JP2006193446A - フェノール化合物 - Google Patents

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Kazuya Inoue
和也 井上
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Abstract

【課題】二つのフェノール性水酸基とアミド結合を分子内に有する新規なフェノール化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2006193446

(式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記(A−1)または(A−2)で示される基を表わす。
Figure 2006193446

ここで、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子等を表わす。Yは、−N(R11)−CO−で示される基等を表わし、Yは、−CO−N(R12)−で示される基等を表わす。Zは、下記(Z−1)、(Z−2)または(Z−3)で示される基を表わす。
Figure 2006193446

ここで、nは1〜18の整数を表わし、R20、R21、R22またはR23はそれぞれ同一または相異なって、水素原子等を表わす。また、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
Figure 2006193446

で示される基を表してもよく、mは1または2を表わす。)
で示されるフェノール化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール化合物に関する。
分子内に二つ以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物は、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、エポキシ樹脂等の種々のポリマーの原料として知られている。なかでも、二つのフェノール性水酸基とアミド結合を分子内に有するフェノール化合物は、ガスバリヤ性を有するポリエーテルのモノマーや加水分解安定性を有するポリカーボネートのコモノマーとして有用であることが知られている(例えば特許文献1および非特許文献1)。また、前記ガスバリヤ性を有するポリエーテルは、エポキシ基を有する化合物と複数のフェノール性水酸基とアミド結合を分子内に有するフェノール化合物とを重合させて得られるポリマーであるため、分子内に、複数のフェノール性水酸基とアミド結合だけでなく、エポキシ基をも有する化合物も、ポリエーテルの新しいモノマーとなり得ると考えられた。
特表2004−525206号公報 Macromolecules,31,2622(1998)
このような状況のもと、本発明者は、二つのフェノール性水酸基とアミド結合を分子内に有する新規なフェノール化合物およびさらに分子内にエポキシ基をも有する新規な化合物を提供するべく検討したところ、式(1)
Figure 2006193446
(式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記(A−1)または(A−2)で示される基を表わす。
Figure 2006193446
ここで、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。Yは、−CO−N(R10)−または−N(R11)−CO−で示される基を表わし、Yは、−CO−N(R12)−、−N(R13)−CO−、−CO−O−または−O−CO−で示される基を表わす。ここで、R10およびR11はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R12およびR13はそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表わす。Zは、下記(Z−1)、(Z−2)または(Z−3)で示される基を表わす。
Figure 2006193446
ここで、nは1〜18の整数を表わし、R20、R21、R22またはR23はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わし、(Z−1)で示される基を構成するメチレン基は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。また、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
Figure 2006193446
で示される基を表してもよく、mは1または2を表わす。)
で示される新規なフェノール化合物および式(11)
Figure 2006193446
(式中、Ar、Ar、Y、YおよびZは上記と同一の意味を表わし、pは1〜9の整数を表わす。)
で示される新規なエポキシ化合物を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 2006193446
(式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記(A−1)または(A−2)で示される基を表わす。
Figure 2006193446
ここで、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。Yは、−CO−N(R10)−または−N(R11)−CO−で示される基を表わし、Yは、−CO−N(R12)−、−N(R13)−CO−、−CO−O−または−O−CO−で示される基を表わす。ここで、R10およびR11はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R12およびR13はそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表わす。Zは、下記(Z−1)、(Z−2)または(Z−3)で示される基を表わす。
Figure 2006193446
ここで、nは1〜18の整数を表わし、R20、R21、R22またはR23はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わし、(Z−1)で示される基を構成するメチレン基は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。また、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
Figure 2006193446
で示される基を表してもよく、mは1または2を表わす。)
で示されるフェノール化合物等を提供するものである。
本発明の新規なフェノール化合物は、二つのフェノール性水酸基とアミド結合を分子内に有する化合物であり、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、エポキシ樹脂等の種々の新規なポリマーの原料となり得る。また、融点も高いため、本発明のフェノール化合物を用いることにより、ポリマーの耐熱性等の向上が期待される。さらに、本発明の新規なエポキシ化合物は、フェノール性水酸基とアミド結合とエポキシ基を分子内に有するため、新規なエポキシ樹脂硬化物の原料となり得、同様に耐熱性等の向上が期待される。
まず、本発明の式(1)
Figure 2006193446
で示されるフェノール化合物(以下、フェノール化合物(1)と略記する。)について説明する。
フェノール化合物(1)の式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記(A−1)または(A−2)で示される基を表わし、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。
Figure 2006193446
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
かかる(A−1)で示される基としては、例えばナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基等が挙げられ、ナフタレン−2,6−ジイル基またはナフタレン−2,7−ジイル基が好ましく、ナフタレン−2,6−ジイル基がより好ましい。(A−2)で示される基としては、例えば4,4’−ビフェニレン基、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニレン基等が挙げられ、4,4’−ビフェニレン基が好ましい。また、ArとArとが同一の基であることが好ましい。
フェノール化合物(1)の式中、Yは、−CO−N(R10)−または−N(R11)−CO−で示される基を表わし、Yは、−CO−N(R12)−、−N(R13)−CO−、−CO−O−または−O−CO−で示される基を表わし、R10およびR11はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R12およびR13はそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表わす。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記と同一の意味を表わす。Yは−CO−N(R10)−で示される基であることが好ましく、Yは、−N(R13)−CO−または−O−CO−で示される基であることが好ましい。
また、フェノール化合物(1)の式中、Zは、下記(Z−1)、(Z−2)または(Z−3)で示される基を表わし、(Z−1)または(Z−2)で示される基が好ましい。
Figure 2006193446
ここで、nは1〜18の整数を表わし、R20、R21、R22またはR23はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わし、(Z−1)で示される基を構成するメチレン基は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
かかる(Z−1)で示される基としては、例えば1,2−エタンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基、1,8−オクタンジイル基等が挙げられ、1,2−エタンジイル基、1,4−ブタンジイル基または1,6−ヘキサンジイル基が好ましい。(Z−2)で示される基としては、例えば1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−イソプロピル−1,4−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、2−イソプロポキシ−1,4−フェニレン基、2−tert−ブトキシ−1,4−フェニレン基等が挙げられ、1,4−フェニレン基が好ましい。(Z−3)で示される基としては、例えば1,3−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、2−エチル−1,3−フェニレン基、2−イソプロピル−1,3−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、2−メトキシ−1,3−フェニレン基、2−エトキシ−1,3−フェニレン基、2−イソプロポキシ−1,3−フェニレン基、2−tert−ブトキシ−1,3−フェニレン基等が挙げられ、1,3−フェニレン基が好ましい。
また、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
Figure 2006193446
で示される基(mは1または2を表わす。)を表してもよく、かかる基としては、下記
Figure 2006193446
で示される基が挙げられ、下記
Figure 2006193446
で示される基が好ましい。
かかるフェノール化合物(1)としては、例えばN,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,3−ビス(n−へキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、
N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)ピペラジン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]ピペラジン、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−1,4−ジアゼピン、N,N’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼピン等が挙げられる。
続いて、本発明のフェノール化合物(1)の製造方法について説明する。かかるフェノール化合物(1)のうち、Yが−CO−N(R10)−で示される基であり、Yが−N(R13)−CO−で示される基であるフェノール化合物は、例えば式(2)
Figure 2006193446
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(3)
Figure 2006193446
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(4)
Figure 2006193446
(式中、Zは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とを、縮合剤の存在下に反応させ、次いでアミノ基をN−アルキル化することにより製造することができる。
式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とは同一であってもよく、例えば6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−(ヒドロキシフェニル)安息香酸等が挙げられる。かかる式(2)で示される化合物および式(3)で示される化合物はそのまま用いてもよいし、水酸基を、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基等の水酸基の保護基として通常知られている保護基で保護した後、用いてもよい。式(4)で示される化合物としては、例えば1,4−フェニレンジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,3−フェニレンジアミン等が挙げられる。
式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物が異なる場合のその使用量は、式(4)で示される化合物に対して、それぞれ通常1〜2モル倍であり、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物が同一の化合物である場合のその使用量は、式(4)で示される化合物に対して、通常2〜4モル倍である。
縮合剤としては、例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられ、その使用量は、式(4)で示される化合物に対して、通常2〜5モル倍である。
式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物との反応は、通常溶媒中で実施される。溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、式(4)で示される化合物に対して、通常1〜200重量倍である。
反応温度は、通常−5〜50℃である。
反応終了後、例えば反応液に、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、Yが−CO−NH−で示される基であり、Yが−NH−CO−で示される基であるフェノール化合物が得られる。得られたフェノール化合物は、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。また、得られたフェノール化合物をN−アルキル化することにより、アミノ基がアルキル化されたフェノール化合物を得ることができる。かかるN−アルキル化は、公知のアミノ基のN−アルキル化方法に準じて行うことができる。また、式(2)で示される化合物および式(3)で示される化合物として、その水酸基を保護基で保護した化合物を用いた場合には、保護基を通常の脱保護方法に準じて脱保護することにより、フェノール化合物を得ることができる。
また、フェノール化合物(1)のうち、Yが−CO−N(R10)−で示される基であり、Yが−O−CO−で示される基であるフェノール化合物は、前記式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物との反応において、式(4)で示される化合物に代えて、式(5)
Figure 2006193446
(式中、Zは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用いて、前記と同様に実施することにより製造することができる。
式(5)で示される化合物としては、例えば4−アミノフェノール、3−アミノフェノール等が挙げられる。
また、フェノール化合物(1)のうち、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
Figure 2006193446
で示される基(ここで、mは1または2を表わす。)であるフェノール化合物は、前記式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物との反応において、式(4)で示される化合物に代えて、式(6)
Figure 2006193446
(式中、mは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用いて、前記と同様に実施することにより製造することができる。
式(6)で示される化合物としては、ピペラジン、1,4−ジアゼピンが挙げられる。
また、フェノール化合物(1)のうち、Yが−N(R11)−CO−で示される基であり、Yが−N(R13)−CO−で示される基であるフェノール化合物は、前記式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物との反応において、式(2)で示される化合物に代えて、式(7)
Figure 2006193446
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、式(3)で示される化合物に代えて、式(8)
Figure 2006193446
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、式(4)で示される化合物に代えて、式(9)
Figure 2006193446
(式中、Zは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、前記と同様に実施することにより製造することができる。
式(7)で示される化合物および式(8)で示される化合物としては、例えば6−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、4−(ヒドロキシフェニル)アニリン等が挙げられ、式(9)で示される化合物としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸等が挙げられる。
また、フェノール化合物(1)のうち、Yが−N(R11)−CO−で示される基であり、Yが−CO−O−で示される基であるフェノール化合物は、前記式(8)で示される化合物に代えて、式(10)
Figure 2006193446
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、前記と同様に実施することにより製造することができる。
続いて、本発明の式(11)
Figure 2006193446
(式中、Ar、Ar、Y、YおよびZは上記と同一の意味を表わし、pは1〜9の整数を表わす。)
で示されるエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(11)と略記する。)について説明する。
かかるエポキシ化合物(11)としては、例えばN,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−へキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、
N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]ピペラジン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]ピペラジン、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ジアゼピン、N,N’−ビス[4−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ジアゼピン、
N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−へキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、
N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]ピペラジン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]ピペラジン、N,N’−ビス[6−(2−オキシラニルエトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ジアゼピン、N,N’−ビス[4−[4−(2−オキシラニルエトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ジアゼピン、
N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−へキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(メチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(エチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ブチルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−ヘキシルアミノ)ベンゼン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,3−ビス(n−オクチルアミノ)ベンゼン、
N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(メチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(エチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ブチルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−ヘキシルアミノ)フェノール、N,O−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−3−(n−オクチルアミノ)フェノール、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]ピペラジン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]ピペラジン、N,N’−ビス[6−(4−オキシラニルブトキシ)−2−ナフトイル]−1,4−ジアゼピン、N,N’−ビス[4−[4−(4−オキシラニルブトキシ)フェニル]ベンゾイル]−1,4−ジアゼピン等が挙げられる。
かかるエポキシ化合物(11)は、例えばフェノール化合物(1)と式(12)
Figure 2006193446
(式中、pは上記と同一の意味を表わし、Xは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(12)と略記する。)とを、第四級アンモニウム塩および塩基の存在下に反応させる方法により製造することができる。
化合物(12)の式中、Xは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わし、ハロゲン原子としては、前記したものと同様のものが挙げられる。アルキルスルホニルオキシ基としては、例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基等が挙げられ、アリールスルホニルオキシ基としては、例えばフェニルスルホニルオキシ基、p−トリルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
かかる化合物(12)としては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、p−トルエンスルホン酸グリシジル、2−オキシラニル−1−クロロエタン、4−オキシラニル−1−クロロブタン等が挙げられ、エピクロロヒドリンまたはエピブロモヒドリンが好ましい。
かかる化合物(12)の使用量は、フェノール化合物(1)に対して、通常2モル倍以上であり、その上限は特になく、反応溶媒を兼ねて大過剰量を用いてもよい。
第四級アンモニウム塩としては、例えばテトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等が挙げられ、その使用量は、フェノール化合物(1)に対して、通常0.005〜0.5モル倍、好ましくは0.01〜0.2モル倍である。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、例えば炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の無機塩基が挙げられ、その使用量は、フェノール化合物(1)に対して、通常2〜5モル倍である。
フェノール化合物(1)と化合物(12)との反応は、通常第四級アンモニウム塩および塩基の存在下にその両者を混合することにより実施される。その混合順序は特に制限されないが、フェノール化合物(1)と化合物(12)と第四級アンモニウム塩とを混合した後、塩基を加えることが好ましい。
反応は、通常溶媒中で実施される。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の親水性アルコール系溶媒、例えばメチルエチルケトン等の親水性ケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の親水性非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、メトキシエチルエーテル等の親水性エーテル系溶媒等の親水性有機溶媒が挙げられる。また、上記したように、化合物(12)を溶媒として用いてもよい。かかる溶媒の使用量は特に制限されない。
また、反応は、常圧条件下で実施してもよいし、減圧条件下で実施してもよい。また、反応温度は、通常10〜150℃である。なお、用いる塩基の種類によっては、反応の進行に伴って、水が副生するが、その場合には、副生する水を反応系外へ除去しながら反応を実施することが好ましい。
反応終了後、例えば反応液をそのままもしくは水、有機溶媒等を加えた後、濾過処理することにより、エポキシ化合物(11)を取り出すことができる。取り出したエポキシ化合物(11)は、通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
また、エポキシ化合物(11)は、例えばフェノール化合物(1)と式(13)
Figure 2006193446
(式中、pおよびXは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(13)と略記する。)とを、塩基の存在下に反応させた後、酸化せしめる方法によっても製造することができる。
化合物(13)としては、例えばアリルクロリド、アリルブロミド、1−クロロ−5−ヘキセン等が挙げられ、その使用量は、フェノール化合物(1)に対して、通常2〜100モル倍である。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えばトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。かかる塩基の使用量は、フェノール化合物(1)に対して、通常2〜5モル倍である。なお、塩基として、有機塩基を用いる場合であって、該有機塩基が反応条件下で液体であるときは、該有機塩基を反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。
フェノール化合物(1)と化合物(13)との反応は、通常溶媒中で、フェノール化合物(1)と化合物(13)と塩基を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限されない。また、前記したように、有機塩基を溶媒として用いてもよい。反応温度は、通常10〜150℃である。
反応終了後、得られた反応液にそのまま酸化剤を作用させて、フェノール化合物(1)と化合物(13)との反応生成物を酸化せしめてもよいし、例えば反応液と水とを混合し、フェノール化合物(1)と化合物(13)との反応生成物を取り出し、取り出した該反応生成物に酸化剤を作用せしめてもよい。酸化剤としては、炭素−炭素二重結合をエポキシ化可能な酸化剤であればよく、例えばm−クロロ過安息香酸等が挙げられる。かかる酸化剤の使用量は、フェノール化合物(1)と化合物(13)との反応生成物に対して、通常2〜10モル倍である。
酸化剤を作用せしめた後、必要に応じて残存する酸化剤を分解処理した後、例えば濃縮処理することにより、エポキシ化合物(11)を取り出すことができる。取り出したエポキシ化合物(11)は、通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
続いて、エポキシ化合物(11)と硬化剤とを含んでなることエポキシ組成物について説明する。かかるエポキシ組成物は、エポキシ化合物(11)と硬化剤とを、そのままもしくは溶媒中で混合することにより製造することができる。かかるエポキシ組成物は、一種のエポキシ化合物(11)と硬化剤とを含んでいてもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物(11)と硬化剤とを含んでいてもよい。
溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。
硬化剤としては、エポキシ化合物(11)を硬化せしめるものであればよく、例えばアミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、触媒系硬化剤等が挙げられ、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤または触媒系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数2〜20の脂肪族多価アミン、例えばp−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン等の芳香族多価アミン、例えば4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式多価アミン、例えばジシアンジアミド、スルファニルアミド等のアミド化合物等が挙げられ、芳香族多価アミンまたはアミド化合物が好ましく、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン、p−フェニレンジアミン、ジシアンジアミドがより好ましい。
フェノール系硬化剤としては、例えばフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂、ポリオキシスチレン樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂としては、例えばアニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、例えばジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂等の特殊フェノール樹脂等が挙げられ、ポリオキシスチレン樹脂としては、例えばポリ(p−オキシスチレン)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
触媒系硬化剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
かかる硬化剤の使用量は、用いる硬化剤の種類に応じて適宜選択すればよく、アミン系硬化剤やフェノール系硬化剤であれば、例えば該硬化剤中のエポキシ基と硬化反応し得る官能基の総量が、エポキシ化合物(11)中のエポキシ基の総量に対して、通常0.5〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.1倍となる量が用いられる。
かかるエポキシ組成物は、エポキシ化合物(11)および硬化剤以外に、前記したように前記溶媒を含んでいてもよいし、また、エポキシ組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を妨げない限り、他のエポキシ化合物を含んでいてもよく、また、各種添加剤を含んでいてもよい。他のエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、オルソクレゾール型エポキシ化合物、ビフェノールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(3,4−エポキシブテン−1−イロキシ)フェニルベンゾエート、ナフタレンジグリシジルエーテル、α−メチルスチルベン−4,4’−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。添加剤としては、例えば溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、二次凝集シリカ粉末等のシリカ粉末、例えばアルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、ガラス繊維等の充填材、例えばトリフェニルホスフィン、1,8−アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の硬化促進剤、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、例えばカーボンブラック等の着色剤、例えばシリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、例えば天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。かかる他のエポキシ化合物や添加剤の含量は、本発明のエポキシ組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を損なわない量であれば特に問題ない。
続いて、エポキシ樹脂硬化物について説明する。エポキシ樹脂硬化物は、前記エポキシ化合物(11)と硬化剤を含んでなるエポキシ組成物を硬化せしめることにより製造することができる。かかるエポキシ樹脂硬化物は、一種のエポキシ化合物(11)と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物(11)と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよい。
前記エポキシ組成物を硬化せしめエポキシ樹脂硬化物を製造する方法としては、例えばエポキシ組成物をそのまま所定温度まで加熱して硬化させる方法、前記エポキシ組成物を加熱溶融して金型等に注ぎ、該金型をさらに加熱して成形する方法、前記エポキシ組成物を溶融せしめ、得られる溶融物を予め加熱された金型に注入し硬化する方法、前記エポキシ組成物を部分硬化せしめ、得られる部分硬化物を粉砕してなる粉末を金型に充填し、該充填粉末を溶融成形する方法、前記エポキシ組成物を必要に応じて溶媒に溶解し、攪拌しながら部分硬化せしめ、得られた溶液をキャストした後、溶媒を通風乾燥等で乾燥除去し、必要に応じてプレス機等で圧力をかけながら所定時間加熱する方法等が挙げられる。
最後に本発明のエポキシ組成物を基材に塗布もしくは含浸せしめた後、半硬化せしめてなるプリプレグについて説明する。本発明のエポキシ組成物を、必要に応じて溶媒で希釈した後、基材に塗布もしくは含浸せしめた後、塗布もしくは含浸された基材を加熱して、該基材中のエポキシ化合物を半硬化せしめることにより、プリプレグを製造することができる。基材としては、例えばガラス繊維織布等の無機質繊維の織布もしくは不織布、例えばポリエステル等の有機質繊維の織布もしくは不織布等が挙げられる。かかるプリプレグを用い、通常の方法により、積層板等を容易に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、高速液体クロマトグラフィー(LC)法を用いた。
実施例1
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた500mLの四つ口フラスコに、ピペラジン2.4g、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド11.5gおよびN,N−ジメチルホルムアミド100mLを仕込み、内温25℃に調整した。これに、内温25℃で、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸10.5gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解させた溶液を、1時間かけて滴下した後、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液に、酢酸エチル300mLおよび水500mLを加え、攪拌、静置後、分液処理し、有機層と水層を得た。水層を酢酸エチル100mLで2回抽出処理し、得られた酢酸エチル層を先に得た有機層に合一した。合一後の有機層を水100mLで洗浄した後、減圧条件下で濃縮処理した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製処理し、N,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)ピペラジン8gを得た。純度:96.7%(LC面積百分率値)。見掛け収率:67%。融点:300℃以上。
実施例2
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた100mL四つ口フラスコに、前記実施例1で得たN,N’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)ピペラジン全量、テトラエチルアンモニウムクロリド0.3gおよびエピクロロヒドリン52.1gを加え、内温60℃で8時間攪拌、反応させた。その後、45重量%水酸化ナトリウム水溶液5gを加え、内圧を約13kPaまで減圧した後、内温約60℃で還流させながら、さらに4時間反応させた。なお、反応は、副生した水を系外へ留出させ、除去しながら行った。反応終了後、反応液に酢酸エチル100mLおよび水100mLを加え、室温で2時間攪拌、保持した後、濾過処理した。濾取した結晶を水および酢酸エチルで洗浄した後、乾燥させ、N,N’−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]ピペラジンの白色結晶2.6gを得た。純度:99.4%(LC面積百分率値)。見掛け収率:25%。融点:208℃。
実施例3
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた500mLの四つ口フラスコに、水素化ナトリウム(純度:60重量%)13.5gを仕込み、ヘキサン(脱水品)を加え、洗浄処理を行った。その後、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸25.4gおよびテトラヒドロフラン300mLを仕込み、内温25℃で、発泡がおさまるまで30分攪拌、保持した。これに、メトキシメチルクロリド32.5gを、内温25℃で1時間かけて滴下した。敵か終了後、内温40℃で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を減圧条件下で濃縮処理した。濃縮残渣に酢酸エチル30mLを加えた後、水150mLで2回洗浄処理した。洗浄処理後の酢酸エチル溶液を減圧条件下で濃縮処理した後、メタノール300mL、水200mLおよび水酸化ナトリウム26.9gを加え、内温40℃で2時間攪拌、保持した。減圧条件下で、濃縮処理し、濃縮残渣に水300mLおよびヘキサン200mLを加え、攪拌、静置後、分液処理した。水層に、2N塩酸400mLを滴下した後、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を水50mLで洗浄した後、熱エタノールに溶解させた。得られた熱エタノール溶液を室温まで冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶をエタノールで洗浄した後、減圧条件下、内温60℃で乾燥させ、6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトエ酸の結晶21.3gを得た。見掛け収率:68%。
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた200mLの四つ口フラスコに、得られた6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトエ酸5g、4−アミノフェノール1.2g、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.6gおよびN,N−ジメチルホルムアミド100mLを加え、内温0℃で30分、次いで内温20℃で1時間、さらに内温40℃で1時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル200mLおよび水200mLを加えて分液処理した。有機層を水100mLで洗浄した後、減圧条件下で濃縮処理した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製処理し、N,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−アミノフェノール5.8gを得た。見掛け収率:100%。
温度計および攪拌装置を備えた200mL四つ口フラスコに、得られたN,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−アミノフェノール全量およびテトラヒドロフラン50mLを加え、N,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−アミノフェノールのテトラヒドロフラン溶液を調製した。温度計および攪拌装置を備えた100mL四つ口フラスコに、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン2.6gおよびテトラヒドロフラン50mLを加え、内温−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(n−ブチルリチウム濃度:1.6mol/L)8.1mLを滴下、内温−78℃で30分攪拌、保持した。得られた溶液を、先に調製したN,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−アミノフェノールのテトラヒドロフラン溶液に、内温0℃で滴下し、同温度で30分攪拌、保持した。さらに、1−ブロモオクタン3.1gを加え、内温25℃で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液に、酢酸エチル100mLおよび水100mLを加え、分液処理し、有機層を得、該有機層を濃縮処理した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製処理し、N,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノールの粗結晶を得た。
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた500mL四つ口フラスコに、得られたN,O−ビス[6−(メトキシメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノールの粗結晶全量、イソプロパノール20mL、テトラヒドロフラン20mLおよび35重量%塩酸20mLを加え、内温40℃で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を水500mL中に注加し、内温25℃で1時間攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を水20mLで洗浄した後、熱エタノールに溶解させた。熱エタノール溶液を室温まで冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶をエタノールで洗浄した後、乾燥させ、N,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(n−オクチルアミノ)フェノールの白色結晶3.8gを得た。純度:97.1%(LC面積百分率値)。見掛け収率:63%。融点:300℃以上。
実施例4
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた100mL四つ口フラスコに、前記実施例3で得たN,O−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフトイル)−4−(オクチルアミノ)フェノール全量、テトラエチルアンモニウムクロリド0.1gおよびエピクロロヒドリン18.7gを加え、内温60℃で8時間攪拌、反応させた。その後、45重量%水酸化ナトリウム水溶液1.8gを加え、内圧を約13kPaまで減圧した後、内温約60℃で還流させながら、さらに8時間反応させた。なお、反応は、副生した水を系外へ留出させ、除去しながら行った。反応終了後、反応液にヘキサン20mLおよび1N塩酸25mLを加え、室温で2時間攪拌、保持した。その後、濾過処理し、濾取した結晶を水、メタノール、酢酸エチルおよびヘキサンで順次洗浄した後、乾燥させ、N,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノールの白色結晶3.2gを得た。純度:97.2%(LC面積百分率値)。見掛け収率:71%。融点:210℃。
実施例5
前記実施例4で得られたN,O−ビス[6−(オキシラニルメトキシ)−2−ナフトイル]−4−(n−オクチルアミノ)フェノール34重量部と4,4’−ジアミノジフェニルメタン5重量部とを混合し、エポキシ組成物を得た。かかるエポキシ組成物を溶融させ、210℃程度に加熱された金型の板状の中空部に入れ、さらに、180℃で、4時間静置させ、板状透明のエポキシ樹脂硬化物を得た。

Claims (8)

  1. 式(1)
    Figure 2006193446
    (式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記(A−1)または(A−2)で示される基を表わす。
    Figure 2006193446
    ここで、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。Yは、−CO−N(R10)−または−N(R11)−CO−で示される基を表わし、Yは、−CO−N(R12)−、−N(R13)−CO−、−CO−O−または−O−CO−で示される基を表わす。ここで、R10およびR11はそれぞれ同一または相異なって、炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R12およびR13はそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表わす。Zは、下記(Z−1)、(Z−2)または(Z−3)で示される基を表わす。
    Figure 2006193446
    ここで、nは1〜18の整数を表わし、R20、R21、R22またはR23はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わし、(Z−1)で示される基を構成するメチレン基は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。また、−Y−Z−Y−で示される基が、下記
    Figure 2006193446
    で示される基(ここで、mは1または2を表わす。)を表してもよい。)
    で示されるフェノール化合物。
  2. ArおよびArが共に、ナフタレン−2,6−ジイル基である請求項1に記載のフェノール化合物。
  3. Zが1,4−フェニレン基である請求項1に記載のフェノール化合物。
  4. −Y−Z−Y−で示される基が、下記
    Figure 2006193446
    で示される基である請求項1に記載のフェノール化合物。
  5. 式(11)
    Figure 2006193446
    (式中、Ar、Ar、Y、YおよびZは上記と同一の意味を表わし、pは1〜9の整数を表わす。)
    で示されるエポキシ化合物。
  6. 請求項5に記載のエポキシ化合物と硬化剤とを含んでなることを特徴とするエポキシ組成物。
  7. 請求項6に記載のエポキシ組成物を硬化せしめてなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
  8. 請求項6に記載のエポキシ組成物を基材に塗布もしくは含浸せしめた後、半硬化せしめてなることを特徴とするプリプレグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112794829A (zh) * 2019-11-14 2021-05-14 三星电子株式会社 环氧化合物、组合物、用于半导体封装的材料、模塑产品、电气和电子器件及半导体封装

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