JP7027185B2 - ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7027185B2 JP7027185B2 JP2018014713A JP2018014713A JP7027185B2 JP 7027185 B2 JP7027185 B2 JP 7027185B2 JP 2018014713 A JP2018014713 A JP 2018014713A JP 2018014713 A JP2018014713 A JP 2018014713A JP 7027185 B2 JP7027185 B2 JP 7027185B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin
- foaming
- crosslinked foam
- based crosslinked
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
ポリオレフィン系架橋発泡体の発泡は、コストや発泡体の厚み制御が容易な熱分解型発泡剤を用いる熱分発泡で行うのが主流である。熱分解型発泡剤としては、作業性の良好なアゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤が一般的に用いられている(特許文献1)。アゾジカルボンアミド系発泡剤は、熱分解で発生するガスの量が多く、高発泡のポリオレフィン系架橋発泡体を得ることができる。また、アゾジカルボンアミド系発泡剤は、分解温度がポリオレフィン系樹脂の融点よりも高い200℃近傍であるため、ポリオレフィン系樹脂との混練をポリオレフィン系樹脂の融点付近で行ってもアゾジカルボンアミド系発泡剤が分解するおそれがなく、混練時の粘度を低くでき、混練作業が容易である。
しかし、ポリオレフィン系架橋発泡体は、独立気泡構造のため、発泡体の表面に存在するアンモニア吸着剤しか効果を発揮せず、発泡体の内部に埋没したアンモニア吸着剤は十分な効果を発揮できない問題がる。
しかし、重曹は、ポリオレフィン系樹脂の融点よりも低い100℃付近で熱分解し始めるため、ポリオレフィン系樹脂との混練時に重曹が別分解するのを防ぐには、混練をポリオレフィン系樹脂の融点よりも低い100℃未満で行う必要がある。その結果、混練時の粘度が高くなって混練時間が長くなる問題がある。また、作業の効率化等のために、100℃未満で行う混練時間を短縮させると、混練が不足してポリオレフィン系樹脂の発泡時に発泡不良を生じるようになる。
ポリオレフィン系架橋発泡体のアンモニア濃度が高すぎると、梱包した製品に対する汚染、腐食の問題が大きくなるため、アンモニア濃度は0ppm~100ppmが好ましい。
ポリオレフィン系架橋発泡体のガラス霞度が高すぎると、梱包したヘッドランプに曇りを生じ易くなるため、ガラス霞度は5%以下が好ましい。
また、重曹とp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの両者の熱分解温度の範囲の差が±15℃以内と近く、155℃~165℃の範囲で、ともに熱分解可能であるため、発泡バランスがよく、混合する発泡剤として好ましい。
一段発泡では、前記発泡性樹脂組成物の混練物を発泡型に充填し、加熱加圧して発泡剤を分解させた後、発泡型を開放して発泡させることにより、所望のポリオレフィン系架橋樹脂発泡体を得る。
二段発泡では、前記発泡性樹脂組成物の混練物を一次発泡型に充填し、加熱加圧させることにより一次発泡させて一次発泡体を形成し、次に一次発泡体の外形よりも内面形状の大きい二次発泡型に一次発泡体を収容し、常圧下加熱することにより二次発泡させて所望のポリオレフィン系架橋発泡体を得る。二段発泡では、一段発泡よりも発泡倍率の高い発泡体が得られる。
二段発泡の場合の加熱及び加圧は、発泡倍率によって異なるが、例として一次発泡時の加熱温度100~150℃、加熱時間30~60分、圧力5~35Pa程度、二次発泡時の加熱温度140~170℃、加熱時間25~180分程度を挙げる。
1000kg/m3(未発泡) ÷ 発泡体密度実測値(kg/m3) (式1)
発泡体密度実測値は、JIS K 6767に準拠して測定した値である。
発泡倍率が低すぎると発泡体が柔軟化されすぎて形状が保持できず緩衝材として好ましくない結果となり、逆に高すぎると発泡体は硬くなって柔軟性にかけ緩衝材として好ましくない結果となる。また、一段発泡及び二段発泡時における発泡倍率の調整は、ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチに含まれる発泡剤の量によって6~50倍となるようにする。
図1の配合で実施例のマスターバッチ(a)~(h)と、比較例(i)~(l)を作製した。マスターバッチの作製は、母材と発泡剤をニーダーにより100℃、25分間混練することにより行った。混練後、5分間養生したものを100g採取し、70℃で熱プレスし、50×50mm×5mmの平板を作製し、次の式で密度を測定して発泡剤が熱分解しているか否かを判断した。
密度=平板の重量/(平板の縦×横×厚み)
密度の値が1000kg/m3未満の場合は発泡しているために発泡剤が分解していると判断し、密度の値が1000kg/m3以上の場合は未発泡であるため、発泡剤が分解していないと判断した。図1における熱分解の評価欄の「〇」は、発泡剤が分解していない場合を示し、一方、「×」は、発泡剤が分解している場合を示す。
ポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE):MFR2、密度0.924kg/m3、品番UBEポリエチレンF224C、宇部丸善ポリエチレン株式会社製を用い、マスターバッチ(a)~(i)を図2の配合とした。さらに架橋剤(図2に示さず)として化薬アクゾ株式会社製カヤクミルD-40CをLDPE100重量部に対して2.7重量部配合した混合物をニーダーにて混練し、その後ロールにて混練し、実施例1~9及び比較例1~5の発泡性樹脂組成物を得た。混練は、1Lニーダーを用いて90℃の温度で20分間行った。
一段発泡では、混練後の発泡性樹脂組成物を、発泡型に充填して加圧下加熱し、除圧して発泡させ、発泡型からポリオレフィン系架橋発泡体を取り出した。発泡型の成形空間は、縦160mm、横160mm、深さ33mm、容積0.85Lである。発泡性樹脂組成物の充填量は、何れも900g、加圧は7Pa、加熱は135℃で50分間である。
二次発泡型の成形空間は、縦300mm、横300mm、深さ55mm、容積1.5Lである。加熱は150℃で50分間である。
アンモニア濃度は、丸底フラスコに0.1gのサンプルを投入し、80℃のオーブンで2時間加熱し、その後冷えないうちに10~1000ppmを測定できるガステック製検知管(品番:3M)で粗々の値を測定した後、100ppm未満を測定できる、精度の良いガステック検知管(品番:3L)にてアンモニア濃度を測定した。
ガラス霞度(フォギング)は、サンプルをガラス板で遮蔽した状態で80℃×20時間加熱し、ガラス板に付着した曇り度を日本電色工業株式会社製(品番:NDH-20H)により測定した。
総合評価は、密度が20~160kg/m3、アンモニア濃度が0ppm~100ppm、ガラス霞度が5%以下の条件全てを満たす場合に「〇」とし、一つでも外れる場合、あるいは発泡せず又は発泡不良の場合に「×」とした。
Claims (8)
- 酢酸ビニル含有量が18重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体及び/又はムーニー粘度(ML1+4、100℃)が20~40のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体と、発泡剤として重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドとを含み、
前記発泡剤は、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドの量/重曹の量=5.5/4.5~77/23であるポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチ。 - 前記発泡剤の粒子径は、8~30μmであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチ。
- 請求項1又は2に記載のポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチと、ポリオレフィン系樹脂と、架橋剤とを含む混練物より得られたポリオレフィン系架橋発泡体であって、密度が20~160kg/m 3 、アンモニア濃度が0ppm~100ppmであるポリオレフィン系架橋発泡体。
- 前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、前記ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチが7~80重量部であることを特徴とする請求項3に記載のポリオレフィン系架橋発泡体。
- 密度が20~160kg/m 3 、アンモニア濃度が0ppm~100ppmであるポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法において、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチと、ポリオレフィン系樹脂と、架橋剤とを含む混練物を一段発泡又は二段発泡によって発泡倍率6~50倍で発泡させることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
- 前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、前記ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチが7~80重量部であることを特徴とする請求項5に記載のポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
- ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が20~40のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体と、発泡剤として重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドとを含むポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチと、
ポリオレフィン系樹脂と、
架橋剤と
を含む混練物より得られたポリオレフィン系架橋発泡体であって、密度が20~160kg/m 3 、アンモニア濃度が0ppm~100ppmであるポリオレフィン系架橋発泡体。 - 密度が20~160kg/m 3 、アンモニア濃度が0ppm~100ppmであるポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法において、
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が20~40のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体と、発泡剤として重曹及びp,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドとを含むポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチと、
ポリオレフィン系樹脂と、
架橋剤と
を含む混練物を一段発泡又は二段発泡によって発泡倍率6~50倍で発泡させることを特徴とするポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014713A JP7027185B2 (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 |
JP2022022100A JP7331176B2 (ja) | 2018-01-31 | 2022-02-16 | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014713A JP7027185B2 (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022022100A Division JP7331176B2 (ja) | 2018-01-31 | 2022-02-16 | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019131703A JP2019131703A (ja) | 2019-08-08 |
JP7027185B2 true JP7027185B2 (ja) | 2022-03-01 |
Family
ID=67545752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018014713A Active JP7027185B2 (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7027185B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7008890B1 (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-25 | 松本油脂製薬株式会社 | 発泡成形用マスターバッチ、及びその用途 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004292709A (ja) | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Mitsui Chemicals Inc | 共重合体組成物、発泡体および該発泡体からなるウエザーストリップスポンジ |
JP2007177122A (ja) | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Toyoda Gosei Co Ltd | 発泡剤マスターバッチおよび発泡剤分散ゴム組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5439465A (en) * | 1977-09-05 | 1979-03-26 | Furukawa Electric Co Ltd:The | Preparation of polypropylene foam |
JPH04363338A (ja) * | 1991-06-10 | 1992-12-16 | Tonen Chem Corp | ポリオレフィン架橋発泡体の製造方法 |
-
2018
- 2018-01-31 JP JP2018014713A patent/JP7027185B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004292709A (ja) | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Mitsui Chemicals Inc | 共重合体組成物、発泡体および該発泡体からなるウエザーストリップスポンジ |
JP2007177122A (ja) | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Toyoda Gosei Co Ltd | 発泡剤マスターバッチおよび発泡剤分散ゴム組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019131703A (ja) | 2019-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7431871B2 (ja) | ポリオレフィン系架橋発泡体とその製造方法 | |
US4542164A (en) | Flame-retardant polyolefin foam | |
JP7027185B2 (ja) | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 | |
JP5647606B2 (ja) | ガス発生剤 | |
JP2022063319A (ja) | ポリオレフィン系架橋発泡体用マスターバッチとポリオレフィン系架橋発泡体とポリオレフィン系架橋発泡体の製造方法 | |
JP2004155454A (ja) | 断熱性ポリエチレン容器およびその製造方法 | |
KR101083277B1 (ko) | 금속스테아레이트가 포함된 발포조성물 및 이를 이용한 발포성형체 제조방법 | |
JP3976906B2 (ja) | 無機物高充填発泡体シートの製造方法 | |
JP3580556B2 (ja) | ノンハロゲン系難燃性樹脂発泡体 | |
JP5725957B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法 | |
JPH07118435A (ja) | 難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体 | |
JP2019172903A (ja) | 熱伝導性発泡体及び熱伝導性発泡体粘着シート | |
EP2963080B1 (en) | Polyolefin-type resin foam | |
JPH03287637A (ja) | 難燃性樹脂発泡体の製造方法 | |
JP4302210B2 (ja) | 難燃性被覆断熱管 | |
JP2673310B2 (ja) | 連続気泡を有するポリエチレン系樹脂発泡体の製造法 | |
JP4965136B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP3542907B2 (ja) | オレフィン系樹脂架橋発泡体及びその製造方法 | |
JPWO2009001959A1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂非架橋発泡体の製造方法 | |
JPH08208875A (ja) | 難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体 | |
JP4903452B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP2012097285A (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP4468029B2 (ja) | 難燃性架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法 | |
JP3763879B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体 | |
JP3454739B2 (ja) | 架橋オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211005 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211203 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220118 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220216 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7027185 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |