JP2017145367A - 難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
難燃剤を含有しFMVSS No.302(JIS D1201)が100mm/min以下でありかつ下記関係を満足する難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
引張強度(kPa)/見かけ密度(kg/m3)≧10
【選択図】なし
Description
(1) 難燃剤を含有しFMVSS No.302(JIS D1201)が100mm/min以下でありかつ下記関係を満足する難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
(2)使用する難燃剤の基本骨格にハロゲン元素含まないことを特徴とする(1)記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
(3)上記難燃剤を1質量部から40質量部含有することを特徴とする(1)もしくは(2)記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
(4) 上記難燃剤が縮合型ホスホン酸エステルであることを特徴とする(1)から(3)いずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
難燃性を有し、且つ成形性に優れることにより、家電用途向けの断熱材に適した難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体を提供することができる。
以下、発明の詳細について記載する。
本発明で用いる難燃剤はその基本骨格にハロゲン元素を含まないことが好ましい。これは近年の環境問題からくる各国の規制に対しても好適である。これら例示された難燃剤のうち、好ましいのはリン系有機難燃剤であり最も好ましくは縮合型ホスホン酸エステルである。
本発明では、前記各成分を配合して得られたポリオレフィン系樹脂組成物を所定形状に成形した後、架橋・発泡して難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体を製造する。
本発明の樹脂発泡体は、配管内を流れる気体や液体等の流動性を有する物体の保温、保冷、結露防止を効率的に行うため、配管形状に則した被覆を可能とする円筒体とすることが可能である。かかる発泡体を円筒体とする方法は特に限定されないが、例えば上記方法で製造した該発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通す方法、あるいは樹脂発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通し円筒体とした後、適度な幅に切断した未延伸のフィルム状に成形したポリオレフィン系樹脂層を溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の公知の接着剤や公知の粘着テープで接着する方法が例示される。
本発明の樹脂発泡体を被覆する配管の種類には、住宅用冷暖房機器に使用する冷媒配管、給水・給湯などに使用する水道管、貯湯式給湯器の連絡配管がある。配管の材質には、塩化ビニル管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、塩化ビニルライニング管、銅管、ステンレス鋼管などが例示される。該樹脂発泡体は残留アンモニア濃度が著しく低く、銅管が腐食するのを防止するのに効果的である。
また、配管の湾曲部位、継手部位、バルブ等の流量調節部位等、配管の形状が円筒体と異なる部位は、該部位と同等形状の所定形状に成型し被覆を可能とする成型体とすることが望ましい。かかる発泡体を所定形状の成型体とする方法は特に限定されないが、例えば該発泡体を循環式熱風オーブンや赤外線ヒータ等の公知の熱源で加熱した後、微細孔を有する金属製や木製等の所定型の上に置き、微細孔より空気を抜き取り該発泡体と所定型を密着する方法が例示される。
ISO 1923(1981)「発泡プラスチック及びゴム−線寸法の測定」に準ずる。具体的には測定面積が約10cm2となるダイヤルゲージを用いて、発泡体の厚みを測定する。
JIS K6922―1,2(1997)「プラスチック−ポリエチレン (PE)成形用及び押出用材料」に準ずる。具体的にはメルトインデクサーの押出物で測定する。190℃の標準メルトインデクサーで押し出したサンプルを、気泡を含まない様にした上で適当な長さに切り、冷たい金属板の上で放置する。その後200mLの沸騰水に30分間入れアニール処理を行った後に24時間後に密度を測定する。ここでは株式会社東洋精機製作所製メルトインデックサ型式F−B01を使用した。
JIS K7210(1999)「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト (MFR) 及びメルトボリュームフローレイト (MVR) の試験方法」に準ずる。上記規格の附属書B(参考)「熱可塑性プラスチック材料の規格と指定とその試験条件」に基づきポリプロピレン系樹脂は230℃、荷重2.16kgf(21.7N)、ポリエチレン系樹脂は温度190℃、荷重2.16kgf(21.7N)の条件で行った。株式会社東洋精機製作所製メルトインデックサ型式F−B01を使用し、手動切り取り法を採用し、ダイから10分間にでてきた樹脂の質量によって規定されるものをいう。
難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体を、まず長手方向に短冊状に片刃で0.5mm間隔に切り、その後鋏を用いて幅方向に0.5mm間隔で切断したものを約50mg精密に秤量し、130℃のテトラリン200mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で自然濾過し、アセトンで洗浄し乾燥エアーを15秒間あてた後、金網上の不溶解分を1時間120℃下で熱風オーブンにて乾燥する。次いで、シリカゲルを入れたデシケータ中で10分間冷却し、この不溶解分の質量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
ゲル分率(%)={不溶解分の質量(mg)/秤量したポリオレフィン樹脂発泡体の質量(mg)}×100
そして5サンプルの測定により得られた値から上下限値を除いた3点の平均値を、ゲル分率とした。
JIS K6767(1999)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に基づいて測定されたものである。
例えば、15cm3以上になるようなサンプルサイズ(例えば、10cm角)に打ち抜き、厚み、質量を測定する。サンプルの面積(10cm角の場合は100cm2)とその厚みから体積を算出し、以下の式により見掛け密度を算出した。
見掛け密度(kg/m3)=サンプル重量(kg)/{サンプル厚み(m)×サンプル面積(m2)}
そして5サンプルの測定により得られた値から上下限値を除いた3点の平均値を、見掛け密度とした。
JIS D1201(1998)に規定されているFMVSS No.302に準拠して測定した水平方向燃焼速度の数値で評価した。なお、標線まで炎が伝播しない場合、自己消火性を有すとする。
引張強さ、引張伸びは、JIS K6767(1999年)に準拠して表1に記載の温度条件にて測定を行った。
圧縮永久歪はJIS K6767(1999年)に準拠して測定を行った。
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をシート表面が170℃まで加熱し、常温に冷却後、表面状態を目視観察した。
◎:表面平滑で光沢があった。
○:◎には若干劣るものの表面状態が良好であった
×:表面に凹凸が見られたりした。
樹脂発泡体を幅110mmに切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、内径18mmの円筒体を得た。
円筒体に成形した保温材を呼び径15A(外径15.88mm)、肉厚1.02mmの銅管へ施工するとき、保温材を全く通すことが出来ず使用出来ない場合は(×)、僅かな抵抗があるものの押し込むことで使用出来る場合は(△)、抵抗が一切ない場合は(○)とする。また、5回取り付け、取り外しを行い、やぶれ、欠け等が発生した水準を(×)、変化ないものを(○)とした。
成形絞り比とは直径D、深さHの垂直円筒状の雌型上において、発泡体を加熱し、表面温度が170℃になったところ真空成形機を用いてストレート成形したときに、発泡体が破れることなく、円筒状に展開、伸長される限界でのH/Dの値のことである。なお、ここにおいて直径Dは50mmである。また、ここで使用する雌型は鉄製で表面粗さRaは5μm以下である。
低密度ポリエチレン:日本ポリエチレン製ノバテックLD LE520H、MFR=4g/10分、密度=923kg/m3
(参考例2)
発泡剤:アゾジカルボンアミド:永和化成工業製ビニホールAC#LQ
(参考例3)
難燃剤A:芳香族ホスホン酸エステル:丸菱油化工業製、製品名:ノンネン73
難燃剤B:エチレンビスペンタブロモジフェニル:アルベマール製、製品名:SAYTEX 8010)2.5質量部
(参考例4)
難燃助剤C:三酸化アンチモン:日本精鉱製PATOX−K
(実施例1)
オレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテックLD LE520H、MFR=4g/10分、密度=923kg/m3):100質量部、難燃剤A:芳香族ホスホン酸エステル(丸菱油化工業製、製品名:ノンネン73)5質量部および発泡剤としてアゾジカルボンアミド(永和化成工業製ビニホールAC#LQ):10質量部、酸化防止剤(BASF社製IRGANOX 1010):0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、単軸押出機を用いて150℃で溶融押出し、Tダイを用いて厚さ:1.5mmのポリエチレン系樹脂シートを作製した。このシートに加速電圧800kV、15kGyの電子線を両面から照射して架橋シートを得た後、220℃の塩浴上にて浮かべ、上方から赤外線ヒータで加熱し発泡した。その発泡体を50℃の水で冷却、発泡体表面を水洗して乾燥させ、厚さ:3.0mm、みかけ密度:33kg/m3の発泡体の長尺ロールを得た。この発泡体の評価結果を表1に示す。
また、上記で得た樹脂発泡体を円筒の直径(18mm)に応じた幅に切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、円筒体保温材を得た。
実施例2〜3は、低密度ポリオレフィン樹脂、発泡剤、難燃剤は表1に記載ある質量部数を添加し、その他については実施例1と同様の方法により発泡体を作成した。これら発泡体の評価結果を表1に示す。
低密度ポリオレフィン樹脂、発泡剤、難燃剤は表1に記載ある質量部数を添加し、Tダイを用いて厚さ1.7mmのシートを作成しその他については実施例1と同様の方法により発泡体を作成した。これら発泡体の評価結果を表1に示す。
また、上記で得た樹脂発泡体を円筒の直径(18mm)に応じた幅に切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、円筒体保温材を得た。
オレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテックLD LE520H、MFR=4g/10分、密度=923kg/m3):100質量部および発泡剤としてアゾジカルボンアミド(永和化成工業製ビニホールAC#LQ):10質量部、酸化防止剤(BASF社製IRGANOX 1010):0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、単軸押出機を用いて150℃で溶融押出し、Tダイを用いて厚さ:1.5mmのポリエチレン系樹脂シートを作製した。このシートに加速電圧800kV、15kGyの電子線を両面から照射して架橋シートを得た後、220℃の塩浴上にて浮かべ、上方から赤外線ヒータで加熱し発泡した。その発泡体を50℃の水で冷却、発泡体表面を水洗して乾燥させ、厚さ:3.0mm、みかけ密度:32kg/m3の発泡体の長尺ロールを得た。この発泡体の評価を表1に示す。
また、上記で得た樹脂発泡体を円筒の直径(18mm)に応じた幅に切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、円筒体保温材を得た。
オレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテックLD LE520H、MFR=4g/10分、密度=923kg/m3):100質量部、難燃剤B:エチレンビスペンタブロモジフェニル(アルベマール製、製品名:SAYTEX 8010)2.5質量部、難燃助剤:三酸化アンチモン(日本精鉱製PATOX−K)1.0質量部、および発泡剤としてアゾジカルボンアミド(永和化成工業製ビニホールAC#LQ):10質量部、酸化防止剤(BASF社製IRGANOX 1010):0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、単軸押出機を用いて150℃で溶融押出し、Tダイを用いて厚さ:1.5mmのポリエチレン系樹脂シートを作製した。このシートに加速電圧800kV、15kGyの電子線を両面から照射して架橋シートを得た後、220℃の塩浴上にて浮かべ、上方から赤外線ヒータで加熱し発泡した。その発泡体を50℃の水で冷却、発泡体表面を水洗して乾燥させ、厚さ:3.0mm、みかけ密度:33kg/m3の発泡体の長尺ロールを得た。この発泡体の評価を表1に示す。
また、上記で得た樹脂発泡体を円筒の直径(18mm)に応じた幅に切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、円筒体保温材を得た。
比較例3、4では、難燃剤、難燃助剤について表1に記載ある質量部添加する以外、ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、酸化防止剤、電離性放射線などは比較例2と同様な条件とし、実施例1と同様の方法で発泡体を作成した。その結果、表1に示す。
また、上記で得た樹脂発泡体を円筒の直径(18mm)に応じた幅に切断し、300℃の熱風で該樹脂発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通して、円筒体保温材を得た。
Claims (4)
- 難燃剤を含有しFMVSS No.302(JIS D1201)が100mm/min以下でありかつ下記関係を満足する難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
引張強度(kPa)(温度条件 23℃)/見かけ密度(kg/m3)≧10 - 前記難燃剤の基本骨格にハロゲン元素を含まないことを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
- 前記難燃剤をポリオレフィン系樹脂架橋発泡体100質量部に対して1質量部から40質量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
- 前記難燃剤が縮合型ホスホン酸エステルであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体。
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