JP6193316B2 - 内燃機関のクランク軸用スラスト軸受及び軸受装置 - Google Patents

内燃機関のクランク軸用スラスト軸受及び軸受装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるスラスト軸受及び軸受装置に関するものである。
内燃機関のクランク軸は、そのジャーナル部において、一対の半割軸受を円筒形状に組み合わせて構成される主軸受を介して、内燃機関のシリンダブロック下部に回転自在に支持されている。
一対の半割軸受のうちの一方又は両方が、クランク軸の軸線方向力を受ける半割スラスト軸受と組み合わせて用いられる。半割スラスト軸受は、半割軸受の軸線方向端面の一方又は両方に配設される。
半割スラスト軸受は、クランク軸に生じる軸線方向力を受ける。すなわち、クラッチによってクランク軸と変速機とが接続される際等に、クランク軸に対して入力される軸線方向力を支承することを目的として配置されている。
半割スラスト軸受の周方向両端近傍の摺動面側には、周方向端面へ向かって軸受部材の厚さが薄くなるようにスラストリリーフが形成されている。一般にスラストリリーフは、半割スラスト軸受の周方向端面から摺動面までの長さや周方向端面での深さが、径方向の位置によらずに一定になるよう形成される。スラストリリーフは、半割スラスト軸受を分割型軸受ハウジング内に組み付ける際の一対の半割スラスト軸受の端面同士の位置ずれを吸収するために形成される(特許文献1の図10参照)。
内燃機関のクランク軸は、そのジャーナル部において、一対の半割軸受からなる主軸受を介して、内燃機関のシリンダブロック下部に支承される。このとき潤滑油は、シリンダブロック壁内のオイルギャラリーから主軸受の壁内の貫通口を通じて、主軸受の内周面に沿って形成された潤滑油溝内に送り込まれる。潤滑油はこのようにして主軸受の潤滑油溝内に供給され、その後に半割スラスト軸受に供給される。
内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるスラスト軸受には、一般に、鋼製裏金の一方の表面にアルミニウム軸受合金層又は銅軸受合金層を形成した積層構造体が用いられる。また、このアルミニウム軸受合金層又は銅軸受合金層の上に樹脂製摺動層を重ねて、なじみ性、耐疲労性又は耐荷重性を向上させたスラスト軸受も提案されている(特許文献2参照)。この樹脂製摺動層に用いる材料としては、例えば、高強度で耐熱性の良好なポリアミドイミド等の耐熱性樹脂にポリアミド等をポリマーアロイ化して得た樹脂に固体潤滑剤を添加した材料がある(特許文献3参照)。
ところで、近年、内燃機関の潤滑油供給用のオイルポンプが小型化され、このため軸受に対する潤滑油の供給量が減少している。これに伴って主軸受の端面からの潤滑油の漏れ量が減少し、半割スラスト軸受に対する潤滑油の供給量も減少する傾向にある。この対策として、例えば半割スラスト軸受の摺動面に複数の細溝を並設して形成することによって、潤滑油の保油性を高める技術が提案されている(特許文献4参照)。
特開平11−201145号公報 特開平07−238936号公報 特開平2008−308595号公報 特開2001−323928号公報
さらに、近年、内燃機関の軽量化のためにクランク軸の軸径が小径化され、従来のクランク軸よりも低剛性となっている。このため、内燃機関の運転時にクランク軸に撓みが発生しやすく、クランク軸の振動が大きくなる傾向にある。したがって、半割スラスト軸受の周方向中央部付近の摺動面とクランク軸のスラストカラー面とが直接に接触し、半割スラスト軸受の摺動面を構成する樹脂摺動層に損傷が起きやすくなっている。
特許文献4は、摺動面に油溝を設けることによって、軸受面のほぼ全面に潤滑油を供給する構成を開示している。しかし、特許文献4の技術を採用しても、上述のクランク軸の撓みによる振動が大きい場合には、特に半割スラスト軸受のクランク軸回転方向後方側のスラストリリーフに近接する摺動面が、クランク軸のスラストカラーと接触することを防止することは困難である。このため、半割スラスト軸受の摺動面に損傷が生じる可能性がある。
したがって本発明の目的は、内燃機関の運転時に、損傷が生じにくいスラスト軸受及び軸受装置を提供することである。
本発明によれば、内燃機関の一方向に回転するクランク軸の軸線方向力を受けるためのスラスト軸受(10)であって、
前記スラスト軸受は、一対の半円環形状の半割スラスト軸受(8、8)を有し、前記一対の半割スラスト軸受は、それぞれの周方向端面(83、83)を互いに突き合わせることによって円環形状を形成し、
前記各半割軸受スラスト軸受(8、8)は、軸受合金層(16)及び樹脂摺動層(18)、又は裏金層(14)、軸受合金層(16)及び樹脂摺動層(18)を有し、前記樹脂摺動層(18)は軸線方向力を受ける摺動面(81)を構成し、
前記半割スラスト軸受は、前記軸線方向力を受ける摺動面(81)の周方向両端部に隣接して、前記半割スラスト軸受の壁厚が前記周方向端面に向かって薄くなるように形成されたスラストリリーフ(82F、82R)を有し、
一方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフ(82R)の内側端部でのスラストリリーフ長さ(L2)が、他方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフ(82F)の内側端部でのスラストリリーフ長さ(L1)より大きいことを特徴とするスラスト軸受が提供される。
ここにおいて、クランク軸は、ジャーナル部とクランクピン部とクランクアーム部とを備える部材である。また半割スラスト軸受は、円環形を略半分に分割した形状の部材であるが、厳密に半分であることを意図するものではない。
本発明のスラスト軸受は、内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受ける一対の半円環形状の半割スラスト軸受を組み合わせて円環形状となるスラスト軸受である。そして、クランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフのスラストリリーフ長さが、半割スラスト軸受の回転方向前方側のスラストリリーフのスラストリリーフ長さより大きくなるよう形成されている。この構成により、クランク軸のジャーナル部を支承する一対の半割軸受のクラッシュリリーフから流出した潤滑油が、クランク軸の回転方向側のスラストリリーフ及びクランク軸の回転方向前方側のスラストリリーフによるスラストリリーフ隙間に流入しやすくなり、それにより潤滑油がスラスト軸受の摺動面へ多量に送られるようになる。このため、内燃機関の運転時にクランク軸に撓みが発生し振動が大きくなった場合でも、スラスト軸受の摺動面とクランク軸のスラストカラー面とが直接に接触しにくく、半割スラスト軸受の摺動面となる樹脂摺動層の表面の損傷が起きにくくなる。さらに、この構成によれば、スラスト軸受は摺動面の面積の減少を伴わないので、高い負荷能力を維持することができる。
軸受装置の分解斜視図である。 実施例1の半割スラスト軸受の断面図である。 実施例1のスラスト軸受の正面図である。 図3のスラスト軸受のスラストリリーフのY1矢視側面図である。 半割軸受及びスラスト軸受の正面図である。 軸受装置の断面図である。 実施例2のスラスト軸受の正面図である。 実施例3のスラスト軸受の正面図である。 図8の上側の半割スラスト軸受の、クランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフの周方向端面を示すY2矢視端面図である。 図8の下側の半割スラスト軸受の、クランク軸の回転方向前方側のスラストリリーフの周方向端面を示すY3矢視端面図である。 実施例4のスラスト軸受の正面図である。 図11の上側の半割スラスト軸受の、クランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフのY4矢視側面図である。 図11の下側の半割スラスト軸受の、クランク軸の回転方向前方側のスラストリリーフのY4矢視側面図である。 他の実施形態の半割スラスト軸受のクランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフの側面図である。 他の実施形態の半割スラスト軸受の正面図である。 他の実施形態のスラストリリーフの正面図である。 他の実施形態のスラスト軸受の正面図である。 実施例の作用を説明するための半割軸受及びスラスト軸受の正面図である。 図18Aの半割軸受及びスラスト軸受を径方向内側から見た内面を示す図である。 実施例5の半割軸受の正面図である。 図19の半割軸受を径方向内側から見た底面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(軸受装置の全体構成)
まず、図1、5及び6を用いて本発明のスラスト軸受10を有する軸受装置1の全体構成を説明する。図1、5及び6に示すように、シリンダブロック2の下部に軸受キャップ3を取り付けて構成された軸受ハウジング4には、両側面間を貫通する円形孔である軸受孔5が形成されており、側面における軸受孔5の周縁には円環状凹部である受座6、6が形成されている。軸受孔5には、一方向に回転するクランク軸のジャーナル部11を回転自在に支承する半割軸受7、7が円筒状に組み合わされて嵌合される。受座6、6には、クランク軸のスラストカラー12を介して軸線方向力f(図6参照)を受ける半割スラスト軸受8、8が円環状に組み合わされて嵌合される。
図5に示すように、主軸受を構成する半割軸受7のうち、シリンダブロック2側(上側)の半割軸受7の内周面には潤滑油溝71が形成され、潤滑油溝71から外周面に貫通する貫通孔72が形成されている(図19及び20も参照)。なお、潤滑油溝は、上下両方の半割軸受に形成することもできる。
また半割軸受7には、半割軸受7同士の当接面に隣接して、両端にクラッシュリリーフ73、73が形成されている(図5参照)。クラッシュリリーフ73は、半割軸受7の周方向端面に隣接する領域の壁厚が、周方向端面に向かって徐々に薄くなるように形成された壁厚減少領域である。クラッシュリリーフ73は、一対の半割軸受7、7を組み付けたときの突合せ面の位置ずれや変形を吸収することを企画して形成される。
(スラスト軸受の構成)
次に、図2〜6を用いて実施例1のスラスト軸受10の構成について説明する。本実施例1のスラスト軸受10は、一対の半割スラスト軸受8を組み合わせて円環形状となる。半割スラスト軸受8は、まず、鋼製の裏金層14に薄い軸受合金層16を接着させたバイメタルによって、半円環形状の平板に形成され、軸受合金層16上に樹脂摺動層18が形成される。半割スラスト軸受8は、中央の領域に樹脂摺動層18によって構成された表面である摺動面81(軸受面)と、周方向両側の端面83、83に隣接する領域にスラストリリーフ82R、82Fとを備えている。摺動面81には、潤滑油の保油性を高めるために、両側のスラストリリーフ82R、82Fの間に2つの油溝81a、81aが形成されている。
樹脂摺動層18は、樹脂バインダと、固体潤滑剤とから形成される。樹脂バインダとしては公知の樹脂を用いることができるが、耐熱性の高いポリアミドイミド、ポリイミド及びポリベンゾイミダゾールの一種以上を用いることが好ましい。また、ポリアミドイミド、ポリイミド及びポリベンゾイミダゾールの一種以上からなる耐熱性の高い樹脂と、ポリアミド、エポキシ及びポリエーテルサルフォンの一種以上からなる樹脂1〜25体積%とを混合した樹脂組成物やポリマーアロイ化した樹脂組成物を樹脂バインダとしてもよい。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素等を用いることができる。樹脂摺動層に対する固体潤滑剤の添加割合は、好適には、20〜80体積%である。また、樹脂製摺動層の耐摩耗性を高めるために、セラミックスや金属間化合物等の硬質粒子を樹脂製摺動層に対して0.1〜10体積%含有させてもよい。
半割スラスト軸受8の摺動面側に樹脂摺動層18を形成するためには、有機溶剤で希釈した樹脂摺動層の組成物を、半割スラスト軸受の軸受合金層16上にスプレー法により塗布し、加熱して有機溶剤を乾燥させ、その後、樹脂組成物を加熱焼成する。なお、樹脂製摺動層18の形成方法はスプレー法に限定されることはなく、ロールコート法、印刷法等、その他の一般的な方法によって形成してもよい。
また樹脂摺動層と同じ組成の樹脂摺動材料が、クランク軸の軸線方向負荷を受ける摺動面81のみでなく、スラストリリーフ82の表面、油溝81aの表面、半割スラスト軸受の外径面、内径面等にも付与されてもよいことが理解されよう。例えば、以下で説明する実施例1〜4では、半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82、82の表面及び油溝81a、81aの表面にも樹脂摺動材料が付与されている。
樹脂摺動層18の厚さは1〜30μmであり、望ましくは2〜20μmであり、より望ましくは3〜8μmである。
スラストリリーフ82R、82Fは、摺動面81の周方向両側の端面に隣接する領域に、端面に向かって徐々に壁厚が薄くなるように形成される壁厚減少領域であり、半割スラスト軸受8の周方向端面83の径方向全長に亘って形成される。スラストリリーフ82R、82Fは、半割スラスト軸受8を分割型の軸受ハウジング4内に組み付けた際の、各分割型軸受ハウジング2、3の端面同士の位置ずれ等に起因する、一対の半割スラスト軸受8、8の周方向端面83、83同士の位置ずれを緩和するために形成される。
実施例1において、スラストリリーフ82R、82Fの表面は平面から構成されているが、曲面から構成することもできる。平面である場合、表面は単一の平面から構成されることができ、又は複数の平面を組み合わせて構成されていてもよい。曲面の場合にも、表面は単一の曲面から構成されることができ、又は複数の曲面を組み合わせて構成されていてもよい。さらに、スラストリリーフ82R、82Fの表面は、平面と曲面を組み合わせて(図12)構成されていてもよい。
図3及び5から理解されるように、本実施例の半割スラスト軸受8が軸受装置1の軸受ハウジング4に組み付けられたとき、一方向に回転するクランク軸の回転方向後方側に位置するように組み付けられる周方向端面83側のスラストリリーフ82R(以下、「後方側スラストリリーフ」と称する)の内側端部でのスラストリリーフ長さL2は、クランク軸の回転方向前方側に位置する周方向端面83側のスラストリリーフ82F(以下、「前方側スラストリリーフ」と称する)の内側端部でのスラストリリーフ長さL1と異なり、より長く形成されている。なお、実施例1では、後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さ及び前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さは、内側端部と外側端部の間で一定となるよう形成されている。
ここで「スラストリリーフ長さ」とは、1つの半割スラスト軸受8の両端面83、83を通る平面(仮想分割面H)から垂直方向に測ったスラストリリーフの他端までの長さを意味する。より具体的には、内側端部でのスラストリリーフ長さL1、L2は、スラストリリーフ82F、82Rの表面が、摺動面81の内周縁と交わる点までの長さで定義される。
また「クランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフ」とは、1つの半割スラスト軸受8に着目した場合に、周方向両端部にあるスラストリリーフのうち、回転するクランク軸のスラストカラー12上の任意の点が最初に通過するスラストリリーフ82Rのことを意味し、また「クランク軸の回転方向前方側のスラストリリーフ」とは、任意の点が2番目に通過するスラストリリーフ82Fのことを意味する。
ところで、内燃機関のクランク軸は、運転時には一方向に回転する。このため当業者であれば、クランク軸の回転方向を考慮し、半割スラスト軸受の周方向両端面に隣接する2つのスラストリリーフのうち、どちらが「クランク軸の回転方向後方側のスラストリリーフ」であるか認定することができよう。また当業者であれば、本発明の開示にしたがって本発明のスラスト軸受10を設計、製造し、これを一方向に回転するクランク軸を支承する軸受装置に組み付けることが可能である。
図4は、一対の半割スラスト軸受8の周方向端面83、83同士の突合せ部近傍を内側(図3のY1矢視方向)から見た側面を示す。なお、図3に示す一対の半割スラスト軸受8の紙面右側の周方向端面83、83同士の突合せ部近傍もまた、図4と同様の構成である。
摺動面81の部分において、半割スラスト軸受8の厚さは一定であり、図4に示すように一対の半割スラスト軸受8、8は、摺動面81の部分で同じ厚さtを有している。半割スラスト軸受8の前方側スラストリリーフ82Fの表面及び後方側スラストリリーフ82Rの表面の周方向端面におけるスラストリリーフ深さRD(図4)は同一である。また実施例1では、前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rの周方向端面におけるスラストリリーフ深さRDは、内側端部と外側端部の間で一定である。
ここで、「スラストリリーフ深さ」とは、半割スラスト軸受8の摺動面81を含む平面からスラストリリーフの表面までの軸線方向距離を意味する。換言すれば、スラストリリーフ深さは、摺動面81をスラストリリーフ82F、82R上まで延長して仮想摺動面とした場合に仮想摺動面から垂直に測った距離である。したがって周方向端面におけるスラストリリーフ深さRDは、半割スラスト軸受8の周方向端面におけるスラストリリーフの表面から仮想摺動面までの軸線方向距離として定義される。
前方側スラストリリーフ82F、及び後方側スラストリリーフ82Rの具体的な寸法として、乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)に使用する場合、例えば半割スラスト軸受8の周方向端面83、83における摺動面81から前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rまでのスラストリリーフ深さRDは0.3mm〜1.0mmとすることができる。なお、前方側スラストリリーフ82Fと後方側スラストリリーフ82Rは、同じスラストリリーフ深さRDを有している。また、前方側スラストリリーフ82Fの内側端部でのスラストリリーフ長さL1は1mm〜5mmとすることができ、また後方側スラストリリーフ82Rの内側端部でのスラストリリーフ長さL2は5mm〜25mmとすることができる。なお、上述の寸法は一例に過ぎず、それぞれの寸法はこれらの範囲に限定されない。
上述の前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さL1と後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さL2の数値は、範囲が一部重複している。しかし、これは軸受のサイズが大きくなるほどスラストリリーフ長さを大きくする必要があるからであり、したがってスラストリリーフ長さL1及びL2は、それぞれの数値範囲内で、L2>L1を満たすべきである。
また、図8に示すように、後方側スラストリリーフは、半割スラスト軸受8の周方向端面83から円周角度θ1で25°以下の範囲内に形成され、また一対の後方側スラストリリーフ及び前方側スラストリリーフは、円周角度θ2で30°以下の範囲に形成されることが好ましい。
(作用)
次に、図5、6、18A及び18Bを用いて、本実施例のスラスト軸受10の作用を説明する。
(給油作用)
軸受装置1において、オイルポンプ(図示せず)から加圧されて吐出された潤滑油は、シリンダブロック2の内部油路から半割軸受7の壁を貫通する貫通孔72を通り、半割軸受7の内周面の潤滑油溝71に供給される。潤滑油溝71内に供給された潤滑油は、一部は半割軸受7の内周面に供給され、一部はジャーナル部表面に設けたクランク軸の内部油路のための開口(図示せず)を通ってクランクピン側へ送られ、また他の一部は主軸受を構成する一対の半割軸受7、7のクラッシュリリーフ73表面とクランク軸のジャーナル部11の表面との間の隙間を通って、半割軸受7、7の軸線方向両端から外部へ流出する。
本実施例において、半割軸受7は半割スラスト軸受8と同心に配置され、且つ主軸受を構成する半割軸受7の周方向両端面を含む平面は、半割スラスト軸受8の周方向両端面を含む平面と平行になされ、それによりクラッシュリリーフ73の位置とスラストリリーフ82F、82Rの位置とが対応している。
以下、本発明の作用について説明する。
半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から外部へ流出した直後の潤滑油は、回転するクランク軸のジャーナル部の表面に付随して周方向に流れていたため、クランク軸11の回転方向の前方側へ移動しようとする慣性力により、図18A及び18Bに示すように一方の半割スラスト軸受8の周方向端面と他方の半割スラスト軸8の周方向端面の突合せ部(当接部)の位置より、クランク軸の回転方向前方側へ向かって流れる(破線矢印)。
本実施例のスラスト軸受10は、一対の半割スラスト軸受8、8を有し、半割スラスト軸受8の後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さL2が前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さL1よりも長い。この構成によれば、一方の半割スラスト軸受8の前方側スラストリリーフ82Fの表面と、他方の半割スラスト軸受8の後方側スラストリリーフ82R表面と、摺動面81を前方側スラストリリーフ82F表面及び後方側スラストリリーフ82R表面上まで延長してできる仮想摺動面とによって囲まれるスラストリリーフ隙間S(図18B参照)の内側端部における長さの中央が、一方の半割スラスト軸受8の周方向端面83と他方の半割スラスト軸8の周方向端面83の突合せ部(当接部)よりクランク軸11の回転方向前方側に位置する。このため半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出し、一対の半割スラスト軸受8の周方向端面83、83同士の突合せ部(当接部)の位置よりもクランク軸11の回転方向前方側へ向かって流れる潤滑油はスラストリリーフ隙間Sに多量に流入し、摺動面81へ送られることができる。
内燃機関の運転時、特にクランク軸が高速回転する運転条件ではクランク軸に撓み(軸線方向の撓み)が発生してクランク軸の振動が大きくなり、この大きな振動によって、クランク軸にはスラスト軸受10の摺動面81へ向かう軸線方向力fが周期的に発生する。スラスト軸受10の摺動面81は、この軸線方向力fを受ける。
本発明のスラスト軸受10は、クランク軸の軸線方向力fが作用しても、上述のように一対の半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出した潤滑油は、スラスト軸受10の回転前方側スラストリリーフ82Fと回転後方側スラストリリーフ82Rにより形成されるスラストリリーフ隙間Sに多量に流入しやすく、この多量の潤滑油が摺動面81へ送られる。スラスト軸受10の摺動面81は、多量の潤滑油が供給されることで、クランク軸のスラストカラー12面と直接に接触しにくくなる。
本実施例のスラスト軸受10を構成する一対の半割スラスト軸受8は、後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さL2が前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さL1よりも大きい。本実施例のこの構成を、従来の周方向両端部に同じ長さのスラストリリーフを形成したスラスト軸受の構成と対比して説明すると、従来のスラスト軸受を構成する一対の半割スラスト軸受の同じ長さであるスラストリリーフによるスラストリリーフ隙間の径方向内側端部における長さの中央は、一対の半割スラスト軸受の周方向端面同士の突合せ部(当接部)に位置するが、本実施例の構成では、スラストリリーフ隙間Sの径方向内側端部における長さの中央が、周方向端面同士の突合せ部(当接部)よりもクランク軸の回転方向前方側に偏移されており、しかし摺動面81の面積の減少を伴わない。このため本発明のスラスト軸受10は、クランク軸の軸線方向の負荷を受ける(支える)能力も高いままである。これに対し、従来のスラスト軸受の構成の場合、主軸受(半割軸受)のクラッシュリリーフ隙間から流出した潤滑油の流入量を多くするために半割スラスト軸受の周方向両側のスラストリリーフの長さを大きくすると、スラスト軸受の摺動面の面積の減少を伴い、したがってスラスト軸受のクランク軸の軸線方向の負荷を受ける能力が低下する。
また本実施例のスラスト軸受10を構成する一対の半割スラスト軸受8、8は、前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rの周方向端面でのスラストリリーフ深さRDがともに最大であり、且つ周方向端面83,83の径方向の全長に亘って一致する(したがって段差が発生しない)ように、周方向端面で互いに対応する厚さを有している。このため、一対の半割スラスト軸受8、8を分割型の軸受ハウジング4内に組み付けた際の各分割型軸受ハウジング2、3の端面同士の位置ずれ等に起因する、一対の半割スラスト軸受8、8の周方向端面83、83同士の位置ずれを緩和するというスラストリリーフの本来の作用が影響を受けることはない。
以下、図7を用いて、実施例1とは別の形態の前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rをそれぞれ備える一対の半割スラスト軸受8Aから構成されるスラスト軸受10Aについて説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一又は均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
(構成)
まず、構成について説明する。本実施例のスラスト軸受10Aの構成は、スラスト軸受10Aを構成する一対の半割スラスト軸受8Aの前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rの形状を除いて、実施例1と概ね同様である。
具体的には、本実施例の半割スラスト軸受8Aの後方側スラストリリーフ82Rの表面は平面によって構成されており、図7に示すように、スラストリリーフ長さL2は、径方向の内側端部で最小(L2I)であり、外側端部で最大(L2O)となるように構成されている。前方側スラストリリーフ82Fの表面もまた平面によって構成され、図7に示すように、スラストリリーフ長さL1が径方向の内側端部で最大(L1I)であり、外側端部で最小(L1O)となるように構成されている。
一方、他の関係、例えば内側端部におけるスラストリリーフ長さL1Iと長さL2Iの関係や、前方側スラストリリーフのスラストリリーフ深さRDと後方側スラストリリーフのスラストリリーフ深さRDの関係は実施例1と同様である。
実施例2のこの他の構成は実施例1と概ね同様であり、したがって実施例1と同様の作用効果を有している。
以下、図8〜10を用いて、実施例1及び2とは別の実施形態の前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rをそれぞれ備える一対の半割スラスト軸受8Bから構成されるスラスト軸受10Bについて説明する。なお、実施例1及び2で説明した内容と同一又は均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
(構成)
まず、構成について説明する。実施例3のスラスト軸受10Bの構成は、スラスト軸受10Bを構成する一対の半割スラスト軸受8Bの前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rの形状を除いて、実施例1と概ね同様である。
具体的には、本実施例の半割スラスト軸受8Bは、後方側スラストリリーフ82Rの表面が平面によって構成され、また図8に示すように、スラストリリーフ長さL2が、径方向の内側端部において最小で、外側端部で最大となるように構成されている。前方側スラストリリーフ82F表面もまた平面によって構成されており、そして図8に示すようにスラストリリーフ長さが径方向の内側端部において最小で、外側端部で最大となるように構成されている。
図9は、図8の矢視Y2方向から見た上側の半割スラスト軸受8Bのクランク軸の回転方向後方側の周方向端面83を示し、図10は、図8の矢視Y3方向から見た下側の半割スラスト軸受8Bのクランク軸の回転方向前方側の周方向端面83を示す。本実施例の半割スラスト軸受8Bでは、実施例1及び2と異なり、図9及び10に示すように後方側のスラストリリーフ82R及び前方側のスラストリリーフ82Fは、周方向端面83、83において、摺動面81からのスラストリリーフ深さRDが、内側端部で最大(RD1)で、外側端部で最小(RD2)である。この場合も、前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ深さRDは、周方向端面83の径方向の全長に亘って互いに整合するようになされている。なお、図8に示す上側のスラスト軸受8Bの前方側のスラストリリーフ82F及び下側の半割スラスト軸受8Bの後方側のスラストリリーフ82Rも同様の構成である。
スラストリリーフ82R、82Fの具体的な寸法として、乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)に使用する場合、スラストリリーフ82R、82Fの内側端部でのスラストリリーフ深さRD1、並びにスラストリリーフ長さL1及び長さL2は、実施例1と同様であり、一方、外側端部でのスラストリリーフ深さRD2は、0.15〜0.5mmとすることができる。しかし、上述の寸法は一例に過ぎず、これらの範囲に限定されない。
なお、実施例3では、スラストリリーフ82R、82Fに流入した潤滑油が、スラストリリーフ82R、83Fの径方向の外側端部から外部へ流出し難くなり、摺動面へ供給されやすくなる。他の構成は、実施例1と概ね同様であり、実施例1と同様の作用効果を有する。
以下、図11〜13を用いて、実施例1〜3とは別の形態の前方側スラストリリーフ82Fと後方側スラストリリーフ82Rを備える一対の半割スラスト軸受8Cから構成されるスラスト軸受10Cについて説明する。なお、実施例1〜3で説明した内容と同一又は均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
(構成)
まず、構成について説明する。本実施例のスラスト軸受10Cの構成は、スラスト軸受10Cを構成する一対の半割スラスト軸受8Cの前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rの形状を除いて、実施例1と概ね同様である。
図12は、半割スラスト軸受8Cのクランク軸の回転方向後方側の周方向端面83付近を、内側(図11のY4矢視方向)から見た側面を示し、図13は、半割スラスト軸受8Cのクランク軸の回転方向の前方側の周方向端面83付近を、内側(図11のY4矢視方向)から見た側面を示す。
実施例4の半割スラスト軸受8Cでは、図11に示されるように、後方側スラストリリーフ82Rの表面は、摺動面81側に隣接する平面と、半割スラスト軸受8Cの周方向端面83に隣接し且つ摺動面81側から反対面(背面)側に向かって凹状に窪んでいる曲面(円弧面)とによって構成されており、スラストリリーフ長さL2は、内側端部において最小(L2I)で、外側端部へ向かって長くなるように構成されている。
また前方側スラストリリーフ82Fの表面は、摺動面81側から反対面(背面)側に向かって凹状に窪んでいる曲面(円弧面)によって構成され、またスラストリリーフ長さL1は、図11に示すように、内側端部と外側端部との間で一定に構成されている。
内側端部において、後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さL2と前方側スラストリリーフのスラストリリーフ長さL1の関係については、実施例1と同様である。
前方側スラストリリーフ82Fの周方向端面83でのスラストリリーフ深さRD及び後方側スラストリリーフ82Rの周方向端面83でのスラストリリーフ深さRDは、スラストリリーフの径方向の全長に亘って一定であり、また互いに整合するようになされている。なお、図11の右側に示される前方側スラストリリーフ82F及び後方側スラストリリーフ82Rも同様の構成である。
図12に示す後方側スラストリリーフ82Rの曲面部の長さL2’(半割スラスト軸受8Cの周方向端面83を含む平面から垂直方向に測った長さ)は、図13に示す前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さL1と概ね同じになされ、且つ内径端部と外径端部の間で一定である。後方側スラストリリーフ82Rの曲面部の内側端部における長さL2’は0.5〜3.5mmとすることができる。
後方側スラストリリーフ82Rの曲面部は、平面部と接続する位置での摺動面81からの深さRD’がスラストリリーフの径方向の全長に亘って一定となるよう形成されている。後方側スラストリリーフ82Rの曲面部の、平面部と接続する位置での摺動面81からの深さRD’は0.005mm〜0.1mmであることが好ましい。
図12及び13に示すように、後方側スラストリリーフ82Rの曲面部と前方側スラストリリーフの曲面は、同じ曲率半径Rの円弧面とすることができる。しかし、後方側スラストリリーフ82Rの曲面部及び前方側スラストリリーフの曲面は、これに限定されず、楕円弧面や自由曲面であってもよい。
後方側スラストリリーフ82Rの曲面部の長さL2’は、本実施例に限定されず、曲面部の長さが半割スラスト軸受の内側端部から外側端部へ向かって長くなるように、又は短くなるように構成されていてもよい。
また、図12に示す後方側のスラストリリーフ82Rの摺動面81側の平面部は、図14に示すように背面側から摺動面側81に向かって凸状に隆起する曲率半径R2の曲面に変えてもよい。なお、図12では曲率半径R2の円弧面を示したが、これに限定されず、楕円弧面や自由曲面であってもよいことが理解されよう。
同様に、図12又は14に示す後方側のスラストリリーフ82Rの周方向端面83に隣接する曲面部は、平面に変更してもよい。さらに、後方側スラストリリーフ82Rの周方向端面83と隣接する曲面部又は平面部は、摺動面81側の曲面部又は平面部と接続する位置での摺動面81からの深さRD’が半割スラスト軸受8Cの内側端部から外側端部に向かって深くなるように、又は浅くなるように構成することもできる。
なお、前方側スラストリリーフ82Fの表面は、後方側スラストリリーフ82Rの周方向端面83に隣接する曲面部又は平面部と同様に構成されることが好ましい。
次に、図3〜6、19及び20を用いて、本発明のスラスト軸受を備える軸受装置1について説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一又は均等な部分の説明については同一の符号を付して説明する。
本実施例では、実施例1で説明したスラスト軸受10を備える軸受装置1について説明するが、これに限定されることなく、実施例2〜4のスラスト軸受10A〜10Cを備える軸受装置1であっても以下と同様の作用効果を有することに留意すべきである。
図5及び図6に示すように、本実施例の軸受装置1は、シリンダブロック2と軸受キャップ3とを有する軸受ハウジング4と、クランク軸のジャーナル部11を回転自在に支承する2つの半割軸受7、7と、クランク軸のスラストカラー12を介して軸線方向力を受ける2つのスラスト軸受10(4つの半割スラスト軸受8)とを有している。
軸受ハウジング4を構成するシリンダブロック2及び軸受キャップ3には、それらの接合箇所に、一対の半割軸受7、7を保持する保持孔としての軸受孔5が貫通形成されている。
半割軸受7は、内周面の周方向両端部にクラッシュリリーフ73、73を備えている。またシリンダブロック2の側に配置される半割軸受7は、図19及び20に示すように幅方向(軸線方向)の中央近傍に周方向に沿って形成された潤滑油溝71と、内周面側の潤滑油溝71から外周面に貫通する貫通孔72とを有している。
一対の半割軸受7、7の軸線方向の各側には、一対の半割スラスト軸受8、8からなるスラスト軸受10が配設される。半割スラスト軸受8は半円環形状に形成され、半割軸受7の外径と半割スラスト軸受8の外径とは略同心に配置され、また半割軸受7の周方向両端面を通る水平面と半割スラスト軸受8の周方向両端面を通る水平面とは略平行に配設される。
したがって、図5に示すように、半割軸受7のクラッシュリリーフ73と半割スラスト軸受8のスラストリリーフ82とは一対一で対応している。
実施例1で説明したように、半割スラスト軸受8においては、後方側スラストリリーフ82Rの内側端部のスラストリリーフ長さL2が、前方側スラストリリーフ82Fの内側端部のスラストリリーフ長さL1よりも大きくなれている。
このため、本実施例では、図5に示すように、一対のスラスト軸受8の周方向端面同士の突合せ部に前方側スラストリリーフ82Fと後方側スラストリリーフ82Rによって形成されるスラストリリーフ隙間S(スラスト軸受10の径方向内側から見たときの前方側スラストリリーフ82Fの表面と、後方側スラストリリーフ82Rの表面と、摺動面81の仮想延長面とによって囲まれる隙間)の内側端部での長さの中央位置は、一対の半割軸受7のクラッシュリリーフ73の表面と半割軸受7の内周面75の仮想延長面とによって囲まれるクラッシュリリーフ隙間の中央位置に対して、クランク軸の回転方向の前方側に偏移している。
また上述したスラストリリーフ長さL1とスラストリリーフ長さL2の関係に加えて、本実施例のスラスト軸受10を構成する一対の半割スラスト軸受8は半割軸受7に対して以下のような関係にある。
すなわち、本実施例の半割スラスト軸受8では、後方側スラストリリーフ82Rの内側端部でのスラストリーフ長さL2が、対応する半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLよりも大きい。
また本実施例の半割スラスト軸受8では、前方側スラストリリーフ82Fの内側端部でのスラストリリーフ長さL1が、対応する半割軸受7のクラッシュリリーフ73のスラッシュリリーフ長さCL(図19)よりも小さい。
ここで、クラッシュリリーフ73の「クラッシュリリーフ長さCL」とは、半割スラスト軸受8が配設される側の軸線方向端部での、後方側スラストリリーフ82Rの位置又は前方側スラストリリーフ82Fの位置に対応して配置されるクラッシュリリーフ73の長さを意味する(図5)。詳細には、クラッシュリリーフ長さCLは、半割軸受7の周方向両端面74、74が下端面となるように水平面上に置いたとき、この水平面からクラッシュリリーフ73の上縁までの高さである(図19)。なお、半割軸受7の周方向端部の両側のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さは同じである。また実施例とは異なり、半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さは、半割軸受7の軸線方向に変化していてもよい。
以下、本発明の作用について説明する。
半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から外部へ流出した直後の潤滑油は、回転するクランク軸のジャーナル部の表面に付随して周方向に流れていたため、クランク軸11の回転方向の前方側へ移動しようとする慣性力により、図18A及び18Bに示すように一方の半割スラスト軸受8の周方向端面と他方の半割スラスト軸8の周方向端面の突合せ部(当接部)の位置より、クランク軸の回転方向前方側へ向かって流れる(破線矢印)。
本実施例の軸受装置1のスラスト軸受10は、一対の半割スラスト軸受8、8を有し、半割スラスト軸受8の後方側スラストリリーフ82Rのスラストリリーフ長さL2が前方側スラストリリーフ82Fのスラストリリーフ長さL1よりも長い。さらに、半割スラスト軸受8は、後方側スラストリリーフ82Rの内側端部でのスラストリーフ長さL2が、対応する半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLよりも長く、また前方側スラストリリーフ82Fの内側端部でのスラストリリーフ長さL1が、対応する半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLよりも短い。この構成によれば、一方の半割スラスト軸受8の前方側スラストリリーフ82Fの表面と、他方の半割スラスト軸受8の後方側スラストリリーフ82R表面と、摺動面81を前方側スラストリリーフ82F表面及び後方側スラストリリーフ82R表面上まで延長してできる仮想摺動面とによって囲まれるスラストリリーフ隙間S(図18B参照)の内側端部における長さの中央が、一方の半割スラスト軸受8の周方向端面83と他方の半割スラスト軸8の周方向端面83の突合せ部(当接部)よりクランク軸11の回転方向前方側に位置する。このため半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出し、一対の半割スラスト軸受8の周方向端面83、83同士の突合せ部(当接部)の位置よりもクランク軸11の回転方向前方側へ向かって流れる潤滑油はスラストリリーフ隙間Sに多量に流入し、摺動面81へ送られることができる。
内燃機関の運転時、特にクランク軸が高速回転する運転条件ではクランク軸に撓み(軸線方向の撓み)が発生してクランク軸の振動が大きくなり、この大きな振動によって、クランク軸にはスラスト軸受10の摺動面81へ向かう軸線方向力fが周期的に発生する。スラスト軸受10の摺動面81は、この軸線方向力fを受ける。
本発明の軸受装置1のスラスト軸受10は、クランク軸の軸線方向力fが作用しても、上述のように一対の半割軸受7のクラッシュリリーフ隙間から流出した潤滑油は、スラスト軸受10の回転前方側スラストリリーフ82Fと回転後方側スラストリリーフ82Rにより形成されるスラストリリーフ隙間Sに多量に流入しやすく、この多量の潤滑油が摺動面81へ送られる。スラスト軸受10の摺動面81は、多量の潤滑油が供給されることで、クランク軸のスラストカラー12面と直接に接触しにくくなる。また本発明の軸受装置1のスラスト軸受10は、摺動面81の面積が減少していないので、クランク軸の軸線方向の負荷を受ける(支える)能力も高いままである。
半割軸受7のクラッシュリリーフ73の具体的な寸法として、乗用車用等の小型内燃機関のクランク軸(ジャーナル部の直径が30〜100mm程度)の場合、例えば、端面74における、摺動面75をクラッシュリリーフ上に延長させた仮想の延長面からのクラッシュリリーフ73の深さは0.01〜0.1mmであり、またクラッシュリリーフ長さCLは3〜7mmである。
また、半割スラスト軸受8の後方側スラストリリーフ82Rの内側端部でのスラストリリーフ長さL2は、対応する位置にある半割軸受7のクラッシュリリーフのクラッシュリリーフ長さCLに関して、式:L2≧1.5×CLを満たしていることが好ましい。さらに、半割スラスト軸受8の前方側スラストリリーフ82Fの内側端部でのスラストリリーフ長さL1は、対応する位置にある半割軸受7のクラッシュリリーフ73のクラッシュリリーフ長さCLに関して、式:L1≦1.5×CLを満たしていることが好ましい。
本実施例では、半割軸受7と半割スラスト軸受8が分離しているタイプのスラスト軸受10を用いた軸受装置1について説明したが、本発明はこれに限定されず、半割軸受7と半割スラスト軸受8が一体化したタイプのスラスト軸受10を用いる軸受装置1も含む。
以上、図面を参照して、本発明の実施例1〜5を詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば図15に示すように、位置決め及び回転止めのために、半径方向外側に突出する突出部を備える半割スラスト軸受を用いるスラスト軸受に本発明を適用することもできる。また、半割スラスト軸受の円周方向長さは、実施例1に示す半割スラスト軸受8等よりも所定の長さS1だけ短くすることもできる。また半割スラスト軸受8は、周方向端面近傍において内周面を半径Rの円弧状に切り欠くこともできる。
このように半径Rの円弧状切欠を形成した場合、スラストリリーフ82F、82Rのスラストリリーフ長さL1、L2やスラストリリーフ深さRDは、円弧状切欠を形成しなかった場合のスラストリリーフ82F、82Rの上縁の延長線及びスラストリリーフ82F,82の表面の延長面を基準とした長さ及び深さによって表わすことができる。
同様に、半割スラスト軸受8の摺動面側の径方向外側の縁部や内側の縁部には、周方向に亘って面取りを形成するもこともできる。その場合、内側端部及び外側端部におけるスラストリリーフ長さやスラストリリーフ深さは、面取りを形成しなかった場合の半割スラスト軸受の内径側端部及び外径側端部位置でのスラストリリーフ長さ及びスラストリリーフ深さによって表すことができる。
また誤組付け防止のため、図16に示すように一対の半割スラスト軸受8の2つの突合せ部のうち一方のみにおいて、それぞれの半割スラスト軸受8の周方向端面を傾斜端面83Bとして形成し、それにより傾斜端面同士の突合せ部とすることもできる。この場合、傾斜端面83Bは、傾斜していない他方の周方向端面を通る平面(事実上の半割平面H)に対して所定の角度θ3だけ傾斜して形成される。或いは、それぞれの周方向端面は、傾斜端面83Bに代えて、対応する凹凸形状等の他の形状であってもよい。
しかしいずれの場合も、スラストリリーフ長さL1、L2は、事実上の半割平面Hから、スラストリリーフ82RB、82FBの表面が摺動面81Bの内周縁と交わる点までの垂直方向の長さで定義されることが当業者には理解されよう。
また図17に示すように、半割スラスト軸受8Dの摺動面81に形成する油溝81aは、本発明の前方側スラストリリーフ82Fと後方側スラストリリーフ82Rを対にすることで突合せ部に形成される凹部182と同じ形状となるように摺動面81に形成することもできる。なお、本実施例では、1つの半割スラスト軸受に2つの油溝81aを摺動面81に形成しているが、本発明はこれに限定されず、1つ又は3つ以上の油溝を有していてもよい。なお、図17では、油溝81aは、例として図11に示したスラスト軸受10Cに形成されるスラストリリーフ隙間Sを有する形状の凹部にしたが、これに限定されるものではない。
また上述した実施例では、1つの軸受装置1につき、本発明のスラスト軸受10を2個使用する場合について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受ハウジングの軸線方向のいずれか一方の端面に本発明のスラスト軸受10を使用し、他方の端面には、従来又は他の構成を有するスラストリリーフを備えたスラスト軸受を使用することでも所望の効果を得ることができる。また本発明のスラスト軸受10は、スラスト軸受10を構成する半割スラスト軸受8が半割軸受7の軸線方向の一方の端面、又は両方の端面に一体に形成された軸受の対であってもよい。
さらに上記実施例では、裏金層、軸受合金層及び樹脂摺動層からなる半割スラスト軸受について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受合金層及び樹脂摺動層からなる半割スラスト軸受に変更してもよい。
L1 内側端部における前方側スラストリリーフ長さ
L2 内側端部における後方側スラストリリーフ長さ
CL クラッシュリリーフ長さ
RD スラストリリーフ深さ
RD1 内側端部におけるスラストリリーフ深さ
RD2 外側端部におけるスラストリリーフ深さ
1 軸受装置
4 軸受ハウジング
7 半割軸受
8、8A〜8D 半割スラスト軸受
10 スラスト軸受
10A〜10D スラスト軸受
11 ジャーナル部
14 裏金層
16 軸受合金層
18 樹脂摺動層
73 クラッシュリリーフ
74 端面
75 摺動面
81 摺動面
81a 油溝
82F 前方側スラストリリーフ
82R 後方側スラストリリーフ
83 端面
86 溝部

Claims (14)

  1. 内燃機関のクランク軸の軸線方向力を受けるためのスラスト軸受であって、
    前記スラスト軸受は、一対の半円環形状の半割スラスト軸受を有し、前記一対の半割スラスト軸受は、それぞれの周方向端面を互いに突き合わせることによって円環形状を形成し、
    前記各半割スラスト軸受は、軸受合金層及び樹脂摺動層、又は裏金層、軸受合金層及び樹脂摺動層を有し、前記樹脂摺動層は軸線方向力を受ける摺動面を構成し、
    前記半割スラスト軸受は、前記軸線方向力を受ける摺動面の周方向両端部に隣接して、前記半割スラスト軸受の壁厚が前記周方向端面に向かって薄くなるように形成されたスラストリリーフを有し、
    一方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフの内側端部でのスラストリリーフ長さが、他方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフの内側端部でのスラストリリーフ長さより大きく、また
    前記各半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフのスラストリリーフ長さが、該スラストリリーフの内側端部で最小であり、外側端部へ向かって大きいことを特徴とするスラスト軸受。
  2. 前記一方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフの周方向端面におけるスラストリリーフ深さと、前記他方の半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフの周方向端面におけるスラストリリーフ深さとが、前記一対の半割スラスト軸受の前記周方向端面同士の突合せ部の径方向の全長に亘って互いに一致していることを特徴とする請求項1に記載のスラスト軸受。
  3. 前記各スラストリリーフの前記周方向端面におけるスラストリリーフ深さが、該スラストリリーフの径方向の全長に亘って一定であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスト軸受。
  4. 前記各スラストリリーフの前記周方向端面におけるスラストリリーフ深さが、該スラストリリーフの内側端部で最大であり、外側端部へ向かって浅くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスト軸受。
  5. 記各半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフのスラストリリーフ長さが、該スラストリリーフの内側端部から外側端部まで一定であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  6. 前記各半割スラスト軸受の少なくとも前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフが、平面又は曲面からなることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  7. 前記各半割スラスト軸受の少なくとも前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフが、2つの平面部、2つの曲面部、又は平面部及び曲面部からなることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  8. 前記各半割スラスト軸受の前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフが、前記半割スラスト軸受の周方向端面と隣接する第1曲面部と、前記摺動面と隣接する平面部とからなり、前記第1曲面部は、径方向から見て、摺動面側から背面側に向かって凸状の曲面であることを特徴とする請求項に記載のスラスト軸受。
  9. 前記各半割スラスト軸受の前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフが、前記半割スラスト軸受の周方向端面と隣接する第1曲面部と、前記摺動面と隣接する第2曲面部とからなり、前記第1曲面部は、径方向から見て、摺動面側から背面側に向かって凸状の曲面であり、また前記第2曲面部は、前記背面側から前記摺動面側に向かって凸状の曲面であることを特徴とする請求項に記載のスラスト軸受。
  10. 内燃機関のクランク軸と、
    前記クランク軸のジャーナル部を支承する一対の半割軸受であって、各半割軸受の内周面に、その周方向両端部に隣接してクラッシュリリーフが形成された一対の半割軸受と、
    前記一対の半割軸受を保持する保持孔が貫通形成された軸受ハウジングと、
    請求項1からまでのいずれか一項に記載のスラスト軸受であって、前記軸受ハウジングの軸線方向端面に配置される少なくとも1つスラスト軸受と
    を有する軸受装置。
  11. 前記各半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフは、内側端部におけるスラストリリーフ長さが、前記半割軸受の対応する軸線方向端部における前記クラッシュリリーフのラッシュリリーフ長さよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の軸受装置。
  12. 前記クランク軸の回転方向後方側の前記スラストリリーフの内側端部におけるスラストリリーフ長さをL2とし、前記半割軸受の対応する軸線方向端部における前記クラッシュリリーフのラッシュリリーフ長さをCLとしたとき、式:L2≧CL×1.5を満たすことを特徴とする請求項11に記載の軸受装置。
  13. 前記各半割スラスト軸受の、前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフは、内側端部におけるスラストリリーフ長さが、前記半割軸受の対応する軸線方向端部における前記クラッシュリリーフのクラッシュリリーフ長さよりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の軸受装置。
  14. 前記クランク軸の回転方向前方側の前記スラストリリーフの内側端部におけるスラストリリーフ長さをL1とし、前記半割軸受の対応する軸線方向端部における前記クラッシュリリーフのラッシュリリーフ長さをCLとしたとき、式:L1≦CL×1.5を満たすことを特徴とする請求項13に記載の軸受装置。
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