JP2006077169A - 光学活性アセチレン化合物、アセチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

光学活性アセチレン化合物、アセチレン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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真生子 山浦
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Abstract

【課題】 光学活性な置換基と発光性を発現する共役系置換基とを併せ持ち多機能性を有するアセチレン系重合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のアセチレン系重合体は、特定の光学活性アセチレン化合物が重合した重合体である。本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、特定の光学活性アセチレン化合物を、下記一般式(II)で示される有機金属錯体の存在下で重合する。一般式(II): [MLL']
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な光学活性アセチレン化合物、アセチレン系重合体およびその製造方法に関する。更に詳しくは、光学活性な置換基及び共役系置換基を有するアセチレン誘導体、アセチレン誘導体の重合体及びその製造方法に関するものである。
従来から、光学不斉を有する物質として、不斉炭素のような不斉中心を有するものや、面性不斉、軸性不斉、あるいは螺旋といった、いわゆる分子不斉を有するものが多数知られている。これら光学不斉を有する物質は、医農薬品、光学分割剤、液晶材料、非線形光学材料などの機能性材料として産業上広く使用され、必要不可欠なものとなっている。
光学不斉を有する物質のうち、光学活性アセチレン系重合体は円二色性を示すことが知られており、その光学活性アセチレン系重合体を用いた光学分割剤、光学材料等が検討されている(例えば特許文献1参照)。
特開平7−292037号公報
ところで、近年、エレクトロニクス分野では、新しい光源、ディスプレイ材料の一つとして有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)が非常に注目を浴びている。有機EL素子に使用される有機発光材料としては、芳香族化合物に代表される多数の不飽和共役結合を有するものが使用され、中でも、製作コストや大型化といった工業化に向けた実用性という点から高分子材料が注目されている。
これまでに、高分子系の有機発光材料としては様々なものが提案されているが、発光性を有しつつ光学活性を有するものは知られていなかった。光学活性を有し、円二色性を示すと共に、発光性を有する多機能性の高分子材料によれば、より高機能のデバイスの製造が可能になると思われる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、光学活性な置換基と発光性を発現する共役系置換基とを併せ持ち多機能性を有する光学活性アセチレン化合物、アセチレン系共役高分子およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、光学活性な置換基及び発光性を発現する共役系置換基を併せ持ち多機能性を有する光学活性アセチレン化合物、アセチレン系重合体およびその製造方法を発明した。
すなわち、本発明の光学活性アセチレン化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
Figure 2006077169
(式中、XはO,Sのいずれかであり、YはO,S,NH,NR’(ここでR’はアルキル基、アリール基を示す。)のいずれかである。Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは0〜6の整数、mは0〜6の整数、*は不斉中心、Arは置換されていてもよく、ヘテロ原子を含有してもよいアリール基、複素環基、縮合多環式系化合物を示す。)
本発明のアセチレン系重合体は、上述した光学活性アセチレン化合物が重合した重合体であることを特徴とする。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、上述した光学活性アセチレン化合物を、下記一般式(II)で示される有機金属錯体の存在下で重合することを特徴とする。
[MLL'] (II)
(式中、Mは周期表第7〜10族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L'は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。)
本発明の光学活性アセチレン化合物は、光学活性を有し、旋光性や円二色性を示すと共に、更には発光性を発現する共役系置換基を有し、さらに不飽和三重結合を有しているので、多機能性重合体の原料単量体になる。
本発明のアセチレン系重合体は、光学活性を有し、旋光性や円二色性を示す上に、分子内に共役系置換基を有し、発光材料としての応用が可能なものである。このような重合体は、光学分割剤や非線形光学材料、液晶材料や有機EL等のディスプレイ材料、更には太陽電池等の電池材料、レジスト材料、有機半導体等の種々の電気・電子関連導電材料など、新規な機能性材料として有用である。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法によれば、上記光学活性アセチレン化合物を重合して、光学活性と発光性を有するアセチレン系重合体を高い立体規則性で得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(光学活性アセチレン化合物)
本発明の光学活性アセチレン化合物は上記一般式(I)で表されるものである。
式(I)中、XはO,Sのいずれかであり、YはO,S,NH,NR’のいずれかであり、R’はアルキル基、アリール基を示す。具体的なアルキル基としては、置換されていてもよく、分岐を有してもよい、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。アリール基としてはフェニル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル等、置換基を有していてもよいフェニル基が挙げられる。
Rは炭素数1〜6の、分岐を有していてもよいアルキル基を表す。そのアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
nは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数を表し、mは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数を表す。*は不斉中心を表す。
Arは置換されていてもよく、ヘテロ原子を含有してもよいアリール基、複素環基、縮合多環式系化合物を示す。
具体的にはフェニル、2−メトキシフェニルのような2−アルコキシフェニル、2−ニトロフェニル、2−クロロフェニル、3−メトキシフェニルのような3−アルコキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニルあるいはp−メトキシフェニルのようなp−アルコキシフェニル、p−クロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、2,4,6−トリシアノフェニル、1−メチル−2−p−フルオロフェニル、4−ニトロ−2−メチルフェニル、2,6−ジメトキシ−4−ニトロフェニル、2,6−ジメチル−4−ニトロフェニル、4−メトキシ−2−ニトロフェニル等のパラ置換フェニル基が挙げられる。
また、縮合多環式系化合物としては、置換基を有してもよい、1−ナフチル、2−ナフチル、7−メトキシ−1−ナフチル、5−メトキシ−1−ナフチル、7−メトキシ−2−ナフチル、5−メトキシ−2−ナフチル、テトラヒドロ2−ナフチル、2−アントリル、9−アントリル、2−フェナントリル、1−ピレニル、2−ピレニル、4−ピレニル、2−フルオレニル、9−フルオレニル、2−トリフェニレニル、2−ナフタセニル、ピリジン、3,5−ジメチルピリジン、キノリン、1,2−ジ−γ−ピリジノエチン、イソキノリン、コリジン、2−アセチレニルトリアジン、2−アセチレニルピロール、2−アセチレニルフラン、2−アセチレニルチオフェン等が挙げられる。
なお、光学活性アセチレン化合物は当然のことながら、上記の具体例に限定されるものではない。
一般式(I)の化合物は、例えば、4−エチニル安息香酸と不斉炭素を有するアルコールをジメチルアミノピリジン存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミドを縮合剤としてエステル化反応を行うことにより得られる。縮合反応の溶媒は、通常、ジクロロメタンなどの塩素系溶媒が用いられ、反応温度は0〜30℃、反応時間は10分〜5時間である。
ここで、エステル化に用いた不斉炭素を有するアルコールは、それを形成可能なケトンの不斉還元や、不斉炭素を有するアミノ酸等の天然物から誘導された光学活性アミノアルコールから誘導される。さらに、不斉還元に用いる不斉還元剤としては(+)−または(−)−B−クロロジイソピノフェイルボランが用いられ、光学活性アミノアルコールを形成可能なケトンをテトラヒドロフラン(THF)中で−50〜0℃で3〜15時間反応させることによりR体もしくはS体の不斉炭素を有するアルコールを得ることができる。
以上の光学活性アセチレン化合物は、不斉炭素(式(I)中のC)を有しているため、光学活性を発現し、旋光性や円二色性を示し、共役系置換基(式(I)中のAr)を有しているため、発光性を発現する。さらに不飽和三重結合を有しているから、重合体の原料単量体になる。このような光学活性アセチレン化合物を重合することにより、光学活性と発光性を併せ持った多機能性重合体を得ることが可能になる。
(アセチレン系重合体)
本発明のアセチレン系重合体は、上述した光学活性アセチレン化合物が重合した重合体である。その重合体は、光学活性アセチレン化合物が1種重合した単独重合体であってもよいし、光学活性アセチレン化合物が2種以上重合した単独重合体であってもよいし、その他の単量体が共重合したものであってもよい。
また、本発明のアセチレン系重合体としては、光学材料、電子材料等に使用する場合には立体規則性の高い重合体であることが好ましい。
このアセチレン系重合体は、上記光学活性アセチレン化合物が重合したものであるから、光学活性を有していると共に、共役系置換基を有しているので、発光材料として応用可能なものである。このようなアセチレン系重合体は、有機EL素子だけでなく、リチウムイオン電池や太陽電池等の電池材料、レジスト材料、有機半導体等の導電材料、DDSや光学分割剤等の医薬材料、液晶材料や有機LED等のディスプレイ材料、非線形材料、光応答高分子材料、有機磁性体、高分子反応試薬、線種線量計材料、誘電材料、コンタクトレンズ材料等に応用でき、特に有機半導体材料や医薬関連材料に有用である。
(アセチレン系重合体の製造方法)
本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、上記光学活性アセチレン化合物を、下記一般式(II)で示される有機金属錯体の存在下で重合する方法である。一般式(II)で表される触媒を使用することにより立体規則性の高い螺旋状の重合体を得ることができる。すなわち、光学材料、電子材料に適した重合体を得ることができる。
一般式(II):[MLL’]
(式中、Mは周期表第7〜10族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。)
一般式(II)式中のMは、好ましくはロジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、白金、パラジウム、イリジウムなどが挙げられ、特に好ましくはロジウムが用いられる。
Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子を表す。Lは、好ましくはオレフィン、アセチレン、ジエン、シクロオレフィン、一酸化炭素、アリル、フェニルアセチレンなどが挙げられ、特に好ましくはシクロオレフィン、アリル、一酸化炭素、フェニルアセチレンなどが挙げられ、より好ましくはシクロオレフィンが挙げられる。シクロオレフィンとしては、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンが好ましく用いられる。L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子を表す。
L’は、好ましくは窒素、リン、ヒ素、酸素、イオウなどの原子を有する配位子、ハロゲン原子などが挙げられる。特に好ましくはリンを有する配位子、ハロゲン原子が挙げられ、最も好ましくはハロゲン原子が挙げられる。具体的には、窒素を有する配位子としては、例えばピリジン、ビピリジル、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、フェナンスロリンなどが挙げられる。リンを有する化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、ビスジフェニルホスフィン、n−ノニルフェニルホスフィン、エチレンビスフェニルホスフィンなどが挙げられ、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。ヒ素を有する配位子としてはトリフェニルアルシンなどが挙げられる。酸素を有する配位子としてはジフェニルエーテル、アルコキシなどが挙げられる。イオウを有する配位子としては、ジフェニルチオエーテルなどが挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素が特に好ましい。
Xは陰イオンを表す。Xは、具体的には、PF 、BF 、ClO 、SOCF などが挙げられ、PF が好ましく用いられる。
mは0〜7の整数、好ましくは0〜6の整数、特に好ましくは1〜2の整数を表す。nは0〜6の整数、好ましくは0〜5の整数、特に好ましくは1〜2の整数を表す。pは1〜2の整数を表す。qは0〜2の整数、好ましくは1〜2の整数を表す。
一般式(II)で表される触媒の具体例としては、[Rh(COD)Cl]、[Rh(NBD)Cl]、[Rh(NBD)OCH、[Rh(COD)bipy]SOCF、[Rh(COD)bipy]PF、[Rh(NBD)bipy]PF、[Rh(COD)bipyam]PF、[Rh(COD)(PPh]PF、[Rh(COD)EDA]Cl、[Rh(COD)TEDA]Cl、Re(Co)Z、[Re(CO)Cl]、[Re(CO)Cl]、Re(CO)(PPh)Cl、Re(CO)(PPhCl、Re(CO)(bipy)Cl、Re(CO)(C≡CPh)、Re(CO)(phPCHCHPPh)Cl、Ni(CO)(PPh、Ni(PPh、Pt(PPh(C≡CPh)、Pt(PPh)HCl、Pt(PPhClなどが挙げられる。但し、CODはシクロオクタジエニル、NBDはノルボナジエニル、bipyはビピリジル、bipyamはビピラン、phはフェニル、EDAはエチレンジアミン、TEDAはトリエチレンジアミン、Zはハロゲン原子を示す。
これら中でも、[Rh(COD)Cl]、[Rh(NBD)Cl]、[Rh(NBD)OCHが好ましく、[Rh(NBD)Cl]が特に好ましい。
アセチレン系重合体の製造方法における重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、気相重合などが挙げられる。得られる重合体の用途によって好ましい重合法は異なり、製膜して使用する場合には溶液重合、乳化重合が好ましく、重合体を固体として使用する場合は、重合終了後の反応系からの重合体を取り出す操作が容易な点から懸濁重合が好ましい。
溶液重合では、モノマー(光学活性アセチレン化合物)及び触媒を溶媒に溶解させて重合する。懸濁重合では、モノマーは溶解し、重合体は溶解しない溶媒中に予め触媒を添加して重合させるか、モノマーは溶解し、重合体は溶解しない溶媒中に触媒を添加して重合させる。乳化重合では、まず、モノマーと乳化剤と水とを混合してモノマー乳化液を調製し、これとは別に調製した触媒と分散剤と水とを混合した触媒懸濁液を、前記モノマー乳化液に添加し重合させる。
重合の際に使用される溶媒としては各重合法に適したものを選択すればよく、例えばエタノール、メタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、クロロホルム、トルエン、水等が挙げられる。溶液重合で製造する場合には、上記例示された溶媒のうち、モノマー及び触媒を溶解させる溶媒を使用する。懸濁重合で製造する場合には、重合中にアセチレン系重合体が析出するメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒が好ましい。
溶媒中の光学活性アセチレン化合物の濃度は0.01〜10mol/L、好ましくは0.1〜5mol/Lである。触媒濃度は1×10−10〜1mol/L、好ましくは1×10−5〜1×10−1mol/Lである。モノマー量に対する触媒添加量は、モノマー/触媒=1×1012〜1×10−2mol/mol、好ましくは5×10〜1mol/molである。重合温度は−30〜120℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜80℃ある。圧力は通常常圧で行われるが、使用する溶媒または光学活性アセチレン化合物の種類によっては加圧条件で行われる。
このアセチレン系重合体の製造方法においては、必要に応じて助触媒を添加してもよい。助触媒としては、窒素、リン、ヒ素、酸素、イオウなどの原子を有する化合物が挙げられる。具体的には、窒素を有する化合物としては、例えばピリジン、ビピリジル、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、フェナンスロリンなどが挙げられる。リンを有する化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、ビスジフェニルホスフィン、n−ノニルフェニルホスフィン、エチレンビスフェニルホスフィンなどが挙げられ、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。ヒ素を有する化合物としては例えばトリフェニルアルシンなどが挙げられる。酸素を有する化合物としては例えばジフェニルエーテル、アルコキシなどが挙げられる。イオウを有する化合物としては、例えばジフェニルチオエーテルなどが挙げられる。
重合により得られた重合体は必要に応じて精製される。精製法としては、溶媒により洗浄する方法、重合体を溶解後、再沈殿する方法等が挙げられる。このように精製することにより、残存モノマー及び残存する有機金属錯体等の不純物を減らすことができる。残存モノマー及び残存する有機金属錯体等の不純物が少なければ、重合体は高品質なものになる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例において、H−NMRは、Varian製、Gemini−200(200MHz)を使用し、溶媒に重クロロホルムを使用し測定した。比旋光度は日本分光製DIP−370を使用して測定した。GPCは昭和電工製、Shodex K−806Lカラムを使用し、ポリスチレンを標準サンプルとし、溶媒にクロロホルムを使用して測定した。円二色性スペクトルは日本分光J−600で測定した。
(合成例1)
(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(1−ナフチル)−エチルエステルの合成
4−ブロモ安息香酸エチル6.87g(30.0mmol)をビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド0.42g(0.6mmol)、ヨウ化銅0.03g(0.15mmol)の存在下、トリエチルアミン120ml中、トリメチルシリルアセチレン3.54g(36.0mmol)と室温で8時間反応させた。この反応により得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=20/1)及び再結晶(70質量%エタノール水溶液)にて精製して、4−トリメチルシラニルエチニル安息香酸エチル6.6g(収率;89質量%)を得た。これをメタノール240ml中、水酸化カリウム9.6gと60℃で1時間反応させた後、1M塩酸水溶液500mlにて処理し、4−エチニル安息香酸3.8g(収率;97質量%)得た。
次に、4−エチニル安息香酸0.30g(2.1mmol)とR−(+)−α−メチル−1−ナフタレンメタノール1.06g(6.2mmol)をジクロロメタン25ml中、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.47g(2.3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.20g(1.6mmol)の存在下室温で3時間反応させた。これにより得られた生成物をシリカゲルカルムクロマトグラフィ(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(1−ナフチル)−エチルエステルを0.56g(収率;91質量%)得た。
得られた化合物の比旋光度を測定したところ、比旋光度[α]D 23は−139゜(クロロホルム、c=1.05g/dl)であった。また、H−NMR(200MHz)を測定したところ、δ1.77(d、3H、OCH(CH)Naphthalene)、3.22(s、1H、HC≡C)、6.30(q、1H、OCH(CH)Naphthalene)、7.45−7.60(m、5H、aromatic)、7.81(m、4H、aromatic)、8.06(d、2H、aromatic)であった。
(合成例2)
(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(2−ナフチル)−エチルエステルの合成
R−(+)−α−メチル−1−ナフタレンメタノール1.06g(6.2mmol)の代わりに、R−(+)−α−メチル−2−ナフタレンメタノール1.06g(6.2mmol)を4−エチニル安息香酸に反応させたこと以外は合成例1と同様にして、(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(2−ナフチル)−エチルエステルを0.54g(収率;88質量%)得た。
得られた化合物の融点を測定したところ53〜54℃であった。また比旋光度を測定したところ、比旋光度[α]D 23は−133゜(クロロホルム、c=1.0g/dl)であった。また、H−NMR(200MHz)を測定したところ、δ1.85(d、3H、OCH(CH)Naphthalene)、3.22(s、1H、HC≡C)、6.89(q、1H、OCH(CH)Naphthalene)、7.45−8.22(m、11H、aromatic)であった。
(合成例3)
(S)−(+)−4−エチニル安息香酸1−(1−ナフチル)−エチルアミドの合成
合成例1と同様にして合成した4−エチニル安息香酸0.20g(1.4mmol)とS−(−)−1−(1−ナフチル)エチルアミン0.70g(4.1mmol)とをジクロロメタン10ml中、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.31g(1.5mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.13g(1.1mmol)の存在下室温で5時間反応させた。これにより得られた生成物をシリカゲルカルムクロマトグラフィ(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)及び再結晶(ジクロロメタン/n−ヘキサン)で精製して、(S)−(+)−4−エチニル安息香酸1−(1−ナフチル)−エチルアミドを0.15g(収率;37質量%)得た。
得られた化合物の融点を測定したところ180〜182℃であった。また、比旋光度を測定したところ、比旋光度[α]D 23は+77゜(クロロホルム、c=1.0g/dl)であった。また、H−NMR(200MHz)を測定したところ、δ1.80(d、3H、NHCH(CH)Naphthalene)、3.18(s、1H、HC≡C)、6.05−6.19(m、1H、NHCH(CH)Naphthalene)、6.31(brd、1H、NHCH(CH)Naphthalene)、7.42−7.90(m、10H、aromatic)、8.12−8.17(m、1H、aromatic)であった。
(合成例4)
(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(1−ピレニル)−エチルエステルの合成
合成例1と同様にして合成した4−エチニル安息香酸0.30g(2.1mmol)とR−(+)−α−メチル−1−ピレンメタノール0.76g(3.1mmol)とをジクロロメタン25ml中、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.47g(2.3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.20g(1.6mmol)の存在下室温で5時間反応させた。これにより得られた生成物をシリカゲルカルムクロマトグラフィ(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製して、(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(2−ピレニル)−エチルエステルを0.65g(収率;85質量%)得た。
得られた化合物の融点を測定したところ153〜154℃であった。また、比旋光度を測定したところ、比旋光度[α]D 23は−297゜(クロロホルム、c=1.05g/dl)であった。また、H−NMR(200MHz)を測定したところ、δ1.97(d、3H、OCH(CH)Pyrene)、3.22(s、1H、HC≡C)、7.18(q、1H、OCH(CH)Pyrene)、7.57(d、2H、aromatic)、7.98−8.23(m、10H、aromatic)、8.46(d、1H、aromatic)であった。
(重合例1〜3)
合成例1〜3で合成した光学活性フェニルアセチレン化合物をモノマーとして用い、それぞれを以下のように重合させた。
まず、光学活性アセチレン化合物を反応器に採り、表1に記載した濃度になるようにメタノールを添加し、反応器内を脱気後、 [Rh(NBD)Cl]及び助触媒であるトリエチルアミン(TEA)のメタノール懸濁液を表1に記載の量添加し、30℃で4時間反応させた。重合反応終了後、反応生成物を一旦メタノールに分散させ洗浄し、濾過後乾燥した。得られた重合体をクロロホルムに溶解し、GPCによりで分子量を測定した。また、モノマーと重合体のNMRスペクトルの化学シフトを比較し、側鎖の置換基は変化せず、三重結合のみが二重結合に変化していることから重合体が生成していることを確認した。
重合条件と収率の結果を表1に、比旋光度と分子量の結果を表2に示す。
(重合例4)
合成例4で合成した(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(1−ピレニル)−エチルエステルをモノマーとして用い、それぞれを以下のように重合させた。
まず、(R)−(−)−4−エチニル安息香酸1−(1−ピレニル)−エチルエステルを反応器に採り、表1に記載した濃度になるようにテトラヒドロフランを添加し、反応器内を脱気した。その後、 [Rh(NBD)Cl]及び助触媒であるトリエチルアミン(TEA)のテトラヒドロフラン溶液を表1に記載の量添加し、30℃で1時間反応させた。
重合反応終了後、反応生成物を一旦メタノールに再沈させ、濾過後乾燥した。得られた重合体をクロロホルムに溶解し、GPCにより分子量を測定した。また、モノマーと重合体のNMRスペクトルの化学シフトを比較し、側鎖の置換基は変化せず、三重結合のみが二重結合に変化していることから重合体が生成していることを確認した。
重合条件と収率の結果を表1に、比旋光度と分子量の結果を表2に示す。
Figure 2006077169
Figure 2006077169
また、重合例1〜4の重合体は、表2に示すように、光学活性を示す上に、共役系の置換基を有するものである。よって、得られたアセチレン系重合体は多機能性を有するものである。
重合例1においては、円偏光二色性(CD)スペクトルを測定した(図1参照)。このスペクトルにおける吸収は螺旋状主鎖の共役二重結合に起因するもので、主鎖に大きな不斉が導入されたことを表している。
重合例1のアセチレン系重合体における円偏光二色性スペクトルである。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とする光学活性アセチレン化合物。
    Figure 2006077169
    (式中、XはO,Sのいずれかであり、YはO,S,NH,NR’(ここでR’はアルキル基、アリール基を示す。)のいずれかである。Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは0〜6の整数、mは0〜6の整数、*は不斉中心、Arは置換されていてもよく、ヘテロ原子を含有してもよいアリール基、複素環基、縮合多環式系化合物を示す。)
  2. 請求項1に記載の光学活性アセチレン化合物が重合した重合体であることを特徴とするアセチレン系重合体。
  3. 請求項1に記載の光学活性アセチレン化合物を、下記一般式(II)で示される有機金属錯体の存在下で重合することを特徴とするアセチレン系重合体の製造方法。
    [MLL'] (II)
    (式中、Mは周期表第7〜10族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L'は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。)
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