JP2017171717A - 非延焼性グリース組成物 - Google Patents

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Shinya Yamamoto
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Abstract

【課題】良好な潤滑性を奏するとともに、火災の危険性をより一層低下させることができる、非延焼性に優れたグリース組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係るグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とを含有し、非延焼性を有するグリースであって、基油は、合成油と、鉱物油とから構成されており、合成油として、少なくともコンプレックスエステルを含み、鉱物油の含有量が、組成物中において20質量%未満である、ことを特徴とする非延焼性に優れたグリース組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、非延焼性を有するグリース組成物に関する。
グリース組成物は、基油にリチウム石けんのような金属石けん等を増ちょう剤として混合したものであり、一般に広く使用されている。
近年の産業機械や電気機器、自動車等の機械技術の進歩に伴い、各種機器は小型化、高出力化し、また耐熱性等の耐久性が向上したが、一方で運転時の発熱による機器温度の上昇、高温雰囲気下における機器の稼働等、機器運転時における高温対策が要求されることとなった。
これに伴い、各種機器に使用されるグリースについても、高温下での使用に、より一層に適することが要求されている。
その中でも、特に産業機械等に使用されるグリースは、高温下での使用における火災発生を防ぐという観点から、燃え難いことが要求され、また万一燃焼した場合でも延焼しにくいこと、すなわち燃え拡がらないといった高い安全性が要求されている。
これまで、難燃性に優れたグリース組成物は種々提案されている(例えば特許文献1、2を参照)。しかしながら、機器の使用環境はますます苛酷化しており、火災等の発生を抑制するといった高い安全性を備えるとともに、より一層の潤滑性が得られることが望まれている。
特開2004−67843号公報 特開2011−105828号公報
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、良好な潤滑性を奏するとともに、火災の危険性をより一層低下させることができる、非延焼性に優れたグリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、合成油であるコンプレックスエステルを含む基油により構成されたグリース組成物によれば、優れた非延焼性を奏することを見出した。また、そのコンプレックスエステルを含有するものであれば、基油として所定の割合で鉱物油も含有させることができ、これにより、非延焼性に優れた、安価なグリース組成物となることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、基油と、増ちょう剤とを含有し、非延焼性を有するグリースであって、前記基油は、合成油と、鉱物油とから構成されており、前記合成油として、少なくともコンプレックスエステルを含み、前記鉱物油の含有量が、組成物中において20質量%未満である、非延焼性グリース組成物である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記コンプレックスエステルの含有量は、組成物中において5質量%以上50質量%以下である、非延焼性グリース組成物である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記合成油は、コンプレックスエステルと、ポリアルファオレフィンとの混合物である、非延焼性グリース組成物である。
(4)本発明の第4の発明は、第3の発明において、前記ポリアルファオレフィンは、40℃動粘度が400mm/s以上である、非延焼性グリース組成物である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記基油を構成するコンプレックスエステルは、ネオペンチルグリコールと、ダイマー酸と、2−エチルヘキシルアルコールとをエステル化反応して得られたものである、非延焼性グリース組成物である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、添加剤として固体潤滑剤を含有し、前記固体潤滑剤は、グラファイト又は炭酸カルシウムである、非延焼性グリース組成物である。
(7)本発明の第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、添加剤としてフェノール系酸化防止剤を含有する、非延焼性グリース組成物である。
(8)本発明の第8の発明は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記増ちょう剤は、リチウム複合石けんである、非延焼性グリース組成物である。
本発明によれば、安価であって、良好な潤滑性を奏するとともに、火災の危険性をより一層低下させることができる非延焼性に優れたグリース組成物を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
≪1.非延焼性グリース組成物≫
本実施の形態に係るグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とを含有するものであり、非延焼性を有するグリース組成物(以下、「非延焼性グリース組成物」、または単に「グリース組成物」ともいう)である。ここで、「非延焼性」とは、着火せず、あるいは着火した場合でも燃え拡がりを抑制することができる性質をいう。具体的に、非延焼性については、そのグリースに対して、例えば後述する実施例にて行ったような、高温に加熱した鋼球等の加熱物を接触させる非延焼性試験によって評価することができる。
具体的に、本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物は、基油成分が、合成油と鉱物油とから構成されており、その合成油として少なくともコンプレックスエステルを含むことを特徴としている。このように、少なくともコンプレックスエステルを含む合成油を基油として構成されたグリース組成物であることにより、優れた非延焼性を奏することができる。また、このようにコンプレックスエステルを含むものであることで、基油成分として鉱物油も特定の範囲で含有させることができ、より一層に潤滑性を高めることができるとともに、安価なグリース組成物とすることができる。以下、具体的に説明する。
(1)基油成分
基油は、グリース組成物の主成分をなすものである。本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物においては、基油として、合成油と鉱物油とから構成される。ここで、「合成油」とは化学的に合成された油であり、一方で、「鉱物油」とは天然の原油から分離、蒸留、精製されて得られる油である。
そして、この非延焼性グリース組成物においては、その基油成分である合成油として、少なくともコンプレックスエステルを含むことを特徴としている。
[合成油]
(コンプレックスエステル)
コンプレックスエステルとは、例えば、1価アルコール及び多価アルコールと、多塩基酸とを原料として合成されるエステルである。本実施の形態において、コンプレックスエステルとしては、特に限定されないが、脂肪族1価アルコール及び脂肪族多価アルコールと、直鎖状又は分岐状の脂肪族モノカルボン酸、直鎖状又は分岐状の脂肪族二塩基酸あるいは芳香族二塩基酸、三塩基酸、四塩基酸とからなるコンプレックスエステルを好適に使用することができる。
具体的に、1価アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数1〜24、好ましくは炭素数6〜12のもの、より好ましくは炭素数8〜10のものが用いられる。このような1価アルコールとしては、直鎖のものでも分岐を有するものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、ヘンイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、及びこれらの混合物等が挙げられる。その中でも特に、8〜10の炭化水素基に分岐を有する1価アルコールが好ましい。
また、多価アルコールとしては、特に限定されないが、2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類等が挙げられる。その中でも特に、より高い熱安定性が得られる観点から、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等がより好ましい。
また、多塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン−1,12−ジカルボン酸、プラシリン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸等が挙げられる。また、その中でも、炭素数2〜40のダイマー酸であることが好ましく、炭素数36のダイマー酸であることがより好ましい。
なお、多塩基酸としては、上述した二塩基酸に限られず、三塩基酸や四塩基酸等であってもよい。また、コンプレックスエステルとしては、一塩基酸を含むものであってもよく、一塩基酸としては例えば炭素数2〜24の脂肪酸が用いられる。
上述した原料を用いたエステル化反応としては、例えば、アルコールと多塩基酸とを所定の割合で反応させればよい。
また、多価アルコール中の水酸基又は多塩基酸のカルボキシル基の全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基又はカルボキシル基の一部がエステル化されず水酸基又はカルボキシル基のまま残存する部分エステルでもよい。
コンプレックスエステルの含有量としては、特に限定されないが、例えば、グリース組成物全量に対して1質量%〜80質量%程度の範囲とすることができ、5質量%〜50質量%程度の範囲とすることがより好ましく、10質量%〜35質量%程度の範囲とすることが特に好ましい。コンプレックスエステルの含有量が少なすぎると、非延焼性の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、含有量が多すぎると、効率的にグリース組成物を製造できない可能性がある。なお、後述するように、合成油としてポリアルファオレフィンとの混合油を用いる場合には、そのポリアルファオレフィンの含有量も考慮して決定すればよい。
(ポリアルファオレフィン)
また、この非延焼性グリース組成物において、基油である合成油として、コンプレックスエステルとポリアルファオレフィンとの混合物により構成されるものであることが好ましい。このように、コンプレックスエステルとポリアルファオレフィンとの混合油を合成油として含有させることで、効率的にグリース組成物を調製することができ、またより優れた非延焼性を発揮させることができる。
ポリアルファオレフィン(PAO)は、アルファオレフィン(α−オレフィン)の重合体である。モノマーであるアルファオレフィンの炭素数としては、粘度指数や蒸発性の観点から、炭素数6〜20程度のものが好ましく、炭素数8〜16程度のものがより好ましく、炭素数10〜14程度のものが特に好ましい。また、ポリアルファオレフィンとしては、低蒸発性及び省エネルギーの観点から、アルファオレフィンの2量体〜5量体程度までのものが好ましい。なお、目的とする性状に合わせて、モノマーの炭素数、配合比、重合度を調節することができる。
アルファオレフィンの重合触媒としては、メタロセン触媒、AlCl触媒、チーグラー型触媒等が使用可能であり、特に、メタロセン触媒により重合させて得られるポリアルファオレフィンであることが好ましい。メタロセン触媒を用いて重合させて得られたポリアルファオレフィンは、安価であるとともに、低分子量成分が少なく分子量分布が狭い範囲となる。そのため、引火しにくい。
なお、メタロセン触媒としては、例えば、メタロセン錯体を組み合わせた公知のものを用いることができる。メタロセン錯体としては、例えば、チタン、ジルコニウム、又はハフニウム等を含有する共役炭素5員環を有する錯体を用いることができる。
また、ポリアルファオレフィンとしては、特に限定されないが、40℃における動粘度が400mm/s以上のものであることが好ましい。40℃動粘度が400mm/s以上であるポリアルファオレフィンにより基油としての合成油を構成することで、それを用いたグリース組成物の難燃性が向上し、また着火した場合でも燃え拡がりを有効に抑制して、良好な非延焼性を発揮するものとなる。メタロセン触媒を用いて重合させてポリアルファオレフィンを合成することにより、より効率的に、40℃動粘度が400mm/s以上のものとすることができる。なお、40℃動粘度が400mm/s未満であると、非延焼性の効果が低下してしまう可能性がある。
ポリアルファオレフィンの含有量としては、特に限定されるものではなくコンプレックスエステルの含有量も考慮して決定すればよいが、例えば、グリース組成物全量に対して1質量%〜50質量%程度の範囲とすることができ、5質量%〜35質量%程度の範囲とすることがより好ましく、7質量%〜20質量%程度の範囲とすることが特に好ましい。ポリアルファオレフィンの含有量が少なすぎると、効率的にグリース組成物を製造できない可能性がある。一方で、含有量が多すぎると、相対的にコンプレックスエステルの含有量が少なくなり、非延焼性の効果が十分に得られない可能性がある。
(ポリアルファオレフィンとコンプレックスエステルの混合比率)
上述したように、基油成分中における合成油として、コンプレックスエステルとポリアルファオレフィンとの混合油を用いる場合、その混合比率としては、特に限定されないが、質量比でコンプレックスエステル:ポリアルファオレフィン=30:70〜70:30とすることが好ましく、40:60〜60:40とすることが好ましく、50:50とすることがより好ましい。
混合比率に関して、コンプレックスエステルの割合が少なすぎると、グリース組成物の非延焼性の効果が十分に得られない可能性があり、一方で、コンプレックスエステルの割合が多すぎると、グリースを調製する際に添加した水と反応して加水分解を生じさせ、グリース組成物が効率的に得られない可能性がある。
(その他の合成油)
また、合成油として、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン等の炭化水素系油、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル等の含酸素合成油などを含有させることもできる。
[鉱物油]
本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物では、上述したように合成油として少なくともコンプレックスエステルを含有していることにより、基油成分としては鉱物油も特定の割合で含有させることができる。これにより、優れた非延焼性を発揮しながら、潤滑性を向上させることができる。また、基油成分の一部を鉱物油により構成することで、グリース組成物を安価に製造することができる。
鉱物油としては、特に限定されるものではなく、例えば、液体石油、パラフィン系、ナフテン系、あるいは混合パラフィン/ナフテン系の溶媒処理又は酸処理されたものを用いることができる。なお、このような鉱物油は、一般的に、上述した合成油よりも安価であり、基油成分の少なくとも一部として鉱物油を用いることで、安価にグリース組成物を製造することができる。
鉱物油の含有量としては、グリース組成物全量に対して20質量%未満の範囲とする。また、より好ましくは、10質量%以下の範囲とする。鉱物油の含有量が組成物中において20質量%以上であると、非延焼性の効果が十分に現れなくなる。なお、鉱物油の含有量の下限値としては、特に限定されず、組成物中において0.1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上とすることができる。
[合成油と鉱物油とからなる基油の含有量]
グリース組成物中における基油の含有量、すなわち合成油と鉱物油とを合わせた基油成分の含有割合としては、特に限定されないが、グリース組成物中に60質量%〜95質量%程度の割合とすることができる。
なお、基油の含有量に関しては、所望のグリース硬度を得るために添加する増ちょう剤の含有量も考慮して任意に定めることができる。
(2)増ちょう剤
増ちょう剤は、上述した基油と共にグリース基剤を構成し、油を保持する成分であり、従来から一般的に使用されているものを用いることができる。
具体的に、増ちょう剤は、石けん系と非石けん系とに大別できる。石けん系としては、例えば、リチウム石けん、リチウム複合石けん、カルシウム石けん、カルシウム複合石けん、アルミニウム石けん、アルミニウム複合石けん等が挙げられる。また、非石けん系としては、例えば、ウレア化合物、有機ベントナイト、シリカ等が挙げられる。その中でも特に、リチウム複合石けんを用いることが好ましい。なお、これらの増ちょう剤は、1種類を単独で、又は2種以上を併用することができる。
増ちょう剤の含有量としては、特に限定されず、基油と共に所望とするグリース硬度となるように配合すればよく、基油との関係で任意に決定することができる。例えば、グリース硬度を硬くするためには基油の割合を少なくし、一方で柔らかくするためには基油の割合を多くすることで調整することができる。
(3)固体潤滑剤
本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物には、添加剤として固体潤滑剤を含有させることができる。このように固体潤滑剤を含有させることによって、耐荷重性等の優れた潤滑性を発揮させながら、非延焼性を有するグリース組成物とすることができる。
固体潤滑剤としては、特に限定されるものではないが、難燃性、自己消化性に優れている点で、グラファイト又は炭酸カルシウムが好ましい。これら固体潤滑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、固体潤滑剤としては、上述したグラファイトや炭酸カルシウムのほか、二硫化モリブデン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、窒化ホウ素、メラミンシアヌレート、二硫化タングステン等を使用することも可能ではある。ただし、例えば二硫化モリブデン等を使用した場合には、グリースに着火してから消化までの時間が若干長くなる可能性がある。したがって、これらを使用する場合、他の固体潤滑剤と併用して含有量を調整することが好ましい。
固体潤滑剤の含有量としては、特に限定されず、その要求される潤滑性に応じた含有量とすることができる。具体的には、グリース組成物全量に対して0.1質量%〜10質量%程度の範囲とすることができ、1質量%〜5質量%程度の範囲とすることがより好ましい。固体潤滑剤の含有量が0.1質量%未満であると、グリース組成物の潤滑性の向上効果が十分に得られず、一方で、含有量が10質量%を超えると、グリースの圧送性を阻害する可能性がある。
(4)添加剤(フェノール系酸化防止剤)
また、本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物には、添加剤としてフェノール系酸化防止剤を含有させることができる。フェノール系酸化防止剤は、優れた難燃性を有する成分である。そのメカニズムは明らかではないが、フェノール系酸化防止剤を配合させることで、より優れた非延焼性を発揮させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−di−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤の含有量としては、特に限定されないが、グリース組成物全量に対して0.1質量%〜5質量%の範囲とすることが好ましく、1質量%〜4質量%の範囲とすることがより好ましい。フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1質量%〜5質量%の範囲であることにより、非延焼性の向上効果が十分に発揮させることができる。
(5)その他の添加剤
本実施の形態に係るグリース組成物においては、上述した各成分のほか、グリースに一般的に用いられている各種添加剤を、非延焼性の作用を阻害しない範囲でさらに配合させることができる。具体的には、フェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤、防錆剤、油性剤、極圧剤、耐摩耗剤、金属不活性剤、ポリマー、金属系清浄剤、非金属系清浄剤、着色剤、撥水剤等が挙げられる。
例えば、酸化防止剤としては、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェノチアジン等が挙げられる。また、防錆剤としては、酸化パラフィン、カルボン酸金属塩、スルフォン酸金属塩、カルボン酸エステル、スルフォン酸エステル、サリチル酸エステル、コハク酸エステル、ソルビタンエステルや各種アミン塩等が挙げられる。また、油性剤、極圧剤、耐摩耗剤としては、硫化ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫化ジアリルジチオリン酸亜鉛、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、硫化ジアリルジチオカルバミン酸亜鉛、硫化ジアルキルジチオリン酸モリブテン、硫化ジアリルジチオリン酸モリブテン、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブテン、硫化ジアリルジチオカルバミン酸モリブテン、有機モリブテン錯体、硫化オレフィン、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジンフォスフェート、その他リン酸エステル類、硫化油脂類等が挙げられる。
また、金属不活性剤としては、N,N’ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾール等が挙げられる。また、ポリマーとしては、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリメタクリレート等が挙げられる。また、金属系清浄剤として、金属スルホネート、金属サリチレート、金属フィネート等が挙げられる。また、非金属系清浄剤として、コハク酸イミド等が挙げられる。
これらの任意の添加剤の含有量としては、特に限定されないが、グリース組成物全量に対して0.1質量%〜5質量%程度の割合で含有させることができる。
≪2.非延焼性グリース組成物の製造方法≫
本実施の形態に係る非延焼性グリース組成物は、合成油と特定量の鉱物油とから構成される基油と、増ちょう剤とを含有し、具体的にその基油を構成する合成油としては少なくともコンプレックスエステルを含む。
このようなグリース組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、合成油であるコンプレックスエステルと、鉱物油と、増ちょう剤とを銅釜内で混合し、100〜300℃程度の温度で1〜24時間加熱して溶解させながら撹拌し、続いて、固体潤滑剤や酸化防止剤、その他の任意の添加剤を混合してさらに撹拌し、その後冷却することによって、グリース組成物を得ることができる。
また、合成油として、コンプレックスエステルとポリアルファオレフィンとの混合油とする場合には、先ず、ポリアルファオレフィンを、脂肪酸とアルカリとを使用して1次及び2次けん化反応を生じさせ、完全に水分を除去した状態でコンプレックスエステルを混合させ、100℃〜300℃程度の温度で1〜24時間加熱し、その後冷却することによって、グリース組成物を製造することができる。さらに、その他の任意の添加剤を、その後に添加混合することができる。
なお、撹拌、混練処理に際しては、例えば、3本ロールミル、万能撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル等の周知の混練処理装置を用いて行うことができる。
≪3.実施例≫
以下、本発明の実施例を示してより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[グリース組成物の製造]
実施例、比較例において、下記表1に示す組成となるようにグリース組成物を製造し、非延焼性等についての評価を行った。
具体的には、下記表1に示す各成分原料を秤量して混合させた後、自転公転ミキサー(泡取り練太郎)を用いて自転1000rpm×1分間、公転2000rpm×1分間の撹拌処理を行い、脱泡後、3本ロールミル(2パス)で混練させた。
なお、グリース組成物の成分原料のうち、基グリース、合成油(基油)、鉱物油(基油)、酸化防止剤としては、それぞれ以下のものを用いた。
<基グリース>
・リチウム複合石鹸グリース
メタロセンPAOを基油とし、リチウム複合石鹸を増ちょう剤として含有するグリース
<合成油(基油)>
・ポリアルファオレフィン:メタロセンPAO(40℃動粘度:400mm/s)
メタロセン触媒を用いた重合させたポリアルファオレフィン
・コンプレックスエステル:
ネオペンチルグリコールと、ダイマー酸と、2−エチルヘキシルアルコールとをエステル化反応して得られたもの
<鉱物油(基油)>
・ブライトストック(JX製BS):スーパーオイルB460
・JX製N500:スーパーオイルB100
<フェノール系酸化防止剤>
・ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
[非延焼性の評価]
(非延焼性試験)
非延焼性の評価は、φ85mmの円形のブリキ製皿(深さ11mm)に、作製したグリース組成物10gを均一に詰め、電気炉中で900℃に加熱した3/4インチJIS玉軸受鋼球をその中央入れて、消火した時点での延焼距離を縦方向と横方向とで測定してその平均値(mm)を求めた。
(燃焼試験)
燃焼試験は、非延焼性試験と同様に、φ85mm×深さ11mmのブリキ製皿に、作製したグリース組成物10gを均一に詰め、電気炉中で900℃に加熱した3/4インチJIS玉軸受鋼球をその中央に入れて、消火するまでの時間(秒)を測定した。
(非延焼性の評価)
上述した非延焼性試験と燃焼試験の結果から、下記表1の評価欄において、非延焼性に優れる場合を「○」とし、非延焼性が無い(十分ではない)場合を「×」として表記し、実施例、比較例にて作製したグリース組成物について評価した。
[潤滑性の評価]
潤滑性の評価として、耐荷重性試験を実施した。耐荷重性試験としては、ASTM D 2596により規定された方法に基づいてシェル式四球試験を実施し、融着荷重(WL、N)を測定した。下記表1の評価欄において、その融着荷重の測定結果から、耐荷重性が良好であったものを「○」とし、それよりもやや耐荷重性が劣ったものを「△」として表記した。なお、この耐荷重性試験においては、融着荷重が2452N以上であると、実用上、耐荷重性が特に良好であるといえる。
Figure 2017171717
表1の実施例1〜6の結果に示すように、合成油としてコンプレックスエステルを含有するグリース組成物であることにより、鉱物油を組成物中において20質量%未満の割合で含有させた場合であっても、優れた非延焼性を奏することが分かった。また、潤滑性についても良好なものであった。
これに対して、比較例1のグリース組成物では、潤滑性は良好であったものの、コンプレックスエステルを含有していないことから、試験に用いたブリキ製皿の縁まで延焼し、その延焼は拡大する傾向であることが確認された。また、比較例2、3のグリース組成物では、コンプレックスエステルを含有するものであったが、鉱物油の含有量が多すぎたため、燃焼後の消火までの時間が長く、また延焼範囲も非常に大きくなった。
これらの結果から、コンプレックスエステルを含有するとともに、0質量%を超え20質量%未満の範囲で鉱物油を含有するグリース組成物であることにより、良好な潤滑性を示すとともに、非延焼性に優れており高温に曝される環境下においても火災の危険性をより低下させることができる、安価なグリース組成物となることが分かった。

Claims (8)

  1. 基油と、増ちょう剤とを含有し、非延焼性を有するグリースであって、
    前記基油は、合成油と、鉱物油とから構成されており、
    前記合成油として、少なくともコンプレックスエステルを含み、
    前記鉱物油の含有量が、組成物中において20質量%未満である
    非延焼性グリース組成物。
  2. 前記コンプレックスエステルの含有量は、組成物中において5質量%以上50質量%以下である
    請求項1に記載の非延焼性グリース組成物。
  3. 前記合成油は、コンプレックスエステルと、ポリアルファオレフィンとの混合物である
    請求項1又は2に記載の非延焼性グリース組成物。
  4. 前記ポリアルファオレフィンは、40℃動粘度が400mm/s以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載の非延焼性グリース組成物。
  5. 前記基油を構成するコンプレックスエステルは、ネオペンチルグリコールと、ダイマー酸と、2−エチルヘキシルアルコールとをエステル化反応して得られたものである
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非延焼性グリース組成物。
  6. 添加剤として固体潤滑剤を含有し、
    前記固体潤滑剤は、グラファイト又は炭酸カルシウムである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の非延焼性グリース組成物。
  7. 添加剤としてフェノール系酸化防止剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非延焼性グリース組成物。
  8. 前記増ちょう剤は、リチウム複合石けんである
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の非延焼性グリース組成物。
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