JP2017149306A - 車両用空気吹き出し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デフロストモードおよび別モードを含む複数の吹出モードにおいて空気を吹き出す吹出口が共通化された車両用空気吹き出し装置において、デフロストモード時の空気の速度を増大させることができる車両用空気吹き出し装置を提供する。【解決手段】車両用空気吹き出し装置10は、デフロストモードおよび前記デフロストモードとは異なる別モードを含む複数の吹出モードにおいて空調風を吹き出す吹出口11aが共通化された車両用空気吹き出し装置であって、基準位置271よりも一方側に配置され、整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する一方側ルーバ250と、前記基準位置よりも他方側に配置され、前記整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する他方側ルーバ260と、前記一方側ルーバおよび前記他方側ルーバのそれぞれの開口度合を制御する制御装置18と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用空気吹き出し装置に関する。
特許文献1には、車両のフロントガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ開口部と、車両の前席乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部と、が共通化された空気吹出装置が開示されている。特許文献1に記載された空気吹出装置のダクトには、複数の左右方向調整ドアが設けられている。特許文献1に記載された空気吹出装置は、ダクトの内部を流れる気流の車両左右方向の向きを複数の左右方向調整ドアにより調整し、共通化された開口部から吹き出す空気の吹出方向を車両左右方向で調整することができる。
ここで、デフロストモードは、フロントガラスに向けて空気を吹き出し、フロントガラスの曇りを解消する機能を有する。フロントガラスの曇りを解消させる速度(すなわち、防曇性能)に影響を及ぼす要因のひとつとして、フロントガラスに向けて吹き出される空気の速度が挙げられる。フロントガラスに向けて吹き出される空気の速度が相対的に速いと、フロントガラスの曇りを解消させる速度は相対的に速い。
特開2014−210564号公報
しかし、特許文献1に記載された空気吹出装置では、複数の左右方向調整ドアのうち左側の群および右側の群のそれぞれの開口度合は、個別には制御されない。すなわち、複数の左右方向調整ドアの開口度合は、全ての左右方向調整ドアにおいて同じである。そのため、複数の左右方向調整ドアの開口度合が比較的高く、デフロストモード時の空気の速度を増大させるという点においては改善の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、デフロストモードおよび別モードを含む複数の吹出モードにおいて空気を吹き出す吹出口が共通化された車両用空気吹き出し装置において、デフロストモード時の空気の速度を増大させることができる車両用空気吹き出し装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用空気吹き出し装置は、デフロストモードおよび前記デフロストモードとは異なる別モードを含む複数の吹出モードにおいて空調風を吹き出す吹出口を共通化され、基準位置よりも一方側に配置され、整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する一方側ルーバと、前記基準位置よりも他方側に配置され、前記整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する他方側ルーバと、前記一方側ルーバおよび前記他方側ルーバのそれぞれの開口度合を制御する制御装置と、を備える。
本発明に係る車両用空気吹き出し装置によれば、制御装置は、一方側ルーバおよび他方側ルーバのそれぞれの開口度合を制御する。そのため、制御装置は、一方側ルーバおよび他方側ルーバのいずれかの開口度合を絞り、一方側ルーバの整流作用により流れる空調風の速度と、他方側ルーバの整流作用により流れる空調風の速度と、を互いに異ならせることができる。これにより、デフロストモードおよびデフロストモードとは異なる別モードを含む複数の吹出モードにおいて空調風を吹き出す吹出口が共通化された車両用空気吹き出し装置において、デフロストモード時の空気の速度を増大させることができる。
本発明によれば、デフロストモードおよび別モードを含む複数の吹出モードにおいて空気を吹き出す吹出口が共通化された車両用空気吹き出し装置において、デフロストモード時の空気の速度を増大させることができる車両用空気吹き出し装置を提供することができる。
車内における車両用空気吹き出し装置およびその周辺の構成を示す概略図である。 車両用空調装置の構成を示す図である。 フェイスモード時における通風路内の風流れを示す断面図である。 フェイスモード時における通風路内の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時における通風路内の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時における通風路内の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時における通風路内の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時におけるインストルメントパネル近傍の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時におけるインストルメントパネル近傍の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時におけるインストルメントパネル内の風流れを示す断面図である。 デフロストモード時におけるインストルメントパネル内の風流れを示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置について説明する。図1に示す車両用空気吹き出し装置10は、車両に搭載され、車両用空調装置20の空調ケース21から出た空調風を吹出口11aから車室内に導く装置である。
車両用空調装置20は、車室内の前席の前方に配置されたインストルメントパネル1の内部に配置されている。図2に示すように、車両用空調装置20は、外殻を構成する空調ケース21を有する。この空調ケース21は、空調対象空間である車室内へ空気を導く空気通路を構成している。
空調ケース21の空気流れ最上流部には、車室内空気(内気)を吸入する内気吸入口22と車室外空気(外気)を吸入する外気吸入口23とが形成されると共に、各吸入口22、23を選択的に開閉する吸入口開閉ドア24が設けられている。これら内気吸入口22、外気吸入口23、および吸入口開閉ドア24は、空調ケース21内への吸入空気を内気および外気に切り替える内外気切替手段を構成している。なお、吸入口開閉ドア24は、制御装置18(図1参照)から出力される制御信号により、その作動が制御される。
吸入口開閉ドア24の空気流れ下流側には、車室内へ空気を送風する送風手段としての送風機25が配置されている。送風機25の空気流れ下流側には、送風機25により送風された空調風を冷却する蒸発器26が配置されている。蒸発器26は、その内部を流通する冷媒と空調風とを熱交換させる熱交換器であり、図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁等と共に蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成するものである。
蒸発器26の空気流れ下流側には、蒸発器26にて冷却された空気を加熱するヒータコア27が配置されている。本実施形態のヒータコア27は、車両エンジンの冷却水を熱源として空気を加熱する熱交換器である。また、蒸発器26の空気流れ下流側には、蒸発器26通過後の空気を、ヒータコア27を迂回して流す冷風バイパス通路28が形成されている。
ここで、ヒータコア27および冷風バイパス通路28の空気流れ下流側にて混合される空調風の温度は、ヒータコア27を通過する空調風および冷風バイパス通路28を通過する空調風の風量割合によって変化する。
このため、蒸発器26の空気流れ下流側であって、ヒータコア27および冷風バイパス通路28の入口側には、エアミックスドア29が配置されている。エアミックスドア29は、ヒータコア27および冷風バイパス通路28へ流入する冷風の風量割合を連続的に変化させるもので、蒸発器26およびヒータコア27と共に温度調整手段として機能する。エアミックスドア29は、制御装置18から出力される制御信号によってその作動が制御される。
空調ケース21の空調風流れ最下流部には、デフロスタ/フェイス開口部30およびフット開口部31が設けられている。デフロスタ/フェイス開口部30は、車両用空気吹き出し装置10を介して、インストルメントパネル1の上面1aに設けられた吹出口11aに連通している。フット開口部31は、フットダクト32を介して、フット吹出口33に連通している。
そして、上記各開口部30、31の空気流れ上流側には、デフロスタ/フェイス開口部30を開閉するデフロスタ/フェイスドア34、フット開口部31を開閉するフットドア35が配置されている。デフロスタ/フェイスドア34およびフットドア35は、車室内への空気の吹出状態を切り替える吹出モードドアである。
車両用空気吹き出し装置10は、デフロスタ/フェイス開口部30と連通することで、デフロスタ/フェイス開口部30から吹き出た空調風を車室内に導くようになっている。
続いて、図3〜図7を参照しながら、車両用空気吹き出し装置10の構成について説明する。図3および図4は、フェイスモード時における車両用空気吹き出し装置10の状態を表している。図5〜図7は、デフロストモード時における車両用空気吹き出し装置10の状態を表している。図4は、図3に表した切断面IV−IVにおける断面を表している。図7は、図5および図6に表した切断面VII−VIIにおける断面を表している。
車両用空気吹き出し装置10は、インストルメントパネル1と、主ケーシング11と、フラップ12と、一方側ルーバ250と、他方側ルーバ260と、駆動機構14(図1参照)と、制御装置18と、を有する。なお、車両用空気吹き出し装置10は、必ずしもインストルメントパネル1を有していなくともよい。
一方側ルーバ250は、左右方向において基準位置271よりも一方側に配置され、5個のルーバ251a〜255aを有する。他方側ルーバ260は、左右方向において基準位置271よりも他方側に配置され、5個のルーバ261a〜265aを有する。基準位置271は、複数のルーバ251a〜255a、261a〜265aが並んで配置された方向(すなわち、左右方向)において、複数のルーバ251a〜255a、261a〜265aのうちの中心位置に相当する。
なお、図3〜図7において、車両に固定された上下、左右、前後方向との対応関係を示す。なお、以下では、上、下、右、左、前、後と単に記載するものは、車両を基準とした上、下、右、左、前、後をいう。また、本実施形態の車両を基準とした右側は、一方側の一例に相当し、車両を基準とした左側は、他方側の一例に相当する。
主ケーシング11は、インストルメントパネル1の内部に配置され、デフロスタ/フェイス開口部30から出た空調風を吹出口11a(図1参照)から車室内に導く通風路16を囲むダクトである。主ケーシング11によって囲まれる通風路16には、フラップ12、ルーバ251a〜255a、261a〜265a等も配置される。
図4および図7に示すように、主ケーシング11は、コアンダ壁11bと、前側壁11cと、を有する無底筒形状の部材である。コアンダ壁11bは、上方に延びるにつれて緩やかに車両後方側に曲がるコアンダ面を形成する通風路16側に形成する壁である。主ケーシング11の下方端は、上述のデフロスタ/フェイス開口部30と接続され、上方端は吹出口11aとなっている。
吹出口11aは、デフロストモード、デフロストモード以外のモードの2つの吹出モードにおいて主ケーシング11から導かれた空調風を吹き出す吹出口である。ここで、デフロストモードは、フロントガラス2(図1参照)に向けて空調風を吹き出し、フロントガラス2の曇りを晴らす吹出モードである。デフロストモード以外のモードは、フェイスモードを含む。フェイスモードは、前席乗員の上半身に向けて空気を吹き出すモードである。
例えば、吹出口11aは、インストルメントパネル1の左右方向において一方側に偏って配置されている。この場合には、例えば、吹出口11aは、運転席の正面あるいは助手席の正面に配置されている。なお、吹出口11aの車幅方向長さおよび上面1aにおける配置場所は任意に変更可能である。
フラップ12は、通風路16に配置される羽形状の部材である。駆動機構14がフラップ12を駆動してフラップ12の傾き角(姿勢の一例に相当する)を変化させることで、デフロストモードとフェイスモードとを切り替えることができる。
フラップ12は、2枚の板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、駆動機構14が有するフラップシャフト227の長手方向の殆どの部分から、フラップシャフト227の回転中心から離れるように、延びている。これら2枚の板部材は、フラップシャフト227に固定され、フラップシャフト227を中心として互いに対称的に延びている。このように構成されたフラップ12は、フラップシャフト227と同軸かつ一体的に左右方向を軸として回転する。
ルーバ251a〜255a、261a〜265aは、通風路16において吹出口11aの長手方向に一例に並んで配置され、吹出口11aの長手方向における空調風の送風量分布を調整するために駆動機構14によって駆動される。言い換えれば、ルーバ251a〜255a、261a〜265aは、整流作用を用いて空調風の流れ方向を調整するとともに、開口度合に応じて空調風の送風量を調整する。なお、本実施形態では、ルーバ251a〜255a、261a〜265aの並び方向は、車両左右方向と一致する。
第1、第2、第3、第4、第5右ルーバシャフト251、252、253、254、255の各々は、前後方向に真っ直ぐ延びる棒形状の部材である。また、第1〜第5右ルーバシャフト251〜255のそれぞれの前端は、前側壁11cに軸支される。第1〜第5右ルーバシャフト251〜255のそれぞれの後端は、コアンダ壁11bに軸支される。そして、第1〜第5右ルーバシャフト251〜255は、それぞれ、前後方向を軸として回転する。
第1右ルーバ251aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第1右ルーバシャフト251の長手方向の殆どの部分から、第1右ルーバシャフト251の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第1右ルーバシャフト251に固定され、第1右ルーバシャフト251を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第1右ルーバ251aは、第1右ルーバシャフト251と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第2右ルーバ252aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第2右ルーバシャフト252の長手方向の殆どの部分から、第2右ルーバシャフト252の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第2右ルーバシャフト252に固定され、第2右ルーバシャフト252を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第2右ルーバ252aは、第2右ルーバシャフト252と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第3右ルーバ253aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第3右ルーバシャフト253の長手方向の殆どの部分から、第3右ルーバシャフト253の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第3右ルーバシャフト253に固定され、第3右ルーバシャフト253を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第3右ルーバ253aは、第3右ルーバシャフト253と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第4右ルーバ254aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第4右ルーバシャフト254の長手方向の殆どの部分から、第4右ルーバシャフト254の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第4右ルーバシャフト254に固定され、第4右ルーバシャフト254を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第4右ルーバ254aは、第4右ルーバシャフト254と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第5右ルーバ255aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第5右ルーバシャフト255の長手方向の殆どの部分から、第5右ルーバシャフト255の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第5右ルーバシャフト255に固定され、第5右ルーバシャフト255を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第5右ルーバ255aは、第5右ルーバシャフト255と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第1、第2、第3、第4、第5左ルーバシャフト261、262、263、264、265の各々は、前後方向に真っ直ぐ延びる棒形状の部材である。また、第1〜第5左ルーバシャフト261〜265のそれぞれの前端は、前側壁11cに軸支される。第1〜第5左ルーバシャフト261〜265のそれぞれの後端は、コアンダ壁11bに軸支される。そして、第1〜第5左ルーバシャフト261〜265は、それぞれ、前後方向を軸として回転する。
第1左ルーバ261aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第1左ルーバシャフト261の長手方向の殆どの部分から、第1左ルーバシャフト261の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第1左ルーバシャフト261に固定され、第1左ルーバシャフト261を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第1左ルーバ261aは、第1左ルーバシャフト261と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第2左ルーバ262aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第2左ルーバシャフト262の長手方向の殆どの部分から、第2左ルーバシャフト262の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第2左ルーバシャフト262に固定され、第2左ルーバシャフト262を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第2左ルーバ262aは、第2左ルーバシャフト262と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第3左ルーバ263aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第3左ルーバシャフト263の長手方向の殆どの部分から、第3左ルーバシャフト263の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第3左ルーバシャフト263に固定され、第3左ルーバシャフト263を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第3左ルーバ263aは、第3左ルーバシャフト263と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第4左ルーバ264aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第4左ルーバシャフト264の長手方向の殆どの部分から、第4左ルーバシャフト264の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第4左ルーバシャフト264に固定され、第4左ルーバシャフト264を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第4左ルーバ264aは、第4左ルーバシャフト264と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
第5左ルーバ265aは、2枚の平板部材を有し、それら板部材の各々は、主ケーシング11の内部の通風路16において、第5左ルーバシャフト265の長手方向の殆どの部分から、第5左ルーバシャフト265の回転中心から離れるように、延びている。また、これら2枚の板部材は、第5左ルーバシャフト265に固定され、第5左ルーバシャフト265を中心として互いに対称的に延びている。このように構成された第5左ルーバ265aは、第5左ルーバシャフト265と同軸かつ一体的に前後方向を軸として回転する。
車両用空気吹き出し装置10の構成は、以上の通りである。
フェイスモード時には、制御装置18が、デフロスタ/フェイスドア34を開き、フットドア35を閉じるので、空調風がデフロスタ/フェイス開口部30から車両用空気吹き出し装置10の通風路16に入る。
フェイスモード時には、図3に示すように、第1〜第5右ルーバ251a〜255aは、それぞれ、第1〜第5右ルーバシャフト251〜255の回転中心から上下方向に延びている。第1〜第5右ルーバ251a〜255aは、一方側ルーバ250に含まれる。第1〜第5左ルーバ261a〜265aは、それぞれ、第1〜第5左ルーバシャフト261〜265の回転中心から上下方向に延びている。第1〜第5左ルーバ261a〜265aは、他方側ルーバ260に含まれる。そして、フェイスモード時には、図4に示すように、フラップ12は、フラップシャフト227の回転中心から、上下方向に対して、左側から見て時計回りに60°の傾斜角で延びている。
このようなフェイスモード時には、空調ケース21のデフロスタ/フェイス開口部30から車両用空気吹き出し装置10の通風路16に入った空調風は、図3に示すように、ルーバ251a〜255a、261a〜265aに導かれて、上方向に真っ直ぐ、すなわち、ルーバ251a〜255a、261a〜265aによって左右方向に曲げられることなく、進む。
そして、ルーバ251a〜255a、261a〜265aを通った空調風は、フラップ12の横を通過する。図4に示すように、フェイスモード時は、後述するデフロストモード時と比べて、フラップ12よりも後方側の流路断面積が狭い。したがって、フラップ12よりも後方側の流路に高速の気流が形成されると共に、フラップ12よりも前方側の流路に低速の気流が形成される。
高速の気流となった空調風は、コアンダ効果によってコアンダ壁11bおよびインストルメントパネル1の上面1a(図1参照)に沿って流れることで、車両後方側に曲げられる。この結果、車両用空調装置20で温度調整された空調風(例えば冷風)は、吹出口11aから乗員の上半身に向かって吹き出される。また、図3に示すように、空調風が左右方向に広がらずに吹き出されるので、吹出口11aから乗員の上半身に集中して空調風が吹き出される。
次に、フェイスモードからデフロストモードへの切り替え時の作動について説明する。制御装置18は、フェイスモードからデフロストモードに切り替えるため、駆動機構14を作動させる。
ここで、デフロストモードは、フロントガラス2に向けて空調風を吹き出し、フロントガラス2の曇りを解消する機能を有する。フロントガラスの曇りを解消させる速度(すなわち、防曇性能)に影響を及ぼす要因のひとつとして、フロントガラスに向けて吹き出される空気の速度が挙げられる。フロントガラスに向けて吹き出される空気の速度が相対的に速いと、フロントガラスの曇りを解消させる速度は相対的に速い。そのため、一方側ルーバおよび他方側ルーバの開口度合が比較的高いと、フロントガラスに向けて吹き出される空気の速度が比較的遅くなり、フロントガラスの曇りを解消させる速度が比較的遅くなることがある。
これに対して、本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10の制御装置18は、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のそれぞれの開口度合を制御する。すなわち、制御装置18は、一方側ルーバ250の開口度合と、他方側ルーバ260の開口度合と、を個別に制御する。
具体的には、制御装置18は、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか一方の開口度合を一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか他方の開口度合よりも低くする制御を実行する。例えば、図5に表したように、制御装置18は、他方側ルーバ260の開口度合を一方側ルーバ250の開口度合よりも低くする制御を実行する。あるいは、図6に表したように、制御装置18は、一方側ルーバ250の開口度合を他方側ルーバ260の開口度合よりも低くする制御を実行する.
より具体的に説明すると、フラップ12が、図7に示すように、左方向から見て反時計回りに15°回転する。また、図5に示すように、制御装置18は、デフロストモードの運転の初期段階において、他方側ルーバ260の開口度合を一方側ルーバ250の開口度合よりも低くする制御を実行する。
例えば、図5に示すように、制御装置18は、第1左ルーバ261a、第2左ルーバ262a、第3左ルーバ263a、第4左ルーバ264a、第5左ルーバ265aを、図5において反時計回りに50°以上回転させ、開口度合を略ゼロに設定する。すなわち、制御装置18は、他方側ルーバ260を閉じる。一方で、図5に示すように、制御装置18は、第1右ルーバ251a、第2右ルーバ252a、第3右ルーバ253a、第4右ルーバ254a、第5右ルーバ255aを、それぞれ、図5において時計回りに10°、20°、30°、40°、50°回転させる。
そして、デフロストモードの運転の初期段階には、図5に示すように、第1〜第5左ルーバ261a〜265aは、閉じている。また、第1〜第5右ルーバ251a〜255aは、それぞれ、第1〜第5右ルーバシャフト251〜255の回転中心から、上下方向に対して、後方から見て、時計回りに10°、20°、30°、40°、50°の傾斜角で延びている。また、図7に示すように、フラップ12は、フラップシャフト227の回転中心から、上下方向に対して、左側から見て時計回りに45°の傾斜角で延びている。
また、デフロストモードの運転の初期段階には、制御装置18が、デフロスタ/フェイスドア34を開き、フットドア35を閉じるので、空調風がデフロスタ/フェイス開口部30から車両用空気吹き出し装置10の通風路16に入る。
そして、ルーバ251a〜255aを通った空調風は、フラップ12の横を通過する。図7に示すように、デフロストモードの運転の初期段階には、フェイスモード時と比べて、フラップ12よりも後方側の流路断面積が広い。したがって、フラップ12よりも後方側の流路に高速の気流が十分形成されず、前側壁11cに沿って上向きに流れる。この結果、車両用空調装置20で温度調整された空調風(例えば冷風)は、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される。
このようなデフロストモードの運転の初期段階には、他方側ルーバ260の開口度合が絞られる。そのため、一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度は、他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度とは異なる。これにより、デフロストモードの運転の初期段階において、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のそれぞれの開口度合が制御されない場合と比較して、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される空調風の速度を増大させることができる。
すなわち、デフロストモードの運転の初期段階には、一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度は、他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度よりも速い。これにより、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される空調風の速度を増大させることができる。そして、一方側ルーバ250の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、他方側ルーバ260の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。すなわち、フロントガラス2のうちで曇りを解消させる優先順位を付けることができる。
続いて、図6に示すように、制御装置18は、デフロストモードの運転の初期段階の後に、一方側ルーバ250の開口度合を他方側ルーバ260の開口度合よりも低くする制御を実行する。
例えば、図6に示すように、制御装置18は、第1右ルーバ251a、第2右ルーバ252a、第3右ルーバ253a、第4右ルーバ254a、第5右ルーバ255aを、図6において時計回りに50°以上回転させ、開口度合を略ゼロに設定する。すなわち、制御装置18は、一方側ルーバ250を閉じる。一方で、図6に示すように、制御装置18は、第1左ルーバ261a、第2左ルーバ262a、第3左ルーバ263a、第4左ルーバ264a、第5左ルーバ265aを、それぞれ、図6において反時計回りに10°、20°、30°、40°、50°回転させる。
そして、デフロストモードの運転の初期段階の後には、図6に示すように、第1〜第5右ルーバ251a〜255aは、閉じている。また、第1〜第5左ルーバ261a〜265aは、それぞれ、第1〜第5左ルーバシャフト261〜265の回転中心から、上下方向に対して、後方から見て、反時計回りに10°、20°、30°、40°、50°の傾斜角で延びている。フラップ12、デフロスタ/フェイスドア34、およびフットドア35のそれぞれの姿勢は、デフロストモードの運転の初期段階と同じである。
そして、ルーバ261a〜265aを通った空調風は、フラップ12の横を通過する。図7に示すように、デフロストモードの運転の初期段階の後には、フェイスモード時と比べて、フラップ12よりも後方側の流路断面積が広い。したがって、フラップ12よりも後方側の流路に高速の気流が十分形成されず、前側壁11cに沿って上向きに流れる。この結果、車両用空調装置20で温度調整された空調風(例えば冷風)は、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される。
このようなデフロストモードの運転の初期段階の後には、他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度は、一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度とは異なる。これにより、デフロストモードの運転の初期段階の後においても、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のそれぞれの開口度合が制御されない場合と比較して、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される空調風の速度を増大させることができる。
すなわち、デフロストモードの運転の初期段階の後には、一方側ルーバ250の開口度合が絞られる。そのため、他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度は、一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度よりも速い。これにより、吹出口11aからフロントガラス2に向かって吹き出される空調風の速度を増大させることができる。そして、デフロストモードの運転の初期段階において曇りの解消速度が相対的に遅かった他方側ルーバ260の側に配置されたフロントガラス2の曇りをより速く解消することができる。すなわち、フロントガラス2のうちで曇りを解消させる優先順位を付けることができる。
続いて、図8および図9を参照しながら、インストルメントパネルの構成および空気の流れについて説明する。図8および図9は、図1に表した切断面VIII−VIIIにおける断面を表している。
本実施形態のインストルメントパネル1では、吹出口11aは、インストルメントパネル1の左右方向において一方側に偏って配置されている。例えば、吹出口11aは、運転席の正面に配置されている。インストルメントパネル1は、一方側とは反対の他方側において、上面1aを形成する上部110を有する。
図8に示すように、デフロストモードの運転の初期段階には、他方側ルーバ260は、閉じている。また、一方側ルーバ250は、上下方向に対して、後方から見て、時計回りに50°以下の傾斜角で延びている。
そのため、図8に表した矢印A11〜A13のように、デフロスタ/フェイス開口部30から出た空調風は、他方側ルーバ260を通過する空調風の速度よりも速い速度で一方側ルーバ250を通過し、一方側に配置されたフロントガラス2に向かって吹出口11aから吹き出される。これにより、デフロストモードの運転の初期段階において、一方側ルーバ250の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、他方側ルーバ260の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。例えば、一方側が運転席側である場合には、デフロストモードの運転の初期段階において、運転席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、助手席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。
続いて、図9に示すように、デフロストモードの運転の初期段階の後には、一方側ルーバ250は、閉じている。また、他方側ルーバ260は、上下方向に対して、後方から見て、反時計回りに50°以下の傾斜角で延びている。
そのため、図9に表した矢印A11、A14、およびA21のように、デフロスタ/フェイス開口部30から出た空調風は、一方側ルーバ250を通過する空調風の速度よりも速い速度で他方側ルーバ260を通過し、他方側に配置されたフロントガラス2に向かって吹出口11aから吹き出される。
続いて、図10および図11を参照しながら、インストルメントパネルの構成および空気の流れについて説明する。図10および図11は、図1に表した切断面VIII−VIIIにおける断面を表している。
本実施形態のインストルメントパネル1では、吹出口11aは、インストルメントパネル1の左右方向において一方側に偏って配置されている。例えば、吹出口11aは、運転席の正面に配置されている。インストルメントパネル1は、一方側とは反対の他方側において、上面1aを形成する上部110を有する。上部110には、複数の開口部111が設けられている。複数の開口部111は、吹出口11aから離れた位置に設けられ、上部110を貫通している。すなわち、開口部111は、上部110を貫通する穴である。インストルメントパネル1の内部には、通風路121が設けられている。通風路121は、上部110の下に設けられ、空気を導く。
図10に示すように、デフロストモードの運転の初期段階には、他方側ルーバ260は、閉じている。また、一方側ルーバ250は、上下方向に対して、後方から見て、時計回りに50°以下の傾斜角で延びている。
そのため、図10に表した矢印A11〜A13のように、デフロスタ/フェイス開口部30から出た空調風は、他方側ルーバ260を通過する空調風の速度よりも速い速度で一方側ルーバ250を通過し、一方側に配置されたフロントガラス2に向かって吹出口11aから吹き出される。これにより、デフロストモードの運転の初期段階において、一方側ルーバ250の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、他方側ルーバ260の側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。例えば、一方側が運転席側である場合には、デフロストモードの運転の初期段階において、運転席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、助手席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。
続いて、図11に示すように、デフロストモードの運転の初期段階の後には、一方側ルーバ250は、閉じている。また、他方側ルーバ260は、上下方向に対して、後方から見て、反時計回りに50°以下の傾斜角で延びている。
そのため、図11に表した矢印A11、A14、およびA15のように、デフロスタ/フェイス開口部30から出た空調風は、一方側ルーバ250を通過する空調風の速度よりも速い速度で他方側ルーバ260を通過し、他方側に配置されたフロントガラス2に向かって吹出口11aから吹き出される。
ここで、空調風の吹出口の端部と、空調風を届けたい位置と、の間の距離が離れていると、デフロストモードにおいても、所望の位置に空調風を届けることができず、曇りを解消することができないことがある。空調風を届けたい位置としては、例えば、フロントガラスの下端のコーナ部などが挙げられる。所望の位置に空調風を届けることができない原因のひとつとして、吹出口から吹き出された空調風の流れの剥がれが挙げられる。
すなわち、デフロストモードにおいて、吹出口から吹き出された空調風が、インストルメントパネルの上面に沿って流れず、インストルメントパネルの上面から剥がれて流れることがある。例えば、層流がインストルメントパネルの上面の近傍に形成されると、空気の流れがインストルメントパネルの上面から剥がれることがある。すると、例えば図9に表した矢印A21のように、吹出口から吹き出された空調風は、インストルメントパネルの上面に対して所定の角度で流れる。そのため、吹出口の端部から離れた位置では、デフロストモードにおいても、所望の位置に空調風を届けることができないことがある。
これに対して、本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10では、吹出口11aとは異なる開口部111が、吹出口11aから離れた位置に設けられている。また、上部110の下には、通風路121が設けられている。
デフロスタ/フェイス開口部30を出て他方側ルーバ260を通過した空調風の一部は、通風路121を流れ、開口部111に導かれる。図11に表した矢印A15のように、吹出口11aから吹き出された空調風が開口部111の付近を流れると、開口部111の付近を流れる空調風の流れに伴う引き込み力が生ずる。これにより、図11に表した矢印A16のように、通風路121の内部の空調風が開口部111から吹き出す。言い換えれば、開口部111の付近を流れる空調風の流れに伴う引き込み力により、通風路121の内部の空調風が開口部111から吸い出される。
すると、開口部111から吸い出された空調風は、インストルメントパネル1の上面1aの近傍の空気を攪拌し、乱流を形成する。そのため、吹出口11aから吹き出された空調風は、インストルメントパネル1の上面1aに引きつけられ、インストルメントパネル1の上面1aから剥がれて流れることを抑えられる。言い換えれば、吹出口11aの端部から離れた位置において、空調風の剥がれの高さをより低く抑えることができる。さらに言い換えれば、空調風の流れの剥がれが生ずる位置を、吹出口11aの端部からより離れた位置に設定することができる。これにより、所望の位置に空調風をより確実に届けることができ、例えばフロントガラス2の下端のコーナ部における防曇性能を確保することができる。
また、空調風が一方側ルーバ250を通過する空調風の速度よりも速い速度で他方側ルーバ260を通過するため、デフロストモードの運転の初期段階において曇りの解消速度が相対的に遅かった他方側ルーバ260の側に配置されたフロントガラス2の曇りをより速く解消することができる。例えば、他方側が助手席側である場合には、デフロストモードの運転の初期段階において曇りの解消速度が相対的に遅かった助手席側に配置されたフロントガラス2の曇りをより速く解消することができる。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10において、制御装置18は、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか一方の開口度合を一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか他方の開口度合よりも低くする制御を実行してもよい。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10によれば、制御装置18は、一方側ルーバ250の開口度合を他方側ルーバ260の開口度合よりも低くする制御を実行する。あるいは、制御装置18は、他方側ルーバ260の開口度合を一方側ルーバ250の開口度合よりも低くする制御を実行する。これにより、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか一方の整流作用により流れる空調風の速度は、一方側ルーバ250および他方側ルーバ260のいずれか他方の整流作用により流れる空調風の速度よりも速くなる。そのため、相対的に速い速度の空調風が通過するルーバの側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、相対的に遅い速度の空調風が通過するルーバの側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10は、吹出口11aと、吹出口11aから離れた位置に設けられた開口部111と、が設けられたインストルメントパネル1をさらに備えてもよい。そして、吹出口11aから吹き出された空調風の流れに伴う引き込み力により、空気が開口部111から吸い出されてもよい。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10によれば、開口部111から吸い出された空気は、インストルメントパネル1の上面1aの近傍の空気を攪拌し、乱流を形成する。そのため、吹出口11aから吹き出された空調風は、インストルメントパネル1の上面1aに引きつけられ、インストルメントパネル1の上面1aから剥がれて流れることを抑えられる。言い換えれば、吹出口11aの端部から離れた位置において、空調風の剥がれの高さをより低く抑えることができる。さらに言い換えれば、空調風の流れの剥がれが生ずる位置を、吹出口11aの端部からより離れた位置に設定することができる。これにより、所望の位置に空調風をより確実に届けることができる。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10において、吹出口11aは、インストルメントパネル1の左右方向において一方側に偏って配置されてもよい。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10によれば、吹出口11aがインストルメントパネル1の左右方向において一方側に偏って配置されているため、同じエネルギーにおいて比較すると、一方側に配置されたフロントガラス2の曇りを他方側に配置されたフロントガラス2の曇りよりも速く解消することができる。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置において、一方側は、運転席側であり、他方側は、助手席側であり、制御装置18は、デフロストモードの運転の初期段階において、他方側ルーバ260の開口度合を一方側ルーバ250の開口度合よりも低くする制御を実行してもよい。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10によれば、デフロストモードの運転の初期段階において、運転席側に配置された一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度は、助手席側に配置された他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度よりも速い。そのため、デフロストモードの運転の初期段階において、運転席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を、助手席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度よりも速くすることができる。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10において、制御装置18は、初期段階の後に、一方側ルーバ250の開口度合を他方側ルーバ260の開口度合よりも低くする制御を実行してもよい。
本実施形態に係る車両用空気吹き出し装置10によれば、デフロストモードの運転の初期段階の後において、助手席側に配置された他方側ルーバ260の整流作用により流れる空調風の速度は、運転席側に配置された一方側ルーバ250の整流作用により流れる空調風の速度よりも速い。そのため、デフロストモードの運転の初期段階の後において、助手席側に配置されたフロントガラス2の曇りを解消させる速度を速くし、その曇りを解消することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
10 車両用空気吹き出し装置
11a 吹出口
271 基準位置
250 一方側ルーバ
260 他方側ルーバ
18 制御装置

Claims (6)

  1. デフロストモードおよび前記デフロストモードとは異なる別モードを含む複数の吹出モードにおいて空調風を吹き出す吹出口(11a)が共通化された車両用空気吹き出し装置(10)であって、
    基準位置(271)よりも一方側に配置され、整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する一方側ルーバ(250)と、
    前記基準位置よりも他方側に配置され、前記整流作用を用いて前記空調風の流れ方向を調整する他方側ルーバ(260)と、
    前記一方側ルーバおよび前記他方側ルーバのそれぞれの開口度合を制御する制御装置(18)と、
    を備えた車両用空気吹き出し装置。
  2. 前記制御装置は、前記一方側ルーバおよび前記他方側ルーバのいずれか一方の前記開口度合を前記一方側ルーバおよび前記他方側ルーバのいずれか他方の前記開口度合よりも低くする制御を実行する請求項1記載の車両用空気吹き出し装置。
  3. 前記吹出口と、前記吹出口から離れた位置に設けられた開口部(111)と、が設けられたパネル(1)をさらに備える、請求項1または2に記載の車両用空気吹き出し装置。
  4. 前記吹出口は、前記パネルの左右方向において前記一方側に偏って配置された請求項3記載の車両用空気吹き出し装置。
  5. 前記一方側は、運転席側であり、
    前記他方側は、助手席側であり、
    前記制御装置は、前記デフロストモードの運転の初期段階において、前記他方側ルーバの前記開口度合を前記一方側ルーバの前記開口度合よりも低くする制御を実行する請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用空気吹き出し装置。
  6. 前記制御装置は、前記初期段階の後に、前記一方側ルーバの前記開口度合を前記他方側ルーバの前記開口度合よりも低くする制御を実行する請求項5記載の車両用空気吹き出し装置。
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