JP2019051975A - 蓋付容器 - Google Patents

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田 雅 子 土
田 紀 子 中
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田 紀 子 中
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Suguru Kato
戸 卓 加
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Kaoru Watanabe
辺 薫 渡
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Abstract

【課題】内容物の種類に応じてシート成形容器又は蓋のいずれかを変形させて、容易かつ確実に内容積を減少させ、その後高圧殺菌に供することができる蓋付容器を提供する。
【解決手段】蓋付容器10は、胴部21及びフランジ部22を含む容器20と、容器20の収容部25を覆うようフランジ部22の上面に配置された蓋30とを備える。容器20は未延伸フィルム基材からなり、蓋30は延伸フィルム基材からなるため、蓋30に比べて容器20の剛性は小さくなっている。この結果、容器20の変形に伴って内容物50もその形状を変化させるか蓋付容器10の内容積をより効果的に小さくすることができる。
【選択図】図4A

Description

本発明は、収容部が形成された容器と、容器の収容部を外部から封止するよう容器に接合された蓋と、を備えた蓋付容器に関する。
従来、調理済あるいは半調理済の食品などの内容物を、トレイなどのプラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封したものが多く市場に出回っている。内容物は、プラスチック製の容器に収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。
ところで、このような蓋付容器は、内容物の充てん時に真空引きされ(真空充てん)、その後真空引きされた蓋付容器は高圧水により高圧殺菌された後、市場に出回ることになる。高圧水を用いた高圧殺菌は、高温殺菌に比べて内容物を高温で加熱する必要がないため、内容物の元々の品質を保つことができる。
また、高圧殺菌する際、内容物充填後の容器内に空間(ヘッドスペース)があると容器が破裂又は破袋する恐れがある。さらにまた、蓋付容器内に内容物を充填後、真空引きする(真空充てん)際、一般に蓋側が変形して容器側へ引っ込んでいく。このような場合、内容物の種類によっては容器側を変形させて蓋側へ引っ込むよう構成することにより、蓋付容器の内容積を効果的に減少させることができる場合もある。
特開2007−190876号 特許第3346574号
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、内容物を真空充てんする際内容物の種類によって、蓋または容器のいずれか一方を効果的に変形させて、容易かつ確実に内容積を効果的に減少させて、その後高温殺菌に供することができる蓋付容器を提供することを目的とする。
本発明は、高圧殺菌用の真空充てんに用いられる蓋付容器において、内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含むシート成形容器と、前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋とを備え、前記シート成形容器または前記蓋のいずれか一方は、未延伸フィルムの層のみを有する未延伸フィルム基材からなり、他方は少なくとも延伸フィルムの層を有する延伸フィルム基材からなる、蓋付容器である。
本発明は、前記シート成形容器は未延伸フィルム基材からなり、前記蓋は延伸フィルム基材からなる、蓋付容器である。
本発明は、前記シート成形容器は延伸フィルム基材からなり、前記蓋は未延伸フィルム基材からなる、蓋付容器である。
本発明は、前記蓋の剛性は前記シート成形容器の剛性より大きく、かつ前記蓋の厚みは前記シート成形容器の厚みより小さい、蓋付容器である。
本発明は、前記蓋の厚みは20〜100μmとなっており、前記シート成形容器の厚みは100〜350μmとなっている、蓋付容器である。
本発明は、前記フランジ部と前記蓋との間に蒸気抜き機構が設けられている、蓋付容器である。
本発明は、前記蓋に蒸気抜き機構が設けられている、蓋付容器である。
本発明に係る蓋付容器においては、内容物の種類によって蓋または容器のいずれか一方を効果的に変形させて、容易かつ確実に内容積を効果的に減少させ、その後高温殺菌に供することができる。
図1は本発明の実施の形態における蓋付容器を構成する部材の分解図である。 図2は本発明の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 図3は図2に示す蓋付容器をIII−III線に沿って見た場合を示す断面図である。 図4Aは蓋付容器の作用を示す図である。 図4Bは蓋付容器の作用を示す図である。 図4Cは蓋付容器の作用を示す図である。 図5Aはシート成形容器の層構成の一例を示す断面図である。 図5Bは蓋の層構成の一例を示す断面図である。 図6は図2に示す接合部の突出ラインを拡大して示す平面図である。 図7は図2に示す蓋付容器をVII−VII線に沿って見た場合を示す断面図である。 図8は本実施の形態における蓋付容器に対して高圧殺菌を施す状態を示す図である。
<本発明の実施の形態>
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
<蓋付容器>
まず図1乃至図3を参照して、蓋付容器10の概略を説明する。図1は、蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、図2は、蓋付容器10の平面図である。また図3は、図2に示す蓋付容器をIII−III線に沿って見た場合を示す断面図である。
蓋付容器10は、内容物50を収容するための収容部25が形成されたシート成形容器(以下、単に容器ともいう)20と、容器20の収容部25を覆う蓋30と、蓋30を容器20に接合する接合部40と、を備える。また、蓋付容器10は、内容物が加熱されることによって収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜き機構18を更に備える。なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20及び蓋30とは別個の構成要素を用いて、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。
容器20に収容される内容物50は、少なくとも水を含む。内容物50の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物50においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収容部25の圧力が高まるので、収容部25内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機構18が蓋付容器10に必要になる。
以下、容器20、蓋30、接合部40及び蒸気抜き機構18について説明する。
<シート成形容器>
図1乃至図3に示すように、シート成形容器(容器)20は、収容部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、例えば、底面21aと、底面21aの外縁に沿って一周にわたって広がるよう底面21aから立設された側面21bと、を含む。底面21aには、図3に示すように、上方へ隆起した隆起部21cが形成されていてもよい。フランジ部22は、胴部21の側面21bの上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「側面」、「上部」、「上縁」や後述する「上面」、「下面」、「水平方向」などの用語は、容器20の収容部25が上方に開口するように蓋付容器10が載置されている状態を基準として蓋付容器10、容器20、蓋30やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。また、「外側」とは、平面視における容器20の収容部25の中心点25cから遠ざかる側である。また、後述する「内側」とは、容器20の収容部25の中心点25cに近づく側である。
本実施の形態において、フランジ部22は、略矩形状(略長方形状)の輪郭を有している。例えば、フランジ部22は、一対の長辺部22aと、一対の短辺部22bと、長辺部22aと短辺部22bとの間に位置する隅部22cと、を有する。長辺部22aが延びる方向と、短辺部22bが延びる方向とは、互いに直交している。図2において、符号L1は、一方の短辺部22bの外縁と他方の短辺部22bの外縁との間の距離を表しており、符号L2は、一方の長辺部22aの外縁と他方の長辺部22aの外縁との間の距離を表している。長さL1は長さL2よりも大きい。
隅部22cは、図2に示すように、外側に向かって凸となる湾曲した形状を有していてもよい。このような隅部22cは、例えば、矩形状の輪郭を有するフランジ部の角部に面取り加工を施すことによって得られる。なお図示はしないが、隅部22cは、角張った形状を有していてもよい。また、複数の隅部22cのうち一部の隅部22cは、その他の隅部22cよりも外側に突出したタブ22dとなっていてもよい。
なお図2においては、一対の長辺部22aが互いに平行であり、一対の短辺部22bが互いに平行であり、かつ長辺部22aと短辺部22bとが直交している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、一対の長辺部22aが互いに非平行であってもよく、一対の短辺部22bが互いに非平行であってもよい。また、長辺部22aと短辺部22bとが成す角が90度からずれていてもよい。
図1及び図2に示すように、フランジ部22の外縁22yの一部には、内側に凹んだ凹部26が形成されている。凹部26は、上述の蒸気抜き機構18を構成する要素の1つである。凹部26の詳細については後述する。
図3は、凹部26を通らないIII−III線で図2の蓋付容器10を切断した場合の断面図である。図3に示す例において、フランジ部22は、内縁22xから外縁22yに至るまで平坦に広がっている。しかしながら、これに限られることはなく、フランジ部22は、傾斜面や非平坦面などを含んでいてもよい。例えば図4に示すように、フランジ部22は、下方に傾斜して外縁22yに至る傾斜面22eを含んでいてもよい。この場合、傾斜面22eには蓋30が接合されていなくてもよい。
図3において、符号Tは、容器20の厚みを表す。容器20の厚みTは、例えば、0.1mm以上且つ1.0mm以下である。容器20の厚みTが小さくなるほど、例えば、容器20の厚みTが100μm以上且つ350μm以下の場合に、容器20の側面21bやフランジ部22に変形が生じやすく、厚みTが200μm以下の場合に、変形がより生じやすい。
また、容器20がゴム成分やエチレン成分を含む場合も容器20の変形が生じやすい。
容器20が、例えば、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンで構成されている場合は、ゴム成分やエチレン成分を含まないホモポリプロピレンに比べて剛性や耐熱性が低下する。
容器20を作製する方法としては、シート成形法が採用され得る。シート成形法とは、プラスチック製の基材に型を押し付けて基材に所望の形状を形成する方法である。
また、プラスチック製の基材を、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、例えば100μm以上350μm以下の厚みを有する基材を用いることができる。
容器20を作製するためのプラスチック製基材としては、例えば図5Aに示すように、多層の積層体からなる未延伸フィルム基材を用いることができる。
すなわち、未延伸PP層20A/未延伸EVOH層20B/未延伸NY層20C/未延伸PE(または未延伸LLDPE)層20Dの積層体を用いることができる。
その他、未延伸PP層/未延伸NY層/未延伸PP層の積層体、あるいは未延伸PP層/未延伸NY層/未延伸LLDPE層の積層体を用いることができる。
ここで「未延伸PP層」は未延伸ポリプロピレンフィルム層であり、「未延伸PE(又は未延伸LLDPE)層」は未延伸ポリエチレン層又は未延伸直鎖状低密度ポリエチレン層であり、「未延伸NY層」は未延伸ナイロン層であり、「未延伸EVOH層」は未延伸エチレンビニルアルコール共重合体層である。
また「未延伸フィルム基材」とは多層の積層体を構成するすべての層、すなわち未延伸PP層20A、未延伸PE(又は未延伸LLDPE)層20B、未延伸NY層20C、未延伸EVOH層20Dのいずれも未延伸フィルムからなることをいい、このことにより未延伸フィルム基材も、全体として容易に延伸可能な未延伸フィルムの特性をもつことになる。
また容器20を構成する未延伸フィルム基材は上述のように好ましくは100μm以上かつ350μm以下の厚みを有する。
なお、容器20を構成する未延伸フィルム基材の各層の引張強度は以下の通りである。
未延伸PP層20A:12.2〜61kgf/cm
未延伸PE(又は未延伸LLDPE)層20B:5〜25kgf/cm
未延伸NY層20C:17.6〜88kgf/cm
未延伸EVOH層20D:0.082〜0.41kgf/cm
<蓋>
蓋30は、容器20の収容部25を覆うようフランジ部22の上面23に配置され、接合部40によってフランジ部22の上面23に接合されている。蓋30の下面32は、フランジ部22の上面23に接合され得るよう構成されている。図5Bは、蓋30の層構成の一例を示す断面図である。
蓋30を構成する材料としては下記のような構造をもつ多層の積層体を用いることができる。
延伸PET層30A/延伸NY層30B/未延伸PP層30Cの積層体を用いることができる。あるいはまた、延伸PET層30A/延伸NY層30B/未延伸PE層30Dの積層体をもちいることができる。
ここで「延伸PET層」は延伸ポリエチレンテレフタレート層であり、「延伸NY層」は延伸ナイロン層であり、「未延伸PP層」は未延伸ポリプロピレン層であり、「未延伸PE層」は未延伸ポリエチレン層である。上記の未延伸ポリプロピレン層、未延伸ポリエチレン層はイージーピール性を有する未延伸フィルム層でもよい。
上記の積層体は、少なくとも1層、具体的には延伸PET層30Aと延伸NY層30Bは、容易に延伸しない延伸フィルムからなる。
なお、蓋30を構成する延伸フィルム基材の各層の引張強度は以下の通りである。
延伸PET層30A:83.6〜418kgf/cm
延伸NY層30B:32.6〜163kgf/cm
未延伸PP層30C:12.2〜61kgf/cm
未延伸PE層30D:5〜25kgf/cm
上述のように蓋30は、少なくとも一層が延伸されたフィルムを有する積層体からなる。このためこのような積層体をもつ蓋30は容易に延伸できない延伸フィルムの特性をもつことになり、このため蓋30は延伸フィルムの特性をもつ延伸フィルム基材からなる、ということができる。
また、延伸フィルム基材からなる蓋30の厚みは、好ましくは20μm以上かつ100μm以下となっており、さらに蓋30の厚みは、未延伸フィルム基材からなる容器20の厚み(例えば100μm以上かつ350μm以下)より小さくなっている。
また、蓋30は延伸フィルム基材からなるため、容易に延伸することはできず、一方、容器20は未延伸フィルム基材からなるため、容易に延伸することが可能となっている。このため、容器20は蓋30に比べて、その厚みが大きくなっているものの、容器20の剛性は蓋30の剛性より小さい。
例えば、以下の蓋30と容器20の組合せが考えられる。
蓋30の構成としは、延伸PET12/延伸NY15/未延伸CPP50で厚さは77μmで剛性1.47×10kgf/cm2。
容器20の構成としては 未延伸PP50/未延伸NY60/未延伸PP60で厚さ170μmで剛性0.59×10kgf/cm2。
上記構成をもつ容器20は、その未延伸NY層20Cにより突き刺し特性を向上させ、かつEVOH層20Bによりガスバリア性を向上させることができる。
同様に蓋30はその延伸NY層30Bにより突き刺し特性を向上させることができる。
なお、容器20を構成する未延伸フィルム基材としては、その他 エチレン‐酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂 を含む積層体を用いることができる。
また蓋30を構成する延伸フィルム基材としては、その他 延伸ポリプロピレン を含む積層体を用いることができる。
(接合部)
接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する。図2に示すように、接合部40は、フランジ部22の上面23と蓋30の下面32との間に、平面視において収容部25を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。接合部40は、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収容部25を外部から封止することができる。
図2に示すように、接合部40は、フランジ部22に沿って延びる主要ライン42と、フランジ部22の長辺部22aに配置され、主要ライン42から内側に向かって突出した突出ライン44と、を有している。図2に示す例において、主要ライン42は、フランジ部22の内縁22xに平行に延びている。突出ライン44は、フランジ部22の上述の凹部26の内側に位置している。符号40xは、接合部40の内縁を表し、符号40yは、接合部40の外縁を表す。
図6は、図2に示す蓋付容器10の接合部40の突出ライン44を拡大して示す図である。なお、図6においては、図が煩雑になることを防ぐため、蓋30の外縁30yの表示を省略している。
図6に示すように、接合部40の突出ライン44は、主要ライン42から内側に向かって延びる一対の第1部分45を含む。一対の第1部分45は、突出ライン44のうち最も収容部25側に位置する先端部46において交わっている。言い換えると、突出ライン44は、内側に向かって突出する略三角形の形状を有している。この場合、加熱に伴って容器20の収容部25の圧力が高まると、まず突出ライン44の先端部46が剥がれ、続いて突出ライン44の第1部分45が剥がれて、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成される。
図6において、符号θ1は、一対の第1部分45のうちの一方の第1部分45の内縁40xが延びる方向と他方の第1部分45の内縁40xが延びる方向とが成す角度(以下、第1先端角とも称する)を表す。一対の第1部分45の間の第1先端角θ1は、180°よりも小さい。例えば、第1先端角θ1は60°以上且つ150°以下である。第1先端角θ1を60°以上にすることにより、加熱時以外に蓋付容器10に加わる力に起因して突出ライン44の先端部46が剥がれてしまうことを抑制することができる。また、第1先端角θ1を150°以下にすることにより、加熱時に接合部40に加わる圧力を効果的に突出ライン44の先端部46に集中させることができる。
なお、内容物を加熱する時に突出ライン44が主要ライン42よりも早くフランジ部22から剥離することができる限りにおいて、突出ライン44の具体的な形状が限られることはない。例えば、図示はしないが、突出ライン44は、上述の第1部分45以外の部分をさらに含んでいてもよい。例えば、突出ライン44は、主要ライン42と第1部分45との間に位置し、第1部分45とは異なる方向に延びる第2部分を含んでいてもよい。
<蒸気抜き機構>
突出ライン44が剥がれると、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成され、蒸気孔を介して収容部25の蒸気が外部へ抜ける。このように、突出ライン44は、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出するための蒸気抜き機構18を構成する要素の1つである。
蒸気抜き機構18は、好ましくは、蒸気抜き機構18の突出ライン44から収容部25の中心点25cまでの距離が、主要ライン42から中心点25cまでの距離よりも短くなるように設けられる。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、フランジ部22の突出ライン44は、好ましくは、フランジ部22の長辺部22aのうち、長辺部22aが延びる方向における中間に位置する。これによって、収容部25の中心点25cと突出ライン44の内縁40xとの間の距離を最短距離とすることができ、このことにより、内容物を加熱する時に生じる圧力に起因して突出ライン44に作用する力をより高めることができる。
蒸気抜き機構18を構成するその他の要素である、フランジ部22の上述の凹部26は、図2及び図6に示すように、突出ライン44の外側に位置している。このため、凹部26が設けられていない場合に比べて、突出ライン44の外縁40yからフランジ部22の外縁22yまでの距離を短くすることができる。これにより、突出ライン44がフランジ部22から剥離された後、蒸気が蓋30とフランジ部22との間の隙間を通ってフランジ部22の外縁22yから外部へ抜け易くなる。
<凹部>
以下、フランジ部22の凹部26について詳細に説明する。図7は、凹部26を通るVII−VII線で図2に示す蓋付容器10を切断した場合を示す断面図である。なお、図7において、符号26が示す箇所に描かれた点線は、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠いて凹部26を形成する場合の、切り欠かれた領域の一例を示している。図7に示す断面図において、点線で囲まれた領域には何も存在せず、凹部26となっている。
図7に示すように、フランジ部22の凹部26は、少なくとも部分的に、接合部40の突出ライン44の外縁40yに接している。言い換えると、水平方向において、凹部26におけるフランジ部22の外縁22yの位置と接合部40の突出ライン44の外縁40yの位置とが、少なくとも部分的に一致している。これにより、熱板を用いて蓋30をフランジ部22にヒートシールする工程において、フランジ部22に対する熱板の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。このことにより、ヒートシールする工程に要する時間やコストを低減することができる。なお、図8に示すように、フランジ部22の凹部26の一部は、長辺部22aに沿って延びる主要ライン42の外縁40yにも接している。
図7に示す例において、蓋30は、フランジ部22の凹部26を覆うように構成されている。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、フランジ部22の凹部26に重なる凹部が蓋30の外縁30yに形成されていてもよい。言い換えると、フランジ部22の凹部26の位置と、蓋30のフランジ部22の凹部26に対応する部分の外縁30yの位置とが一致していてもよい。
<蓋付容器の製造方法>
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。
はじめに、上述した構成をもつ多層の積層体からなる未延伸フィルム基材を準備する。次にこの未延伸フィルム基材を用いて、シート成形法により、一体的に形成された胴部21及びフランジ部22を有するシート成形容器20を作製する。続いて、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠いて、フランジ部22に凹部26を形成する。このようにして、図1に示すように、フランジ部22の一部に凹部26が形成された容器20を得ることができる。なお、シート成形で用いる型が、凹部26に対応した形状を有していてもよい。この場合、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠く工程は不要である。
続いて、容器20の収容部25に内容物50を真空室内(真空状態)で充てんする。また、蓋30を準備する。その後、容器20のフランジ部22の上面に蓋30を載置する。次に、蓋30のうち接合部40が形成されるべき部分を、熱板を用いて上面31側から加熱して、蓋30の未延伸PE層(シーラント層)30Dを溶融させ、蓋30をフランジ部22にヒートシールする。
このようにして内容物50が充てんされた容器20と、この容器20のフランジ部22にヒートシールされた蓋30とを有する蓋付容器10が得られる。
次にこのような構成からなる蓋付容器10が真空室から外方の大気中へ搬送される。
この場合、蓋付容器10に対して外圧が加わり、蓋付容器10が変形する(図4A参照)。上述のように、蓋付容器10のうち、容器20はその厚みが蓋30の厚みより大きいものの、蓋30が延伸フィルム基材からなり容器20が未延伸フィルム基材からなっている。このため蓋30に比べて容器20の剛性は小さくなっており、このことにより、蓋付容器10のうち蓋30はその形状を維持しつつ、容器20が内側へ引っ込むよう大きく変形する。この結果容器20の変形に伴って内容物50もその形状を変化させるか蓋付容器10の内容積をより効果的に小さくすることができる。
このように蓋付容器10の内容積を小さくすることにより、蓋付容器10に対して後述する高温水による高圧殺菌を施す場合に、蓋付容器10内のヘッドスペースを小さくとって、高圧殺菌処理を効率的に行うことができる。なお、容器20を大きく内側へ引込むよう変形させる場合、最適な内容物としては ハンバーグなど惣菜 のようなものが考えられる。
<高圧殺菌処理>
次に蓋付容器10に対する高圧殺菌処理について、図8により説明する。
蓋付容器10は複数個まとめて搬送トレイ35内に載置され、複数個の蓋付容器10は搬送トレイ35とともに圧力容器36内に収納される。その後圧力容器36内において、高圧水を用いて蓋付容器10に対して加圧処理が施されて、蓋付容器10を加熱することなく蓋付容器10内の内容物が殺菌される(図8参照)。
このように高温処理が施された蓋付容器10は、市場に送られて使用に供される。
使用者は、内容物50が充てんされた蓋付容器10を電子レンジで加熱する。このとき、内容物50内の水分が加熱されて蒸発し、蒸気となって蓋付容器10の内圧を高めて内容積を増加させ、蓋付容器10が膨張する。このことにより蓋付容器10のうち、剛性の小さな容器20が外方へ突出し、容器20は元の形状をとる(図4B参照)。
同時に蓋付容器10内に生じた過剰蒸気は、蒸気抜き機構18を介して外方へ放出される。
以上のように本実施の形態によれば、蓋30に比べて容器20の剛性を小さくして、内容物50の種類に応じて容器20側を内側へ引込むよう変形させることができる。このことにより、蓋付容器10の内容積を小さくして、ヘッドスペースを抑えることができ、その後蓋付容器10に対して高圧水を用いた高圧処理を効果的に行うことができる。
<他の実施の形態>
次に本発明の他の実施の形態について説明する。上記実施の形態において、シート成形容器20をすべての層が未延伸フィルムからなる未延伸フィルム基材から構成し、蓋30を少なくとも延伸フィルムの層を有する延伸フィルム基材から構成し、容器20の剛性を蓋30の剛性より小さくした例を示したが、これに限らず、内容物の種類に応じてシート成形容器20が厚み300mm以上の未延伸フィルム基材を含み、蓋30が未延伸フィルム基材を含み、容器20の剛性を蓋30の剛性より高くしても良い。
この場合、容器20を構成する積層体としては、PP/EVOH/PPのような積層体を用いることができる。またPP単層のフィルムでもよい。
また蓋30を構成する未延伸フィルム基材としては PE/EVA/PE/EVOH/PE/EVA/PE のような積層体(厚み300μm以下)を用いることができる。
詳しくはPE 8μm/EVA 30μm/PE 7μm/EVOH 15μm/PE 8μm/EVA 26μm/PE 6μmの積層体(100μm)を用いることができる。
上記のように構成された容器20内に真空室で内容物50が充てんされ、容器20のフランジ部22に未延伸フィルム基材のみからなる蓋30がヒートシールされる。
このようにして内容物50が充てんされた容器20と、この容器20のフランジ部22にヒートシールされた蓋30とを有する蓋付容器10が得られる。
次にこのような構成からなる蓋付容器10が真空室から外方の大気中へ搬送される。
この場合、蓋付容器10に対して外圧が加わり、蓋付容器10が変形する(図4C参照)。上述のように、蓋付容器10のうち、容器20が延伸フィルム基材からなり蓋30が未延伸フィルム基材からなっている。このため容器20に比べて蓋30の剛性は小さくなっており、このことにより、蓋付容器10のうち容器20は内容物50を安定して保持するためその形状を維持しつつ、蓋30が内側へ引っ込むよう変形する。この結果蓋付容器10の内容積を効果的に小さくすることができる。
このように蓋付容器10の内容積を小さくすることにより、蓋付容器10に対して高温水による高圧殺菌を施す場合に、蓋付容器10内のヘッドスペースを小さくとって、高圧殺菌処理を効率的に行うことができる。
さらにまた蓋付容器10の容器20のフランジ部22と蓋30との間を接合する接合部40の特定形状により蒸気抜き機構18を設けた例を示したが、これに限らずフランジ部22と蓋30との間の接合部40中に高温軟化樹脂を含有させておき、蓋付容器10を電子レンジで加熱した際、この高温軟化樹脂を溶融させて蓋付容器10内の蒸気を外部に放出させてもよい。この場合、接合部40中に含有された高温軟化樹脂により蒸気抜き機構が構成される。
あるいは蓋30に開口を設けるとともに、この開口に、開口を覆う小片からなる弁を設け、この開口と弁とにより蒸気抜き機構を構成してもよい。この弁は蓋付容器10内の蒸気を外方へ放出するとともに、外気が蓋付容器10内へ進入することを防ぐ逆止弁として機能する。
10 蓋付容器
18 蒸気抜き機構
20 容器
21 胴部
22 フランジ部
25 収容部
30 蓋
40 接合部
50 内容物

Claims (7)

  1. 高圧殺菌用真空充てんに用いられる蓋付容器において、
    内容物を収容する収容部を画成する胴部と、前記胴部の上部に一周にわたって連接されたフランジ部と、を含むシート成形容器と、
    前記容器の前記収容部を覆うよう前記フランジ部の上面に配置された蓋とを備え、
    前記シート成形容器または前記蓋のいずれか一方は、未延伸フィルムの層のみを有する未延伸フィルム基材からなり、他方は少なくとも延伸フィルムの層を有する延伸フィルム基材からなる、蓋付容器。
  2. 前記シート成形容器は未延伸フィルム基材からなり、前記蓋は延伸フィルム基材からなる、請求項1に記載の蓋付容器。
  3. 前記シート成形容器は延伸フィルム基材からなり、前記蓋は未延伸フィルム基材からなる、請求項1に記載の蓋付容器。
  4. 前記蓋の剛性は前記シート成形容器の剛性より大きく、かつ前記蓋の厚みは前記シート成形容器の厚みより小さい、請求項2に記載の蓋付容器。
  5. 前記蓋の厚みは20〜100μmとなっており、前記シート成形容器の厚みは100〜350μmとなっている、請求項4に記載の蓋付容器。
  6. 前記フランジ部と前記蓋との間に蒸気抜き機構が設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の蓋付容器。
  7. 前記蓋に蒸気抜き機構が設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の蓋付容器。
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