JP2017157368A - 電界放出電子源、その製造方法および電子線装置 - Google Patents

電界放出電子源、その製造方法および電子線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安定して加熱フラッシングが可能な六硼化物単結晶電界放出電子源を提供する。
【解決手段】金属フィラメント107と、それに接合される金属管108と、電子を放出する六硼化物チップ104と、金属管および六硼化物チップとは独立したグラファイトシート109とを備え、六硼化物チップは、グラファイトシートにより金属管に構造的に接触しない様に配置され、且つ六硼化物チップとグラファイトシートと金属管が機械的、電気的に接触した構造を有する電界放出電子源とする。
【選択図】図4A

Description

本発明は、電界放出電子源、その製造方法および電子線装置に関する。
電界放出電子源は、単色性がよく高輝度の電子ビームを放出ができるため、高分解能の走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡などの電子源として使用されている。電界放出電子源としては、従来タングステン(W)が広く用いられているが、Wの仕事関数が大きいため電子のトンネル確率が小さく、放出される電流量が少ない。そこで、仕事関数の低い六硼化物のナノワイヤを用いた電界放出電子源が提案されている(例えば、特許文献1)。なお、特許文献2には、六硼化物を加熱して熱電子を放出する熱電子源が開示されている。
国際公開第2014/007121号 特開平01−7450号公報
六硼化物は反応性が高く、またガスが吸着し易く汚染され易い。室温で用いる電界放出電子源の表面に残留ガスが吸着すると、残留ガスが電子放出表面での吸着サイトを移動し仕事関数を変動させるため、放出電流にノイズが発生する、さらに残留ガスの吸着量の増大に伴って放出電流が経時的に低下する等の課題が危惧される。そのため、六硼化物を加熱フラッシング(ないしアニーリング、以下、加熱フラッシングと記す)して清浄化する等の対策が、Wを用いた電界放出電子源と同様に必要となる。
Wの電界放出電子源は、Wのヘアピン型フィラメントにスポット溶接され、そのWフィラメントを数秒程度の短時間、2000℃以上の高温で通電加熱するフラッシング処理、またはそれよりやや低温で数分程度加熱するアニーリング処理を施すことにより、電子源の表面のガスを脱離させ清浄化していた。しかしながら、この構造で六硼化物電界放出型電子源のフラッシング等を行うと、六硼化物とWフィラメントとのスポット溶接部で化合物が形成され腐食が生じる。また、熱膨張係数の異なる異種材料の接合部であることから加熱フラッシングによる熱応力による疲労で接合が壊れる等の課題が生じる。
特許文献2には、金属からなるフィラメントとフィラメントに接合される金属部材と炭素部材と六硼化物からなる熱電子源が開示されている。本特許文献2では、フィラメントと金属部材が接着されているが、定常温度で使用する熱電子源と異なり、これを電界放出電子源に応用した場合、加熱フラッシングにおける高温と、動作温度の室温の温度サイクルによる繰り返し熱応力に対応することができない、という課題がある
本発明の目的は、六硼化物を用いた場合であっても、ノイズや経時変化が低減され、安定動作が可能な単色性に優れた高輝度電子ビームを得ることのできる電界放出電子源、その製造方法および電子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するための一実施形態として、金属フィラメントからなるヒーターと、前記ヒーターに接合される金属部材と、電界が生じた時に先端から電子を放出する六硼化物チップと、前記金属部材および前記六硼化物チップとは独立したグラファイトシートと、を備え、
前記六硼化物チップは、前記ヒーターが延在する方向とは反対方向に前記金属部材の内部から突き出る様に配置されると共に、前記グラファイトシートにより前記金属部材に構造的に接触しない様に配置され、更に、前記六硼化物チップとグラファイトシートと金属部材が機械的、電気的に接触した構造を有することを特徴とする電界放出電子源とする。
本発明によれば、六硼化物を用いた場合であっても、ノイズや経時変化が低減され、安定動作が可能な単色性に優れた高輝度電子ビームを得ることのできる電界放出電子源、その製造方法および電子線装置を提供することができる。
各実施例に係る電界放出電子源で用いる六硼化物単結晶の結晶構造(単位格子)を示す斜視図。 実施例1に係る電界放出電子源の製造方法における六硼化物単結晶チップの作製方法を説明するための概略斜視図。 図2に示す六硼化物単結晶チップの先端部において、集束イオンビームを用いて尖鋭化した六硼化物単結晶チップの尖鋭部の一例を示す走査電子顕微鏡像。 各実施例に係る電界放出電子源の製造方法を説明するための概略斜視図(六硼化物単結晶チップにグラファイトシートを介して金属部材を圧接する前の加熱保持構造の状態)。 各実施例に係る電界放出電子源の製造方法を説明するための概略上面図(六硼化物単結晶チップにグラファイトシートを介して金属部材を圧接する前の加熱保持構造の状態)。 各実施例に係る電界放出電子源の製造方法を説明するための概略上面図(六硼化物単結晶チップにグラファイトシートを介して金属部材を圧接した後の加熱保持構造の状態)。 図4Cに示す加熱保持構造の圧接部の室温における状態を説明するための拡大詳細構造の模式断面図。 図4Cに示す加熱保持構造の圧接部の加熱フラッシング時の状態を説明するための拡大詳細構造の模式断面図。 実施例1に係る電界放出電子源の加熱フラッシング時の様子を示す実体顕微鏡像。 実施例1に係る電界放出電子源を加熱フラッシングしたときの六硼化物単結晶チップの温度を示すグラフ。 実施例1に係る電界放出電子源を加熱フラッシングしたときの加熱温度と真空度との関係を示すグラフ。 実施例1に係る電界放出電子源を加熱フラッシングしたときのガス質量分析結果を示すグラフ。 実施例1に係る電界放出電子源における六硼化物単結晶チップの尖鋭部が(001)面であることを示すFIM(フィールドイオン顕微鏡)像。 各実施例に係る電界放出電子源を評価するために用いた評価装置の概略断面図。 実施例1に係る電界放出電子源における六硼化物単結晶チップの尖鋭部が(001)面であることを示すFEM(フィールドエミッション顕微鏡)像。 六硼化物を用いた実施例1に係る電界放出電子源における放出電子のエネルギー半値幅と、Wを用いた従来の電界放出電子源における放出電子のエネルギー半値幅とを比較したグラフ。 六硼化物単結晶の結晶面の一例を示す斜視図(上図は2元系の六硼化物単結晶の(001)面が金属終端(001)面の場合、下図は2元系の六硼化物単結晶の(001)面が硼素終端(001)面の場合を示す)。 実施例2に係る電界放出電子源で用いる六硼化物単結晶の結晶面の一例を示す斜視図。 実施例2に係る電界放出電子源で用いる六硼化物単結晶の結晶面の他の例を示す斜視図。 実施例2に係る電界放出電子源の製造方法における六硼化物単結晶チップの作製方法を説明するための概略斜視図。 図16に示す六硼化物単結晶チップの先端部において、電解研磨を用いて尖鋭化した六硼化物単結晶チップの尖鋭部の一例を示す走査電子顕微鏡像。 実施例2に係る電界放出電子源における六硼化物単結晶チップの尖鋭部が(013)面であることを示すFEM(フィールドエミッション顕微鏡)像。 六硼化物を用いた実施例2に係る電界放出電子源における放出電子のエネルギー半値幅と、Wを用いた従来の電界放出電子源における放出電子のエネルギー半値幅とを比較したグラフ。 六硼化物を用いた実施例2に係る電界放出電子源における放射角電流密度と、Wを用いた従来の電界放出電子源における放射角電流密度とを比較したグラフ。 実施例3に係る電子線装置(硼化物電界放出電子源を搭載した走査電子顕微鏡)の概略断面図。
発明者等が検討した結果、金属からなるフィラメントに接合される金属部材と六硼化物を、金属部材および六硼化物とは独立したグラファイトを介して構造的に接触しないように配置、圧接し、機械的、電気的に接触した接合構造とすれば良いことが分かった。六硼化物なので電子放出面の仕事関数が低いため放出電流が大きく、かつ六硼化物が直接金属(ヒーター)に接触しておらず化合物が生成されることはなく加熱による繰り返しの加熱フラッシングが容易なため、たとえガス吸着等で汚染されても再生が容易であり、六硼化物単結晶の電界放出電子源を安価に実現することができる。
以下、本発明について、実施例により図面を参照して説明する。なお、以下の図面では、発明の構成を分かりやすくするために、各構成の縮尺を適宜変更している。
実施例1に係る電界放出電子源及び製造方法について図1乃至図13を用いて説明する。
実施例1において、電子源の材料として希土類やアルカリ土類金属などの六硼化物を用いる。具体的にはランタノイド系の元素であるLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gdなど、アルカリ土類金属のCa、Sr、Baなどを用いることができ、それぞれLaB、CeB、PrB、NdB、SmB、EuB、GaB、CaB、SrB、BaBなどの化学式で表される。図1にその単位格子を示す。金属原子101の単純立方格子の体心に6個の硼素原子102のブロックが位置した結晶構造をしている。これらの材料、特に希土類を用いた材料は一般に融点が高く、蒸気圧が低く、硬度が高く、イオン衝撃に強く、かつWより仕事関数が低いものが多い。そのためLaB、CeBなどは1500℃程度に加熱して熱電子源として広く利用されている材料である。
これらの六硼化物単結晶は例えばフローティングゾーン法やAlフラックス法などを用いた融液(液相)結晶成長により直径が数mm、結晶が優先的に成長する晶癖面の(001)面方向に成長した長さ数10mmの大形の単結晶が作成できる。熱電子源で利用する場合は、この単結晶を切削により数100μm角、長さ数mmのチップに切り出して、(001)面を電子放出面として利用している。なお、六硼化物の結晶構造は図1のように単純立方格子であり、(001)面と(100)面や(010)面などは等価である。実施例1では便宜上図1のc軸を晶癖軸、c面である(001)面を晶癖面として定義して以下の説明を行なう。
六硼化物単結晶はこのように熱電子源としては利用されてきたが、電界放出電子源としてはこれまで研究レベルに留まり実用に供されてこなかった。その理由は、六硼化物が一般に高硬度でセラミックス状の脆い材料であることから、チップ先端の先鋭化がWに比べると難しく、輝度(単位立体角あたりの電流密度:A/m/sr)が十分でなかったこと、金属元素と硼素の2元系の材料のため電界放出電子源の動作温度である室温では元素組成が安定した電子放出面を再現性よく得ることが難しかったこと、室温で用いた場合にガス吸着などの影響による電流減少が大きかったことなどが挙げられる。1500℃程度の高温で用いる熱電子源の場合には、原子の再配列、蒸発により常にフレッシュな金属終端(001)面が成長し、ガス吸着も防止される。
しかしながら、チップ先端の尖鋭化に関しては近年、集束イオンビーム加工などの技術の進歩によりこのようなセラミック状の材料でも曲率半径の小さい針状形状への加工が可能になってきた。例えば、電界イオン顕微鏡と飛行時間分析型のイオン検出器を組み合わせたアトムプローブ分析では、様々な複合材料を、電界イオン顕微鏡で電界蒸発が可能な曲率0.1μm以下の針状に加工する技術が、集束イオンビーム法を用いて実現できるようになってきている。
実施例1では、まずこの加工技術に着目し六硼化物単結晶の電界電子放出源のチップを作成した。図2に実施例1の六硼化物単結晶の電界電子放出源の作成法の概要図、図3に実際に作製した六硼化物単結晶の電界電子放出源の先端部分の走査顕微鏡写真を示す。始めにLaBやCeBなどの直径数mm、長さ数cmの単結晶を、フローティングゾーン法などを用いた融液結晶成長によって育成する。六硼化物単結晶は(001)面を晶癖面とした単純立方格子であり、一般に(001)軸方向を長軸とした直方体状の六硼化物単結晶103が得られる。
続いて、X線ラウエ法などを用いて結晶軸を測定し、所定の結晶軸に沿って切削で切り出す。熱電子源では(001)軸方向に切り出すのが一般的である。実施例1でも、まずはそれに従い(001)軸方向に100〜500μm□で長さ1〜5mm程度のチップ104を切り出した。この切削により1個の単結晶から複数のチップ104の基体を切り出した(図面では代表して1個のみ記載している)。
続いて硝酸水溶液などに切り出したチップ104の先端を浸漬し、交流電界をかけることにより電解研磨を行なう。これは、この後の集束イオンビームを用いた加工の加工時間を削減するため、六硼化物単結晶チップの先端サイズを絞り込む前処理として行った(図2、図3の電解研磨部105)。
続いてGaイオンを用いた集束イオンビームによりチップ104の先端を曲率半径0.1μm以下の針状に削り込む。先端の尖鋭部106の長さは任意であるが、電界が集中しやすくするため、またこの後に記述する電界蒸発処理や加熱フラッシング処理による表面の清浄化工程で尖鋭部106の長さが短くなってもよいように10μm以上にするのが望ましい。
続いて、加工した六硼化物単結晶チップ104をヒーターに接合する。なお、ガラス状カーボンのヒーターに接着剤を用いて接合した場合、カーボンヒーターの接合には炭素や硼素、硼化炭素などのフィラーを溶かした有機樹脂の接着剤を用い、真空中で加熱焼成して有機成分を除去することにより、電子源チップとカーボンヒーターの間に機械的に強固で、電気的接触、熱接触に優れた接合部を形成できる。しかしながら、これらの有機樹脂系の接着材は完全に炭化させると脆くなって接合できないため、若干の有機成分などが残留してしまう。電界放出電子源は、一般に表面汚染に敏感であり、六硼化物の電界放出電子源でもこれらの接着剤の残留ガス成分が電流安定性に影響することが次第に分かってきた。また、電界放出電子源は使用温度が室温であり、加熱フラッシングやアニーリングのときのみ1400℃以上に加熱を行う。そのため、接着材で強固に接着接合しておくと六硼化物(熱膨張係数6.2×10−6/K)とガラス状カーボン(熱膨張係数2.6×10−6/K)の熱膨張係数差に起因した繰り返しの熱応力が接合部に発生するため、接合部に割れや剥離などが発生する可能性があることが分かってきた。
そこで実施例1では図4Aに示すように、六硼化物単結晶チップ104を保持し、加熱フラッシングを可能とする新たな加熱保持構造を有する電界放出電子源を開発した。具体的には、図4Aの上面図である図4Bに示すように、金属からなるフィラメント107に接合される管形状の金属部材108に、有機成分を含まないグラファイトシート109を介してチップ104を挟み、図4Aに示すように六硼化物単結晶チップ104とグラファイトシート109と金属部材108を矢印方向に圧接することにより、図4Aの上面図である図4Cに示すように、六硼化物単結晶チップ104とグラファイトシート109と金属部材108が機械的、電気的に接触した構造とした。
ここで、金属からなるフィラメント107は、WやMo、Ta、Nbなどの高融点金属が使用可能であるが、従来のW電界放出電子源で実績が高く、最も高融点で剛性も高いヘアピン状のタングステン(W)のフィラメントを用いるのが最適である。フィラメントに接合される金属部材108もWやMo、Ta、Nbなどの高融点金属が使用可能であるが、軟らかくて圧接しやすいタンタル(Ta)またはニオブ(Nb)の高融点金属管が最も適している。グラファイトシート109は完全に有機成分を熱分解したパイロリティックグラファイトシートであると特に好ましい。これらの部材はいずれも実績のある部材でかつ安価であり、低コストで信頼性の高い加熱保持構造を作成することが可能である。
図5A、図5Bに六硼化物単結晶チップ104とグラファイトシート109と金属部材108との接合部の拡大模式断面図を示す。100〜500μm□に切削して作製した六硼化物単結晶チップ104と、200〜600μmφのタンタルやニオブなどの金属管(金属部材)108の表面はミクロに見ると数μm〜数10μm程度の凹凸があり、その間で挿入される厚さが25μm程度のグラファイトシート109とは、図5Aに示すように多数の点接触部で圧接接合されている。熱膨張係数は、例えば六硼化物のLaBが6.2×10−6/K、タンタルが6.3×10−6/Kと同程度であるのに対し、パイロリティックグラファイトシートは面方向が9.2×10−7/Kと小さく、逆に面に垂直な方向は32×10−6/Kと大きい。したがって、加熱フラッシングの際に圧接された接合部が高温に加熱されると、図5Bに示すように六硼化物単結晶チップ104と金属部材108はパイロリティックグラファイトシート109に対し相対的に面方向(図5Bの垂直方向の矢印)に伸びるが、点接触部がパイロリティックグラファイトシート上をスライドするだけなので、熱応力により接合部が機械的に破壊されることがない。またパイロリティックグラファイトシートは厚み方向(図5Bの水平方向の矢印)に大きく膨張するため、六硼化物単結晶チップ104と金属管108との間の圧接力が加熱でよりさらに強まり、機械的、電気的な接触を良好に維持することが可能である。
図6は、実施例1に係る電界放出電子源を加熱フラッシングした時の様子を示す実体顕微鏡像である。符号110は比色温度計を示す。図7に比色温度計110で測定した六硼化物単結晶チップ104の加熱温度とフィラメント107への投入電力との関係を示す。フィラメント107への投入電力をコントロールすることで室温から1600℃まで投入電力に比例して制御よく電界放出電子源の六硼化物単結晶チップ104を加熱できることが分かる。
図8は、実施例1に係る電界放出電子源を加熱フラッシングしたときの加熱温度と真空度との関係を示すグラフである。なお、参考のため、六硼化物単結晶チップ104をTaの金属管8のみで保持した場合のデータも示す。実施例1に係る電界放出電子源の場合、即ち六硼化物単結晶チップ104をパイロリティックグラファイトシート109を介して金属管108で圧接した場合の真空度の変化量は、六硼化物単結晶チップ104を金属管108のみで接合し加熱した場合と実験誤差の範囲内で同等と考えられ、パイロリティックグラファイトシートからの脱ガスは殆どないことが分かる。図9にTaの金属管108とパイロリティックグラファイトシート109を用いた場合の脱ガス成分を四重極質量分析器で測定した結果を示す。残留ガス成分としては質量数1〜2で検出される水素、質量数17〜18で検出される水、質量数28で検出される一酸化炭素、質量数44で検出される二酸化炭素が殆どであり、有機系のガス成分は検出感度内で検出されていないことが分かる。
実施例1に係る電界放出電子源は、1400℃以上の加熱フラッシングを容易に行うことができ、かつ有機物を含まないグラファイトシート109を用いることで、金属管108と六硼化物単結晶チップ104との反応を防止しつつ、脱ガス量による真空度低下を少なくできる。さらに、六硼化物単結晶チップ104とグラファイトシート109、及びグラファイトシート109と金属部材108とは互いに複数の点で機械的に接触した構成を有しており、温度変化による熱膨張に対して点接触部がグラファイトシート上をスライドするだけなので、室温とフラッシング温度間の繰り返し加熱に起因する熱応力による接合部の破壊を防止することができる。
図10は加熱フラッシングにより清浄化した六硼化物単結晶電界放出電子源からのFIM像の一例である。六硼化物としてはLaBを用いた。中央に(001)面のパターンが確認されており、六硼化物単結晶電界放出電子源の先端に(001)面の結晶テラス(ファセット)が形成されていることが分かる。
このように作製した六硼化物単結晶チップ104を図11に示すような計測装置に取り付け評価した。評価装置に取り付ける際は一旦大気にさらされるため、評価装置に取り付け真空排気した後、評価前に1400℃での加熱フラッシングを行なって電界放出電子源の先鋭部106の表面を清浄化した。電界放出電子源における六硼化物単結晶チップ104から放出した電子は陽極111によって引き出され、蛍光板112のプローブホール113を経てエネルギー分析器114に入射する。蛍光面では電界放出顕微鏡(Field Emission Microscope:FEM)像を観察し、電子放出している(001)結晶面テラス(ファセット)中心にピンホールの位置に合わせた。図12にFEM像の一例を示す。FEM像を観察し易くするため、電子ビームの位置をプローブホール113から若干ずらしている。FIM像と同様に(001)面のパターンが確認されており、尖鋭化した六硼化物チップ104の先端(先鋭部106)に(001)面の結晶テラス(ファセット)が形成されていることが分かる。図13に放出電子のエネルギー分析の測定結果を示す。実施例1のLaBを用いた六硼化物単結晶電界放出電子源では、W電界放出型電子源に比較し1/3程度の低い引き出し電圧で、平均して約2/3の狭いエネルギー幅(0.2〜0.25eV)を持つ単色性のよい電子線を得ることができた。
以上、実施例1によれば、六硼化物を用いた場合であっても、ノイズや経時変化が低減され、安定動作が可能な単色性に優れた高輝度電子ビームを得ることのできる電界放出電子源、及びその製造方法を提供することができる。
実施例2について、図14から図20を用いて説明する。なお、実施例1に記載され実施例2に未記載の事項は特段の事情が無い限り実施例2にも適用することができる。
実施例1では、六硼化物の晶癖軸の(001)軸方向に六硼化物単結晶チップ104を切り出し、集束イオンビームで尖鋭化した六硼化物単結晶チップでは晶癖面の(001)面を電子放出面として利用した。図14に示すように2元系の六硼化物単結晶の(001)面は金属終端(001)面が形成される場合(上図)と硼素終端(001)面が形成される場合(下図)の2通りのケースがある。結晶表面の仕事関数は電気陰性度の小さい金属が表面側で電気陰性度の大きい硼素がバルク側になる金属終端(001)面の場合、表面の電気双極子の極性が真空側で正となるため真空障壁を下げ仕事関数を低下させるが、電気陰性度の小さい金属がバルク側で電気陰性度の大きい硼素が表面側になる硼素終端(001)面の場合、表面の電気双極子の極性が真空側で負となるため真空障壁を上げるため仕事関数が上昇する。そのため(001)面を電子放出面として利用する場合は、金属終端(001)面を選択的に利用しなければならない。しかしながら、電界蒸発で清浄表面を作成する場合、金属終端(001)面と硼素終端(001)面が交互に現れ、金属終端(001)面を常に100%選択して清浄化を実施することはそれほど容易ではない。また加熱フラッシングによる清浄化の場合、金属の方が硼素より表面に原子移動しやすく金属終端(001)面となりやすいが、熱電子源と異なり連続的に加熱し平衡状態が保たれるわけではないので、必ずしも金属終端(001)面が100%選択されるわけでない。さらに常温での電界放出電子源の動作中でも大電流などを取り出す動作条件によっては強電界による電界蒸発や、電子源のジュール加熱、ノッティンガム効果による電界放出電子源の六硼化物単結晶チップ104の先端(先鋭部106)の局所加熱により電子放出面の終端面の元素組成が入れ替わる可能性があり、その場合、放出電流がステップ状に変化してしまう可能性がある。
そこで発明者らは上記課題について鋭意検討した。その結果、結晶軸に垂直な結晶面テラス(ファセット)を六硼化物の金属元素と硼素元素が混在し、その比率が一定である結晶面を電界放出電子源に利用すること、および六硼化物単結晶チップ104の切削方向をその面に垂直な方向に切り出すことで上記課題を克服することができることを見出した。例えば、図15A、図15Bに示すように、(011)面や(013)面などnを奇数とした(01n)面、またはその等価面を電子放出面にすることで、電界放出電子源の六硼化物単結晶チップの製造時や電界放出電子源の動作時に電界蒸発や、加熱蒸発などが起きても、終端面の金属元素と硼素元素の比率が常に一定に保つことができる。特に(013)面は原子間隔が広い低密度面であり、仕事関数が低いため電界放出電子源としてさらに好ましい。
そこで、実施例2では(013)面を電子放出面とする六硼化物電界放出電子源を作成し、評価した。六硼化物単結晶103としてはCeBを用いた。図16を用いて実施例2に係る電界放出電子源における六硼化物単結晶チップ104の製造方法を説明する。まずX線ラウエ法などを用いて、六硼化物単結晶103の結晶軸を測定し、(013)結晶軸に沿って、すなわち六硼化物単結晶103の長軸に対し18.4°の角度で切削で切り出す。つづいて六硼化物単結晶チップ104の先端を尖鋭化する。最近は電解研磨液の工夫により、実施例1で用いた集束イオンビームを用いずとも六硼化物単結晶チップ104の先端を尖鋭化することができるようになってきており、実施例2では電解研磨のみで尖鋭化を行なった。図17に電解研磨のみで尖鋭化した六硼化物単結晶チップ104の尖鋭部106の走査電子顕微鏡写真を示す。
このように作製した六硼化物単結晶チップ104を実施例1と同様の方法で電界放出電子源に組み立て、図11に示したような計測装置に取り付け評価した。図18に加熱フラッシングで清浄化した電界放出電子源のFEM像の一例を示す。本FEM像から、(013)面の4回対称のパターンが確認されており、CeBの六硼化物電界放出電子源の尖鋭部先端に(013)面の結晶テラス(ファセット)が形成されていることが分かる。図19は放出電子のエネルギー半値幅を示す。Wの電界放出型電子源に比較し1/3程度の低い引き出し電圧で平均して約2/3の狭いエネルギー幅(0.2〜0.25eV)を得ることができた。
図20は図11に示すエネルギー分析器114の代わりに、電流を検出するファラデーカップを用いて行なった放射角電流密度の測定結果である。実施例2に係る電界放出電子源では、W電界放出型電子源に比較し1/3程度の低い引き出し電圧でW電界放出電子源より高い放射角電流密度が得られた。
以上実施例2によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、六硼化物単結晶チップ104の尖鋭部106の結晶面を、nを奇数とした(01n)面、またはその等価面とすることにより、電子放出面の終端面の元素組成の変動を抑制することができる。
実施例3について図21を用いて説明する。なお、実施例1又は2に記載され実施例3に未記載の事項は特段の事情が無い限り実施例3にも適用することができる。実施例3では、実施例1又は2で作製した六硼化物単結晶を用いた電界放出電子源を搭載した走査電子顕微鏡の例を示す。なお、実施例3では走査電子顕微鏡を例に説明するがこれに限らない。
図21は、実施例3に係る走査電子顕微鏡の概略図である。電界放射電子源100の六硼化物単結晶チップ104から放出された電子は陽極111により加速されて電子ビーム130となり、コンデンサレンズ115、対物レンズ116、非点補正コイル117で集束され、偏向走査コイル118で走査されて試料119上の観察領域に照射され、発生した二次電子が二次電子検出器120で検出される。符号121は元素分析器である。このとき、六硼化物単結晶チップ104から放出された電子は、W電界放出電子源に比べ単色性がよいため、コンデンサレンズ115、対物レンズ116等での色収差が低減され、より絞られた電子ビーム130を試料119に照射することができ、高分解の走査電子顕微鏡画像を得ることができる。また高輝度であるため、撮像時間が短く、元素分析などの分析時間も短縮することが可能である。このように、実施例1又は2に記載の電界放出電子源を搭載することにより、電子顕微鏡の性能を向上させることができた。
以上、実施例3によれば、実施例1又は2の効果を得ることができる。また、六硼化物を用いた場合であっても、ノイズや経時変化が低減され、安定動作が可能な単色性に優れた高輝度電子ビームを得ることが可能な電子線装置を提供することができる。
以上より、実施例1乃至3の電界放出電子源は、金属フィラメントからなるヒーターと、前記ヒーターに接合される金属部材と、電界が生じた時に先端から電子を放出する六硼化物チップと、前記金属部材および前記六硼化物チップとは独立したグラファイトシートと、を備え、前記六硼化物チップは、前記ヒーターが延在する方向とは反対方向に前記金属部材の内部から突き出る様に配置されると共に、前記グラファイトシートにより前記金属部材に構造的に接触しない様に配置され、更に、前記六硼化物チップとグラファイトシートと金属部材が機械的、電気的に接触した構造を有する。
また、該電界放出電子源は、先鋭部を備えた六硼化物単結晶チップと、前記先鋭部が露出するように前記六硼化物単結晶チップを挟持し、前記六硼化物単結晶チップとは複数の点接触点で接触している構造を有するグラファイトシートと、前記グラファイトシートを介して前記六硼化物単結晶チップを挟持し、前記グラファイトシートとは複数の点接触点で接触している構造を有する金属部材と、前記金属部材に接合された金属製ヒーターと、を備えてもよい。
また、該電界放出電子源の製造方法は、先鋭部を備えた六硼化物単結晶チップを準備する工程と、前記先鋭部が露出するように前記六硼化物単結晶チップを挟んでグラファイトシートを配置する工程と、前記六硼化物単結晶チップを挟んで配置された前記グラファイトシートが内部に配置されるように金属管を配置する工程と、前記グラファイトシートを前記六硼化物単結晶チップとの間に挟み込むように前記金属管を圧接する工程と、前記金属管に金属製ヒーターを接合する工程と、を有してもよい。
また、電子線装置は、上記何れかの電界放出電子源と、試料を載置する試料台と、前記電界放出電子源から放出された電子を前記試料台の上の試料に照射する電子光学系と、を有してもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100…電界放出電子源、101…金属原子、102…硼素原子、103…六硼化物単結晶、104…六硼化物単結晶チップ、105…電解研磨部、106…尖鋭部、107…フィラメント、108…金属部材(金属管)、109…グラファイトシート、110…比色温度計、111…陽極、112…蛍光板、113…プローブホール、114…エネルギー分析器、115…コンデンサレンズ、116…対物レンズ、117…非点補正コイル、118…偏向走査コイル、119…試料、120…二次電子検出器、121…元素分析器、130…電子ビーム。

Claims (11)

  1. 金属フィラメントからなるヒーターと、前記ヒーターに接合される金属部材と、電界が生じた時に先端から電子を放出する六硼化物チップと、前記金属部材および前記六硼化物チップとは独立したグラファイトシートと、を備え、
    前記六硼化物チップは、前記ヒーターが延在する方向とは反対方向に前記金属部材の内部から突き出る様に配置されると共に、前記グラファイトシートにより前記金属部材に構造的に接触しない様に配置され、更に、前記六硼化物チップとグラファイトシートと金属部材が機械的、電気的に接触した構造を有することを特徴とする電界放出電子源。
  2. 請求項1記載の電界放出電子源において、
    前記金属フィラメントからなるヒーターは、タングステン製、タンタル製、ニオブ製、又はモリブデン製であることを特徴とする電界放出電子源。
  3. 請求項1記載の電界放出電子源において、
    前記金属部材は、タンタル、ニオブ、タングステンまたはモリブデンの金属管であることを特徴とする電界放出電子源。
  4. 請求項1記載の電界放出電子源において、
    前記六硼化物チップは、先端に先鋭部を有する単結晶チップであることを特徴とする電界放出電子源。
  5. 請求項1記載の電界放出電子源において、
    前記グラファイトシートは、パイロリティックグラファイトシートであることを特徴とする電界放出電子源。
  6. 先鋭部を備えた六硼化物単結晶チップと、
    前記先鋭部が露出するように前記六硼化物単結晶チップを挟持し、前記六硼化物単結晶チップとは複数の点接触点で接触している構造を有するグラファイトシートと、
    前記グラファイトシートを介して前記六硼化物単結晶チップを挟持し、前記グラファイトシートとは複数の点接触点で接触している構造を有する金属部材と、
    前記金属部材に接合された金属製ヒーターと、
    を備えることを特徴とする電界放出電子源。
  7. 請求項6記載の電界放出電子源において、
    前記先鋭部は、nを奇数とした(01n)面であることを特徴とする電界放出電子源。
  8. 先鋭部を備えた六硼化物単結晶チップを準備する工程と、
    前記先鋭部が露出するように前記六硼化物単結晶チップを挟んでグラファイトシートを配置する工程と、
    前記六硼化物単結晶チップを挟んで配置された前記グラファイトシートが内部に配置されるように金属管を配置する工程と、
    前記グラファイトシートを前記六硼化物単結晶チップとの間に挟み込むように前記金属管を圧接する工程と、
    前記金属管に金属製ヒーターを接合する工程と、
    を有することを特徴とする電界放出電子源の製造方法。
  9. 請求項8記載の電界放出電子源の製造方法において、
    前記先鋭部は、集束イオンビーム又は電解研磨を用いて形成することを特徴とする電界放出電子源の製造方法。
  10. 請求項1記載の電界放出電子源と、
    試料を載置する試料台と、
    前記電界放出電子源から放出された電子を前記試料台の上の試料に照射する電子光学系と、を有することを特徴とする電子線装置。
  11. 請求項6記載の電界放出電子源と、
    試料を載置する試料台と、
    前記電界放出電子源から放出された電子を前記試料台の上の試料に照射する電子光学系と、を有することを特徴とする電子線装置。
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