JP4513335B2 - エポキシ化合物及びエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

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本発明は、エポキシ化合物及びエポキシ樹脂硬化物に関する。
4,4’−ジヒドロキシビフェニルから誘導されるエポキシ化合物を用いたエポキシ樹脂硬化物が知られている(例えば特許文献1参照)。かかるエポキシ化合物は、結晶性がよく、その硬化物が耐熱性に優れている等の優れた特性を有しているが、前記エポキシ化合物は融点が高いため、使用しにくいという問題があった。
特許第2551475号公報
このような状況のもと、本発明者らは、エポキシ樹脂硬化物の原料となり得る、より融点が低い新規なエポキシ化合物を開発すべく鋭意検討したところ、下記式(1)で示される新規なエポキシ化合物が、融点が低いことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 0004513335
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ同一または相異なって、水素原子又はメチル基を表わす。nは1を表わす。
で示されるエポキシ化合物等を提供するものである。
本発明のエポキシ化合物は融点が低いため、硬化剤と溶融混合が可能となり、容易にエポキシ樹脂硬化物が得られる。
また、その構造から、本発明のエポキシ化合物から得られるエポキシ樹脂硬化物は、高い熱伝導率を有することが予想され、例えばプリント配線基板等の高い熱放散性を要求される絶縁材料としても有用となり得る。
式(1)で示されるエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(1)と略記する。)の式
中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ同一又は相異なって、水素原子又はメチル基を表わす。
かかるエポキシ化合物(1)としては、例えば5−(オキシラニルメトキシ)−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、4,6−ジメチル−5−(オキシラニルメトキシ)−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2−メチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,3−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,5−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,6−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[3−メチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[3,5−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン等が挙げられる。
かかるエポキシ化合物(1)は、例えば式(2)
Figure 0004513335
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)と式(3)
Figure 0004513335
(式中、nは上記と同一の意味を表わし、Yはハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(3)と略記する。)とを塩基の存在下に反応させる方法、化合物(2)と式(4)
Figure 0004513335
(式中、n及びYは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(4)と略記する。)とを塩基の存在下に反応させ、次いで例えばm−クロロ過安息香酸等の酸化剤を作用させる方法等が挙げられ、前者の化合物(2)と化合物(3)を塩基の存在下に反応させる方法が好ましい。
化合物(2)としては、例えば
2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン、2−(4−ヒドロキシフェニル)4,6−ジメチル−5−ヒドロキシピリミジン、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン、2−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン、2−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ピリミジン、2−(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン、2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン等が挙げられる。
化合物(2)と化合物(3)とを塩基の存在下に反応させて、エポキシ化合物(1)を製造する方法について説明する。
化合物(3)において、Yはハロゲン原子を表わし、ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子等が挙げられる。かかる化合物(3)としては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、2−(クロロエチル)オキシラン、2−(ブロモエチル)オキシラン等が挙げられる。かかる化合物(3)の使用量は、化合物(2)に対して、通常2〜100モル倍、好ましくは2〜30モル倍である。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられ、その使用量は、化合物(2)に対して、通常2〜5モル倍である。
化合物(2)と化合物(3)の反応は、通常溶媒中、塩基の存在下に、その両者を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限されないが、副生成物の生成が抑制されやすいという点で、親水性溶媒が好ましい。親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシメチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、中でも、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒及びこれらの混合溶媒が好ましく、非プロトン性極性溶媒がより好ましく、中でも、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。溶媒の使用量は、化合物(2)に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
反応は常圧条件下で実施してもよいし、減圧条件下で実施してもよい。反応温度は、通常10〜150℃である。なお、本反応は、反応の進行に伴い、水が副生するが、副生する水を反応系外へ除去しながら反応を実施することが好ましく、水が共沸除去される反応温度や反応圧力で反応を実施することが好ましい。
反応終了後、例えば残存する化合物(3)を除去し、エポキシ化合物(1)が結晶の場合は、必要に応じて親水性溶媒を加え、不溶分を濾別した後、冷却処理することにより、エポキシ化合物(1)を結晶として取り出すことができる。取り出したエポキシ化合物(1)は、例えば再結晶等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
またエポキシ化合物(1)が結晶でない場合あるいは融点が低く結晶になりにくい場合は、シリカゲルカラム精製を行なうこともできる。
続いて、化合物(2)と化合物(4)とを塩基の存在下に反応させ、次いで例えばm−クロロ過安息香酸等の酸化剤を作用させて、エポキシ化合物(1)を製造する方法について説明する。
化合物(4)としては、例えばアリルクロリド、アリルブロミド等が挙げられ、その使用量は、化合物(2)に対して、通常2〜100モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、例えばピリジン等の有機塩基が挙げられ、その使用量は、化合物(2)に対して、通常2〜5モル倍である。なお、反応条件下で液体である有機塩基を用いる場合は、かかる有機塩基を反応溶媒を兼ねて過剰量用いてもよい。
化合物(2)と化合物(4)の反応は、通常溶媒中、塩基の存在下に、その両者を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。溶媒としては、前記化合物(2)と化合物(3)との反応で用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。また、前記したとおり、反応条件下で液体である有機塩基を塩基として用いる場合には、該有機塩基を反応溶媒として用いてもよい。
反応終了後、そのまま酸化剤を作用させてもよいし、例えば反応液と水を混合し、化合物(2)と化合物(4)の反応生成物を取り出した後、酸化剤を作用させてもよい。酸化剤の使用量は、化合物(2)と化合物(4)の反応生成物に対して、通常2〜10モル倍である。
酸化剤を作用させた後、必要に応じて残存する酸化剤を分解処理した後、濃縮処理することにより、エポキシ化合物(1)を取り出すことができる。
酸化剤としては、炭素−炭素二重結合をエポキシ化可能な酸化剤であればよく、例えばm−クロロ過安息香酸等が挙げられる。酸化剤の使用量は、化合物(2)と化合物(4)の反応生成物に対して、通常0.5〜1.5モル倍、好ましくは0.9〜1.1モル倍である。
なお、化合物(2)は、市販されているものを用いてもよいし、例えば特公平7−47581号公報等に記載の3−アミノ−2−アルコキシプロピオンアルデヒド化合物と4−ヒドロキシベンズアミジン化合物とを反応させる方法、例えば特開2002−284768号公報等に記載のハロゲノピリミジン化合物とフェニルホウ酸化合物とを、遷移金属触媒及び塩基の存在下に反応させる方法等公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
続いて、エポキシ化合物(1)と硬化剤とを含む組成物について説明する。
本発明の組成物は、本発明のエポキシ化合物と硬化剤をそのままもしくは溶媒中で混合することにより得られる。組成物は、一種のエポキシ化合物(1)と硬化剤を含んでいてもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物(1)と硬化剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えば酢酸ブチル等のエステル系溶媒、例えばプロピレングリゴールモノメチルエーテル等のグリコール系溶媒等が挙げられる。
硬化剤としては、その分子内に、エポキシ基と硬化反応し得る官能基を少なくとも2個有するものであればよく、例えば該官能基がアミノ基であるアミン系硬化剤、該官能基が水酸基であるフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂、ポリオキシスチレン樹脂、該官能基がカルボキシル基である酸無水物等が挙げられ、中でも、アミン系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の脂肪族多価アミン、例えばp−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン等の芳香族多価アミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ジシアノジアミド等の脂環式多価アミン等が挙げられ、芳香族多価アミンが好ましく、なかでも4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン又はp−フェニレンジアミンがより好ましい。フェノール樹脂としては、例えばアニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、例えばジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の特殊フェノール樹脂等が挙げられ、ポリオキシスチレン樹脂としては、例えばポリ(p−オキシスチレン)等が挙げられる。酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
かかる硬化剤は、該硬化剤中のエポキシ基と硬化反応し得る官能基の総量が、エポキシ化合物(1)中のエポキシ基の総量に対して、通常0.5〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.1倍となる量が用いられる。
本発明の組成物は、エポキシ化合物(1)及び硬化剤以外に、前記したように前記溶媒を含んでいてもよいし、また、組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を妨げない限り、他のエポキシ化合物や他のエポキシ樹脂を含んでいてもよく、また、各種添加剤を含んでいてもよい。他のエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、オルソクレゾール型エポキシ化合物、例えばビフェノールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(3,4−エポキシブテン−1−イロキシ)フェニルベンゾエート、ナフタレンジグリシジルエーテル、α−メチルスチルベン−4,4’−ジグリシジルエーテル等の中心基を含まないメソゲン基からなるエポキシ化合物等が挙げられる。添加剤としては、例えば溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、二次凝集シリカ粉末等のシリカ粉末、例えばアルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、ガラス繊維等の充填材、例えばトリフェニルホスフィン、1,8−アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、2−メチルイミダゾール等の硬化促進剤、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、例えばカーボンブラック等の着色剤、例えばシリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、例えば天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸又はその金属塩、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。かかる他のエポキシ化合物や他のエポキシ樹脂や添加剤の含量は、本発明の組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を損なわない量であれば特に問題ない。
続いて本発明のエポキシ樹脂硬化物について説明する。本発明のエポキシ樹脂硬化物は、前記エポキシ化合物と硬化剤を含んでなる組成物を硬化せしめることにより製造することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂硬化物は、その構造から、熱伝導性を有するエポキシ樹脂硬化物であることが予想できるため、熱伝導性を要求される、例えばプリント配線基板等の絶縁材料等としても有用である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、一種のエポキシ化合物と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよい。
エポキシ組成物を硬化せしめる方法としては、例えば200℃程度まで加熱して硬化させる方法、エポキシ組成物を加熱溶融して金型等に注ぎ、該金型をさらに加熱して成形する方法、エポキシ組成物を溶融し、得られる溶融物をトランスファー成形機で予め加熱された金型に注入し硬化する方法、エポキシ組成物をB−ステージと呼ばれる部分硬化し、得られる部分硬化物を粉砕してなる粉末を金型に充填し、該充填物を溶融成形する方法、エポキシ組成物を必要に応じて溶媒に溶解し、50〜150℃程度で攪拌しながらB−ステージ化し、得られた溶液をキャストした後、溶媒を通風乾燥等で乾燥除去し、必要に応じてプレス機等で圧力をかけながら100〜180℃程度で1〜24時間程度加熱する方法等が挙げられる。金型中で成形する場合は、金型は、通常100〜180℃程度で1〜24時間程度加熱される。また、金型から取り出した後、得られたエポキシ樹脂をさらに180〜240℃程度で1〜10時間程度かけて後硬化せしめてもよい。
最後に本発明のエポキシ組成物を基材に含浸もしくは塗布せしめ、半硬化せしめてなるプリプレグについて説明する。本発明のエポキシ組成物を、必要に応じて溶媒で希釈した後、基材に含浸もしくは塗布せしめ、含浸もしくは塗布された基材を加熱し、該基材中のエポキシ化合物を半硬化せしめることにより、プリプレグを製造することができる。基材としては、例えばガラス繊維織布等の無機質繊維の織布もしくは不織布、例えばポリエステル等の有機質繊維の織布もしくは不織布等が挙げられる。かかるプリプレグを用い、通常の方法により、積層板等を容易に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析は、高速液体クロマトグラフィ(以下、LCと略記する。)を使用した。
[実施例1] <エポキシ化合物の製造例 その1>
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えた1L四つ口フラスコに、2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシピリミジン7g、エピクロルヒドリン28g、ジメチルスルホキシド14g及び水酸化ナトリウム3.1gを仕込み、約6kPaまで減圧した後、内温約50℃で4時間還流、反応させた。さらに内温70℃に昇温し、同温度でさらに2時間還流、反応させた。なお、反応の進行に伴って生成した水は反応系外へ留出させた。
反応終了後、一旦常圧に戻した後、約7kPaまで減圧し、内温約70℃に昇温し、残存するエピクロルヒドリンを留去した。その後、ジメチルスルホキシド10.5gを仕込み、内温70℃で不溶分を濾別し、得られた濾液を34.5gになるまで濃縮処理した。室温で、メタノール60gを追加し、5−オキシラニルメトキシ−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジンの結晶を析出させた。析出した結晶を濾取した後、メタノール30gで2回洗浄し、減圧条件下、60℃で12時間乾燥させ、白色粉末の5−オキシラニルメトキシ−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン4.2gを得た。見掛収率:38%、純度91.7%(LC面積百分率値)、融点:139℃。
[実施例2] <組成物及びエポキシ樹脂硬化物の製造例>
前記実施例1で得られた5−オキシラニルメトキシ−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジンと、硬化剤として4.4’−ジアミノジフェニルメタンを混合することにより、組成物が得られ、該組成物を加熱して、硬化せしめることにより、エポキシ樹脂硬化物が得られる。
[実施例3] <プリプレグの製造例>
前記実施例1で得られた5−オキシラニルメトキシ−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジンと、硬化剤として1,5−ジアミノナフタレンと、溶剤としてメチルエチルケトンとを混合することにより、組成物が得られ、該組成物をガラス繊維織布に含浸せしめ、加熱乾燥させることにより、プリプレグを得ることができる。

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 0004513335
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ同一または相異なって、水素原子又はメチル基を表わす。nは1を表わす。
    で示されるエポキシ化合物。
  2. エポキシ化合物が、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、4,6−ジメチル−5−(オキシラニルメトキシ)−2−[4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2−メチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,3−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,5−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[2,6−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[3−メチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジン、及び、5−(オキシラニルメトキシ)−2−[3,5−ジメチル−4−(オキシラニルメトキシ)フェニル]ピリミジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物である請求項1記載のエポキシ化合物。
  3. 式(2)
    Figure 0004513335
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6それぞれ同一または相異なって、水素原子又はメチル基を表わす。
    で示される化合物と式(3)
    Figure 0004513335
    (式中、nは1を表わし、Yはハロゲン原子を表わす。)
    で示される化合物とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする請求項1又は2記載の式(1)
    Figure 0004513335
    (式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 およびnは上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるエポキシ化合物の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載のエポキシ化合物と硬化剤とを含んでなる組成物。
  5. 硬化剤が、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン又はp−フェニレンジアミンである請求項4記載の組成物。
  6. 請求項4又は5記載の組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物。
  7. 請求項4又は5記載の組成物を基材に含浸もしくは塗布せしめ、半硬化せしめてなるプリプレグ。
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