JP2017149461A - 蓋付容器 - Google Patents

蓋付容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2017149461A
JP2017149461A JP2016034614A JP2016034614A JP2017149461A JP 2017149461 A JP2017149461 A JP 2017149461A JP 2016034614 A JP2016034614 A JP 2016034614A JP 2016034614 A JP2016034614 A JP 2016034614A JP 2017149461 A JP2017149461 A JP 2017149461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
container
flange portion
flange
outer edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016034614A
Other languages
English (en)
Inventor
戸 卓 加
Suguru Kato
戸 卓 加
田 雅 子 土
Masako Tsuchida
田 雅 子 土
辺 薫 渡
Kaoru Watanabe
辺 薫 渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016034614A priority Critical patent/JP2017149461A/ja
Priority to US16/064,833 priority patent/US10974888B2/en
Priority to PCT/JP2016/087983 priority patent/WO2017110826A1/ja
Priority to CN201680073911.4A priority patent/CN108367854B/zh
Publication of JP2017149461A publication Critical patent/JP2017149461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】フランジ部の変形が生じる場合であっても蒸気を外部に逃がすことができる蓋付容器を提供する。【解決手段】蓋付容器は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、容器の収容部を覆うようフランジ部の上面に配置された蓋と、フランジ部の上面と蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、フランジ部の上面と蓋の下面とを接合して容器の収容部を外部から封止する接合部と、内容物が加熱されることによって収容部で発生した蒸気を収容部の外部に排出する蒸気抜け機構と、を備える。蓋の外縁のうち蒸気抜け機構の外側に位置する部分に、切欠部が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、収容部が形成された容器と、容器の収容部を外部から封止するよう容器に接合された蓋と、を備えた蓋付容器に関する。
従来、調理済あるいは半調理済の食品などの内容物を、トレイなどのプラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封したものが多く市場に出回っている。内容物は、プラスチック製の容器に収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。
ところで、蓋によって密封された状態の容器に収容された内容物を、電子レンジを利用して加熱すると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発して容器の収容部の圧力が高まっていく。収容部の圧力が高まると、蓋や容器が破裂して内容物が飛散し電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。このような課題を考慮し、収容部の圧力が所定値以上になると収容部と外部とを連通させて収容部内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機能を設けることが提案されている。
例えば特許文献1〜3においては、熱溶着によって蓋と容器のフランジ部とを溶着させる帯状のヒートシールラインの一部に、容器の内側に突出する突出ラインを形成することが提案されている。この場合、加熱に伴って容器の収容部の圧力が高まり、蓋が容器のフランジ部よりも上方へ部分的に膨らむと、突出ラインがはじめに蓋またはフランジ部から剥離される。これによって、突出ラインが設けられている場所において、蓋と容器のフランジ部との間に、蒸気を外部へ逃がす蒸気孔が形成される。このように、ヒートシールラインの一部に、その他の部分に比べて剥離され易い箇所を設けておくことにより、狙った箇所で安定に蒸気を外部に逃がすことが可能になる。
特公平8−25583号公報 特開平9−221177号公報 特許第4665538号公報
電子レンジなどで内容物を加熱すると、内容物とともに容器の温度も上昇し、容器が軟化して変形することがある。例えば、フランジ部が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。このような変形が生じると、突出ラインが蓋またはフランジ部から剥離することによって形成された蒸気孔が閉塞されてしまう場合がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、フランジ部の変形が生じる場合であっても蒸気を外部に逃がすことができる蓋付容器を提供することを目的とする。
本発明は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、
前記内容物が加熱されることによって前記収容部で発生した蒸気を前記収容部の外部に排出する蒸気抜け機構と、を備え、前記蓋の外縁のうち前記蒸気抜け機構の外側に位置する部分に切欠部が形成されている、蓋付容器である。
本発明による蓋付容器において、接合部は、前記フランジ部に沿って延びる主要ラインと、前記主要ラインから内側に向かって突出した突出ラインと、を有し、前記突出ラインが、前記蒸気抜け機構を構成してもよい。
本発明による蓋付容器において、前記蓋は、基材と、前記基材に接合され、前記蓋の前記下面を構成するシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に位置し、少なくとも前記接合部の内縁の一部から前記接合部の外縁の一部に達するよう広がる熱軟化性樹脂層と、を含み、前記蓋のうち前記熱軟化性樹脂層と重なる部分が、前記蒸気抜け機構を構成してもよい。
本発明による蓋付容器において、好ましくは、前記蓋の前記外縁の前記切欠部は、前記外縁のその他の部分よりも前記容器の前記収容部の中心点に近接している。
本発明による蓋付容器において、前記容器の前記フランジ部の外縁のうち前記蒸気抜け機構の外側に位置する部分に切欠部が形成されていてもよい。
本発明による蓋付容器においては、蓋の外縁のうち蒸気抜け機構の外側に位置する部分に切欠部が形成されている。このため、容器が変形してフランジ部が上方に変形する場合であっても、蓋とフランジ部とが密着して蒸気孔が閉塞してしまうことを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における蓋付容器を構成する部材の分解図である。 本発明の第1の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図2Aに示す蓋付容器をIIB−IIB線に沿って見た場合を示す断面図である。 蓋の層構成の一例を示す断面図である。 図2Aに示す接合部の突出ラインを拡大して示す平面図である。 図4に示す蓋付容器を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。 蓋が膨らむ様子を示す図である。 蓋がフランジ部から剥離して蒸気が外部へ抜ける様子を示す図である。 フランジ部が変形する様子を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の第1変形例における蓋付容器を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態の第2変形例における蓋付容器を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態の第3変形例における蓋付容器を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図10に示す蓋付容器を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。 蓋が膨らむ様子を示す図である。 熱軟化性樹脂層が軟化する様子を示す図である。 蓋がフランジ部から剥離して蒸気が外部へ抜ける様子を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における蓋付容器を構成する部材の分解図である。 本発明の第3の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図14に示す蓋付容器を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図6Cを参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蓋付容器)
まず図1乃至図2Bを参照して、蓋付容器10の概略を説明する。図1は、蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、図2Aは、蓋付容器10の平面図である。また図2Bは、図2Aに示す蓋付容器をIIB−IIB線に沿って見た場合を示す断面図である。
蓋付容器10は、内容物を収容するための収容部25が形成された容器20と、容器20の収容部25を覆う蓋30と、蓋30を容器20に接合する接合部40と、を備える。また、蓋付容器10は、内容物が加熱されることによって収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜け機構18を更に備える。なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20及び蓋30とは別個の構成要素を用いて、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。
容器20に収容される内容物は、少なくとも水を含む。内容物の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収容部25の圧力が高まるので、収容部25内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜け機構18が蓋付容器10に必要になる。
以下、容器20、蓋30、接合部40及び蒸気抜け機構18について説明する。
〔容器〕
図1乃至図2Bに示すように、容器20は、収容部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、例えば、底面21aと、底面21aの外縁に沿って一周にわたって広がるよう底面21aから立設された側面21bと、を含む。フランジ部22は、胴部21の側面21bの上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「側面」、「上部」、「上縁」や後述する「上面」、「下面」、「水平方向」などの用語は、容器20の収容部25が上方に開口するように蓋付容器10が載置されている状態を基準として蓋付容器10、容器20、蓋30やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。また、「外側」とは、平面視における容器20の収容部25の中心点25cから遠ざかる側である。また、後述する「内側」とは、容器20の収容部25の中心点25cに近づく側である。
本実施の形態において、フランジ部22の輪郭は、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを含んでいる。例えば図2Aに示すように、フランジ部22は、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを含む略矩形状(略長方形状)の輪郭を有している。図2Aにおいて、符号L1は、一方の短辺22bから他方の短辺22bまでの距離を表しており、符号L2は、一方の長辺22aから他方の長辺22aまでの距離を表しており、距離L1は距離L2よりも大きくなっている。図2Aにおいて、符号22cは、長辺22aと短辺22bとが接続される箇所(以下、隅部と称する)を表している。図2Aに示すように、隅部22cは、外側に向かって凸となる湾曲した形状を有していてもよい。このような隅部22cは、例えば、矩形状の輪郭を有するフランジ部の角部に面取り加工を施すことによって得られる。なお、後に第3変形例として示すように、隅部22cは、角張った形状を有していてもよい。
なお図2Aにおいては、一対の長辺22aが互いに平行であり、一対の短辺22bが互いに平行であり、かつ長辺22aと短辺22bとが直交している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、一対の長辺22aが互いに非平行であってもよく、一対の短辺22bが互いに非平行であってもよい。また、長辺22aと短辺22bとが成す角が90度からずれていてもよい。
また図2Aにおいては、フランジ部22の内縁22x及び外縁22yがそれぞれ一方の隅部22cから他方の隅部22cまで直線的に延びている例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、平面視においてフランジ部22の内縁22xや外縁22yに部分的に窪みや突起などが形成されていてもよい。
図2Bにおいて、符号Tは、容器20の厚みを表す。容器20の厚みTは、例えば、0.1mm以上且つ1.0mm以下である。容器20の厚みTが小さくなるほど、例えば、容器20の厚みTが100μm以上且つ300μm以下の場合に、容器20の変形が生じやすく、厚みTが200μm以下の場合に、変形がより生じやすい。容器20の変形が生じやすいと、フランジ部22が上方に変形しやすくなる。
また、容器20がゴム成分やエチレン成分を含む場合も容器20の変形が生じやすい。容器20が、例えば、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンで構成されている場合は、ゴム成分やエチレン成分を含まないホモポリプロピレンに比べて剛性や耐熱性が低下する。容器20の変形が生じやすいと、フランジ部22が上方に変形しやすくなる。
容器20を作製する方法としては、射出成形法やシート成形法が採用され得る。射出成形によって容器20を製造する場合、成形性を確保するため、容器20の高さH1を、容器20のフランジ部22の一方の長辺22aから他方の長辺22aまでの距離L2以下にすることが好ましい。シート成形法とは、プラスチック製のシートに型を押し付けてシートに所望の形状を形成する方法である。
容器20を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを挙げることができる。
また、プラスチック製のシートを、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、100μm以上300μm以下の厚みを有するシートを用いることができる。シートを構成する積層体の例としては、例えば、CPP/CNy/CPPやLLDPE/CNy/LLDPEを挙げることができる。ここで、「CPP」は無延伸ポリプロピレンであり、「CNy」は無延伸ナイロンであり、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレンである。
〔蓋〕
蓋30は、容器20の収容部25を覆うようフランジ部22の上面23に配置され、接合部40によってフランジ部22の上面23に接合されている。本実施形態において、蓋30の輪郭は、後述する切欠部33xを除いてフランジ部22の輪郭と同じであり、略矩形状に形成されている。蓋30の下面32は、フランジ部22の上面23に接合され得るよう構成されている。図3は、蓋30の層構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、蓋30は、蓋30の下面32を構成するシーラント層35と、シーラント層35に積層された基材34と、を少なくとも含む。
基材34を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロン(Ny)などのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材34は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材34の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
シーラント層35を構成する材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層35は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層35は、無延伸であることが好ましい。
シーラント層35を構成する材料の融点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。また、蓋30が後述する熱軟化性樹脂層37を更に含む場合、シーラント層35を構成する材料の融点は、熱軟化性樹脂層37を構成する樹脂の軟化温度より高いことが好ましい。なお、シーラント層35を構成する材料の融点は、基材34を構成する樹脂の融点より低い。
シーラント層35は、好ましくは、イージーピール性を備える。イージーピール性とは、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させるときに、蓋30がその下面32において、すなわちシーラント層35の界面において、フランジ部22の上面23から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層35を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂が挙げられる。
なお、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させる形態が、シーラント層35の界面における剥離(フランジ部22の上面23とシーラント層35の表面の間の剥離)に限られることはない。例えば、シーラント層35の凝集破壊によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよく、また、蓋30を構成する一の層及びそれに隣接する他の層との間の層間剥離によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよい。
シーラント層35の厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい。
蓋30は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、アルミニウム箔などの金属層や、アルミニウムなどの金属または酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が蓋付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、蓋材に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材34を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材34とシーラント層35との間に設けられていてもよいし、基材34のシーラント層35とは反対側の面に設けられていてもよい。
基材34とシーラント層35とを積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材34を含むフィルムの上にシーラント層35を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層35と、基材34を含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、図3に示すように、蓋30は、基材34とシーラント層35との間に位置し、接着剤からなる接着層36を更に含む。
なお、溶融押出法で蓋30を作製する場合にも、溶融押出法で用いられるアンカーコート剤を含む接着層36が蓋30に存在することがある。
接着層36を構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着層36の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
〔接合部〕
接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する。図2Aに示すように、接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32との間に、平面視において収容部25を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。接合部40は、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収容部25を外部から封止することができる。なお図2Bにおいては、接合部40が蓋30側に形成されている例が示されているが、これに限られることはない。例えば、接合部40は、蓋30及びフランジ部22の両方に跨っていてもよく、また、接合部40は、フランジ部22側に形成されていてもよい。
図2Aに示すように、接合部40は、フランジ部22の内縁22x又は外縁22yに沿って延びる主要ライン42と、フランジ部22の長辺部分22Aに配置され、主要ライン42から内側に向かって突出した突出ライン44と、を有している。なお、長辺部分とは、フランジ部22のうち長辺22aに沿って延びる部分である。また、フランジ部22のうち短辺22bに沿って延びる部分を、短辺部分22Bと称する。
図4は、図2Aに示す蓋付容器10の接合部40の突出ライン44を拡大して示す図である。図4に示すように、接合部40の突出ライン44は、主要ライン42から内側に向かって延びる一対の第1部分45と、一対の第1部分45を連結する第2部分46と、を含んでいる。このため、突出ライン44は、内側に向かって突出する略三角形の形状を有するようになる。この場合、加熱に伴って容器20の収容部25の圧力が高まると、突出ライン44のうち内側に突出している略三角形の先端部、すなわち第2部分46が剥離され、第2部分46の場所において蓋50がフランジ部22の上面23から剥離される。
なお、内容物を加熱する時に突出ライン44が主要ライン42よりも早くフランジ部22から剥離することができる限りにおいて、突出ライン44の具体的な形状が限られることはない。例えば、図示はしないが、突出ライン44は、上述の第1部分45及び第2部分46以外の部分をさらに含んでいてもよい。
〔蒸気抜け機構〕
突出ライン44がフランジ部22から剥離すると、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成され、蒸気孔を介して収容部25の蒸気が外部へ抜ける。従って、本実施の形態においては、突出ライン44が、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜け機構18を構成している。
蒸気抜け機構18は、好ましくは、収容部25の中心点25cからの距離が最短距離となるように設けられる。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、フランジ部22の突出ライン44は、好ましくは、フランジ部22の長辺部分22Aのうち、長辺22aが延びる方向における中間に位置する。これによって、収容部25の中心点25cと突出ライン44の内縁40xとの間の距離を最短距離とすることができ、このことにより、内容物を加熱する時に生じる圧力に起因して突出ライン44に作用する力をより高めることができる。
ところで、電子レンジなどで内容物を加熱すると、内容物とともに容器20の温度も上昇し、容器20が変形してフランジ部22が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。あるいは、容器20の剛性が低い場合、容器20に蓋30を接合すると容器20が変形してフランジ部22が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。このような変形が生じると、蓋30とフランジ部22との間に形成された蒸気孔が閉塞され易くなってしまう。このような課題を考慮し、本実施形態においては、蓋30の外縁33に切欠部33xを形成することを提案する。
(切欠部)
以下、蓋30の切欠部33xについて説明する。図1、図2A及び図4に示すように、蓋30の外縁33は、フランジ部22の内縁22x又は外縁22yに沿って延びる主要ライン33aと、境界点33cを境として主要ライン33aから内側に向かって突出した突出ライン33bと、を有する。上述の切欠部33xは、平面視において、主要ライン33aが延びる方向に沿って境界点33cから主要ライン33aを仮想的に延長することによって得られる延長ラインLaと、突出ライン33bとによって囲まれる部分である。本実施の形態において、切欠部33xは、略三角形の形状を有する。
図4に示すように、切欠部33xは、平面視において、一点鎖線で示す仮想的な円Lbの内側に位置する。円Lbは、収容部25の中心点25cを中心とし、且つ、蓋30の外縁33の主要ライン33aと突出ライン33bとの間の境界点33cを通る円である。
図2A及び図4に示すように、好ましくは、切欠部33xは、蓋30のうち平面視において接合部40の突出ライン44よりも外側に位置するとともにフランジ部22と重なる部分に形成されている。具体的には、切欠部33xは、蒸気抜け機構18(突出ライン44)が形成されているフランジの辺(ここでは長辺22a)が延びる方向に直交する方向に沿って見た場合に蓋30の切欠部33xと蒸気抜け機構18(突出ライン44)とが少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。
好ましくは、蓋30の切欠部33xを構成する突出ライン33bは、蓋30の外縁33のその他の部分(ここでは主要ライン33a)よりも、平面視において容器20の収容部25の中心点25cに近接している。例えば、平面視において収容部25の中心点25cから接合部40まで最短距離で到達する直線Lcを描いた場合に、直線Lcは、切欠部33xを構成する突出ライン33bに交わる。本実施の形態において、直線Lcは、収容部25の中心点25cを通るとともに、フランジ部22の一辺のうち蒸気抜け機構18が形成されている一辺が延びる方向に直交する方向に延びている。なお、好ましくは、接合部40は、直線Lcが突出ライン44の先端点44cを通るよう、構成されている。
図4において、符号Dは、切欠部33xの深さを表す。切欠部33xの深さDは、延長ラインLaに直交する方向における、延長ラインLaと突出ライン33bとの間の距離の最大値として定義される。切欠部33xの深さDは、例えば3mm以上且つ10mm以下である。
図5は、図4に示す蓋付容器10をLc線に沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態によれば、蓋30の外縁33に切欠部33xを形成することにより、フランジ部22に、蓋30と重ならない部分が存在するようになる。図5において、符号S1は、収容部25の中心点25cと接合部40とを最短距離で結ぶ直線Lcが延びる方向において、フランジ部22のうち蓋30と重なる部分の寸法を表し、符号S2は、フランジ部22のうち蓋30と重ならない部分の寸法を表す。好ましくは、寸法S2は、4mm以上且つ11mm以下である。また、寸法S1に対する寸法S2の比、すなわちS2/S1は、1以上且つ4以下である。
なお、図示はしないが、蓋30の外縁33には、複数の切欠部33xが形成されていてもよい。また、切欠部33xの形状が三角形に限られることはなく、半円形状、四角形など、様々な形状が採用され得る。
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。
はじめに、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いた射出成形法によって、一体的に形成された胴部21及びフランジ部22を有する容器20を作製する。また、外縁33に切欠部33xが形成された蓋30を準備する。次に、容器20の収容部25に内容物を充填する。その後、容器20のフランジ部22の上面に蓋30を載置する。次に、蓋30のうち接合部40が形成されるべき部分を、熱板などを用いて上面31側から加熱して、蓋30のシーラント層35を溶融させる。これによって、蓋30の下面32を容器20のフランジ部22の上面23に固定する接合部40を形成することができる。このようにして、容器20と、接合部40を介して容器20のフランジ部22の上面23に接合された蓋30と、を備える蓋付容器10を得ることができる。
(内容物の加熱方法)
次に、蓋付容器10の容器20の収容部25に収容された内容物を加熱する方法の一例について、図6A乃至図6Cを参照して説明する。図6A乃至図6Cはいずれも、内容物を加熱している時の蓋付容器10を、図2Aに示す直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。
はじめに、容器20の底面21aが下方を向いている状態の蓋付容器10を、電子レンジの内部に載置する。次に、電子レンジを利用して内容物を加熱する。これによって、内容物の温度が高くなり、これに伴って、内容物に含まれる水分が蒸発して収容部25の圧力が高まる。このため、図6Aに示すように、蓋30の下面32のうち収容部25に接する部分が蒸気の圧力Pによって押され、蓋30に、上方へ膨らむ膨らみ部38が形成される。
加熱に伴って収容部25の圧力がさらに高くなると、蓋30の膨らみ部38がさらに拡大して、図6Aに示すように接合部40の突出ライン44に到達する。突出ライン44が形成されている場所において、蓋30が上方に引っ張られる力が、突出ライン44の接合力よりも大きくなると、蓋30がフランジ部22から剥離される。
蓋30がフランジ部22から剥離されると、図6Bに示すように、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間に、収容部25内の蒸気Fを外部に逃がす蒸気孔19が形成される。ここで、本実施の形態によれば、突出ライン44の外側において蓋30の外縁33に切欠部33xが形成されている。このため、図6Cに示すようにフランジ部22が上方へ変形する場合であっても、フランジ部22に蓋30が密着することを抑制することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。このため、蒸気孔19を介して収容部25の蒸気Fを安定的に外部に抜けさせることができる。これによって、収容部25の圧力を低下させることができる。このことにより、蓋30の破裂などが生じることを抑制しながら、電子レンジを利用して内容物を加熱することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した各実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
上述の本実施の形態においては、蓋30の外縁33の主要ライン33aが、容器20のフランジ部22の外縁22yよりも内側に位置する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図7に示すように、蓋30の外縁33の主要ライン33aは、容器20のフランジ部22の外縁22yに一致していてもよい。
(第2変形例)
上述の本実施の形態においては、蓋30の切欠部33xが、接合部40の突出ライン44と同一の形状を有する例、例えば略三角形の形状を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図8に示すように、蓋30の切欠部33xが、接合部40の突出ライン44とは異なる形状を有していてもよい。例えば、接合部40の突出ライン44が略三角形の形状を有する場合に、蓋30の切欠部33xが、半長円形の形状を有していてもよい。
なお、図8においては、上述の第1変形例の場合と同様に、蓋30の外縁33の主要ライン33aが容器20のフランジ部22の外縁22yに一致する例を示したが、これに限られることはない。本変形例においても、蓋30の外縁33の主要ライン33aが、容器20のフランジ部22の外縁22yよりも内側に位置していてもよい。
(第3変形例)
上述の本実施の形態においては、容器20のフランジ部22が、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを含む略矩形状(略長方形状)の輪郭を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図9に示すように、フランジ部22は、長さの等しい4辺を含む略正方形状の輪郭を有していてもよい。この場合、接合部40の突出ライン44は、フランジ部22のうち隅部22cの部分に形成されてもよい。例えば、突出ライン44は、フランジ部22の第1の辺22dに沿って延びる主要ライン42に接続された1つの第1部分45と、フランジ部22の第1の辺22dに接続された第2の辺22eに沿って延びる主要ライン42に接続されたその他の第1部分45と、を含む。1つの第1部分45とその他の第1部分45とが成す角度は、例えば90°である。
本変形例においても、蓋30のうち平面視において接合部40の突出ライン44よりも外側に位置するとともにフランジ部22と重なる部分には、切欠部33xが形成されている。例えば、本変形例においても、平面視において収容部25の中心点25cから接合部40まで最短距離で到達する直線Lcを描いた場合に、直線Lcは、切欠部33xを構成する突出ライン33bに交わる。このように蓋30に切欠部33xを形成することにより、本変形例においても、変形した容器20のフランジ部22に蓋30が密着することを抑制することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。
なお、図9においては、フランジ部22の隅部22cのうち蒸気抜け機構18が形成される隅部22c以外の3つの隅部22cにおいて、蓋30の隅部30cがフランジ部22の隅部22cよりも内側に位置する例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、フランジ部22の隅部22cのうち蒸気抜け機構18が形成される隅部22c以外の3つの隅部22cにおいて、蓋30の隅部30cの位置とフランジ部22の隅部22cの位置とが一致していてもよい。
第2の実施の形態
次に、図10乃至図12Cを参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、蓋30に熱軟化性樹脂層37を設けることにより、蒸気抜け機構18を構成する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図10は、本実施の形態による蓋付容器10を示す平面図である。また、図11は、図10に示す蓋付容器10を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態においても、直線Lcは、平面視において収容部25の中心点25cから接合部40まで最短距離で到達する直線である。
図11に示すように、蓋30は、基材34、シーラント層35及び接着層36に加えて、基材34とシーラント層35との間に位置する熱軟化性樹脂層37を更に含む。熱軟化性樹脂層37は、基材34に接する接着層36と、シーラント層35との間に位置している。なお、図示はしないが、熱軟化性樹脂層37は、シーラント層35に接する接着層36と、基材34との間に位置していてもよい。また、蓋30が支持体を備える場合、基材34と支持体との間に、又は、支持体とシーラント層35との間に熱軟化性樹脂層37を位置させてもよい。
図10及び図11に示すように、熱軟化性樹脂層37は、少なくとも接合部40の主要ライン42の内縁40xから主要ライン42の外縁40yに達するよう広がる。このように熱軟化性樹脂層37を設けることによって、後述するように、熱軟化性樹脂層37が軟化することによって蓋30の内部に生じる空隙37aを利用して主要ライン42の剥離を促進することができる。本実施の形態においては、蓋30のうち熱軟化性樹脂層37と重なる部分が、蒸気抜け機構18を構成している。
本実施形態においても、好ましくは、蒸気抜け機構18は、収容部25の中心点25cからの距離が最短距離となるように設けられている。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、熱軟化性樹脂層37は、フランジ部22の長辺部分22Aのうち、長辺22aが延びる方向における中間を含むように設けられている。
本実施の形態においても、図10に示すように、蓋30のうち平面視において熱軟化性樹脂層37(蒸気抜け機構18)よりも外側に位置するとともにフランジ部22と重なる部分に、切欠部33xが形成されている。
熱軟化性樹脂層37は、60℃以上110℃以下の軟化温度を有する、樹脂または樹脂組成物で構成される。熱軟化性樹脂層37を構成する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、または、ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂などを挙げることができる。ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂としては、DICグラフィックス株式会社製のMWOPニス(軟化温度:105℃)などを用いることができる。
熱軟化性樹脂層37の厚みは、好ましくは1μm以上且つ5μm以下である。熱軟化性樹脂層の厚みが1μm未満である場合、電子レンジで蓋付容器10を加熱した際に、基材34とシーラント層35の間に空隙37aが生じにくい。また、熱軟化性樹脂層37の厚さが5μmを越える場合、熱軟化性樹脂層37のパターンによっては、蓋30を構成するための積層フィルムをロール状に巻いたときに、一部に盛り上がりが生じ、その部分のフィルムが伸びてしまうという不都合が生じ得る。
好ましくは、蓋30のうち熱軟化性樹脂層37が設けられた部分の接着強度は、25℃以下の第1温度領域では700(g/15mm)以上であり、80℃以上の第2温度領域では300(g/15mm)以下である。このことにより、室温時又は冷凍時の取扱、輸送、保管等によって、熱軟化性樹脂層37と基材34の間または接着層36とシーラント層35の間で剥離が生じてしまうことを抑制することができる。また、電子レンジで加熱したときに、基材34とシーラント層35との間に空隙37aが生じやすくなる。なお、シール強度は、テンシロン引張試験機(株式会社オリエンテック製 RTC−1310A)を用いて引張速度300mm/minで180°剥離させて測定したときの平均値である。
熱軟化性樹脂層37は、グラビア印刷法などのコーティング法を用いて形成することができる。
(内容物の加熱方法)
次に、蓋付容器10の容器20の収容部25に収容された内容物を加熱する方法の一例について、図12A乃至図12Cを参照して説明する。図12A乃至図12Cはいずれも、内容物を加熱している時の蓋付容器10を、図10に示す直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。
内容物に含まれる水分が蒸発して収容部25の圧力が高まると、図12Aに示すように、蓋30の下面32のうち収容部25に接する部分が蒸気の圧力Pによって押され、蓋30に、上方へ膨らむ膨らみ部38が形成される。また、蓋30が加熱されて、蓋30の各層の温度が上昇する。
ここで、本実施の形態においては、蓋30が熱軟化性樹脂層37を含む。このため、図12Bに示すように、熱軟化性樹脂層37が軟化して変形し、この結果、熱軟化性樹脂層37が凝集剥離し、基材34とシーラント層35との間に空隙37aが生じる。この結果、熱軟化性樹脂層37が設けられている部分においてシーラント層35が伸びやすくなり、蓋30が上方へ膨らみやすくなる。このため、接合部40の主要ライン42のうち熱軟化性樹脂層37と重なっている部分には、接合部40の主要ライン42のその他の部分に比べて、蓋30を上方に引っ張る力がより強く加わる。蓋30を上方に引っ張る力が、突出ライン44の接合力よりも大きくなると、図12Cに示すように、蓋30がフランジ部22から剥離されて蒸気孔19が形成される。
本実施の形態においても、蒸気抜け機構18を構成する熱軟化性樹脂層37の外側において蓋30の外縁33に切欠部33xを形成することにより、変形した容器20のフランジ部22に蓋30が密着することを抑制することができる。これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。このため、蒸気孔19を介して収容部25の蒸気Fを安定的に外部に抜けさせることができる。
第3の実施の形態
次に、図13乃至図15を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、蓋30の外縁33に切欠部33xを形成する例を示した。本実施の形態においては、更にフランジ部22の外縁22yにも切欠部26xを形成する例について説明する。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図13は、本実施の形態による蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、図14は、蓋付容器10を示す平面図である。また、図15は、図14に示す蓋付容器10を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態においても、直線Lcは、平面視において収容部25の中心点25cから接合部40まで最短距離で到達する直線である。
図13及び図14に示すように、容器20のフランジ部22の外縁22yには、切欠部26xが形成されている。具体的には、フランジ部22の外縁22yは、平面視においてフランジ部22の内縁22xに沿って延びる主要ライン26aと、主要ライン26aから内側に向かって突出した突出ライン26bと、を有する。切欠部26xは、蓋30の切欠部33xの場合と同様に、平面視において、主要ライン26aが延びる方向に沿って主要ライン26aを仮想的に延長することによって得られる延長ラインと、突出ライン26bとによって囲まれる部分として定義される。本実施の形態において、切欠部26xは、略三角形の形状を有する。
図14及び図15に示すように、切欠部26xは、フランジ部22のうち平面視において接合部40の突出ライン44よりも外側に位置する部分に形成されている。具体的には、切欠部26xは、蒸気抜け機構18(突出ライン44)が形成されているフランジの辺(ここでは長辺22aの主要ライン26a)が延びる方向に直交する方向に沿って見た場合にフランジ部22の切欠部26xと蒸気抜け機構18(突出ライン44)とが少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。
好ましくは、フランジ部22の切欠部26xを構成する突出ライン26bは、フランジ部22の外縁22yのその他の部分(ここでは主要ライン26a)よりも、平面視において容器20の収容部25の中心点25cに近接している。例えば、平面視において収容部25の中心点25cから接合部40まで最短距離で到達する直線Lcが、切欠部26xを構成する突出ライン26bに交わる。
本変形例において、フランジ部22の切欠部26xは、平面視において蓋30の切欠部33xよりも外側に位置するよう、形成される。言い換えると、フランジ部22の外縁22yの突出ライン26bは、図14及び図15に示すように、蓋30の外縁33の突出ライン33bよりも外側に位置している。また、切欠部26xは、蒸気抜け機構18(突出ライン44)が形成されているフランジの辺(ここでは長辺22aの主要ライン26a)が延びる方向に直交する方向に沿って見た場合にフランジ部22の切欠部26xと蓋30の切欠部33xとが少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。図14においては、フランジ部22の外縁22yと蓋30の外縁33との間の間隔kが、全域にわたって、すなわち主要ライン26a及び突出ライン26bのいずれにおいても、一定である例が示されている。
蓋30に切欠部33xを形成することに加えて、更にフランジ部22に切欠部26xを形成することにより、本変形例によれば、変形した容器20のフランジ部22に蓋30が密着することを更に抑制することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。
なお、本変形例においても、上述の第2の実施の形態の場合と同様に、蓋30に熱軟化性樹脂層37を設けることにより、蒸気抜け機構18を構成してもよい。
10 蓋付容器
18 蒸気抜け機構
19 蒸気孔
20 容器
21 胴部
22 フランジ部
22a 長辺
22b 短辺
22c 隅部
22x 内縁
22y 外縁
23 上面
24 下面
25 収容部
26a 主要ライン
26b 突出ライン
26x 切欠部
30 蓋
30c 隅部
31 上面
32 下面
33 外縁
33a 主要ライン
33b 突出ライン
33c 境界点
33x 切欠部
34 基材
35 シーラント層
36 接着層
37 熱軟化性樹脂層
37a 空隙
38 膨らみ部
40 接合部
40x 内縁
40y 外縁
42 主要ライン
44 突出ライン
45 第1部分
46 第2部分

Claims (5)

  1. 内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、
    前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、
    前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、
    前記内容物が加熱されることによって前記収容部で発生した蒸気を前記収容部の外部に排出する蒸気抜け機構と、を備え、
    前記蓋の外縁のうち前記蒸気抜け機構の外側に位置する部分に切欠部が形成されている、蓋付容器。
  2. 接合部は、前記フランジ部に沿って延びる主要ラインと、前記主要ラインから内側に向かって突出した突出ラインと、を有し、
    前記突出ラインが、前記蒸気抜け機構を構成する、請求項1に記載の蓋付容器。
  3. 前記蓋は、基材と、前記基材に接合され、前記蓋の前記下面を構成するシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に位置し、少なくとも前記接合部の内縁の一部から前記接合部の外縁の一部に達するよう広がる熱軟化性樹脂層と、を含み、
    前記蓋のうち前記熱軟化性樹脂層と重なる部分が、前記蒸気抜け機構を構成する、請求項1に記載の蓋付容器。
  4. 前記蓋の前記外縁の前記切欠部は、前記外縁のその他の部分よりも前記容器の前記収容部の中心点に近接している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  5. 前記容器の前記フランジ部の外縁のうち前記蒸気抜け機構の外側に位置する部分に切欠部が形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓋付容器。
JP2016034614A 2015-12-21 2016-02-25 蓋付容器 Pending JP2017149461A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016034614A JP2017149461A (ja) 2016-02-25 2016-02-25 蓋付容器
US16/064,833 US10974888B2 (en) 2015-12-21 2016-12-20 Lidded container and container used therefor
PCT/JP2016/087983 WO2017110826A1 (ja) 2015-12-21 2016-12-20 蓋付容器およびそれに用いる容器
CN201680073911.4A CN108367854B (zh) 2015-12-21 2016-12-20 带盖容器和该带盖容器所使用的容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016034614A JP2017149461A (ja) 2016-02-25 2016-02-25 蓋付容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017149461A true JP2017149461A (ja) 2017-08-31

Family

ID=59741500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016034614A Pending JP2017149461A (ja) 2015-12-21 2016-02-25 蓋付容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017149461A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019187245A1 (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 大日本印刷株式会社 蓋付容器及び容器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09221177A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Dainippon Ink & Chem Inc 電子レンジ調理用包装容器
JPH11171261A (ja) * 1997-12-12 1999-06-29 Dainippon Printing Co Ltd 密封容器
JP2000062858A (ja) * 1998-06-12 2000-02-29 Dainippon Printing Co Ltd 包装体
JP2005035567A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ対応包装容器
JP2007297081A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 包装袋及び包装体
US20080044525A1 (en) * 2001-12-14 2008-02-21 Christian Fenn-Barrabass Packagagin And Sealing Tool For Production Thereof
JP2009120224A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 House Foods Corp 成形容器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09221177A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Dainippon Ink & Chem Inc 電子レンジ調理用包装容器
JPH11171261A (ja) * 1997-12-12 1999-06-29 Dainippon Printing Co Ltd 密封容器
JP2000062858A (ja) * 1998-06-12 2000-02-29 Dainippon Printing Co Ltd 包装体
US20080044525A1 (en) * 2001-12-14 2008-02-21 Christian Fenn-Barrabass Packagagin And Sealing Tool For Production Thereof
JP2005035567A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ対応包装容器
JP2007297081A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 包装袋及び包装体
JP2009120224A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 House Foods Corp 成形容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019187245A1 (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 大日本印刷株式会社 蓋付容器及び容器
JPWO2019187245A1 (ja) * 2018-03-26 2021-03-11 大日本印刷株式会社 蓋付容器及び容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10974888B2 (en) Lidded container and container used therefor
JP5651850B1 (ja) カットテープ付きチャックテープ、及びカットテープ付きチャックテープを具備した包装袋
JP5457884B2 (ja) レトルト・ボイル処理用ジッパーテープおよびレトルト・ボイル処理用ジッパーテープ付包装袋
JP6660002B2 (ja) 包装容器
JP6111537B2 (ja) 紙容器の製造方法
JP2007119064A (ja) 電子レンジ加熱用密封容器
WO2015072404A1 (ja) 容器本体、容器および容器の製造方法
JP2005035567A (ja) 電子レンジ対応包装容器
JP7062872B2 (ja) 樹脂製密閉容器
JP2017149461A (ja) 蓋付容器
JP6756113B2 (ja) 蓋付容器
JP2017145030A (ja) 蓋付容器及び袋
JP2017124859A (ja) 包装材料、それを用いた包装容器または包装袋
JP2018167861A (ja) 蓋付容器
JP2016141474A (ja) 包装体の製造方法、包装体の製造装置、および、受け体
JP6540139B2 (ja) 蓋付容器
JP2018167862A (ja) 蓋付容器
WO2019187245A1 (ja) 蓋付容器及び容器
JP2016159976A (ja) 包装体
JP2005035568A (ja) 電子レンジ対応包装容器
JP6972639B2 (ja) 蓋付容器およびそれに用いる容器
JP7449475B2 (ja) パウチ
JP2014005002A (ja) 口栓付き紙容器およびその製造方法
JP2001240148A (ja) 蒸気抜孔付包装袋
JP2019051975A (ja) 蓋付容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210302