JP6756113B2 - 蓋付容器 - Google Patents

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本発明は、収容部が形成された容器と、容器の収容部を外部から封止するよう容器に接合された蓋と、を備えた蓋付容器に関する。
従来、調理済あるいは半調理済の食品などの内容物を、トレイなどのプラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封したものが多く市場に出回っている。内容物は、プラスチック製の容器に収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。
ところで、蓋によって密封された状態の容器に収容された内容物を、電子レンジを利用して加熱すると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発して容器の収容部の圧力が高まっていく。収容部の圧力が高まると、蓋や容器が破裂して内容物が飛散し電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。このような課題を考慮し、収容部の圧力が所定値以上になると収容部と外部とを連通させて収容部内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機能を設けることが提案されている。
例えば特許文献1〜3においては、熱溶着によって蓋と容器のフランジ部とを溶着させる帯状のヒートシールラインの一部に、容器の内側に突出する突出ラインを形成することが提案されている。この場合、加熱に伴って容器の収容部の圧力が高まり、蓋が容器のフランジ部よりも上方へ部分的に膨らむと、突出ラインがはじめに蓋またはフランジ部から剥離される。これによって、突出ラインが設けられている場所において、蓋と容器のフランジ部との間に、蒸気を外部へ逃がす蒸気孔が形成される。このように、ヒートシールラインの一部に、その他の部分に比べて剥離され易い箇所を設けておくことにより、狙った箇所で安定に蒸気を外部に逃がすことが可能になる。
特公平8−25583号公報 特開平9−221177号公報 特許第4665538号公報
電子レンジなどで内容物を加熱すると、内容物とともに容器の温度も上昇し、容器が軟化して変形することがある。例えば、フランジ部が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。このような変形が生じると、突出ラインが蓋またはフランジ部から剥離することによって形成された蒸気孔が閉塞されてしまう場合がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、フランジ部の変形が生じる場合であっても蒸気を外部に逃がすことができる蓋付容器を提供することを目的とする。
本発明は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、前記内容物が加熱されることによって前記収容部で発生した蒸気を前記収容部の外部に排出する蒸気抜け機構と、を備え、前記容器の前記フランジ部は、前記フランジ部の前記上面のうち前記蒸気抜け機構の外側であって前記蓋と重なる部分に形成され、前記フランジ部の前記上面から上方へ突出する凸部を含む、蓋付容器である。
本発明による蓋付容器において、接合部は、前記フランジ部に沿って延びる主要ラインと、前記主要ラインから内側に向かって突出した突出ラインと、を有し、前記突出ラインが、前記蒸気抜け機構を構成してもよい。
本発明による蓋付容器において、前記蓋は、基材と、前記基材に接合され、前記蓋の前記下面を構成するシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に位置し、少なくとも前記接合部の内縁の一部から前記接合部の外縁の一部に達するよう広がる熱軟化性樹脂層と、を含み、前記蓋のうち前記熱軟化性樹脂層と重なる部分が、前記蒸気抜け機構を構成してもよい。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部は、隙間を空けて配置された少なくとも2つの前記凸部を含み、少なくとも2つの前記凸部は、平面視において前記収容部の中心点及び前記隙間を通るとともに前記凸部に交わることなく前記フランジ部の外縁に至る直線を描くことができるよう、配置されていてもよい。
本発明は、収容部を画成する胴部と、胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を備え、前記フランジ部は、前記フランジ部の上面のうち前記フランジ部の外縁寄りの部分に形成され、前記上面から上方へ突出する凸部を含む、容器である。
本発明による蓋付容器において、容器のフランジ部は、フランジ部の上面のうち蒸気抜け機構の外側であって蓋と重なる部分に形成され、フランジ部の上面から上方へ突出する凸部を含む。このため、容器が変形してフランジ部が上方に変形する場合であっても、蓋とフランジ部とが密着して蒸気孔が閉塞してしまうことを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における蓋付容器を構成する部材の分解図である。 本発明の第1の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図2Aに示す蓋付容器をIIB−IIB線に沿って見た場合を示す断面図である。 蓋の層構成の一例を示す断面図である。 図2Aに示す接合部の突出ラインを拡大して示す平面図である。 図4に示す蓋付容器をV−V線に沿って見た場合を示す断面図である。 フランジ部の一変形例を示す断面図である。 図4に示す蓋付容器を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。 蓋が膨らむ様子を示す図である。 蓋がフランジ部から剥離して蒸気が外部へ抜ける様子を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 シートに胴部及び凸部を形成する工程を示す図である。 シートに蓋を接合する工程を示す図である。 シートを打ち抜いて隅部を形成する工程を示す図である。 シートを搬送方向に沿って切断する工程を示す図である。 シートを搬送方向に直交する方向に沿って切断する工程を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図11に示す蓋付容器を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。 蓋が膨らむ様子を示す図である。 熱軟化性樹脂層が軟化する様子を示す図である。 蓋がフランジ部から剥離して蒸気が外部へ抜ける様子を示す図である。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図8Bを参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蓋付容器)
まず図1乃至図2Bを参照して、蓋付容器10の概略を説明する。図1は、蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、図2Aは、蓋付容器10の平面図である。また図2Bは、図2Aに示す蓋付容器をIIB−IIB線に沿って見た場合を示す断面図である。
蓋付容器10は、内容物を収容するための収容部25が形成された容器20と、容器20の収容部25を覆う蓋30と、蓋30を容器20に接合する接合部40と、を備える。また、蓋付容器10は、内容物が加熱されることによって収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜け機構18を更に備える。なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20及び蓋30とは別個の構成要素を用いて、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。
容器20に収容される内容物は、少なくとも水を含む。内容物の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収容部25の圧力が高まるので、収容部25内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜け機構18が蓋付容器10に必要になる。
以下、容器20、蓋30、接合部40及び蒸気抜け機構18について説明する。
〔容器〕
図1乃至図2Bに示すように、容器20は、収容部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、例えば、底面21aと、底面21aの外縁に沿って一周にわたって広がるよう底面21aから立設された側面21bと、を含む。フランジ部22は、胴部21の側面21bの上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「側面」、「上部」、「上縁」や後述する「上面」、「下面」、「水平方向」などの用語は、容器20の収容部25が上方に開口するように蓋付容器10が載置されている状態を基準として蓋付容器10、容器20、蓋50やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。また、「外側」とは、平面視における容器20の収容部25の中心点25cから遠ざかる側である。また、後述する「内側」とは、容器20の収容部25の中心点25cに近づく側である。
本実施の形態において、フランジ部22の輪郭は、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを含んでいる。例えば図2Aに示すように、フランジ部22は、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを含む略矩形状(略長方形状)の輪郭を有している。図2Aにおいて、符号L1は、長辺22aの長さを表しており、符号L2は、短辺22bの長さを表しており、長さL1は長さL2よりも大きくなっている。図2Aにおいて、符号22cは、長辺22aと短辺22bとが接続される箇所(以下、隅部と称する)を表している。図2Aに示すように、隅部22cは、外側に向かって凸となる湾曲した形状を有していてもよい。このような隅部22cは、例えば、矩形状の輪郭を有するフランジ部の角部に面取り加工を施すことによって得られる。なお図示はしないが、隅部22cは、角張った形状を有していてもよい。また、長辺22aの長さL1とは、長辺22aに接続された一対の短辺22bの間の間隔である。また、短辺22bの長さL2とは、短辺22bに接続された一対の長辺22aの間の間隔である。
なお図2Aにおいては、一対の長辺22aが互いに平行であり、一対の短辺22bが互いに平行であり、かつ長辺22aと短辺22bとが直交している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、一対の長辺22aが互いに非平行であってもよく、一対の短辺22bが互いに非平行であってもよい。また、長辺22aと短辺22bとが成す角が90度からずれていてもよい。
また図2Aにおいては、フランジ部22の内縁22x及び外縁22yがそれぞれ一方の隅部22cから他方の隅部22cまで直線的に延びている例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、平面視においてフランジ部22の内縁22xや外縁22yに部分的に窪みや突起などが形成されていてもよい。
図2Bにおいて、符号Tは、容器20の厚みを表す。容器20の厚みTは、例えば、0.1mm以上且つ1.0mm以下である。容器20の厚みTが小さくなるほど、例えば、容器20の厚みTが100μm以上且つ300μm以下の場合に、容器20の変形が生じやすく、厚みTが200μm以下の場合に、変形がより生じやすい。容器20の変形が生じやすいと、フランジ部22が上方に変形しやすくなる。
また、容器20がゴム成分やエチレン成分を含む場合も容器20の変形が生じやすい。容器20が、例えば、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンで構成されている場合は、ゴム成分やエチレン成分を含まないホモポリプロピレンに比べて剛性や耐熱性が低下する。容器20の変形が生じやすいと、フランジ部22が上方に変形しやすくなる。
容器20を作製する方法としては、射出成形法やシート成形法が採用され得る。射出成形によって容器20を製造する場合、成形性を確保するため、容器20の高さH1を、容器20のフランジ部22の短辺22bの長さL2以下にすることが好ましい。シート成形法とは、プラスチック製のシートに型を押し付けてシートに所望の形状を形成する方法である。
容器20を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを挙げることができる。
また、プラスチック製のシートを、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、100μm以上300μm以下の厚みを有するシートを用いることができる。シートを構成する積層体の例としては、例えば、CPP/CNy/CPPやLLDPE/CNy/LLDPEを挙げることができる。ここで、「CPP」は無延伸ポリプロピレンであり、「CNy」は無延伸ナイロンであり、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレンである。
〔蓋〕
蓋30は、容器20の収容部25を覆うようフランジ部22の上面23に配置され、接合部40によってフランジ部22の上面23に接合されている。本実施形態において、蓋30の輪郭はフランジ部22の輪郭と同じであり、略矩形状に形成されている。蓋30の下面32は、フランジ部22の上面23に接合され得るよう構成されている。図3は、蓋30の層構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、蓋30は、蓋30の下面32を構成するシーラント層35と、シーラント層35に積層された基材34と、を少なくとも含む。
基材34を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロン(Ny)などのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材34は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材34の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
シーラント層35を構成する材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層35は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層35は、無延伸であることが好ましい。
シーラント層35を構成する材料の融点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。また、蓋30が後述する熱軟化性樹脂層37を更に含む場合、シーラント層35を構成する材料の融点は、熱軟化性樹脂層37を構成する樹脂の軟化温度より高いことが好ましい。なお、シーラント層35を構成する材料の融点は、基材34を構成する樹脂の融点より低い。
シーラント層35は、好ましくは、イージーピール性を備える。イージーピール性とは、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させるときに、蓋30がその下面32において、すなわちシーラント層35の界面において、フランジ部22の上面23から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層35を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂が挙げられる。
なお、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させる形態が、シーラント層35の界面における剥離(フランジ部22の上面23とシーラント層35の表面の間の剥離)に限られることはない。例えば、シーラント層35の凝集破壊によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよく、また、蓋30を構成する一の層及びそれに隣接する他の層との間の層間剥離によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよい。
シーラント層35の厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい
蓋30は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、アルミニウム箔などの金属層や、アルミニウムなどの金属または酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が蓋付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、蓋材に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材34を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材34とシーラント層35との間に設けられていてもよいし、基材34のシーラント層35とは反対側の面に設けられていてもよい。
基材34とシーラント層35とを積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材34を含むフィルムの上にシーラント層35を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層35と、基材34を含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、図3に示すように、蓋30は、基材34とシーラント層35との間に位置し、接着剤からなる接着層36を更に含む。
なお、溶融押出法で蓋30を作製する場合にも、溶融押出法で用いられるアンカーコート剤を含む接着層36が蓋30に存在することがある。
接着層36を構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着層36の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
(接合部)
接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する。図2Aに示すように、接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32との間に、平面視において収容部25を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。接合部40は、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収容部25を外部から封止することができる。なお図2Bにおいては、接合部40が蓋30側に形成されている例が示されているが、これに限られることはない。例えば、接合部40は、蓋30及びフランジ部22の両方に跨っていてもよく、また、接合部40は、フランジ部22側に形成されていてもよい。
図2Aに示すように、接合部40は、フランジ部22の内縁22x又は外縁22yに沿って延びる主要ライン42と、フランジ部22の長辺部分22Aに配置され、主要ライン42から内側に向かって突出した突出ライン44と、を有している。なお、長辺部分とは、フランジ部22のうち長辺22aに沿って延びる部分である。また、フランジ部22のうち短辺22bに沿って延びる部分を、短辺部分22Bと称する。
図4は、図2Aに示す蓋付容器10の接合部40の突出ライン44を拡大して示す図である。図4に示すように、接合部40の突出ライン44は、主要ライン42から内側に向かって延びる一対の第1部分45と、一対の第1部分45を連結する第2部分46と、を含んでいる。このため、突出ライン44は、内側に向かって突出する略三角形の形状を有するようになる。この場合、加熱に伴って容器20の収容部25の圧力が高まると、突出ライン44のうち内側に突出している略三角形の先端部、すなわち第2部分46が剥離され、第2部分46の場所において蓋50がフランジ部22の上面23から剥離される。
なお、内容物を加熱する時に突出ライン44が主要ライン42よりも早くフランジ部22から剥離することができる限りにおいて、突出ライン44の具体的な形状が限られることはない。例えば、図示はしないが、突出ライン44は、上述の第1部分45及び第2部分46以外の部分をさらに含んでいてもよい。
〔蒸気抜け機構〕
突出ライン44がフランジ部22から剥離すると、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成され、蒸気孔を介して収容部25の蒸気が外部へ抜ける。従って、本実施の形態においては、突出ライン44が、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜け機構18を構成している。
蒸気抜け機構18は、好ましくは、収容部25の中心点25cからの距離が最短距離となるように設けられる。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、フランジ部22の突出ライン44は、好ましくは、フランジ部22の長辺部分22Aのうち、長辺22aが延びる方向における中間に位置する。これによって、収容部25の中心点25cと突出ライン44の内縁40xとの間の距離を最短距離とすることができ、このことにより、内容物を加熱する時に生じる圧力に起因して突出ライン44に作用する力をより高めることができる。
ところで、電子レンジなどで内容物を加熱すると、内容物とともに容器20の温度も上昇し、容器20が変形してフランジ部22が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。あるいは、容器20の剛性が低い場合、容器20に蓋30を接合すると容器20が変形してフランジ部22が上方に反ったり折れ曲がったりすることがある。このような変形が生じると、蓋30とフランジ部22との間に形成された蒸気孔が閉塞され易くなってしまう。このような課題を考慮し、本実施形態においては、フランジ部22の上面23に凸部26を形成することを提案する。
(凸部)
以下、図4及び図5を参照して、凸部26について説明する。図5は、図4に示す蓋付容器を、凸部26を通るV−V線に沿って見た場合を示す断面図である。V−V線は、凸部26が形成されているフランジ部22の辺(ここでは長辺22a)が延びる方向に平行である。
図5に示すように、凸部26は、フランジ部22の上面23から上方へ突出する部分である。図4及び図5に示すように、凸部26は、フランジ部22の上面23のうち突出ライン44の外側であって蓋30と重なる部分に形成されている。具体的には、凸部26は、突出ライン44が形成されているフランジの辺(ここでは長辺22a)が延びる方向に直交する方向に沿って見た場合に凸部26と突出ライン44とが重なるよう、配置されている。すなわち、凸部26の頂点と蓋30の下面32とは接している。このため、図5に示すように、凸部26の周囲において、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間にギャップ28を形成することができる。
図4に示すように、凸部26は、フランジ部22の上面23のうちフランジ部22の外縁22y寄りの部分に形成される。「外縁寄り」とは、凸部26が形成されているフランジ部22の辺が延びる方向に直交する方向において、凸部26から外縁22yまでの距離が、凸部26から内縁22xまでの距離よりも小さいことを意味している。
図5において、符号H2は、凸部26の高さを表す。高さH2は、フランジ部22の上面23から凸部26の先端点までの、フランジ部22の法線方向における距離である。フランジ部22の上面23の位置は、フランジ部22のうち接合部40によって蓋30の下面32に接合される面の位置として定義される。凸部26の先端点は、凸部26のうちフランジ部22の法線方向においてフランジ部22の上面23から最も離れた点として定義される。高さH2は、例えば0.5mm以上且つ5.0mm以下である。
図6は、フランジ部の一変形例を示す断面図である。図6に示すように、フランジ部22の下面24のうち凸部26に対応する部分には、凹部27が形成されていてもよい。エンボス加工によってフランジ部22の上面23に凸部26を形成する場合、図6に示す凹部27がフランジ部22の下面24に形成される。一方、射出成形法によってフランジ部22の凸部26を形成する場合、図5に示すように、フランジ部22の下面24に凹部27を形成することなく凸部26を得ることもできる。
好ましくは、図4及び図5に示すように、凸部26は、凸部26が形成されているフランジ部22の辺が延びる方向に沿って凸部26を見た場合に、凸部26と主要ライン42とが少なくとも部分的に重なるよう、配置される。これによって、突出ライン44から離れた場所において蓋30が凸部26の影響で捲れあがってしまうことを抑制することができる。
図2A、図4及び図5に示すように、フランジ部22は、隙間26sを空けて配置された2つの上述の凸部26を含んでいてもよい。この場合、好ましくは、2つの凸部26は、平面視において収容部25の中心点25c及び隙間26sを通るとともに2つの凸部26に交わることなくフランジ部22の外縁22yに至る直線を描くことができるよう、配置されている。図2A及び図4の直線Lcは、そのように描かれた直線の一例である。これによって、2つの凸部26の間の隙間26sを介して収容部25の蒸気を効果的に外部に抜けさせることができる。
図2A及び図4の直線Lcについて説明する。直線Lcは、収容部25の中心点25c及び突出ライン44の先端点44cを通る直線である。好ましくは、2つの凸部26は、このように描かれた直線Lcが隙間26sを通るとともに2つの凸部26に交わることなくフランジ部22の外縁22yに至るよう、配置される。
図7は、図4に示す蓋付容器10をLc線に沿って見た場合を示す断面図である。図7並びに後述する図8A及び図8Bは、参考のため、紙面奥側に存在する凸部26を点線で示す。本実施の形態によれば、フランジ部22の上面23に2つの凸部26を形成することにより、図7に示すように、先端点44cの反対側に位置する突出ライン44の外縁40yの周囲において、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間に、蓋付容器10の外部に連通するギャップ28を形成することができる。
なお、図示はしないが、フランジ部22の上面23には、3つ以上の凸部26が形成されていてもよい。
また、図5においては、凸部26の断面形状が半円形状である例を示したが、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間にギャップ28を形成することができる限りにおいて、凸部26の断面形状は特には限られない。
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。
はじめに、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いた射出成形法によって、一体的に形成された胴部21、フランジ部22及び凸部26を有する容器20を作製する。また、容器20のフランジ部22に対応した輪郭を有する蓋30を準備する。次に、容器20の収容部25に内容物を充填する。その後、容器20のフランジ部22の上面に蓋30を載置する。次に、蓋30のうち接合部40が形成されるべき部分を、熱板などを用いて上面31側から加熱して、蓋30のシーラント層35を溶融させる。これによって、蓋30の下面32を容器20のフランジ部22の上面23に固定する接合部40を形成することができる。このようにして、容器20と、接合部40を介して容器20のフランジ部22の上面23に接合された蓋30と、を備える蓋付容器10を得ることができる。
(内容物の加熱方法)
次に、蓋付容器10の容器20の収容部25に収容された内容物を加熱する方法の一例について、図8A及び図8Bを参照して説明する。図8A及び図8Bはいずれも、内容物を加熱している時の蓋付容器10を、図2Aに示す直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。
はじめに、容器20の底面21aが下方を向いている状態の蓋付容器10を、電子レンジの内部に載置する。次に、電子レンジを利用して内容物を加熱する。これによって、内容物の温度が高くなり、これに伴って、内容物に含まれる水分が蒸発して収容部25の圧力が高まる。このため、図8Aに示すように、蓋30の下面32のうち収容部25に接する部分が蒸気の圧力Pによって押され、蓋30に、上方へ膨らむ膨らみ部38が形成される。
加熱に伴って収容部25の圧力がさらに高くなると、蓋30の膨らみ部38がさらに拡大して、図8Aに示すように接合部40の突出ライン44に到達する。突出ライン44が形成されている場所において、蓋30が上方に引っ張られる力が、突出ライン44の接合力よりも大きくなると、蓋30がフランジ部22から剥離される。
蓋30がフランジ部22から剥離されると、図8Bに示すように、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間に蒸気孔19が形成される。ここで、本実施の形態によれば、突出ライン44の外側においてフランジ部22の上面23に凸部26が形成されている。このため、フランジ部22が上方へ変形する場合であっても、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間にギャップ28を確保することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。このため、蒸気孔19を介して収容部25の蒸気を安定的に外部に抜けさせることができる。これによって、収容部25の圧力を低下させることができる。このことにより、蓋30の破裂などが生じることを抑制しながら、電子レンジを利用して内容物を加熱することができる。
第2の実施の形態
次に、図9乃至図10Eを参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、蓋付容器10の容器20をシート成形法で作製する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図9は、本実施の形態による蓋付容器10を示す平面図である。本実施の形態において、容器20のフランジ部22は、長さの等しい4辺を含む略正方形状の輪郭を有している。また、本実施の形態において、接合部40の突出ライン44は、フランジ部22の隅部22cに形成される。例えば、突出ライン44は、フランジ部22の第1の辺22dに沿って延びる主要ライン42に接続された1つの第1部分45と、フランジ部22の第1の辺22dに接続された第2の辺22eに沿って延びる主要ライン42に接続されたその他の第1部分45と、を含む。1つの第1部分45とその他の第1部分45とが成す角度は、例えば90°である。
本実施の形態においても、好ましくは、フランジ部22の上面23には、2つの凸部26が形成される。本実施の形態においても、好ましくは、2つの凸部26は、平面視において収容部25の中心点25c及び隙間26sを通るとともに2つの凸部26に交わることなくフランジ部22の外縁22yに至る直線を描くことができるよう、配置されている。例えば、2つの凸部26は、収容部25の中心点25c及び突出ライン44の先端点44cを通る直線Lcが、隙間26sを通るとともに2つの凸部26に交わることなくフランジ部22の外縁22yに至るよう、配置される。
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。ここでは、1つのシート15に複数の容器20を割り付けて、複数の蓋付容器10を同時に製造する方法について説明する。なお、以下に説明する各工程を、所定の方向に搬送されるシート15に対して施してもよい。
はじめに、プラスチック製のシート15を準備する。次に、図10Aに示すように、シート成形法によってシート15に、収容部25を画成する胴部21を複数形成する。また、エンボス加工によって、シート15に凸部26を形成する。胴部21は、シート15の下面側に突出する。凸部26は、シート15の上面側に突出する。
次に、各収容部25に内容物を充填する。その後、シート15の上面に蓋30を載置する。次に、蓋30を上面31側から加熱して、図10Bに示すように、主要ライン42及び突出ライン44を含む接合部40を形成する。
その後、シート15及び蓋30の積層体を、フランジ部22の隅部22cに対応した形状を有する型を用いて打ち抜く。これによって、図10Cに示すように、面取りされた隅部22cを得ることができる。なお、角張った角部を有するフランジ部22を形成する場合、このような打ち抜き工程を実施しなくてもよい。
次に、シート15及び蓋30の積層体を、接合部40によって囲まれた区画ごとに分離する。例えば、まず、図10Dに示すように、シート15の搬送方向D1に沿ってシート15及び蓋30の積層体を切断する。次に、図10Eに示すように、シート15の搬送方向D1に直交する方向において、シート15及び蓋30の積層体を切断する。このようにして、複数の蓋付容器10を同時に製造することができる。
本実施の形態においても、蒸気抜け機構18を構成する突出ライン44の外側においてフランジ部22の上面23に凸部26を形成することにより、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間にギャップ28を確保することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。このため、蒸気孔19を介して収容部25の蒸気を安定的に外部に抜けさせることができる。
なお、本実施の形態においては、シート成形法によって作成される容器20を備えた蓋付容器10において、突出ライン44及び凸部26を容器20の隅部22cに配置する例を示したが、これに限られることはない。シート成形法によって作成される容器20を備えた蓋付容器10においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、突出ライン44及び凸部26を、フランジ部22の一辺の、当該一辺が延びる方向における中間に配置してもよい。反対に、射出成形法によって作製される容器20を備えた蓋付容器10においても、突出ライン44及び凸部26を、容器20の隅部22cに配置してもよい。
ところで、フランジ部22の隅部22cにおけるフランジ部22の剛性は、一般に、フランジ部22の一辺の、当該一辺が延びる方向における中間部分の剛性よりも高い。また、シート成形法によって作成される容器20のフランジ部22の厚みは、一般に、射出成形法によって作製される容器20のフランジ部22の厚みよりも小さい。これらの点を考慮すると、シート成形法によって作成される容器20を備えた蓋付容器10においては、突出ライン44及び凸部26を、より高い剛性を有する容器20の隅部22cに配置することが好ましい。
第3の実施の形態
次に、図11乃至図13Cを参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態においては、蓋30に熱軟化性樹脂層37を設けることにより、蒸気抜け機構18を構成する。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図11は、本実施の形態による蓋付容器10を示す平面図である。また、図12は、図11に示す蓋付容器10を直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態において、直線Lcは、収容部25の中心点25cを通るとともに、フランジ部22の一辺のうち蒸気抜け機構18が形成されている一辺が延びる方向に直交する方向に延びる直線である。
図12に示すように、蓋30は、基材34、シーラント層35及び接着層36に加えて、基材34とシーラント層35との間に位置する熱軟化性樹脂層37を更に含む。熱軟化性樹脂層37は、基材34に接する接着層36と、シーラント層35との間に位置している。なお、図示はしないが、熱軟化性樹脂層37は、シーラント層35に接する接着層36と、基材34との間に位置していてもよい。また、蓋30が支持体を備える場合、支持体とシーラント層35との間に熱軟化性樹脂層37を位置させてもよい。
図11及び図12に示すように、熱軟化性樹脂層37は、少なくとも接合部40の主要ライン42の内縁40xから主要ライン42の外縁40yに達するよう広がる。このように熱軟化性樹脂層37を設けることによって、後述するように、熱軟化性樹脂層37が軟化することによって蓋30の内部に生じる空隙37aを利用して主要ライン42の剥離を促進することができる。本実施の形態においては、蓋30のうち熱軟化性樹脂層37と重なる部分が、蒸気抜け機構18を構成している。
本実施形態においても、好ましくは、蒸気抜け機構18は、収容部25の中心点25cからの距離が最短距離となるように設けられている。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、熱軟化性樹脂層37は、フランジ部22の長辺部分22Aのうち、長辺22aが延びる方向における中間を含むように設けられている。
本実施の形態においても、図11に示すように、フランジ部22の上面23のうち蒸気抜け機構18を構成する熱軟化性樹脂層37の外側であって蓋30と重なる部分に、上面23から上方へ突出する凸部26が形成されている。
熱軟化性樹脂層37は、60℃以上110℃以下の軟化温度を有する、樹脂または樹脂組成物で構成される。熱軟化性樹脂層37を構成する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、または、ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂などを挙げることができる。ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂としては、DICグラフィックス株式会社製のMWOPニス(軟化温度:105℃)などを用いることができる。
熱軟化性樹脂層37の厚みは、好ましくは1μm以上且つ5μm以下である。熱軟化性樹脂層の厚みが1μm未満である場合、電子レンジで蓋付容器10を加熱した際に、基材34とシーラント層35の間に空隙37aが生じにくい。また、熱軟化性樹脂層37の厚さが5μmを越える場合、熱軟化性樹脂層37のパターンによっては、蓋30を構成するための積層フィルムをロール状に巻いたときに、一部に盛り上がりが生じ、その部分のフィルムが伸びてしまうという不都合が生じ得る。
好ましくは、蓋30のうち熱軟化性樹脂層37が設けられた部分の接着強度は、25℃以下の第1温度領域では700(g/15mm)以上であり、80℃以上の第2温度領域では300(g/15mm)以下である。このことにより、室温時又は冷凍時の取扱、輸送、保管等によって、熱軟化性樹脂層37と基材34の間または接着層36とシーラント層35の間で剥離が生じてしまうことを抑制することができる。また、電子レンジで加熱したときに、基材34とシーラント層35との間に空隙37aが生じやすくなる。なお、シール強度は、テンシロン引張試験機(株式会社オリエンテック製 RTC−1310A)を用いて引張速度300mm/minで180°剥離させて測定したときの平均値である。
熱軟化性樹脂層37は、グラビア印刷法などのコーティング法を用いて形成することができる。
(内容物の加熱方法)
次に、蓋付容器10の容器20の収容部25に収容された内容物を加熱する方法の一例について、図13A乃至図13Cを参照して説明する。図13A乃至図13Cはいずれも、内容物を加熱している時の蓋付容器10を、図11に示す直線Lcに沿って見た場合を示す断面図である。
内容物に含まれる水分が蒸発して収容部25の圧力が高まると、図13Aに示すように、蓋30の下面32のうち収容部25に接する部分が蒸気の圧力Pによって押され、蓋30に、上方へ膨らむ膨らみ部38が形成される。また、蓋30が加熱されて、蓋30の各層の温度が上昇する。
ここで、本実施の形態においては、蓋30が熱軟化性樹脂層37を含む。このため、図13Bに示すように、熱軟化性樹脂層37が軟化して変形し、この結果、基材34とシーラント層35との間に空隙37aが生じる。この結果、熱軟化性樹脂層37が設けられている部分においてシーラント層35が伸びやすくなり、蓋30が上方へ膨らみやすくなる。このため、接合部40の主要ライン42のうち熱軟化性樹脂層37と重なっている部分には、接合部40の主要ライン42のその他の部分に比べて、蓋30を上方に引っ張る力がより強く加わる。蓋30を上方に引っ張る力が、突出ライン44の接合力よりも大きくなると、図13Cに示すように、蓋30がフランジ部22から剥離されて蒸気孔19が形成される。
本実施の形態においても、蒸気抜け機構18を構成する熱軟化性樹脂層37の外側においてフランジ部22の上面23に凸部26を形成することにより、蓋30の下面32とフランジ部22の上面23との間にギャップ28を確保することができ、これによって、蒸気孔19が閉塞されることを抑制することができる。このため、蒸気孔19を介して収容部25の蒸気を安定的に外部に抜けさせることができる。
10 蓋付容器
15 シート
18 蒸気抜け機構
19 蒸気孔
20 容器
21 胴部
22 フランジ部
22a 長辺
22b 短辺
22c 隅部
22x 内縁
22y 外縁
23 上面
24 下面
25 収容部
26 凸部
26s 隙間
27 凹部
28 ギャップ
30 蓋
31 上面
32 下面
34 基材
35 シーラント層
36 接着層
37 熱軟化性樹脂層
37a 空隙
38 膨らみ部
40 接合部
40x 内縁
40y 外縁
42 主要ライン
44 突出ライン
45 第1部分
46 第2部分

Claims (3)

  1. 内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、
    前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、
    前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、を備え、
    接合部は、前記フランジ部に沿って延びる主要ラインと、前記主要ラインと同一水平面上で前記主要ラインから内側に向かって突出した突出ラインと、を有し、
    前記容器の前記フランジ部は、前記フランジ部の前記上面のうち前記突出ラインの外側であって前記蓋と重なる部分に形成され、前記接合部が形成されている前記フランジ部の前記上面から上方へ突出する凸部を含み、
    前記凸部は、前記凸部が形成されている前記フランジ部の辺が延びる方向に沿って前記凸部を見た場合に、前記凸部と前記主要ラインとが少なくとも部分的に重なるよう、配置されている、蓋付容器。
  2. 内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、
    前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、
    前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、を備え、
    前記蓋は、基材と、前記基材に接合され、前記蓋の前記下面を構成するシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に位置し、少なくとも前記接合部の内縁の一部から前記接合部の外縁の一部に達するよう広がる熱軟化性樹脂層と、を含み、
    前記熱軟化性樹脂層を構成する樹脂の軟化温度は、前記シーラント層を構成する材料の融点よりも低く、
    前記フランジ部は、一対の長辺と、一対の短辺とを含む略矩形状の輪郭を有し、
    前記熱軟化性樹脂層は、前記フランジ部の前記長辺の部分のうち、前記長辺が延びる方向における中間を含むように設けられており、
    前記容器の前記フランジ部は、前記フランジ部の前記上面のうち前記接合部に重なる前記熱軟化性樹脂層の外側であって前記蓋と重なる部分に形成され、前記接合部が形成されている前記フランジ部の前記上面から上方へ突出する凸部を含み、
    前記フランジ部は、隙間を空けて配置された少なくとも2つの前記凸部を含み、
    少なくとも2つの前記凸部は、平面視において前記収容部の中心点及び前記隙間を通るとともに前記凸部に交わることなく前記フランジ部の外縁に至る直線を描くことができるよう、配置されている、蓋付容器。
  3. 前記フランジ部は、隙間を空けて配置された少なくとも2つの前記凸部を含み、
    少なくとも2つの前記凸部は、平面視において前記収容部の中心点及び前記隙間を通るとともに前記凸部に交わることなく前記フランジ部の外縁に至る直線を描くことができるよう、配置されている、請求項に記載の蓋付容器。
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