JP2017180594A - ワッシャ - Google Patents

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Abstract

【課題】片当たりを防止する。【解決手段】ワッシャ1は、環状に形成された平板の部材であるワッシャ本体を有する。ワッシャ本体は平板であり、表裏に互いに平行な端面を有する。ワッシャ本体の一方の端面を第1面10aと呼ぶ。第1面10aは、内周面17から外周面18にわたって潤滑油を通す油溝13aを有する。第1面10aのうち油溝13aを除く領域には+z方向に突出した第2ランド部11aと、第2ランド部11aの周方向の両側に隣接しこの周方向に沿って第2ランド部11aから離れるほど高さが減少するように傾斜する2つのテーパ部12aとが設けられている。テーパ部12aは、クラウニング処理が施されることにより、径方向に沿ってテーパ部12a、第1ランド部14a、および第2傾斜部15aに分割されている。これにより、テーパ部12aは径方向に沿った断面において+z方向に凸形状に形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、他の部材と摺動するワッシャに関する。
自動車のエンジンなどで利用される摺動部材には、他の部材(相手部材)と摺動する摺動面でスラスト荷重を受けるものがある。この摺動部材において低速回転時でも油膜圧力を向上させることが求められている。
例えば、特許文献1には、放射状に形成された給油溝によりスラスト受面が扇形の複数のスラストパッド面に分割されており、スラストパッド面には、周縁に沿って所定幅および一定の所定高さに突出し、前側の給油溝に向けて開口するコ字状の第1凸部が形成されたスラストすべり軸受が開示されている。
特開2013−148136号公報
特許文献1に記載のスラストパッド面構造は、前側の給油溝に向けて開口するコ字状の第1凸部が形成されているものであり、径方向に傾斜していない。そのため、軸受の姿勢が軸に対して傾く場合がある起動時などにおいて、軸受の一部が相手部材と強く接触する、いわゆる片当たりが生じることがある。
これに対し本発明は、片当たりを防止するワッシャを提供する。
本発明は、環状に形成され、軸方向の端面で他の部材と摺動するワッシャ本体と、前記端面に設けられ、前記軸方向に隆起した第1ランド部と、前記端面において、前記第1ランド部の径方向における内側に隣接し該径方向に沿って該内側に進むほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する第1傾斜部と、前記端面において、前記第1ランド部の前記径方向における外側に隣接し該径方向に沿って該外側に進むほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する第2傾斜部と、を有し、前記第1傾斜部のうち最も内側の部位は、前記軸方向の高さが、前記第2傾斜部の最も外側の部位よりも高いことを特徴とするワッシャを提供する。
本発明は、前記端面において、周方向および前記径方向に沿って、軸方向の高さがほぼ変わらない第2ランド部と、前記第2ランド部の前記周方向に隣接し該周方向に沿って該第2ランド部から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜するテーパ部と、を有し、前記第1ランド部、前記第1傾斜部、および前記第2傾斜部は、前記テーパ部に設けられてもよい。
本発明において、前記第2ランド部は、前記ワッシャ本体の内周面に隣接してもよい。
本発明において、前記テーパ部は、1つの前記第2ランド部の前記周方向の両側にそれぞれ隣接してもよい。
本発明において、前記第1ランド部は、前記第2ランド部よりも前記軸方向の高さが低い部分を有してもよい。
本発明において、前記ワッシャ本体は、前記軸方向両側の端面でそれぞれ他の部材と摺動し、前記各端面には、前記第1ランド部、前記第1傾斜部、および前記第2傾斜部がそれぞれ設けられてもよい。
本発明において、前記第2ランド部は、前記ワッシャ本体の材質と異なる材質により被覆されてもよい。
本発明において、前記第2傾斜部は、前記ワッシャ本体の材質と異なる材質により被覆されてもよい。
本発明において、前記第2傾斜部における前記軸方向の最高点と最低点との差は、前記第1傾斜部における該軸方向の最高点と最低点との差の5倍以上であってもよい。
本発明において、前記第1傾斜部は、前記径方向の長さが、前記第2傾斜部よりも長くてもよい。
本発明によれば、片当たりを防止することができる。
本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す斜視図。 ワッシャ1を第1面10aの側から見た図。 軸Oを中心とした円に沿ってワッシャ1を切断した断面Scを示す図。 径方向に伸びる線に沿ってワッシャ1を切断した断面Srを示す図。 第2ランド部11および第1ランド部14の高さの関係を例示する図。 第2ランド部11および第1ランド部14の高さの関係の別の例を示す図。
1.実施形態
図1は、本発明の実施形態に係るワッシャ1の一例を示す斜視図である。ワッシャ1は、環状に形成された平板の部材であるワッシャ本体を有する。ワッシャ本体は平板であり、表裏に互いに平行な端面を有する。ワッシャ本体の一方の端面を第1面10aと呼び、他方の端面を第2面10bと呼ぶ。なお、以下の説明では、第1面10a側の要素に符号aを、第2面10b側の要素に符号bを、それぞれ付加する。
ワッシャ1は、これら2つの端面で他の部材(相手部材という)と摺動し、その相手部材のスラスト荷重(軸方向に沿った荷重)を受ける。ワッシャ本体は、環の内側の面である内周面17と、外側の面である外周面18とを有する。なお、ワッシャ本体の材質には、スチールやブロンズ(例えばリン青銅)など様々な金属が好適に用いられる。
図2は、ワッシャ1を第1面10aの側から見た図である。図2において、ワッシャ1が配置される空間をxyz右手系座標空間として表し、座標記号のうち、円の中に点を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表す。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
図2に示す通り、ワッシャ本体の環の軸Oはz軸方向に沿って配置されている。第1面10aはワッシャ本体の+z方向の側であり、第2面10b(図2において図示せず)はワッシャ本体の−z方向の側である。内周面17は、軸Oから半径r0の距離にある面である。外周面18は、軸Oから半径r3の距離にある面である。
ワッシャ本体の内周面17には、複数の切欠部19が設けられている。図2に示すワッシャ1では、内周面17の6箇所に切欠部19が設けられている。切欠部19のうち最も軸Oから遠い部分は軸Oから距離r1だけ離れている。
第1面10aは、3つの油溝13aを有する。油溝13aは、内周面17から外周面18にわたって潤滑油を通す溝である。また、第1面10aのうち油溝13aを除く3つの領域には、図1に示すように1つの第2ランド部11aと、2つのテーパ部12a(第1傾斜部の一例)とがそれぞれ設けられている。
第2ランド部11aは、+z方向に突出した、軸Oにほぼ垂直な面である。そのため、第2ランド部11aは、周方向および径方向に沿って、軸方向の高さがほぼ変わらない。テーパ部12aは、第2ランド部11aの周方向の両側にそれぞれ隣接し、この周方向に沿って第2ランド部11aから離れるほど+z方向の高さ(以下単に「高さ」という)が減少するように傾斜する面である。
このテーパ部12aが第2ランド部11aの周方向の両側に隣接しているため、相手部材がワッシャ1に対して正逆いずれに回転したとしても、これに伴って流動する潤滑油はテーパ部12aにより相手部材との間に形成されるくさび状の隙間の狭くなる方向に誘導され、ワッシャ1にはくさび効果が生じる。
図2に示す位相θは、xy平面上において軸Oを中心とした円周上の点の位置を示す値であり、軸Oからその点へ向いたベクトルと、+x方向のベクトルとが成す角度で表される。したがって、位相θは0度のときに+x方向を示し、90度のときに+y方向を示し、180度のときに−x方向を示し、270度のときに−y方向を示す。
なお、図2において、内径r0は、ワッシャ1のテーパ部12aに相当する部分の内径を示している。距離r1は、軸Oから切欠部19の最深部までの距離を示している。外径r3は、ワッシャ1の外径を示している。これらの寸法は、ワッシャ1が支える相手部材の大きさなどに応じて決められるが、一例としては、r0=24.5mm、r1=26.5mm、r3=32.5mmである。
図3は、軸Oを中心としてxy平面上に描いた円に沿ってワッシャ1を切断した断面Scを模式的に示す図である。なお断面Scは、テーパ部12aを通る円筒状の曲面であるが、ここではこれを仮想的に平面に展開した図を示している。また、構造を明確にするため、図3においては寸法が誇張されている。
この例で、第2ランド部11aの高さはd1である。なお高さは、平面F0を基準として定義される。平面F0は、ワッシャ1の厚み方向における中心を通る面である。テーパ部12aは、隣接する第2ランド部11aに対して傾斜しているため、相手部材との間でくさび状の隙間を作る。油溝13aから供給された潤滑油は、この隙間に流入するためくさび効果が発生する。更にこの潤滑油が第2ランド部11aと相手部材との隙間に流入するため、くさび効果で発生した油膜圧力を第2ランド部11aが支える。これにより、摺動面における油膜圧力が増大する。またこの例では、第2ランド部11aから見て両側にテーパ部12aが設けられている。これら2つのテーパ部12aは、第2ランド部11aから見て互いに鏡像対称である。すなわち、テーパ部12aの最大深さは、2つのテーパ部12aにおいていずれもd2である。そのため、ワッシャ1が相手部材に対して時計回りに回転しても反時計回りに回転しても、「くさび効果」は同程度に発生する。すなわち、ワッシャ1は正逆両方向の回転に対応している。
油溝13aの深さは第2ランド部11aを基準としてd3である。深さd3は、高さd2よりも大きい(高さd2≪深さd3)。テーパ部12aは油溝13aに隣接しているため、ワッシャ1の回転方向に応じて、油溝13aからテーパ部12a、そして第2ランド部11aに向けて潤滑油が供給される。
なお、図3において示される位置は相対的である。実際には高さd1>深さd3≫高さd2である。一例としては、高さd1=1.0mm(ミリメートル)、深さd3=0.2mm、高さd2=0.025mmである。高さd2は、0.04mm以下であることが望ましく、0.01mm程度であることが最も望ましい。
また、この例では、第2面10bにも、第2ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bが設けられている。第2ランド部11b、テーパ部12b、および油溝13bは、周方向の長さとz軸方向の深さ、およびこれらの周方向における並び方、鏡像関係などがそれぞれ、第2ランド部11a、テーパ部12a、および油溝13aと共通である。
つまり、ワッシャ1の第1面10aには、+z方向に突出した第2ランド部11aと、周方向に沿って両側で第2ランド部11aから離れるほど高さが減少するように傾斜する2つのテーパ部12aと、この2つのテーパ部12aのいずれかに隣接した油溝13aからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに3つ設けられている。また、テーパ部12aは、径方向の内側から外側に沿って、テーパ部12a、第1ランド部14a、および第2傾斜部15aに分割されている。
そして、ワッシャ1の第2面10bには、−z方向に突出した第2ランド部11bと、周方向に沿って両側で第2ランド部11bから離れるほど−z方向の高さが減少するように傾斜する2つのテーパ部12bと、この2つのテーパ部12bのいずれかに隣接した油溝13bからなる組が、第2面10bにおいて120度ごとに3つ設けられている。また、テーパ部12bは、径方向の内側から外側に沿って、テーパ部12b、第1ランド部14b、および第2傾斜部15bに分割されている。
テーパ部12bにおいても相手部材との間にくさび状の隙間が生じるため、潤滑油が流入することによりいわゆるくさび効果が生じ、油膜圧力が上昇する。
なお、図3に示す例で、第2ランド部11aと第2ランド部11b(以下、これらを区別しない場合、単に「第2ランド部11」という)とは、それぞれの端面(第1面10a、第2面10b)で周方向における異なる位相に設けられており、テーパ部12aとテーパ部12b(以下、これらを区別しない場合、単に「テーパ部12」という)とは、それぞれの端面で周方向における異なる位相に設けられている。
また、油溝13aと油溝13b(以下、これらを区別しない場合、単に「油溝13」という)とは、それぞれの端面で周方向における異なる位相に設けられている。
特にこの実施形態において、第2面10bで第2ランド部11bが設けられた周方向の位置に、第1面10aでは油溝13aが設けられている。また、第1面10aで第2ランド部11aが設けられた周方向の位置に、第2面10bでは油溝13aが設けられている。
この構成はすなわち、相手部材との摺動面においてその相手部材からのz軸方向の距離が最も近い第2ランド部11の反対側に、油溝13が設けられているというものである。この構成では、油溝13では相手部材との距離があって相手部材からのスラスト荷重を受けないため、それぞれの端面で第2ランド部11がスラスト荷重を受ける作用点が周方向にズレている。そのため、ワッシャ本体は両端面で受けるスラスト荷重によりせん断力を受け易く、弾性変形する可能性が高くなり、その結果、例えばテーパ部12の傾斜角度が第2ランド部11に近くなる。つまり、テーパ部12と相手部材との隙間のくさび形状が弾性変形によってより鋭角になるから、くさび効果が向上する。
図4は、断面Srを示す図である。この断面は、第2ランド部11aおよび油溝13a以外の部分における、径方向に延びる線に沿った断面である。ワッシャ1を切断した断面Srはxy平面上において軸Oを中心として径方向に伸びるベクトルと軸Oに沿ったベクトルとで表される平面である。この断面Srは、xy平面において、位相θ=60度のベクトルに沿っている。この位相=60度には、テーパ部12aが存在する。したがって、図4には、位相=60度におけるテーパ部12aの径方向に沿った形状が示されている。
第1面10aのうち第2ランド部11aおよび油溝13a以外の部分は、径方向において3つの区画、すなわち、テーパ部12a、第1ランド部14a、および第2傾斜部15aに分割されている。図4に示す通り、この部分において、軸Oから見て、テーパ部12a、第1ランド部14a、および第2傾斜部15aは、この順で現れる。テーパ部12aと第1ランド部14aとの境界線、および第1ランド部14aと第2傾斜部15aとの境界線は、いずれもxy平面上において軸Oを中心とする円周上にある。第2傾斜部15aは、軸との接触を避ける目的で深い傾斜を設けるクラウニング処理が施される。
第1ランド部14aは、第1面10aに設けられ、断面Srにおいてテーパ部12aおよび第2傾斜部15aから見て+z方向に隆起した部分である。この例で、第1ランド部14aの高さは一様であり、かつ、第2ランド部11aと同じ高さである。
テーパ部12aは、第1面10aにおいて、径方向に沿って内側に進むほど(つまり、第1ランド部14aから離れるほど)高さが減少するように傾斜している部位である。さらに、テーパ部12aは、周方向において、第2ランド部11aから離れるほど高さが減少するよう傾斜している。すなわち、テーパ部12aは、径方向および周方向の2方向において傾斜している。
第2傾斜部15aは、第1面10aにおいて、径方向に沿って外側に進むほど(つまり、第1ランド部14aから離れるほど)高さが減少するように傾斜している部位である。
テーパ部12aのうち最も内側の部位は、高さが第1ランド部14aよりも深さd20だけ低くなっている。すなわち、テーパ部12aの+z方向の最低点は、高さ(d21−d20)である。そして、テーパ部12aの+z方向の最高点は、第1ランド部14aと同じ高さd21である。
また、第2傾斜部15aのうち最も外側の部位は、高さが第1ランド部14aよりも深さd22だけ低くなっている。すなわち、第2傾斜部15aの+z方向の最低点は、高さ(d21−d22)である。そして、第2傾斜部15aの+z方向の最高点は、第1ランド部14aと同じ高さd21である。
ここで、図4に示す通り、深さd22>深さd20である。つまり、テーパ部12aのうち最も内側の部位は、z軸方向(+z方向)の高さが、第2傾斜部15aの最も外側の部位よりも高い((d21−d20)>(d21−d22))。
なお、第2傾斜部15aにおける+z方向の最高点と最低点との差(図4において深さd22)は、テーパ部12aにおける+z方向の最高点と最低点との差(図4において深さd20)の5倍以上であってもよい(d22≧(5×d20))。
テーパ部12aは第1ランド部14aよりも軸Oに近い内側に存在し、内側に進むほど高さが減少するように傾斜しているため、相手部材と「くさび形状」の隙間を形成する。ワッシャ本体の内周面17に潤滑油が供給されると、相手部材やワッシャ1そのものの回転に伴う遠心力を受け、潤滑油は径方向の外側へ流動する。このとき、外側へ流動する潤滑油は上述した「くさび形状」の隙間に流入するため、くさび効果が発生し、さらにこの潤滑油が第1ランド部14aと相手部材との隙間に流入するので、くさび効果で発生した油膜圧力を第1ランド部14aが支える。これにより摺動面における油膜圧力が増大する。
また、第2傾斜部15aは第1ランド部14aよりも軸Oから遠い外側に存在し、外側に進むほど高さが減少するように傾斜しているため、ワッシャ1が軸Oに対して傾いたとしても、このクラウニングがされていない場合に比べて、ワッシャ本体の外周面18におけるエッジ部分が相手部材と摩擦する、いわゆる片当たりが起こり難い。
なお、この実施形態における第2ランド部11aは、第1ランド部14aと異なり内周面17に隣接している。したがって、第2ランド部11aと内周面17との間に介在する他の領域はない。
図5は、第2ランド部11aおよび第1ランド部14aの高さの関係を例示する図である。ここでは、ワッシャ1のうち(ア)第2ランド部11aを通る径方向の断面、(イ)テーパ部12aの第2ランド部11a寄りを通る径方向の断面、および(ウ)テーパ部12aの油溝13a寄りを通る径方向の断面における高さのプロファイルを示している。既に説明したように、この例では、第1ランド部14aの高さは一様であり、かつ、第2ランド部11aと同じで、d11である。テーパ部12aの深さ(第2ランド部11aとの高さの差)は第2ランド部11a寄りの部分でd12、油溝13a寄りの部分d13である(d12<d13)。
図6は、別の例に係る第2ランド部11aおよび第1ランド部14aの高さの関係を例示する図である。図5の例と異なり、この例では、第1ランド部14aの高さは一様ではなく、第2ランド部11aから離れるにつれ高さが低くなっている。第1ランド部14aと第2ランド部11aとの高さの差は、第2ランド部11a寄りの部分でd14、油溝13a寄りの部分d15である(d14<d15)。なお、テーパ部12aの深さは図5の例と同様である。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、油溝13a以外の領域には、第2ランド部11aおよびテーパ部12aがあったが、これ以外の構成があってもよい。例えば、テーパ部12aは周方向で第2ランド部11aと隣接する側とは反対側において油溝13aとの間に軸Oに対してほぼ垂直な面を有してもよい。
この構成であっても、テーパ部12aは、第2ランド部11aと隣接し、周方向に傾斜しているため、テーパ部12aと相手部材との成す角は比較的鋭角であり、テーパ部12aの表面を流れる潤滑油がこの傾斜に沿って相手部材との隙間が狭くなる方に誘導されて、くさび効果を奏する。
2−2.変形例2
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには、第2ランド部11aと、テーパ部12aと、油溝13aとからなる組が、第1面10aにおいて120度ごとに、全体で3つ設けられていたが、これらの組が端面に設けられる数は3つに限られない。これらの組は複数であれば、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
2−3.変形例3
上述した実施形態において、ワッシャ1の第1面10aには油溝13aが、第2面10bには油溝13bがそれぞれ設けられていたが、油溝13はいずれか一方の端面にだけ設けられていてもよい。また、油溝13は、いずれの端面にも設けられなくてよい。
2−4.変形例4
上述した実施形態において、1つの第2ランド部11aに隣接する2つのテーパ部12aは、第2ランド部11aを通り、軸Oを含む平面を鏡面として互いに鏡像対称であったが、鏡像対称でなくてもよい。この場合であっても、2つのテーパ部12aがいずれも隣接した第2ランド部11aから周方向に離れるほど高さが減少するように傾斜していれば、相手部材がワッシャ1に対して正逆いずれに回転したとしても、これに伴って流動する潤滑油は隙間の狭くなる方向に誘導されるため、くさび効果が生じる。
2−5.変形例5
上述した実施形態において、テーパ部12aは、1つの第2ランド部11aの周方向の両側に設けられていたが、片側だけに設けられていてもよい。この場合であっても、テーパ部12aと相手部材との隙間の狭くなる方向に潤滑油が誘導されるように相手部材が回転するのであれば、くさび効果が生じる。
2−6.変形例6
上述した実施形態において、各端面にそれぞれ設けられた第2ランド部11やテーパ部12は、それぞれの端面で周方向における異なる位相に設けられていたが、これらの位相は同じであってもよい。
また、ワッシャ1は、z軸方向両側の2つの端面、つまり、第1面10aおよび第2面10bの両方でそれぞれ他の部材と摺動していたが、いずれか一方の端面のみで他の部材と摺動してもよい。この場合、摺動する方の端面には、第1ランド部14a、テーパ部12a、および第2傾斜部15aが設けられていればよい。
2−7.変形例7
上述した実施形態において、切欠部19は、ワッシャ1の内周面17において、3つの第2ランド部11aおよび3つの第2ランド部11bに相当する合計6箇所にそれぞれ重ねて設けられていたが、ワッシャ1は切欠部19を有していなくてもよい。例えば、内周面17に収容される軸との隙間を通って潤滑油が第1面10aと第2面10bとを行き来するように構成されていてもよい。また、油溝13aやテーパ部12aなどに、軸Oに沿った方向の孔が設けられていてもよい。これらの孔は、潤滑油を通す孔であるため、潤滑油は第1面10aと第2面10bとを行き来する。
2−8.変形例8
第2ランド部11aは、被覆層によりコーティングされていてもよい。この被覆層は、ワッシャ本体の材質よりも静止摩擦係数が低いPTFE(polytetrafluoroethylene)、PAI(polyamide-imide)、PI(Polyimide)などの樹脂が好適に用いられる。ワッシャ本体の材質よりも静止摩擦係数が低い樹脂が第2ランド部11aにコーティングされていることにより、起動時に生じる摩擦が抑制される。
2−9.変形例9
第2傾斜部15aは、ワッシャ本体の材質よりも静止摩擦係数が低い材質で構成された被覆層によりコーティングされていてもよい。第2傾斜部15aは、起動時など回転が安定していないときに相手部材と接触している可能性が高い部位である。したがって、この構成によれば、起動時に生じる摩擦が抑制される。
2−10.変形例10
上述した実施形態において、第2ランド部11aは、内周面17に隣接していたが、内周面17との間に傾斜部を有していてもよい。例えば、第2ランド部11aは、第1ランド部14aと同様、径方向に沿って内側に進むほど高さが減少するように傾斜する第1傾斜部が、径方向における内側に隣接して設けられていてもよい。これにより第2ランド部11aにおいても径方向に流動する潤滑油により「くさび効果」が生じ、油膜圧力が増大する。
2−11.変形例11
上述した実施形態において、第1面10aは、第2ランド部11aと、この第2ランド部11aの周方向に隣接したテーパ部12aとが設けられていたが、周方向に沿ってこのようなテーパ/ランド構造を有していなくてもよい。
2−12.変形例12
テーパ部12aは、径方向の長さが第2傾斜部15aよりも長いように形成されていてもよい。この構成によれば、第2傾斜部15aの径方向の長さがテーパ部12aよりも長い場合に比べて、テーパ部12aに沿って径方向に潤滑油が流動する距離を長く確保できるため、くさび効果が発生し易く、油膜圧力が増大し易い。
1…ワッシャ
10a…第1面
10b…第2面
11a、11b…第2ランド部
12a、12b…テーパ部
13a、13b…油溝
14a、14b…第1ランド部
15a、15b…第2傾斜部
17…内周面
18…外周面
19…切欠部
O…軸

Claims (10)

  1. 環状に形成され、軸方向の端面で他の部材と摺動するワッシャ本体と、
    前記端面に設けられ、前記軸方向に隆起した第1ランド部と、
    前記端面において、前記第1ランド部の径方向における内側に隣接し該径方向に沿って該内側に進むほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する第1傾斜部と、
    前記端面において、前記第1ランド部の前記径方向における外側に隣接し該径方向に沿って該外側に進むほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜する第2傾斜部と、
    を有し、
    前記第1傾斜部のうち最も内側の部位は、前記軸方向の高さが、前記第2傾斜部の最も外側の部位よりも高い
    ことを特徴とするワッシャ。
  2. 前記端面において、周方向および前記径方向に沿って、軸方向の高さがほぼ変わらない第2ランド部と、
    前記第2ランド部の前記周方向に隣接し該周方向に沿って該第2ランド部から離れるほど前記軸方向の高さが減少するように傾斜するテーパ部と、
    を有し、
    前記第1ランド部、前記第1傾斜部、および前記第2傾斜部は、前記テーパ部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のワッシャ。
  3. 前記第2ランド部は、前記ワッシャ本体の内周面に隣接している
    ことを特徴とする請求項2に記載のワッシャ。
  4. 前記テーパ部は、1つの前記第2ランド部の前記周方向の両側にそれぞれ隣接している
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のワッシャ。
  5. 前記第1ランド部は、前記第2ランド部よりも前記軸方向の高さが低い部分を有する
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のワッシャ。
  6. 前記ワッシャ本体は、前記軸方向両側の端面でそれぞれ他の部材と摺動し、
    前記各端面には、前記第1ランド部、前記第1傾斜部、および前記第2傾斜部がそれぞれ設けられる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のワッシャ。
  7. 前記第2ランド部は、前記ワッシャ本体の材質と異なる材質により被覆されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のワッシャ。
  8. 前記第2傾斜部は、前記ワッシャ本体の材質と異なる材質により被覆されている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のワッシャ。
  9. 前記第2傾斜部における前記軸方向の最高点と最低点との差は、前記第1傾斜部における該軸方向の最高点と最低点との差の5倍以上である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のワッシャ。
  10. 前記第1傾斜部は、前記径方向の長さが、前記第2傾斜部よりも長い
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のワッシャ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7480373B1 (ja) 2023-01-31 2024-05-09 大同メタル工業株式会社 半割スラスト軸受

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