JP2017159728A - タイヤインナーライナー用シート、タイヤおよびタイヤインナーライナー用シートの製造方法 - Google Patents

タイヤインナーライナー用シート、タイヤおよびタイヤインナーライナー用シートの製造方法 Download PDF

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【課題】長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたタイヤを作製するために有用なタイヤインナーライナー用シートに係る技術を提供する。【解決手段】ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む空気バリア層10と、ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む水蒸気バリア層20と、が厚み方向に積層された積層構造を有し、継目を有しない無端シート状に形成されたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤインナーライナー用シート、タイヤおよびタイヤインナーライナー用シートの製造方法に関する。
近年、車の低燃費化に対する要求水準はますます高くなってきている。これに伴い、タイヤについては、転がり抵抗が低減された変形しにくいタイヤの実現、すなわち形状安定性の向上が図られている傾向にある。この傾向は、タイヤの空気圧を保持するために、該タイヤ中に配されているインナーライナーという部材についても同様であり、特に、薄型化およびガスバリア性の向上という観点において、これまでに種々の検討がなされている。
インナーライナーの薄型化およびガスバリア性の向上に着目した技術として、たとえば、以下のものがある。
特許文献1には、ブチル系ゴムよりガスバリア性に優れ、タイヤインナーライナー層の厚みを薄くすることができる熱可塑性樹脂を、タイヤインナーライナーに用いる技術が記載されている。
特許文献2には、従来のブチル系ゴムの代わりにエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いて形成されたタイヤインナーライナーに係る技術が記載されている。
特許文献3には、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体を含むガスバリア層と、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体を含み、かつカーカス又はインスレーションとを接着させる接着層とを備えたタイヤインナーライナー用ポリマーシートに係る技術が記載されている。
また、従来のタイヤ製造プロセスにおいて、通常、上述したインナーライナーは、所望の長さに切り出した樹脂シートをタイヤ成形用ドラムの外周面に巻きつける工程と、ドラムに巻きつけられた上記樹脂シートの端部同士を接合する工程と、を経て作製されていた(特許文献4および5等)。
特開平9−165469号公報 特開2009−220793号公報 特開2012−31362号公報 特開2007−261137号公報 特開2014−28443号公報
しかしながら、近年、インナーライナーについては、タイヤ消費者の安全性を向上させるべく、長期的に良好な耐久性を示すという点において、より一層高度な信頼性が求められている。
そこで、本発明は、長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたタイヤを作製するために有用なタイヤインナーライナー用シートに係る技術を提供する。
本発明によれば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む空気バリア層と、
ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む水蒸気バリア層と、
が厚み方向に積層された積層構造を有し、
継目を有しない無端シート状に形成されたものである、タイヤインナーライナー用シートが提供される。
さらに、本発明によれば、上記タイヤインナーライナー用シートを含む、タイヤが提供される。
さらに、本発明によれば、チューブ押出法、インフレーション成形法、またはブロー成形法により、継目のない無端シートを成形する工程を有し、
前記成形する工程において得られる前記無端シートが、空気バリア層と、水蒸気バリア層と、が厚み方向に積層された積層構造を有し、
前記空気バリア層が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含み、
前記水蒸気バリア層が、ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む、タイヤインナーライナー用シートの製造方法が提供される。
本発明によれば、長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたタイヤを作製するために有用なタイヤインナーライナー用シートに係る技術を提供できる。
本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シートを、厚み方向に対して直交するように断面視した図である。
<タイヤインナーライナー用シート>
図1は、本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シートを、厚み方向に対して直交するように断面視した図である。なお、図1に示すタイヤインナーライナー用シート100の積層構造は、空気バリア層10を内層とし、水蒸気バリア層20を外層としたものであるが、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シート100(以下、本樹脂シート100ともいう。)は、空気バリア層10と、水蒸気バリア層20とが厚み方向に積層された積層構造を有し、かつ継目を有しない無端シート状に形成されたものである。そして、本樹脂シート100における上記空気バリア層10は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含ものである。また、本樹脂シートにおける上記水蒸気バリア層20は、ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含むものである。こうすることで、長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたタイヤを作製するために有用なタイヤインナーライナー用シート100とすることができる。また、本実施形態によれば、従来品と比べて、ガスバリア性に優れたタイヤインナーライナー用シート100を実現することもできる。
ここで、本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シート100は、上述したように、継目を有しない無端シート状に形成されたものである。つまり、本樹脂シートは、継目を有しない無端シートである。言い換えれば、本樹脂シートは、継目(重なり部分、段差)が存在しないシームレスなシートである。
近年、インナーライナーについては、タイヤ消費者の安全性を向上させるべく、長期的に良好な耐久性を示すという点において、より一層高度な信頼性が求められている。
そこで、本発明者は、近年の要求水準を満たすインナーライナーを実現すべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、インナーライナーを形成するために用いる樹脂シートについて、その形状と、該シートを構成する各層を形成するために用いる材料の組み合わせとを、それぞれ適切に調整することが、近年の要求水準を満たすインナーライナーを実現するための設計指針として有効であることを見出した。
本樹脂シート100は、上述したように、上記空気バリア層10と、上記水蒸気バリア層20とが厚み方向に積層された積層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成されたものである。このため、本樹脂シート100によれば、以下の効果が得られる。
第1に、本樹脂シート100によれば、結果として、長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたタイヤを実現することができる。
そして、本樹脂シート100を用いて作製したタイヤについては、実施例にて後述するように、その耐久性、約25℃という常温条件下でのエア漏れ性、および約40℃、90%RHという高湿度環境下でのエア漏れ性という点において、良好な特性を示すことが確認された。
第2に、本樹脂シート100によれば、インナーライナーの製造効率を向上させることができる。
第3に、本樹脂シート100によれば、本樹脂シート100を用いて作製したタイヤについて、雨天時等の高湿度環境下で保管したとしても、その内圧が変動しにくい形状安定性に優れたものとすることができる。くわえて、本樹脂シート100によれば、かかる樹脂シート100を用いて作製したタイヤについて、その内部から空気が抜けることのみに限らず、外部から空気が侵入することについても防ぐことができる。言い換えれば、本樹脂シート100によれば、かかる樹脂シート100を用いて作製したタイヤについて、製造直後の状態を長期間保持することが可能となる。
以下、本樹脂シート100の構成について、符号を省略して説明する。
本樹脂シートの厚みは、好ましくは、0.05mm以上1.5mm以下であり、さらに好ましくは、0.05mm以上1.2mm以下であり、最も好ましくは、0.05mm以上1.0mm以下である。本樹脂シートの厚みを上記数値範囲内に制御することで、従従来のシートと比べて、ガスバリア性に優れ、かつ薄膜化したインナーライナーを実現することが可能である。
本樹脂シートにおける空気バリア層のガスバリア性は、当該空気バリア層の25℃、65%RHにおける厚み20μm換算での酸素透過係数が、好ましくは、1cc/m・day・atm以上5×10cc/m・day・atm以下であり、さらに好ましくは、1cc/m・day・atm以上3×10cc/m・day・atm以下であり、最も好ましくは、1cc/m・day・atm以上1×10cc/m・day・atm以下である。25℃、65%RHにおける空気バリア層の厚み20μm換算での酸素透過係数を上記数値範囲内に制御するで、車体重量に関係なく、転がり抵抗が低減された変形しにくい形状安定性を発揮することができるタイヤを実現することが可能となる。言い換えれば、酸素透過係数の値が上記数値範囲内にある場合、タイヤ走行時に加わる応力による影響を受けにくい形状安定性に優れたタイヤを実現することが可能となる。なお、25℃、65%RHにおける空気バリア層の厚み20μm換算での酸素透過係数は、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定することができる。
本樹脂シートにおける水蒸気バリア層のガスバリア性は、当該水蒸気バリア層の40℃、90%RHにおける厚み20μm換算での水蒸気透過度が、1g/m・day以上150g/m・day以下であることが好ましく、1g/m・day以上120g/m・day以下であるとさらに好ましい。40℃、90%RHにおける水蒸気バリア層の厚み20μm換算での酸素透過係数を上記数値範囲内に制御することで、高湿度条件下におけるガスバリア性という観点においてより一層優れたインナーライナーを実現することが可能となる。なお、40℃、90%RHにおける水蒸気バリア層の厚み20μm換算での水蒸気透過度は、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W 3/33)を使用して、JIS K7126−2に準じて測定することができる。
本樹脂シートにおいて、空気バリア層および水蒸気バリア層の表面同士が互いに接合するように積層している場合、空気バリア層と水蒸気バリア層との接合界面における剥離強度は、好ましくは、1.0N/mm以上10.0N/mm以下であり、さらに好ましくは、1.5N/mm以上10.0N/mm以下であり、最も好ましくは、2.0N/mm以上10.0N/mm以下である。上記剥離強度が上述した数値範囲内となるように制御することで、走行時にタイヤが発熱した場合にも、良好な接着状態を維持できるインナーライナーを実現することが可能となる。なお、空気バリア層と水蒸気バリア層との接合界面における剥離強度は、23℃、50%RHの雰囲気下で、JIS−K6854−3に準拠し、引張速度500mm/minによるT型剥離試験を実施することで測定することができる。
本樹脂シートは、複数の空気バリア層を有していてもよい。たとえば、本樹脂シートは、第1の空気バリア層と第2の空気バリア層とを有しえる。この場合、第1の空気バリア層、水蒸気バリア層および第2の空気バリア層は、この順で積層されていることが好ましい。また、本樹脂シートは、複数の水蒸気バリア層を有していてもよい。たとえば、本樹脂シートは、第1の水蒸気バリア層と第2の水蒸気バリア層とを有しえる。この場合、第1の水蒸気バリア層、空気バリア層および第2の水蒸気バリア層は、この順で積層されていることが好ましい。こうすることで、従来のシートと比べて、高いガスバリア性を備えたインナーライナーを実現することが可能となる。具体的には、本樹脂シートが上述した多層構造を有する場合、タイヤの最も内側に配されるバリア層により、外部環境から受ける影響(水分など)によりタイヤが劣化する可能性を低減することが可能となる。なお、空気バリア層と水蒸気バリア層とが、互いにその表面同士が接合するように積層されていない場合、空気バリア層と水蒸気バリア層との間には、タイヤの耐久性を向上させる観点から、接着剤層を介在させてもよい。
本樹脂シートにおける空気バリア層を形成する材料は、上述したように、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む材料であるが、より具体的には以下の通りである。上記ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートの共重合体、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンの共重合体、ポリブチレンテレフタレートとポリグリコールの共重合体、ポリブチレンナフタレートとポリグリコールの共重合体等が挙げられる。上記ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン10,10、ナイロン6,12、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体、ナイロン6とナイロン6,6とナイロン12の共重合体、ナイロン6とナイロン12の共重合体、ナイロン12とポリエーテルの共重合体、芳香族系ナイロン等が挙げられる。上記ポリニトリル樹脂としては、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。上記ポリビニル樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンとビニルアルコール共重合体等が挙げられる。上記ポリフッ化樹脂の具体例としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体、テトラフルオロエチレンとジフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、さらには、これらの樹脂を構成するモノマーを共重合させたものを使用してもよい。中でも、従来のインナーライナー用シートと比べて良好なガスバリア性を発現させる観点から、上記ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリブチレンナフタレーが好ましく、上記ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体、ナイロン6とナイロン12の共重合体、およびナイロン6とナイロン6,6とナイロン12の共重合体が好ましく、上記ポリビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニリデンが好ましく、上記ポリフッ化樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共重合体、が好ましく、上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。特に、本樹脂シートにおける空気バリア層を形成する材料は、高湿度条件下においても高いガスバリア性を発現し、かつ、高い切断伸度を有する観点から、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体、ナイロン6とナイロン12の共重合体、ナイロン6とナイロン6,6とナイロン12の共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレン共重合体、およびフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
また、本樹脂シートにおける空気バリア層を形成する材料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、フィラーや、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、エラストマーなどの添加剤を含有してもよい。
本樹脂シートにおける水蒸気バリア層を形成する材料は、上述したように、ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂またはポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上を含む材料であるが、より具体的には以下の通りである。上記ポリフッ化樹脂の具体例としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体、テトラフルオロエチレンとジフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体等が挙げられる。上記ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン10,10、ナイロン6,12、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体、ナイロン6とナイロン6,6とナイロン12の共重合体、ナイロン12とポリエーテルの共重合体、芳香族系ナイロン等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレンとシクロオレフィン共重合体等が挙げられ、これらは変性ポリオレフィンであってもよい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、さらには、これらの樹脂を構成するモノマーを共重合させたものを使用してもよい。中でも、従来のインナーライナー用シートと比べて良好なガスバリア性を発現させる観点から、上記ポリフッ化樹脂としては、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体、およびテトラフルオロエチレンとジフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好ましく、上記ポリアミド樹脂としては、ナイロン12が好ましく、上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレンが好ましい。特に、本樹脂シートにおける水蒸気バリア層を形成する材料は、高湿度条件下においても高いガスバリア性を発現するインナーライナーを実現する観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびナイロン12からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
また、本樹脂シートにおける水蒸気バリア層を形成する材料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、フィラーや、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、エラストマー、ゴムなどの添加剤を含有してもよい。
本樹脂シートにおいて、空気バリア層の切断伸度は、好ましくは、80%以上1500%以下であり、さらに好ましくは、110%以上1500%以下であり、最も好ましくは、150%以上1500%以下である。空気バリア層の切断伸度が上記数値範囲内となるように制御することで、タイヤ製造工程での部材の拡張に対して、タイヤインナーライナー用シートを追随させることができるため、該タイヤインナーライナー用シートに欠損が生じることなく、タイヤの内圧保持性を維持することができる。なお、切断伸度は、23℃、50%RHの条件下、JIS K6251−2010に準じて測定することができる。
本樹脂シートにおいて、水蒸気バリア層の切断伸度は、好ましくは、80%以上1500%以下であり、さらに好ましくは、110%以上1500%以下であり、最も好ましくは、150%以上1500%以下である。水蒸気バリア層の切断伸度が上記数値範囲内となるように制御することで、タイヤ製造工程での部材の拡張に対して、タイヤインナーライナー用シートを追随させることができるため、該タイヤインナーライナー用シートに欠損が生じることなく、タイヤの内圧保持性を維持することができる。なお、切断伸度は、23℃、50%RHの条件下、JIS K6251−2010に準じて測定することができる。
上記空気バリア層の厚みは、好ましくは、0.01mm以上0.75mm以下であり、さらに好ましくは、0.01mm以上0.6mm以下であり、最も好ましくは、0.01mm以上0.5mm以下である。空気バリア層の厚みが上記数値範囲内となるように制御することで、従来の樹脂フィルムを用いる場合と比べて、薄膜化したガスバリア性に優れたインナーライナーを実現することが可能である。
上記水蒸気バリア層の厚みは、好ましくは、0.04mm以上0.75mm以下であり、さらに好ましくは、0.05mm以上0.75mm以下であり、最も好ましくは、0.1mm以上0.75mm以下である。水蒸気バリア層の厚みが上記数値範囲内となるように制御することで、従来の樹脂フィルムを用いる場合と比べて、薄膜化したガスバリア性に優れたインナーライナーを実現することが可能である。
また、本樹脂シートにおける水蒸気バリア層が、ポリオレフィン樹脂を含む材料により形成されている場合、かかるポリオレフィン樹脂は、変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。言い換えれば、本樹脂シートにおける水蒸気バリア層は、変性ポリオレフィン樹脂を含む材料により形成された変性ポリオレフィン層であることが好ましい。こうすることで、水蒸気バリア層に接着層としての機能を付与することが可能となる。そのため、本樹脂シートにおける水蒸気バリア層として、変性ポリオレフィン層を採用した場合には、走行時にタイヤが発熱した場合にも、良好な接着状態を維持でき、かつ高湿度条件下におけるガスバリア性に優れたインナーライナーを実現することが可能となる。なお、本樹脂シートが複数層の水蒸気バリア層を有している場合、かかる水蒸気バリア層として、上記変性ポリオレフィン層だけを有した構成としてもよいが、上記変性ポリオレフィン層と、変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含む材料により形成された水蒸気バリア層とが共存した構成としてもよい。
上記変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂、メタクリル酸変性ポリオレフィン樹脂、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。その中でも、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。さらに、上記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂または無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が好ましい。こうすることで、タイヤ走行時に発熱した場合にも、より一層良好な接着状態を維持できるインナーライナーを実現することが可能となる。
また、本樹脂シートにおける変性ポリオレフィン層を形成する材料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、フィラーや、可塑剤、エラストマー、ゴムなどの添加剤を含有してもよい。
本樹脂シートが変性ポリオレフィン層を含む複数の水蒸気バリア層を有したものである場合、その層構造は、第1の空気バリア層、第1の変性ポリオレフィン層、変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含む材料により形成された水蒸気バリア層、第2の変性ポリオレフィン層および第2の空気バリア層がこの順で積層されてなる5層以上の多層構造、または変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含む材料により形成された第1の水蒸気バリア層、第1の変性ポリオレフィン層、空気バリア層、第2の変性ポリオレフィン層および変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含む材料により形成された第2の水蒸気バリア層が、この順で積層されてなる5層以上の多層構造を有していることが好ましい。こうすることで、走行時にタイヤが発熱した場合にも、良好な接着状態を維持でき、かつ従来のシートと比べて、高湿度条件下におけるガスバリア性に優れたインナーライナーを実現することが可能となる。なお、本樹脂シートは、5層以上の構成を備えたものであってもよく、その層構造は使用環境に応じて適宜選択することが可能である。
<タイヤインナーライナー用シートの製造方法>
本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シートの製造方法(以下、本樹脂シートの製造方法ともいう。)は、チューブ押出法、インフレーション成形法、またはブロー成形法により継目のない無端シートを成形する工程を有する。ここで、得られる無端シートは、述した空気バリア層と、上述した水蒸気バリア層とが厚み方向に積層された積層構造を有するものである。本樹脂シートの製造方法によれば、得られたシートを直接タイヤインナーライナーとして使用することができるため、後述するタイヤの製造効率を、従来の手法と比べて向上させることができる。また、本樹脂シートの製造方法は、各層の厚さ制御や、各層の配向性制御という観点においても従来の手法と比べて優れている。
また、本樹脂シートの製造方法において上記無端シートは、生産性の観点から、インフレーション成形法により成形することが好ましい。こうすることで、各層の成膜およびシートの成形を一連の工程で実施することができる。
本樹脂シートの製造方法において採用する押出機から押し出されたシートの引き取り速度は、好ましくは、1m/min以上10m/min以下であり、さらに好ましくは、2m/min以上8m/min以下である。
本樹脂シートの製造方法において採用する成形温度は、各層を形成する樹脂材料の組み合わせに応じて変動させるものであるが、通常、全ての層を形成する樹脂材料が溶融する温度以上となるように制御する。そして、かかる成形温度は、好ましくは、150℃以上350℃以下であり、さらに好ましくは、200℃以上300℃以下である。
本樹脂シートの製造方法において採用するブローアップ比は、かかるシートの成形性を好適なものとする観点から、好ましくは1.2以上2.0以下であり、さらに好ましくは、1.2以上1.8以下である。
<タイヤ>
本実施形態に係るタイヤとは、空気入りタイヤのことを指す。以下、図1を参照して本実施形態に係るタイヤの構成について説明する。なお、本実施形態に係るタイヤは、乗用車、トラック、バス、重機等に使用することができる。また、本実施形態に係るタイヤは、上述したタイヤインナーライナー用シートを備えているため、長期的に良好な耐久性を示すという観点において信頼性に優れたものである。
具体的には、本実施形態に係るタイヤは、走行時に路面と直接接するトレッド部と、該タイヤの側面を形成し、かつ後述するカーカスを保護するサイドウォール部と、該タイヤをホイールに備わるリムに固定するとともに、カーカスの両端を固定するためのビート部とを有する。そして、本実施形態に係るタイヤにおいては、その内側から外側にかけて、上述した本実施形態に係るタイヤインナーライナー用シートにより形成されたインナーライナーと、該タイヤの骨組みを形成するカーカスとが、この順で配置されている。なお、タイヤにおいて、インナーライナーとカーカスとの間には、インスレーションが介在していてもよい。また、本実施形態に係るタイヤにおいて、トレッド部と、カーカスとの間には、上記トレッド部を補強するためにベルト層が配されている。具体的には、上記ベルト層は、カーカスのクラウン部外側に配置され、上記トレッド部の剛性を高める役割を果たしている。さらに、タイヤにおけるビート部には、上記カーカスの端部を折り返すように係止し、かつ走行時にカーカスの引っ張りを受け止めてリムに固定するためのビートコアが配されている。
次に、本実施形態に係るタイヤの製造方法について説明する。
本実施形態に係るタイヤの製造方法は、本樹脂シートをインナーライナーに用いた生タイヤを準備する工程と、上記生タイヤを金型に装着し、ブラダーにより加圧しつつ加硫して加硫タイヤを得る工程と、上記加硫タイヤを50〜120℃で10〜300秒間冷却する工程と、を含む。
上述した生タイヤを準備する工程において、タイヤインナーライナー用シートは、生タイヤのインナーライナー部に配置されることになる。このとき用いるタイヤインナーライナー用シートは、隣接部材(カーカスプライ)との密着性を強固なものとする観点から、事前にその表面にコロナ放電処理やプラズマ表面処理を施したものであることが好ましい。また、上述した生タイヤを準備する工程においてタイヤインナーライナー用シートを上記インナーライナー部に配置する手法としては、たとえば、カーカスプライがタイヤの外縁部側を向くように、接着剤を介して上記カーカスプライに対して該シートを密着させる方法や、上記カーカスプライに対して該シートを圧着させる方法等が挙げられる。ここで、上記接着剤の具体例としては、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、加硫接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。
なお、本実施形態に係るタイヤにおいて、タイヤ内圧を保持する気体としては、その機能を発揮できる気体であれば使用することが可能である。かかる気体の具体例としては、空気、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、後述においては、変性ポリオレフィン樹脂を含む材料により形成された水蒸気バリア層を、変性ポリオレフィン層と称し、変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含む材料により形成された水蒸気バリア層を、水蒸気バリア層と称して、実施例を説明することとする。
<実施例1>
空気バリア層を形成する材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人社製、TRN−8580FC)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)SF731)を用いた。上述した各種材料を、インフレーション用のリングダイを取り付けた押出機に投入し、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜し、実施例1のインナーライナー用シートを得た。得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が100μmであった。
<実施例2>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)QB510)を、水蒸気バリア層を形成する材料として、ポリプロピレン(住友化学社製、FS2011DG2)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、水蒸気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された5層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のインナーライナー用シートを作製した。得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。また、各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が10μmであり、水蒸気バリア層が80μmであった。
<実施例3>
変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)NF308)を、水蒸気バリア層を形成する材料として、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(プライムポリマー社製、ネオゼックス3510F)を用いた点以外は、実施例2と同様の方法で実施例3のインナーライナー用シートを作製した。
<実施例4>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)QB510)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のインナーライナー用シートを作製した。なお、得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。また、各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が100μmであった。
<実施例5>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)NF308)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のインナーライナー用シートを作製した。なお、得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。また、各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が100μmであった。
<実施例6>
実施例2の空気バリア層を形成する材料と、実施例2の変性ポリオレフィン層を形成する材料とを用いて、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜した点以外は、実施例1と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。なお、得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が20μmであり、変性ポリオレフィン層が50μmであった。
<実施例7>
実施例3の空気バリア層を形成する材料と、実施例3の変性ポリオレフィン層を形成する材料とを用いて、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有し、かつ継目のない無端シート状に形成された多層シートを製膜した点以外は、実施例1と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。なお、得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が20μmであり、変性ポリオレフィン層が50μmであった。
<実施例8>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6とナイロン12の共重合体(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)7024B)を用いた点以外は、実施例2と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。
<実施例9>
空気バリア層を形成する材料として、ポリ塩化ビニリデン樹脂(SOLVAY社製、IXAN(登録商標)PVS815)を用いた以外は、実施例7と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。
<実施例10>
空気バリア層を形成する材料として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(ARKEMA製、Kynar(登録商標)740)を用いた以外は、実施例7と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。
<比較例1>
空気バリア層を形成する材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人社製、TRN−8580FC)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)SF731)を用いた。上述した各種材料を、Tダイ押出機(スクリュー径:φ50mm、L/D:28、サン・エヌ・ティ社製、SNT50−36V型押出機)に投入し、冷却ロールを用いて冷却、固化する共押出Tダイ法にて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有する一枚の多層シートを製膜し、端部を有する比較例1のインナーライナー用シートを得た。得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が100μmであった。
なお、比較例1のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例1のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例2>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)QB510)を、水蒸気バリア層を形成する材料として、ポリプロピレン(住友化学社製、FS2011DG2)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、水蒸気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された5層構造を有する一枚の多層シートを製膜した点以外は、比較例1と同様の方法で、比較例2のインナーライナー用シートを作製した。得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が10μmであり、変性ポリオレフィン層が10μmであり、水蒸気バリア層が80μmであった。
なお、比較例2のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例2のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例3>
変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)NF308)を、水蒸気バリア層を形成する材料として、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(プライムポリマー社製、ネオゼックス3510F)を用いた点以外は、比較例2と同様の方法で、比較例3のインナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例3のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例3のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例4>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)QB510)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有する一枚の多層シートを製膜した点以外は、比較例1と同様の方法で、比較例4のインナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例4のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例4のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例5>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)NF308)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有する一枚の多層シートを製膜した点以外は、比較例1と同様の方法で、比較例5のインナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例5のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例5のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例6>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)1022B)を、変性ポリオレフィン層を形成する材料として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製、アドマー(登録商標)QB510)を用いて、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有する一枚の多層シートを製膜した点以外は、比較例1と同様の方法で、比較例6のインナーライナー用シートを作製した
なお、比較例6のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例6のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例7>
比較例5の空気バリア層を形成する材料と、比較例5の変性ポリオレフィン層を形成する材料とを用いて、変性ポリオレフィン層と、空気バリア層と、変性ポリオレフィン層とが、厚み方向にこの順で積層された3層構造を有する一枚の多層シートを製膜した点以外は、比較例1と同様の方法で、インナーライナー用シートを作製した。なお、得られたインナーライナー用シートの厚さは、120μmであった。各層の厚みは、それぞれ、空気バリア層が20μmであり、変性ポリオレフィン層が50μmであった。
なお、比較例7のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例7のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例8>
空気バリア層を形成する材料として、ナイロン6とナイロン12の共重合体(宇部興産社製、UBEナイロン(登録商標)7024B)を用いた点以外は、比較例2と同様の方法でインナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例8のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例8のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例9>
空気バリア層を形成する材料として、ポリ塩化ビニリデン樹脂(SOLVAY社製、IXAN(登録商標)PVS815)を用いた以外は、比較例6と同様の方法で、インナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例9のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例9のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
<比較例10>
空気バリア層を形成する材料として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(ARKEMA製、Kynar(登録商標)740)を用いた以外は、比較例7と同様の方法で、インナーライナー用シートを作製した。
なお、比較例10のインナーライナー用シートは、その形状を除いて実施例10のインナーライナー用シートと同様の層構成を採用したものである。
次に、各実施例および各比較例で得られたインナーライナー用シートを使用して、195/65R15サイズのタイヤを作製した。なお、得られたタイヤは、いずれも、加硫処理済のものである。各実施例で得られたインナーライナー用シートを使用する場合には、かかるシートを直接インナーライナーとして用いた。一方、各比較例で得られたインナーライナー用シートを使用する場合には、かかるシートをドラムに巻きつけた後、該シートの端部同士を接着剤で繋ぎ合わせてから上記ドラムを除去したものを、インナーライナーとして用いた。また、いずれのインナーライナーについても、コロナ放電処理(放電電流:6A、処理速度:10m/分)した表面に接着剤を膜厚60μmとなるように塗布し、乾燥後カーカスプライに接着した。また、比較例のインナーライナーにおいては、いずれも、厚さ270μm、重なり幅30mmの継目が形成されていた。
各実施例および各比較例に係るインナーライナー用シート、および上記各インナーライナー用シートを用いて作製したタイヤについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価方法>
・空気バリア層の厚み20μm換算での酸素透過係数:空気バリア層の厚み20μm換算での酸素透過係数は、各実施例および比較例のインナーライナー用シートに含まれる空気バリア層を形成する材料を用いて、一枚の単層シートを製膜した点以外は、上記各実施例および各比較例と同じ成形方法にて得た厚さTが150μmの単層シートについて、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定した。測定条件は、25℃、65%RHに設定した。なお、単位は、cc/m・day・atmである。
・水蒸気バリア層および変性ポリオレフィン層の厚み20μm換算での水蒸気透過度:水蒸気バリア層および変性ポリオレフィン層の厚み20μm換算での水蒸気透過度は、各実施例および比較例のインナーライナー用シートに含まれる水蒸気バリア層を形成する材料を用いて、一枚の単層シートを製膜した点以外は、上記各実施例および各比較例と同じ成形方法にて得た厚さTが150μmの単層シートについて、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W 3/33)を使用して、JIS K7126−2に準じて測定した。測定条件は、40℃、90%RHに設定した。なお、単位は、g/m・dayである。または、インナーライナー用シートが変性ポリオレフィン層を含む場合には、水蒸気バリア層と変性ポリオレフィン層の両方について水蒸気透過度を測定した。
・剥離強度:各実施例のインナーライナー用シートに含まれる空気バリア層を形成する材料を用いて、Tダイ押出機(スクリュー径:φ50mm、L/D:28、SNT50−36V型押出機、株式会社サン・エヌ・ティ社製)を用いて0.5mm厚みのフィルム(以下、空気バリア層と称する。)として成形した。また、各実施例のインナーライナー用シートに含まれる水蒸気バリア層、または変性ポリオレフィン層を形成する材料を用いて、Tダイ押出機(スクリュー径:φ50mm、L/D:28、SNT50−36V型押出機、株式会社サン・エヌ・ティ社製)を用いて、厚みが0.5mmである一枚のシート(以下、水蒸気バリア層、または変性ポリオレフィン層と称する。)として成形した。この空気バリア層と水蒸気バリア層、または変性ポリオレフィン層を重ね、空気バリア層と水蒸気バリア層、または変性ポリオレフィン層との間の一部に、めくり口となるようにPTFEシートを1cm程度の長さで挿入し、両外側を金属メッシュで挟み込み、260℃、15分、5MPaの条件で2層の合計厚みが0.6mmとなるように貼り合わせ、130mm長さ×25mm幅の短冊として剥離強度評価用のサンプルとした。剥離強度は23℃、50%RHの雰囲気下で、JIS−K6854−3に準拠し、引張速度500mm/minによるT型剥離試験により、層間の剥離強度を測定した。なお、単位は、N/mmである。評価結果は下記の通りとした。
〇:1.0N/mm以上10.0N/mm以下
×:1.0N/mm未満
・切断伸度:インナーライナー用シートを構成する各層の切断伸度は、以下の方法で測定した。各実施例および比較例のインナーライナー用シートに含まれる各層を形成する材料を用いて、一枚の単層シートを製膜した点以外は、上記各実施例および各比較例と同じ成形方法にて、厚さが150μmの単層シートを作製した。得られた単層シートについて、23℃、50%RHの条件下、JIS K6251−2010に準じて測定した。なお、単位は、%である。
・23℃でのカーカス用ゴムシートとの接着力:各実施例および各比較例のインナーライナー用シートに含まれる最外層(実施例1〜5、8および比較例1〜5は空気バリア層であり、実施例6,7,9,10および比較例6〜8は変性ポリオレフィン層である)を形成する材料を用いて、一枚の単層シートを製膜した点以外は、上記各実施例および各比較例と同じ成形方法にて、0.5mm厚みの単層シートを作製した。得られた単層シートについて、コロナ放電処理(放電電流:6A、処理速度:10m/分)した表面に接着剤を膜厚60μmとなるように塗布した後、乾燥した。得られたシートにおける接着剤が塗布されている側の面が2mm厚みのカーカス用ゴムシート(天然ゴム70質量部、スチレンブタジエンゴム30質量部、カーボンブラック40質量部、プロセスオイル7質量部、ステアリン酸2質量部、酸化亜鉛5質量部、硫黄3質量部、加硫促進剤1質量部)と接するようにして、一部にめくり口となるようにPTFEシートを1cm程度の長さで挿入し、両外側を金属メッシュで挟み込み、170℃、15分、5MPaの条件でフィルムの合計厚みが1.5mmとなるように貼り合わせ、130mm長さ×25mm幅の短冊として接着力評価用のサンプルとした。次いで、作製したサンプルの温度が23℃となるように該サンプルを保持した後、引張り試験機(テンシロン万能試験機 RTG−1310、オリエンテック社製)で、チャック間隔30mm、引張速度500mm/分の条件で、23℃、50%RHにおけるS−Sカーブ(応力−歪み曲線)を測定し、その値を幅(25mm)で割って接着力を測定することで平均接着力とした。材料破断した場合は、最大荷重を接着力とした。評価結果は下記の通りとした。
◎:8.0N/mm以上
○:5.0N/mm以上、8.0N/mm未満
・80℃でのカーカス用ゴムシートとの接着力:各実施例および各比較例のインナーライナー用シートに含まれる最外層(実施例1〜5、8および比較例1〜5は空気バリア層であり、実施例6,7,9,10および比較例6〜8は変性ポリオレフィン層である)を形成する材料を用いて、一枚の単層シートを製膜した点以外は、上記各実施例および各比較例と同じ成形方法にて、0.5mm厚みの単層シートを作製した。得られた単層シートについて、コロナ放電処理(放電電流:6A、処理速度:10m/分)した表面に接着剤を膜厚60μmとなるように塗布した後、乾燥した。得られたシートにおける接着剤が塗布された側の面が2mm厚みのカーカス用ゴムシート(天然ゴム70質量部、スチレンブタジエンゴム30質量部、カーボンブラック40質量部、プロセスオイル7質量部、ステアリン酸2質量部、酸化亜鉛5質量部、硫黄3質量部、加硫促進剤1質量部)と接するようにして、一部にめくり口となるようにPTFEシートを1cm程度の長さで挿入し、両外側を金属メッシュで挟み込み、170℃、15分、5MPaの条件でフィルムの合計厚みが1.5mmとなるように貼り合わせ、130mm長さ×25mm幅の短冊として接着力評価用のサンプルとした。次いで、作製したサンプルの温度が23℃となるように該サンプルを保持してから、80℃で15分間保持した後、引張り試験機(テンシロン万能試験機 RTG−1310、オリエンテック社製)で、チャック間隔30mm、引張速度500mm/分の条件で、80℃、50%RHにおけるS−Sカーブ(応力−歪み曲線)を測定し、その値を幅(25mm)で割って接着力を測定することで平均接着力とした。材料破断した場合は、最大荷重を接着力とした。評価結果は下記の通りとした。
◎:2.0N/mm以上
△:2.0N/mm未満
・タイヤ作製時の加工性:以下の基準で評価を行った。
○:「問題なし」、タイヤ作製時に、通常と変わりなく特に問題はない。
×:「フィルム切断」、タイヤ作製時に、フィルムが1箇所以上切断した。「成形困難」、タイヤ作製時に、フィルムの張力が大き過ぎて成形し難い。「加硫前剥がれ」、タイヤ作製時に、フィルムの成形はできたものの、加硫前にインナーライナーがカーカスプライから剥がれた。
・タイヤのエア漏れ性:リム組後に、各タイヤを内圧2.0kg/cmに調整し、25±1℃で48時間放置し、再度、内圧を2.0kg/cmに調整し直し、さらに25±1℃で60日間放置し、この60日間におけるタイヤ内圧の低下率を下式1より算出した。次に、算出した結果について、作製したタイヤ中に含まれているインナーライナーを形成するために用いたインナーライナー用シートの層構成が共通する実施例と比較例との間で対比した。このとき、各比較例のタイヤに関する上記低下率の算出結果をそれぞれ100と定め、各実施例のタイヤについて上記方法で算出した結果を指数化した。評価結果は下記の通りとした。なお、下記式1にて算出されるエア漏れ性の値は、大きいほど内圧保持性が高く良好であることを示す。
式1:エア漏れ性={(P1−P0)/P0}×100
(上記式1中、P0は初期内圧、(2.0kg/cm)を表し、P1は60日間放置後のタイヤ内圧を表す。)
○:100より大きい
×:100
・高湿度環境下でのタイヤのエア漏れ性:リム組後に、各タイヤを内圧2.0kg/cmに調整し、25±1℃で48時間放置し、再度、内圧を2.0kg/cmに調整し直し、さらに40±1℃、90%RHで60日間放置し、この60日間におけるタイヤ内圧の低下率を下式2より算出した。次に、算出した結果について、作製したタイヤ中に含まれているインナーライナーを形成するために用いたインナーライナー用シートの層構成が共通する実施例と比較例との間で対比した。このとき、各比較例のタイヤに関する上記低下率の算出結果をそれぞれ100と定め、各実施例のタイヤについて上記方法で算出した結果を指数化した。評価結果は下記の通りとした。なお、下記式2にて算出されるエア漏れ性の値は、大きいほど高湿度環境下での内圧保持性が高く良好であることを示す。
式2:エア漏れ性={(P1−P0)/P0}×100
(上記式2中、P0は初期内圧、(2.0kg/cm)を表し、P1は60日間放置後のタイヤ内圧を表す。)
○:100より大きい
×:100
・タイヤ外観:作成した加硫後のタイヤの内側を検査し、目視外観でタイヤ1本あたりの皺個数を測定した。評価結果は下記の通りとした。
○:0個
×:1個以上
・タイヤ耐久性:ドラム式試験機を用いて、各実施例および各比較例のインナーライナー用シートを用いて作製したタイヤに関し、米国自動車安全基準FMVSS139に定める条件に従って耐久性試験を行った。かかる耐久性試験においては、タイヤ中に備わるインナーライナーに対して亀裂、クラック、または剥離などの故障が発生するまでの走行距離を計測した。また、上述した故障は、所定距離を走行した後のタイヤから取り出したインナーライナーを目視で観察することにより評価した。次に、計測した走行距離について、作製したタイヤ中に含まれているインナーライナーを形成するために用いたインナーライナー用シートの層構成が共通する実施例と比較例との間で対比した。このとき、各比較例のタイヤに関する計測値をそれぞれ100と定め、各実施例のタイヤに関する計測値を指数化した。評価結果は下記の通りとした。なお、上述した基準で指数化した値は、大きいほど故障発見までの走行距離が長く、耐久性に優れていることを示す。
〇:100より大きい
×:100
Figure 2017159728
各実施例のインナーライナー用シートを用いて作製したタイヤは、いずれも、米国自動車安全基準FMVSS139に定められた過酷な条件下においても長期間良好な耐久性を示すという点において信頼性に優れたものであった。
10 空気バリア層
20 水蒸気バリア層
100 タイヤインナーライナー用シート

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む空気バリア層と、
    ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む水蒸気バリア層と、
    が厚み方向に積層された積層構造を有し、
    継目を有しない無端シート状に形成されたものである、タイヤインナーライナー用シート。
  2. 前記空気バリア層の25℃、65%RHにおける厚み20μm換算での酸素透過係数が、1cc/m・day・atm以上5×10cc/m・day・atm以下である、請求項1に記載のタイヤインナーライナー用シート。
  3. 前記水蒸気バリア層の40℃、90%RHにおける厚み20μm換算での水蒸気透過度が、1g/m・day以上150g/m・day以下である、請求項1または2に記載のタイヤインナーライナー用シート。
  4. 当該タイヤインナーライナー用シートの厚みが、0.05mm以上1.5mm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタイヤインナーライナー用シート。
  5. 前記空気バリア層および前記水蒸気バリア層の表面同士が互いに接合するように積層しており、
    前記空気バリア層と前記水蒸気バリア層との接合界面における剥離強度が、1.0N/mm以上10.0N/mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタイヤインナーライナー用シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタイヤインナーライナー用シートを含む、タイヤ。
  7. チューブ押出法、インフレーション成形法、またはブロー成形法により、継目のない無端シートを成形する工程を有し、
    前記成形する工程において得られる前記無端シートが、空気バリア層と、水蒸気バリア層と、が厚み方向に積層された積層構造を有し、
    前記空気バリア層が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリニトリル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフッ化樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含み、
    前記水蒸気バリア層が、ポリフッ化樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む、タイヤインナーライナー用シートの製造方法。
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