JP5159632B2 - タイヤ及びシート状タイヤ構成部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

タイヤ及びシート状タイヤ構成部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ユニフォーミティを低下させることなくガスバリア性が改善されたタイヤ、及び所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法及び装置であって、樹脂フィルム片の幅及び重ね量の設定により、様々な長さを有するシート状タイヤ構成部材を最小限の枚数の樹脂フィルム片により製造可能なシート状タイヤ構成部材の製造方法及び装置に関する。
空気入りタイヤは、図11に示すように、2本の環状のビード72,72に両端を固定されてタイヤ変形方向外側にカーカスプライ73が膨出し、カーカスプライ73の外周側にはベルト74を挟んでトレッドゴム75が設けられ、カーカスプライ73の両側方にはサイドウォールゴム76が貼り付けられ、全体が略環状に形成されている。また、この空気入りタイヤ71のカーカスプライ73の内側にインナーライナー77が貼り付けられている。ここで、一方のビード部からインナーライナー77の内周面に沿って他方のビード部までの長さをインナーペリフェリWsと言う。従って、インナーライナー77の幅はインナーペリフェリWsと略等しい。また、インナーライナー77の長さはタイヤのリム径にπ(円周率≒3.14)を乗算した値と略等しい。
従来、このようなインナーライナーの材料としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどの低気体透過性ブチル系ゴムを用いることが一般的である。しかし、これらのブチル系ゴムの含有量を多くすると、未加硫ゴムの強度が低下し、ゴム切れやシート穴空きなどを生じ易く、特にインナーライナーを薄ゲージ化する場合には、タイヤ製造時に内面のコードが露出し易いという問題がある。従って、ブチル系ゴムの配合量には限界があり、ブチル系ゴムを配合したゴム組成物を用いる場合、空気遮断性の点からインナーライナー層の厚さは1mm前後が必要であった。そのため、タイヤに占めるインナーライナー層の重量は約5%程度となり、タイヤの重量を低減し、自動車燃費を向上するための障害となっていた。
そこで、近年の省エネルギーの要請に応じて、自動車タイヤの軽量化を目的として、例えば50μm程度の厚さのナイロンフイルム層や塩化ビニリデン層をインナーライナー層としてブチル系ゴムの代わりに用いることが提案されている(特許文献1参照)。また、熱可塑性樹脂とゴムとをブレンドした熱可塑性エラストマー材料をインナーライナー層に用いること(特許文献2参照)、ハロゲン化ブチルゴムと樹脂フィルム層とを接着剤層を介して接合した積層体をインナーライナー層に用いること(特許文献3参照)も提案されている。
他方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある)は、ガスバリア性に優れることが知られている。このEVOHは、空気透過量が上記ブチルゴム系のインナーライナー用ゴム組成物の数十分の一以下であるため、200μm以下の厚さでも、タイヤの内圧保持性を大幅に向上させることができる上、タイヤの重量を低減することができる。
上記ブチルゴムより空気透過性の低い樹脂は数多く存在するが、空気透過性がブチル系のインナーライナーの5分の1程度の場合、200μmを超える厚さでないと、内圧保持性の改良効果が小さい。また、200μmを超える厚さの場合、タイヤの重量を低減する効果が小さくなり、更には、タイヤ屈曲時の変形からインナーライナーが破断したり、インナーライナーにクラックが発生してしまい、バリア性を保持することが困難となる。
これに対し、上記EVOHを使用した場合、200μm以下の厚さでも使用可能であるため、タイヤ転動時の屈曲変形で破断し難く、また、クラックも生じ難くなる。そのため、空気入りタイヤの内圧保持性を改良するために、EVOHをタイヤのインナーライナーに用いることは有効であるといえる。例えば、特許文献4には、EVOHからなるインナーライナーを備えた空気入りタイヤが開示されている。
しかしながら、通常のEVOHをインナーライナーとして用いた場合、タイヤの内圧保持性を改良する効果が大きいものの、通常のEVOHはタイヤに通常用いられているゴムに比べ弾性率が大幅に高いため、屈曲時の変形で破断したり、クラックが生じることがあった。そのためEVOHからなるインナーライナーを用いた場合、タイヤ使用前の内圧保持性は大きく向上するものの、タイヤ転動時に屈曲変形を受けた使用後のタイヤでは、内圧保持性が使用前と比べて低下することがあった。
したがって、近年では、EVOHからなるインナーライナーと同様のガスバリア性を保持したまま、高度な耐屈強性を有するインナーライナーが求められるようになり、さらなる技術の改良が必要となっていた。
ところで、樹脂フィルムを用いたインナーライナーは、例えば以下のように製造される(特許文献2参照)。即ち、インフレーションフィルム成型により熱可塑性エラストマー材料をタイヤのリム径(直径:12インチ、13インチ、・・・)毎にその値に応じた幅のフィルムに成型し、その幅毎に用意したロールに巻き取って保管しておき、生タイヤ成型時に、生タイヤのリム径に応じて、対応するロールからフィルムを巻き出し、タイヤのセクション幅に応じた長さに切断して、シート状のインナーライナーを製造する。このインナーライナーは成型ドラムに供給され、円筒状に巻き付けられる。
しかしながら、この製造方法では、製品タイヤのリム径毎に巻き取ったロールフィルムを保管・管理する必要があり、また保管のために必要なスペースや設備が大きいという問題がある。また、製造するタイヤのリム径が変わる毎に巻き出すロールフィルムの切り替えが必要となる。
一方、ゴム材料を用いたインナーライナーについては、一定幅を有する帯状ゴム部材の連続体を一定長毎に切断することにより作成した所定枚の帯状ゴム部材片の幅方向の端部を重ねて接合することにより、前記一定長に相当する幅、並びに前記一定幅及び所定枚数に応じた様々な長さを有するシート状タイヤ構成部材を製造する装置が提案されている(特許文献5参照)。
図12は、特許文献5に開示されているインナーライナー製造装置の概略構成を示す図である。押出し機110は、投入されたゴム材をスクリューで混練しながらローラヘッド111に送り、ローラヘッド111によりストリップ部材(帯状ゴム部材)101に成形して連続的に押出していく。ローラヘッド111は、上ローラ111aがプロファイル付きで下ローラ111bがフラットである。
このような上ローラ111aと下ローラ111bに挟まれて押出されるストリップ部材101は、1.0mmの厚さで98.8mmの部材幅で左右端縁が先細に形成されている。詳細には、図13に示すように、ストリップ部材101の幅方向断面は、厚さ1.0mmの偏平な台形であり、下底の長さが98.8mmで中央部101aの上底の長さが60.8mm、両端部101b,101bの幅が19mmで先細に形成され、先細の角度は約3度である。また、ストリップ部材101の幅は直径1インチの円の周長p(=79.8mm)に重ね代として19mmを加えて98.8mmとしている。
押出機110は、ストリップ部材101の部材幅安定化のため定量押出し用のギアポンプ110aが内蔵されたギアポンプ押出機であり、ギアポンプ110aの入口と出口に圧力センサー110b,110cが設けられ、両圧力センサーからの検出値を基に入口の圧力センサー110bの検出値が一定となるように押出機110のスクリューの回転を制御する。また、押出されたストリップ部材101の幅をラインセンサ112で検出し、この検出値に基づきローラヘッド111の回転を制御している。ストリップ部材101の幅は、ローラヘッド111とギアポンプ110aの回転のドロー比で決まる。
このようにして所定形状に成形されて押出されたストリップ部材101は、フェスツーン113を経て、コンベアベルト115にその側方の定位置から直角に供給される。このとき、ストリップ部材101はカッター114によりコンベアベルト115の搬送方向に沿って所定長さWに切断され、ストリップ部片(帯状ゴム部材片)102とされる。この所定長さWは前記セクション幅Wsに等しい。ここでは、コンベアベルト115は矢印X方向へ搬送される。
ストリップ部片102がコンベアベルト115の所定位置に載置されると、コンベアベルト115を回転させ、ストリップ部片102を直径1インチの円の周長pである79.8(=98.8−19.0)mm矢印F方向に前進させる。次いで再びストリップ部材101をコンベアベルト115の側方から供給し、定長に切断してコンベアベルト115上に載せると、図14に示すように、79.8mm前進した先行のストリップ部片102に新たなストリップ部片102が19.0mm幅の端部102bを重ねて載置されるので、重畳された端部同士を押圧して接合する。以上の工程を繰り返すことにより、図14に示すようにコンベアベルト115上でストリップ部片102を順次連結していく。
このとき、タイヤのリム径に応じてストリップ部片102を所要枚数接合することにより、インナーライナー103が製造される。即ちリム径がnインチのタイヤの場合は、n枚のストリップ部片102を接合することでそのタイヤ用のインナーライナー103が製造される。例えばリム径が17インチの場合は、図15に示すように17枚のストリップ部片102を接合すると、セクション幅Wsに等しいWの幅でp×17(=79.8mm×17=1356.6mm=P)に重ね代19.0mmを加算した1375.6mmの長さのインナーライナー103が形成される。このインナーライナー103は図示しない成型ドラムに巻き付けられ、先端と後端の幅19.0mmの端部同士が重ね合わされて接合され、環状とされるので、その周長はP(=1356.6mm)であり、リム径17インチのリムの周長である17×π×25.4mmと等しくなる。
以上のように押出機110は、98.8mmの幅狭のストリップ部材101を形成するので、小型で設置スペースも小さくてすむ。そして、このストリップ部材101をコンベアベルト115に供給し、セクション幅Wsに切断してストリップ部片102として移動させ、再びストリップ部材101をコンベア115に供給して切断し、ストリップ部片102の端縁部を先行のストリップ部片102に重ねて接合し、この工程を繰り返して所要枚数のストリップ部片を順次接合してインナーペリフェリWsを部材幅とし、重ね代を含めないでリム周長Pを長さとするインナーライナーを効率良く製造することができる。
しかしながら、前記特許文献5に記載されたタイヤ構成部材の製造装置では、リム径1インチ当たり1枚のストリップ部片102を使用するため、リム径が大きくなるにつれて多数のストリップ部片102を接合することが必要となる。このため、タイヤ1本分のインナーライナー103の製造に要する時間が長くなり生産性が低下するという問題がある。また、ゴム製のストリップ部片102は1mm程度の厚みがあるため、接合部の厚さが不均一になるとタイヤのユニフォーミティが悪くなり、走行時の振動の原因となるという問題がある。ゴム製のストリップ部片102に代えて樹脂フィルムを用いれば、厚さが薄くなりその不均一は無視できるため、ユニフォーミティの悪化を抑えることが可能であるが、樹脂フィルムの場合、ロールに巻き取って保管しておくと、樹脂フィルム間が接着してしまうという問題がある。
特開平7−40702号公報 WO2004/110735号公報 特開2006−159522号公報 特開平6−40207号公報 WO2002/55289号公報
本発明者らがインナーライナーのガスバリア性及び耐屈曲性について検討したところ、両方の特性が高度にバランスされたインナーライナーは、一般にタイヤのユニフォーミティを低下させる傾向があることが分かった。そこで、本発明の第1の目的は、ユニフォーミティを低下させることなく、ガスバリア性が改善されたタイヤを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、所定幅及び長さの帯状部材片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造するときに、帯状部材片の接合に要する時間を短縮することであり、第3の目的は、前記帯状部材片の接合部によるタイヤのユニフォーミティの悪化を抑えることであり、第4の目的は帯状部材としてロールに巻き取って保管しておいた樹脂フィルムを使用できるようにすることである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有する樹脂組成物からなる層を少なくとも含むインナーライナーをタイヤ内面に接合することで、タイヤのユニフォーミティを低下させることなく、ガスバリア性が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、
請求項1のタイヤは、ビード部、トレッド部及びサイド部を備えるタイヤにおいて、タイヤ内面に、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有する樹脂組成物(A)からなる層を少なくとも含むインナーライナーを備え、前記樹脂組成物(A)は、エチレン含有量が25〜50モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含み、前記樹脂組成物(A)が、前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のマトリクス中に、ヤング率が500MPa以下の柔軟樹脂を分散させてなり、前記樹脂組成物(A)における前記柔軟樹脂の含有率が10〜30質量%である、ことを特徴とする。
ここで、本発明のタイヤを構成するインナーライナーは、上記樹脂組成物(A)からなる層を少なくとも含むことを要し、更に他の層を有してもよいし、上記樹脂組成物(A)からなる層のみから構成されていてもよい。
請求項2のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目が、タイヤ周方向に等間隔で存在することを特徴とする。
請求項3のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さが1〜50mmであることを特徴とする。
請求項4のタイヤは、請求項3に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さが3〜30mmであることを特徴とする。なお、樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さは、タイヤ周方向の長さである。
請求項5のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層は、20℃、65%RHにおける酸素透過量が、3.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることを特徴とする。
請求項6のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層の厚さが200μm以下であることを特徴とする
請求項のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記インナーライナーが、前記樹脂組成物(A)からなる層に隣接して、更にエラストマーからなる補助層を一層以上備えることを特徴とする
請求項のタイヤは、請求項1に記載されたタイヤにおいて、前記樹脂組成物(A)からなる層が架橋されていることを特徴とする。
求項の製造方法は、所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法であって、接着防止用の剥離層が付加された所定幅の樹脂フィルムの所定量を前記剥離層を剥離しながら前記貼付け体上に貼り付ける工程と、前記貼付け体上に貼り付けられた樹脂フィルムをシート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する工程と、前記樹脂フィルムの所定量を前記剥離層を剥離しながら前記樹脂フィルム片の幅方向の端部に重ねて貼り付ける工程と、該貼り付けられた樹脂フィルムを前記シート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する工程とを備え、前記重ねて貼り付ける工程から前記樹脂フィルム片を形成する工程を所定長さのシート状タイヤ構成部材が得られるまで繰り返すことを特徴とする。
請求項1の製造方法は、請求項に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法において、前記重ねて貼り付ける工程は、前記貼付け体の移動により、前記樹脂フィルム片を幅方向に移動させることで重ね幅を設定する工程を有することを特徴とする
請求項1の製造装置は、所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を所定枚重ねて接合して、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置であって、前記樹脂フィルム片を接合するときに載せるための貼付け体と、接着防止用の剥離層が付加された所定幅の樹脂フィルムの所定量を前記貼付け体の上方に搬送する第1の搬送手段と、前記貼付け体の上方に搬送された樹脂フィルムから前記剥離層を剥離する手段と、前記剥離層が剥離された樹脂フィルムを前記貼付け体上に貼り付ける手段と、前記貼付け体上に貼り付けられた樹脂フィルムをシート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する手段と、該樹脂フィルム片をその幅方向に所定量搬送する第2の搬送手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1の製造装置は、請求項1に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記剥離する手段は、前記貼付け体に沿って移動可能なナイフエッジであることを特徴とする。
請求項13の製造装置は、請求項1又は1に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記第1の搬送手段が動作するとき、前記樹脂フィルムを挟むとともに、前記貼付け体に沿って前記第1の搬送手段とともに移動することにより、前記剥離層のずれを防止する手段を備えたことを特徴とする。
請求項14の製造装置は、請求項1ないし13のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記貼付け体はコンベア又はドラムであることを特徴とする。
請求項15の製造装置は、請求項1ないし14のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記第1の搬送手段は、前記樹脂フィルムを吸着する手段と、該吸着する手段を前記貼付け体に沿って移動させる手段とを有することを特徴とする。
請求項16の製造装置は、請求項1ないし15のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記貼り付ける手段は、前記貼付け体に沿って移動可能なローラであることを特徴とする。
請求項17の製造装置は、請求項1ないし1のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、前記樹脂フィルムが巻回されているロールと、該ロールから前記樹脂フィルムを巻き出す手段とを備えたことを特徴とする。
(作用)
所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造するときに、シート状タイヤ構成部材の長さに応じて、予め設定された数の樹脂フィルム片を予め設定された重ね量を設けて接合するので、ロールに巻回された樹脂フィルムを用いて、様々な長さのシート状タイヤ構成部材を最小限の枚数の樹脂フィルム片の接合により製造することができる。
本発明によれば、タイヤ内面に、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有する樹脂組成物からなる層を少なくとも含むインナーライナーが接合された、ユニフォーミティを低下させることなく、優れたガスバリア性を有するタイヤを提供することができる。
また、本発明によれば、所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造するときに、タイヤ1本分のシート状タイヤ構成部材の製造に必要な樹脂フィルム片を低減することができるため、接合時間が短くなる。また、帯状ゴム部材片よりも厚さの薄い樹脂フィルム片を用い、かつその使用枚数を低減することにより、タイヤのユニフォーミティの悪化を抑えることができる。さらに、ロールに巻回された樹脂フィルムから効率良くシート状タイヤ構成部材を製造することができる。
本発明のタイヤの一例の部分断面図である。 本発明のタイヤの他の例の拡大部分断面図である。 本発明のタイヤの他の例の拡大部分断面図である。 本発明の実施形態のインナーライナー製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態のインナーライナー製造装置で使用する樹脂フィルムの幅方向断面図である。 本発明の実施形態のインナーライナー製造装置にて接合するストリップ部片の重ね代の長さを説明するための図である。 本発明の実施形態のインナーライナー製造装置のコンベア上でストリップ部材片が接合される様子を示す図である。 本発明の他の実施形態のインナーライナー製造装置の構成を示す図である。 他の実施形態のインナーライナー製造装置で使用する樹脂フィルムの幅方向断面図である。 他の実施形態のインナーライナー製造装置のコンベア上でストリップ部材片が接合される様子を示す図である。 空気入りタイヤの断面図である。 従来のインナーライナー製造装置の概略構成を示す斜視図である。 従来のインナーライナー製造装置で使用するストリップ部材の幅方向断面図である。 従来のインナーライナー製造装置のコンベア上でストリップ部材が接合される様子を幅方向断面図である。 従来のインナーライナー製造装置にて製造されたインナーライナーの平面図である。
符号の説明
1・・・ビード部、2・・・サイド部、3・・・トレッド部、4・・・カーカス、5・・・ベルト、6・・・インナーライナー、7・・・ビードコア、8・・・ベルト補強層、9・・・樹脂組成物(A)からなる層、10,11・・・エラストマーからなる補助層、12・・・接着剤層、13,15・・・インナーライナー、14・・・エラストマー、31・・・材料ロール、32・・・巻き出し部、33・・・巻き出し側フェスツーン、41,53・・・ブレーキ、43・・・巻き取り側フェスツーン、43・・・巻き取りロール、45・・・コンベア、48・・・移送装置、49・・・吸着及び先端押さえヘッド、50・・・押付け装置、52・・・貼り付けロール、55・・・ナイフエッジ、56・・・カッター、60・・・制御装置。
次に、本発明のタイヤの実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のタイヤの一例の部分断面図である。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイド部2と、両サイド部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルト層からなるベルト層5とを備え、更に、該カーカス4の内側のタイヤ内面にはインナーライナー6が配置されている。
なお、図示例のカーカス4は、一層のカーカスプライからなり、また、上記ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア7の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明のタイヤにおいては、カーカスのプライ数及び構造は、特に限定されない。また、図示例のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は、特に限定されない。更に、図示例のタイヤは、上記ベルト5のタイヤ半径方向外側でベルト5の全体を覆うように配置されたベルト補強層8を備えるが、本発明のタイヤは、ベルト補強層8を有していなくてもよいし、他の構造のベルト補強層を備えることもできる。また更に、本発明のタイヤは、リムガード等の公知のタイヤ部材を必要に応じて更に備えることができる。
また、図1に示すタイヤにおいて、インナーライナー6は、樹脂組成物(A)からなる層を一層のみ有するが、本発明のタイヤは、樹脂組成物(A)からなる層の耐屈曲性を改良するため、図2、図3に示すようにエラストマーからなる補助層を一層以上有することもできる。
図2及び図3は、図1の枠で囲んだ部分IIに相当する、本発明のタイヤの他の実施例の拡大部分断面図である。図2に示すタイヤは、図1に示すインナーライナー6に代えて、樹脂組成物(A)からなる層9と、該樹脂組成物(A)からなる層9に隣接して配置された二層のエラストマーからなる補助層10,11と、該補助層11の外側に配置された接着剤層12とから成るインナーライナー13を備える。また、図3に示すタイヤは、上記図2に示す接着剤層12の外側に、更にエラストマーからなる補助層14を有するインナーライナー15を備える。なお、本発明のタイヤにおいて、インナーライナーを構成するエラストマーからなる補助層の層数はこれに限られるものではない。また、補助層に用いるエラストマーとしては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン系エラストマー、熱可塑性ウレタン系エラストマー等が挙げられ、これらの目的に応じて適宜選択することができる。更に、図2及び図3に示すタイヤは、補助層11の外側に接着剤層12を一層備えるが、本発明のタイヤは、接着剤層12を有しなくてもよいし、他の層の間に一層以上備えることもできる。
本発明のタイヤに用いるインナーライナーは、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有する樹脂組成物(A)からなる層を少なくとも含むことを要する。一般に、タイヤの製造工程においてタイヤ内面にインナーライナーを環状に貼り合わせる場合、インナーライナーの継ぎ目(ジョイント)が形成されることになる。ここで、インナーライナーが通常のゴム部材からなる場合、タイヤ内面に形成されるジョイントの厚さが他の部分に比べて厚くても、加硫時にゴムが流動するため、継ぎ目(ジョイント)による重量分布の不均衡は解消される。しかしながら、ガスバリア性を改善する観点から、樹脂組成物からなる層を含むインナーライナーを用いた場合、加硫時に樹脂組成物がゴムのように流動することはなく、継ぎ目による重量分布の不均衡は解消されず、その結果、タイヤのユニフォーミティを悪化させることになる。そのため、かかるインナーライナーを備えるタイヤには、操縦安定性、乗り心地及び転がり抵抗等のタイヤの諸性能が悪化してしまう。特に、該樹脂組成物からなる層が架橋されている場合においては、タイヤのユニフォーミティの悪化が顕著となる。
これに対し、本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目が形成されている結果、継ぎ目による重量分布の不均衡が低減され、タイヤのユニフォーミティ低下を抑制することができる。
本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有することを要する。ここで、樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目は、2箇所以上である限り特に限定されるものではなく、タイヤサイズに合わせて適宜選択することができるが、一般に5〜20箇所であることが好ましい。樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目が5箇所未満では、タイヤのユニフォーミティの低下を抑制する効果が十分に得られない場合があり、一方、20箇所を超えると、インナーライナーの作製が困難になる場合がある。
なお、本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有するため、例えば、所定の幅を有する2枚以上のシートの側部部分を重ねて継ぎ合わせることにより作製される。
本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、継ぎ目がタイヤ周方向に等間隔で存在することが好ましい。樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目がタイヤ周方向に等間隔で存在していれば、タイヤ内面の重量バランスが改善され、タイヤのユニフォーミティの低下を大幅に抑制することができる。
本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、継ぎ目を形成することで、継ぎ目の厚さと該継ぎ目以外の部分の厚さに差が生じることになるが、継ぎ目と該継ぎ目以外の部分の厚さの差は、200μm以下であることが好ましく、50〜100μmであることが更に好ましい。ここで、継ぎ目と継ぎ目以外の部分の厚さの差が200μmを超えると、タイヤのユニフォーミティに悪影響を与えるおそれがある。
本発明のタイヤのインナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層は、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有するが、該樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さは、1〜50mmであることが好ましく、3〜30mmであることが更に好ましい。樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分が1mm未満では、タイヤ製造時の制御が困難になり、一方50mmを超えると、重なり部分がタイヤのユニフォーミティに悪影響を与えるおそれがある。
本発明のタイヤに用いるインナーライナーは、ガスバリア性を改善する観点から、樹脂組成物(A)からなる層を少なくとも含むことを要する。ここで、樹脂組成物(A)に用いることができる樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン6/66/610、ナイロンMXD6等のポリアミド系樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリールエステル(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、等のポリエステル系樹脂;ポリニトリル系樹脂;ポリメタクリレート系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のポリビニル系樹脂等が挙げられ、これらの中でも、柔軟性とガスバリア性の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。なお、これら樹脂組成物(A)に用いることができる樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂組成物(A)に用いる樹脂は、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体に、例えば、エポキシ化合物を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体であることが更に好ましい。該変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体に比べて弾性率が低いため、屈曲時の耐破断性が高く、またクラックも発生し難い。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン含有量が25〜50モル%であることが好ましい。ここで、エチレン含有量は、耐屈曲性及び耐疲労性を向上させる観点から、30〜50モル%であることが更に好ましく、35〜50モル%であることが一層好ましい。また、エチレン含有量は、ガスバリア性を向上させる観点から25〜48モル%であることが更に好ましく、25〜45モル%であることが一層好ましい。なお、エチレン含有量が25モル%未満では、耐屈曲性及び耐疲労性が悪化するおそれがあり、一方50モル%を超えると、ガスバリア性が十分に確保できないおそれがある。また、該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ケン化度90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましく、99%以上であることが一層好ましい。ケン化度が90%未満では、ガスバリア性及び成形時の熱安定性が不十分となることがある。更に該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、メルトフローレート(MFR)が190℃、2160g荷重下で0.1〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜25g/10分であることが更に好ましい。
本発明において、上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造方法は、特に限定されないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体とエポキシ化合物とを溶液中で反応させる製造方法が好適に挙げられる。より詳しくは、エチレン−ビニルアルコール共重合体の溶液に、酸触媒又はアルカリ触媒存在下、好ましくは酸触媒存在下で、エポキシ化合物を添加し、反応させることによって変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を製造することができる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のエチレン−ビニルアルコール共重合体の良溶媒である非プロトン性極性溶媒が好適に挙げられる。なお、酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸及び三フッ化ホウ素等が挙げられ、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド等が挙げられる。なお、触媒量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、0.0001〜10質量部の範囲が好ましい。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体とエポキシ化合物とを反応溶媒に溶解させ、加熱処理を行うことによっても変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を製造することができる。反応触媒としては、上記したものと同様なものが挙げられる。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体に反応させるエポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、一価のエポキシ化合物が好ましい。二価以上のエポキシ化合物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と架橋反応し、ゲル、ブツ等を発生して、インナーライナーの品質を低下させるおそれがある。なお、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造容易性、ガスバリア性、耐屈曲性及び耐疲労性の観点から、一価のエポキシ化合物の中でも、グリシドール及びエポキシプロパンが特に好ましい。また、上記エポキシ化合物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対して1〜50質量部を反応させることが好ましく、2〜40質量部を反応させることが更に好ましく、5〜35質量部を反応させることが一層好ましい。
以上のことから、本発明のタイヤのインナーライナーに用いることができる樹脂組成物(A)は、エチレン含有量が25〜50モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含むことが好ましい。
また、本発明のタイヤのインナーライナーに用いることができる樹脂組成物(A)においては、上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のマトリクス中に、ヤング率が500MPa以下の柔軟樹脂を分散させることが好ましい。ヤング率が500MPa以下の柔軟樹脂を分散させることで、樹脂組成物(A)からなる層の弾性率を低下させることができ、その結果、インナーライナーの耐屈曲性を向上させることができる。また、上記柔軟樹脂は、水酸基と反応する官能基を有することが好ましい。柔軟樹脂が水酸基と反応する官能基を有することで、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のマトリクス中に、柔軟樹脂が均一に分散するようになる。ここで、水酸基と反応する官能基としては、無水マレイン酸残基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。水酸基と反応する官能基を有する柔軟樹脂として、具体的には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン等が挙げられる。更に、上記柔軟樹脂は、平均粒径が2μm以下であることが好ましい。柔軟樹脂の平均粒径が2μmを超えてしまうと、樹脂組成物(A)からなる層の耐屈曲性を十分に改善できないおそれがあり、ガスバリア性の低下、延いてはタイヤの内圧保持性の悪化をもたらすことがある。なお、樹脂組成物(A)中の柔軟樹脂の平均粒径は、例えば、サンプルを凍結し、該サンプルをミクロトームにより切片にして、透過電子顕微鏡(TEM)で観察する。
更に、上記樹脂組成物(A)における柔軟樹脂の含有率は、10〜30質量%の範囲であることが好ましい。柔軟樹脂の含有率が10質量%未満では、耐屈曲性を向上させる効果が小さく、一方、30質量%を超えると、ガスバリア性が低下することがある。
上記樹脂組成物(A)からなる層は、例えば、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体と柔軟樹脂とを混練して樹脂組成物(A)を調整した後に、溶融成形、好ましくはTダイ法、インフレーション法等の押出成形により、好ましくは150〜270℃の溶融温度でフィルムやシート等に成形され、本発明のタイヤのインナーライナーとして使用される。
上記樹脂組成物(A)からなる層は、架橋されていることが好ましい。樹脂組成物(A)からなる層が架橋されていない場合、タイヤの加硫工程で、インナーライナーが著しく変形してしまい、均一な層を保持できなくなり、インナーライナーのガスバリア性、耐屈曲性、耐疲労性が悪化するおそれがある。なお、樹脂組成物(A)からなる層が架橋されるとは、樹脂組成物(A)からなる層に含まれる、例えば、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂が架橋されることを意味する。ここで、架橋方法としては、特に制限されるものではないが、エネルギー線を照射する方法が好ましく、該エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、α線、γ線等の電離放射線が挙げられ、これらの中でも電子線が特に好ましい。電子線の正体は、樹脂組成物(A)をフィルムやシート等の成形体に加工した後に行うことが好ましい。ここで、電子線の線量は、10〜60Mradの範囲が好ましく、20〜50Mradの範囲が更に好ましい。電子線の線量が10Mrad未満では、架橋が進み難く、一方60Mradを超えると成形体の劣化が進み易くなる。
また、上記樹脂組成物(A)からなる層は、20℃、65%RHにおける酸素透過量が、3.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが好ましく、1.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが更に好ましく、5.0×10-13cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが一層好ましい。20℃、65%RHにおける酸素透過量が、3.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHgを超えると、インナーライナーとして用いる際にタイヤの内圧保持性を高めるため、樹脂組成物(A)からなる層を厚くせざるを得ず、タイヤの質量を十分に低減できなくなる。
更に、上記樹脂組成物(A)からなる層の厚さは、200μm以下であることが好ましく、50〜100μmであることが更に好ましい。樹脂組成物(A)からなる層の厚さが200μmを超えると、インナーライナーとして用いる際に、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等のブチルゴム系のインナーライナーに対して重量の低減効果のメリットが小さくなる。更に、厚さが200μmを超える樹脂組成物(A)からなる層が変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む場合、インナーライナーの耐屈曲性及び耐疲労性が低下し、タイヤ転動時の屈曲変形により、破断・亀裂が生じ易く、また、亀裂が進展し易くなるため、タイヤの内圧保持性が使用前に比べて低下することがある。一方、上記樹脂組成物(A)からなる層の厚さが0.1μm未満では、ガスバリア性が不十分で、タイヤの内圧保持性を十分に確保できないことがある。
本発明のタイヤに用いるインナーライナーは、上記樹脂組成物(A)からなる層に隣接して、更にエラストマーからなる補助層を一層以上備えることが好ましい。ここで、上記補助層は、エラストマーを用いるため、例えば、変成エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂の水酸基と接着性が高く、樹脂組成物(A)からなる層から剥離し難い。そのため、樹脂組成物(A)からなる層に破断・亀裂が生じても、亀裂が進展し難いので、大きな破断及びクラックのような弊害を抑制し、タイヤの内圧保持性を十分に維持することができる。また、本発明のタイヤに用いるインナーライナーは、上記樹脂組成物(A)からなる層と補助層との間及び上記補助層と補助層との間の少なくとも一箇所に、一層以上の接着剤層を備えることもできる。なお、上記接着剤層に使用する接着剤としては、タイヤに使用されるゴム組成物との接着を確保する観点から、塩化ゴム・イソシアネート系の接着剤が好適に挙げられる。
本発明のタイヤに用いるインナーライナーが、上記樹脂組成物(A)からなる層の他、エラストマーからなる補助層と、必要に応じて接着剤層とを備える場合、積層体として形成される。ここで、積層体を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、樹脂組成物(A)からなる層(フィルム、シート等)にエラストマーからなる補助層及び接着剤層を溶融押出する方法、エラストマーからなる補助層に、樹脂組成物(A)からなる層と、エラストマーからなる補助層と、必要に応じて接着剤層とを共押出により積層させる方法、樹脂組成物(A)からなる層とエラストマーからなる補助層とを必要に応じて接着剤層を用いてラミネートする方法、更には、タイヤ成形時にドラム上で樹脂組成物(A)からなる層と、エラストマーからなる補助層とを必要に応じて接着剤層を用いて張り合わせる方法などが挙げられる。
上記した通り、上記樹脂組成物(A)からなる層の厚さが200μm以下では、インナーライナーの耐屈曲性及び耐疲労性が向上し、タイヤ転動時の屈曲変形による破断・亀裂が生じ難くなる。また、仮に樹脂組成物(A)からなる層が破断したとしても、本発明のタイヤに用いるインナーライナーが、樹脂組成物(A)からなる層に隣接して、更にエラストマーからなる補助層を一層以上備えていれば、例えば、樹脂組成物(A)が変成エチレン−ビニルアルコール等の樹脂を含む場合、樹脂組成物(A)からなる層とエラストマーからなる補助層との接着性が良好であるため、剥離し難く、亀裂が進展し難く、大きな破損やクラックが生じても、エラストマーからなる補助層がインナーライナーのガスバリア性を補うため、良好なタイヤの内圧を保持することができる。
即ち、樹脂組成物(A)からなる層の厚さが200μm以下であっても、ピンホールやクラック等が発生し得るが、このような場合においても、樹脂組成物(A)からなる層が上記変成エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂を含み、この樹脂組成物(A)からなる層と、その外側に位置するカーカスプライとの間にエラストマーからなる補助層が配置されていれば、クラック等の成長を確実に抑制することができることになる。
上記エラストマーからなる補助層は、20℃、65%RHにおける酸素透過量が、3.0×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが好ましく、1.0×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが更に好ましい。20℃、65%RHにおける酸素透過量が、3.0×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であると、ガスバリア性の補強効果が十分に発揮され、タイヤの内圧保持性を高度に維持することが可能となる。
上記補助層に用いるエラストマーとしては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン系エラストマー、熱可塑性ウレタン系エラストマーが挙げられ、これらの中でも、補助層を薄層化しつつ、亀裂の発生や進展を抑制するには、熱可塑性ウレタン系エラストマーが好ましい。また、この補助層は、積層することが可能であり、種々の特性を持つエラストマーからなる補助層を多層化することが特に好ましい。なお、これらエラストマーは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジエン系エラストマーとして、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられ、これらの中でも天然ゴム、ブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系エラストマーは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性ウレタン系エラストマーは、ポリオールと、イソシアネート化合物と、短鎖ジオールとの反応によって得られる。ポリオール及び短鎖ジオールは、イソシアネート化合物との付加反応により、直鎖状ポリウレタンを形成する。ここで、ポリオールは、熱可塑性ウレタン系エラストマーにおいて柔軟な部分となり、イソシアネート化合物及び短鎖ジオールは、硬い部分となる。なお、熱可塑性ウレタン系エラストマーは、原料の種類、配合量、重合条件等を変えることで、広範囲に性質を変えることができる。
上記補助層の厚さの合計は、50〜2000μmの範囲であることが好ましく、100〜1000μmの範囲であることが更に好ましく、300〜800μmの範囲であることが一層好ましい。補助層の厚さの合計が50μm未満では、補強効果が十分に発揮されず、樹脂組成物(A)からなる層に破断・亀裂が生じた際の弊害を抑制することが困難となり、タイヤの内圧保持性を十分に維持できないことがある。一方、補助層の厚さの合計が2000μmを超えると、タイヤの重量の低減効果が小さくなる。
本発明のタイヤは、例えば、(1)タイヤ内面に、予め複数枚のシートを継ぎ合わせて作製された上記インナーライナーを接合した後、(加硫)成型したり、(2)タイヤ内面に複数枚のシートを継ぎ合わせながら接合して上記インナーライナーを作製した後、(加硫)成型したり、(3)(加硫)成型された後、タイヤ内面に、予め複数枚のシートを継ぎ合わせて作製された上記インナーライナーを接合することにより製造することができる。また、本発明のタイヤのインナーライナーにおいては、樹脂組成物(A)からなる層がタイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有していればよく、樹脂組成物(A)からなる層以外の層は、継ぎ合わせることなく用いることができる。この場合、本発明のタイヤのインナーライナーは、例えば、(1)複数のシートを継ぎ合わせて樹脂組成物(A)からなる層を作製した後、該樹脂組成物(A)からなる層の上に樹脂組成物(A)からなる層以外の層を貼り付けたり、(2)樹脂組成物(A)からなる層以外の層に、複数のシートを継ぎ合わせながら接合して樹脂組成物(A)からなる層を作製することにより製造することができる。なお、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の合成例1)
加圧反応層に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(190℃、2160g荷重下でのMFR:5.5g/10分)2質量部及びN−メチル−2−ピロリドン8質量部を仕込み、120℃で2時間加熱撹拌して、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてエポキシプロパン0.4質量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100質量部に析出させ、多量の蒸留水で十分にN−メチル−2−ピロリドン及び未反応のエポキシプロパンを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。更に、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で、粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、二軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。なお、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の23℃におけるヤング率は、下記の方法で測定した結果1300MPaであった。
(1)23℃におけるヤング率の測定
東洋精機社製二軸押出機によって、各押出条件で製膜し、厚さ20μmの単層フィルムを作製した。次に該フィルムを用いて、幅15mmの短冊状の試験片を作製し、23℃、50%RHの条件下で恒温室内に1週間放置した後、株式会社島津製作所製オートグラフ[AG−A500型]を用いて、チャック間隔50mm、引張速度50mm/分の条件で、23℃、50%RHにおけるS−Sカーブ(応力−歪み曲線)を測定し、S−Sカーブの初期傾きからヤング率を求めた。
スクリュー:20mmφ、フルフライト
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/ダイ=200/200/200/200(℃)
また、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量及びケン化度は、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした1H−NMR測定[日本電子社製「JNM−GX−500型」を使用]で得られたスペクトルから算出した値である。更に、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローレート(MFR)は、メルトインデクサーL244[宝工業株式会社製]の内径9.55mm、長さ162mmのシリンダーにサンプルを充填し、190℃で溶融した後、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーを使用して均等に荷重をかけ、シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより短時間あたりに押出される樹脂量(g/10分)から求めた。但し、エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点が190℃付近あるいは190℃を超える場合は、2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿して算出した値をメルトフローレート(MFR)とした。
(柔軟樹脂の合成例2)
無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を公知の方法により合成し、ペレット化した。得られた無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は、23℃におけるヤング率が3MPa、スチレン含量が20%、無水マレイン酸量が0.3meq/gであった。なお、23℃におけるヤング率は、上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体と同様の方法で測定した。
(フィルムの作製)
合成例1で得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体と、合成例2で得られた柔軟樹脂とを二軸押出機で混連し、樹脂組成物(A)を得た。ここで、樹脂組成物(A)中の柔軟樹脂の含有率が、20質量%になるように調製した。次に、得られた樹脂組成物(A)と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)[(株)クラレ製クラミロン3190]とを使用し、2種3層共押出装置を用いて、下記共押出成形条件で、3層フィルム(熱可塑性ポリウレタン層(20μm)/樹脂組成物(A)層(20μm)/熱可塑性ポリウレタン層(20μm))を作製した。
各樹脂の押出温度:C1/C2/C3/ダイ=170/170/200/200℃
各樹脂の押出機仕様:
熱可塑性ポリウレタン:25mmφ押出機P25−18AC[大阪精機工作株式会社製]
樹脂組成物(A):20mmφ押出機ラボ機ME型CO−EXT[株式会社東洋精機製]
Tダイ仕様:500mm幅2種3層用[株式会社プラスチック工学研究所製]
冷却ロールの温度:50℃
引き取り速度:4m/分
上記フィルムの酸素透過量は、下記の方法で測定した結果、9.1×10-13cm3・cm/cm2・sec・cmHgであり、フィルムの熱可塑性ポリウレタン層の酸素透過量が、4.6×10-11cm3・cm/cm2・sec・cmHgであった。
(2)フィルムの酸素透過量の測定
上記フィルムを、20℃、65RHで5日間調湿した。得られた調湿済みのフィルム2枚を使用して、モダンコントロール社製MOCON OX−TRAN2/20型を用い、20℃、65RHの条件下でJIS K7126(等圧法)に準拠して、酸素透過量を測定し、その平均値を求めた。また、フィルムを形成する各層単独での酸素透過量を、同様にして求めた。
(実施例1〜7及び比較例1)
日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200−100」を使用して、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件でフィルムに電子線照射して架橋処理を施した。得られた架橋フィルムの片面に接着剤層として東洋化学研究所製メタロックR30Mを塗布し、所定の長さに切断し、補助層として厚さが500μmであるゴム組成物層の内面に貼り付けて、表1に示すタイヤ周方向の継ぎ目の数、タイヤ周方向の継ぎ目の重なり部分の長さ、継ぎ目の厚さ及び継ぎ目以外の部分の厚さを有する樹脂組成物(A)からなる層を含むインナーライナーを作製した。なお、樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目は等間隔で形成されている。次に、得られたインナーライナーを用いて、図3に示す構造でサイズ:195/65R15の乗用車用空気入りタイヤを常法に従って作製した。なお、厚さが500μmであるゴム組成物層は、天然ゴム30質量部及び臭素化ブチルゴム[JSR(株)製、Bromobutyl 2244]70質量部に対して、GPFカーボンブラック[旭カーボン(株)製,#55]60質量部、SUNPAR2280[日本サン石油(株)製]7質量部、ステアリン酸[旭電化工業(株)製]1質量部、NOCCELER DM[大内新興化学工業(株)製]1.3質量部、酸化亜鉛[白水化学工業(株)製]3質量部及び硫黄[軽井沢精錬所製]0.5質量部を配合して調整したゴム組成物を用いた。
上記のようにして得られたタイヤを用い、JASO C 607(2000)に規定されたユニフォーミティ測定方法に従って、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、比較例1のタイヤのRFVを100として指数表示した。指数値が小さい程、タイヤのユニフォーミティ(均一性)が高いことを示す。結果を表1に示す。
Figure 0005159632
表1から、実施例1〜7のタイヤは、インナーライナーに用いる樹脂組成物(A)からなる層がタイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有しているため、比較例1のタイヤに比べて、タイヤのユニフォーミティ(均一性)が高いことが分かる。また、実施例1〜4のタイヤの比較から、樹脂組成物(A)からなる層のタイヤ周方向の継ぎ目の数が増加するに従い、タイヤのユニフォーミティ(均一性)が高まり、更には、実施例3及び5〜7のタイヤの比較から、樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さが3〜30mmであれば、タイヤのユニフォーミティ(均一性)が特に優れることが分かる。
次に、以上で説明したタイヤのインナーライナーの製造装置及び製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。
図4は本発明の一実施形態に係るインナーライナー製造装置の構成を示す図である。このインナーライナー製造装置は、インナーライナーを構成する上記樹脂組成物(A)から選択された樹脂フィルムFが巻回された材料ロール31を備えている。ここで、樹脂フィルムFは、所定の幅を有し、図5に示すように、フィルム層F1の裏面に剥離層F2が接着材F3により接着されている。この剥離層F2は、材料ロール31に巻回されている樹脂フィルムFの互いの接触面が付着しないようにするための接着防止層であり、後述するように、材料ロール31から巻き出された後に剥離される。
フィルム層F1は、例えば厚さ40μm程度のナイロン(登録商標)やポリ塩化ビニリデン等からなり、剥離層F2は厚さ50〜100μm程度のPLT樹脂からなり、予めフィルム層F1及び剥離層F2を連続的に成型し、接着剤F3によりフィルム層F1の裏面に剥離層F2を付加した後にロールに巻き取っておく。
このフィルム層F1は幅方向断面が偏平な台形であり、その下底の長さがL0、上底の長さがL1、上底と下底とを結んでいる一対の斜辺の幅方向の長さがL2である。つまり、上面中央部から両端部に向かって先細に形成されている。この先細の部分は、図12に示すストリップ部材101の端部101bと同じく、樹脂フィルムFをタイヤのインナーペリフェリWsに等しい長さに切断して形成したストリップ部片を幅方向に所定枚接合して、タイヤ1本分の長さにするときに、重ね代となる。そして、上底の長さL1と、斜辺の横方向の長さL2との和L3がnインチのπ(≒3.14)倍になるように設定されている。つまり、L3が直径nインチの円の円周長(n×π×25.4mm)であり、樹脂フィルムFの幅であるL0はL3に重ね代L2を付加した値である。ただし、図12に示す従来例では直径が1インチであるが、本実施形態では、タイヤ1本当たりに必要な樹脂フィルムの枚数を低減させるために、2インチ或いは3インチ(n=2又は3)に設定している。
また、本発明の実施形態のインナーライナー製造装置は、材料ロール31から樹脂フィルムFを巻き出す巻き出し部32と、巻き出し部32により巻き出された樹脂フィルムFの張力を調整する巻き出し側フェスツーン33と、巻き出し側フェスツーン33の巻き出し方向下流側に配置されたローラ34、35とを備えており、材料ロール31から巻き出された樹脂フィルムFはコンベア45に供給される。ここで、巻き出し部32は、基端を中心に揺動可能な巻き出しアーム32aと、その先端側に取り付けられた一対の巻き出しローラ32bとからなる。また、巻き出し側フェスツーン33は、上下方向に延びるフレーム33aと、フレーム33aの上端付近に配置された固定ローラ33b,33cと、フレーム33aに沿って上下動する可動ローラ33dとを備えている。可動ローラ33dはフレーム33a内に設けられたガイド軸33eに沿って上下動する移動体33fに固定されており、移動体33fの上下動により移動体33fと一体的に上下動する。なお、このように移動体33fを上下動させる機構としてはボールねじ及びモータなどの周知の機構を用いることができる。
コンベア45は図示されていないモータにより紙面に垂直な方向へ移動可能である。これにより、後述するように、コンベア45上に載せられて切断された樹脂フィルムをその幅方向へ搬送することができる。コンベア45の上方には、コンベア45の幅方向(搬送方向と直交する方向)に延びるフレーム46が配置されており、フレーム46にはガイドレール17が設けられている。また、フレーム46の一端(図の左端)付近にはローラ36が設けられ、その右側には樹脂フィルムFの表面を下方へ押し付けるための押付け装置50がガイドレール47に対し、往復移動可能に取り付けられている。また、押付け装置50の左右にはローラ37,38が取り付けられている。さらに、押付け装置50は、ピストンシリンダ機構51を有しており、そのピストンロッドの先端部には、コンベア45上に樹脂フィルムFのフィルム層F1を貼り付けるときに、フィルム層F1をコンベア45の上面方向に押し付ける貼付けローラ52が取り付けられている。つまり、貼付けローラ52はコンベア45の上面に沿ってその幅方向に往復移動可能である。
さらに、フレーム46の左端付近の下方には、樹脂フィルムFを巻き出すとき、そのフィルム層F1と剥離層F2とのずれを防ぐため、ローラ37と貼り付けローラ52との間に位置する樹脂フィルムFを挟むブレーキ53が設けられている。また、コンベア45の左端付近には、貼付けローラ52の下流側においてフィルム層F1と剥離層F2とを分離するためのナイフエッジ55が配置されている。また、ナイフエッジ55の上方には、ナイフエッジ55により分離された剥離層F2をローラ38の方向へ案内するためのローラ57が配置されている。これらのブレーキ53、ナイフエッジ55及びローラ57も押付け装置50と一体的に往復移動可能に構成されている。つまり、ブレーキ53、ナイフエッジ55及びローラ57もコンベア45の上面に沿ってその幅方向に往復移動可能である。
また、ガイドレール47には、下端に吸着及び先端押さえヘッド49を有する移送装置48が往復移動可能に取り付けられている。つまり、吸着及び先端押さえヘッド49はコンベア45の上面に沿ってその幅方向に往復移動可能である。吸着及び先端押さえヘッド49は、樹脂フィルムFの先端部の表面を吸着してコンベア45の幅方向の一端部から他端部へ移送する機能、及び移送された樹脂フィルムFの吸着を解除したとき、移送装置48が有するピストンシリンダ機構の作用により下方へ移動して、コンベア45上に載せられた樹脂フィルムFの先端をコンベア45の上面に押し付ける機能を備えている。
さらに、コンベア45の上方、かつフレーム46の下方には、コンベア45上に載せられたフィルム層F1をタイヤのセクション幅に等しい長さに切断するためのカッター56が設けられている。
また、フレーム46の右端付近には、ナイフエッジ55によりフィルム層F1から剥離され、ローラ38により搬送されている剥離層F2を後述する巻き取りロール44へ搬送するためのローラ39,40と、剥離層F2をローラ39の表面に押し付けて、搬送を停止させるためのブレーキ41とが設けられている。
さらに、ローラ40の下流側には、ローラ42と、巻き取り側フェスツーン43と、巻き取り用モータMtにより駆動される巻き取りロール44とが設けられている。巻き取り側フェスツーン43は、巻き出し側フェスツーン33と同様に、上下方向に延びるフレーム43aと、フレーム43aの上端付近に配置された固定ローラ43b,43cと、フレーム43aに沿って上下動する可動ローラ43dとを備えている。可動ローラ43dはフレーム43a内に設けられたガイド軸43eに沿って上下動する移動体43fに固定されており、移動体43fの上下動により移動体43fと一体的に上下動することにより、搬送されている剥離層F2の張力を調整する。
また、上述したインナーライナー製造装置の各モータ等の動作タイミングの制御など、この装置全体の動作の制御を行う制御装置30が設けられている。制御装置30はコンピュータにより構成されており、CPU、RAM、及びROMを有しており、ROMは、下記表2に示すような、様々な幅を有するフィルム層F1を用いて様々なリム径に適合するタイヤのインナーライナーを製造するときに使用する樹脂フィルム片の枚数、及びそれらを接合するときの重ね代の長さが記憶されたテーブルを備えている。
Figure 0005159632
ここでは、n=2、即ちフィルム層F1の幅が直径2インチの円の円周長(2×π×25.4mm)に重ね代L2を付加した値を有するものである場合について例示した。この図に示すように、リム径が12インチ、14インチ、16インチ、18インチ等のような偶数になる場合は、それらの数字を2で割った値が樹脂フィルム片の使用枚数であり、フィルム層F1の両端に形成されている先細の部分の長さL2をそのまま重ね代とする。一方、リム径が13、15、17インチ等のように奇数になる場合は、それらの数字を2で割ると1余るので、重ね代を先細の部分の長さL2よりも短くすることで、直径1インチの円の円周長(=79.8mm)の長さを作り出す。例えば13インチの場合、重ね代をδ1短縮してL2−δ1に設定し、6個の樹脂フィルム片を接合した場合の長さが13インチになるようにする。
次に上述した重ね代の短縮量δ1について説明する。図6Aに示すように、リム径が12インチの場合は、6枚の樹脂フィルム片を重ね代L2を設けて接合することにより、タイヤ1本分のインナーライナーを製造する。この場合、接合されたシート状の部材の長さは
6L1+7L2・・・式[1]
であるが、成型ドラム上で貼り合わせるときに、両端部の長さL2の部分を重ねるので、円筒状のインナーライナーに成型されたときの長さは
6L1+6L2=6(L1+L2)=6L3=6×2×π×25.4=12×25.4×π(mm)・・・式[2]
となる。
これに対し、13インチの場合は図6Bに示すように、重ね代をδ1短縮するので、図6Aの「6L1+7L2」に対応する長さは
6L1+5(L2+δ1)+2L2=6L1+7L2+5δ1・・・式[3]
となる。この式より、5δ1が1インチになるようにすればよいから、δ1は1/5インチとなる。同様に、15インチの場合のδ2は1/7インチ、17インチの場合のδ3は1/8インチとなる。n=3の場合についても同様に算出する。このように重ね代をL2よりも小さくした場合は、接合部の厚さが不均一になるが、フィルム層F1の厚さはゴムと比べると十分に薄いため、タイヤのユニフォーミティを悪化させることはない。
なお、表2に示したテーブルに格納されている重ね代の長さは、既に述べたように1〜50mmであることが好ましい。
以上のように構成されたインナーライナー製造装置の動作について説明する。制御装置30において、ユーザにより、タイヤのセクション幅及びリム径の設定値が入力されると、制御装置30のCPUは、入力されたリム径に対応する樹脂フィルム片の使用枚数及び重ね代を表1に示すようなテーブルから読み出し、RAMに設定する。以後、制御装置30は、RAMに設定されたデータに基づいて各部を動作させる。
以下の説明では1枚目(実際には1枚目は廃棄するので2枚目となる)の樹脂フィルム片はコンベア45上に形成されているものとする。即ち図4に示すように、材料ロール31に巻回されている樹脂フィルムFの先端は、巻き出し部32により巻き出され、巻き出し側フェスツーン33、ローラ34,35,36,37、貼り付けローラ52を通り、ナイフエッジ55にて剥離層F2が剥離され、その剥離層F2の先端はローラ39,40,42、巻き取り側フェスツーン43を通って巻き取りロール44に到達しており、剥離層F2が剥離されたフィルム層F1は、図7Aに示すように、コンベア45の側方からその幅方向に供給されて載せられ、その後方がカッター56により切断され樹脂フィルム片F11になっているものとする。また、この樹脂フィルム片F11をインナーライナーの製造に使用するため、コンベア45をX方向へ動作させることにより、樹脂フィルム片を所定距離移動させ、後続する樹脂フィルム片を接合するための幅方向の位置合わせを行ったものとする。さらに、切断されたフィルム層F11に後続する部分は吸着及び先端押さえヘッド49の下方に位置しているものとする。
まず、制御装置60は、吸着及び先端押さえヘッド49を動作させて、その下方に存在する樹脂フィルムFの先端を吸着させるとともに、ブレーキ53を動作させて樹脂フィルムFを固定する。
次いで、移送装置48及び押付け装置50を図4に示す位置から右方へ移動させると、樹脂フィルムFも巻き出し側フェスツーン33の可動ローラ33dを引き上げながら同様に移動する。他方、剥離層F2の巻取側では、ブレーキ41を解除した状態で、巻き取り側フェスツーン43の可動ローラ43dの下降を利用してローラ38、39間の剥離層F2を引き込んでいく。
この結果、樹脂フィルムFは、その先端が吸着及び先端押さえヘッド49に保持された状態でコンベア45の右端付近に到達する。このようにして、樹脂フィルムFは、フィルム層F1を下方に向けた状態でコンベア45の側方向からコンベア45の上面に沿って搬送される。また、樹脂フィルムFの先端がコンベア45の右端付近の所定位置に到達したとき、移送装置48及び押付け装置50の移動を停止させる。
なお、このとき吸着及び先端押さえヘッド49に保持されている樹脂フィルムFの先端(図4では右端)部は、剥離層F2が剥離され、フィルム層F1が露出している。また、上記引き込まれた剥離層F2は、ブレーキ41を動作させた状態でモータMtを回転させることで、可動ローラ43dを引き上げつつ巻き取りロール44に巻き取られる。
次に、ピストンシリンダ機構51を動作させて、貼り付けローラ52をストリップ部材Fの表面に押し当てるとともに、吸着及び先端押さえヘッド49を同期して下降させる。これにより、吸着及び先端押さえヘッド49は、図7Bに示す樹脂フィルムFの先端部のフィルム層F1を押さえ、貼り付けローラ52はその後部に位置する樹脂フィルムFを押さえた状態となる。そして、ナイフエッジ55により樹脂フィルムFから剥離層F2が剥離されている状態となる。ここで、貼り付けローラ52の外周面の幅は重ね代の幅よりも広くなっており、貼り付けローラ52の外周面は、図7Bにおける樹脂フィルム片F11と樹脂フィルムFとの重ね代を含む幅方向位置を押圧する。なお、図7Bにおいて、フィルム層F1及び剥離層F2の厚さは無視した。
次に、ブレーキ53を解除すると共に、ブレーキ41を作動して剥離層F2を拘束し、吸着及び先端押さえヘッド49で樹脂フィルムFを図の右端で押さえた状態で、貼り付けローラ52を樹脂フィルムFの表面に押し当てたまま、押付け装置50を左方へ移動させる。また、巻き出し側のフェスツーン33はブレーキをかけて巻き出しを停止している。これにより、樹脂フィルムFの長手方向に対する貼り付けローラ52の押圧位置が図4の右端から左方(図7Bの斜め左下方向)へ移動する。このとき、樹脂フィルムFの剥離層F2は、貼り付けローラ52の右側を貼り付けローラ52とともに移動しているナイフエッジ55の右端により剥離され、貼り付けローラ52とローラ57との間を通って、ローラ38の方向へ搬送され、フィルム層F1の長手方向の全域が樹脂フィルム片F11に接合される。つまり、樹脂フィルムFから剥離層F2から剥離するとともに、剥離層F2が剥離された樹脂フィルムF、即ちフィルム層F1が図7Cに示すように貼り付けられる。このように、コンベア45は樹脂フィルムFの貼付け体となる。
押付け装置50が図4に示すようなコンベア45の左端よりも左方の位置に到達したら、押付け装置50の移動を停止させ、ピストンシリンダ機構51により貼り付けローラ52を上方へ移動させる。次に、吸着をやめ、吸着及び先端押さえヘッド49を上方へ移動させて、樹脂フィルム片F11及びF12から離す。このとき、吸着及び先端押さえヘッド49を上方へ移動させても離れなければ、エアブローを用いたり、吸着及び先端押さえヘッド49を右方へ少し移動させたりする。次いで、移送装置48を左方へ移動させて図4に示す位置に戻し、吸着及び先端押さえヘッド49を下方へ移動させて、フィルム層F1を押さえ、カッター56により所定位置で切断する。これにより、コンベア46上には、図7Dに示すように、予め設定されているタイヤのインナーペリフェリWsに等しい長さを有する樹脂フィルム片F11及びF12が接合された状態となる。
以下、図7Eに示すように、タイヤのリム径に対応する枚数(図ではN枚)の樹脂フィルム片が接合されるまで上述した工程を繰り返すことにより、所定のセクション幅及びリム径を有するタイヤ1本分のシート状のインナーライナーが出来上がる。このインナーライナーは、コンベア45の搬送方向下流に配置されている成型ドラム(図示せず)に巻き付けられ、その両端部が接合される。
このように、本発明の実施形態のインナーライナー製造装置によれば、接着防止用の剥離層が付加された一定幅(2インチ、3インチなど、1インチよりも大きな整数のインチ)の樹脂フィルムFを所定量(所定長)ずつ間欠的にコンベア45上に配置し、タイヤのセクション幅に相当する長さに切断するとともに、タイヤのリム径に応じて予め設定されている枚数の樹脂フィルム片を、タイヤのリム径に応じて予め設定されている重ね代を設けて重ねていので1インチ幅の帯状ゴム部材片を用いる従来装置と比べ、接合する枚数が低減するため、接合に要する時間が短縮されることで生産性が向上する。また、2インチ以上の固定幅の樹脂フィルムFを用いても、重ね代を変化させることにより、様々なリム径に対応するインナーライナーの製造が可能である。さらに、樹脂フィルム片の長さを変えることにより、様々な幅を有するシート状タイヤ構成部材を製造することができる。材料ロール31に巻回された樹脂フィルムFから効率良くシート状タイヤ構成部材を製造することができる。
次に、以上で説明したインナーライナー製造装置の他の実施形態について説明する。なお、以下で参照する図において、既に説明した実施形態と同一の箇所には同一の符号を付してある。
図8は、本発明の他の実施形態のインナーライナー製造装置の構成を示す図である。このインナーライナー製造装置は、図1に示したインナーライナー6を構成する樹脂フィルム(樹脂組成物)Fが巻回された材料ロール31を備えている。本実施形態の樹脂フィルムFは、所定の幅を有し、図8に示すように、剥離層を介在させることなくロール状に巻回できるように、剥離に対してある程度の抵抗力を付与しつつ、巻き戻しが容易に行えるように樹脂フィルムFの片面に粘着剤F4を塗布しておく。フィルム層F1の形状は既に説明した実施形態と同一である。
本実施形態に係るインナーライナー製造装置は、基本的には図1に示したインナーライナー製造装置と同一であるが、剥離層F2を使用しないため、図4に示した剥離層F2を巻き取るための装置、即ち、ナイフエッジ55、ローラ38,39,40,42,44,57、巻き取り側フェスツーン43、巻き取り用モータMtは有していない。
本実施形態のインナーライナー製造装置の動作は、図4に示す実施形態における剥離層F2を剥離する動作を除き同じである。従って、詳しい説明は省略するが、ユーザによる、タイヤのセクション幅及びリム径の設定値の入力に応じて動作をスタートさせる。
その後は、図8に示すように、材料ロール31に巻回されている樹脂フィルムFの先端は、巻き出し部32により巻き出され、フィルム層F1は、図10Aに示すように、コンベア45の側方からその幅方向に供給されて切断されて樹脂フィルム片F11になる。その状態でコンベア45をX方向へ移動する。次に、繰り出された樹脂フィルムFの先端がコンベア45の右端付近の所定位置に到達した後、上記樹脂フィルムFを上記樹脂フィルム片F11と長手方向縁部が互いに重なり合うようにコンベア45上に降下させ、フィルム層F1の長手方向の縁部を樹脂フィルム片F11に接合させる。つまり、フィルム層F1を図10Cに示すように樹脂フィルム片F11に貼り付ける(図10D参照)。
以下、図10Eに示すように、タイヤのリム径に対応する枚数(図ではN枚)の樹脂フィルム片が接合されるまで上述した工程を繰り返すことにより、所定のセクション幅及びリム径を有するタイヤ1本分のシート状のインナーライナーが形成される。このインナーライナーは、コンベア45の搬送方向下流に配置されている成型ドラム(図示せず)に巻き付けられ、その両端部が接合される。
本発明の実施形態のインナーライナー製造装置は、図4に示した実施形態のインナーライナー製造装置と比して、剥離層を付与、剥離が不要であるため、装置の小型化及びコストの低減が可能である。
なお、以上の実施形態では、樹脂フィルム片の作成及び接合をコンベア上で実行しているが、回転ドラム上で実行することもできる。また、フィルム層の幅方向の両端部を先細ではなく、中央部よりも薄い一定の厚さに形成してもよいし、幅方向の全域を同じ厚さに形成してもよい。さらに、以上の実施形態はインナーライナー製造装置に関するものであるが、本発明は、カーカスプライなどのシート状タイヤ構成部材の製造にも適用できる。また、以上の実施形態では、コンベア45の搬送方向に対し、樹脂フィルム片F11を垂直方向に貼り付けているが、コンベア45の延びる方向に対し、フレーム46の延びる方向を斜めに設定することにより、コンベア45の搬送方向に対し、任意の角度の斜め方向に貼り付けることもできる。さらに、貼り付けロール52に代えて、クローラー(無限軌道)により貼り付けるように構成してもよい。

Claims (17)

  1. ビード部、トレッド部及びサイド部を備えるタイヤにおいて、
    タイヤ内面に、タイヤ周方向に2箇所以上の継ぎ目を有する樹脂組成物(A)からなる層を少なくとも含むインナーライナーを備え
    前記樹脂組成物(A)は、エチレン含有量が25〜50モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含み、
    前記樹脂組成物(A)が、前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のマトリクス中に、ヤング率が500MPa以下の柔軟樹脂を分散させてなり、
    前記樹脂組成物(A)における前記柔軟樹脂の含有率が10〜30質量%である、
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目が、タイヤ周方向に等間隔で存在することを特徴とするタイヤ。
  3. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さが1〜50mmであることを特徴とするタイヤ。
  4. 請求項3に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層の継ぎ目の重なり部分の長さが3〜30mmであることを特徴とするタイヤ。
  5. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層は、20℃、65%RHにおける酸素透過量が3.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることを特徴とするタイヤ。
  6. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層の厚さが200μm以下であることを特徴とするタイヤ。
  7. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記インナーライナーが、前記樹脂組成物(A)からなる層に隣接して、更にエラストマーからなる補助層を一層以上備えることを特徴とするタイヤ。
  8. 請求項1に記載されたタイヤにおいて、
    前記樹脂組成物(A)からなる層が架橋されていることを特徴とするタイヤ。
  9. 所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を貼付け体上で所定枚重ねて接合し、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法であって、
    接着防止用の剥離層が付加された所定幅の樹脂フィルムの所定量を前記剥離層を剥離しながら前記貼付け体上に貼り付ける工程と、前記貼付け体上に貼り付けられた樹脂フィルムをシート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する工程と、前記樹脂フィルムの所定量を前記剥離層を剥離しながら前記樹脂フィルム片の幅方向の端部に重ねて貼り付ける工程と、該貼り付けられた樹脂フィルムを前記シート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する工程とを備え、
    前記重ねて貼り付ける工程から前記樹脂フィルム片を形成する工程を所定長さのシート状タイヤ構成部材が得られるまで繰り返すことを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法。
  10. 請求項に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法において、
    前記重ねて貼り付ける工程は、前記貼付け体の移動により、前記樹脂フィルム片を幅方向に移動させることで重ね幅を設定する工程を有することを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する方法。
  11. 所定幅及び長さの樹脂フィルム片の幅方向の端部を所定枚重ねて接合して、所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置であって、
    前記樹脂フィルム片を接合するときに載せるための貼付け体と、接着防止用の剥離層が付加された所定幅の樹脂フィルムの所定量を前記貼付け体の上方に搬送する第1の搬送手段と、前記貼付け体の上方に搬送された樹脂フィルムから前記剥離層を剥離する手段と、前記剥離層が剥離された樹脂フィルムを前記貼付け体上に貼り付ける手段と、前記貼付け体上に貼り付けられた樹脂フィルムをシート状タイヤ構成部材の所定幅に対応した長さに切断して樹脂フィルム片を形成する手段と、該樹脂フィルム片をその幅方向に所定量搬送する第2の搬送手段とを備えたことを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  12. 請求項1に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記剥離する手段は、前記貼付け体に沿って移動可能なナイフエッジであることを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  13. 請求項1又は1に記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記第1の搬送手段が動作するとき、前記樹脂フィルムを挟むとともに、前記貼付け体に沿って前記第1の搬送手段とともに移動することにより、前記剥離層のずれを防止する手段を備えたことを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記貼付け体はコンベア又はドラムであることを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記第1の搬送手段は、前記樹脂フィルムを吸着する手段と、該吸着する手段を前記貼付け体に沿って移動させる手段とを有することを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記貼り付ける手段は、前記貼付け体に沿って移動可能なローラであることを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
  17. 請求項1ないし1のいずれかに記載された所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置において、
    前記樹脂フィルムが巻回されているロールと、該ロールから前記樹脂フィルムを巻き出す手段とを備えたことを特徴とする所定幅及び長さのシート状タイヤ構成部材を製造する装置。
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