JP2017169527A - αモノグルコシルロイフォリン、αモノグルコシルロイフォリンの製造方法、αモノグルコシルロイフォリンを含むリパーゼ阻害剤、および抗糖化剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、ヘスペリジンに糖を付加したフラボノイド配糖体が、味噌の着色防止機能、食品の風味を維持する機能、血圧降下作用を有することが開示されている(特許文献1の実施例参照)。
特許文献4には、美容効果を有する化粧料組成物の一成分として、ロイフォリンの配糖体を用いてもよいことが開示されている。
[1] 以下の工程(1)〜(2)を含むαモノグルコシルロイフォリンの製造方法:
工程(1):α-1,4-グルカンとロイフォリンと水性溶媒が存在する条件下で、第1の酵素を前記α-1,4-グルカンの糖鎖に作用させて、前記α-1,4-グルカンの糖鎖からグルコースを切り出し、少なくとも前記ロイフォリンの第1糖の3”位に前記グルコースを転移させる第1反応工程(糖転移);
工程(2):第1反応工程により得られた、1または2以上のαグルコシル基を有するαグルコシルロイフォリンの群に対して、α-1,4-グルコシダーゼ活性を有する第2の酵素を作用させて、前記αグルコシルロイフォリンのα-1,4-グルコシル基を取り除くことによりαモノグルコシルロイフォリンの濃度(純度)を高める、第2反応工程(糖鎖整理)。
さらに、本発明により、αモノグルコシルロイフォリンを有効成分とするリパーゼ阻害剤、抗糖化剤等が提供される。
−新規化合物−
本発明に係る新規化合物(αモノグルコシルロイフォリン)は、下記一般式(3)で表される。
本発明に係るαモノグルコシルロイフォリンの製造方法は、以下の工程(1),(2)を少なくとも含む。
工程(2):第1反応工程により得られた、1または2以上のαグルコシル基を有するαグルコシルロイフォリンの群に対して、α-1,4-グルコシダーゼ活性を有する酵素を作用させて、前記αグルコシルロイフォリンの該α-1,4-グルコシル基を全て取り除くことによりαモノグルコシルロイフォリンの濃度(純度)を高める第2反応工程(糖鎖整理);
本発明に係るαモノグルコシルロイフォリンの製造方法は、さらに、
第1反応工程の後から第2反応工程の前までの間、第2反応工程の間、又は、第2反応工程の後に、前記反応溶液中に含まれるロイフォリンに対して、βグルコシダーゼ活性を有する第3の酵素を作用させて前記ロイフォリンを分解し、分解により生じたアピゲニンを沈殿させた後、沈殿物を濾別することにより前記反応液中のαモノグルコシルロイフォリンの濃度(純度)を高める第3反応工程を含んでいてもよい。
下記に第1反応工程で行われる第1反応(糖転移反応)のスキームを示す。
上記式中に示した原料のロイフォリン(1)は、その純品をメーカー(Santa Cruz Biotechnology社等)から購入してもよいが、ナリンジンを出発原料にして、公知の方法(EP0052086に記載の方法等)を参考にして製造してもよい。
上記α-1,4-グルカンは、CGTase(Cyclodextrin glycosyltransferaseの略称)の基質となりうる2以上の糖がα-1,4結合を介して連結した糖鎖であり、例えば、後述の水性溶媒に溶解した状態で反応系に添加して用いられる。α-1,4-グルカンとしては、例えば、澱粉部分分解物(α−グルコシル糖化合物)、アミロース,グリコーゲン、アミロペクチン、プルラン、デキストラン、各種サイクロデキストリン(6員環のαCD、7員環のβ−CD、8員環のγ−CD等)等であり、1種または2種以上組合せて用いられる。ここで、上記基質としては、反応率の点で、各種サイクロデキストリンを用いることが好ましく、さらには、β−CDやγ−CDよりも、α−CD(Mw:972.84)を用いることが好ましい。
水性溶媒は、第1の酵素(例;CGTase)が、α-1,4-グルカンからロイフォリンの3”位および/または4’位へグルコースを転移させる活性(糖転移活性)を発揮できる水系溶媒であればよく、水(例:超純水、蒸留水、水道水)、pH緩衝液などを使用することができる。
第1の酵素は、糖転移活性を有する酵素であり、通常、シクロ(サイクロ)デキストリン・グルカノトランスフェラーゼ (CGTase; EC2.4.1.19)が用いられる。CGTaseは、各菌種由来のものを使用することができる。例えば、Bacillus megaterium、Bacillus circulans、Bacillus macerans、Bacillus ohbensis、Bacillus stearothermophilus、Paenibacillus sp.、Bacillus coagulansからなる群から選択された1種以上の菌由来のCGTaseを利用することができる。第1の酵素として、「コンチザイム」(登録商標)(天野エンザイム(株)社製)、Novozymes社製Toruzyme、Wacker Chemie社製CG Tase等を用いることができる。
第1の酵素の使用量は、基質1mmol(例;αCDなら1g)あたりに60U〜70Uの第1の酵素を使用することが好ましい。ここで、「U(ユニット)」とは、酵素の活性量の指標であり、1ユニット(U)は、酵素の至適条件下(温度30℃で、最も化学反応が進む酸性度)で毎分1マイクロモル(μmol)の基質を変化させることができる酵素量(1μmol/分)と定義される。
第1反応の反応時間は、使用する第1の酵素の種類に応じて決定すればよく、CGTaseを使用する場合、酵素の種類にもよるが通常1〜100時間程度である。
α-1,4-グルカンから、式(2)に示すように、ロイフォリンの3”位および/または4’位へグルコースが転移されたことの確認、および糖転移による反応産物の定量は、例えば、第1反応工程後の反応産物をHPLC等の分析に供し、ロイフォリンのピークに加えて、ロイフォリンにグルコースが付加された各種αグルコシルロイフォリン(例;上記化学式(2)でn≧1のもの)の各ピークを観察する(定量の場合は標準物質と比べた場合のピーク面積比から算出)ことにより行うことができる(図1(A)参照)。
第1精製工程として、第1反応を終了させる酵素失活処理およびろ過処理が行われる。酵素失活処理は、例えば、反応液の温度を80℃以上に調整し、30分以上保持する処理することにより行われる。また、ろ過処理は、酵素失活処理や第1反応で析出した酵素タンパク質等の不溶性の夾雑物を除去するために行われる。ろ過処理は、特に限定されないが、一般的な膜ろ過、鉱石を用いたカラムろ過により行うことができる。
下記に第2反応工程で行われる第2反応のスキームを示す。なお、第2反応は、第1反応の酵素失活後、(必要によりろ過等の上記処理をして)得られた第1反応液に第2の酵素(糖鎖切断酵素)を添加し、通常同じ溶媒中で、下記条件下に引き続いて行われる。
第2の酵素は、α-1,4-グルコシダーゼ活性を有する酵素であって、上記式(2)〜(3)に示すように、αグルコシルロイフォリン(2)の第3”位に付加された各糖鎖(式(2)においてn≧2,m≧1)を糖鎖末端からα-1,4-グルコシド鎖を逐次切断していき、ロイフォリンの第1糖であるβグルコースにα-1,3-グルコシド結合した1個の糖のみを残存させる(n=1とする)活性と、αグルコシルロイフォリン(2)のアグリコンの第4’位に付加されたαグルコシル基(m≧1)が存在する場合には、この4’位のα-1,4-グルコシル結合を加水分解して「該4’位の」α-1,4-グルコシル基を取り除く(m=0とする)活性を有する酵素である。両活性によりαグルコシルロイフォリン(2)がモノグルコシル化される。
第2の酵素(糖脱離酵素)は、α-1,4-グルコシダーゼとしての活性・機能を有すれば、以下に説明するトランスグルコシダーゼ、αグルコシダーゼなどを何れか1種単独で用いてもよいし、これらを併用してもよい。
トランスグルコシダーゼは、植物、動物、微生物(各種菌類(Aspergillus niger、Acremonium sp.等) 由来のトランスグルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)を用いることができる。トランスグルコシダーゼとして、「トランスグルコシダーゼL「アマノ」」(天野エンザイム社)を好適に用いることができる。
グルコアミラーゼは、デンプンの構成要素であるアミロースとアミロペクチンのα-1,4グルコシド鎖を非還元性末端からグルコース単位で切断するエキソ型酵素である。
第1反応で得られたαグルコシルロイフォリン(2)の群に含まれる糖鎖の長さが異なる各αグルコシルロイフォリン分子の全体(合計)1molに対して、第2の酵素をトランスグルコシダーゼ活性で100kU〜10GU(グルコアミラーゼ活性で10kU〜10GU)となる量を使用することが望ましい。なお、トランスグルコシダーゼ活性の酵素単位(U)は、1質量%メチル−α−D−グルコピラノシド水溶液を基質として、pH5.5、反応温度55℃の反応条件下において、1分間に1μmolのグルコースを生成する酵素力を1単位(1U)としたものである。グルコアミラーゼの活性も同様である。
第2反応の条件として、第2の酵素が作用しうる温度、pH、時間であれば制限されない。αモノグルコシルロイフォリンが最も効率良く生成される反応条件、例えば、pH:4〜7、反応温度:50〜70℃(好ましくは55℃〜65℃)、反応時間:2〜72時間が好ましい。第2の酵素がトランスグルコシダーゼ(アマノエンザイム社)である場合も同様である。溶媒としては、前記した通り、通常、第1反応時と同様のものがそのまま用いられる。
本工程は、第1反応工程を実施した後(例えば、第1反応工程の後から第2反応工程の前までの間、第2反応工程の間、又は、第2反応工程の後に、)得られたαモノグルコシルロイフォリンが含まれた反応生成物(B)に第3の酵素を作用させて、反応生成物(B)中に残存する未反応の前記ロイフォリン(1)を分解・沈殿させる工程である(下記式参照)。
また、第1反応工程でロイフォリンの4’の位置にのみ糖が転移した場合であって、第2反応工程により上記糖が除去された場合もロイフォリンが生成される(換言すれば、原料ロイフォリンに戻る)。これらのロイフォリンは夾雑物(夾雑したロイフォリン)として反応液中に残存する。
βグルコシダーゼ活性を有する第3の酵素は、ロイフォリンのβグルコシド結合を分解する活性を有する酵素である。上述したように、ロイフォリン(1)の3”位または4’位には、さらにグルコースが結合しており、分子全体で単糖由来部分が3個以上となるため、第3の酵素は、αモノグルコシル化されたロイフォリン(上記(3))のアピゲニン骨格の7位にβグルコシド結合した1個目の糖は分解しない。第3の酵素の例としては、βグルコシダーゼ活性を有する酵素[例えば、「アロマーゼ」(登録商標、天野エンザイム(株))、「β−Glucosidase HT1」((株)耐熱性酵素研究所)、「スミチーム BGA」(新日本化学工業(株))、「recombinant β-Glucuronidase」(オリエンタル酵母工業(株)、「GODO-GBA」(合同酒精(株))等、βグルコシダーゼを含有する酵素]が挙げられる。
第1反応で得られたαグルコシルロイフォリンの群(2)に含まれる糖鎖の長さが異なる各αグルコシルロイフォリン分子の全体(合計)1molに対して、第3の酵素をβグルコシダーゼ活性で30U〜30MUとなる量を使用することが望ましい。なお、βグルコシダーゼ活性とは、p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドを基質として、pH7.0、反応温度37℃の反応条件下において、1分間に1μmolのpニトロフェノールを生成する酵素力を1単位(1U)としたものである。反応前後の反応溶液について、405nmの吸収波長の変化を測定することで、pニトロフェノールの検量線から第3の酵素のβグルコシダーゼ活性(U)を算出することができる。
第2反応の条件として、第2の酵素が作用しうる温度、pH、時間であれば制限されない。第2の酵素がトランスグルコシダーゼ(アマノエンザイム社)、第3の酵素がアロマーゼ(登録商標)(アマノエンザイム社)である場合には、通常、反応温度は、)30℃〜70℃、反応pHは3.0〜8.0、反応時間は2〜72時間に設定することが望ましい。
第3の酵素の反応条件は、β−グルコシダーゼ活性を有する酵素の至適pH、温度付近に調整し、βグルコシダーゼと同様の反応時間で反応させることが望ましい。
第2精製工程は、第2反応に用いた酵素を失活させる酵素失活処理工程、反応液中の夾雑物を除去するためのろ過工程(低度,高度)、および乾燥工程を含む。
さらに、上記ろ過処理した反応液を乾燥することにより、αモノグルコシルロイフォリン粉末を得ることができる。反応液の乾燥方法としては、凍結乾燥および粉砕、スプレードライ法などの公知の乾燥方法を使用することができる。
本発明に係るリパーゼ阻害剤は、αモノグルコシルロイフォリン(3)を有効成分として含有する。
リパーゼ活性は、1分間に1μモルの基質を分解する酵素活性を1Uとする。リパーゼの活性測定方法は、公知の方法、例えば、4−UMO蛍光測定法により行うことができる。この方法では、下記に示したように、先ず、4−メチルウンベリフェリルオレート(4−MUO)に対してリパーゼが作用することで、4−メチルウンベリフェロンが遊離する。次に、遊離した4−メチルウンベリフェロンを360nmの波長光で励起し、該励起により発した波長465nmの蛍光の強度を測定する。そして、当該測定値を予め既知濃度の4−UMOで作成しておいた検量線に照らすことで、リパーゼの活性を定量することができる。
上述したようなリパーゼ活性測定の反応系に対して本発明に係るリパーゼ活性阻害剤を投入すれば、リパーゼの活性が阻害されて生成される4−メチルウンベリフェロンの量が減少する為、その減少量を調べることで、阻害剤のリパーゼ活性阻害能を調べることができる。下記式は、阻害剤を全く含まない場合のリパーゼ活性を100%として、阻害剤を含む場合のリパーゼ活性(%)を算出するためのものである。
リパーゼ活性(%)=FIc−FId/FIb−FIa×100
{ここで、FIcは反応系(4−MUO+リパーゼ+阻害剤)の蛍光強度、FIdは反応系(4−MUO+阻害剤)の蛍光強度、FIbは反応系(4−MUO+リパーゼ)の蛍光強度、FIaは反応系(4−MUO)の蛍光強度、を意味する。}
リパーゼ阻害剤として公知のオルリスタット(Orlistat)のIC50は、122〜300ng/mLである(http://www.selleckchem.com/products/Orlistat(Alli).html)。オルリスタットの分子量(Mw)は495.7g/molであるので、IC50値は約0.246〜0.605μMである。オルリスタットの用量反応曲線は400mgまではリパーゼ阻害効果と高い相関があり、1日の処方は通常400mg程度であることから、通常の成人男性(50kg〜90kg)を前提とした場合、オルリスタットの投与量は4.4〜8.0mg/kg体重/日となる。
本発明に係る肥満抑制剤/体臭抑制剤は、有効成分としてαモノグルコシルロイフォリンを含んでいるが、これら医薬品(肥満抑制剤)は、αモノグルコシルロイフォリンを公知の方法に従って薬学的に許容される担体と混合して、公知の剤型、例えば、内用液剤、シロップ剤、エマルジョン、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、トローチ剤、カプセル剤、持続性製剤、皮膚外用医薬品(外用液剤、テープ剤、クリーム剤、軟膏剤、パスタ剤、散剤、エアゾール剤、貼付剤、ローション剤、ゼリー剤、散布剤、液状塗布剤、リニメント剤、パスタ剤、硬膏剤、せっけん剤、湿布剤、パップ剤、浴剤)とすることができる。前記薬学的に許容される担体としては、例えば有機担体又は無機担体、例えば滑沢剤、結合剤、崩壊剤、賦形剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤等が挙げられる。
本発明に係る体臭抑制剤、炎症抑制剤は、αモノグルコシルロイフォリン(3)を有効成分として含有する。
本発明に係る化粧品素材(化粧品)は、αモノグルコシルロイフォリン(3)を有効成分として含有する。化粧品素材剤型、用途などとしては、洗顔料、クレンジング、化粧水、乳液、クリーム、ジェル・美容液、パックマスク、スキンケア(マッサージ用)、リップケア等が含まれる。αモノグルコシルロイフォリンを2mM以下の有効量、特に0.066mM〜0.66mM含む化粧品素材が特に好ましい。このような化粧品素材は、上述したような体臭抑制剤・炎症抑制剤の効果を奏するものとして有用である。
本発明に係る食品添加物は、αモノグルコシルロイフォリンを含む食品添加物であり、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、他の食品添加物、調味料等と混合して食品に配合することができる。また、このように配合して得られた食品も本発明に含まれる。「食品」には、一般的な食品に加えて食品原料も含まれる。上記「食品」は、好ましくは油分を含む食品であり、例えば、乳飲料、乳加工品、菓子類等である。αモノグルコシルロイフォリンは親水性部分(OH基、グルコシル基)と疎水性部分(アグリコン部分)の双方を化学構造中に有するため、水分と油分の両方を含む食品が特に好ましい。
清涼飲料水、白米、砂糖、デザートなど、過剰に摂取した糖分とたんぱく質との結合「糖化反応(メイラード反応)」は現代人の健康維持にとって重要な問題となっている。また、糖尿病などで高血糖状態が続いたり、加齢により分解反応が進行し難くなると、糖化産物の生成に傾き、たんぱく質の機能が損なわれたり、糖化産物が蓄積したりする。
本発明者らは、新規化合物として製造したαモノグルコシルロイフォリンについて抗糖化能を調べたところ、驚くべきことに、優れた抗糖化能があることを見出した。すなわち、本発明に係る抗糖化剤は、下記式(3)のαモノグルコシルロイフォリンを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明に係る抗糖化剤は、αモノグルコシルロイフォリンが腸内細菌で加水分解されやすいため、経口投与以外の方法で投与される剤型に製剤されていることが好ましい。経口投与以外の方法で投与される剤型としては、注射剤、貼付剤、リニメント剤、ローション剤、経皮吸収型製剤、リポソーム製剤(中にαモノグルコシルロイフォリンを含む)などが例示される。このうちリポソーム製剤の場合、リポソームの外表面にAGEs(コラーゲン老化指標マーカー等)を抗原として特異的に認識する抗体を付加してドラッグデリバリー製剤としてもよい。このような抗体としては、例えば、抗CMLモノクローナル抗体、抗CELモノクローナル抗体(いずれも(株)ニッピ社)、抗 AGEs モノクローナル抗体 (Clone No.6D12)((株)トランスジェニック社)等が挙げられる。
αモノグルコシルロイフォリンの濃度と総AGEs量とは相関関係にあるので、濃度が高い程、より抗糖化効果が得られる。抗糖化剤中のαモノグルコシルロイフォリンの含有量は、抗糖化効果が得られる濃度範囲であれば限定されないが、上述した各剤型で投与した後に血中内または細胞内でのαモノグルコシルロイフォリンの濃度が4.2μM〜140μMとなるように製剤されていることが好ましい。
(糖化の定量)
上述したように、タンパク質が糖化(メイラード反応)することにより、糖化タンパク質(AGEs)が生成される。AGEsの特性の1つとして蛍光性を有することが挙げられる。したがって、このAGEsの蛍光性を利用して生成されたAGEsを定量することができる。蛍光を発する蛍光性AGEsの多くは、励起光330〜370nm、放射光400〜440nmの蛍光性を有する。
一定の反応条件で糖化処理を行う反応系に抗糖化剤を投入し、抗糖化剤の投入の有無により変化する上記糖化の程度の差異を調べることにより、抗糖化剤の抗糖化能を調べることができる。抗糖化剤の非存在下で標準タンパク質を糖化処理した際の反応液の上記蛍光の強度に対して、抗糖化剤の存在下で標準タンパク質を同一条件で糖化処理した際の上記蛍光の強度を相対的に表したもの(下記式参照)を用いて、抗糖化能を評価することができる。
褐変度(%)=(ODc−ODa−ODd)/(ODb−ODa)×100
(ここで、ODc=反応液1(標準タンパク質+糖化剤+抗糖化剤)の蛍光強度、ODa=ブランク液1(標準タンパク質のみの溶液)の蛍光強度、ODd=ブランク液2(αモノグルコシルロイフォリンのみの溶液)の蛍光強度、ODb=反応液2(標準タンパク質+糖化剤)の蛍光強度である。ここでの「蛍光強度」とは、標準タンパク質が糖化した際にその励起光で励起されて発する所定波長の蛍光(調べる対象がFBSである上記の例ならば、420nmの蛍光)の強度(蛍光発光量)を意味する。)
αモノグルコシルロイフォリンを有効成分とする下記の外用組成物であれば、抗糖化能によりコラーゲン等の糖化(褐変化)を抑制して、肌の色素沈着などを抑制することが期待できる点で特に好ましい。また、αモノグルコシルロイフォリンを4.2μM〜140μMで含有する外用組成物がより好ましい。
以下に説明するように、ナリンジンからロイフォリンを製造した。(1)ナリンジンの水酸基を無水酢酸でアセチル化して保護し、(2)ヨウ素とジメチルスルホキシドで酸化脱水素した後、(3)水酸化ナトリウム水溶液中で脱アセチル化を行うことにより、ロイフォリンを製造した。
(第1反応工程)
第1反応工程では、製造例1で得られたロイフォリンから、以下の(1)〜(4)の操作を行うことで、α1,4-グルコシド結合を介して少なくともロイフォリンの第1糖の3”位にグルコースが1個以上付加されたロイフォリン(試料A)を製造した。
(1)水道水1.9Lを60℃に昇温した後、この水道水にα−サイクロデキストリン(αCD)80g投入し、溶液全体を加熱しながら溶解した。
(2)該溶液を撹拌しながらロイフォリン原末20gを加え、該溶液の5N〜0.1Nの水酸化ナトリウムでpHを12以上に調整し、溶液に加えたロイフォリン原末を完全に溶解させた。
(3)この溶解後の溶液を、硫酸(濃度:25〜0.1%)でpH6.5〜7に調整した後、CGTase(第1の酵素)をαCD1g(1Dex)あたり66U(=66U/Dex)となるように前記溶液に加えて投入した後、溶液全体を60℃で1日静置し反応(第1反応)させた。
次に、下記(4)〜(5)の通りに、試料Aに含まれるαグルコシルロイフォリンの群(2)の精製を行った。
(4)HPLC(HPLC−(1)の条件は後述)にて糖転移ロイフォリンの生成反応確認後(図1(A))、第1反応を行って得られた上記溶液を、湯浴中にて80℃以上で30分加熱し、CGTaseを失活させた。
(5)酵素失活処理した上記溶液を珪藻土「珪藻土スーパーライト1号」(東京今野商店)にて減圧ろ過を行った。
・ポンプ装置:液体クロマトグラフィー「LC-20AT」(島津製作所)
・カラム:ODSカラム「5C18」(ナカライテスク社製)
・検出器:「UV/VIS DETECTOR」(島津製作所)
・検出波長:266nm、340nm
・流速:1.0mL/分
・カラムオーブン温度:40℃
・移動相:20% アセトニトリル with 0.01%酢酸
(6)上記第1精製工程を経て得られた上記ろ液(αグルコシルロイフォリン(2)を含む溶液)につき、硫酸(濃度:25〜0.1%)でpHを6.0に調整し、反応液全体に対して、トランスグルコシダーゼ(第2の酵素)とアロマーゼ(第3の酵素)(いずれも天野エンザイム社製)をそれぞれ酵素量:3.6MU(12mL/2L溶媒)、酵素量:96U(12g/2L溶媒)加えて、よく溶解させ、60℃にて1日静置させ反応させた(第2反応、未反応ロイフォリンの分解・沈殿)。なお、本実施例ではトランスグルコシダーゼとアロマーゼを同時に作用させたが、別々に作用させてもよく、その順序も特に限定されない。
(7)上記第2反応工程を行って得られた(αモノグルコシルロイフォリン(3)を含む溶液)につき、湯浴にて80℃以上で30分加熱し、酵素を失活させ、上記と同一の珪藻土によるろ過を行った。
(8)XAD-7(1L)にて脱糖、吸脱着を行い、50%エタノールで溶出させた溶出液を孔径0.45μmメンブランフィルターにてろ過を行った。
(9)その後、濃縮し凍結乾燥させた。
(10)凍結乾燥後、乳鉢にて粉砕し、αモノグルコシルロイフォリン(試料D)の粉末を得た。
(11)この粉末を水に溶解した反応液を上記と同じ条件のHPLC分析に供した(図1(D))。そして、反応液の主ピーク(αモノグルコシルロイフォリン)を上記とは別のHPLC−(2)(後述)によって分取し、濃縮後に沈殿したものをろ過によって取得した。この沈殿物を乾燥させて、後述の条件にてLC−MS分析を行い、αモノグルコシルロイフォリンの同定を行った。なお、各種分析(LC-MS,HPLC)により、第2反応が行われたこと(αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)が主ピーク(単離または略単離された状態)として存在すること)を確認した。
<HPLC−(2)条件>
ポンプ:日立L-6000
流速:7mL/分
サンプルループ:200μL
カラム:GLサイエンス Inertsil PREP-ODS 20x250mm
カラムオーブン:入らないため、室温
検出器:日立L-4000
検出波長:266nm
移動相:20%または25%アセトニトリルを併用+100ppm酢酸
αモノグルコシルロイフォリン(試料D)の20%水溶液を作製し、上記クロマト装置に供した。αモノグルコシルロイフォリンはアプライから20分くらいから溶出されるため、図1A(A)のクロマトグラム中に示した範囲(約20〜25分)の画分を分取した。αモノグルコシルロイフォリンより後ろにも比較的目立つピーク(30〜50分に溶出)があり、20%アセトニトリルではこれらの押し出しに時間がかかるため、アセトニトリルの濃度を25%に上げてこれらを効率的に押し出した(二段階溶出法)(図1A(A)参照)。
αモノグルコシルロイフォリンの溶液を濃縮し、20時間室温に静置すると沈殿物が現れた。この沈殿物を、0.45μmメンブレン(アドバンテック東洋)を用いてろ過し、常温減圧乾燥(24時間)した。
・HPLC送液ユニット(送液ポンプ):「LC-20AD」(島津製作所)
・LC−MS装置:「LCMS-2020」(島津製作所)
・カラム:「3C18-MS-II Type Waters 4.6×100mm」(ナカライテスク社製)
・検出器:「SPD-M20A DIODE ARRAY DETECTOR」(島津製作所)
・PDA検出波長:266nm、340nm
・イオン化法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)
・測定分子量範囲:0−1000(m/z)
・流速:0.5mL/分
・カラムオーブン温度:40℃
・移動相:20% アセトニトリル with 0.01%酢酸
(i)実施例1において、第1反応工程((1)〜(4))および第1精製工程(5)まで実施例1と同様に行い、続いて下記(ii)〜(vi)の通りの操作(第2反応工程〜第2精製工程に相当する工程)を行った。
(ii)CGTaseを失活させ濾過した後の反応液のpHを実施例1と同様にしてpH6.0に調整し、トランスグルコシダーゼ(第2の酵素)を酵素量:3.6MU(12mL/2L溶媒)を加えてよく溶かし、60℃にて1日静置させ反応(第2反応)させた。
(iii)反応確認後、湯浴にて80℃以上で30分加熱し、酵素を失活させ、珪藻土ろ過を行った(第2精製工程)。
(iv)XAD−7(1L)(ダウ・ケミカル社製)にて脱糖、吸脱着を行い、溶出液を孔径0.45μmメンブランフィルターにてろ過を行った。
(v)その後、濃縮し凍結乾燥させた。
(vi)凍結乾燥後、乳鉢にて粉砕し、αモノグルコシルロイフォリンの粉末(試料B)を得た。実施例1と同様して行ったHPLCの結果を図1(B)に示す。なお、図1(B)において、未反応等による生じたロイフォリンが確認されるが、実施例と同様に、βグルコシダーゼ活性を有する酵素(アロマーゼ等)で分解・除去し、および高純度αモノグルコシルロイフォリンの精製を行った(データ不図示)。
(i)実施例1において、第1反応工程((1)〜(4))および第1精製工程(5)まで実施例1と同様に行い、続いて下記(ii)〜(vi)の通りの操作(第2反応工程〜第2精製工程に相当する工程)を行った。
(vi)XAD-7(1L)にて脱糖、吸脱着を行い、溶出液を孔径0.45μmメンブランフィルターにてろ過を行った。
(vii)その後、濃縮し凍結乾燥させた。
(viii)凍結乾燥後、乳鉢にて粉砕し、αモノグルコシルロイフォリン(試料C)の粉末を得た。実施例1と同様して行ったHPLCの結果を図1(C)に示す。なお、図1(C)において、未反応等による生じたコスメチンが確認されるが、βグルコシダーゼ活性を有する酵素(アロマーゼ等)で分解し、および高純度αモノグルコシルロイフォリンの精製を行った(データ不図示)。
実施例1〜3で製造した高純度のαモノグルコシルロイフォリンのNMRピークの帰属と構造決定を行った。
αモノグルコシルロイフォリンを重水(D2O)又はジメチルスルホキシド−d6(DMSO−d6)中に40mg/mLで溶解させた(試料溶液)。NMR測定は、「JEOL ECA-500 NMR system」(11.7 T, JEOL RESONANCE, Japan) を用いた。試料溶液を5mmのNMRサンプルチューブに充填し、測定温度25℃、60℃、90℃にてスピン速度15Hzで測定を行った。D2O及びDMSO−d6中での内標準物質としてトリメチルシリルプロパン酸(TSP, 0.0 ppm) 及びテトラメチルシラン(TMS, 0.0 ppm) をそれぞれ用いた。1H, 13C, HMQC, HMBC, COSY, HSQC-TOCSY, 1D TOCSY NMR測定を用いて各NMRピークの帰属を決定した(図2,図3)。
NMR測定により得られたαモノグルコシルロイフォリンの構造決定及びNMRピークの帰属を行った。αモノグルコシルロイフォリンをDMSO−d6に溶解し、各種NMR測定(HMQC,HMBC,COSY及び1D TOCSY) を用いて、DMSO−d6(90℃)中のαモノグルコシルロイフォリンの1H及び13Cピークの帰属を行った。いずれのNMRスペクトル中においても特徴的な不純物ピークは観察されなかった(不図示)。これはHPLCにより求めたαモノグルコシルロイフォリンの純度が95%以上という結果と一致した。
結果としては、αモノグルコシルロイフォリンの構造は、式(3)の通り。
αモノグルコシルロイフォリンによるリパーゼ活性阻害能の効果(4−UMO蛍光測定法)
αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)のリパーゼ活性阻害能の評価は、リパーゼの活性を測定する反応系に対して阻害剤(αモノグルコシルロイフォリン等)を各濃度で加えて、濃度別の阻害率(%)を調べることにより行った。
・4−MUO基質溶液の調製
4−メチルウンベリフェロンのオレイン酸エステル(4−MUO)(シグマ−アルドリッチ社)を少量のDMSOで溶解後、13mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で0.1mMとなるように調製した。
・50μg/mLラット腸アセトン粉末(ラット腸由来リパーゼ)溶液の調製
ラット腸由来リパーゼ「Intestinal acetone powders from rat」(シグマ社)を13mMTris−HCl緩衝液(pH8.0)に50μg/mLとなるように溶解した後、常温(25℃)で約10分間撹拌溶解した。ろ紙でろ過したろ液を、同緩衝液を用いて10倍希釈した。なお、アセトン粉末とは、アセトンで溶出したもの粉末化したものを意味する。
・100U/mL豚膵臓由来リパーゼ溶液の調製
豚膵臓由来リパーゼ「Lipase from porcine pancreas」(シグマ社)を13mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解した後、同緩衝液にて10倍希釈した。該希釈液を30℃に調整して使用した。
(1)カートリッジ式多機能型マルチモードプレートリーダー「SpectraMax(商標)Paradigm(商標)」(ベックマン・コールター社)(以下単に「装置」という)と、該装置に取り付けられた状態で装置から発した光を所望の波長の光に変換して出射可能な蛍光カートリッジ「TUNE」(モレキュラーデバイス社)を起動し、前記装置内を30℃に保温した。
リパーゼ活性(%)=(FIc−FId)/(FIb―FIa)×100
「リパーゼ活性(%)=100%」はリパーゼ活性を全く阻害していない場合の蛍光強度を示し、「リパーゼ活性(%)=50%」はリパーゼ活性を50%阻害している場合の蛍光強度を示し、「リパーゼ活性(%)=0%」はリパーゼ活性を100%阻害している場合の蛍光強度を示す。
ラット膵臓由来のリパーゼおよび腸由来リパーゼの試験結果を、それぞれ図8(A)および(B)に示す。
(1)200mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を用いて、標準タンパク質として0.6%ウシ血清アルブミン(BSA)(シグマ社)溶液、糖化剤として30mMグリセルアルデヒド(GA)(ナカライテスク社)溶液、抗糖化剤として各濃度(0μM,12.6μM,42.0μM、126,0μM)のαモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)溶液を調製した。
(2)調製した各溶液を用いて、αモノグルコシルロイフォリンの濃度別に、下記表3に示した通りにそれぞれ試験溶液を調製した。
(4)試験溶液を分光光度計「U-3900」((株)日立製作所)で420nmにおける吸光度が0.1〜1.0の間になるように希釈し、420nmの吸光度を測定することにより、試験溶液の褐変度を求めた。なお、上記の希釈をするのは、高濃度の試験溶液を希釈して褐変度を測定できるようにするためである。
(5)「BSA」溶液の吸光度をODa、「BSA+GA」溶液の吸光度をODb、「BSA+GA+αG-RFL」溶液の吸光度をODc、「αG-RFL」溶液の吸光度をODdとし、下記式より基準(αモノグルコシルロイフォリンを含有しない場合(褐変度100%))に対する褐変度の割合を算出した。
褐変度(%)=(ODc−ODa−ODd)/(ODb−ODa)×100
実施例5−1の結果を図11に示す。
図9および図10(出典:Takeuchi & Yamagishi, J Alzheimers Dis, 16, 845-858, 2009 より一部改変)に示すように、グリセルアルデヒドは、Dグルコースから生成されるAGEsの中間体に該当する。グリセルアルデヒドはアミノ基(H2N)を有するタンパク質と反応して、AGEs(GLAP等)を生成する。
実施例5−2では、実施例5−1で使用した糖化剤(グリセルアルデヒド)の代わりとして、別の糖化剤(フルクトース(Fru))を使用して、αモノグルコシルロイフォリンを含む剤について抗糖化能を調べる試験を以下の通り実施例5−1と同様に行った。
(2)調製した各溶液を用いて、αモノグルコシルロイフォリンの濃度別に、下記表4に示した通りに、それぞれ試験溶液を作製した。
(4)試験溶液を分光光度計「U-3900」((株)日立製作所)で420nmにおける吸光度が0.1〜1.0の間になるように希釈し、420nmの吸光度を測定することにより、試験溶液の褐変度を求めた。
(5)「BSA」溶液の吸光度をODa、「BSA+Fru」溶液の吸光度をODb、「BSA+Fru+αG-RFL」溶液の吸光度をODc、「αG-RFL」溶液の吸光度をODdとし、下記式より基準に対する褐変度の割合を算出した。
褐変度(%)=(ODc−ODa−ODd)/(ODb−ODa)×100
実施例5−2の結果を図12に示す。
図9に示すように、フルクトースは、グリセルアルデヒドと同様に、Dグルコースから生成されるAGEsの中間体に該当する。フルクトースはGAに変化してアミノ基(H2N)を有するタンパク質と反応して、AGEs(GLAP等)を生成する。
以下の通りに、糖化剤としてグリセルアルデヒド(GA)を使用したAGEs測定法Iによりαモノグルコシルロイフォリンによる抗糖化効果の確認を行った。
(2)カートリッジ式多機能型マルチモードプレートリーダー「SpectraMax(商標)Paradigm(商標)」(ベックマン・コールター社)(以下単に「装置」という)と、該装置に取り付けられた状態で装置から発した光を所望の波長の光に変換して出射可能な蛍光カートリッジ「TUNE」(モレキュラーデバイス社)を用いて、総AGEs量としての蛍光強度(励起波長370nm、蛍光波長440nm)、クロスリン量としての蛍光強度(励起波長379nm、蛍光波長463nm)、ピロピリジン量としての蛍光強度(励起波長370nm、蛍光波長455nm)をそれぞれ測定した。
(3)「BSA」溶液の蛍光強度をFIa、「BSA+GA」溶液の蛍光強度をFIb、「BSA+GA+αG-RFL」溶液の蛍光強度をFIc、「αG-RFL」溶液の蛍光強度をFIdとし、下記式より総AGEs、クロスリン、ピロピリジンの生成量の割合を算出した(図13参照)。
生成割合(%)=(FIc−FIa−FId)/(FIb−FIa)×100
グリセルアルデヒドで糖化を誘導した実施例5−4では、総AGEs(図9の破線部分の化合物,図10参照)の量は、αモノグルコシルロイフォリンの濃度が高まるにつれて低下していくが(図13(A))、クロスリンやピロリジンの生成に対する効果は、少なくとも4.2μM〜42μMの範囲で特に優れた効果が確認された(図13(A)〜(B))。上記濃度が42μM以上であれば、さらに抗糖化の効果が得られると推察される。
実施例5−4では、実施例5−1および実施例5−2において、糖化剤としてグリセルアルデヒドの代わりにフルクトースを用いて試験を行い、反応後の溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例5−3と同様に試験を行った。
生成割合(%)=(FIc-FIa-FId)/(FIb-FIa)×100
図14(A)〜(C)に実施例5−4の結果を示す。
フルクトース(Frc)で糖化を誘導した実施例5−4では、総AGEs(図9の破線部分の化合物,図10参照)の量は、αモノグルコシルロイフォリンの濃度が高まるにつれて低下していき(図14(A))、クロスリンやピロピリジンの生成に対しても効果は4.2μM以上の範囲で優れた抗糖化効果が確認された(図14(B)〜(C))。
上述した実施例5−1,実施例5−2における糖化の反応条件(試験溶液を37℃、180rpmで3日間振盪)を、糖化を促進する反応条件(試験溶液を50℃、180rpmで12時間振盪)に変更し、実施例5−3と同様にして、総AGEs量、クロスリン量、およびピロピリジン量をそれぞれ測定した。この結果を図15(A)〜(C)に示す。
反応条件を変更して糖化を促進することにより、実施例5−3よりも総AGEsの絶対的な生成量が増加することとなるが、その状況下でも、αモノグルコシルロイフォリンにより抗糖化効果が十分に得られた(図15(A))。αモノグルコシルロイフォリンの濃度と抗糖化効果との相関も強まり、より多くのAGEsの生成を阻止できた(図13(A)と図15(A)とを対比して参照)。この結果は、クロスリン量、ピロピリジン量についても同様の傾向となった(それぞれ、図13(B)と図15(B)を対比して参照、図13(C)と図15(C)を対比して参照)。
上述した実施例5−1,5−2における糖化の反応条件(試験溶液を37℃、180rpmで3日間振盪)を、糖化を促進する反応条件(試験溶液を50℃、180rpmで12時間振盪)に変更し、実施例5−4と同様にして、総AGEs量、クロスリン量、およびピロピリジン量をそれぞれ測定した。この結果を図16(A)〜(C)に示す。
反応条件を変更して糖化を促進することにより、実施例5−4よりも総AGEsの絶対的な生成量が増加することとなるが、その状況下でもαモノグルコシルロイフォリンにより抗糖化効果が十分に得られた(図16(A))。αモノグルコシルロイフォリンの濃度と抗糖化効果との相関が高く、より多くのAGEsの生成が阻害された(図14(A)と図16(A)とを対比して参照)。この結果は、クロスリン量、ピロピリジン量についても同様の傾向となった(それぞれ、図14(B)と図16(B)を対比して参照、図14(C)と図16(C)を対比して参照)。
αモノグルコシルヘスペリジン(αG-HES)、αモノグルコシルナリンジン(αG-NAR)についても実施例5−5と同様に試験を行い、蛍光強度から総AGEs量、クロスリン量、ピロピリジン量を測定した(比較例1−1)。また、αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)を使用して実施例5−5と同様に試験を行った(実施例5−7)。なお、実施例5−7および比較例1−1のいずれにおいても、使用した各種フラボノイド配糖体の終濃度は140μMであった。この結果を図17(A)〜(C)に示す。
グリセルアルデヒド(GA)を糖化剤として使用し、糖化促進条件下、αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)、αモノグルコシルヘスペリジン(αG-HES)およびαモノグルコシルナリンジン(αG-NAR)をそれぞれ140μMで使用して抗糖化試験を行った結果、αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)(実施例5−7)は、他のフラボノイド配糖体(αG-HES, αG-NAR)と比較して、総AGEs量、クロスリン量およびピロピリジン量の生成量を低く抑える優れた抗糖化能を示した(図17(A)〜(C))
また、図17(A)〜(C)に示したように、実施例5−7では、実施例5−5のαモノグルコシルロイフォリンの使用濃度(終濃度:4.2μM〜42μM)と比較して高濃度のαモノグルコシルロイフォリン(140μM)を使用し抗糖化効果が得られたが、実施例5−7と実施例5−5と比較した場合、抗糖化能に差が無かった(図15および図17を対比して参照)。すなわち、終濃度が4.2μM〜42μMの範囲となるようにαモノグルコシルロイフォリンを含有した抗糖化剤が添加効果、経済性等を考慮すると好ましいことが分かる。
実施例5−7,比較例1−1において、グリセルアルデヒド(GA)の代わりにフルクトースを使用して実施例5−7,比較例1−1と同様に試験を行った。この結果を図18(A)〜(C)に示す。
フルクトースを糖化剤として使用し、糖化促進条件下、αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)、αモノグルコシルヘスペリジン(αG-HES)およびαモノグルコシルナリンジン(αG-NAR)をそれぞれ140μMで使用して抗糖化試験を行った場合でも、αモノグルコシルロイフォリン(αG-RFL)(実施例5−8)は、他のフラボノイド配糖体(αG-HES, αG-NAR)と比較して、総AGEs量、クロスリン量およびピロピリジン量の生成量を低く抑える優れた抗糖化能を示した(図18(A)〜(C))。
Claims (13)
- 下記工程(1)〜(2)を含むαモノグルコシルロイフォリンの製造方法:
工程(1):α-1,4-グルカンとロイフォリンと水性溶媒が存在する条件下で、第1の酵素を前記α-1,4-グルカンの糖鎖に作用させて、前記α-1,4-グルカンの糖鎖からグルコースを切り出し、少なくとも前記ロイフォリンの第1糖の3”位に前記グルコースを転移させる第1反応工程(糖転移);
工程(2):第1反応工程により得られた、1または2以上のαグルコシル基を有するαグルコシルロイフォリンの群に対して、α-1,4-グルコシダーゼ活性を有する第2の酵素を作用させて、前記αグルコシルロイフォリンのα-1,4-グルコシル基を取り除くことによりαモノグルコシルロイフォリンの濃度(純度)を高める第2反応工程(糖鎖整理)。 - 前記第2の酵素が、トランスグルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 第1反応工程の後から第2反応工程の前までの間、第2反応工程の間、又は、第2反応工程の後に、前記反応溶液中に含まれるロイフォリンに対して、βグルコシダーゼ活性を有する第3の酵素を作用させて前記ロイフォリンを分解し、分解により生じたアピゲニンを沈殿させた後、沈殿物を濾別することにより前記反応液中のαモノグルコシルロイフォリンの濃度(純度)を高める第3反応工程を経る請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記第1の酵素が、シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ (EC2.4.1.19)であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の製造方法。
- 前記ロイフォリンがナリンジンを出発原料にして製造された、出発原料のナリンジンを含むロイフォリンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
- αモノグルコシルロイフォリンを有効成分として含有する、リパーゼ阻害剤。
- αモノグルコシルロイフォリンを2mM以下含有する請求項6のリパーゼ阻害剤。
- ヒトまたは動物(ヒトを除く)の体内または体表面でリパーゼを阻害する箇所での最終濃度がαモノグルコシルロイフォリンを0.066mM〜0.66mMとなるように含有した、請求項7のリパーゼ阻害剤。
- αモノグルコシルロイフォリンを有効成分として含む、体臭抑制・炎症抑制剤。
- αモノグルコシルロイフォリンを有効成分として含む、肥満抑制剤。
- αモノグルコシルロイフォリンを有効成分として含む、抗糖化剤。
- αモノグルコシルロイフォリンの血中内または細胞内の濃度が4.2μM〜140μMとなるように製剤された、請求項11の抗糖化剤。
- ロイフォリンのグルコース構造単位のC3”位置にα1−3結合を介してグルコシル基が1個結合した下記式(3)のαモノグルコシルロイフォリン。
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