JP2017180584A - ワッシャ - Google Patents

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祥宏 ▲濱▼本
祥宏 ▲濱▼本
Yoshihiro Hamamoto
晋也 新崎
Shinya Nizaki
晋也 新崎
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Abstract

【課題】自身が回転可能であって、表裏各面で摺動する2つの相手部材がそれぞれ回転するときに、いずれか一方の面で油膜圧力が向上し、摩擦抵抗が抑制されるワッシャを提供する。【解決手段】相手部材8aが矢印D2方向に回転する。ワッシャ1は、相手部材8aの回転に伴って矢印D1方向に回転する。テーパ部12aと相手部材8aとの隙間には、ワッシャ本体から見て−θ方向に潤滑油が流れ、−θ方向に徐々に狭くなる領域Raに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」が生じ、第1面10aと相手部材8aとの隙間の圧力は上昇する。一方、テーパ部12bと相手部材8bとの隙間には、ワッシャ本体から見て+θ方向に潤滑油が流れ、+θ方向に徐々に広くなる領域Rbに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」とは逆の効果が生じ、第2面10bと相手部材8bとの隙間の圧力は下降する。【選択図】図4

Description

本発明は、表裏の両面で他の部材と摺動するワッシャに関する。
自動車のエンジンや光ディスクドライブなどで利用されるスラスト荷重を受ける摺動部材には、例えば遊星歯車機構などのように表裏の両面で他の部材(相手部材)と摺動するものがあり、さらに相手部材が正逆両方に回転し得るものもある。これらの摺動部材において摩擦抵抗を低減することが求められている。
例えば、特許文献1には、回転軸に取り付けられ回転軸に対して垂直でかつ互いに平行な一対の円形部材を有するスラストランナと、一対の円形部材の間に設置され回転軸の回転時に円形部材が接触するとともに、両面に周方向に沿ってテーパ部およびランド部が連続して形成されたスラスト軸受板と、スラスト軸受板の両面に形成された給油口と、スラスト軸受板の内部に形成され外部潤滑油供給装置からの潤滑油を給油口に導く給油流路と、を備え、給油口の周縁の一部がランド部の終端に接して設けられているスラスト軸受装置が開示されている。
特開2002−349551号公報
ところでこのような表裏両面が摺動する摺動部材には潤滑油を用いたワッシャがあり、この潤滑油の量を抑制しつつ、摩擦抵抗を減じるために、摺動面にテーパ部を設けたものもある。テーパ部とは、相手部材との隙間が周方向に沿って狭くなるように、軸を垂線とする平面に対して傾斜している部分である。摺動する他の部材やワッシャ自体の回転に伴って、これらに付着した潤滑油をこの隙間の狭くなる方向に誘導することで、いわゆるくさび効果が生じ、摩擦抵抗が抑制される。
一方、特許文献1に記載された技術は、表裏両面が摺動面となるスラスト軸受板に関する技術であるが、このスラスト軸受板はハウジングに固定されたものであり、また、表裏両面に摺動する相手部材は一体のスラストランナである。したがって、この技術においてスラスト軸受板そのものが回転することはなく、その表裏両面に摺動する相手部材の回転方向が異なることもなかった。
これに対し本発明は、自身が回転可能であって、表裏各面で摺動する2つの相手部材がそれぞれ回転するときに、いずれか一方の面で油膜圧力が向上し、摩擦抵抗が抑制されるワッシャの技術に関する。
本発明は、環状に形成された板の第1面および第2面でそれぞれ他の部材と摺動するワッシャ本体と、前記第1面に設けられた第1ランド部と、前記第1面において前記第1ランド部の周方向における一方の側に隣接して設けられ該第1ランド部に対して該周方向において傾斜して該第1ランド部よりも軸方向に窪んだ領域を形成する第1テーパ部と、前記第2面に設けられた第2ランド部と、前記第2面において前記第2ランド部の前記周方向における前記一方の側と同一側に隣接して設けられ該第2ランド部に対して該周方向において傾斜して該第2ランド部よりも軸方向に窪んだ領域を形成する第2テーパ部と、を有することを特徴とするワッシャを提供する。
本発明において、前記ワッシャ本体が前記第1面および前記第2面でそれぞれ他の部材と摺動することにより前記第1テーパ部において正圧が生じるとき、前記第2テーパ部において負圧が生じるとよい。
本発明において、前記第1ランド部の、前記周方向における前記一方の側と反対の側には、前記第1テーパ部よりも該第1ランド部に対する傾斜角が大きい領域が隣接し、前記第2ランド部の、前記周方向における前記一方の側と反対の側には、前記第2テーパ部よりも該第2ランド部に対する傾斜角が大きい領域が隣接するとよい。
本発明において、前記第1ランド部と前記第2ランド部とが、前記軸方向から見て同じ位置に設けられ、前記第1テーパ部と前記第2テーパ部とが、前記軸方向から見て同じ位置に設けられているとよい。
本発明において、前記第1ランド部と前記第2ランド部とが、前記軸方向から見て異なる位置に設けられ、前記第1テーパ部と前記第2テーパ部とが、前記軸方向から見て異なる位置に設けられているとよい。
本発明によれば、自身が回転可能であって、表裏各面で摺動する2つの相手部材がそれぞれ回転するときに、いずれか一方の面で油膜圧力が向上し、摩擦抵抗が抑制されるワッシャを提供することができる。
本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す概要図。 ワッシャ1を第1面10aの側から見た図。 軸Oを中心とした円に沿ってワッシャ1を切断した断面Sを示す図。 ワッシャ1がいずれか一方の相手部材に近づく機構を説明するための図。 ランド部11aおよびテーパ部12aにおける潤滑油の圧力分布を示す図。 ランド部11bおよびテーパ部12bにおける潤滑油の圧力分布を示す図。
1.実施形態
図1は、本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す概要図である。ワッシャ1は、環状に形成された平板の部材であるワッシャ本体を有する。ワッシャ本体は表裏に互いに平行な端面を有する。ワッシャ本体の一方の端面を第1面10aと呼び、他方の端面を第2面10bと呼ぶ。ワッシャ1は、これら2つの端面でそれぞれ他の部材(相手部材という)と摺動し、その相手部材のスラスト荷重(軸方向に沿った荷重)を受ける。ワッシャ本体は、環の内側の面である内周面17と、外側の面である外周面18とを有する。なお、ワッシャ本体の材質には、スチールやブロンズ(例えばリン青銅)など様々な金属が好適に用いられる。
図2は、ワッシャ1を第1面10aの側から見た図である。図2において、ワッシャ1が配置される空間をxyz右手系座標空間として表し、座標記号のうち、円の中に点を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表す。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
図2に示す通り、ワッシャ本体の環の軸Oはz軸方向に沿って配置されている。第1面10aはワッシャ本体の+z方向の側であり、第2面10b(図2において図示せず)はワッシャ本体の−z方向の側である。内周面17は、軸Oから半径r0の距離にある面である。外周面18は、軸Oから半径r3の距離にある面である。
ワッシャ本体の内周面17には、複数の切欠部19が設けられている。図2に示すワッシャ1では、内周面17の3箇所にz軸方向から見て円弧状の切欠部19が設けられている。切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分は軸Oから距離r1だけ離れている。
第1面10aは、ランド部11a(第1ランド部)と、テーパ部12a(第1テーパ部)と、油溝13aとを有する。ランド部11aは、軸Oに垂直な面、すなわち、第1面10aに沿った部分である。テーパ部12aは、ランド部11aに対して周方向において傾斜している部分である。
図2に示す位相θは、xy平面上において軸Oを中心とした円周上の点の位置を示す値であり、軸Oからその点へ向いたベクトルと、+x方向のベクトルとが成す角度で表される。したがって、位相θは0度のときに+x方向を示し、90度のときに+y方向を示し、180度のときに−x方向を示し、270度のときに−y方向を示す。
ここで、ワッシャ1の断面によりランド部11a、テーパ部12a、および油溝13aのz軸方向の形状を説明する。
図3は、軸Oを中心としてxy平面上に描いた円に沿ってワッシャ1を切断した断面Sを示す図である。ワッシャ1を切断した断面Sはxy平面上において軸Oを中心とする半径r2の円に沿っている。ここで、半径r2の円とは、図1に示すように、軸Oを中心とする放射方向において「切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分」と「外周面18」とを結ぶ線分の中間点を通る円である。したがって、半径r2は、以下の式(1)によって算出される。
r2=(r1+r3)/2 …(1)
なお、切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分と外周面18との距離は、(r3−r1)であり、上述した円はこの中間点を通るので、この距離の半分を距離r4とすると半径r2は、以下の式(2)によっても表される。
r2=r1+r4 …(2)
半径r0,r2,r3、および距離r1,r4は、ワッシャ1が支える相手部材の大きさなどに応じて決められるが、例えば、r0=24.5mm、r1=26.5mm、r2=29.5mm、r3=32.5mm、r4=3.0mmなどである(この例は図2のワッシャ1の寸法を示すものではない)。
図3には、z軸方向の位置を示す「z」と、位相θを示す「θ」とで構成されるzθ座標でこの断面Sを表した形状が示されている。ランド部11aは、z=0の平面から+z方向に厚みd1を有する。テーパ部12aは、ワッシャ1の周方向においてランド部11aの一方の側に隣接してそれぞれ設けられている。例えば図3に示す例においてテーパ部12aは、ランド部11aよりも位相θが大きい側(+θ側という)に隣接して設けられている。テーパ部12aは、周方向においてランド部11aの一方の側(ここでは+θ側)から厚みが減少するように傾斜した部分であり、その最も薄い部分はランド部11aを基準として、深さd2の窪みとなっている。つまり、テーパ部12aは、傾斜によりランド部11aよりもz軸方向に窪んだ領域を形成する。なお、深さd2は正の値であり、0mmおよび負の値にはならない。
油溝13aは、内周面17から外周面18にわたって潤滑油を通す溝である。油溝13aは、テーパ部12aの周方向においてランド部11aが隣接する側の反対側の端部に隣接していて、ランド部11aを基準としたその深さは深さd3である。深さd3は、深さd2よりも深い。
また、油溝13aは、ランド部11aの周方向においてテーパ部12aが隣接する側の反対側の端部にも隣接している。ランド部11aと、このランド部11aに隣接する油溝13aとが成す角は、このランド部11aと、このランド部11aに隣接するテーパ部12aとが成す角よりも大きい。すなわち、ランド部11aの、周方向における一方の側には、隣接してテーパ部12a設けられ、その反対の側には、テーパ部12aよりもランド部11aに対する傾斜角が大きい領域として、油溝13aが隣接している。図3に示す例で油溝13aはz軸方向に沿った2つの側面とこれらに挟まれるz軸方向に垂直な底面とを含むため、互いに隣接するランド部11aと油溝13a(の側面)とが成す角は90度である。
すなわち、周方向においてランド部11aに両側に隣接した各領域のランド部11aに対する傾斜角は異なる。この構成により、ワッシャ1の第1面10aと摺動する相手部材が正逆いずれの方向に回転するかに応じて、第1面10aと相手部材との間の圧力が変わる。
なお、図3において示される位置は相対的であり、実際には厚みd1>深さd3≫深さd2である。例えば、厚みd1=1.0mm(ミリメートル)、深さd3=0.2mm、深さd2=0.025mmである。
テーパ部12aおよび油溝13aは、ランド部11aよりも−z方向に凹んだ部位である。したがって、ランド部11aはテーパ部12aよりも+z方向に突出した部位であり、テーパ部12aよりも第1面10aと摺動する相手部材に近い部位である。油溝13aと、この油溝13aの周方向に隣接するテーパ部12aとは、第1凹部Uaに含まれる。
深さd2は、0.04mm以下であることが望ましく、0.01mm程度(例えば0.005mm以上0.015mm未満)であることが最も望ましい。
またこの断面において、ランド部11aは、周方向に沿って角度θ1にわたって存在し、テーパ部12aは、周方向に沿って角度θ2にわたって存在している。そして、この断面において油溝13aは、周方向に沿って角度θ3にわたって存在している。図3に示す例では、角度θ3は角度θ1よりも小さい。
テーパ比とは、1つのランド部11aと、このランド部11aに隣接する1つのテーパ部12aとの周方向に沿った範囲のうち1つのテーパ部12aが占める比率である。テーパ比kは、以下の式(3)で表される。
k=θ2/(θ2+θ1) …(3)
テーパ比は、0.5以上0.9以下であることが望ましく、0.6以上0.8以下であることがより望ましい。最も望ましいテーパ比は、0.7である。
第2面10bにも、ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bが設けられている。ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bは、大きさ、すなわち、周方向の長さとz軸方向の深さ、およびこれらの周方向における並び方などがそれぞれ、ランド部11a、テーパ部12a、および油溝13aと共通である。
つまり、ワッシャ1の第1面10aには、1つのランド部11a、このランド部11aの一方の側に隣接した1つのテーパ部12a、およびこのランド部11aの他方の側に隣接した1つの油溝13aからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに3つ設けられている。そして、ワッシャ1の第2面10bには、1つのランド部11b、このランド部11bの上述した周方向における一方の側と同一側に隣接した1つのテーパ部12b、およびこのランド部11bの上述した周方向における他方の側と同一側に隣接した1つの油溝13bからなる組が、第2面10bにおいて120度ごとに3つ設けられている。
すなわち、図2や図3に示す通り、例えば+z方向から見てランド部11aの反時計回り側(+θ側)にテーパ部12aが隣接し、ランド部11aの時計回り側(−θ側)に油溝13aが隣接する場合、+z方向から見てランド部11bの反時計回り側にテーパ部12bが隣接し、ランド部11bの時計回り側に油溝13bが隣接する。この構成により、ワッシャ1の表裏各面でそれぞれ相手部材が摺動すると、ワッシャ1は、いずれか一方の相手部材に近づく。
図4は、ワッシャ1がいずれか一方の相手部材に近づく機構を説明するための図である。図4に示す通り、ワッシャ1は、第1面10a(すなわち、+z方向の側の面)が相手部材8aと摺動し、第2面10b(すなわち、−z方向の側の面)が相手部材8bと摺動する。相手部材8bは図示しない筐体などに固定された部材であり、相手部材8aは正逆いずれの方向にも回転可能な部材である。図4に示す例では相手部材8aが矢印D2方向、すなわち、位相θの減少する方向(−θ方向という)に回転する。
ワッシャ1は、正逆いずれの方向にも回転可能となるように、内周面17(図1,2参照)を軸によって支持されている。ワッシャ1は、相手部材8aの回転に伴って−θ方向に回転する。すなわち、ワッシャ1は、相手部材8aによって供回りし、その回転速度は相手部材8aよりも低く、その回転方向は図4に示す矢印D1方向である。
このとき、テーパ部12aと相手部材8aとの隙間には、図4に示す通り、ワッシャ本体から見て−θ方向に潤滑油が流れ、−θ方向に徐々に狭くなる領域Raに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」が生じ、第1面10aと相手部材8aとの隙間の圧力は上昇する。
図5は、ランド部11aおよびテーパ部12aにおける潤滑油の圧力分布を示す図である。図5に示す通り、テーパ部12aはランド部11aに近づくほど圧力が上昇して正圧となっている。これにより、ワッシャ本体は、図4に示す矢印D3方向、すなわち、−z方向の力を受ける。
一方、テーパ部12bと相手部材8bとの隙間には、図4に示す通り、ワッシャ本体から見て+θ方向に潤滑油が流れ、+θ方向に徐々に広くなる領域Rbに潤滑油が流れこむ。これにより「くさび効果」とは逆の効果が生じ、第2面10bと相手部材8bとの隙間の圧力は下降する。
図6は、ランド部11bおよびテーパ部12bにおける潤滑油の圧力分布を示す図である。図6に示す通り、テーパ部12bはランド部11bから離れるほど圧力が下降して負圧となっている。これにより、ワッシャ本体は、図4に示す矢印D4方向、すなわち、−z方向の力を受ける。
このように、ワッシャ本体は、第1面10aが正圧となることによって図4に示す矢印D3方向の力を受け、第2面10bが負圧となることによって矢印D4方向の力を受けるので、相手部材8bに近づき密着する。そのため、ワッシャ1と相手部材8bとの相対的な回転速度の差は減少し、ワッシャ1と相手部材8aとの相対的な回転速度の差が増加する。これにより、ワッシャ1と相手部材8aとの隙間に生じる「くさび効果」は増大するので、この構成がない場合に比べて摩擦抵抗が減少する。
なお、相手部材8aが上述した矢印D2方向と反対の方向(+θ方向)に回転する場合、ワッシャ1も、相手部材8aによって+θ方向に供回りする。これにより、第1面10aと相手部材8aとの隙間には「くさび効果」とは逆の効果が生じ、圧力が下降する。一方、第2面10bと相手部材8bとの隙間には「くさび効果」が生じ、圧力が上昇する。したがって、ワッシャ本体の第1面10aが負圧に第2面10bが正圧になるため、ワッシャ1はこれらの両面から+z方向の力を受けて相手部材8aに近づき密着する。これにより、ワッシャ1と相手部材8aとの相対的な回転速度の差は減少し、ワッシャ1と相手部材8bとの相対的な回転速度の差が増加するため、ワッシャ1と相手部材8bとの隙間に生じる「くさび効果」が増大し、この構成がない場合に比べて摩擦抵抗が減少する。
また、図2に示す例では、ランド部11aとランド部11bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられ、テーパ部12aとテーパ部12bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられている。これにより、テーパ部12aおよびテーパ部12bがそれぞれ正圧または負圧になることによってワッシャ1を一方の相手部材へ近づける2つの力の作用点が互いに近くなり、摩擦抵抗が減少し易くなる。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、相手部材8aが−θ方向に回転してワッシャ本体が第1面10aおよび第2面10bでそれぞれ相手部材8a、8bと摺動することにより、テーパ部12aにおいて正圧が生じるとき、テーパ部12bにおいて負圧が生じていたが、これに限られない。すなわち、ワッシャ1の両面において相手部材との摺動があるときに、第1面10aの側と、第2面10bの側とで圧力差が生じ、ワッシャ1が圧力の少ない側に近づいていればよい。
2−2.変形例2
上述した実施形態において、周方向においてランド部11aの両側にそれぞれ隣接した各領域の傾斜角が異なっており、第2面10bのランド部11bも同様であったが、傾斜角が同じであってもよい。例えば、ランド部11aに隣接した2つの領域と、ランド部11aに対する傾斜角が同じであっても、その周方向の長さが異なっていればよい。この場合にも、ワッシャ1の第1面10aと摺動する相手部材が正逆いずれの方向に回転するかに応じて、潤滑油が第1面10aに沿って流れる方向が変わり、ランド部11aに隣接する2つの領域を周方向に沿って通過する順番と距離とが変わるので、第1面10aと相手部材との間の圧力が変わる。
2−3.変形例3
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには、1つのランド部11aと、このランド部11aの一方の側に隣接した1つのテーパ部12aと、このランド部11aの他方の側に隣接した1つの油溝13aとからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに3つ設けられ、第2面10bにおいても、これらに相当する構成が3つ設けられていたが、これらの組が端面に設けられる数は3つに限られない。これらの組は複数であれば、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
2−4.変形例4
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには油溝13aが、第2面10bには油溝13bがそれぞれ設けられていたが、油溝はいずれか一方の端面にだけ設けられていてもよい。また、油溝は、いずれの端面にも設けられなくてよい。油溝13aが設けられていない場合、テーパ部12aが第1凹部Uaを構成し、テーパ部12bが第2凹部Ubを構成していればよい。
2−5.変形例5
上述した実施形態において、ランド部11aとランド部11bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられ、テーパ部12aとテーパ部12bとがいずれもz軸方向から見て同じ位置に設けられていたが、これに限られない。ランド部11aとランド部11bとがいずれもz軸方向から見て異なる位置に設けられ、テーパ部12aとテーパ部12bとがいずれもz軸方向から見て異なる位置に設けられていてもよい。ここで「z軸方向から見て異なる位置」とは、z軸方向から見て重なる部分を有していてもよく、有していなくてもよい。つまり、設けられた位置の少なくとも一部が異なっていればよい。この場合であっても、第1面10aと第2面10bとに圧力差が生じ、ワッシャ1がいずれか一方の相手部材に近づくのであればよい。
2−6.変形例6
上述した実施形態において、切欠部19は、油溝13aまたは油溝13bに重ねて設けられていたが、これ以外の場所に設けられていてもよい。また、ワッシャ1は切欠部19を有していなくてもよい。例えば、内周面17に収容される軸との隙間を通って潤滑油が第1面10aと第2面10bとを行き来するように構成されていてもよい。また、油溝13aやテーパ部12aなどに、軸Oに沿った方向の孔が設けられていてもよい。これらの孔は、潤滑油を通す孔であるため、潤滑油は第1面10aと第2面10bとを行き来する。
1…ワッシャ
10a…第1面
10b…第2面
11a,11b…ランド部
12a,12b…テーパ部
13a,13b…油溝
17…内周面
18…外周面
19…切欠部
8a,8b…相手部材

Claims (5)

  1. 環状に形成された板の第1面および第2面でそれぞれ他の部材と摺動するワッシャ本体と、
    前記第1面に設けられた第1ランド部と、
    前記第1面において前記第1ランド部の周方向における一方の側に隣接して設けられ該第1ランド部に対して該周方向において傾斜して該第1ランド部よりも軸方向に窪んだ領域を形成する第1テーパ部と、
    前記第2面に設けられた第2ランド部と、
    前記第2面において前記第2ランド部の前記周方向における前記一方の側と同一側に隣接して設けられ該第2ランド部に対して該周方向において傾斜して該第2ランド部よりも軸方向に窪んだ領域を形成する第2テーパ部と、
    を有することを特徴とするワッシャ。
  2. 前記ワッシャ本体が前記第1面および前記第2面でそれぞれ他の部材と摺動することにより前記第1テーパ部において正圧が生じるとき、前記第2テーパ部において負圧が生じる
    ことを特徴とする請求項1に記載のワッシャ。
  3. 前記第1ランド部の、前記周方向における前記一方の側と反対の側には、前記第1テーパ部よりも該第1ランド部に対する傾斜角が大きい領域が隣接し、
    前記第2ランド部の、前記周方向における前記一方の側と反対の側には、前記第2テーパ部よりも該第2ランド部に対する傾斜角が大きい領域が隣接する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のワッシャ。
  4. 前記第1ランド部と前記第2ランド部とが、前記軸方向から見て同じ位置に設けられ、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部とが、前記軸方向から見て同じ位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のワッシャ。
  5. 前記第1ランド部と前記第2ランド部とが、前記軸方向から見て異なる位置に設けられ、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部とが、前記軸方向から見て異なる位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のワッシャ。
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