JP5260715B2 - ストリップおよび空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は空気入りタイヤに使用されるインナーライナー用のストリップさらにそのストリップを用いた空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られており、タイヤ部材のなかでも、タイヤの内部に配され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れの量を低減する機能を有するインナーライナーにおいても、軽量化などが行われるようになってきた。
ブチル系ゴムよりも薄い厚みで、高い耐空気透過性を示す熱可塑性エラストマーは、インナーライナーに隣接するインスレーションゴムやカーカスゴムとの加硫接着力がブチル系ゴムよりも劣っている。インナーライナーの加硫接着力が低いと、インナーライナーとインスレーションまたはカーカスとの間に空気が混入して小さな気泡が多数現れる、エアーイン現象が生じる。この現象はタイヤの内側に小さな斑模様があることでユーザーに外観が悪いという印象を与えてしまう。さらに走行中にエアーが起点となりインナーライナーとインスレーションまたはカーカスとが剥離するため、インナーライナーに亀裂が生じてタイヤ内圧が低下することがある。
またタイヤの軽量化を図るために、熱可塑性樹脂を含む材料からなるフィルムが提案されている。しかし薄い熱可塑性樹脂のインナーライナーを用いてタイヤを製造すると、加硫工程の圧力で部分的に薄くなりすぎてタイヤ製品のインナーライナーの仕上がりゲージが設計より薄くなってしまう。仕上がりが薄いインナーライナーはその箇所ではカーカスコードが浮き出て見える現象(オープンスレッド)でユーザーには内観が悪いという印象を与えてしまうほかに、インナーライナーが薄いと、部分的にガスバリア性が悪くなってしまい、タイヤ内圧が低下し、最悪な場合にはタイヤがバーストしてしまう虞がある。
またインナーライナーはタイヤ走行時にショルダー部近傍に大きなせん断歪が作用する。熱可塑性樹脂を含む材料をインナーライナーとして使用した場合、このせん断歪みによって、インナーライナーとカーカスプライの接着界面で剥離が発生しやすくなり、タイヤの空気漏れが発生するという問題があった。
特許文献1(特開平9−165469号公報)には、空気透過率の低いナイロンを用いてインナーライナー層を形成し、ゴム組成物であるタイヤ内面またはカーカス層との接着性を向上させることが提案されている。しかし、特許文献2の技術においては、ナイロンフィルム層を形成するために、ナイロンフィルムをRFL処理した後、ゴム組成物から成るゴム糊を接着する必要があり、工程が複雑化するという問題がある。さらに、加硫工程において、未加硫タイヤの内側からブラダーが膨張されるが、インナーライナー層のナイロンが加熱状態でブラダーと接触することになり、インナーライナーがブラダーに粘着、接着して破損する問題がある。
特許文献2(国際公開第2008/029781号)は、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーをブレンドしたフィルム積層体のストリップでタイヤを製造している。積層体にすることで、ガスバリア性、接着性を改善することができ、リボン状のストリップ間の接合を可能にしている。しかし、この技術はフィルム積層体の未加硫生カバーでのゲージは一定であり、ゲージを薄くするとバットレス部などで加硫後のタイヤ仕上がりが薄くなってしまう可能性がある。
特許文献3(特開2009−220460号公報)は、熱可塑性樹脂が海成分、ゴムが島成分である熱可塑性エラストマー組成物を押出口金からシート状に押出成形して、口金スリットの断面形状を、該スリットのセンター部からスリット両端部の間に厚肉押出部を有するとともに、スリット長さ方向の厚み変化部分長さΔlに対する厚み増加分Δtの比率(%)を0.01〜10%とした押出口金を用いて押出成形するインナーライナー材料の製造方法が開示されている。かかる構成によって、空気漏れ防止効果が大きく、剥がれにくい特性を意図したものである。
しかし押出ダイは寸法の変更が難しく、製造するタイヤサイズが限定されてしまう。押出ダイを数種準備しても、サイズ変更時の段替えに時間がかかり生産性が低下する。
特許文献4(特開2000−254980号公報)は、リボン状の未加硫のゴムストリップを円筒ドラム上で順次巻き付けることによって、所望の仕上げ断面形状に近い輪郭形状でゴム部材を形成することを開示している。
従来、空気入りタイヤに用いられるインナーライナーは、一般にゴム押出機等から所定の仕上げ断面形状で連続して押し出し成形されており、その仕上げ断面形状は、ゴム押出機のヘッド部に設ける口金により決定されている。仕上げ断面形状で押出し成形する従来の方法では、ゴム部材の断面サイズが大きいため、使用するゴム押出機も大型のものが必要となり、その結果、生産ラインを小型化できない。またタイヤの種類等に応じて多種類の口金を用意しなければならず、しかも製造するタイヤの種類替えの都度、前記口金の交換や調整作業等が要求されるなど、多品種少量生産の低下の問題などを解決するためである。
しかし、タイヤ部材をリボン状のゴムストリップで形成する場合に、ゴム組成物相互の粘着性に起因して加工性に問題があり、またゴムストリップで形成したゴム部材の形状が保管中に型崩れを生じる問題があった。
特許文献5(特開2010−058437号公報)は、溶融した樹脂をダイからシート状に押し出し、押し出した樹脂シートに対して、少なくとも一方に凸形状が形成された型ローラおよびニップローラで挟み凸形状を転写し切断溝を形成し冷却固化することによりシートを成形する方法を開示している。
特許文献6(特開平9−19987号公報)には、インナーライナー層とゴム層の接着性を改善するための積層体が開示されている。これはインナーライナー層の両側に接着層を設けることで、インナーライナー層の重ね合わせ部において接着層同士が接触するようになり、加熱によって強固に接着されるので、空気圧保持性を向上させている。しかし、このインナーライナー層の重ね合わせのための接着層は、加硫工程においてブラダーと加熱状態で接触することになり、ブラダーに粘着するという問題がある。
特開平9−165469号公報 国際公開第2008/029781号 特開2009−220460号公報 特開2000−254980号公報 特開2010−058437号公報 特開平9−19987号公報
本発明はインナーライナーに用いられるストリップ及びそれを用いた空気入りタイヤの製造方法を提供する。偏平な矩形断面形状を有するリボン状のストリップを重ねて、より幅の広いシート状のインナーライナーを成形する際に、ストリップの両端部の重複部分において肉厚になり仕上がりシートの表面に凹凸が形成される。本発明はリボン状のストリップに耳部を形成することで成形されたインナーライナーの厚さを均一にすることを第1の目的とする。
また本発明は、熱可塑性エラストマーと、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムの少なくとも1種の混合物をポリマー成分として用い、これを硫黄で加硫することでインナーライナーを軽量化して転がり抵抗を軽減し、さらに加硫工程時にブラダーの熱と圧力でインナーライナーが破壊または変形するのを防止し表面に傷や内部にエアー残りなどの発生をなくする。さらにインナーライナーとカーカスプライの接着性を改善し、タイヤ走行時の繰り返し屈曲変形にともない亀裂成長を軽減することである。
本発明は、円筒ドラム上で螺旋状に巻回させることにより仕上げ断面形状に近い形状のタイヤ用インナーライナーを形成するためのポリマー組成物のストリップであって、前記ストリップは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を5質量%以上40質量%以下と、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を60質量%以上95質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物のポリマーシートよりなり、前記ストリップはストリップ本体とその両側に配置される耳部を有し、前記ストリップ本体の厚さ(T1)は0.05mm〜1.0mmであり、前記耳部の厚さ(T2)は前記ストリップ本体の厚さ(T1)より薄く、耳部の幅(W2)は0.5mm〜5.0mmであるインナーライナー形成用のストリップに関する。
前記ポリマーシートは、ポリマー成分100質量部に対して、さらにステアリン酸1質量部以上5質量部以下、酸化亜鉛0.1質量部以上8質量部以下、老化防止剤0.1質量部以上5質量部以下および加硫促進剤0.1質量部以上5質量部以下を含むことが好ましい。
更に、前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は重量平均分子量が5万以上40万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、円筒ドラム上で螺旋状に巻回させることにより仕上げ断面形状に近い形状のタイヤ用インナーライナーを形成するためのポリマー組成物のストリップであって、前記ストリップは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を5質量%以上40質量%以下と、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を60質量%以上95質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物のポリマーシートの第1層と、熱可塑性エラストマー組成物からなる第2層の積層体で構成されており、前記ストリップはストリップ本体とその両側に配置される耳部を有し、前記ストリップ本体の厚さ(T1)は0.05mm〜1.0mmであり、前記耳部の厚さ(T2)は前記ストリップ本体の厚さ(T1)より薄く、耳部の幅(W2)は0.5mm〜5.0mmであるインナーライナー形成用のストリップに関する。
前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体およびエポキシ化スチレン−ブチレンジブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記熱可塑性エラストマーと、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を含み、かつ前記熱可塑性エラストマーおよび前記ゴム成分の合計に対し、前記ゴム成分を20質量%以上90質量%以下含むことが好ましい。
本発明の実施形態において、前記ストリップの幅(W0)は、5mm〜40mmであり、前記ストリップの耳部の厚さ(T2)は、0.02mm〜0.5mmであることが好ましい。
本発明は、前記ストリップを、円筒ドラム上で螺旋状に巻回させることにより仕上げ断面形状に近い形状のインナーライナーを生タイヤ内面に配置するように成形し、該生タイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法に関する。
本発明の空気入りタイヤの製造方法において、前記ストリップは、(a)押出機本体と押出ヘッドを備えた押出装置により、熱可塑性エラストマー組成物を押し出して横長矩形断面形状のシートを形成する押出工程と、(b)該シートを、一対の型ローラに通して、前記シートに型ローラの形状を転写してストリップ端部に耳部を備えたストリップ形成工程と、(c)前記ストリップを型ローラから剥離する剥離工程と、を含む工程で製造される。
本発明の空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。 本発明のストリップを製造する装置の概略図である。 図2に示す製造装置において型ロールとニップロールの間隔を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明のストリップの概略断面図である。 本発明のストリップを用いてインナーライナーを製造する方法を示す概略図である。 インナーライナーの配置状態を示す概略断面図である。 従来のストリップを用いてインナーライナーを製造する方法を示す概略図である。
<タイヤの構造>
本発明は空気入りタイヤの内側に配置されるインナーライナー用のストリップ、該ストリップの製造方法、さらに該ストリップを備えた空気入りタイヤの製造方法に関する。前記インナーライナーは、円筒ドラム上で、両端に耳部を有するリボン状のストリップを螺旋状に巻回させることによって製造される。ここでリボン状のストリップは、仕上げの断面形状に近い状態で押出成形する。
前記ストリップは、1層もしくは2層の積層体で形成される。ストリップは、1層の場合のポリマーシートまたは積層体の場合の第1層はスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)を主体とする。そして積層体の場合の第2層は熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)またはスチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)を含む組成物で構成される。ここでストリップ本体の厚さ(T1)は0.05mm〜1.0mmであり、耳部の厚さ(T2)はストリップ本体の厚さ(T1)よりも薄い。
本発明で製造される空気入りタイヤの実施形態を図に基づき説明する。図1は、空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。図において空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部3とビード部4とを有している。さらに、ビード部4にはビードコア5が埋設される。また、一方のビード部4から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア5のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層7とが配置されている。
前記ベルト層7は、通常、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなるプライの2枚をタイヤ周方向に対して、コードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。なおベルト層の両端外側にはトッピングゴム層を設け、ベルト層両端の剥離を軽減することができる。またカーカスプライはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスプライとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア5の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8が配置される。また前記カーカスプライ6のタイヤ半径方向内側には一方のビード部4から他方のビード部4に亘るインナーライナー9が配置されている。
<ストリップ形状>
図4において(a)〜(d)にストリップ10の実施形態の断面図を示す。ストリップ10は、ストリップ本体10Aの厚さ(T1)が0.05mm〜1.0mmである。前記ストリップ本体10Aの厚さ(T1)が、0.05mm未満では、押出成形が困難となり、所定厚さのインナーライナーを形成するために回数を不必要に増加し、また1.0mmを超えるとインナーライナーの屈曲耐久性の低下、軽量化が望めないことになる。前記ストリップの厚さ(T1)は、好ましくは、0.1mm〜0.6mmの範囲である。そしてストリップ全体の幅(W0)は、5mm〜40mmの範囲で調整され、好ましくは10〜40mmの範囲である。
前記ストリップ本体10Aの両側部に形成される耳部10Bの厚さ(T2)は、ストリップ本体の厚さ(T1)より薄く形成され、0.02mm〜0.5mmの範囲であり、より好ましくは0.02mm〜0.3mmの範囲である。耳部の厚さ(T2)が、0.02mmより薄いと押出寸法精度が低下する可能性があり、一方、耳部の厚さ(T2)が、0.5mmより厚いと、隣接するストリップで形成される表面の凹凸が大きくなる可能性がある。ここで、耳部の厚さ(T2)は、ストリップの幅方向に変化する場合は、幅方向の平均厚さとして定義される。
そして耳部10Bの幅(W2)は、ドラム上で巻回しの表面に形成される凹凸を滑らかにするために0.5mm〜5.0mmの範囲が好ましく、そして(W2×2)の値は、(W0×0.5)の値以下であることが好ましい。耳部の幅(W2)が、0.5mm〜5.0mmの範囲を外れる場合は、ストリップが接合して形成されたインナーライナーの断面の肉厚寸法が不均一となる可能性がある。ここで、ストリップの耳部10Bは、ストリップ本体の左右の端部で対称形状、非対称とすることができる。
図4(a)は、ストリップの断面が略平行四辺形を有している。左側の耳部10Bは、下方向に厚さが漸減する形状で、右側の耳部10Bは上方向に厚さが漸減する形状を有している。
図4(b)は、ストリップ本体10Aの左端方向および右端方向で、ストリップの下面方向に厚さを漸減した耳部10Bが形成されている。このストリップ形状ではドラム上でストリップを接合する際に、隣接するストリップが相互に接合する端部において段差が形成されることになるが、その表面凹凸形状を小さくしたインナーライナーシートを得ることができる。
図4(c)は、左側の耳部は下面に一定の厚さを有して形成され、右側の耳部は上面に一定の厚さを有して形成されている。かかる形状とすることで、ドラム上でストリップを巻き返してインナーライナーを形成する際に隣接するストリップの耳部は、ストリップ端部で形成される段差を緩和し、凹凸の小さい接合が可能となる。なお前記ストリップ本体10Aは、その厚さ(T1)が、長さ方向に一定の横長偏平の矩形状をなしている。
図4(d)は、ストリップ本体10Aの左端および右端において段差が形成され厚みを薄くした耳部10bが形成され、ストリップの下面に一定の厚さを有している。この場合、ドラム上でストリップを接合する際に、隣接するストリップの端部において段差が形成されることになるが、その凹凸を小さくすることができる。
本発明のストリップを上述の形状とすることで、ドラム上でストリップを巻き返してインナーライナーを形成する際に隣接するストリップの耳部が、適切に嵌合して厚さむらのない接合部が形成できる。なお前記ストリップ本体10Aの厚さ(T1)は、長さ方向に一定の横長偏平の矩形状をなしている。なお、本発明の耳部は、これらの形状に限らず各種変形例が採用できる。
<ストリップ:ポリマーシート>
本発明のストリップは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(以下、SIBSともいう)を5質量%以上40質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を60質量%以上95質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物よりなる。
ポリマー組成物は、SIBS、ゴム成分および硫黄を含む。SIBSにゴム成分および硫黄を添加して加熱混合すると、加熱混合中にゴム成分と硫黄とが加硫反応して、SIBSがマトリックス(海)で、ゴム成分が島となる海島構造を形成する。
海島構造を有するポリマー組成物は、SIBSからなるマトリックス相に由来する耐空気透過性を有する。さらに、島相を形成するゴム成分はゴム成分を含む隣接部材との加硫前粘着性を有するとともに、加熱混合中に隣接部材のゴム成分とも加硫反応をするため、隣接部材との加硫接着性も有する。したがって、該ポリマー組成物よりなるポリマーシートは耐空気透過性に優れると同時に、隣接部材との加硫前粘着性および加硫接着性を有することができる。
(スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体)
SIBSのイソブチレンブロックにより、SIBSを含むポリマーシートは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSを含むポリマーシートをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
さらに、SIBSは芳香族以外の分子構造が完全飽和であることにより、劣化硬化が抑制され、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSを含むポリマーシートをインナーライナーに用いた場合、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBSを含むポリマーシートをインナーライナーに適用して空気入りタイヤを製造した場合、SIBSを含有させることにより耐空気透過性を確保するため、たとえばハロゲン化ブチルゴムなどの、従来耐空気透過性を付与するために使用されてきた高比重のハロゲン化ゴムを使用しないか、使用する場合にも使用量の低減が可能である。これによってタイヤの軽量化が可能であり、燃費の向上効果が得られる。
SIBSの分子量は特に制限はないが、流動性、成形化工程、ゴム弾性などの観点から、GPC法による重量平均分子量が5万以上40万以下であることが好ましい。重量平均分子量が5万未満であると引張強度、引張伸びが低下するおそれがあり、40万を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIBSは一般的にスチレン単位を10質量%以上40質量%以下含む。耐空気透過性と耐久性がより良好になる点で、SIBS中のスチレン単位の含有量は10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
SIBSは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。SIBSは分子内に芳香族以外の二重結合を有していないために、たとえばポリブタジエンなどの分子内に二重結合を有している重合体に比べて紫外線に対する安定性が高く、耐候性が良好である。
SIBSの含有量はポリマー組成物のポリマー成分中、5質量%以上40質量%以下である。SIBSの含有量が5質量%未満であると、ポリマーシートの耐空気透過性が低下するおそれがある。一方、SIBSの含有量が40質量%を超えると、隣接部材との加硫接着力が不十分であるおそれがある。SIBSの含有量は耐空気透過性の確保の観点からポリマー成分中10質量%以上30質量%以下が好ましい。
(ゴム成分)
インナーライナー用ポリマーシートを構成するポリマー組成物はゴム成分を含む。ゴム成分はポリマー組成物にゴム成分を含む隣接部材との加硫前粘着性を与えることができる。さらに硫黄と加硫反応することにより、ポリマー組成物にカーカスやインスレーションなどの隣接部材との加硫接着性を与えることができる。ゴム成分は天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、なかでも破壊強度および接着性の観点から、天然ゴムを含むことが好ましい。
ゴム成分の含有量はポリマー組成物のポリマー成分中、60質量%以上95質量%以下である。ゴム成分の含有量が60質量%未満であると、ポリマー組成物の粘度が高くなり押出加工性が悪化するため、ポリマーシート作製の際に、ポリマーシートを薄くすることができないおそれがある。一方、ゴム成分の含有量が95質量%を超えると、ポリマーシートの耐空気透過性が低下するおそれがある。ゴム成分の含有量は加硫前粘着性および加硫接着性の観点から、ポリマー成分中70質量%以上90質量%以下が好ましい。
(硫黄)
ポリマー組成物は、汎用されている硫黄を用いることができるが、不溶性硫黄を用いることが好ましい。ここで不溶性硫黄とは、天然硫黄S8を加熱、急冷し、S(x=10万〜30万)となるように高分子量化したものである。不溶性硫黄を用いることで、通常、硫黄をゴム加硫剤として用いた場合に生じるブルーミングを防止することができる。
硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下である。硫黄の含有量が0.1質量部未満であると、ゴム成分の加硫効果を得ることができない。一方、硫黄の含有量が5質量部を超えるとポリマー組成物の硬度が高くなり、インナーライナーに用いた場合に、空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。硫黄の含有量は、さらに0.3質量部以上3.0質量部以下が好ましい。
(ポリマー組成物の添加剤)
ストリップを構成するポリマー組成物はステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を含むことができる。ステアリン酸はゴム成分の加硫助剤として機能する。ステアリン酸の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。ステアリン酸の含有量が1質量部未満であると、加硫助剤としての効果を得ることができない。一方、ステアリン酸の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物の粘度が低下し、破壊強度が低下するおそれがあるため好ましくない。ステアリン酸の含有量は、さらに1質量部以上4質量部以下が好ましい。
酸化亜鉛はゴム成分の加硫助剤として機能する。酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下であることが好ましい。酸化亜鉛の含有量が0.1質量部未満であると、加硫助剤としての効果を得ることができない。一方、酸化亜鉛の含有量が8質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が高くなり、ポリマーシートをインナーライナーに用いた場合に、空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。酸化亜鉛の含有量は、さらに0.5質量部以上6質量部以下が好ましい。
老化防止剤は、老化と呼ばれる酸化劣化、熱劣化、オゾン劣化、疲労劣化などの一連の劣化を防止する機能を有する。老化防止剤は、アミン類やフェノール類からなる一次老化防止剤と硫黄化合物やフォスファイト類からなる二次老化防止剤とに分類される。一次老化防止剤は各種ポリマーラジカルに水素を供与して自動酸化の連鎖反応を停止させる機能を有し、二次老化防止剤はヒドロキシペルオキシドを安定なアルコールに変えることにより安定化作用を示すものである。
老化防止剤としては、アミン類、フェノール類、イミダゾール類、リン類またはチオウレア類などが挙げられる。上記の老化防止剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせても用いても良い。なかでも、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを用いることが好ましい。
老化防止剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。老化防止剤の含有量が0.1質量部未満であると、老化防止効果を得ることができない。一方、老化防止剤の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物にブルーミング現象が発生する。老化防止剤の含有量は、さらに0.3質量部以上4質量部以下が好ましい。
加硫促進剤としては、チウラム類、チアゾール類、チオウレア類、ジチオカーバミン酸塩類、グアニジン類およびスルフェンアミド類などを用いることができる。上記の加硫促進剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。なかでも、ジベンゾチアジルスルフィドを用いることが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、加硫促進効果を得ることができない。一方、加硫促進剤の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が高くなり、ポリマーシートをインナーライナーに用いた場合に、空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。さらに、ポリマー組成物の原料費が上昇する。加硫促進剤の含有量は、さらに0.3質量部以上4質量部以下が好ましい。
<ストリップ:積層体>
本発明においてストリップは第1層と第2層の積層体が用いられる。ここで第1層は、前記ポリマーシートと実質的に同じポリマー組成物を用いることができ、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)を主体とするポリマー組成物である。
(第2層)
積層体において第2層は熱可塑性エラストマーおよび硫黄を含む熱可塑性エラストマー組成物からなる。かかる第2層は熱可塑性エラストマーに、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を混合することもできる。熱可塑性エラストマーに硫黄を添加することにより、第1層との加硫前粘着力および加硫接着力が向上する。さらに、カーカスやインスレーションなどの隣接部材との加硫前粘着力および加硫接着力も向上する。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブテン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレントリブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。なお、これらの熱可塑性エラストマーはエポキシ基を有するエポキシ変性熱可塑性エラストマーであってもよい。
特に、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体またはエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体を用いることが好ましい。
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(以下、SISともいう)のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISを含む熱可塑性エラストマー組成物はゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISを含む熱可塑性エラストマー組成物をインナーライナー用ポリマー積層体に用いた場合、該ポリマー積層体は、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、エアーインを防ぐことができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SISの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC法による重量平均分子量が10万以上29万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満であると引張強度が低下するおそれがあり、29万を超えると押出加工性が悪くなるため好ましくない。SIS中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
スチレン−イソブチレンジブロック共重合体(以下、SIBともいう)のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBを含む熱可塑性エラストマー組成物はゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBを含む熱可塑性エラストマー組成物をインナーライナー用ポリマー積層体に用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、エアーインを防ぐことができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBとしては、分子鎖が直鎖状のものを用いることがゴム弾性および接着性の観点から好ましい。SIBの分子量は、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC法による重量平均分子量が4万以上12万以下であることが好ましい。重量平均分子量が4万未満であると引張強度が低下するおそれがあり、12万を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。SIB中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10質量%以上35質量%以下であることが好ましい。
エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(以下、エポキシ化SBS)は、ハードセグメントがポリスチレンブロック、ソフトセグメントがブタジエンブロックであり、ブタジエンブロックに含まれる不飽和二重結合部分をエポキシ化した熱可塑性エラストマーである。エポキシ化SBSはソフトセグメントを有するため、エポキシ化SBSを含む熱可塑性エラストマー組成物はゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、エポキシ化SBSを含む熱可塑性エラストマー組成物をインナーライナー用ポリマー積層体に用いた場合、該ポリマー積層体は、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、エアーインを防ぐことができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
エポキシ化SBSの分子量は、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC法による重量平均分子量が1万以上40万以下であることが好ましい。重量平均分子量が1万未満であると補強効果が低下するおそれがあり、40万を超えると熱可塑性エラストマー組成物の粘度が上昇するおそれがあるため好ましくない。
エポキシ化SBS中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。エポキシ化SBSは、ブタジエン単位とスチレン単位のモル比(ブタジエン単位/スチレン単位)が、90/10〜70/30であることが好ましい。エポキシ化SBSにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からブタジエンブロックでは500〜5,000程度、またスチレンブロックでは500〜1,500程度であることが好ましい。
前記第2層において、ゴム成分を含む場合、かかるゴム成分は、熱可塑性エラストマーおよびゴム成分の合計に対し、ゴム成分を20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上80質量%以下である。20質量%未満であると、第2層がカーカス層と加硫接着しにくくなるおそれがあり、90質量%を超えると、第2層とカーカス層とが加硫接着しすぎるおそれがある。
硫黄の含有量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下である。硫黄の含有量が0.1質量部未満であると、架橋反応をしないおそれがある。一方、硫黄の含有量が5質量部を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の架橋密度が上がり粘度が上昇するおそれがある。硫黄の含有量は、さらに0.3質量部以上3質量部以下が好ましい。
(熱可塑性エラストマー組成物の添加剤)
熱可塑性エラストマー組成物はステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を含むことができる。これらの添加剤は第1層の配合を採用することができる。
<ストリップの製造装置>
図2においてストリップ10を製造する製造方法を説明する。ストリップの製造装置11は、横長矩形断面の熱可塑性エラストマーのシート12を押出形成する押出装置13と、その押出口16の近傍に配される一対の型ローラ14とから構成される。
前記押出装置13は、スクリュ軸15を有する押出機本体13Aと、この押出機本体13Aから吐出される熱可塑性エラストマーのシートを形成して押出口16から押出す押出ヘッド13Bとを具える。押出機本体13Aは、投入される熱可塑性エラストマーを、減速機能を備えた電動機により駆動される前記スクリュ軸15によって混練、溶融する。
また前記押出ヘッド13Bは、前記押出機本体13Aの先端に取付き前記押出口16を構成する押出成形用の口金17を具えている。次に、一対の型ローラ14は、上、下のロール14A、14Bを有する構成をなし、押出口16からの押出し方向に対して直交する横向きで保持される。そして、上、下の型ロール14A、14Bは、互いに同速度でかつ同期しながら回転可能に駆動制御される。
そして、この上、下の型ロール14A、14B間の間隙部の形状は図3に示すように、前記ストリップ10の断面形状に近似している。ここで「近似している」とは、ストリップ10の断面形状と実質的に相似形であり、膨張を考慮して相似比は通常0.50〜0.90の範囲で間隙部K1、K2の方が小である。
すなわち、上、下の型ロール14A、14Bの一方または双方は、直円筒状のロール本体の周囲表面に、前記ストリップ本体10Aに相当する凹み部分14a,14bを凹設している。従って、型ロール14A、14B間での間隙部分K1によって耳部10Bが成形され、前記凹み部分14a、14bがなす隙間部分K2によってストリップ本体10Aが成形される。
このように、製造装置11では、まず押出装置13を用いて、横長矩形のシート12を形成し、型ロール成形における発熱が生じない条件で、型ロールの形状をシート転写する。そして、耳部が形成されたストリップ12Aはフリーローラ18によって型ローラ14Bから剥離され最終形状に加工される。したがって寸法の精度および安定性が高まり、通常、カレンダー成形において必要とされていた幅調整のためのナイフカット作業が不必要となるなど製造効率を向上できる。しかも耳部10Bにおける厚さT2のバラツキを軽減することができ、高い品質のストリップ10を製造できる。
なお、そのためには、押出ヘッド13Bにおける前記押出口16の開口高さHA1を、前記ストリップの厚さT1の2〜7倍、かつ前記押出口16の開口幅WA1を前記ストリップの幅W0の0.7〜1.0倍とすることが好ましい。
前記開口高さHA1がT1の7倍を超えると、及び開口幅WA1がW0の0.7倍より小さいときには、型ロール成形での加工率が過大となりストリップ10の品質及び精度が低下する。特に幅の精度が不安定となり、ナイフカットによる幅精度の維持が必要となってくる。また前記開口高さHA1がT1の2倍より小さいとき、1.0mm以下のストリップ10を得るには、押出し時のシート厚さが薄くなることから、押出圧力が高くなってしまい、寸法が不安定となってしまう。一方開口幅WA1がW0の1倍を超えると、逆に加工率が過小となり、ストリップ10が切断する問題があり寸法安定性も低下する。
<ストリップの製造方法>
(ポリマーシートまたは積層体の作製)
本発明のインナーライナー用ストリップは以下の方法で製造することができる。2軸押出機に各配合剤を投入して約150〜280℃、50〜300rpmの条件下で混練し、SIBS、ゴム成分、硫黄および必要に応じて各種添加剤が動的架橋されたポリマー組成物のペレットを得る。得られたペレットをTダイ押出機に投入してポリマー組成物よりなるシート状のポリマーシート(または第1層)、および熱可塑性エラストマー組成物よりなるシート状の第2層を得る。
2軸押出機中では、熱可塑性エラストマーであるSIBSがマトリックス相となり、ゴム成分が島相となり分散する。さらに、2軸押出機中で、ゴム成分と添加剤成分とが反応し、島相であるゴム成分が架橋反応する。ゴム成分が2軸押出機中で動的に架橋される所謂動的架橋が形成される。2軸押出機中でゴム成分が架橋しても、系のマトリックス相は熱可塑性エラストマー成分からなるため、系全体のせん断粘度が低く、押出加工が可能となる。
2軸押出機で得られた動的架橋されたポリマー組成物のペレットは、ゴム成分は架橋しているが、マトリックス相の熱可塑性エラストマー成分は可塑性を保持しており、ポリマー組成物全体の可塑性を生み出す役割を果たしている。そのため前記ポリマー組成物は、Tダイ押出においても可塑性を示すため、シート状に成形することが可能になる。
さらに動的架橋されたポリマー組成物のペレットはゴム成分が架橋しているため、該ペレットを用いて作製されたポリマーシートをインナーライナーに適用して空気入りタイヤを製造する際に空気入りタイヤを加熱しても、カーカス層へのインナーライナーのポリマー組成物の侵入を防止することができる。
ストリップを積層体で構成する場合は、第1層と第2層とを貼り合わせる。ここで第1層にはポリマーシートを用いることができる。また、ポリマー組成物および熱可塑性エラストマー組成物のそれぞれのペレットをラミネート押出や共押出などの積層押出をして積層体を形成してリボン状のシートを得ることもできる。しかる後にシートの幅方向両端に所定形状の耳部が形成されたストリップを製造する。
<インナーライナーの成形>
図5(a)に示すように、ストリップ10を円筒ドラムD上で螺旋状に順次巻き付け、隣接するストリップ10は相互に3mm〜38mmの範囲で重複部を形成しながらインナーライナーを形成する。ここでストリップ10は、巻回に際し、図5(b)に端部を拡大して示すように、隣接するストリップ間で段差を形成するが、その耳部によって凹凸段差dは緩和されることになる。一方、図7に示すように、従来の断面が長方形のストリップで耳部を有しないものを用いた場合の凹凸段差d0は、耳部を有するストリップの場合の凹凸に比べ約2倍となっている。
このように、耳部を有するストリップを用いた場合には、インナーライナーに要求される仕上げ断面形状に近似させることを容易にする。しかも滑らかな輪郭形状が得られ、加硫後の表面傷の発生を防止できる。一方、従来の同じ厚さのストリップと略同程度の巻き付け回数によってインナーライナーを成形することができ、生産能率の低下やエアー残りの発生を抑制しうる。
<空気入りタイヤの製造方法>
本発明の空気入りタイヤは、一般的な製造方法を用いることができる。積層体を用いてストリップを製造し、前述の方法でインナンーライナーを製造する。前述の如くインナーライナーを成形した生タイヤを加硫成形することによって製造することができる。積層体を生タイヤに配置する際は、積層体の第2層が、カーカスプライに隣接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において第2層とカーカスプライとの接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
<インナーライナーの配置状態>
本発明の加硫タイヤにおいて、積層体によって形成されるインナーライナーの配置状態を図6に示す。図6において、積層体PLは、第1層としてのSIBS層PL1および第2層としてのSIS層またはSIB層PL2から構成される。該積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、第2層PL2がカーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2層PL2とカーカスプライCとの接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有する。
<インナーライナーの製造>
表1、2に示す配合処方にしたがって、各種配合剤を2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)に投入してペレット化した。これを図2及び図3に示す押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイギャップ幅:40mm、シリンダ温度:220℃)を用いて、スクリュ回転数80RPM、押出速度は約9m/分で、リボン状のシートを押出した。そして型ロール14A、14Bに通して、両端に所定の形状の耳部を形成したストリップ12Aを製造した。
なお、前記リボン状のシート12が、ポリマーシートの1層のみの場合は、1個の押出機を用いて製造し、積層体の場合は第1層のポリマーシートと第2層の熱可塑性エラストマーを共押出して積層体を製造する。その後、フリーローラ18を介して、前記ストリップを前記型ローラから剥離してストリップ12Aを得た。ストリップ12Aの拡大断面構造を図4においてストリップ10として示す。ここで、ストリップ10の幅W0、厚さT1、耳部10Bの幅W2、耳部厚さT2は表1、表3〜表5に示すとおりである。
上記製造方法によって製造されたストリップの第1層、第2層の配合を表1、表2に示す。表1はポリマーシート(積層体の第1層)の配合を示す。配合A1〜A6はポリマー成分としてSIBSにIIR及び/または天然ゴムの混合物を用いた例である。配合B1〜B7は、SIBSまたはIIR単独か、これらとNRの混合物であるが、本発明の範囲外の配合である。
表2は第2層の配合を示し、ポリマー成分として、SIS、SIB、エポキシ化SBSの単独もしくはこれらと天然ゴムもしくはブチルゴムの混合物を用いた例である。
<タイヤの製造>
上記ストリップを、図5に示すドラム上でストリップを巻き回し、隣接するストリップの耳部が、隣接するストリップが相互に5mm重複するように、相互に接合部を形成して幅広のシート状に成形しインナーライナー用のシートを製造した。
表1の参考例S1〜S6、比較例S1〜S7に1層のポリマーシートをストリップに用いた空気入りタイヤの例を示す。また表3〜表5の参考例1〜23、比較例1〜8に積層体のストリップに用いた空気入りタイヤの例を示す。これらのストリップをドラム上でインナーライナーに成形してタイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを試作した。加硫は、170℃で20分間プレスを行い、加硫金型から取り外すことなく100℃で3分間冷却した後、加硫金型から取り出した。本発明の実施例、参考例、比較例のタイヤの仕様及びその性能試験結果を、表1および表3〜表5に示す。
Figure 0005260715
Figure 0005260715
(注1)IIR:エクソンモービル(株)社製の「エクソンクロロブチル1066」
(注2)NR:天然ゴム TSR20
(注3)SIBS:カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102T」(スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量100,000、スチレン単位含有量25質量%、ショアA硬度25)
(注4)カーボンブラック:東海カーボン(株)社製の「シーストV」(N660、窒素吸着比表面積:27m2/g)
(注5)ステアリン酸:花王(株)社製の「ステアリン酸ルナックS30」
(注6)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)社製の「亜鉛華1号」
(注7)老化防止剤:大内新興化学(株)社製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
(注8)加硫促進剤:大内新興化学(株)社製の「ノクセラーDM」(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
(注9)硫黄:鶴見化学工業(株)社製の「粉末硫黄」
(注10)SIS:クレイトンポリマー社製の「D1161JP」(スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量150,000、スチレン単位含有量15質量%)
(注11)SIB:上記の(SIBの製造)で得られたSIB(スチレン−イソブチレンジブロック共重合体、重量平均分子量70,000、スチレン単位含有量15質量%)
(注12)エポキシ化SBS:ダイセル化学工業(株)社製の「エポフレンドA1020」(エポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、重量平均分子量100,000、エポキシ当量500)
(注13)天然ゴム:TSR20
(注14)ブチルゴム:エクソンモービル(株)製の「エクソンクロロブチル1066」
Figure 0005260715
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Figure 0005260715
表1〜表5においてストリップおよび空気入りタイヤの評価方法は以下のとおりである。
(a)第1層のムーニー粘度
JISK−6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機「ムーニービスコメーターSMV−202」を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点でのポリマー組成物のムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定した。ムーニー粘度が小さいほど加工性に優れることを示す。
(b1)カーカス層との未加硫粘着力指数
カーカス層(配合:スチレンブタジエンゴム100質量部、カーボンブラック50質量部、硫黄2質量部、厚さ:2.0mm)のシートを準備した。前記ポリマーシートとカーカス層のシートとを貼り合わせて、100gfで30秒間保持した後、剥離させた力を加硫前の粘着力として測定した。下記計算式により、第1層は配合B1を基準(100)として、第2層は、配合No1(100)を基準として、各配合の加硫前の粘着力を指数で表示した。加硫前の粘着力指数が大きいほど、加硫前の粘着力が強く、好ましいことを示す。
(加硫前の粘着力指数)=(各配合の加硫前の粘着力)÷(比較例1の加硫前の粘着力)×100。
(b2)第1層と第2層の未加硫粘着力指数
第1層と第2層のポリマーシートを貼り合わせて、100gf30秒間保持した後、剥離させた力を加硫前の粘着力として測定した。下記計算式により、比較例1を基準(100)として、各配合の加硫前の粘着力を指数で表示した。加硫前の粘着力指数が大きいほど、加硫前の粘着力が強く、好ましいことを示す。
(加硫前の粘着力指数)=(各配合の加硫前の粘着力)÷(比較例1の加硫前の粘着力)×100。
(c1)カーカス層との加硫接着力
前記ポリマーシートとカーカス層のシートとを貼り合わせて、170℃で20分間加熱し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張剥離試験により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、第1層は比較例S1を基準(100)として、第2層は、配合No1(100)を基準として、各配合の加硫接着力を指数で表示した。加硫接着力指数が大きいほど、加硫接着力が強く、好ましいことを示す。
(加硫接着力指数)=(各配合の加硫接着力)÷(比較例1の加硫接着力)×100。
(c2)第1層と第2層の加硫接着力
第1層と第2層のポリマーシートを貼り合わせて、170℃で20分間加熱し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張剥離試験により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、比較例1を基準(100)として、各配合の加硫接着力を指数で表示した。加硫接着力指数が大きいほど、加硫接着力が強く、好ましいことを示す。
(加硫接着力指数)=(各配合の加硫接着力)÷(比較例1の加硫接着力)×100。
また、空気入りタイヤの評価は、以下の方法に基づき実施した。
(d)軽量化効果指数
下記計算式により、比較例1を基準(100)として、各配合を用いた空気入りタイヤの重量を指数で表示した。軽量化効果指数が大きいほど、タイヤ重量が軽く、好ましいことを示す。
(軽量化効果指数)=(比較例1のタイヤ重量)÷(各配合のタイヤ重量)×100。
(e)転がり抵抗指数
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用い、製造した195/65R15サイズの空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/時間の条件下で、室温(38℃)にて走行させて、転がり抵抗を測定した。下記計算式により、比較例1を基準(100)として、各配合の転がり抵抗を指数で表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、好ましいことを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)÷(各配合の転がり抵抗)×100。
(f)静的空気圧低下率
製造した195/65R15サイズのタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300Kpaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率(%/月間)を計算した。
(g)ユニフォミティ
JASO−C607:2000の「自動車タイヤのユニフォミティ試験方法」に準拠し、タイヤユニフォミティ試験機を用いてラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。比較例1を100とする相対値を指数表示した。指数が大きいほどユニフォミティが優れている。測定条件は、リムは8.0×17、タイヤ回転速度は60rpm、空気圧は200kPa、縦荷重は4000kNとした。
(総合判定)
総合判定の判定基準は表6の通り。
Figure 0005260715
参考例S1〜S6>
参考例S1〜S6は、比較例S1〜S7は、ストリップにポリマーシートの単一層を用
いた空気入りタイヤの例である。参考例S1〜S6は、いずれも比較例S1よりもストリップの未加硫粘着性指数、加硫接着力指数に劣るが、空気入りタイヤの性能において総合的に優れることが明らかである。
実施例5〜23および比較例1〜8は、ストリップの断面形状を図4(a)として、第1層と第2層の配合の組合せを変更した例である。実施例1〜23は、比較例1よりもストリップの未加硫粘着性指数、加硫接着力指数に劣るものが含まれているが、空気入りタイヤの性能において総合的に優れている。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤのほか、トラック・バス用、重機用等の空気入りタイヤとして用いることができる。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカスプライ、7 ベルト層、8 ビードエーペックス、9 インナーライナー、10 ストリップ、11 ストリップの製造装置、12 シート、13 押出装置。

Claims (6)

  1. 円筒ドラム上で螺旋状に巻回させることにより仕上げ断面形状に近い形状のタイヤ用インナーライナーを形成するためのポリマー組成物のストリップであって、
    前記ストリップは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を5質量%以上40質量%以下と、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を60質量%以上95質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物のポリマーシートの第1層と、熱可塑性エラストマー組成物からなる第2層の積層体で構成されており、
    前記ストリップはストリップ本体とその両側に配置される耳部を有し、前記ストリップ本体の厚さ(T1)は0.05mm〜1.0mmであり、前記耳部の厚さ(T2)は前記ストリップ本体の厚さ(T1)より薄く、耳部の幅(W2)は0.5mm〜5.0mmであるインナーライナー形成用のストリップ。
  2. 前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体およびエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む熱可塑性エラストマーと、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を含み、かつ前記熱可塑性エラストマーおよび前記ゴム成分の合計に対し、前記ゴム成分を20質量%以上90質量%以下含む、請求項に記載のストリップ。
  3. 前記ストリップの幅(W0)は、5mm〜40mmである請求項1に記載のストリップ。
  4. 前記ストリップの耳部の厚さ(T2)は、0.02mm〜0.5mmである請求項1に記載のストリップ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のストリップを、円筒ドラム上で螺旋状に巻回させることにより仕上げ断面形状に近い形状のインナーライナーを生タイヤ内面に配置するように成形し、該生タイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記ストリップは、
    (a)押出機本体と押出ヘッドを備えた押出装置により、熱可塑性エラストマー組成物を押し出して横長矩形断面形状のシートを形成する押出工程と、
    (b)該シートを、一対の型ローラに通して、前記シートに型ローラの形状を転写してストリップ端部に耳部を備えたストリップ形成工程と、
    (c)前記ストリップを型ローラから剥離する剥離工程と、
    を含む工程で製造される請求項記載の空気入りタイヤの製造方法。
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