JP2022063318A - ポリオレフィン系架橋発泡体とその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系架橋発泡体とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残留するアンモニア濃度が低く、アンモニアによる汚染、腐食を防ぐことができ、住宅の床材や壁材、建築の目地材、自動車内装部材、梱包用部材など衝撃緩衝用途などに好適なポリオレフィン系架橋発泡体の提供を目的とする。【解決手段】発泡剤として重曹(炭酸水素ナトリウム)及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)を併用し、密度が20~160kg/m3、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体とした。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオレフィン架橋発泡体とその製造方法に関する。
ポリオレフィン架橋発泡体は、耐久性があり、かつ耐薬品性や耐候性に優れるために、住宅の床材や壁材、建築の目地材、自動車の内装材、梱包用部材など衝撃緩衝用途に広く使用されている。
ポリオレフィン架橋発泡体の発泡は、コストや発泡体の厚み制御が容易な熱分解型発泡剤を用いる熱分解発泡で行うのが主流である。熱分解型発泡剤としては、作業性の良好なアゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤が一般的に用いられている(特許文献1)。
しかし、アゾジカルボンアミド系発泡剤は、分解残渣としてアンモニアが発生するため、梱包用緩衝部材として使用する場合に、電子機器や医療部品、自動車の内装材、ヘッドランプなどを、ポリオレフィン系架橋発泡体に残留するアンモニアによって汚染、腐食させる問題がある。例えば、ヘッドランプにあっては、アンモニアによって曇る問題がある。さらに、アゾジカルボンアミド(ADCA)は分解温度が200~210℃と高温度であり、発泡体の製造時に金型温度を高温にする必要があった。
ポリオレフィン系架橋発泡体に残留するアンモニアの影響を抑えるために、アンモニア吸着剤を含有させてアンモニア濃度を200ppm~1000ppmに減らしたオレフィン系架橋発泡体が提案されている(特許文献2)。
特開平11-228725号公報 特開2012-131848号公報
しかし、アンモニア濃度を200ppm~1000ppmに減らしたポリオレフィン系架橋発泡体であっても、残留するアンモニアによる汚染、腐食の問題の解決には不十分であり、更なる解決が求められている。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、アンモニアによる汚染、腐食を防ぐことができるポリオレフィン系架橋発泡体とその製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、発泡剤は重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの併用であることを特徴とする。
請求項3の発明は、密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法であって、発泡剤として重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを、重曹の量よりもp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量を大にして併用し、一段発泡または二段発泡によって発泡倍率6~40倍で発泡させることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法に係る。
請求項4の発明は、請求項3において、前記発泡剤は、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量/重曹の量=5.5/4.5~77/23であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4において、前記発泡剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して3.0~35重量部であることを特徴とする。
本発明によれば、残留するアンモニアによる汚染、腐食を防ぐことができるポリオレフィン系架橋発泡体が得られる。
実施例と比較例の配合及び測定結果を示す表である。
本発明のポリオレフィン系架橋発泡体は、住宅の床材や壁材、建築の目地材、自動車の内装材、梱包用部材など衝撃緩衝用途に好適なものであり、密度(JIS K 6767準拠)が20~160kg/m、アンモニア濃度は0ppm~100ppm、ガラス霞度(ISO6452準拠)が5%以下である。アンモニア濃度は、丸底フラスコ500ccにサンプルを0.1g投入し、80℃のオーブン中に2時間放置した後、取り出して放冷し、アンモニア検知管(ガステック製)にて測定した。
ポリオレフィン系架橋発泡体を、例えば梱包用緩衝部材として使用した場合、ポリオレフィン系架橋発泡体の密度が低すぎると、発泡体が柔軟化されすぎて形状が保持できず緩衝材として好ましくない結果となる。一方、密度が高過ぎると発泡体は硬くなって柔軟性にかけ緩衝材として好ましくない結果となる。このため、密度は20~160kg/mが好ましい。
また、ポリオレフィン系架橋発泡体のアンモニア濃度が高すぎると、梱包した製品に対する汚染、腐食の問題が大きくなるため、アンモニア濃度は0ppm~100ppmが好ましい。
ポリオレフィン系架橋発泡体のガラス霞度が高すぎると、梱包したヘッドランプに曇りを生じ易くなるため、ガラス霞度は5%以下が好ましい。
ポリレフィン系架橋発泡体を形成するポリオレフィン系樹脂としては、低密度、中密度、高密度、直鎖状低密度などのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレンとメチル、エチル、プロピル若しくはブチルの各アクリル酸エステル(このエステルの含有量;45モル%以内)との共重合体、又はこれらのそれぞれ塩素含有率60重量%まで塩素化したもの等を挙げることができる。特に低密度のポリエチレンが好ましい。
ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体は、一段発泡または二段発泡によって製造される。一段発泡では、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤を含む発泡性樹脂組成物を発泡型に充填し、加熱加圧して発泡剤を分解させた後、発泡型を開放して発泡させることにより、所望のポリオレフィン系架橋樹脂発泡体を得る。二段発泡では、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤を含む発泡性樹脂組成物を一次発泡型に充填し、加熱加圧させることにより一次発泡させて一次発泡体を形成し、次に一次発泡体の外形よりも内面形状の大きい二次発泡型に一次発泡体を収容し、常圧下加熱することにより二次発泡させて所望のポリオレフィン系架橋発泡体を得る。二段発泡では、一段発泡よりも発泡倍率の高い発泡体が得られる。
発泡剤としては、重曹(炭酸水素ナトリウム)とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)が併用される。重曹単独では、ポリオレフィン系架橋発泡体の発泡後に収縮を生じ易くなり、一方、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド単独では、発泡不足を生じ易くなる。重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを併用することにより、発泡後の収縮や発泡不足を生じ難くできる。重曹の量(重量部)とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量(重量部)は、重曹の量よりもp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量を多くするのが好ましい。重曹の量よりもp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量を多くすることによって、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの分解ガスである窒素ガスを重曹の分解ガスである炭酸ガスよりも多くすることが可能となる。発泡成形後には、炭酸ガスだけでなく、拡散係数が低い窒素ガスで保持されているため、発泡成形後の急激な収縮、変形を抑制することができる。より好ましくは、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量(重量部)/重曹の量(重量部)=5.5/4.5~77/23である。
重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドは、ポリオレフィン系架橋発泡体の製造時における加熱によって、それぞれ熱分解してガスを発生し、ポリオレフィン系樹脂を発泡させる。重曹は、140℃~170℃で熱分解により炭酸ガスを発生し、分解残渣として炭酸ナトリウムを生じる。一方、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドは、155℃~165℃で熱分解により窒素ガスを発生し、分解残渣としてポリジチオフェニルエーテル、ポリチオフェニルベンゼンスルホニルエーテルを生じる。重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの何れも分解残渣としてアンモニアを生じないため、ポリオレフィン架橋発泡体のアンモニア濃度を減らすことができる。
また、重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの両者の熱分解温度の範囲の差が±15℃以内と近く、155℃~165℃の範囲で、ともに熱分解可能であるため、発泡バランスがよく、混合する発泡剤として好ましい。
発泡剤の量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して3.0~35重量部が好ましい。発泡剤の量が少なすぎると、発泡が不良になったり、密度が高くなったりする。一方、発泡剤の量が多すぎると、発泡型を開放した際に発泡体が破裂したり、密度が低くなりすぎたりする。
発泡性樹脂組成物には、発泡剤と共に架橋剤が含まれる。架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス-ターシャリーブチルパーオキシヘキサン、1,3-ビス-ターシャリーパーオキシ-イソプロピルベンゼンなどの有機過酸化物等を挙げることができる。架橋剤の量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1.0~5.0重量部が好ましい。
また、発泡性樹脂組成物には、適宜助剤が含まれる。助剤としては、発泡助剤、造核剤、その他の無機フィラー、着色剤などが挙げられる。発泡助剤としては、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、低級又は高級脂肪酸あるいはそれらの金属塩等を挙げることができる。造核剤としては、重炭酸カルシウムなどを挙げることができる。その他の無機フィラーとしては、導電性カーボンブラックなどを挙げることができる。
一段発泡の場合の加熱及び加圧は、発泡倍率によって異なるが、例として加熱温度130~170℃、加熱時間30~60分、圧力5~35Pa程度を挙げる。
二段発泡の場合の加熱及び加圧は、発泡倍率によって異なるが、例として一次発泡時の加熱温度100~150℃、加熱時間30~60分、圧力5~35Pa程度、二次発泡時の加熱温度140~170℃、加熱時間25~180分程度を挙げる。発泡倍率は、一段発泡及び二段発泡の何れの場合でも6~40倍が好ましい。発泡倍率は、未発泡樹脂を1000kg/mとし、以下式1で算出される値である。
1000kg/m(未発泡) ÷ 発泡体密度実測値(kg/m) (式1)
発泡体密度実測値は、JIS K 6767に準拠して測定した値である。
発泡倍率が低すぎると発泡体が柔軟化されすぎて形状が保持できず緩衝材として好ましくない結果となり、逆に高すぎると発泡体は硬くなって柔軟性にかけ緩衝材として好ましくない結果となる。また、一段発泡及び二段発泡時における発泡倍率の調整は、発泡剤によって6~40倍となるようにする。
ポリオレフィンとして低密度ポリエチレン(LDPE):MFR2、密度0.924kg/m、品番UBEポリエチレンF224C、宇部丸善ポリエチレン株式会社製を用い、重曹:三協化成株式会社製セルマイク266、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH):永和化成工業社製ネオセルボンN#5000、アゾジカルボンアミド(ADCA):永和化成工業社製パンスレンH7310を、図1の配合とした。さらに架橋剤(図1に示さず)として化薬アクゾ株式会社製カヤクミルD-40CをLDPE100重量部に対して2.7重量部配合した混合物をニーダーにて混練し、その後ロールにて混練し、実施例1~7及び比較例1~6の発泡性樹脂組成物を得た。混練は、1Lニーダーを用いて90℃の温度で20分間行った。
前記発泡性樹脂組成物を用い、実施例1~4については一段発泡により製造し、実施例5、6及び比較例1~6については二段発泡より製造した。
実施例1~4は、混練後の発泡性樹脂組成物を、発泡型に充填して加圧下加熱し、除圧して発泡させ、発泡型からポリオレフィン系架橋発泡体を取り出した。発泡型の成形空間は、縦160mm、横160mm、深さ33mm、容積0.85Lである。発泡性樹脂組成物の充填量は、何れも900g、加圧は7Pa、加熱は135℃で50分間である。
実施例5、6及び比較例1~6は、混練後の発泡性樹脂組成物を一次発泡型に充填して加圧下加熱し、除圧して発泡させ、その後に一次発泡型から一次発泡体を取り出す一次発泡工程を行い、得られた一次発泡体を二次発泡型に収容し、常圧下二次加熱による二次発泡を行って、二次発泡型からポリオレフィン系架橋発泡体を取り出した。
一次発泡型の成形空間は、縦160mm、横160mm、深さ33mm、容積0.85Lである。発泡性樹脂組成物の充填量は、何れも900g、加圧は7Pa、加熱は130℃で50分間である。
二次発泡型の成形空間は、縦300mm、横300mm、深さ55mm、容積1.5Lである。加熱は150℃で50分間である。
各実施例及び各比較例における密度(JIS K 6767準拠)、発泡倍率、アンモニア濃度、ガラス霞度(ISO6452準拠)、収縮を測定した。測定結果は図1に示す。
発泡倍率は、上記式1により算出した。
アンモニア濃度は、丸底フラスコに0.1gのサンプルを投入し、80℃のオーブンで2時間加熱し、その後冷えないうちに10~1000ppmを測定できるガステック製検知管(品番:3M)で粗々の値を測定した後、100ppm未満を測定できる、精度の良いガステック検知管(品番:3L)にてアンモニア濃度を測定した。
ガラス霞度(フォギング)は、サンプルをガラス板で遮蔽した状態で80℃×20時間加熱し、ガラス板に付着した曇り度を日本電色工業株式会社製(品番:NDH-20H)により測定した。
収縮は、発泡型から取り出した直後の発泡体の厚み寸法と、発泡型から取り出してから24時間後の厚み寸法との差分を測定し、その差分を発泡型から取り出した直後の発泡体の厚み寸法に対する比率で表した。収縮が5.0%以下の場合に「〇」とし、5.0%を超える場合は「×」とした。
総合判定は、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下、収縮が5.0%以下の条件を全て満たす場合に「〇」とし、一つでも外れる場合に「×」とした。
実施例1は、発泡剤の量が3.0重量部、OBSH/重曹の重量比が6/4の例である。実施例1は、アンモニア濃度15ppm、ガラス霞度0.7%、密度150kg/m、発泡倍率6.7倍、収縮2.1%であり、総合評価「〇」である。
実施例2は、発泡剤の量が3.0重量部、OBSH/重曹の重量比が2/1の例である。実施例2は、アンモニア濃度25ppm、ガラス霞度2.3%、密度140kg/m、発泡倍率7.0倍、収縮2.1%であり、総合評価「〇」である。
実施例3は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が6/4の例である。実施例3は、アンモニア濃度5ppm、ガラス霞度0.3%、密度80kg/m、発泡倍率12.5倍、収縮2.3%であり、総合評価「〇」である。
実施例4は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が76/24の例である。実施例4は、アンモニア濃度40ppm、ガラス霞度2.1%、密度75kg/m、発泡倍率13.3倍、収縮2.6%であり、総合評価「〇」である。
実施例5は、発泡剤の量が25.0重量部、OBSH/重曹の重量比が6/4の例である。実施例5は、アンモニア濃度20ppm、ガラス霞度0.4%、密度33kg/m、発泡倍率30.0倍、収縮3.6%であり、総合評価「〇」である。
実施例6は、発泡剤の量が35.0重量部、OBSH/重曹の重量比が6/4の例である。実施例6は、アンモニア濃度15ppm、ガラス霞度0.5%、密度25kg/m、発泡倍率40.0倍、収縮3.4%であり、総合評価「〇」である。
比較例1は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が0/7の例であり、OBSHが含まれていない。比較例1は、アンモニア濃度0ppm、ガラス霞度0.1%、密度200kg/m、発泡倍率5倍、収縮7.2%であり、総合評価「×」である。比較例1は、アンモニア濃度及びガラス霞度が小さかったが、発泡剤が重曹単独のため、成形後に炭酸ガスが急激に抜けることで、密度が高く、収縮も大きかった。
比較例2は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が5/5の例であり、OBSHと重曹の量が等しい。比較例2は、アンモニア濃度30ppm、ガラス霞度2.4%、密度100kg/m、発泡倍率10倍、収縮5.8%であり、総合評価「×」である。比較例2は、アンモニア濃度及びガラス霞度については小さかったが、密度が高く、収縮が大きかった。
比較例3は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が8/2の例である。比較例3は、アンモニア濃度60ppm、ガラス霞度3.1%、密度180kg/m、発泡倍率5.5倍、収縮1.8%であり、総合評価「×」である。比較例3は、密度が高く、発泡不足であった。
比較例4は、発泡剤の量が7.0重量部、OBSH/重曹の重量比が7/0の例であり、重曹を含まない。比較例4は、アンモニア濃度65ppm、ガラス霞度3.6%、密度230kg/m、発泡倍率4.3倍、収縮1.7%であり、総合評価「×」である。比較例4は、発泡剤がOBSH単独のため、架橋が先行して行われ、発泡が十分になされず、密度が高く、発泡不足であった。
比較例5は、発泡剤の量が2.0重量部、OBSH/重曹の重量比が6/4の例であり、発泡剤の量が少ない。比較例5は、発泡しないため、アンモニア濃度、ガラス霞度、収縮を測定できず、総合評価「×」である。比較例5は、発泡しないため密度が900kg/mと高かった。発泡倍率は1.1倍であった。
比較例6は、発泡剤としてADCAを単独で5.0重量部使用した例である。比較例6は、アンモニア濃度900ppm、ガラス霞度22%、密度65kg/m、発泡倍率15倍、収縮1.8%であり、総合評価「×」である。比較例6は、発泡剤としてADCAを使用するため、アンモニア濃度及びガラス霞度が何れも高かった。
このように、本発明では、残留するアンモニア濃度が低く、アンモニアによる汚染、腐食を防ぐことができるポリオレフィン系架橋発泡体が得られる。
第1の態様は、密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体に係る。
第2の態様は、第1の態様において、発泡剤は重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの併用であることを特徴とする。
第3の態様は、密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法であって、発泡剤として重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを、重曹の量よりもp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量を大にして併用し、一段発泡または二段発泡によって発泡倍率6~40倍で発泡させることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法に係る。
第4の態様は、第3の態様において、前記発泡剤は、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量/重曹の量=5.5/4.5~77/23であることを特徴とする。
第5の態様は、第3または第4の態様において、前記発泡剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して3.0~35重量部であることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体。
  2. 発泡剤は重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの併用であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系架橋発泡体。
  3. 密度が20~160kg/m、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下であるポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法であって、
    発泡剤として重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを、重曹の量よりもp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量を大にして併用し、一段発泡または二段発泡によって発泡倍率6~40倍で発泡させることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
  4. 前記発泡剤は、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量/重曹の量=5.5/4.5~77/23であることを特徴とする請求項3に記載のポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
  5. 前記発泡剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して3.0~35重量部であることを特徴とする請求項3または4に記載のポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
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