JPWO2019187245A1 - 蓋付容器及び容器 - Google Patents

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Abstract

接合回避機構が設けられている位置において接合部の剥離が生じ易い蓋付容器を提供する。蓋付容器は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、容器の収容部を覆うようフランジ部の上面に配置された蓋と、フランジ部の上面と蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、フランジ部の上面と蓋の下面とを接合して容器の収容部を外部から封止する接合部と、を備える。フランジ部は、第1方向に延びる一対の第1辺部と、第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2辺部と、第1辺部と第2辺部との間に位置する隅部と、を有する。フランジ部の隅部の外縁、又は、蓋の外縁のうちフランジ部の隅部と重なる部分には、フランジ部の上面と蓋の下面との間に接合部が形成されることを防ぐ接合回避機構が少なくとも部分的に設けられている。

Description

本発明は、収容部が形成された容器と、容器の収容部を覆う蓋と、を備えた蓋付容器に関する。また、本発明は、収容部が形成された容器に関する。
従来、調理済あるいは半調理済の食品などの内容物を、トレイなどのプラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封したものが多く市場に出回っている。内容物は、プラスチック製の容器に収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。
蓋によって密封された状態の容器に収容された内容物を、電子レンジを利用して加熱すると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発して容器の収容部の圧力が高まっていく。収容部の圧力が高まると、蓋や容器が破裂して内容物が飛散し電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。このような課題を考慮し、収容部の圧力が所定値以上になると収容部と外部とを連通させて収容部内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機構を設けることが提案されている。
例えば特許文献1においては、熱溶着によって蓋と容器のフランジ部とを溶着させる帯状のヒートシールラインの一部に、容器の内側に突出する突出ラインを形成することが提案されている。この場合、加熱に伴って容器の収容部の圧力が高まり、蓋が容器のフランジ部よりも上方へ部分的に膨らむと、圧力によって突出ラインが剥がれる。これによって、突出ラインが設けられている場所において、蓋と容器のフランジ部との間に、蒸気を外部へ逃がす蒸気孔が形成される。このように、ヒートシールラインの一部に、その他の部分に比べて剥離され易い箇所を設けておくことにより、狙った箇所で安定に蒸気を外部に逃がすことができる。
実開平3−87688号公報
加熱に伴って容器の収容部の圧力が高まり、蓋が容器のフランジ部よりも上方へ膨らむ時に、蓋から受ける力に起因してフランジ部が変形することがある。フランジ部が変形すると、ヒートシールラインに力が加わりにくくなり、この結果、狙った箇所でヒートシールラインを剥離させにくくなってしまう。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る蓋付容器及び容器を提供することを目的とする。
本発明は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、を備え、前記フランジ部は、第1方向に延びる一対の第1辺部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2辺部と、前記第1辺部と前記第2辺部との間に位置する隅部と、を有し、前記フランジ部の前記隅部の外縁、又は、前記蓋の外縁のうち前記フランジ部の前記隅部と重なる部分には、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面との間に前記接合部が形成されることを防ぐ接合回避機構が少なくとも部分的に設けられている、蓋付容器である。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の厚みは、0.4mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の幅は、4mm以上であってもよい。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部の前記一対の第2辺部の外縁の間の、前記第1方向における間隔L1は、前記フランジ部の前記一対の第1辺部の外縁の間の、前記第2方向における間隔L2以上であり、前記フランジ部の前記隅部は、前記フランジ部のうち、前記第1辺部の外縁の延長線と前記第2辺部の外縁の延長線とが交わる基準点からの距離が、前記第1方向においてL1/6以下になるとともに前記第2方向においてL1/6以下になる部分であってもよい。
本発明による蓋付容器において、1.1×L2≦L1であり、前記接合回避機構は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線よりも前記第1辺部側に位置していてもよい。
本発明による蓋付容器において、L2≦L1≦1.2×L2であり、前記接合回避機構は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わる位置にあってもよい。
本発明による蓋付容器において、前記接合回避機構は、前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部の外縁、又は、前記蓋の外縁のうち前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部と重なる部分にそれぞれ設けられていてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記接合回避機構は、前記フランジ部の前記外縁に形成された切欠部を含み、前記接合部の外縁が、前記フランジ部の前記切欠部に接していてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記接合回避機構は、前記フランジ部の前記外縁に形成された段差部を含み、前記接合部の外縁が、前記フランジ部の前記段差部に接しており、前記段差部は、前記フランジ部の前記上面に連接され前記上面から下方に延びるフランジ壁部を少なくとも含んでいてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記接合回避機構は、前記蓋の前記外縁に形成された切欠部を含み、前記接合部の外縁が、前記蓋の前記切欠部に接していてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部の前記隅部の内縁と前記接合部の内縁との間の間隔が5mm以下であってもよい。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部の前記隅部の内縁と前記接合部の内縁とが一致していてもよい。
本発明は、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含み、前記フランジ部は、第1方向に延びる一対の第1辺部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2辺部と、前記第1辺部と前記第2辺部との間に位置する隅部と、を有し、前記フランジ部の前記隅部の外縁には切欠き又は段差部が少なくとも部分的に設けられている、容器である。
本発明による容器において、前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の厚みは、0.4mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の幅は、4mm以上であってもよい。
本発明による容器において、前記フランジ部の前記一対の第2辺部の外縁の間の、前記第1方向における間隔L1は、前記フランジ部の前記一対の第1辺部の外縁の間の、前記第2方向における間隔L2以上であり、前記フランジ部の前記隅部は、前記フランジ部のうち、前記第1辺部の外縁の延長線と前記第2辺部の外縁の延長線とが交わる基準点からの距離が、前記第1方向においてL1/6以下になるとともに前記第2方向においてL1/6以下になる部分であってもよい。
本発明による容器において、1.1×L2≦L1であり、前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わらない位置にあってもよい。
本発明による容器において、L2≦L1≦1.2×L2であり、前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わる位置にあってもよい。
本発明による容器において、前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部の外縁にそれぞれ設けられていてもよい。
本発明によれば、接合回避機構が設けられている位置において接合部を剥離させることができる。
本発明の実施の形態における蓋付容器を構成する部材の分解図である。 蓋付容器を示す平面図である。 図2の容器を示す平面図である。 図3に示す蓋付容器をIV−IV線に沿って見た場合を示す縦断面図である。 図4に示す蓋付容器をV−V線に沿って見た場合を示す横断面図である。 フランジ部のうち切欠部が設けられている部分及びその周辺を拡大して示す平面図である。 図3の容器の隅部を拡大して示す平面図である。 蓋を作製するための蓋材の層構成の一例を示す断面図である。 図2に示す蓋付容器をIX−IX線に沿って見た場合を示す縦断面図である。 蒸通シール部及びその周辺を拡大して示す平面図である。 図2に示す蓋付容器をXI−XI線に沿って見た場合を示す縦断面図である。 容器のフランジ部に蓋をヒートシールする工程を示す平面図である。 容器のフランジ部に蓋をヒートシールする工程を示す平面図である。 蓋がヒートシールされる前の容器の一変形例を示す平面図である。 図14の容器のフランジ部に蓋材をヒートシールする工程を示す平面図である。 図15に示す容器及び蓋材を打ち抜く工程を示す平面図である。 蓋付容器の一変形例を示す縦断面図である。 蓋付容器の一変形例を示す平面図である。 図18に示す蓋付容器をXIX−XIX線に沿って見た場合を示す縦断面図である。 接合部の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 図23に示す容器のフランジ部の切欠部及びその周辺の接合部を拡大して示す平面図である。 図23に示す容器及び蓋を備える蓋付容器を示す平面図である。 容器のフランジ部の変形性を評価する方法を示す図である。 容器のフランジ部の変形性を評価する方法を示す図である。 容器の変形性の評価結果を示す図である。 実施例1の評価結果を示す図である。 実施例2の蓋付容器を示す平面図である。 実施例2の評価結果を示す図である。 実施例3の蓋付容器を示す平面図である。 実施例3の評価結果を示す図である。 比較例1の蓋付容器を示す平面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。
以下、図1乃至図13を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蓋付容器)
図1は、蓋付容器10を構成する部材の分解図である。また、図2は、蓋付容器10を示す平面図である。蓋付容器10は、内容物を収容するための収容部25が形成された容器20と、容器20の収容部25を覆う蓋30と、容器20と蓋30とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する接合部40と、を備える。また、蓋付容器10には、内容物が加熱されることによって収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜き機構18が構成されている。なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20及び蓋30とは別個の構成要素を用いて、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。
容器20に収容される内容物は、少なくとも水を含む。内容物の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収容部25の圧力が高まるので、収容部25内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機構18が蓋付容器10に必要になる。
以下、容器20、蓋30、接合部40及び蒸気抜き機構18について説明する。
〔容器〕
まず、容器20について詳細に説明する。図3は、図2の容器20を示す平面図である。図4は、図3に示す蓋付容器をIV−IV線に沿って見た場合を示す縦断面図である。
図3及び図4に示すように、容器20は、収容部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、例えば、底面21aと、底面21aの外縁に沿って一周にわたって広がるよう底面21aから立設された第1側面21cと、を含む。第1側面21cは、図4に示すように、鉛直方向に対して傾斜した方向に広がっていてもよい。フランジ部22は、胴部21の上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「側面」、「上部」、「上縁」や後述する「上面」、「下面」、「水平方向」などの用語は、容器20の収容部25が上方に開口するように蓋付容器10が載置されている状態を基準として蓋付容器10、容器20、蓋30やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。また、「外側」とは、平面視において容器20の収容部25の中心点25cから遠ざかる側である。また、後述する「内側」とは、平面視において容器20の収容部25の中心点25cに近づく側である。
上述の接合部40は、容器20のフランジ部22の上面と蓋30の下面とを接合している。図2に示すように、接合部40は、平面視において収容部25を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。
図4に示すように、底面21aには、上方へ隆起した隆起部21bが形成されていてもよい。
図1及び図3に示すように、第1側面21cには、底面21aからフランジ部22に向かって延びる複数のリブ部21dが形成されていてもよい。図5は、図4に示す蓋付容器10の容器20をV−V線に沿って見た場合を示す横断面図である。図5に示すように、リブ部21dは、例えば外側に凸となるよう構成されている。第1側面21cにリブ部21dを形成することにより、第1側面21cの強度を高めることができる。外側に凸となるリブ部21dの突出高さは、例えば5mm以下である。
図1及び図4に示すように、第1側面21cとフランジ部22との間に、リブ部21dが形成されていない第2側面21eが存在していてもよい。第2側面21eは、図4に示すように、鉛直方向に広がっていてもよい。
次に、平面視におけるフランジ部22の形状について説明する。図3に示すように、フランジ部22は、略矩形状(略長方形状)の輪郭を有する。例えば、フランジ部22は、第1方向D1に延びる一対の第1辺部22aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる一対の第2辺部22bと、第1辺部22aと第2辺部22bとの間に位置する4つの隅部22cと、を有する。なお本明細書において、「直交」とは、第1方向D1と第2方向D2とが成す角度が90度の場合だけでなく、第1方向D1と第2方向D2とが成す角度が30度以下の範囲内で90度からずれている場合も含む。
図3において、符号L1は、一対の第2辺部22bの外縁の間の、第1方向D1における間隔を表し、符号L2は、一対の第1辺部22aの外縁の間の、第2方向D2における間隔を表している。間隔L1は、間隔L2以上である。本実施の形態において、間隔L1は、間隔L2×1.1以上である。
隅部22cは、図3に示すように、外側に向かって凸となる湾曲した形状を有していてもよい。なお図示はしないが、隅部22cは、角張った形状を有していてもよい。また、図示はしないが、複数の隅部22cのうち一部の隅部22cは、その他の隅部22cよりも外側に突出したタブとなっていてもよい。
次に、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出するための構成について説明する。図1及び図3に示すように、フランジ部22の外縁22yには切欠部23が設けられている。切欠部23とは、フランジ部22の外縁22yのうち図3に示す輪郭線22yiよりも収容部25側に位置する部分である。輪郭線22yiは、フランジ部22の外縁22yの大半に、例えば80%以上に重なるよう描かれた線である。輪郭線22yiのうちフランジ部22の実際の外縁22yと重ならない部分は、輪郭線22yiのうちフランジ部22の実際の外縁22yと重なる部分の一端A1と他端A2との間において、変曲点を有することなく延びるように、外縁22yの他の部分に倣って描かれる。例えば、図3に示す例において、輪郭線22yiのうちフランジ部22の実際の外縁22yと重ならない、右上及び左下の隅部22cの部分は、左上及び右下の隅部22cの部分の外縁22yに倣って描かれている。
切欠部23は例えば、収容部25側に向かって先細り形状となるように形成される。符号P1は、切欠部23のうち最も収容部25に近接している先端点P1を表す。切欠部23においては、フランジ部22の上面と蓋30とが接合されない。このため、加熱に伴って収容部25の圧力が高くなってフランジ部22と蓋30との間の接合部の剥離がフランジ部22の外縁22y側へ進行し、剥離が切欠部23に達すると、蒸気が切欠部23から外部へ排出される。このように、切欠部23を形成することにより、蓋付容器10のうち蒸気が外部へ排出される場所を、切欠部23に定めることができる。以下の説明において、切欠部23などの、フランジ部22の上面221と蓋30の下面32との間に接合部が形成されることを防ぐ構成要素のことを、接合回避機構19とも称する。
好ましくは、切欠部23などの接合回避機構19は、図3に示すように、フランジ部22の複数の隅部22cのうち、収容部25の中心点25cを挟んで対向する2つの隅部22cの外縁22yにそれぞれ設けられている。より好ましくは、2つの接合回避機構19は、中心点25cに対して対称的に位置している。これにより、容器20の形状が、180度の回転対称性を有するようになる。
図6は、フランジ部22のうち切欠部23などの接合回避機構19が設けられている部分及びその周辺を拡大して示す平面図である。以下の説明において、フランジ部22のうち切欠部23などの接合回避機構19に対応する部分を、蒸通部分R0とも称する。また、フランジ部22のうち蒸通部分R0の一側に連なる部分を第1部分R1とも称し、フランジ部22のうち蒸通部分R0の他側に連なる部分を第2部分R2とも称する。
好ましくは、フランジ部22の蒸通部分R0の内縁22xは、変曲点を含むことなく連続的に延びている。例えば図6に示すように、蒸通部分R0の内縁22xは直線的に延びている。これにより、蒸通部分R0の内縁22xが、変曲点を含む複雑な形状を有する場合に比べて、容器20の使い勝手を向上させることができる。例えば、特許文献1のようにフランジ部の内縁が凸部を有する場合に比べて、収容部25の開口部の面積を確保することができる。
また、好ましくは、蒸通部分R0の内縁22xは、第1部分R1の内縁22x及び第2部分R2の内縁22xと連続する直線または曲線を構成している。このことにより、蒸通部分R0において接合部40の剥離を安定に生じさせて蒸気を外部に排出することができる。
図6において、符号θ1は、第1端部E1及び切欠部23の先端点P1を結ぶ直線と第2端部E2及び切欠部23の先端点P1を結ぶ直線とが成す角度を表す。角度θ1は、加熱時に応力が切欠部23に集中することを抑制することができる程度に大きい値を有することが好ましい。これにより、加熱時に切欠部23を起点として容器20が変形してしまうことを抑制することができる。角度θ1は、例えば65°以上且つ160°以下である。
好ましくは、切欠部23の先端点P1を含む部分は、湾曲した形状を有している。これにより、加熱時に応力が切欠部23に集中することを更に抑制することができる。先端点P1における切欠部23の曲率半径は、例えば2mm以上且つ30mm以下である。
図6において、符号S0は、第1部分R1及び第2部分R2におけるフランジ部22の幅(内縁22xと外縁22yとの間の最短距離)を表す。また、符号S1は、フランジ部22の切欠部23の先端点P1とフランジ部22の内縁22xとの間の最短距離を表し、符号S2は、最短距離S0から最短距離S1を減算した距離を表す。距離S2は、切欠部23の深さに相当する。最短距離S0は、例えば4mm以上且つ30mm以下であり、最短距離S1は、例えば2mm以上且つ28mm以下であり、距離S2は、例えば2mm以上且つ28mm以下である。また、最短距離S0に対する最短距離S1の比(=S1/S0)は、例えば0.05以上且つ0.4以下である。
ところで、容器20の収容部25の圧力が高まり、蓋30が容器20のフランジ部22よりも上方へ膨らむと、フランジ部22が蓋30によって引っ張られてフランジ部22の一部に反りなどの変形が生じることがある。フランジ部22のうち変形が生じた部分においては、フランジ部22と蓋30との間の接合部に力が加わりにくくなり、接合部の剥離が進行しにくくなる。フランジ部22の変形は、第1方向D1における第1辺部22aの中央部、又は、第2方向D2における第2辺部22bの中央部において生じ易い。
このような課題を考慮し、本実施の形態においては、図1及び図3に示すように、切欠部23などの接合回避機構19を、フランジ部22の隅部22cに設けることを提案する。フランジ部22の隅部22cにおいては、第1辺部22aの中央部や第2辺部22bの中央部に比べて、蓋30から引っ張られることに起因する変形が生じにくい。このため、フランジ部22の隅部22cと蓋30との間の接合部の剥離を安定に進行させることができる。これにより、切欠部23などの接合回避機構19において蒸気を外部に排出することができる。
フランジ部22の隅部22cを画定する方法について、図7を参照して説明する。図7は、図3の容器20のフランジ部22の隅部22cを拡大して示す平面図である。本実施の形態において、隅部22cは、第1辺部22aの外縁22yの延長線と第2辺部22bの外縁22yの延長線とが交わる基準点22zからの距離が、第1方向D1においてL3以下になるとともに第2方向D2においてL4以下になる部分として定義される。この定義に基づくと、図7に示す例において、隅部22cは、フランジ部22のうち二点鎖線の長方形で囲われた部分である。切欠部23などの接合回避機構19は、少なくとも部分的に隅部22cに位置するよう設けられる。L3は、例えば上述の間隔L1を6で割った値である。また、L4は、例えば上述の間隔L1を6で割った値である。
L3及びL4は、間隔L1に対する相対値ではなく絶対値として規定されてもよい。例えば、L3は28mmであり、L4は35mmである。
図7において、符号Q1が付された一点鎖線は、上述の基準点22z及び収容部25の中心点25cを通る直線である。本件発明者らが鋭意研究を行ったところ、本実施の形態に示すような、間隔L1が間隔L2×1.1以上である容器20においては、隅部22cのうち直線Q1よりも第1辺部22a側に位置する部分において、隅部22cと蓋30との間の接合部に、収容部25で発生した蒸気に起因する力が加わり易いことを見出した。このような知見に基づき、好ましくは図7に示すように、切欠部23などの接合回避機構19は、隅部22cのうち直線Q1よりも第1辺部22a側に位置する部分に少なくとも設けられている。図7に示すように、切欠部23は、直線Q1と交わらない位置にあってもよい。特に、間隔L1が間隔L2×1.2よりも大きい容器20においては、隅部22cのうち直線Q1よりも第1辺部22a側に位置する部分において接合部に力が加わり易い。従って、間隔L1が間隔L2×1.2よりも大きい容器20においては、切欠部23が直線Q1と交わらない位置にあることが好ましい。一方、間隔L1が間隔L2×1.1以上且つ間隔L2×1.2以下である容器20においては、間隔L1が間隔L2×1.2よりも大きい容器20に比べて、隅部22cのうち直線Q1により近い部分において接合部に力が加わり易い。従って、間隔L1が間隔L2×1.1以上且つ間隔L2×1.2以下である容器20においては、隅部22cのうち直線Q1よりも第1辺部22a側に位置する部分において直線Q1と交わるように切欠部23が設けられていてもよい。
図3において、符号W1は、第1辺部22aの幅を表し、符号W2は、第2辺部22bの幅を表している。第1辺部22aの幅W1は、収容部25の圧力が増加したときに第1辺部22aの中央部に変形が生じる程度の値である。例えば、フランジ部22の第1辺部22aの厚みが0.4mm以上0.7mm以下である場合、第1辺部22aの幅W1は4mm以上である。第2辺部22bの幅W2も同様に、収容部25の圧力が増加したときに第2辺部22bの中央部に変形が生じる程度の値である。例えば、フランジ部22の第2辺部22bの厚みが0.4mm以上0.7mm以下である場合、第2辺部22bの幅W1は4mm以上である。
容器20を作製する方法としては、射出成形法やシート成形法が採用され得る。シート成形法とは、プラスチック製のシートに型を押し付けてシートに所望の形状を形成する方法である。容器20を構成する材料としては、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを挙げることができる。シートを構成する積層体の例としては、例えば、CPP/CNy/CPP、LLDPE/CNy/LLDPE、CPP/EVOH/CPP、CPP/発泡層/PP、発泡層/CPP、CPP/未発泡層/PP、未発泡層/CPP、を挙げることができる。ここで、「CPP」は無延伸ポリプロピレンであり、「CNy」は無延伸ナイロンであり、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレンである。「EVOH」は、エチレン−ビニルアルコール共重合体である。発泡層を構成する樹脂としては、PPやPSを用いることができる。未発泡層は、シートの状態では発泡されておらず、シートを容器に成形した後に発泡されて発泡層となる層である。未発泡層は、発泡層を構成する上述の樹脂に加えて、発泡剤を含む。
また、プラスチック製のシートを、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、100μm以上300μm以下の厚みを有するシートを用いることができる。
なお、容器20の深さH(図4参照)が小さい場合、例えば深さHが60mm以下である場合、絞り成形法などのシート成形法を用いて容器20を作製することが、コストの点で有利である。シート成形法によって容器20を作製する場合、胴部21の厚みが、材料として用いるプラスチック製のシートやフランジ部22の厚みよりも小さくなる。胴部21の厚みが小さくなり過ぎると、容器20の強度を維持できなくなるので、胴部21の厚みは、所定の下限値以上である。従って、プラスチック製のシートやフランジ部22の厚みは、シート成形法に起因する厚みの変化量を考慮した上で、胴部21の厚みが所定の下限値以上になるよう決定される。
シート成形法に起因する厚みの変化量について考察する。フランジ部22の厚みに対する胴部21の厚みの比率は、容器20の深さHが大きくなるほど小さくなる。また、フランジ部22の厚みに対する胴部21の厚みの比率は、第2辺部22bが延びる方向における収容部25の寸法L5(図3、4参照)が小さいほど小さくなる。このように、シート成形法に起因する厚みの変化量に関しては、容器20の深さH及び収容部25の寸法L5が主要な因子になる。
本実施の形態において、収容部25の寸法L5に対する容器20の高さHの比率(H/L5)は、0.1以上0.7以下である。この場合、フランジ部22の厚みは、収容部25の圧力が高まることによって蓋30が容器20のフランジ部22よりも上方へ膨らむ場合にフランジ部22の第1辺部22aの中央部などに変形が生じる程度に小さい。ここで本実施の形態においては、上述のように、切欠部23などの接合回避機構19を、フランジ部22の隅部22cに設けている。このため、フランジ部22の厚みが小さく、第1辺部22aの中央部などに変形が生じる場合であっても、フランジ部22の隅部22cの接合回避機構19において蒸気を外部に排出することができる。
〔蓋〕
蓋30は、容器20の収容部25を覆うようフランジ部22の上面221に配置され、接合部40によってフランジ部22の上面221に接合されている。蓋30の下面32は、フランジ部22の上面221に接合され得るよう構成されている。図8は、蓋30を作製するための蓋材36の層構成の一例を示す断面図である。蓋30及び蓋材36は、蓋30の下面32を構成するシーラント層38と、シーラント層38に積層された基材37と、を少なくとも含む。
基材37を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロン(Ny)などのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材37は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材37の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
シーラント層38を構成する材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層38は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層38は、無延伸であることが好ましい。
シーラント層38は、好ましくは、イージーピール性を備える。イージーピール性とは、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させるときに、蓋30がその下面32において、すなわちシーラント層38の界面において、フランジ部22の上面221から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層38を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂が挙げられる。
なお、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させる形態が、シーラント層38の界面における剥離(フランジ部22の上面221とシーラント層38の表面の間の剥離)に限られることはない。例えば、シーラント層38の凝集破壊によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよく、また、蓋30を構成する一の層及びそれに隣接する他の層との間の層間剥離によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよい。
シーラント層38の厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい
蓋30は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、アルミニウム箔などの金属層や、アルミニウムなどの金属または酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が蓋付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、蓋材に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材37を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材37とシーラント層38との間に設けられていてもよいし、基材37のシーラント層38とは反対側の面に設けられていてもよい。
基材37とシーラント層38とを積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材37を含むフィルムの上にシーラント層38を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層38と、基材37を含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、図8に示すように、蓋30は、基材37とシーラント層38との間に位置し、接着剤からなる接着層39を更に含む。
なお、溶融押出法で蓋30を作製する場合にも、溶融押出法で用いられるアンカーコート剤を含む接着層39が蓋30に存在することがある。
接着層39を構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着層39の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
〔接合部〕
図9は、図2に示す蓋付容器10をIX−IX線に沿って見た場合を示す縦断面図である。接合部40は、フランジ部22の上面221と蓋30の下面32とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する。接合部40は、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収容部25を外部から封止することができる。
図2に示すように、接合部40は、略一定の幅を少なくとも部分的に有する主要シール部42と、切欠部23などの接合回避機構19の内側に位置する蒸通シール部44と、を含む。接合部40は、タブ22dに位置するタブシール部46を更に含んでいてもよい。符号40xは、接合部40の内縁を表し、符号40yは、接合部40の外縁を表す。
好ましくは、接合部40の内縁40xは、フランジ部22の内縁22xの場合と同様に、変曲点を含むことなく連続的に延びている。例えば、接合部40の内縁40xは、特許文献1の突出ラインのような、内側へ突出した部分を含んでいない。
フランジ部22の第1辺部22a、第2辺部22b及び隅部22cは、切欠部23以外の部分が略一定の幅を有する。そして、接合部40は、フランジ部22の第1辺部22a、第2辺部22b又は隅部22cのうち切欠部23が形成されている部分以外の部分において、略一定の幅を有する。すなわち、接合部40の主要シール部42は、略一定の幅を有する。なお、221における主要シール部42の幅、第2辺部22bにおける主要シール部42の幅、及び、隅部22cにおける主要シール部42の幅は、同一であってもよく、異なっていてもよい。主要シール部42の幅M0(図9参照)は、例えば4mm以上且つ30mm以下である。
次に、蒸通シール部44について説明する。図10は、蒸通シール部44及びその周辺を拡大して示す平面図である。蒸通シール部44は、その外縁40yが少なくとも部分的に接合回避機構19に接するよう構成されている。例えば、接合回避機構19がフランジ部22の切欠部23である場合、図10に示すように、蒸通シール部44の外縁40yが切欠部23の少なくとも先端部P1に接している。すなわち、蒸通シール部44の外縁40yと切欠部23の先端部P1との間に隙間が存在しない。図10に示す例においては、蒸通シール部44の外縁40yの全域が切欠部23に接している。このような蒸通シール部44の外縁40yの構成は、切欠部23よりも外側にまで広がる熱板の加熱部を用いて蓋30を加熱して蓋30をフランジ部22にヒートシールすることによって得られる。
次に、蒸通シール部44の内縁40xについて説明する。蒸通シール部44の内縁40xは、フランジ部22の内縁22xとの間の間隔が蒸通部分R0の全域にわたって2mm以下になるよう、構成されている。間隔は、1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよい。図10に示す例においては、蒸通シール部44の内縁40xと蒸通部分R0の内縁22xとが一致しており、このため間隔は0mmである。このような蒸通シール部44の内縁40xの構成は、後述するように、フランジ部22の内縁22xよりも内側にまで広がる熱板の加熱部を用いて蓋30を加熱して蓋30をフランジ部22にヒートシールすることによって実現される。蒸通シール部44だけでなく主要シール部42の内縁40xも、フランジ部22の内縁22xに一致していてもよい。
図10において、符号M1は、蒸通シール部44の最小幅を表す。最小幅M1は、切欠部23の先端点P1と蒸通シール部44の内縁40xとの間の最短距離に相当する。最小幅M1は、例えば、2mm以上且つ28mm以下である。また、主要シール部42の幅M0に対する蒸通シール部44の最小幅M1の比(=M1/M0)は、例えば0.05以上且つ0.7以下である。
〔蒸気抜き機構〕
図11は、図2に示す蓋付容器を、切欠部23を通るXI−XI線に沿って見た場合を示す縦断面図である。切欠部23に接する蒸通シール部44の幅は、主要シール部42の幅よりも小さい。このため、収容部25の圧力が高くなって接合部40の各部分において内縁22x側から外縁22y側へ向かう剥離が進行する場合、蒸通シール部44において最も早く剥離が完了する。従って、収容部25の蒸気は切欠部23から外部へ排出される。このように、蒸通シール部44及び切欠部23は、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出するための蒸気抜き機構18を構成している。
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。
まず、容器20を作製するためのシートを準備する。続いて、シート成形法によってシートを成形して、一体的に形成された胴部21及びフランジ部22を有する容器20を作製する。続いて、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠いて、フランジ部22に切欠部23を形成する。このようにして、図3に示すような、フランジ部22の一部に切欠部23が形成された容器20を得ることができる。
続いて、容器20の収容部25に内容物を充填する。また、蓋30を構成する蓋材36を準備する。続いて、図12に示すように、容器20のフランジ部22上に蓋材36を載置する。次に、蓋材36のうち接合部40が形成されるべき部分を、熱板50を用いて上面31側から加熱して、蓋材36のシーラント層38を溶融させ、蓋材36をフランジ部22にヒートシールする。図12においては、熱板50のうち蓋材36の上面に接して蓋材36を加熱する加熱部51を、ハッチングを付した領域として示している。蓋材36をフランジ部22にヒートシールすることにより、図13に示すように、平面視において収容部25を囲うように一周にわたって連続的に延びる接合部40を形成することができる。その後、蓋材36を打ち抜くことにより、図2に示す蓋付容器10を得ることができる。
図12に示すように、加熱部51の内縁51xは、フランジ部22の内縁22xよりも内側に位置する。また、加熱部51の外縁51yは、切欠部23の先端点P1よりも外側に位置する。図12に示す例において、加熱部51の外縁51yは、フランジ部22の外縁22yよりも外側に位置する。このため、ヒートシール工程において求められる、熱板50の位置決め精度を緩和することができる。例えば、熱板50の加熱部51の位置が所定の位置からずれた場合であっても、上述の主要シール部42の幅M0及び蒸通シール部44の最小幅M1がばらつくことを抑制することができる。このことにより、蓋付容器10を製造することの難易度を下げることができる。
また、加熱部51の外縁51yは、切欠部23の先端点P1よりも外側に位置するので、蒸通シール部44を、その外縁40yが切欠部23に接するように形成することができる。言い換えると、蒸通シール部44の外縁40yの位置と、切欠部23の位置とが一致している。これにより、蒸通シール部44が剥がれた後、蒸気が切欠部23から外部へ抜け易くなる。すなわち、蓋付容器10の蒸通性を高めることができる。
また、本実施の形態においては、フランジ部22のうち切欠部23が形成されている蒸通部分R0を含めて、フランジ部22の内縁22xが連続的に延びており、特許文献1のような凸部が存在しない。また、胴部21にも、特許文献1のような凸部が存在しない。胴部21にリブ部21dが設けられる場合であっても、リブ部21dの突出高さは上述のように5mm以下である。このため、収容部25の開口部の面積を大きく確保することができ、容器20の使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、2つの接合回避機構19が中心点25cに対して対称的に位置しているので、容器20の形状が、180度の回転対称性を有している。このため、蓋材36を容器20にヒートシールする工程や、蓋材36を打ち抜く工程において、一対の第1辺部22aが並ぶ順序が不問になる。例えば、ヒートシール工程や打ち抜き工程において、一対の第1辺部22aのうち図12において紙面上側に位置する第1辺部22aが、仮に紙面下側に位置していたとしても、同一の蓋付容器10を得ることができる。このため、ヒートシール工程や打ち抜き工程において容器20を所定の位置に載置する作業の労力を低減することができる。
なお、蓋付容器10の製造方法の各工程を実施する主体は任意である。例えば、第1の主体が、容器20を作製する工程を実施し、第2の主体が、容器20に内容物を充填する工程、蓋材36を容器20のフランジ部22に接合する工程、及び、蓋材36を打ち抜く工程を実施してもよい。また、同一の主体がこれらの工程を実施してもよい。
(蓋付容器の使用方法)
次に、蓋付容器10に収容された内容物の加熱方法の一例について説明する。
まず、容器20の底面21aを下にして蓋付容器10を電子レンジの内部に載置する。次に、電子レンジを利用して内容物を加熱する。内容物に含まれる水分が蒸発すると、収容部25の圧力が高まる。
収容部25の圧力が高くなると、蓋30が上側に膨らむ。ここで、フランジ部22の幅が大きかったり、フランジ部22の厚みが小さかったりすると、フランジ部22が蓋30によって上側に引っ張られて変形する。フランジ部22の変形は、第1辺部22aの中央部や第2辺部22bの中央部において生じ易い。
ここで本実施の形態においては、切欠部23などの接合回避機構19を、フランジ部22の隅部22cに設けている。フランジ部22の隅部22cは、第1辺部22aの中央部や第2辺部22bの中央部に比べて変形しにくい。このため、フランジ部22の隅部22cと蓋30との間の蒸通シール部44の剥離を安定に進行させることができる。これにより、切欠部23などの接合回避機構19において蒸気を外部に排出することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(蓋付容器の製造方法の変形例)
上述の実施の形態においては、蓋材36が接合される前の容器20に切欠部23が形成されている例を示した。しかしながら、容器20に切欠部23を形成するタイミングは任意である。例えば、図14に示すように、切欠部23が設けられていない容器20を準備し、続いて、図15に示すように、容器20のフランジ部22に蓋材36を接合し、その後、図16に示すように、容器20のフランジ部22及び蓋材36を打ち抜いてもよい。この場合、容器20のフランジ部22の切欠部23と同一の位置において、蓋30にも切欠部33が形成される。
(フランジ部の切欠部の変形例)
上述の実施の形態においては、フランジ部22の外縁22yに形成された切欠部23が、上述の図6に示すように、切欠部23の第1端部E1及び切欠部23の先端点P1を結ぶ直線と切欠部23の第2端部E2及び切欠部23の先端点P1を結ぶ直線とが成す角度θ1が65°以上且つ160°以下である部分である例を示した。しかしながら、フランジ部22の上面221と蓋30の下面32との間に接合部が形成されることを防ぐ接合回避機構19として機能することができる限りにおいて、切欠部23の具体的な形状は特には限定されない。例えば、角度θ1が160°を超えるよう構成された切欠部23も、接合回避機構19として機能し得る。従って、切欠部23の角度θ1は、65°以上であればよく、160°以下である必要はない。図35は、角度θ1が180°となるよう構成された切欠部23が形成されたフランジ部22を有する容器20を示す平面図である。
なお、切欠部23が図35に示すように180°又は180°に近い角度θ1を有する場合、切欠部23は、フランジ部22の隅部22cの幅W3に基づいて定義され得る。例えば、切欠部23は、フランジ部22の隅部22cのうち、その幅W3が、第1辺部22aの中央部の幅W1の0.7倍以下である部分として定義される。なお、隅部22cの幅W3は、隅部22cの内縁22xが延びる方向における隅部22cの寸法である。
(接合回避機構の第1の変形例)
上述の実施の形態においては、フランジ部22の上面221と蓋30の下面32との間に接合部40が形成されることを防ぐ接合回避機構19が、フランジ部22の外縁22yに形成された切欠部23を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図17に示すように、接合回避機構19が、フランジ部22の外縁22yに形成された段差部24を含んでいてもよい。段差部24は、フランジ部22の隅部22cの外縁22yに少なくとも部分的に位置している。
段差部24は、蓋30の下面32に接合されるフランジ部22の上面221から下方に延びるフランジ壁部24aを少なくとも含む。これにより、段差部24が蓋30の下面32に接合されることを防ぐことができる。また、段差部24は、フランジ壁部24aから外側へ水平方向に広がる段差面24bを更に含んでいてもよい。
本変形例においても、段差部24が、フランジ部22の隅部22cの外縁22yに位置している。このため、フランジ部22に変形が生じ易い場合であっても、フランジ部22の隅部22cと蓋30との間の蒸通シール部44の剥離を安定に進行させることができる。これにより、段差部24から蒸気を外部に排出することができる。
また、本変形例においても、接合部40の蒸通シール部44が、少なくとも部分的に段差部24に接している。これにより、フランジ部22に対する熱板50の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。このことにより、蓋付容器10を製造することの難易度を下げることができる。また、蓋付容器10の蒸通性を高めることができる。
(接合回避機構の第2の変形例)
上述の実施の形態及び変形例においては、接合回避機構19が、フランジ部22の外縁22yに形成された切欠部23又は段差部24を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図18に示すように、接合回避機構19が、蓋30の外縁30yに形成された切欠部33を含んでいてもよい。切欠部33は、蓋30の外縁のうちフランジ部22の隅部22cと重なる部分に少なくとも部分的に位置している。
図19は、図18に示す蓋付容器10をXIX−XIX線に沿って見た場合を示す縦断面図である。本変形例においては、蓋30に切欠部33を形成することにより、切欠部33の内側に位置する蒸通シール部44の幅を、主要シール部42の幅よりも小さくすることができる。このため、収容部25の蒸気を切欠部33から外部へ排出することができる。このように、本変形例においては、蒸通シール部44及び蓋30の切欠部33が、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出するための蒸気抜き機構18を構成している。
本変形例においても、切欠部33が、蓋30のうちフランジ部22の隅部22cと重なる部分に位置している。このため、フランジ部22に変形が生じ易い場合であっても、フランジ部22の隅部22cと蓋30との間の蒸通シール部44の剥離を安定に進行させることができる。これにより、切欠部33から蒸気を外部に排出することができる。
また、本変形例においても、図18に示すように、接合部40の蒸通シール部44が、少なくとも部分的に、接合回避機構19を構成する蓋30の切欠部33に接している。これにより、フランジ部22及び蓋30に対する熱板50の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。このことにより、蓋付容器10を製造することの難易度を下げることができる。また、蓋付容器10の蒸通性を高めることができる。
(接合部の変形例)
上述の実施の形態においては、蒸通シール部44の内縁40xとフランジ部22の内縁22xとが一致する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図20に示すように、蒸通シール部44の内縁40xがフランジ部22の内縁22xよりも外側に位置していてもよい。この場合、蒸通シール部44の内縁40xは、好ましくは、フランジ部22との間の間隔dが少なくとも蒸通部分R0の全域にわたって5mm以下に、より好ましくは2mm以下になるよう、構成されている。すなわち、蒸通部分R0の内縁22xと接合部40の蒸通シール部44の内縁40xとの間の間隔dは、好ましくは5mm以下になっており、より好ましくは2mm以下になっている。なお、フランジ部22の第1部分R1及び第2部分R2においても、主要シール部42の内縁40xとフランジ部22の内縁22xとの間の間隔dが5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。
また、上述の実施の形態においては、蒸通シール部44の外縁40yが全域にわたって切欠部23などの接合回避機構19に接する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図20に示すように、蒸通シール部44の外縁40yの一部のみが切欠部23などの接合回避機構19に接し、その他の部分がフランジ部22の外縁22yよりも内側に位置していてもよい。本変形例においても、蒸通シール部44の外縁40yの一部が、先端部P1を含む切欠部23の部分に接することにより、ヒートシール工程において求められる、熱板50の位置決め精度を緩和することができる。このことにより、蓋付容器10を製造することの難易度を下げることができる。また、蒸通シール部44の最小幅M1がばらつくことを抑制することができる。
(容器のリブ部の変形例)
上述の実施の形態及び変形例においては、リブ部21dが形成された第1側面21cとフランジ部22との間に、リブ部21dが形成されていない第2側面21eが介在されている例を示した。言い換えると、リブ部21dがフランジ部22の内縁22xにまでは達していない例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図21に示すように、胴部21の第1側面21cに形成されたリブ部21dがフランジ部22の内縁22xにまで達していてもよい。
本変形例においても、上述の実施の形態の場合と同様に、リブ部21dは、外側に凸となるよう構成されている。すなわち、リブ部21dは、平坦な第1側面21cから外側に向かって突出するよう構成されている。このため、リブ部21dがフランジ部22の内縁22xに達している場合であっても、リブ部21dに起因して収容部25の開口部の面積が減少することを抑制することができる。これにより、フランジ部22の内縁22xから内側に凸となるようなリブ部が形成されている場合に比べて、容器20の使い勝手を向上させることができる。
なお、図22に示すように、容器20の胴部21の側面にリブ部が形成されていなくてもよい。
(容器の変形例)
上述の実施の形態においては、一対の第2辺部22bの外縁の間の間隔L1が、一対の第1辺部22aの外縁の間の間隔L2の1.1倍以上である例を示した。本変形例においては、間隔L1が間隔L2以上且つ間隔L2×1.2以下である例について説明する。図23は、本変形例の容器20を示す平面図である。
図24は、図23に示す容器20のフランジ部22の切欠部23及びその周辺の接合部40を拡大して示す平面図である。本変形例においても、切欠部23などの接合回避機構19は、容器20のフランジ部22の隅部22cに設けられる。隅部22cは、上述の実施の形態の場合と同様に、第1辺部22aの外縁22yの延長線と第2辺部22bの外縁22yの延長線とが交わる基準点22zからの距離が、第1方向D1においてL3以下になるとともに第2方向D2においてL4以下になる部分として定義される。L3は、例えば上述の間隔L1を6で割った値である。また、L4は、例えば上述の間隔L1を6で割った値である。なお、図示はしないが、本変形例の容器20においても、胴部21の側面にリブ部が形成されていてもよい。
本件発明者らが鋭意研究を行ったところ、本変形例に示すような、間隔L1が間隔L2×1.2以下である容器20においては、隅部22cのうち直線Q1と重なる部分に、すなわち隅部22cの中央部又は中央部の近傍において、隅部22cと蓋30との間の接合部に、収容部25で発生した蒸気に起因する力が加わり易いことを見出した。このような知見に基づき、好ましくは図20に示すように、切欠部23などの接合回避機構19は、直線Q1と交わるよう設けられている。
図25は、図23に示す容器20及び蓋30を備える蓋付容器10を示す平面図である。本変形例においても、切欠部23などの接合回避機構19を、第1辺部22aの中央部や第2辺部22bの中央部に比べて変形しにくい隅部22cに設けている。このため、フランジ部22の隅部22cと蓋30との間の蒸通シール部44の剥離を安定に進行させることができる。これにより、切欠部23などの接合回避機構19において蒸気を外部に排出することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
〔フランジ部の変形性の評価〕
異なる幅又は厚みを有するフランジ部22を備える容器20のサンプル1〜9を準備し、フランジ部22の変形性の評価を行った。図28に、サンプル1〜9におけるフランジ部22の幅、フランジ部22の厚み、及びフランジ部22の層構成を示す。層構成の欄において、「PP/EVOH/PP」は、フランジ部22を含む容器20をシート成形法で作製するために用いたシートが、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びポリプロピレンが順に積層された共押し出しシートであることを意味する。また、「PP単層」は、フランジ部22を含む容器20をシート成形法で作製するために用いたシートが、ポリプロピレンからなるシートであることを意味する。また、「PP」は、フランジ部22を含む容器20が、ポリプロピレンを用いた射出成形法によって作製されたことを意味する。
まず、図26に示すように、収容部25の開口部が上側を向くように容器20を水平面65に載置した。続いて、荷重測定器60のフック61を、フランジ部22の第1辺部22aの中央部の外縁22yの下面に引っ掛けた。荷重測定器60としては、株式会社イマダ製のプッシュプルゲージ PS50Nを用いた。
続いて、図27に示すように、容器20の底面21aに下向きの力F1を加えて容器20を水平面65に押さえつけた状態で、フック61がフランジ部22の第1辺部22aの中央部の外縁22yに上向きの力F2を加えて、第1辺部22aを変形させた。図27において、符号ΔHは、上下方向における、第1辺部22aの外縁22yの変化量を表す。力F1は、容器20の底面21aが水平面65から離れないよう調整した。力F2は、10Nとした。
サンプル1〜9における変化量ΔHの測定結果を、図28に併せて示す。幅が4mm以上であり、且つ厚みが0.4mm以上0.7mm以下のフランジ部22においては、変化量ΔHが4mm以上11mm以下であった。一方、厚みが0.70mmを超えているフランジ部22においては、変化量ΔHが1mmであった。このことから、4mm以上の幅を有するフランジ部22においては、厚みが0.7mm以下の場合に、上下方向において変形し易くなると言える。
図28において、「厚み/幅」の列は、各サンプルのフランジ部22の厚みをフランジ部22の幅で割った値を示している。図28に示すように、厚み/幅が0.1以下である場合、変化量ΔHが5mm以上であった。
〔蓋付容器の蒸通性の評価〕
(実施例1)
まず、PP/EVOH/PPという層構成を有する、厚み0.45mmの共押し出しシートを準備した。続いて、シート成形法により、図3に示すような、中心点25cに対して点対称となるよう隅部22cに配置された2つの切欠部23を備える容器20を作製した。
また、上面側から順にPET/ONY/イージーピールCPPという層構成を有する蓋材36を準備した。ONYは、延伸ナイロンフィルムを意味する。イージーピールCPPは、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂からなるフィルムである。PETの厚みは12μmであり、ONYの厚みは15μmであり、イージーピールCPPの厚みは30μmであった。
続いて、容器20に内容物を充填した後、容器20のフランジ部22に蓋材36をヒートシールにより接合した。その後、蓋材36を打ち抜くことにより、図2に示す蓋付容器10を得た。ヒートシールを実施するための装置としては、トレーシーラーを用いた。内容物としては、ハンバーグ、チャーハン、又は肉じゃがを用いた。
続いて、電子レンジを用いて内容物を加熱し、接合部40の剥離箇所を通って収容部25の蒸気が外部に抜けるまでに要した加熱時間、及び、蒸気の抜けが切欠部23に隣接する蒸通シール部44において適切に生じているか否かを確認した。電子レンジとしては、ターン方式且つ500Wの出力を有するもの、ターン方式且つ600Wの出力を有するもの、又は、フラット方式且つ600Wの出力を有するものを用いた。結果を図29に示す。図29の「良品率」の列において、分母は、サンプル数を表し、分子は、蒸通シール部44において蒸気の抜けが適切に生じていたサンプルの数を表す。また、「蒸通までの時間(平均値)」は、各サンプルにおいて収容部25の蒸気が外部に抜けるまでに要した加熱時間の平均値を表す。図29に示すように、実施例1の蓋付容器10においては、内容物及び加熱条件に依らず、蒸気の抜けが蒸通シール部44において適切に生じていた。
(実施例2)
図30に示すように、2つの切欠部23が第2方向D2において対向するように隅部22cに配置されている点を除いて、実施例1の場合と同様にして、シート成形法により容器20を作製した。
また、上面側から順にPET/ONY/イージーピールCPPという層構成を有する蓋材36を準備した。PETの厚みは12μmであり、ONYの厚みは15μmであり、イージーピールCPPの厚みは50μmであった。
続いて、容器20に内容物を充填した後、容器20のフランジ部22に蓋材36をヒートシールにより接合した。その後、蓋材36を打ち抜くことにより、図30に示す蓋付容器10を得た。内容物としては、100ccの水、又はさば味噌を用いた。
続いて、電子レンジを用いて内容物を加熱し、接合部40の剥離箇所を通って収容部25の蒸気が外部に抜けるまでに要した加熱時間、及び、蒸気の抜けが切欠部23に隣接する蒸通シール部44において適切に生じているか否かを確認した。電子レンジとしては、ターン方式且つ600Wの出力を有するもの、又は、フラット方式且つ600Wの出力を有するものを用いた。結果を図31に示す。図31に示すように、実施例2の蓋付容器10においては、内容物及び加熱条件に依らず、蒸気の抜けが蒸通シール部44において適切に生じていた。
(実施例3)
図32に示すように、4つの隅部22cのうちの3つに切欠部23設けられている点を除いて、実施例1の場合と同様にして、シート成形法により容器20を作製した。また、実施例2の場合と同様にして、内容物が収容された、図32に示す蓋付容器10を作製した。
続いて、実施例2の場合と同様にして、電子レンジを用いて内容物を加熱し、接合部40の剥離箇所を通って収容部25の蒸気が外部に抜けるまでに要した加熱時間、及び、蒸気の抜けが切欠部23に隣接する蒸通シール部44において適切に生じているか否かを確認した。結果を図33に示す。図33に示すように、実施例3の蓋付容器10においては、内容物及び加熱条件に依らず、蒸気の抜けが蒸通シール部44において適切に生じていた。
(比較例1)
図34に示すように、一対の第1辺部22aの中央部にそれぞれ切欠部23設けられている点を除いて、実施例1の場合と同様にして、シート成形法により容器20を作製した。また、実施例2の場合と同様にして、内容物が収容された、図34に示す蓋付容器10を作製した。
続いて、実施例2の場合と同様にして、電子レンジを用いて内容物を加熱し、接合部40の剥離箇所を通って収容部25の蒸気が外部に抜けるまでに要した加熱時間、及び、蒸気の抜けが切欠部23に隣接する蒸通シール部44において適切に生じているか否かを確認した。結果、一部のサンプルにおいては、切欠部23に隣接する蒸通シール部44ではなく、隅部22cに位置する主要シール部42が剥離して蒸気が外部に抜けていた。
10 蓋付容器
18 蒸気抜き機構
19 接合回避機構
20 容器
21 胴部
21a 底面
21b 隆起部
21c 第1側面
21d リブ部
21e 第2側面
22 フランジ部
22a 第1辺部
22b 第2辺部
22c 隅部
22d タブ
22x 内縁
22y 外縁
R0 蒸通部分
R1 第1部分
R2 第2部分
23 切欠部
E1 第1端部
E2 第2端部
24 段差部
24a フランジ壁部
24b 段差面
25 収容部
30 蓋
30y 外縁
31 上面
32 下面
33 切欠部
36 蓋材
37 基材
38 シーラント層
39 接着層
40 接合部
40x 内縁
40y 外縁
42 主要シール部
44 蒸通シール部
46 タブシール部
50 熱板
51 加熱部
51x 内縁
51y 外縁
60 荷重測定器
61 フック
65 水平面

Claims (17)

  1. 内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含む容器と、
    前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋と、
    前記フランジ部の前記上面と前記蓋の下面との間に一周にわたって連続的に形成され、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面とを接合して前記容器の前記収容部を外部から封止する接合部と、を備え、
    前記フランジ部は、第1方向に延びる一対の第1辺部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2辺部と、前記第1辺部と前記第2辺部との間に位置する隅部と、を有し、
    前記フランジ部の前記隅部の外縁、又は、前記蓋の外縁のうち前記フランジ部の前記隅部と重なる部分には、前記フランジ部の前記上面と前記蓋の前記下面との間に前記接合部が形成されることを防ぐ接合回避機構が少なくとも部分的に設けられている、蓋付容器。
  2. 前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の厚みは、0.4mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の幅は、4mm以上である、請求項1に記載の蓋付容器。
  3. 前記フランジ部の前記一対の第2辺部の外縁の間の、前記第1方向における間隔L1は、前記フランジ部の前記一対の第1辺部の外縁の間の、前記第2方向における間隔L2以上であり、
    前記フランジ部の前記隅部は、前記フランジ部のうち、前記第1辺部の外縁の延長線と前記第2辺部の外縁の延長線とが交わる基準点からの距離が、前記第1方向においてL1/6以下になるとともに前記第2方向においてL1/6以下になる部分である、請求項1又は2に記載の蓋付容器。
  4. 1.1×L2≦L1であり、
    前記接合回避機構は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線よりも前記第1辺部側に位置している、請求項3に記載の蓋付容器。
  5. L2≦L1≦1.2×L2であり、
    前記接合回避機構は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わる位置にある、請求項3に記載の蓋付容器。
  6. 前記接合回避機構は、前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部の外縁、又は、前記蓋の外縁のうち前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部と重なる部分にそれぞれ設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  7. 前記接合回避機構は、前記フランジ部の前記外縁に形成された切欠部を含み、
    前記接合部の外縁が、前記フランジ部の前記切欠部に接している、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  8. 前記接合回避機構は、前記フランジ部の前記外縁に形成された段差部を含み、
    前記接合部の外縁が、前記フランジ部の前記段差部に接しており、
    前記段差部は、前記フランジ部の前記上面に連接され前記上面から下方に延びるフランジ壁部を少なくとも含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載の蓋付容器。
  9. 前記接合回避機構は、前記蓋の前記外縁に形成された切欠部を含み、
    前記接合部の外縁が、前記蓋の前記切欠部に接している、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  10. 前記フランジ部の前記隅部の内縁と前記接合部の内縁との間の間隔が5mm以下である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  11. 前記フランジ部の前記隅部の内縁と前記接合部の内縁とが一致している、請求項10に記載の蓋付容器。
  12. 内容物を収容する収容部を画成する胴部と、
    前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含み、
    前記フランジ部は、第1方向に延びる一対の第1辺部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2辺部と、前記第1辺部と前記第2辺部との間に位置する隅部と、を有し、
    前記フランジ部の前記隅部の外縁には切欠き又は段差部が少なくとも部分的に設けられている、容器。
  13. 前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の厚みは、0.4mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の前記第1辺部及び前記第2辺部の幅は、4mm以上である、請求項12に記載の容器。
  14. 前記フランジ部の前記一対の第2辺部の外縁の間の、前記第1方向における間隔L1は、前記フランジ部の前記一対の第1辺部の外縁の間の、前記第2方向における間隔L2以上であり、
    前記フランジ部の前記隅部は、前記フランジ部のうち、前記第1辺部の外縁の延長線と前記第2辺部の外縁の延長線とが交わる基準点からの距離が、前記第1方向においてL1/6以下になるとともに前記第2方向においてL1/6以下になる部分である、請求項12又は13に記載の容器。
  15. 1.1×L2≦L1であり、
    前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わらない位置にある、請求項14に記載の容器。
  16. L2≦L1≦1.2×L2であり、
    前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点と前記基準点とを結ぶ直線と交わる位置にある、請求項14に記載の容器。
  17. 前記切欠き又は段差部は、前記収容部の中心点を挟んで対向する2つの前記隅部の外縁にそれぞれ設けられている、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の容器。
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