JP2017179119A - 熱硬化性化合物 - Google Patents

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晃司 中谷
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、短時間の加熱処理により超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性化合物を提供する。【解決手段】本発明の熱硬化性化合物は、下記式(1)で表される。下記式中、R1、R2は熱硬化性基を示す。D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。E1、E2は、同一又は異なって、エステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す。R1、R2としては、フェニルエチニル基、スチリル基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、及びオキセタン基からなる群より選択される基が好ましい。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性化合物、及びその硬化物に関する。
近年、半導体や回路基板分野の技術発展に伴い超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性化合物が求められている。
特許文献1〜3には、液晶オリゴマーの末端に、熱硬化性基としてのフェニルエチニル基、フェニルマレイミド−N−イル基、又はナジイミド−N−イル基を有する熱硬化性化合物が記載されている。
しかし、前記熱硬化性化合物を硬化させるためには高温で長時間加熱する必要があり、硬化時の加熱により、半導体や回路基板が劣化してしまうことが問題であった。
一方、特許文献4には、分子鎖末端にヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基を有する液晶ポリエステルと、ヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱硬化性基を有する化合物とを溶融混合して得られる熱硬化性ポリエステル組成物は、250℃以下の温度で熱硬化して、耐熱性に優れた硬化物が得られることが記載されている。
また、主骨格にナフタレン構造を有する熱硬化性化合物の硬化物は、耐熱性に優れることが知られており、主骨格にナフタレン構造を有し、熱硬化性基としてエポキシ基を有する化合物が知られている。しかし、主骨格にナフタレン構造を有し、熱硬化性基としてエポキシ基以外の基を有する化合物であって、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性化合物はあまり知られていない。
特表2004−509190号公報 米国特許第6939940号明細書 米国特許第7507784号明細書 国際公開第2014/050850号
前記特許文献4に記載の熱硬化性ポリエステル組成物は硬化性が悪く、架橋剤又は硬化促進剤を添加しても、熱硬化に長時間(例えば、4時間程度)を要するため、作業性が悪いことが問題であった。更に、短時間で硬化させる目的で300℃以上の高温で加熱すると、分解しやすいことも問題であった。
従って、本発明の目的は、硬化性に優れ、短時間の加熱処理により超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記熱硬化性組成物を使用する半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記製造方法で得られる半導体デバイスを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表される化合物は加熱により速硬化して、超耐熱性を有する硬化物、例えば、5%重量減少温度(Td5)が380℃以上である硬化物が得られることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される熱硬化性化合物を提供する。
Figure 2017179119
(式中、R1、R2は熱硬化性基を示す。D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。E1、E2は、同一又は異なって、エステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)
本発明は、また、式(1)中のR1、R2が、同一又は異なって、フェニルエチニル基、スチリル基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、及びオキセタン基からなる群より選択される熱硬化性基である前記の熱硬化性化合物を提供する。
本発明は、また、サーモトロピック液晶性を有する前記の熱硬化性化合物を提供する。
本発明は、また、前記の熱硬化性化合物を含む熱硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、前記の熱硬化性組成物の硬化物を提供する。
本発明は、また、前記の熱硬化性組成物を用いて半導体素子を封止する工程を有する半導体デバイスの製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の硬化物により半導体素子が被覆された構造を有する半導体デバイスを提供する。
上記構成を有する本発明の熱硬化性化合物は硬化性に優れ、架橋剤や硬化促進剤を使用せずとも、加熱処理を施すことにより速硬化して、超耐熱性を有する(例えば、5%重量減少温度(Td5)が380℃以上である)硬化物を形成することができる。そのため、本発明の熱硬化性化合物は半導体デバイスの封止剤等として好適に使用することができる。
[熱硬化性化合物]
本発明の熱硬化性化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 2017179119
式(1)中、R1、R2は熱硬化性基を示す。D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。E1、E2は、同一又は異なって、エステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す。
前記R1、R2における熱硬化性基としては、例えば、フェニルエチニル基、スチリル基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、及びオキセタン基等を挙げることができる。また、前記R1、R2は、それぞれ同じ基を示していてもよく、異なる基を示していてもよい。
前記R1、R2としては、なかでも、同一又は異なって、フェニルエチニル基、スチリル基、及びマレイミド基からなる群より選択される熱硬化性基が、サーモトロピック液晶性を有し、耐熱性に特に優れた硬化物が得られる点で好ましい。
式(1)中のD1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。前記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、2価の複素環式基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミド結合、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。
前記2価の炭化水素基には、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、及び2価の芳香族炭化水素基が含まれる。
前記2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、及び炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基等を挙げることができる。炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−メチルビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基等を挙げることができる。
前記2価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基等を挙げることができ、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
前記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜14のアリーレン基等を挙げることができ、例えば、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基等を挙げることができる。
前記2価の複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、環を構成する原子に炭素原子と少なくとも1種のヘテロ原子(例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子等)を有する3〜10員環(好ましくは4〜6員環)、及びこれらの縮合環を挙げることができる。具体的には、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキシラン環等の3員環;オキセタン環等の4員環;フラン環、テトラヒドロフラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等を挙げることができる。2価の複素環式基は上記複素環の構造式から2個の水素原子を除いた基である。
前記D1、D2としては、なかでも単結合又は2価の炭化水素基(より好ましくは2価の芳香族炭化水素基、特に好ましくは炭素数6〜14の2価の芳香族炭化水素基、最も好ましくは下記式(a1)〜(a4)で表される基から選択される基)が、特に優れた耐熱性を有する硬化物が得られる点で好ましい。尚、下記式中の結合手の付き位置は、特に制限されない。また、R1及びR2がマレイミド基である場合、D1、D2は1,4−フェニレン基以外の基であることが好ましい。
Figure 2017179119
式(1)中のR1−D1基、及びR2−D2基としては、同一又は異なって、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、オキセタン基、メチルマレイミド基、シンナモイル基、プロパルギルエーテル基、及び下記式(r-1)〜(r-12)で表される基から選択される基が好ましく、特に下記式(r-1)〜(r-12)で表される基から選択される基が好ましい。
Figure 2017179119
Figure 2017179119
前記式(1)で表される熱硬化性化合物が有する芳香族炭化水素環には1種又は2種以上の置換基が結合していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、及びハロゲン原子等を挙げることができる。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を挙げることができる。
前記炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
前記炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、t−ブチルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基を挙げることができる。
前記炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基を挙げることができる。
上記式(1)で表される熱硬化性化合物の分子量は、例えば350〜700、好ましくは400〜650である。そのため、熱硬化性に優れ、架橋剤や硬化促進剤を使用せずとも速やかに硬化物を形成することができる。一方、分子量が上記範囲を上回ると、硬化性が低下する傾向がある。尚、熱硬化性化合物の分子量は、例えば、GPC測定、HPLC測定、NMR測定等により求めることができる。
上記式(1)で表される熱硬化性化合物は、例えば、ヒドロキシル基及びカルボキシル基から選択される基を2個有するナフタレン(以後、「化合物(A)」と称する場合がある)1モルに、化合物(B)として、[1]化合物(A)がヒドロキシル基を2個有する場合は、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基と熱硬化性基とを備えた化合物、[2]化合物(A)がカルボキシル基を2個有する場合は、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基と熱硬化性基とを備えた化合物、[3]化合物(A)がヒドロキシル基とカルボキシル基を1個ずつ有する場合は、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基と熱硬化性基とを備えた化合物と、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基と熱硬化性基とを備えた化合物、約2モル(2種使用する場合はその総量)を反応(エステル化反応)させることにより製造することができる。
前記化合物(A)のナフタレン環には置換基が結合していてもよく、前記置換基としては、上記芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基と同様の例を挙げることができる。また、前記化合物(B)における熱硬化性基としては、上述の式(1)中の熱硬化性基と同様の例を挙げることができる。
上記式(1)で表される熱硬化性化合物の製造方法の1例を下記に示す。下記式中、X1、X2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基又はカルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基を示す。D1、D2、R1、R2、E1、E2は前記に同じ。
Figure 2017179119
ヒドロキシル基及びカルボキシル基から選択される基を2個有するナフタレン(A)としては、例えば、2,6−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール等のヒドロキシル基を2個有するナフタレン;1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等のヒドロキシル基とカルボキシル基を1個ずつ有するナフタレン;2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等のカルボキシル基を2個有するナフタレン等を挙げることができる。
前記化合物(B)[上記式中においては、式(R1−D1−X1)、及び式(R2−D2−X2)で表される化合物]において、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としてはカルボキシル基が好ましい。また、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としては、ヒドロキシル基が好ましい。従って、前記式中のR1、R2がフェニルエチニル基、D1、D2が単結合であり、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としてカルボキシル基を有する化合物(B)としては、例えば、フェニルプロパルギル酸等を挙げることができ、前記式中のR1、R2がフェニルエチニル基、D1、D2が単結合であり、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としてヒドロキシル基を有する化合物(B)としては、例えば、3−フェニルプロパルギルアルコール等を挙げることができる。また前記式中のR1、R2がフェニルエチニル基、D1、D2が1,4−フェニレン基であり、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としてカルボキシル基を有する化合物(B)としては、例えば、フェニルエチニル安息香酸等を挙げることができ、前記式中のR1、R2がフェニルエチニル基、D1、D2が1,4−フェニレン基であり、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成する官能基としてヒドロキシル基を有する化合物(B)としては、例えば、1−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセチレン等を挙げることができる。
上記化合物(A)と化合物(B)のエステル化反応は、例えば、(i)触媒の存在下で行う方法、(ii)縮合剤の存在下で行う方法、又は(iii)化合物(A)及び/又は化合物(B)におけるカルボキシル基をハロゲン化してからエステル化反応に付す方法等により行うことができる。
(i)における触媒としては、プロトン酸、ルイス酸の何れも使用できる。プロトン酸として、超強酸(SbF5、SbF5−HF、SbF5−FSO3H、SbF5−CF3SO3Hなど)、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化ホウ素酸、p−トルエンスルホン酸、クロロ酢酸、ピクリン酸、ヘテロポリ酸等の有機酸及び無機酸が挙げられる。また、ルイス酸として、例えば、B(OH)3、BF3、BF3O(C252、AlCl3、FeCl3等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
触媒の使用量(2種以上使用する場合はその総量)は、化合物(A)と化合物(B)の合計量(モル)に対して、例えば1〜50モル%である。
(ii)における縮合剤としては、例えば、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−p−トルエンスルホン酸塩等のカルボジイミド系縮合剤;N,N’−カルボニルジイミダゾール等のイミダゾール系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリド・n水和物、トリフルオロメタンスルホン酸(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)・(2−オクトキシ−2−オキソエチル)ジメチルアンモニウム等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
縮合剤の使用量(2種以上使用する場合はその総量)は、化合物(A)と化合物(B)の合計量(モル)に対して、例えば100〜300モル%である。
(iii)において、化合物(A)及び/又は化合物(B)のカルボキシル基をハロゲン化するのに用いられるハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、三塩化リン、臭化チオニル、三臭化リン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ハロゲン化剤の使用量は、化合物(A)及び/又は化合物(B)のカルボキシル基1モルに対して、例えば1〜3モルである。
(iii)においては、エステル化反応の進行に伴いハロゲン化水素が生成するため、生成したハロゲン化水素をトラップする塩基の存在下で反応を行うことが、エステル化反応の進行を促進する効果が得られる点で好ましい。前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記塩基の使用量は、化合物(A)及び/又は化合物(B)のカルボキシル基1モルに対して、例えば1〜3モル程度である。
また、上記エステル化反応は溶媒の存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、イソホロン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記溶媒の使用量としては、化合物(A)と化合物(B)の合計(重量)に対して、例えば5〜20重量倍程度である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
エステル化反応の反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
上記エステル化反応の反応温度は、例えば0〜200℃程度である。反応時間は、例えば0.5〜3時間程度である。また、エステル化反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
上記エステル化反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の熱硬化性化合物はサーモトロピック液晶性を示す。また、本発明の熱硬化性化合物は、高度に配向した状態で熱硬化して異方性を有する硬化物を形成することができ、得られる硬化物は超耐熱性を有する。尚、本発明の熱硬化性化合物がサーモトロピック液晶性を示すこと、及び硬化物が異方性を示すことは、偏光顕微鏡観察により確認することができる。
式(1)で表される熱硬化性化合物の融点(Tm)は、例えば350℃以下(例えば100〜350℃、好ましくは120〜340℃、特に好ましくは150〜330℃)である。そのため、比較的低い温度で溶融することができ、作業性に優れる。尚、融点は、例えば、DSC、TGA等の熱分析や動的粘弾性測定により測定できる。
式(1)で表される熱硬化性化合物の、昇温速度10℃/分(窒素中)で測定される5%重量減少温度(Td5)は、例えば250℃以上(例えば、250〜500℃)、より好ましくは300℃以上、特に好ましくは310℃以上である。尚、本明細書における5%重量減少温度は、例えば、TG/DTA(示差熱・熱重量同時測定)により測定できる。
また、式(1)で表される熱硬化性化合物の発熱ピーク温度は、例えば200〜400℃(好ましくは250〜390℃、特に好ましくは300〜390℃)である。尚、発熱ピーク温度は、例えば、DSCの熱分析により測定できる。
式(1)で表される熱硬化性化合物は、例えば200〜400℃(好ましくは250〜390℃、特に好ましくは300〜390℃)の温度で、例えば10〜120分間(好ましくは10〜60分間、特に好ましくは15〜60分間)加熱することにより、速やかに熱硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。尚、加熱は、上記温度範囲内において、温度を一定に保持した状態で行ってもよく、温度を段階的に変更して行ってもよい。加熱温度は、加熱時間に応じて、上記範囲の中で適宜調整することが好ましく、例えば、加熱時間の短縮を所望する場合は加熱温度を高めに設定することが好ましい。本発明の熱硬化性化合物は上記式(1)で表される構造を有するため、高温で加熱しても分解することなく硬化物(詳細には、超耐熱性を有する硬化物)を形成することができ、高温で短時間加熱することにより優れた作業性で効率よく硬化物を形成することができる。尚、加熱手段は特に制限されることがなく、公知乃至慣用の手段を利用することができる。
式(1)で表される熱硬化性化合物の硬化は、常圧下で行うこともできるし、減圧下又は加圧下で行うこともできる。
式(1)で表される熱硬化性化合物の硬化物の、昇温速度10℃/分(窒素中)で測定される5%重量減少温度(Td5)は、例えば350℃以上(例えば350〜550℃)、より好ましくは400℃以上、特に好ましくは450℃以上である。
また、式(1)で表される熱硬化性化合物の硬化物はガラス転移点を有していても、また、有していなくてもよいが、ガラス転移点を有する場合であっても、DSC測定において、例えば350℃(好ましくは380℃、特に好ましくは400℃)までの温度範囲にガラス転移点は検出されない。従って、式(1)で表される熱硬化性化合物の硬化物がガラス転移点を有する場合、ガラス転移温度(Tg)は例えば350℃超(好ましくは380℃以上、特に好ましくは400℃以上)である。
更に、式(1)で表される熱硬化性化合物の硬化物は高温環境下においても高硬度を有し、250℃における貯蔵弾性率(E’)は例えば1GPa以上(例えば1〜2GPa)、好ましくは1.1GPa以上、特に好ましくは1.15GPa以上である。
本発明の熱硬化性化合物は、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して、上記の通り超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。そのため、例えば、封止剤、コーティング剤、接着剤、インク、シーラント、レジスト、形成材[例えば、基材、電気絶縁材(絶縁膜等)、積層板、複合材料(繊維強化プラスチック等)、光学素子(レンズ等)、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等の形成材]等に好ましく使用でき、特に、従来の樹脂材料では対応することが困難であった、高耐熱・高耐電圧の半導体装置(パワー半導体等)において半導体素子を被覆する封止剤の用途に好ましく使用できる。
[熱硬化性組成物]
本発明の熱硬化性組成物は、上記熱硬化性化合物を1種又は2種以上含むことを特徴とする。本発明の熱硬化性組成物全量における上記熱硬化性化合物の含有量(2種以上含有する場合は、その総量)は、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。尚、上限は100重量%である。すなわち、本発明の熱硬化性組成物には、熱硬化性化合物のみからなるものも含まれる。
本発明の熱硬化性組成物は上記熱硬化性化合物以外にも、必要に応じて他の成分を含有していても良い。他の成分としては公知乃至慣用の添加剤を使用することができ、例えば、上記式(1)で表される化合物以外の硬化性化合物、触媒、フィラー、有機樹脂(シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂など)、溶剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、補強材、核剤、カップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料など)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤等を挙げることができる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の熱硬化性組成物は硬化性化合物として、上記式(1)で表される熱硬化性化合物以外の硬化性化合物を含有していても良いが、本発明の熱硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物における上記式(1)で表される熱硬化性化合物の占める割合は、例えば70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。尚、上限は100重量%である。従って、本発明の熱硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物における上記式(1)で表される熱硬化性化合物以外の硬化性化合物の占める割合は、例えば30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。
また、本発明の熱硬化性組成物は架橋剤や硬化促進剤を含有せずとも(例えば、本発明の熱硬化性組成物全量における架橋剤及び硬化促進剤の合計含有量が、例えば3重量%以下、好ましくは1重量%未満であっても)速やかに硬化物を形成することができる。そのため、得られる硬化物は5%重量減少温度(Td5)が高く、超耐熱性を有する。また、硬化物中において、未反応の硬化促進剤や、硬化促進剤の分解物の含有量を極めて低く抑制することができるため、これらに由来するアウトガスの発生を抑制することができる。
本発明の熱硬化性組成物は上記熱硬化性化合物を含有するため、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。尚、加熱処理条件は上述の熱硬化性化合物の熱硬化条件と同様の範囲で適宜設定することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、例えば、封止剤、コーティング剤、接着剤、インク、シーラント、レジスト、形成材[例えば、基材、電気絶縁材(絶縁膜等)、積層板、複合材料(繊維強化プラスチック等)、光学素子(レンズ等)、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等の形成材]等として好ましく使用することができ、特に、従来の樹脂材料では対応することが困難であった、高耐熱・高耐電圧の半導体装置(パワー半導体等)において半導体素子を被覆する封止剤として好ましく使用することができる。
[半導体デバイスの製造方法、及び前記方法により得られる半導体デバイス]
本発明の半導体デバイスの製造方法は、上記熱硬化性組成物を用いて(例えば、上記熱硬化性組成物を半導体用封止剤として使用して)半導体素子を封止する工程を有する。
半導体素子の封止は公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明の熱硬化性組成物を所定の成形型内に注入し、加熱処理を施すことで実施できる。尚、加熱処理条件は上述の熱硬化性化合物の熱硬化条件と同様の範囲で適宜設定することができる。本発明の半導体デバイスの製造方法は、上記熱硬化性組成物を使用するため、短時間で半導体素子を封止することができ、作業性に優れる。
本発明の半導体デバイスの製造方法で得られる半導体デバイスは、半導体素子と、該半導体素子を被覆する封止材とを少なくとも含み、上記封止材が本発明の熱硬化性組成物の硬化物である。
本発明の半導体デバイスは、本発明の熱硬化性組成物を用いて半導体素子が封止されており、前記熱硬化性組成物の硬化物(=封止材)は超耐熱性を有する。そのため、本発明の製造方法で得られた半導体デバイスは高温環境下でも高機能、高信頼性を有する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
尚、NMR測定は下記条件で行った。
NMR(核磁気共鳴)測定装置(商品名「JNM−ECA500」、(株)JEOL RESONANCE製)を用いた。測定溶媒は重溶媒(各実施例に記載)を使用し、化学シフトはTMSを規準とした。
実施例1
撹拌子および冷却管を備えた100mLの三ツ口フラスコに、トルエン24.3mL(228.6mmol)、フェニルエチニル安息香酸2.0g(9.0mmol)、塩化チオニル0.8mL(11.7mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.14mL(1.8mmol)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間撹拌する事で、クロル化反応を完結させた。その後、減圧して揮発成分を留去する事で、フェニルエチニル安息香酸クロライドを黄白色結晶として得た。
次いで、得られたフェニルエチニル安息香酸クロライド2.2g(9.0mmol)、アセトン18.0mL(245.1mmol)、2,6−ナフタレンジオール0.7g(4.1mmol)、トリエチルアミン1.3mL(9.0mmol)を、窒素雰囲気下、加熱還流しながら1時間撹拌する事で、エステル化反応を完結させた。
その後、反応液を室温まで降温してから析出物を分取し、メタノールで洗浄後、乾燥させて化合物(1)2.2g(3.8mmol)を淡黄白色結晶として得た。得られた化合物(1)は、NMR測定によって化学構造を同定して、下記式で表される化合物(分子量:568.6)であることが確認された。また、偏光顕微鏡観察によりサーモトロピック液晶性を示すものであることが確認された。
Figure 2017179119
1H-NMR(CDCl3)δ:7.37-7.39(6H,m),7.41(2H,dd,J=2.0,8.5Hz),7.56-7.59(4H,m),7.68(4H,d,J=8.5Hz),7.75(2H,d,J=2.0Hz),7.90(2H,d,J=8.5Hz),8.24(4H,d,J=7.5Hz).
得られた化合物(1)を金属板に挟み、ホットプレスを用いて370℃で60分間圧縮加熱して、均一な硬化物(1)を得た。得られた硬化物(1)は、偏光顕微鏡観察により異方性を示すものであることが確認された。
実施例2
撹拌子および冷却管を備えた100mLの三ツ口フラスコに、トルエン40.0mL(376.3mmol)、フェニルプロパルギル酸6.0g(41.2mmol)、塩化チオニル3.9mL(53.6mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.64mL(8.3mmol)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間撹拌する事で、クロル化反応を完結させた。その後、減圧して揮発成分を留去する事で、フェニルプロパルギル酸クロライドを黄白色結晶として得た。
次いで、得られたフェニルプロパルギル酸クロライド6.8g(41.2mmol)、アセトン40.0mL(544.8mmol)、2,6−ナフタレンジオール3.0g(18.7mmol)、トリエチルアミン5.74mL(41.2mmol)を、窒素雰囲気下、加熱還流しながら1時間撹拌する事で、エステル化反応を完結させた。
その後、反応液を室温まで降温してから反応液を水へ投入して析出物を分取し、メタノールで洗浄後、乾燥させて化合物(2)5.3g(12.7mmol)を淡黄白色結晶として得た。得られた化合物(2)は、NMR測定によって化学構造を同定して、下記式で表される化合物(分子量:416.4)であることが確認された。また、偏光顕微鏡観察によりサーモトロピック液晶性を示すものであることが確認された。
Figure 2017179119
1H-NMR(CDCl3)δ:7.88(2H,d,J=8.5Hz),7.71(2H,d,J=2.5Hz),7.65(4H,d,J=7.5Hz),7.49(2H,t,J=7.5Hz),7.41(4H,t,J=7.5Hz),7.38(2H,dd,J=2.5,8.5).
得られた化合物(2)を金属板に挟み、ホットプレスを用いて260℃で60分間圧縮加熱して、均一な硬化物(2)を得た。得られた硬化物(2)は、偏光顕微鏡観察により異方性を示すものであることが確認された。
比較例1
コンデンサーと攪拌機を取り付けた500mLのフラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸73.5g(0.532mol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸80.1g(0.426mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル19.8g(0.106mol)、4−スチルベンカルボン酸47.7g(0.213mol)、無水酢酸121.9g(1.19mol)、及び酢酸カリウム10.0mg(0.10mol)を入れ、窒素雰囲気下で140℃まで徐々に温度を上げた後、温度を維持しながら3時間反応させてアセチル化反応を完結させた。次いで、0.8℃/分の速度で340℃まで昇温しながら、酢酸及び未反応の無水酢酸を留去した。その後、フラスコ内を徐々に1Torrまで減圧して揮発成分を留去することで、芳香族化合物に由来する構成単位からなる主鎖の末端にスチリル基を有する化合物(3)を得た。化合物(3)における主鎖は、芳香族エステルの末端数の算出(特開平5−271394号公報に記載のアミン分解HPLC法による)、及びGPC測定の結果、単量体の10量体であると見積もられた。
化合物(3)100gを160℃で溶融し、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド33.5gを加え、160℃で30分間溶融混合して得られた組成物(1)を、ステンレス板に挟んでホットプレスで240℃にて3分間、圧縮加熱して硬化させたあと型枠から取り外し、対流式オーブンで240℃にて4時間加熱してさらに硬化反応を進行させ、硬化物(3)を得た。
実施例及び比較例で得られた化合物の融点、発熱ピーク温度、5%重量減少温度、実施例及び比較例で得られた硬化物の5%重量減少温度を下記方法により測定した。
[融点、及び発熱ピーク温度]
DSC(示差走査熱量測定)装置(商品名「DSC6200」、エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、窒素気流下(50mL/分)、昇温温度10℃/分にて、化合物(各5mg)を加熱して、融点(Tm)及び発熱ピーク温度を測定した。
[5%重量減少温度(Td5)]
TG/DTA(熱重量測定・示差熱分析)装置(商品名「EXSTAR6300」、エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、窒素気流下(300mL/分)、昇温温度10℃/分にて、化合物若しくは硬化物(約5mg)を加熱して、5%重量減少温度(Td5)を測定した。尚、基準物質には、アルミナを用いた。
上記結果を下記表に示す。
Figure 2017179119

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される熱硬化性化合物。
    Figure 2017179119
    (式中、R1、R2は熱硬化性基を示す。D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。E1、E2は、同一又は異なって、エステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)
  2. 式(1)中のR1、R2が、同一又は異なって、フェニルエチニル基、スチリル基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、及びオキセタン基からなる群より選択される熱硬化性基である請求項1に記載の熱硬化性化合物。
  3. サーモトロピック液晶性を有する請求項1又は2に記載の熱硬化性化合物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱硬化性化合物を含む熱硬化性組成物。
  5. 請求項4に記載の熱硬化性組成物の硬化物。
  6. 請求項4に記載の熱硬化性組成物を用いて半導体素子を封止する工程を有する半導体デバイスの製造方法。
  7. 請求項5に記載の硬化物により半導体素子が被覆された構造を有する半導体デバイス。
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