割型軸受ハウジング内に組み付ける際の一対の半割スラスト軸受の端面同士の位置ずれを吸収するために形成される(特許文献1の図10参照)。
内燃機関のクランク軸は、そのジャーナル部において、一対の半割軸受からなる主軸受を介して、内燃機関のシリンダブロック下部に支承される。このとき潤滑油は、シリンダブロック壁内のオイルギャラリーから主軸受の壁内の貫通口を通じて、主軸受の内周面に沿って形成された潤滑油溝内に送り込まれる。潤滑油はこのようにして主軸受の潤滑油溝内に供給され、その後半割スラスト軸受に供給される。なお、内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるスラスト軸受には、一般に、Fe合金製の裏金層の一方の表面にアルミニウム軸受合金層又は銅軸受合金層を形成した積層構造体が用いられる。
ところで、近年、内燃機関の潤滑油供給用のオイルポンプが小型化され、このため軸受に対する潤滑油の供給量が減少している。これに伴って主軸受の端面からの潤滑油の漏れ量も減少し、半割スラスト軸受に対する潤滑油の供給量が減少する傾向にある。この対策として、例えば半割スラスト軸受の摺動面に複数の細溝を並設して形成することによって、潤滑油の保油性を高める技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−201145号公報 特開2001−323928号公報
さらに、近年、内燃機関の軽量化のためにクランク軸の軸径が小径化され、従来のクランク軸よりも低剛性となっている。このため、内燃機関の運転時にクランク軸に撓みが発生しやすく、クランク軸の振動が大きくなる傾向にある。したがって、半割スラスト軸受の摺動面とクランク軸のスラストカラー面とが直接に接触し、損傷(焼付)が起きやすくなっている。
特許文献2は、摺動面に油溝を設けることによって、軸受面のほぼ全面に潤滑油を供給する構成を開示している。しかし、特許文献2の技術を採用しても、上述のクランク軸の撓みによる振動が大きい場合には、特に半割スラスト軸受のクランク軸回転方向後方側のスラストリリーフに近接する摺動面が、クランク軸のスラストカラーと接触するのを防止することは困難である。このため、半割スラスト軸受の摺動面に焼付が生じる可能性があった。
また、クランク軸と変速機とが接続されること等によってクランク軸に対して入力される軸線方向力が半割スラスト軸受の摺動面に加わると、ほぼ同時に、半割スラスト軸受の周方向端面付には繰り返し衝撃力が加わるため、スラストリリーフあるいはスラストリリーフと隣接する摺動面の軸受合金に疲労(割れや剥離)が生じる場合がある。
より詳細には、半割スラスト軸受は、シリンダブロック及び軸受キャップの側面に設けられた受け座(座面)に嵌合され使用されるが、受け座の内径は、半割スラスト軸受の外径よりも若干大きく形成されているので、半割スラスト軸受は周方向に僅かに移動可能である。一方、一対の半割スラスト軸受を円環形状に組み合わせて使用する場合(例えば特許文献1の図10参照)、クランク軸からの軸線方向力がスラスト軸受の摺動面に入力する瞬間、クランク軸のスラストカラー面は、一対の半割スラスト軸受の両方の摺動面と同時に接触するのではなく、先に一方の半割スラスト軸受の摺動面と接触しがちである。このため、一方の半割スラスト軸受がスラストカラー面の回転とともに僅かに周方向に移動し、一方の半割スラスト軸受のクランク軸の回転方向の前方側の周方向端面が、他方の半割スラスト軸受のクランク軸の回転方向の後方側の周方向端面と衝突し、それら半割スラスト軸受の周方向端面付近に衝撃的な負荷が繰り返し加わる。この衝撃的な負荷の影響で、半割スラスト軸受の周方向端面に隣接するスラストリリーフあるいはスラストリリーフと隣接する摺動面の軸受合金層に疲労(割れや鋼裏金層からの剥離)が起きやすい。
したがって本発明の目的は、内燃機関の運転時に、焼付及び疲労が生じにくいクランク軸用半割スラスト軸受および軸受装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明によって提供される内燃機関のクランク軸用半割スラスト軸受は、
内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるための半円環形状の半割スラスト軸受であって、Fe合金製の裏金層と、軸受合金層とを有し、軸受合金層は、裏金層と反対側に摺動面を有し、半割スラスト軸受の周方向両端面に隣接してスラストリリーフが形成され、各スラストリリーフは、摺動面から周方向端面に向かって半割スラスト軸受の壁厚が薄くなるように形成された平坦な表面(平面形状)を有し、
半割スラスト軸受の径方向の内側端部における各スラストリリーフのスラストリリーフ長さ(L1)が、半割スラスト軸受の周方向端面から、周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)に亘って延び、
各スラストリリーフ長さ(L1)は、半割スラスト軸受の径方向の内側端部と外側端部の間で一定であり、
各スラストリリーフの表面は、半割スラスト軸受の周方向端面側の、裏金層が露出した表面からなる第1領域と、周方向中央部側の、軸受合金層が露出した表面からなる第2領域とを有し、スラストリリーフ長さ(L1)に平行な、周方向端面からの第1領域の長さ(L2)が8〜18mmであることを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明によって提供される内燃機関のクランク軸用軸受装置は、
クランク軸と、
クランク軸のジャーナル部を支承する一対の半割軸受であって、各半割軸受の内周面に、その周方向両端部に隣接してクラッシュリリーフが形成された一対の半割軸受と、
一対の半割軸受を保持する保持孔が貫通形成された軸受ハウジングと、
上記の半割スラスト軸受であって、クランク軸の軸線方向力を受けるために、保持孔に隣接して軸受ハウジングの軸線方向端面に配置される少なくとも1つの半円環形状の半割スラスト軸受とを有し、
半割スラスト軸受の、少なくともクランク軸の回転方向の後方側のスラストリリーフは、半割スラスト軸受の径方向の内側端部におけるスラストリリーフ長さが、半割軸受の対応する軸線方向端部におけるクラッシュリリーフ長さよりも長くなるよう形成されることを特徴とする。
上記構成において、クランク軸は、ジャーナル部とクランクピン部とクランクアーム部とを備える部材を意図している。また半割スラスト軸受は、円環形を略半分に分割した形状の部材であることを意図しているが、厳密に半分であることを意図するものではない。
さらに、半割スラスト軸受は、上述したように保持孔に隣接して軸受ハウジングの軸線方向端面に少なくとも1つ配置することができ、あるいは各軸方向端面に1つまたは2つ配置することができる。また半割スラスト軸受は、他の従来の半割スラスト軸受と組み合わせて使用することもできる。
本発明のクランク軸用の半割スラスト軸受および軸受装置は、内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受ける。そして、スラストリリーフは、半割スラスト軸受の周方向端面からのスラストリリーフ長さ(L1)が、半割スラスト軸受の径方向の内側端部において、周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)(に相当する長さ)になるように形成され、且つ半割スラスト軸受の径方向の内側端部において、半割軸受の対応する軸線方向端部におけるクラッシュリリーフ長さよりも長くなるよう形成されている。この構成により、半割軸受のクラッシュリリーフ隙間から流出した潤滑油が半割スラスト軸受のクランク軸の回転方向の後方側のスラストリリーフ隙間に流入しやすくなり、半割スラスト軸受の摺動面へ多量に送られるため、内燃機関の運転時にクランク軸に撓みが発生し振動が大きくなった場合でも、半割スラスト軸受の摺動面とクランク軸のスラストカラー面とが直接に接触しにくく、半割スラスト軸受の摺動面の損傷が起きにくくなる。
さらに、半割スラスト軸受のスラストリリーフの表面は、半割スラスト軸受の周方向端面側の、裏金層が露出した表面からなる第1領域と、周方向中央部側の、軸受合金層が露出した表面からなる第2領域とを有し、スラストリリーフ長さ(L1)に平行な、半割スラスト軸受の周方向端面からの第1領域の長さ(L2)は8〜18mmになされる。この構成により、クランク軸からの軸線方向力が半割スラスト軸受の摺動面に加わるのとほぼ同時に半割スラスト軸受の周方向端面付近に加わる衝撃的な負荷は、スラストリリーフの軸受合金層には及ばないようになり、軸受合金層に疲労が生じなくなる。
軸受装置の分解斜視図である。 軸受装置の正面図である。 軸受装置の断面図である。 実施例1の半割スラスト軸受の正面図である。 実施例1の半割スラスト軸受のスラストリリーフの図4のYI矢視側面図である。 実施例1の半割軸受の正面図である。 図6の半割軸受を径方向の内側から見た底面図である。 実施例1の半割軸受のクラッシュリリーフを正面から見た正面図である。 別の実施形態のスラストリリーフの正面図である。 さらに別の実施形態のスラストリリーフの側面図である。 さらに別の実施形態のスラストリリーフの側面図である。 さらに別の実施形態のスラストリリーフの側面図である。 さらに別の実施形態のリリーフの正面図である。 さらに別の実施形態のスラストリリーフの正面図である。 軸受合金層上にオーバーレイ層を形成した半割スラスト軸受の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(軸受装置の全体構成)
まず、図1〜3を用いて本発明の軸受装置1の全体構成を説明する。図1〜3に示すように、シリンダブロック2の下部に軸受キャップ3を取り付けて構成された軸受ハウジング4には、両側面間を貫通する円形孔である軸受孔(保持孔)5が形成されており、側面における軸受孔5の周縁には円環状凹部である受座6、6が形成されている。軸受孔5には、クランク軸のジャーナル部11を回転自在に支承する半割軸受7、7が円筒状に組み合わされて嵌合される。受座6、6には、クランク軸のスラストカラー12を介して軸線方向力f(図3参照)を受ける半割スラスト軸受8、8が円環状に組み合わされて嵌合される。
図2に示すように、主軸受を構成する半割軸受7のうち、シリンダブロック2側(上側)の半割軸受7の内周面には潤滑油溝71が形成され、また潤滑油溝71内には外周面に貫通する貫通孔72が形成されている(図6及び7参照)。なお、潤滑油溝は、上下両方の半割軸受に形成することもできる。
また半割軸受7には、半割軸受7同士の当接面に隣接して、周方向両端部にクラッシュリリーフ73、73が形成されている(図2参照)。クラッシュリリーフ73は、半割軸受7の周方向端面に隣接する領域の壁厚が、周方向端面に向かって徐々に薄くなるように形成された壁厚減少領域である。クラッシュリリーフ73は、一対の半割軸受7、7を組み付けたときの突合せ面の位置ずれや変形を吸収することを企画して形成される。
(半割スラスト軸受の構成)
次に、図2〜5を用いて実施例1の半割スラスト軸受8の構成について説明する。本実施例の半割スラスト軸受8は、Fe合金製の裏金層84に薄い軸受合金層85を接着したバイメタルによって、半円環形状の平板に形成される。なお、裏金層84のFe合金として、鋼やステンレス鋼等を用いることができる。また軸受合金層85として、Cu軸受合金やAl軸受合金等を用いることができる。図15に示すように、軸受合金層85の摺動面81となる表面上にオーバーレイ層88を形成することもできる。半割スラスト軸受8は、中央領域に軸受合金層85から構成された摺動面81(軸受面)と、周方向両側の端面83、83に隣接する領域にスラストリリーフ82、82とを備え、スラストリリーフ82は、平坦な表面(平面)から構成されている。摺動面81には、潤滑油の保油性を高めるために、両側のスラストリリーフ82、82の間に2つの油溝81a、81aが形成されている。
オーバーレイ層88として、Sn、Sn合金、Bi、Bi合金、Pb、Pb合金等の金属や合金、あるいは樹脂摺動材料を用いることができる。樹脂摺動材料は、樹脂バインダと固体潤滑剤とから形成される。樹脂バインダとしては公知の樹脂を用いることができるが、耐熱性の高いポリアミドイミド、ポリイミド及びポリベンゾイミダゾールの一種以上を用いることが好ましい。また、ポリアミドイミド、ポリイミド及びポリベンゾイミダゾールの一種以上からなる耐熱性の高い樹脂と、ポリアミド、エポキシ及びポリエーテルサルフォンの一種以上からなる樹脂1〜25体積%とを混合した樹脂組成物や、ポリマーアロイ化した樹脂組成物を樹脂バインダと使用してもよい。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素等を用いることができる。樹脂摺動材料に対する固体潤滑剤の添加割合は、好適には、20〜80体積%である。また、樹脂摺動材料の耐摩耗性を高めるために、セラミックスや金属間化合物等の硬質粒子を樹脂摺動材料に対して0.1〜10体積%含有させてもよい。
またオーバーレイ層88は、クランク軸の軸線方向負荷を受ける受合金層85の摺動面81となる表面のみでなく、スラストリリーフ82の表面、油溝81aの表面、半割スラスト軸受8の外径面、内径面、背面等にも付与されてもよい。オーバーレイ層88の厚さは0.5〜20μmであり、望ましくは1〜10μmである。
スラストリリーフ82は、摺動面81側の周方向両端面に隣接する領域に、壁厚が端面に向かって徐々に薄くなるように形成される壁厚減少領域であり、半割スラスト軸受8の周方向端面の径方向全長に亘って延びている。スラストリリーフ82は、半割スラスト軸受8を分割型の軸受ハウジング4内に組み付けた際の位置ずれ等に起因する、一対の半割スラスト軸受8、8の周方向端面83、83同士の位置ずれを緩和するために形成される。
図4に示すように、本実施例のスラストリリーフ82は、スラストリリーフ82の表面の径方向の内側端部と外側端部の間で一定のスラストリリーフ長さL1を有している。
ここで、スラストリリーフ長さL1とは、半割スラスト軸受8の両端面83を通る平面(半割平面)から垂直方向に測った長さを意味する。特に、内側端部におけるスラストリリーフ長さL1は、半割スラスト軸受の周方向端面から、スラストリリーフ82の表面が摺動面81の内周縁と交わる点までの垂直方向の長さとして定義される。
本発明によれば、スラストリリーフ長さL1は、スラストリリーフ82が、半割スラスト軸受8の径方向の内側端部において、半割スラスト軸受8の周方向端面83から周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)まで延びるように形成される。
より詳細には、スラストリリーフ82は、半割スラスト軸受8の周方向端面83側に、裏金層84が露出した表面からなる第1領域86を有し、また周方向中央部側に、第1領域86に隣接して、軸受合金層85が露出した表面からなる第2領域87を有している。乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)に使用される場合、スラストリリーフ長さL1に平行な、半割スラスト軸受8の周方向端面83からの第1領域86の長さL2は8〜18mmである。
(スラストリリーフ長さL1による作用効果)
本実施例の構成は、スラストリリーフ82のスラストリリーフ長さL1が、半割スラスト軸受8の径方向の内側端部において、半割スラスト軸受8の周方向端面83から、周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)に亘って延びている。一方、半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLは、半割軸受7の周方向端面74から、最大で半割軸受7の周方向中央部側へ向かって25°の円周角度に亘って延びている。このため、半割軸受7のクラッシュリリーフ73による隙間から流出した油は、半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82の表面とクランク軸のスラストカラー12面との間の隙間に流入しやすくなり、この流入した油が半割スラスト軸受8の摺動面81に供給される。
また、上述したようにクランク軸からの軸線方向力fが半割スラスト軸受8の摺動面81に入力するのとほぼ同時に、一方の半割スラスト軸受8の周方向端面83と他方の半割スラスト軸受8の周方向端面83とが衝突し、それら半割スラスト軸受8の周方向端面83付近には衝撃的な負荷が加わる。なお、本実施例の構成とは異なり、図1に示すシリンダブロック2の下部に軸受キャップ3を取り付けて構成された軸受ハウジング4のうちシリンダブロック2の側面にだけ軸受孔5の周縁の円環状凹部である受座6が形成され、したがって軸受ハウジング4の一方の側面に1つの半割スラスト軸受だけが配置される場合には、半割スラスト軸受8の周方向端面83は、軸受キャップ3の端面(分割面)と衝突し、それにより半割スラスト軸受8の周方向端面83付近に衝撃的な負荷が加わる。
本実施例の構成では、半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82は、半割スラスト軸受8の周方向端面83側に裏金層が露出した表面からなる第1領域86を有し、半割スラスト軸受8の周方向端面83からの第1領域86の長さL2は8〜18mmになされている。このため、半割スラスト軸受8の周方向端面83付近に衝撃的な負荷が加わっても、この衝撃的な負荷の影響を受けるのは主にスラストリリーフ82の第1領域86、すなわち裏金層84部のみとなるので、スラストリリーフ82の周方向中央部側の第2領域87の軸受合金層85や、スラストリリーフ82に隣接する摺動面81の軸受合金層85に疲労が生じない。
また、スラストリリーフ82のスラストリリーフ長さL1と第1領域86の長さL2の関係は、スラストリリーフ長さL1が第1領域86の長さL2に対して1.7〜2.3倍であることが好ましい。
クランク軸の軸線方向力fが半割スラスト軸受8に加わる瞬間、スラストリリーフ82の表面のうち摺動面81に隣接する領域がクランク軸のスラストカラー12面と接触する場合があるが、上記関係であれば、スラストカラー面12と接触するのはスラストリリーフ82の表面のうち潤滑性を有する第2領域87すなわち軸受合金層85の表面だけであり、第1領域86すなわち裏金層84の表面がスラストカラー12面と接触することが防がれる。この結果、半割スラスト軸受8は、焼付が生じ難くなる。
なお、本実施例では第1領域86の長さL2は、半割スラスト軸受8の径方向の内側端部と外側端部の間で一定になされているが、上記関係を満たす範囲内であれば、長さL2は、半割スラスト軸受8の径方向の内側端部と外側端部の間で変化していてもよい。
図5は、半割スラスト軸受8の周方向端部近傍を、内側(図4のYI矢視方向)から見た側面を示す。
図5に示すように、半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82の表面は、壁厚が端面に向かって徐々に薄くなるように形成されている。半割スラスト軸受8の(摺動面81部における)軸受合金層85の厚さTは、0.15mm〜0.45mmであることが好ましい。本実施例のスラストリリーフ82では、半割スラスト軸受8を製造する際に半割スラスト軸受8の周方向両端面83付近の軸受合金層85と裏金層84を切削加工により同時に除去することで、スラストリリーフ82の半割スラスト軸受8の周方向端面83に隣接する側の表面に、裏金層84が露出した表面からなる第1領域86が形成される。
なお、乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)に使用される場合、半割スラスト軸受8の摺動面81とスラストリリーフ82の表面とがなす角度θ2は、0.5°〜2°とすることができる。
また半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82は、周方向端面83において、径方向の内側端部と外側端部との間で一定の軸線方向深さRD1を有するように形成される。このスラストリリーフ82の軸線方向の深さRD1は、0.2〜0.8mmとすることができる。
ここで、軸線方向深さRD1とは、半割スラスト軸受8の摺動面81を通る平面からスラストリリーフ82の表面までの軸線方向距離を意味する。換言すれば、軸線方向深さRD1は、摺動面81をスラストリリーフ82上まで延長して仮想摺動面とした場合に仮想摺動面から垂直に測った距離である。深さRD1は、半割スラスト軸受8の周方向端面83における、スラストリリーフ82の表面から摺動面81までの深さで定義される。
また、スラストリリーフ隙間の径方向断面積A1は、半割スラスト軸受8の径方向から見て、半割スラスト軸受8の内側端部でのスラストリリーフ82面と、摺動面81をスラストリリーフ82上に延長した仮想の延長線と、半割スラスト軸受8の周方向端面83をスラストリリーフ隙間に延長した仮想の延長線とによって囲まれる範囲の面積を意味する。
本実施例において、一対の半割軸受7、7の軸線方向の両側には二対の半割スラスト軸受8、8、8、8が配設される。各半割スラスト軸受8は半円環形状に形成され、半割軸受7の外径の中心と半割スラスト軸受8の外径の中心とは略同心に位置し、また半割軸受7の周方向両端面を通る水平面(半割平面)と半割スラスト軸受8の周方向両端面を通る水平面(半割平面)とは略平行となるように配設される。
したがって、図2に示すように、半割軸受7のクラッシュリリーフ73と半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82とは一対一で対応する。すなわち、半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間と半割スラスト軸受8のスラストリリーフ隙間とは、略同一の円周方向角度位置にある。
以下、半割軸受7のクラッシュリリーフと半割スラスト軸受8のスラストリリーフの長さの関係について説明する。本実施例の半割スラスト軸受8は、スラストリリーフ82の径方向の内側端部におけるスラストリーフ長さL1が、対応する半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLよりも長くなるよう構成されている。より望ましくは、径方向内径端部でのスラストリリーフ長さL1とクラッシュリリーフ長さCLの関係は、L1>CL×1.5である。
ここで、クラッシュリリーフ73の長さとは、図6に示されるように、周方向両端面74、74が下端面となるように半割軸受7を水平面上に置いたときの水平面からクラッシュリリーフ73の上縁までの高さを意味し、特にクラッシュリリーフ長さCLは、半割スラスト軸受8が配設される側の軸線方向端部におけるクラッシュリリーフ73の長さを意味する。なお、本実施例において半割軸受7のクラッシュリリーフ長さは軸線方向に一定であるが、クラッシュリリーフ73の長さは半割軸受7の軸線方向に変化させることもできる。
本実施例の構成では、半割軸受7のクラッシュリリーフ73の隙間(半割軸受7の軸線方向端部のクラッシュリリーフ73の開口)から流出する潤滑油が、半割スラスト軸受8のスラストリリーフ隙間に流入しやすい。これとは逆に、もしスラストリリーフ長さL1がクラッシュリリーフ長さCLよりも短いと、半割軸受7のクラッシュリリーフ73の隙間から流出した潤滑油は、半割軸受7の外径面と半割スラスト軸受8の内径面との間の隙間にも流れてしまう。
より詳しくは、クランク軸の回転方向の後方側における半割スラスト軸受8の内径端部のスラストリリーフ長さL1が、半割軸受7の対応する位置にあるクラッシュリリーフ73の長さCLよりも短い場合、半割軸受7のクラッシュリリーフ73の隙間から流れ出る潤滑油のうち、半割軸受7の摺動面75と隣接する側のクラッシュリリーフ73の周方向端部付近の隙間から流れ出る潤滑油は、半割スラスト軸受のスラストリリーフ82の隙間には流入することがない。
以上のように、本発明の軸受装置1では、半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出する潤滑油がクランク軸の回転方向の後方側の半割スラスト軸受8のスラストリリーフ隙間に流入しやすく、このため多量の潤滑油が半割スラスト軸受8の摺動面81側へ送られる。この多量の潤滑油によって、半割スラスト軸受8の摺動面81とクランク軸のスラストカラー12面とが直接に接触しにくくなる。
なお、上述したように、スラストリリーフ82の表面は、平面から構成することができるが、好ましくは、例えば特許文献2に記載されるようにスラストリリーフ82の表面に複数の細溝を並設して形成することは避けるべきである。
その理由は、スラストリリーフの表面において、複数の細溝の各凹部の側面(半割スラスト軸受の径方向から見た場合の細溝の凹部の側面)が半割スラスト軸受の径方向の内側から流入する潤滑油の障壁または抵抗となり、スラストリリーフ82の表面が平滑である場合に比べてスラストリリーフ隙間に流入する潤滑油の量が少なくなるからである。特にスラストリリーフ82が摺動面81と隣接する付近のスラストリリーフ隙間が狭くなる領域では、細溝の凹部の側面が抵抗となって、潤滑油がほとんどスラストリリーフ隙間に流入しなくなり、半割軸受7のクラッシュリリーフ長さCLよりも半割スラスト軸受8のスラストリリーフ長さL1を長くしたことによる効果が失われる。
本実施例における半割軸受7のクラッシュリリーフ73の具体的な寸法として、乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)に使用する場合、例えば、摺動面75をクラッシュリリーフ上に延長させた仮想の延長面からクラッシュリリーフ73までの周方向端面74における深さを0.01〜0.1mmとし、クラッシュリリーフ長さCLを2〜10mmとすることができる。
次に、図5及び8を用いて、スラストリリーフ隙間とクラッシュリリーフ隙間の径方向断面積の関係について説明する。本実施例の半割スラスト軸受8は、スラストリリーフ82の径方向の内側端部でのスラストリリーフ隙間の断面積A1が、半割軸受7の対応するクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ隙間の断面積ACよりも広くなされている。
ここで、スラストリリーフ隙間の断面積A1とは、半割スラスト軸受8の径方向内側から見て、摺動面81の内側端部でのスラストリリーフ82の表面と、摺動面81をスラストリリーフ82上に延長した仮想の延長線と、半割スラスト軸受8の周方向端面83をスラストリリーフ隙間に延長した仮想の延長線とで囲まれる範囲の面積を意味する(図5)。またクラッシュリリーフ隙間の断面積ACとは、半割軸受7の軸線方向から見て、半割軸受7の端部でのクラッシュリリーフ73の表面と、半割軸受7の摺動面75をクラッシュリリーフ73上に延長した仮想の延長線と、半割軸受7の両端部の周方向端面74を結ぶ水平線とで囲まれる範囲の面積を意味する。
本発明の軸受装置1では、半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出する潤滑油が、クランク軸の回転方向の後方側の半割スラスト軸受8のスラストリリーフ隙間に流入しやすいため、潤滑油が半割スラスト軸受8の摺動面81側へ多量に送られる。この多量の潤滑油によって、半割スラスト軸受8の摺動面81とクランク軸のスラストカラー12の表面とが直接に接触しにくくなる。
なお、本実施例では、図2及び4に示すように半割スラスト軸受8の周方向両端部のスラストリリーフ82、82と半割軸受7の周方向両端部のクラッシュリリーフ73、73との間で上述した関係が成立する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともクランク軸の回転方向の後方側のスラストリリーフ82とこれに対応するクラッシュリリーフ73との間に上述した関係が成立すればよい。
また本実施例では、半割軸受7と半割スラスト軸受8が分離しているタイプの軸受装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半割軸受7と半割スラスト軸受8が一体化したタイプの軸受装置1にも適用できる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は本発明に含まれる。
例えば図9及び10に示すように、位置決め及び回転止めのために、半径方向外側に突出する突出部を備える半割スラスト軸受に本発明を適用することもできる。さらに、半割スラスト軸受の円周方向長さは、実施例1に示す通常の半割スラスト軸受8等よりも所定の長さS1だけ短くすることもできる。また、半割スラスト軸受は、周方向端部近傍において内周面を半径Rの円弧状に切り欠くこともできる。
同様に、半割スラスト軸受8の摺動面側の径方向の外側の縁部や内側の縁部には、周方向に亘って面取りを形成するもこともできる。その場合、内側端部におけるスラストリリーフ長さL1は、面取りを形成しなかった場合の、半割スラスト軸受の内径側端部でのスラストリリーフ長さによって表される。
図11に示すように、半割スラスト軸受8は、摺動面81とは反対側の背面(裏金層)の周方向両端部にもスラストトリリーフに似た形状の背面リリーフ90を有することができる。あるいは図12に示すように、背面リリーフ90は、摺動面81と平行な平面を有するように構成することもできる。
なお、図11および12では背面リリーフ90の長さL3は、上述したスラストリリーフ82のスラストリリーフ長さL1より小さいが、これに限定されるものではなく、背面リリーフ90の長さL3とスラストリリーフ長さL1は同じであってもよく、あるいは背面リリーフ90の長さL3がスラストリリーフ長さL1よりも大きくてもよい。また、図13に示すように、背面リリーフ90は、半割スラスト軸受8の径方向の内側端部から、周方向端面83に垂直方向に延びて半割スラスト軸受8の径方向の外側端部に開口するように形成されてもよい。
また上記実施例では、軸受装置1に半割スラスト軸受8を4つ使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも1つの本発明による半割スラスト軸受8を使用することで所望の効果を得ることができる。また、本発明による半割スラスト軸受8と従来のスラスト軸受を対として円環形状のスラスト軸受として使用してもよい。さらに、本発明の軸受装置1において、半割スラスト軸受8は、クランク軸を回転自在に支承する半割軸受7の軸線方向の一方又は両方の端面に一体に形成されてもよい。
また誤組付け防止のため、図14に示すように一対の半割スラスト軸受8Aの2つの突合せ部のうち一方のみにおいて、それぞれの半割スラスト軸受8Aの周方向端面を傾斜端面83Aとして形成し、それにより傾斜端面同士の突合せ部とすることもできる。この場合、傾斜端面83Aは、傾斜していない他方の周方向端面を通る平面(事実上の半割平面H)に対して所定の角度θ3だけ傾斜して形成されている。あるいは、それぞれの周方向端面は傾斜端面83Aに代えて、対応する凹凸形状といった他の形状とすることもできる。
しかし、いずれの場合も、スラストリリーフ長さL1は、事実上の半割平面Hから、スラストリリーフ82Aの表面が摺動面81Aの内周縁と交わる点までの垂直方向の長さで定義されることが当業者には理解されよう。
L1 径方向の内側端部におけるスラストリリーフ長さ
CL クラッシュリリーフ長さ
RD1 周方向端面におけるスラストリリーフの深さ
A1 内側端部におけるスラストリリーフ隙間面積
AC クラッシュリリーフ隙間面積
1 軸受装置
4 軸受ハウジング
7 半割軸受
8、8A 半割スラスト軸受
11 ジャーナル部
12 スラストカラー
71 潤滑油溝
72 貫通孔
73 クラッシュリリーフ
74 周方向端面
75 摺動面
81 摺動面
82、82A スラストリリーフ
83 周方向端面
84 裏金層
85 軸受合金層
86、86A 第1領域
87 第2領域
88 オーバーレイ層
90 背面リリーフ

Claims (7)

  1. 内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるための半円環形状の半割スラスト軸受であって、
    前記半割スラスト軸受は、Fe合金製の裏金層と、軸受合金層とを有し、前記軸受合金層は、前記裏金層と反対側に摺動面を有し、前記半割スラスト軸受の周方向両端面に隣接してスラストリリーフが形成され、各スラストリリーフは、前記摺動面から前記周方向端面に向かって前記半割スラスト軸受の壁厚が薄くなるように形成された平坦な表面を有している、スラスト軸受において、
    前記半割スラスト軸受の径方向の内側端部における各スラストリリーフのスラストリリーフ長さ(L1)が、前記半割スラスト軸受の前記周方向端面から、周方向中央部側へ向かって25°を超え45°以下の円周角度(θ1)に亘って延び、
    前記各スラストリリーフ長さ(L1)は、前記半割スラスト軸受の径方向の前記内側端部と外側端部の間で一定であり、
    前記各スラストリリーフの前記表面は、前記半割スラスト軸受の周方向端面側の、前記裏金層が露出した表面からなる第1領域と、前記周方向中央部側の、前記軸受合金層が露出した表面からなる第2領域とを有し、前記スラストリリーフ長さ(L1)に平行な、前記周方向端面からの前記第1領域の長さ(L2)が8〜18mmである
    ことを特徴とする半割スラスト軸受。
  2. 前記スラストリリーフ長さ(L1)は、前記第1領域の長さ(L2)の1.7〜2.3倍である請求項1に記載の半割スラスト軸受。
  3. 前記摺動面と前記スラストリリーフの前記表面とがなす角度(θ2)が0.5°〜2°である請求項1又は2に記載の半割スラスト軸受。
  4. 前記摺動面及び前記スラストリリーフの前記表面の上にオーバーレイ層が被覆されている請求項1から3までのいずれか一項に記載の半割スラスト軸受。
  5. クランク軸と、
    前記クランク軸のジャーナル部を支承する一対の半割軸受であって、各半割軸受の内周面に、その周方向両端部に隣接してクラッシュリリーフが形成された一対の半割軸受と、
    前記一対の半割軸受を保持する保持孔が貫通形成された軸受ハウジングと、
    請求項1から4までのいずれか一項に記載の半割スラスト軸受であって、前記クランク軸の軸線方向力を受けるために、前記保持孔に隣接して前記軸受ハウジングの軸線方向端面に配置される少なくとも1つの半円環形状の半割スラスト軸受と
    を有する、内燃機関のクランク軸用軸受装置において、
    前記半割スラスト軸受の、少なくとも前記クランク軸の回転方向の後方側の前記スラストリリーフは、前記半割スラスト軸受の径方向の内側端部における前記スラストリリーフ長さが、前記半割軸受の対応する軸線方向端部におけるクラッシュリリーフ長さよりも長くなるよう形成されることを特徴とする軸受装置。
  6. 前記半割スラスト軸受の、少なくとも前記クランク軸の回転方向の後方側の前記スラストリリーフは、前記半割スラスト軸受の径方向の内側端部におけるスラストリリーフ隙間の径方向断面積が、対応する前記半割軸受の軸線方向端部におけるクラッシュリリーフ隙間の径方向断面積よりも大きいよう形成される請求項5に記載の軸受装置。
  7. 前記半割スラスト軸受の径方向の内側端部における前記スラストリリーフ長さが、対応する前記半割軸受の軸線方向端部における前記クラッシュリリーフ長さの1.5倍以上である請求項5又は6に記載の軸受装置。
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